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JP4897834B2 - ベンゾキサゾール誘導体およびその類似体を増感剤として含む紫外線感受性平版印刷版前駆体 - Google Patents

ベンゾキサゾール誘導体およびその類似体を増感剤として含む紫外線感受性平版印刷版前駆体 Download PDF

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Description

本発明は、輻射線感受性コーティングに特定のベンゾオキサゾール誘導体またはその類似体を増感剤として含むネガ型の紫外線感受性平版印刷版前駆体に関する。本発明は、さらに、かかる前駆体の製造方法、かかる前駆体に画像形成する方法、および画像形成された印刷版、並びにかかる前駆体の製造のためのかかる増感剤を含む輻射線感受性組成物に関する。
平版印刷技術は、油と水との非混和性に基づいており、油性材料または印刷インクは好ましくは画像領域によって受理され、水または浸し水は好ましくは非画像領域によって受理される。適切に生じさせた表面を水でぬらし、そして印刷インクを適用すると、バックグラウンドまたは非画像領域は水を受理し、印刷インクをはじくのに対して、画像領域は印刷インクを受理し、水をはじく。画像領域内の印刷インクは、次いで、画像形成すべき材料、例えば紙や布地などの表面に転移される。しかし、一般的には、印刷インクは先ずブランケットと呼ばれる中間材料に転移され、この中間材料は次いで印刷インクを、画像形成すべき材料の表面上に転移させる。この技術はオフセット平版印刷と呼ばれる。
よく使用されるタイプの平版印刷版前駆体は、アルミニウムを基にする基材上に適用された感光性コーティングを含む。コーティングは輻射線に対して反応することができ、これにより露光部分は可溶性になるので、この部分は現像プロセス中に除去される。このような版はポジ型と呼ばれる。他方、コーティングの露光部分が輻射線によって硬化される場合には、版はネガ型と呼ばれる。両方の場合において、残りの画像領域は印刷インクを受理し(すなわち親油性)、そして非画像領域(バックグラウンド)は水を受理する(すなわち親水性)。画像領域と非画像領域との分化(differentiation)は、露光中に起こる。この露光に際して、良好な接触状態を保証するために印刷版前駆体にフィルムを真空下で付着させる。その後、版を輻射線源によって露光する。あるいは、フィルムなしで、例えばUVレーザーを用いて版をデジタル露光することもできる。ポジ型版が使用される場合、版上の画像に対応するフィルム上の領域は不透明なので、光が版に到達しないのに対し、非画像領域に対応するフィルム上の領域は透明であり、光がコーティングを透過するのを可能にし、その溶解性が高まる。ネガ型版の場合には、その反対のことが起こる。すなわち、版上の画像に対応するフィルム上の領域が透明であるのに対して、非画像領域は不透明である。透明フィルム領域の下側に位置するコーティングは、入射光により硬化されるのに対し、光による影響を受けない領域は、現像中に除去される。ネガ型版の光硬化された表面は、従って親油性であり、そして印刷インクを受理するのに対して、現像剤によって除去されるコーティングで被覆された非画像領域は不感脂化されるため、親水性である。
感光性材料、例えば印刷版前駆体などの感光性材料の製造のために、光重合性組成物において長年にわたって感光性混合物が使用されてきた。しかしながら、新規な先進の用途(例えばレーザーによる露光)に向けて、露光時間を短縮できるように、特に近紫外および可視スペクトル領域における感度の向上が求められている。経済的な観点から、高性能レーザーの代わりに光子出力を低減した輻射線源を使用することは、光子出力を低減した輻射線源がより安価であるため重要である。従って、光重合性組成物において使用する感光性混合物の感度を向上させるための努力が度々なされてきた。
米国特許第3,912,606 A号には、フィルムおよびコーティング用の紫外線硬化性組成物であって、エチレン不飽和モノマーに加えて、ハロアルキルベンゾオキサゾール類、ベンゾイミダゾール類およびベンゾチアゾール類から選ばれる光開始剤を含む紫外線硬化性組成物が記載されている。それらの組成物でも、光開始剤の効率は不十分である。
欧州特許出願第0 741 333 A号明細書には、エチレン不飽和モノマーおよび有機バインダーに加えて、蛍光増白剤と、アシルホスフィンオキシドおよびジアシルホスフィンオキシドから選ばれる光開始剤との組み合わせを含む光重合性組成物が記載されている。蛍光増白剤として、スチルベン、トリアジン、チアゾール、ベンゾオキサゾール、クマリン、キサンテン、トリアゾール、オキサゾール、チオフェンまたはピラゾリン単位を含むものが記載されている。しかしながら、今日の基準によると、それらの光重合性組成物は十分な感度を示さない。
米国特許第3,647,467 A号には、ヘキサアリールビイミダゾールおよび複素環式化合物Ar1−G−Ar2(Ar1 は6〜12個の環炭素原子を有するアリール基であり、Ar2 はAr1 またはアリーレン−G−Ar1 基のいずれかであり、Gは2価のフラン、オキサゾールまたはオキサジアゾール環である)を含む"光活性化可能"な組成物が記載されている。しかしながら、それらの組成物の輻射線感受性は今日の要求を満足しない。
2−メルカプトベンゾオキサゾール類は、例えば米国特許第3,652,275 A号に記載されているように、"光活性化可能"な組成物において連鎖移動剤として使用される。しかしながら、それらの化合物は、本発明の意味での輻射線吸収剤(増感剤)として機能しない。
国際公開第WO2004/074930 A2号には、2,4,5−アリールオキサゾールを増感剤として含む輻射線感受性組成物が記載されている。それらの組成物は、良好な感度を示すが、非常に高い要求を満足するには解像度は不十分である。
欧州特許出願第1 349 006 A1号明細書には、増感剤が蛍光増白剤である光重合性組成物が記載されている。この蛍光増白剤は、300〜450nmの波長の光を吸収し、400〜500nmの範囲内の蛍光、すなわち青色から紫色の蛍光を発する。解像度の改善が望ましいであろう。
欧州特許出願第1 510 865 A2号明細書には、1,3,5−トリアジン化合物とチタノセンを含む、またはレーザー波長で1,000以下のモル吸光係数を有するトリハロゲノメチル化合物とチタノセンを含む光重合性組成物が開示されている。式(4)の化合物は、例えば増感染料として使用されている:
Figure 0004897834
この組成物では、良好な感度を得るためにチタノセン類は不可欠であるが、チタノセン類は黄色光安定性が不十分であるという欠点を有し、この不十分な黄色光安定性は、不十分な取り扱い性をもたらすために望ましくない。
米国特許第6,267,913 B1号明細書および国際公開第WO02/079691 A1号には、同時2光子吸収に好適であるとされている化合物が記載されている。平版印刷版前駆体は開示されていない。さらに、芳香族置換基を有する第3級アミノ基と、嵩高い基で置換されたベンゾオキサゾールまたはベンゾチアゾール単位とを有する化合物も記載されていない。
国際公開第WO01/96962 A2号および米国特許第2001/0003032号明細書には、様々なポリマーに短パルスレーザーを照射して、2個の光子により開始される重合をもたらす方法が開示されている。
本発明の目的は、350〜480nmの範囲内で高い程度の輻射線感受性を示すとともに、良好な貯蔵安定性および優れた解像度を示し、さらに、印刷領域の密着性の改善により、印刷機上での高い印刷ランレングスをもたらす平版印刷版前駆体を提供することである。さらに、この印刷版前駆体は、優れた黄色光安定性を示す。
