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JP4706960B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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JP4706960B2 JP2005133919A JP2005133919A JP4706960B2 JP 4706960 B2 JP4706960 B2 JP 4706960B2 JP 2005133919 A JP2005133919 A JP 2005133919A JP 2005133919 A JP2005133919 A JP 2005133919A JP 4706960 B2 JP4706960 B2 JP 4706960B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16C2361/65Gear shifting, change speed gear, gear box

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  • Friction Gearing (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図3のA−A線に沿う断面図である図4に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図4に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸(支持軸)23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図4の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定
部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Aは、球面ポスト68およびこれを支持するシリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24は、複数個ずつの玉26と、これら各玉26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、内輪としてのパワーローラ11と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28bの外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、内輪28aから外輪28bに加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら内輪28aおよび外輪28bが各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
また、トロイダル型無段変速機の例として、例えば特許文献1および特許文献2に記載されているものが知られている。さらに、特許文献3には、合成樹脂製の保持器が記載されている。
特開2000−310308号公報 実用新案登録第2603559号公報 特許第3532663号公報
ところで、パワーローラ11を支持するスラスト玉軸受24は、軸方向の荷重と回転支持のためのものであり、ラジアル軸受と異なり、全部の玉で荷重を支持することができるため、大きなキャパシティをもつことができるが、玉を転動自在に保持する円環板状の保持器は限られた空間(内輪(パワーローラ11)と外輪28との間の空間)に配置するため、厚さが決まってしまうので、強度向上等のために、厚さを厚くすることは困難である。このため、前記特許文献1に記載のもののように、保持器27の両面に油溝を設けると、その部分の肉厚が薄くなって破損の可能性がある。そのため、前記特許文献2に記載のもののように、保持器の両面に形成する油溝(潤滑油流路)の断面を単一円弧形にするなどの工夫を必要とし、保持器の加工に手間を要することになる。
また、前記特許文献3に記載の樹脂製の保持器では、保持器に形成するポケットの断面形状を円弧面と、これと連続する円筒面に形成する際に、成形型のムリ抜きを行うことによって、円筒面の直径を円弧面で形成される球の直径より小さくできる。保持器のポケットの円弧面の部分に玉を挿入する場合は、円筒面側から玉を押し入れることによって行うことができ、また、挿入された玉をその脱落を防止して保持できる。しかし、合成樹脂以外の鋼製等の保持器では、円筒面の直径を円弧面で形成される球の直径より小さくすると、玉を挿入できないため、一方の円筒面の直径を円弧面で形成される球の直径とほぼ等しくするか、若干大きめにすることによって、玉を挿入した後、玉の脱落や出っ張りを防止するために、円筒面で形成される円筒の入口をかしめている。したがって、保持器の「かしめ」を有する面が、内輪または外輪に接触する可能性があり、保持器に焼き付きや摩耗が生じ易く、好ましくない。
さらに、トロイダル型無段変速機の小型化を進めていくと、保持器を配置する空間が更に小さくなるので、それに伴って保持器を薄くする必要が生じ、保持器が破損する可能性もある。また、保持器は内輪と外輪との間に配置されるため、保持器が内輪または外輪のいずれか側に寄ってしまうと、保持器と、内輪または外輪との間の隙間が殆ど無くなってしまい、潤滑性が損なわれ、耐久性にバラツキが生じてしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、スラスト軸受の保持器と内輪および外輪との接触を防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として傾転するトラニオンと、このトラニオンに回転自在に支持された状態で、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンの内側面との間に設けられ、パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体と、これらの複数の転動体を保持する保持器とを備えているトロイダル型無段変速機において、前記保持器と前記内輪および前記外輪との間にそれぞれ、前記保持器と前記内輪および前記外輪とをそれぞれ相対的に回転可能とする回転支持部材が前記保持器、前記内輪および前記外輪と別体に設けられていることを特徴とする。
