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JP4836047B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings
    • F16H57/049Friction gearings of the toroid type

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  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図4および図5に示すように構成されている。図4に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図4の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図4のC−C線に沿う断面図である図5に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1のキャビティ221および第2のキャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1のキャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2のキャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1のキャビティ221のみについて説明する。
図5に示すように、ケーシング50の内側において、第1のキャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要があるとともに、ディスク2,3やパワーローラ11を回転可能に軸支する軸受(以下、パワーローラ軸受とも言う。)等に対しても十分な潤滑を行なう必要がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−232677号公報
一般に、潤滑油(トラクション油)は、オイルポンプによりトラクション面やパワーローラ軸受部に対して供給される。オイルポンプの給排口付近には、金属摩耗粉等の異物(以下、コンタミという。)を除去するためのフィルタを装着することが一般的に行なわれるが、潤滑油の圧送中に油路にコンタミ(コンタミネーション)が混入し、そのコンタミがパワーローラ軸受等の接触部に噛み込まれる虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、潤滑油中の異物を効果的に除去できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、回転トルクが入力される入力軸と、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に前記入力軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持された状態で、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオン内に潤滑油を供給する第1の油路と、
前記第1の油路から分岐され、前記トラニオンを通じて、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとの間に形成されるトラクション面に対して潤滑油を供給する第2の油路と、
前記第1の油路から分岐され、前記トラニオンおよび前記変位軸を通じて、前記軸受に対して潤滑油を供給する第3の油路と、
前記第1の油路の下流端部に設けられた第1のフィルタと、
前記第3の油路に設けられた第2のフィルタと、
を備え
前記第2のフィルタは、そのメッシュサイズが前記第1のフィルタのそれよりも小さいことを特徴とする。
また、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載された発明において、前記第1の油路は、前記パワーローラにおける前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの接触点の近傍でなくこの接触点の周方向の延長線上に潤滑油を供給する吐出口を有していることを特徴とする。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、第1および第2のフィルタが前記軸受の近くに設置され、かつ2段階で濾過が行なわれるので、前記軸受に供給する潤滑油中の異物を効果的に除去することができる。さらに、第2のフィルタのメッシュサイズが第1のフィルタのメッシュサイズよりも小さくすることにより、前記軸受に供給される潤滑油の清浄度を高めることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トラニオンおよびディスクに対する潤滑油の供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図4および図5と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1〜図3は本発明の実施形態を示している。図2に示すように、本実施形態のトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3とを有して構成されるバリエータには、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつこのパワーローラ11の回転を許容するスラスト玉軸受(軸受、パワーローラ軸受)24と、トラニオンに潤滑油を供給するための油路と、この油路から分岐され、前記スラスト玉軸受24に潤滑油を供給するための油路と、同じく前記油路から分岐され、トラクション面に潤滑油を供給するための油路とが設けられている。
具体的には、トラニオン15の一方の枢軸14に結合されている駆動ロッド29内に、トラニオン15内に潤滑油を供給するための油路(第1の油路)90が設けられている。この油路90は、図示しないオイルポンプに接続されている。油路90は、トラニオン15内に設けられ、変位軸23の基端部23aの基端面に連通する油路90a(第3の油路)と、トラニオン15内に設けられ、入力側ディスク2および出力側ディスク3とパワーローラ11との間に形成されるトラクション面(パワーローラ11の周面11a)と対向する吐出口92を有する油路90b(第2の油路)とに分岐している。なお、油路90bおよび吐出口92は、パワーローラ11のトラクション面に対して確実に潤滑油を供給できる向きに形成されており、例えばパワーローラ11の周面11aにおけるディスク2,3との接触点Sの周方向の延長線上に潤滑油を吹き付けるように形成されていることが好ましい。
一方、変位軸23には、油路90aと連通し、この油路90aを通じて送られる潤滑油をスラスト玉軸受24に対して供給する油路100(第3の油路)が設けられている。具体的に、油路100は、変位軸23内をその長手方向に沿って延びる油路51と、この油路51の途中から径方向に延びて先端部23bの外周面で開口する複数の油路52とを有している。油路51が油路90aに連通している。
また、油路52は、スラスト玉軸受24と対向して開口している。また、油路51は、変位軸23の先端部23bの先端面とパワーローラ11との間に形成された隙間53に開口しており、この隙間53は、ラジアルニードル軸受38により先端部23bの外周面とパワーローラ11との間に形成された環状空間55のうちの前記ラジアルニードル軸受38で閉塞されない隙間57を通じてスラスト玉軸受24へと通じている。