本発明の目的は、
(a)親水性表面を有する平版印刷基材と、
(b)前記親水性表面上の輻射線感受性コーティングを含み、
前記輻射線感受性コーティングが、
(i)遊離基重合し得る少なくとも1つのエチレン不飽和基をそれぞれ含む1種または2種以上のモノマーおよび/またはオリゴマーおよび/またはポリマー、
(ii)少なくとも1種の増感剤、
(iii)増感剤(ii)と共に遊離基を形成することのできる、メタロセン以外の少なくとも1種の共開始剤、および
(iv)アルカリ可溶性バインダー、着色剤、露光指示剤、可塑剤、連鎖移動剤、界面活性剤、無機充填剤および熱重合抑制剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の成分、
を含み、前記少なくとも1種の増感剤が、式(I):
Figure 0004897834
[式中、
4 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールから選ばれる)からなる群から選ばれ;
5 およびR6 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルからなる群から選ばれる)からなる群から独立に選ばれ;
4 およびR6 は、5員または6員縮合芳香族環を形成することができ;
7 およびR8 は、水素、CN、ハロゲン、並びに非置換のおよび置換されたアルキル、アルキルアリール、アラルキルおよびアリールからなる群から独立に選ばれ;
nは0、1および2から選ばれ;
ZはO、S、SeまたはNR(Rは水素、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)を表わし;
9 〜R12は、水素、ハロゲン、CN、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2 R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2(各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から独立に選ばれるが、ただし、基R9 〜R12のうちの少なくとも1つは、少なくとも55Å3 のファンデルワールス体積を有する嵩高い基であり;
1 およびR2 は、それらが結合している窒素原子と一緒にN−ヘテロアリール基を形成しており、このN−ヘテロアリール基は1または2個の縮合したベンゼン環を任意選択的に有していてもよく、R3 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から選ばれるか、あるいは、
2 は、非置換および置換アリール並びに非置換および置換ヘテロアリールからなる群から選ばれ、前記アリールまたはヘテロアリール基は、R3 に連結してN−複素環式環を形成し、R1 は水素、非置換および置換アリール、非置換および置換ヘテロアリール、並びに非置換および置換アルキルからなる群から選ばれ;
2 がR3 に連結していない場合には、R3 とR5 とは5員または6員縮合芳香族環を形成することができる]
により表わされる化合物を含むことを特徴とする平版印刷版前駆体により達成される。
特に断らない限り、本発明に関して用いる場合に「アルキル基」という用語は、直鎖状、分岐鎖状または環式の飽和炭化水素基(好ましくは1〜25個の炭素原子を含み、特に好ましくは1〜18個の炭素原子を含み、最も好ましくは1〜10個の炭素原子を含む)を意味する。アルキル基は、例えばハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、CN、NO2 、NR'2 、NR'3 + COOR’、OR’およびSR’(R’は独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す)から選ばれる1または2個以上の置換基を有していてもよい(好ましくは置換基0〜3個)。上記の定義は、アルキルアリール基およびアラルキル基のアルキル単位にも適用される。
特に断らない限り、本発明に関して用いる場合に「アリール基」という用語は、1または2個以上の縮合環を含む芳香族炭素環式基(好ましくは5〜14個の炭素原子を含む)を意味する。アリール基は、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、CN、NO2 、NR'2 、NR'3 + COOR’、OR’およびSR’(R’は独立に水素、アルキルまたはアリールから独立に選ばれる)から選ばれる1または2個以上の置換基を有していてもよい(好ましくは置換基0〜3個)。好ましい例としては、任意選択的に置換されていてもよいフェニル基およびナフチル基が挙げられる。上記の定義は、アルキルアリール基およびアラルキル基のアリール単位にも適用される。
本発明において言及する縮合環または環系は、環とそれに縮合している環とが2個の原子を共有しているものである。
特に断らない限り、本発明に関して用いる場合に「複素芳香族基」という用語は、5員または6員芳香族環であって、1つ以上の環炭素原子が、N、NR’、SおよびO(好ましくはNまたはNR’)から選ばれるヘテロ原子と置き換えられたものを意味する。複素芳香族環は、例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、−OR’、−NR'2 、−C(O)OR’、C(O)NR’2 およびCNから選ばれる1または2個以上の置換基を任意選択的に含んでいてもよい。各R’は、水素、アルキル、アリールおよびアラルキルから独立に選ばれる。
輻射線感受性コーティング
モノマー、オリゴマーおよびポリマー
遊離基重合可能であり、かつ、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する全てのモノマー、オリゴマーおよびポリマーをエチレン不飽和モノマー、オリゴマーおよびポリマーとして使用できる。炭素−炭素三重結合を有するモノマー/オリゴマー/ポリマーも使用できるが、それらは好ましくない。好適な化合物は当業者によく知られており、特別な制限なしに本発明において使用できる。モノマー、オリゴマーまたはプレポリマーの形態にある、1つまたは2つ以上の不飽和基を有するアクリル酸およびメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸およびフマル酸のエステルが好ましい。それらは、固体または液体の形態で存在するが、固体の非常に粘性の高い形態のものが好ましい。モノマーとして好適な化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレートおよびペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびヘキサメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートおよびテトラメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレートまたはテトラエチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレートが挙げられる。好適なオリゴマーおよびメタクリレートは、例えば、ウレタンアクリレートおよびジメタクリレート、エポキシドアクリレートおよびメタクリレート、ポリエステルアクリレートおよびメタクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびメタクリレートまたは不飽和ポリエステル樹脂である。