ここで、前記保持器の材料は、一般に使用している鋼や合成樹脂のいずれでもよい。また、前記回転支持部材は、例えば、転がり軸受、滑り軸受等の軸受でもよく、さらには、フッ素樹脂等の低摩擦材でもよい。
請求項1に記載の発明においては、保持器と内輪および外輪との間にそれぞれ、回転支持部材が設けられているので、これらの回転支持部材によって、保持器と内輪との接触および保持器と外輪との接触を防止できる。したがって、保持器の焼き付きや摩耗を抑えることができるとともに、潤滑性も損なわれることがなく、耐久性に優れる。
また、保持器の両面に形成する油溝(潤滑油流路)の断面を単一円弧形にするなどの工夫が必要ないので、保持器の加工が容易となる。
さらに、保持器と内輪および外輪との間にそれぞれ、回転支持部材の存在によって隙間が確保されるので、保持器のポケットの入口に「かしめ」加工を施す必要がない。このため、保持器の加工が容易となるとともに、保持器の「かしめ」を有する面が、内輪または外輪に接触することに起因する保持器の焼き付きや摩耗を防止できる。
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記回転支持部材は、前記転動体位置より保持器の内径側に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、回転支持部材が転動体位置より保持器の内径側に設けられているので、この回転支持部材に対する内輪および外輪の周速を小さく抑えることができ、よって、回転支持部材による損失を小さくすることができる。
請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記転動体を保持する前記保持器のポケットは、その内周面がポケットの軸方向と平行なストレート穴であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、保持器と内輪および外輪との間にそれぞれ、回転支持部材が設けられており、保持器のポケットがストレート穴であるので、このストレート穴に設ける転動体によって保持器をその軸方向に拘束する必要がない。したがって、保持器を極力薄くできるので、保持器の小型化を図ることができる。また、ポケットがストレート穴であるので、ポケットの加工が容易であるとともに、加工精度が向上する。
請求項4に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載に発明において、前記回転支持部材は、軸受であることを特徴とする。
軸受は、転がり軸受、滑り軸受等いずれの軸受でもよい。
請求項4に記載の発明においては、回転支持部材が軸受であるので、保持器と内輪および外輪とをそれぞれ相対的に容易に回転可能に支持できる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、保持器と、内輪および外輪との間に、それぞれ回転支持部材が設けられているので、これらの回転支持部材によって、保持器と内輪との接触および保持器と外輪との接触を防止できる。したがって、保持器の焼き付きや摩耗を抑えることができるとともに、耐久性に優れ、さらに保持器の加工が容易となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明はトロイダル型無段変速機におけるスラスト軸受の形態に特徴があり、その他の構成は従来技術と同様であるため、共通部分についてはその図示と説明を省略し、スラスト軸受について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を示すものである。
スラスト玉軸受(スラスト軸受)24は、内輪としてのパワーローラ11と、このパワーローラ11と同軸に設けられた外輪28と、これらのパワーローラ11と外輪28との間で転動する複数の玉(転動体)26と、これらの複数の玉を保持する保持器27とを備えている。スラスト玉軸受24の内輪軌道はパワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。保持器27は、円環板状に形成されており、周方向に等角度間隔に形成された各ポケット27aに各玉26を転動自在に保持している。ポケット27aはその内周面がポケット27aの軸方向と平行なストレート穴となっている。また、ポケット27aの直径は、玉26の直径より若干大きくなっている。なお、ポケット27aは平面視において円形であってもよいし、矩形でもよい。
保持器27とパワーローラ11との間には、回転支持部材40が設けられており、また保持器27と外輪28との間にも、同様の回転支持部材40が設けられている。回転支持部材40は、保持器27とパワーローラ11および外輪28bとをそれぞれ相対的に回転可能とするものである。本実施の形態では、この回転支持部材40は、円柱状のコロを用いたスラスト軸受である。また、回転支持部材40は、保持器27の玉26の位置より外周側に設けられている。