また、油路90を流れる潤滑油中の異物を捕捉するため、油路90の下流端部に、第1のメッシュフィルタ(第1のフィルタ)200が配置されている。また、油路100を流れる潤滑油中の異物を捕捉するため、油路100(油路51)の上流端部に、第2のメッシュフィルタ(第2のフィルタ)210が配置されている。この場合、第2のメッシュフィルタ210は、そのメッシュサイズが第1のメッシュフィルタ200のそれよりも小さく設定されている。
したがって、上記構成において、油路90を通じてトラニオン15内に供給される潤滑油は、油路90に設けた第1のメッシュフィルタ200を通過した後、分岐して、トラニオン15に形成された油路90aおよび油路90bに流れる。油路90bを通じて流れる潤滑油は、トラニオン15に形成された吐出口92からパワーローラ11の周面11a(トラクション面)に対して噴射される。一方、油路90aを通じて流れる潤滑油は、第2のメッシュフィルタ210を通過した後、変位軸23の基端部23aの基端面から変位軸23内の油路100の油路51に導入され、途中で、油路52へと流れて直接的にスラスト玉軸受24に供給される。一方、油路51から隙間53へと流れた潤滑油は、変位軸23の先端部23b外周面とパワーローラ11との間の隙間57を通じて、スラスト玉軸受24へと流れる。
以上のように、本実施形態では、第1および第2のフィルタ200,210がスラスト玉軸受24の近くに設置され、かつ2段階で濾過が行なわれるので、スラスト玉軸受24に供給する潤滑油中の異物を効果的に除去することができる。一方、パワーローラ11のトラクション面(周面11a)に供給される潤滑油は、その極一部のみが実際の接触部(パワーローラ11の接触点S)に供給されるので、潤滑油に含まれるコンタミを噛み込む頻度が少ないため、第1のフィルタ200による濾過を行えば足りる。
また、第2のフィルタ210のメッシュサイズが第1のフィルタ200のメッシュサイズよりも小さくなっているため、パワーローラ11のスラスト玉軸受24に供給される潤滑油の清浄度を高めることができる。
前述のように、トラクション面に供給される潤滑油は、その極一部のみが実際の接触部(パワーローラ11の接触点S)に供給されるので、潤滑油に含まれるコンタミを噛み込む頻度は少なく、過大なコンタミのみを取り除いておけば良いため、第1のフィルタ200のメッシュサイズを比較的大きくしても問題がない。一方、スラスト玉軸受24に供給される潤滑油は、全量が転走部を通過するので、コンタミを噛み込む頻度が多くなるため、メッシュサイズの小さい第2のフィルタ210を装着することが好ましい。
本実施の形態のようにフィルタを装着する場合には、目詰まりによる潤滑油供給量不足が懸念されるが、第1のフィルタ200を通過する潤滑油量はトラクション面に供給される量とスラスト玉軸受24に供給される量との合計となるため、第1のフィルタ200のメッシュサイズを小さくすることは難しい。これに対して、第2のフィルタ210を通過する潤滑油は、スラスト玉軸受24に供給される量だけで済み、更に第1のフィルタ200を一度通過してきた油であるため、メッシュサイズを十分に小さくすることができる。
パワーローラ11は、熱源がスラスト玉軸受24とトラクション面であり、一方、入出力側ディスク2,3はトラクション面のみであり、また、体積も入出力側ディスク2,3の方が大きいため、パワーローラ11を積極的に潤滑する本実施形態の油路構成は冷却の観点から望ましいと言える。
また、第1の油路90は、前記先行文献1に記載のように、パワーローラ11におけるディスク2,3との接触点S近傍に局所的に潤滑油を吹き付けるのではなく、例えばパワーローラ11におけるディスク2,3との接触点Sの周方向の延長線上に潤滑油を吹き付けるなど、入出力側ディスク2,3とパワーローラ11との接触点を含む広い範囲のトラクション面11aに対して潤滑油を供給するようにしたので、確実に潤滑・冷却できるとともに、供給される潤滑油の極一部だけが前記接触点Sに到達する。そのため、潤滑油中に僅かに異物が存在する場合であっても、その異物が前記接触点で噛み込まれる頻度を減少することができる。
なお、前記特許文献1のようにパワーローラ11におけるディスク2,3との接触点S近傍に局所的に潤滑油を供給することは、一般にトロイダル型無段変速機では形状誤差や変形によりディスクが軸方向に移動することから、トラニオンから見て前記接触点が移動することとなるため、潤滑油をトラニオン15から前記接触点Sに常に吹き付けることは困難である。
なお、前述の実施の形態では、第1のフィルタ200を油路90の下流端部に設けたが、第1のフィルタ200は油路90の他の場所に設置してもよい。また、前述の実施の形態では、油路90を駆動ロッド29に設けたが、これに代えて、油路90をトラニオン15の枢軸14およびこの枢軸14から一体的に延びる軸部に渡って設けるなどしてもよい。
また、前述の実施の形態では、第2のフィルタ210を油路100(油路51)に設けたが、第2のフィルタ210は油路90aに設置してもよい。
また、前述の実施の形態では、変位軸23に一体にスラスト玉軸受24の外輪28を形成したが、図5のように、変位軸23と外輪28とを別体に設けるようにしてもよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型等の様々なトロイダル型無段変速機に適用することができる。
(a)は本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部平面図、(b)は要部側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図4のC−C線に沿う断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
23 変位軸
24 スラスト玉軸受(軸受)
90 油路(第1の油路)
90a 油路(第3の油路)
90b 油路(第2の油路)
100 油路(第3の油路)
200 第1のメッシュフィルタ(第1のフィルタ)
210 第2のメッシュフィルタ(第2のフィルタ)

Claims (2)

  1. 回転トルクが入力される入力軸と、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に前記入力軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持された状態で、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオン内に潤滑油を供給する第1の油路と、
    前記第1の油路から分岐され、前記トラニオンを通じて、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとの間に形成されるトラクション面に対して潤滑油を供給する第2の油路と、
    前記第1の油路から分岐され、前記トラニオンおよび前記変位軸を通じて、前記軸受に対して潤滑油を供給する第3の油路と、
    前記第1の油路の下流端部に設けられた第1のフィルタと、
    前記第3の油路に設けられた第2のフィルタと、
    を備え
    前記第2のフィルタは、そのメッシュサイズが前記第1のフィルタのそれよりも小さいことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記第1の油路は、前記パワーローラにおける前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの接触点の近傍でなくこの接触点の周方向の延長線上に潤滑油を供給する吐出口を有していることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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