モノマーおよび/またはオリゴマーに加えて、遊離基重合可能な炭素−炭素二重結合を主鎖または側鎖に有するポリマーも使用できる。それらの例としては、無水マレイン酸コポリマーとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物(例えばドイツ国特許出願公開第4 311 738号明細書参照);アリルアルコールにより部分的にまたは完全にエステル化された(メタ)アクリル酸ポリマー(例えばドイツ国特許出願公開第3 332 640号明細書参照);ポリマーポリアアルコールとイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物;不飽和ポリエステル;(メタ)アクリレート末端ポリスチレン;ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド;遊離基重合可能な基を含むエポキシドにより部分的にまたは完全にエステル化された(メタ)アクリル酸ポリマー;およびアリル側基を有するポリマー(このポリマーは、例えば、アリル(メタ)アクリレートの重合、任意選択的にさらなるコモノマーとの重合により得られる)が挙げられる。
本発明において使用できる遊離基重合可能な化合物としては、3,000以下の分子量を有し、ジイソシアネートと、(i)ヒドロキシ基を有するエチレン不飽和化合物と、同時に、(ii)NH基およびOH基を有する飽和有機化合物とを反応させることにより得られた反応生成物が挙げられる。これらの反応物は下記の条件に従う量で使用される:
イソシアネート基のモル数≦OH基とNH基の総モル数。
ジイソシアネートの例は下記式により表わされる:
Figure 0004897834
上記式中、aおよびbは、独立に0または1〜3の整数であり、各R20はHおよびC1−C3アルキルから独立に選ばれ、Dは飽和または不飽和スペーサーであり、この飽和または不飽和スペーサーは、2個のイソソアネート基に加えて、さらなる置換基を任意選択的に含んでいてもよい。Dは、鎖状または環状の単位であることができる。用語「ジイソシアネート」は、本明細書で用いる場合に、2個のイソシアネート基を含むが、OH基や第2級もしくは第1級アミノ基を含まない有機化合物を指す。
20は好ましくはHまたはCH3 である。
aおよびbは好ましくは独立に0または1である。
Dは、例えば、アルキレン基(CH2wであることができ、ここで、wは1〜12の整数、好ましくは1〜6の整数であり、1または2個以上の水素原子が、例えばアルキル基(好ましくはC1−C6)、シクロアルキレン基、アリーレン基または飽和もしくは不飽和複素環式基などの置換基により任意選択的に置換されたものであってもよい。
好適なジイソシアネート類は、例えば以下のものである:
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
1,6−ビス−[イソシアナト]−ヘキサン、
5−イソシアネート−3−(イソシアナトメチル)−1,1,3−トリメチルシクロヘキサン、
1,3−ビス−[5−イソシアネート−1,1,3−トリメチル−フェニル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアゼチジン、
3,6−ビス−[9−イソシアナトノニル]−4,5−ジ−(1−ヘプテニル)−シクロヘキセン、
ビス−[4−イソシアナト−シクロヘキシル]−メタン、
trans−1,4−ビス−[イソシアネート]−シクロヘキサン、
1,3−ビス−[イソシアナトメチル]−ベンゼン、
1,3−ビス−[1−イソシアネート−1−メチル−エチル]−ベンゼン、
1,4−ビス−[2−イソシアナトエチル]−シクロヘキサン、
1,3−ビス−[イソシアナトメチル]シクロヘキサン、
1,4−ビス−[1−イソシアネート−1−メチル−エチル]ベンゼン、
ビス−[イソシアネート]−イソドデシル−ベンゼン、
1,4−ビス−[イソシアネート]−ベンゼン、
2,4−ビス−[イソシアネート]−トルエン、
2,6−ビス−[イソシアネート]−トルエン、
N,N’−ビス−[3−イソシアネート−4−メチル−フェニル]ウレア、
1,3−ビス−[3−イソシアネート−4−メチル−フェニル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアゼチジン、
ビス−[2−イソシアネート−フェニル]−メタン、
(2−イソシアネート−フェニル)−(4−イソシアネート−フェニル)−メタン、
ビス−[4−イソシアネート−フェニル]−メタン、
1,5−ビス−[イソシアネート]−ナフタレン、
4,4’−ビス−[イソシアネート]−3,3’−ジメチル−ビフェニル。
ヒドロキシ基を含むエチレン不飽和化合物(i)は、少なくとも1個の非芳香族炭素−炭素二重結合(好ましくは末端にある)を含む。ヒドロキシ基は、二重結合炭素原子に結合していないことが好ましく、ヒドロキシ基はカルボキシ基の一部ではない。1個のOH基に加えて、エチレン不飽和化合物(i)は、イソシアネートと反応することのできるさらなる官能基(例えば、NHなど)を含まない。
エチレン不飽和化合物(i)の例としては、ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、2−、3−または4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、2−、3−または4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド)、オリゴマーまたはポリマーのエチレングリコールまたはプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート(例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート)、アリルアルコール、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ(C1−C12)アルキルスチレン(例えば4−ヒドロキシメチルスチレン)、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシシクロヘキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明において用いる場合に「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレートとアクリレートの両方を意味することを示す。
飽和有機化合物(ii)は、1個のOHと1個のNH基を有する化合物である。
飽和有機化合物(ii)は、例えば下記式(III)または(IV)により表わすことができる。
Figure 0004897834
これらの式中、R21は直鎖状(好ましくはC1−C12、特に好ましくはC1−C4)、分岐鎖状(好ましくはC3−C12、特に好ましくはC3−C6)または環式(好ましくはC3−C8 、特に好ましくはC5−C6)のアルキル基であり、
Eは直鎖状(好ましくはC1−C6 、特に好ましくはC1−C2)、分岐鎖状(好ましくはC3−C12、特に好ましくはC3−C6)または環式(好ましくはC3−C8 、特に好ましくはC5−C6)のアルキレン基であり、
Figure 0004897834
は環原子数5〜7の飽和複素環式環であって、上式に示された窒素原子に加えて、S、OおよびNR23(式中、R23はOH基により任意選択的に置換されていてもよいアルキル基である)から選ばれる別のヘテロ原子を任意選択的に含んでいてもよい飽和複素環式環を表わし、
22は、OHであるか、あるいはOH基により置換された直鎖状、分岐鎖状または環式のアルキル基であり、
複素環式環がNR23を含み、R23がOHにより置換されたアルキル基である場合には、zは0であり、
飽和複素環式環がNR23を含まない場合、または飽和複素環式環がNR23を含み、R23が不飽和アルキル基である場合には、zは1である。