上記のようなスラスト玉軸受24では、保持器27とパワーローラ11および外輪28bとの間にそれぞれ、回転支持部材40が設けられているので、回転支持部材40によって、保持器27と内輪28aとの接触および保持器27と外輪28bとの接触を防止できる。したがって、保持器27の焼き付きや摩耗を抑えることができるとともに、潤滑性も損なわれることがなく、耐久性に優れる。
また、保持器27の両面に形成する油溝(潤滑油流路)の断面を単一円弧形にするなどの工夫が必要ないので、保持器27の加工が容易となる。
さらに、保持器27とパワーローラ11および外輪28bとの間の隙間がそれぞれ、回転支持部材40の存在によって一定に保持されるので、保持器27のポケット27aの入口に「かしめ」加工を施す必要がない。このため、保持器27の加工が容易となるとともに、保持器27の「かしめ」を有する面が、内輪または外輪に接触することに起因する保持器の焼き付きや摩耗を防止できる。
加えて、保持器27のポケット27aがストレート穴であるので、このストレート穴に設ける玉26によって保持器27をその軸方向に拘束する必要がない。したがって、保持器27を極力薄くできるので、保持器27の小型化を図ることができる。また、ポケット27aがストレート穴であるので、ポケットの穴加工が容易であるとともに、加工精度が向上する。
また、回転支持部材40がスラスト軸受であるので、保持器27とパワーローラ11および外輪28bとをそれぞれ相対的に容易に回転可能に支持できる。
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態を示すものである。この図に示すスラスト玉軸受24が、図1に示すスラスト玉軸受24と異なる点は、回転支持部材40の配置位置であるので、以下ではこの点について説明し、他の共通部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図2に示すように、回転支持部材40は、玉26の位置より保持器27の内径側に設けられている。保持器27と内輪28aの間に位置する回転支持部材40はスラスト軸受であり、このスラスト軸受を構成する複数の円柱状のコロは、パワーローラ11の大端面(外側面)に形成された軌道41に沿って転動可能である。また、保持器27と外輪28の間に位置する回転支持部材40も同様にスラスト軸受であり、このスラスト軸受を構成する複数の円柱状のコロは、外輪28の内側面に形成された軌道41に沿って転動可能である。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、回転支持部材40が玉26の位置より保持器27の内径側に設けられているので、この回転支持部材40に対するパワーローラ11および外輪28の周速、つまり、スラスト玉軸受24の周速小さく抑えることができ、よって回転支持部材40による損失を小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、回転支持部材40を玉26の位置より保持器27の内径側に設けたが、これに加えてさらに回転支持部材40を玉26の位置より保持器27の外径側に設けてもよい。このようにすれば、保持器27とパワーローラ11および外輪28との間にそれぞれ、確実に隙間を確保することができるので、パワーローラ11、外輪28の回転がよりスムーズになる。
また、上記2つの実施の形態では、回転支持部材40としてスラスト軸受を使用したが、軸受であれば、転がり軸受や滑り軸受のいずれの軸受を使用してもよい。
さらに、軸受に代えて、フッ素樹脂等の低摩擦材を使用してもよい。この場合、低摩擦材が塗布された部材または低摩擦材で形成された部材を、保持器27とパワーローラ11および外輪28との間に設ければよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、スラスト玉軸受部の縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、スラスト玉軸受部の縦断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
14 枢軸
15 トラニオン
24 スラスト玉軸受(スラスト軸受)
26 玉(転動体)
27 保持器
27a ポケット
28 外輪
40 回転支持部材

Claims (4)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として傾転するトラニオンと、このトラニオンに回転自在に支持された状態で、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンの内側面との間に設けられ、パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体と、これらの複数の転動体を保持する保持器とを備えているトロイダル型無段変速機において、
    前記保持器と前記内輪および前記外輪との間にそれぞれ、前記保持器と前記内輪および前記外輪とをそれぞれ相対的に回転可能とする回転支持部材が前記保持器、前記内輪および前記外輪と別体に設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記回転支持部材は、前記転動体位置より保持器の内径側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記転動体を保持する前記保持器のポケットは、その内周面がポケットの軸方向と平行なストレート穴であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記回転支持部材は、軸受であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載にトロイダル型無段変速機。
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