式(III)の化合物のうち、Eが−CH2CH2−を表わし、R21がC1−C12(C1−C4)アルキル基であるものが好ましい。
式(IV)の化合物のうち、環内にさらなるヘテロ原子が存在せず、かつ、R22がOHにより置換されたアルキル基であるもの(すなわちヒドロキシアルキル置換ピペリジン類)か、あるいは、基NR23が環内に存在し、かつ、基R23がOHにより置換されたアルキル基であるもの(すなわち、N−ヒドロキシアルキル置換ピペラジン類)が好ましい。
特に、化合物(ii)として言及すべきものは下記のものである:
2−または3−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、
2−または3−ヒドロキシメチルピペリジン
N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、および
N−(2−ヒドロキシメチル)ピペラジン。
生成物が遊離イソシアネート基を含むべきではないため、イソシアネート基のモル数は、OH基とNH基の総モル数を超えてはならない。
ジイソシアネートとエチレン不飽和化合物(i)および飽和化合物(ii)との反応は、通常、例えばケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノン)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよび1,2−ジオキソラン)およびエステル類(例えばエチルアセテート、メチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールジアセテート、メチルラクテートおよびエチルラクテート)などの非極性溶剤中または例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの工業用溶剤(technical solvent)中で起こる。
縮合反応用の触媒を使用することが好ましい。縮合反応に好適なあらゆる公知の触媒を使用できる。例としては、第3級アミン、例えばトリエチルアミン、ピリジンなど、および錫化合物、例えばジブチル錫ジラウレートが挙げられる。
反応は、好ましくは10〜120℃、特に好ましくは30〜70℃で起こる。
最適化された合成条件のもとでは、均一な生成物を得ることができる。しかしながら、概して、混合生成物が形成されると考えられる。生成物の分子量は、3,000以下であるべきである。混合生成物の場合に、その分子量は重量平均分子量である。均一な反応生成物および混合生成物の両方を本発明においてラジカル重合性化合物として使用できる。
さらなる好適な炭素−炭素不飽和ラジカル重合性化合物は、例えば欧州特許出願第1 176 007 A号明細書に記載されている。
もちろん、異なる種類の複数のモノマー、オリゴマーまたはポリマーを混合物として使用することも可能であり、さらに、モノマーおよびオリゴマーおよび/またはポリマーの混合物を本発明において使用でき、オリゴマーとポリマーの混合物も使用できる。本発明の輻射線感受性組成物から調製される輻射線感受性コーティングの乾燥総質量を基準にして、ラジカル重合性モノマー/オリゴマー/ポリマーは5〜95質量%の量で存在することが好ましくモノマー/オリゴマーが使用される場合には、特に好ましくは20〜85質量%である。本発明に関して用いる場合に、「輻射線感受性コーティングの乾燥総質量」という用語は、従って、「輻射線感受性祖背物の固形分」という用語と同義である。
増感剤
本発明において関して言及する増感剤は、露光された場合に輻射線を吸収することができるが、それ自体では、すなわち共開始剤を添加しなければ、フリーラジカルを形成することができない化合物である。
本発明において、1種の増感剤または2種以上の混合物を使用できる。
本発明によれば、増感剤は、式(I):
Figure 0004897834
[式中、
4 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールから選ばれる)からなる群から選ばれ;
5 およびR6 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルからなる群から選ばれる)からなる群から独立に選ばれ;
4 およびR6 は、5員または6員縮合芳香族環を形成することができ;
7 およびR8 は、水素、CN、ハロゲン、並びに非置換のおよび置換されたアルキル、アルキルアリール、アラルキルおよびアリールからなる群から独立に選ばれ;
nは0、1および2から選ばれ;
ZはO、S、SeまたはNR(Rは水素、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)を表わし;
9 〜R12は、水素、ハロゲン、CN、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から独立に選ばれるが、ただし、基R9 〜R12のうちの少なくとも1つは、少なくとも55Å3 のファンデルワールス体積を有する嵩高い基であり;
1 およびR2 は、それらが結合している窒素原子と一緒にN−ヘテロアリール基を形成しており、このN−ヘテロアリール基は1または2個の縮合したベンゼン環を任意選択的に有していてもよく、R3 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から選ばれるか、あるいは、
2 は、非置換および置換アリール並びに非置換および置換ヘテロアリールからなる群から選ばれ、前記アリールまたはヘテロアリール基は、R3 に連結してN−複素環式環を形成し、R1 は水素、非置換および置換アリール、非置換および置換ヘテロアリール、並びに非置換および置換アルキルからなる群から選ばれ;
2 がR3 に連結していない場合には、R3 とR5 とは5員または6員縮合芳香族環を形成することができる]
により表わされる化合物を含む。
Zは好ましくはOを表わす。
nは好ましくは0および1から選ばれ、n=1であることが特に好ましい。
好ましくは、基R9 〜R12のうちの1つまたは2つは、少なくとも55Å3 のファンデルワールス体積を有する嵩高い基を表わし、基R9 〜R12のうちの1つがかかる嵩高い基を表わすことが特に好ましく、R10がかかる嵩高い基を表わすことがとりわけ好ましい。前記の嵩高い基は、好ましくはtert−ブチルである。
7 およびR8 は好ましくは両方とも水素原子である。
5 およびR6 は好ましくは両方とも水素原子である。
4 は好ましくは水素原子である。
本発明の発明者は、驚くべきことに、基R9 〜R12の少なくとも1つが、ファンデルワールス体積が少なくとも55Å3 であるように嵩高いということが本発明の課題を解決することに決定的に重要であることを見出した。好ましくは前記ファンデルワールス体積が少なくとも65Å3 であり、特に好ましくは少なくとも70Å3 である。
ファンデルワールス体積は本発明の重要な特徴を構成するため、この値をどのように求めるかについて以下に詳しく説明する。
J. Phys. Chem., Vol.68, No.3 (1964), 441-451において、A.Bondiは、有機基のファンデルワールス体積(Vw、cm3/mole単位)をいかにして算出することができるかについて述べており(特に図3および付随する説明を参照)、表XVには、幾つかの基についての値も記載されている。
A.Bondiによって求められた単位cm3/moleのファンデルワールス体積は、下記式を用いて体積(Å3 )に変換することができる:
Figure 0004897834
下記の表1aに幾つかの構造増分(structural increments)についてのファンデルワールス体積を記載する:
Figure 0004897834
本発明の場合、特定の有機基のファンデルワールス体積は、「増分」の対応する値を加え、その得られた値を小数点以下がない値にまるめることにより求められる。これを以下の例で説明する:
Figure 0004897834
Vw ≧55Å3 の置換基としては、例えば下記のものが挙げられる:
Figure 0004897834
Figure 0004897834
Figure 0004897834
本発明の一実施態様によると、増感剤は、式(Ia)または(Ib)により表わされる化合物である:
Figure 0004897834
Figure 0004897834
[式中、R1 、R3 〜R12、Zおよびnは式(I)について定義したのと同じであり(好ましい定義も、式(I)についての好ましい定義と同じである);
Figure 0004897834
は任意選択的に存在していてもよい縮合ベンゼン環であり;
各R’は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、CN、NO2 、NR''2 、C(O)H、COOR''、OR''およびSR''から独立に選ばれ;
各R''は、水素、アルキルおよびアリールから独立に選ばれ;
mは0または1〜4の整数(好ましくは0、1または2、より好ましくは0または1)である]。
式(I)に属する以下の化合物が特に好ましい:
Figure 0004897834
Figure 0004897834
Figure 0004897834
本発明において使用される式(I)の化合物は、平版印刷版前駆体中の輻射線感受性コーティングの解像度のさらなる向上をもたらすことのできる同時2光子励起(simultaneous two-photon excitation)にも好適である。2光子励起の現象に関する理論的な考察は、例えばAnn. Phys. 1931, 273 (M. Goppert-Mayer), Acc. Chem. Res. 1984, 17, 250 (L. Goodman, R.P. Rava)およびRep. Prog. Phys. 1997, 59, 1041 (J.D. Bhawalkar, G.S. He, P.N. Prasad)に見ることができる。
本発明において使用される式(I)の増感剤は、強い黄色の蛍光乃至緑がかった色の蛍光を呈するため、これらの化合物は蛍光増白剤ではない。
本発明において使用される式(I)の化合物は、当業者に知られている方法、例えば、
F. Hamer, The Cyanine Dyes and Related Compounds, The Chemistry of Heterocyclic Compounds(シアニン色素および関連化合物、複素環式化合物の化学), Vol. 18 (発行者:A. Weissberger), Interscience, New York, 1964;
D. M. Sturmer, The Chemistry of Heterocyclic Compounds, Vol. 30 (発行者:A. Weissberger, E.C. Taylor), Interscience, New York, 1977, S. 441-587;
H. Zollinger, Color Chemistry, VHCA, Publishing House Helvetica Chimica Acta, Wiley-VCH, Zurich, 3rd Edition, 2003;
に記載されている方法に類似の方法を使用して調製でき、これらに記載されている方法を、出発化合物を適宜変えることにより、これらに明示されていない化合物の合成にも使用できる。
必要に応じて、本発明に係る増感剤に加えて、1種または2種以上の増感度剤を、それらが技術的課題の解決法と非適合性ではない限り使用できる。
増感剤の量には、特に制限は無いが、上記組成物から生じるコーティングの固形分または乾燥層質量を基準として、好ましくは0.2〜25質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%の範囲内である。
共開始剤
本発明に関して言及する共開始剤は、露光された場合に実質的に吸収することができないが、本発明において使用される輻射線吸収性増感剤とともにフリーラジカルを形成する化合物であり、本発明では、メタロセン類は共開始剤として使用されない。共開始剤は、例えば、オニウム化合物、例えばオニウムカチオンがヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、オキシスルホキソニウム、オキシスルホニウム、スルホキソニウム、アンモニウム、ジアゾニウム、セレノニウム、アーセノニウム、およびNがアルキル、アルケニル、アリキニルまたはアリールにより任意選択的に置換されていてもよいN−置換されたN−複素環式オニウムカチオン(例えば、N−アルコキシピリジニウム塩);N−アリールグリシン類およびそれらの誘導体(例えば、N−フェニルグリシン);芳香族スルホニルハライド類;トリハロメチルスルホン類;N−ベンゾイルオキシフタルイミドなどのイミド類;ジアゾスルホネート類;9,10−ジヒドロアントラセン誘導体;少なくとも2個のカルボキシ基を有し、それらカルボキシ基のうちの少なくとも1つがアリール単位の窒素、酸素または硫黄原子に結合しているN−アリール、S−アリールまたはO−アリールポリカルボン酸(例えば、米国特許第5,629,354号に記載されているアニリン二酢酸およびその誘導体並びに他の共開始剤);ヘキサアリールビイミダゾール類;チオール化合物(例えばメルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトオキサジアゾール類、メルカプトテトラジン類、メルカプトイミダゾール類、メルカプトテトラゾール類、メルカプトピリジン類、メルカプトオキサゾール類およびメルカプトトリアゾール類;これらには、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ペンタエリスリトール−テトラキス(メルカプトアセテート)、4−アセトアミドチオフェノール、メルカプトコハク酸、ドデカンチオール、β−メルカプトエタノール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、5−n−ブチルチオ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、4−メトキシベンゼンチオール、1−フェニル−1H−テトラゾール−5−チオール、4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン−トリス(メルカプトアセテート)、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプト−3H−キナゾリンおよび2−メルカプトチアゾリンが包含される);1〜3個のCX3 基(全てのXが、塩素または臭素原子から独立に選ばれ、好ましくは塩素原子である)を有する1,3,5−トリアジン誘導体、例えば2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンおよび2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;オキシムエーテル類およびオキシムエステル類、例えばベンゾインから誘導されたものなど;α−ヒドロキシまたはα−アミノアセトフェノン類;アシルホスフィンオキシド類;ジアシルホスフィンオキシド類および過酸化物(例えば欧州特許出願第1 035 435 A1号に有機化酸化物のタイプの活性化剤として記載されているもの)から選ばれる。
ヘキサアリールビイミダゾール類およびオニウム化合物ならびにそれらの混合物が好ましい共開始剤である。
好適なヘキサアリールビイミダゾール類は、例えば下記式(V)に:
Figure 0004897834
(式中、A1−A6は、互いに同じまたは異なる置換または非置換C5−C20アリール基であり、それらの環内の1または2個以上の炭素原子は任意選択的にO、NおよびSから選ばれるヘテロ原子と置き換えられていてもよい)
より表わされる。上記アリール基に好適な置換基は、トリアリールイミダゾリルラジカルへの光により誘起される解離を妨げないもの、例えばハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、−CN、C1−C6アルキル(ハロゲン原子、−CNおよび−OHから選ばれる1または2個以上の置換基により任意選択的に置換されていてもよい)、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、(C1−C6アルキル)スルホニルである。
好ましいアリール基は、置換されたおよび非置換のフェニル、ビフェニル、ナフチル、ピリジル、フリルおよびチエニル基である。置換されたおよび非置換のフェニル基が特に好ましく、ハロゲン置換フェニル基がとりわけ好ましい。
例としては、
2,2’−ビス(ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−カルボキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−エトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(m−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ヘキソキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ヘキシルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス[m−(ベータフェノキシ−エトキシフェニル)]ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’−ビス(o−メトキシフェニル)−5,5’−ジフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−フェニルスルホニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−スルファモイルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,5−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−4−ビフェニルイル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−1−ナフチル−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ジ−9−フェナンスリル−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−テトラ−4−ビフェニルイルビイミダゾール、
2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−テトラ−2,4−キシリルビイミダゾール、
2,2’−ジ−3−ピリジル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−3−チエニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−o−トリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−p−トリル−4,4’−ジ−o−トリル−5,5’−ジフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−2,4−キシリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサキス(p−フェニルチオフェニル)ビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサ−1−ナフチルビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ニトロ−5−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロ−5−スルホフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’,5−トリス(2−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,5’ジフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、または
2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾールが挙げられる。
好適なヘキサアリールビイミダゾール類は例えば米国特許第4,565,769 A号および米国特許第3,445,232 A号に記載されており、既知の方法(例えばトリアリールイミダゾール類の酸化二量化)に従って調製できる。
本発明において、1種の共開始剤、または共開始剤の混合物を使用できる。メタロセン類は、とりわけ黄色光安定性に影響を及ぼすことが判ったため、メタロセン類は本発明の共開始剤として適切ではない。
共開始剤の量に特に制限はないが、共開始剤の量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0.2〜25質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%の範囲内である。
任意選択的に、輻射線感受性コーティングは、アルカリ可溶性バインダーまたはかかるバインダーの混合物を含んでもよい。バインダーは、好ましくは、ポリビニルアセタール、アクリルポリマー、ポリウレタンおよびそれらのコポリマーから選択される。バインダーは、酸基、特に好ましくはカルボキシ基を含有することが好ましい。最も好ましいのはアクリルポリマーである。酸基を有するバインダーは、好ましくは20〜180mg KOH/gポリマーの範囲内の酸価を有する。任意選択的に、バインダーは付加環化反応(例えば2+2光付加環化)することができる基を含んでもよい。バインダーの量に特に制限はないが、好ましくは乾燥層質量の0〜90質量%、特に好ましくは5〜60質量%である。
輻射線感受性コーティングは、任意選択的に、少量の熱重合抑制剤を含んでもよい。望ましくない熱重合を抑制する抑制剤の好適な例としては、例えばヒドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)およびN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩が挙げられる。輻射線感受性コーティング中の非吸収性重合抑制剤の量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜5質量%、特に好ましくは0.01〜2質量%である。かかる抑制剤は、市販のモノマーまたはオリゴマーを介して輻射線感受性コーティング中にしばしば導入することができるため、特に言及しない。
さらに、本発明の輻射線感受性コーティングは、層を着色するための色素または顔料を含むことができる。着色剤の例としては、例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、カーボンブラックおよび二酸化チタン、トリアリールメタン染料、例えばエチルバイオレットおよびクリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン染料およびシアニン染料が挙げられる。着色剤の量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
硬化した層の物理的特性を改善するために、輻射線感受性コーティングは、さらなる添加剤、例えば可塑剤または無機充填剤をさらに含むことができる。好適な可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリンおよびトリクレシルホスフェートが挙げられる。可塑剤の量に特に制限はないが、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0.25〜5質量%である。好適な無機充填剤としては、例えば、Al23およびSiO2 が挙げられ、それらは、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%の量で存在する。
輻射線感受性コーティングは、既知の連鎖移動剤を含むこともできる。連鎖移動剤は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%の量で使用される。
さらに、輻射線感受性コーティングは、界面活性剤(流れ改善剤)を含むことができる。好適な界面活性剤としては、シロキサン含有ポリマー、フッ素含有ポリマー、およびエチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基を有するポリマーが挙げられる。界面活性剤は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0.2〜5質量%の量で存在する。
露光指示剤、例えば4−フェニルアゾジフェニルアミンが、輻射線感受性コーティングの任意の成分として存在してもよい。露光指示剤は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0〜5質量%、特に好ましくは0〜2質量%の量で存在する。
基材
本発明の平版印刷版前駆体の製造において、寸法安定性を有するプレート状または箔状の材料(好適な平版印刷基材として知られているプリンター要素の形態の材料を包含する)が、基材として好ましく使用される。
かかる基材の例としては、紙、プラスチック材料(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)で被覆された紙、金属プレートまたは箔、例えばアルミニウム(アルミニウム合金を包含する)、亜鉛および銅プレート、例えばセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースニトレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリビニルアセテートから形成されたプラスチックフィルム、および紙またはプラスチックフィルムと上述の金属のうちの1つとから形成された積層材料、または蒸着により金属化された紙/プラスチックフィルムが挙げられる。これらの基材の中で、アルミニウムプレートまたは箔が特に好ましい。なぜなら、アルミニウムプレートまたは箔は並外れた程度の寸法安定性を示し、安価であり、さらにコーティングに対する優れた密着性を示すからである。さらに、アルミニウム箔がポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わされた複合フィルムを使用することもできる。
平版印刷基材は、もともと親水性表面を有するか、またはかかる表面を生じる処理にかけられる。
金属基材、特にアルミニウム基材を、粗面化処理(例えば乾燥状態でのブラッシング、もしくは研摩懸濁液を用いてブラッシング、または例えば塩酸電解質による電気化学的粗面化による)、陽極酸化処理(硫酸またはリン酸中)、および親水性化処理から選択される1つ以上の処理にかけることが好ましい。
粗面化処理され、そして任意選択的に硫酸またはリン酸中で陽極酸化処理された金属基材の表面の親水性特性を改善するために、ケイ酸ナトリウム、フッ化カルシウムジルコニウム、ポリビニルホスホン酸またはリン酸の水溶液による後処理を、金属基材に施すことができる。本発明の枠内で、「基材」という用語は、例えば、親水性化層("中間層")をその表面上に有する、必要に応じて前処理された基材をも包含する。
上記の基材の前処理についての詳細は当業者に知られている。
印刷版前駆体の製造
本発明の平版印刷版前駆体を製造する場合、輻射線感受性組成物は、一般的なコーティング方法(例えばスピンコーティング、浸漬コーティング、ドクターブレードによるコーティング)によって、基材の親水性表面に適用される。基材の両面に輻射線感受性組成物を塗布することも可能ではあるが、本発明の要素の場合には、輻射線感受性コーティングは基材の片面に適用されるのが好ましい。
通常、輻射線感受性組成物は、有機溶剤または溶剤混合物から適用される。
好適な溶剤としては、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール)、グリコールエーテル誘導体(例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ケトン類(例えばジアセトンアルコール、アセチルアセトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(例えばメチルラクテート、エチルラクテート、エチルアセテート、3−メトキシプロピルアセテートおよびブチルアセテート)、芳香族(例えばトルエンおよびキシレン)、シクロヘキサン、3−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、メトキシメトキシエタノール、γ−ブチロラクトンおよび双極性非プロトン性溶剤(例えばTHF、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびN−メチルプロピロリドン)並びにそれらの混合物が挙げられる。適用される輻射線感受性混合物の固形分は、用いられるコーティング法に依存し、好ましくは1〜50質量%である。
輻射線感受性総の乾燥層質量は、好ましくは0.5〜4g/m2 、より好ましくは0.8〜3g/m2 である。
輻射線感受性層上に水溶性酸素不透過性オーバーコートを付加的に適用することが有利な場合がある。かかるオーバーコートに好適なポリマーとしては、とりわけ、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/ポリビニルアセテートコポリマー、ポリビニルメチルエーテル、無水マレイン酸とコモノマー、例えばメチルビニルエーテル、ポリアクリル酸、セルロースエーテル、ゼラチンなどとの開環コポリマーなどが挙げられ、ポリビニルアルコールが好ましい。好ましくは、酸素不透過性オーバーコート用の組成物は、水溶液または水と混和可能な溶剤中の溶液の形態で適用され、いずれの場合にも、当該オーバーコート組成物の適用の際に、基材上に既に存在する輻射線感受性コーティングが溶解しないように溶剤が選択される。オーバーコートの層質量は、例えば0.1〜6g/m2、好ましくは0.5〜4g/m2であることができる。しかしながら、本発明に係る印刷版前駆体は、オーバーコートなしでも優れた特性を示す。オーバーコートは艶消剤(すなわち、粒子サイズ2〜20μmの有機または無機粒子)を含むこともできる。艶消剤は、接触露光中のフィルムの平面内での位置決めを容易にする。輻射線感受性層に対するオーバーコートの密着性を高めるために、オーバーコートは、接着促進剤、例えばポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレンイミン)およびポリ(ビニルイミダゾール)を含むことができる。
好適なオーバーコートは例えば国際公開第99/06890号に記載されている。
画像形成
こうして製造された輻射線感受性要素を、300nm(好ましくは350〜480nm)を超える波長を有する輻射線を、当業者に知られた形式で像様露光し、続いて、商業的に入手可能な水性アルカリ性現像剤で現像する。金属ハロゲン化物をドープしたHgランプを、例えば輻射線減として使用できる。約405nm(例えば405±10nm)の範囲の紫外線を発するバイオレットレーザーダイオードが、輻射源として特に重要である。本発明において使用される増感剤は同時2光子励起をすることができるため、ns−およびps−レーザーに加えて、fs−レーザーも本発明の平版印刷版前駆体を画像形成するために使用できる。一般的に、fs−レーザーは、パルス幅が200fs未満、周波数が70MHz超、発光波長が690〜1050nmの範囲内にあるパルスをもたらす。多光子開始型重合には、1光子プロセスよりも高い解像度を達成できるという利点がある。
像様露光後、すなわち現像前に、50〜180℃、好ましくは90〜150℃で熱処理を行うことができる。一般的な方法を用いて、現像済要素を保恒剤で処理することができる("ガム引き")。保恒剤は、親水性ポリマー、湿潤剤およびその他の添加剤の水溶液である。
ある特定の用途のために(例えば印刷版の場合)、熱処理(「ベーキング」と呼ばれる処理)および/または全体露光(例えば紫外線への露光)にかけることによって、現像後に残るコーティング部分の機械的強度を増大させることがさらに有利である。この目的のため、処理前に、現像済要素は、非画像領域を保護する溶液で処理されるので、熱処理によっては、これらの領域がインクを受理するようにはならない。この目的に好適な溶剤は、例えば米国特許第4,355,096号明細書に記載されている。ベーキングは150〜250℃の温度で行われる。しかしながら、本発明に係る輻射線感受性要素、並びにこれらの要素から作製された印刷版は、熱処理にかけられなかった場合であっても、優れた特性を示す。ベーキングおよび全体露光の両方が行われる場合、2つの処理工程を同時にまたは相前後して実施することができる。
利点
本発明に係る輻射線感受性要素は、良好な貯蔵安定性と相まって、黄色光条件下における優れた安定性、高い感光度、および優れた解像度により特徴付けられる。印刷版前駆体の場合、現像済印刷版は優れた耐摩耗性を示し、このことは高い印刷ランレングスを可能にする。
本発明を下記の例によってより詳しく説明するが、これらの例は、決して本発明を限定するものではない。
例1〜9および比較例1〜5
電気化学的に粗面化(HCl中で)され、陽極処理されたアルミニウム箔を、ポリビニルホスホン酸(PVPA)の水溶液による処理にかけ、そして乾燥後、下記の溶液を塗布し、乾燥させた:
アリルメタクリレートとメタクリル酸のコポリマー(酸価55)、1.62g;
Kayamer PM−2(1.5モルのヒドロキシエチルメタクリレートでエステル化された1モルのリン酸、Coa Corp. Ltd.,Japan製)、0.02g;
メルカプト−3−トリアゾール、0.124g;
Desmodur N 100(登録商標)とヒドロキシエチルアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートとを反応させることにより調製されたウレタンアクリレート(二重結合の量:全てのイソシアネート基がヒドロキシル基を含有するアクリレートと完全に反応した場合に100g当たり二重結合0.5個)の80%メチルエチルケトン溶液、2.745g;
HB−NK Ester BPE 500(2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン;EO 10モル;Shin−Nakamuraから入手可能)、0.15g;
7.25質量%の銅フタロシアニンと7.25質量%のポリビニルアセタールバインダー(ビニルアルコール基39.9モル%、ビニルアセテート基1.2モル%、アセトアルデヒドから誘導されたアセタール基15.4モル%、ブチルアルデヒドから誘導されたアセタール基36.1モル%、および4−ホルミル安息香酸から誘導されたアセタール基7.4モル%を含む)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテル中の分散体、0.28g;
表3に記載の共開始剤、Xg;
表3に記載の増感剤、Xg;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、9g;
メタノール、6g;
ブタノン、7.25g.
溶液をろ過し、平版印刷基材に適用し、そしてコーティングを90℃で4分間乾燥させた。フォトポリマー層の乾燥層質量は約1.5g/m2 であった。
得られた試料を、ポリ(ビニルアルコール)(Airproductsから入手可能なAirvol 203;加水分解度88%)の水溶液を適用することによりオーバーコートで被覆した。90℃で4分間乾燥させた後、オーバーコートは約3g/m2 の乾燥層質量を有していた。
レーザーダイオード(405nm;P=30mW)を備えたLithotech製のイメージセッターAndromeda(登録商標)A750Mを用いて印刷版前駆体を像様露光した。この像様露光のために、規定のトーン値を有するUGRAグレイスケールV2.4を使用した。さらに、版の感度は、全露光下で、UGRAオフセット試験ストライプ1982を用いて求めた。
露光直後に、版をオーブン内で90℃で2分間加熱した。
次に、露光済みの版を、12のpH値を有し、アルカリ成分としてKOHを含み、界面活性剤(ポリ(エチレングリコール)ナフチルエーテル)も含む。
次に、タンポンを使用して再び現像液を表面にさらに30秒間すり込み、次に、版全体を水ですすいだ。この処理の後、版上に露光部分が残った。その感光度の評価のため、印刷インクを用いて湿潤状態で版を黒くした。
版の貯蔵安定性についての評価のため、露光済みの印刷版前駆体を90℃のオーブン内で60分間貯蔵し、次に、上記のように露光し、現像した(貯蔵安定性試験)。
平版印刷版の作製のため、上記のようにアルミニウム箔に印刷層を適用し、露光し、過熱し、現像し、そして水ですすいだ後、現像済み版に、0.5%リン酸および6%アラビアゴムの水溶液を塗りつけてガム引きした。こうして作製した版を、シート供給式オフセット印刷機に取り付け、研摩性印刷インク(Sun Chemicalから入手可能なOffset S 7184(登録商標)、炭酸カリウム10%含有)による印刷のために使用した。結果を表3に示す。
表3の結果から、式(I)の増感剤を使用することによって、多枚数の複写を印刷するのに使用できる高感度(新しい版の場合および老化した版の場合の両方で)を有する印刷版を得ることができる。
Figure 0004897834
Figure 0004897834
実施例10〜12および比較例6〜8
黄色光安定性は、約400nmの波長で画像形成される平版印刷版前駆体に関しての重要な因子である。そのため、異なる印刷版前駆体を、それらの黄色光安定性について調べた。
表3に示すコーティングを有する前駆体を特定の黄色光条件(Osram製の黄色光管L36W/62)下で露光し、0.5分間、1分間、5分間、10分間、20分間および30分間の時間で1860luxの強度で全体露光し、その直後に、実施例1に記載したように、それらをオーブン内で90℃で2分間加熱し、現像した。次に、濃度計(XRITE分光濃度計)を用いて光学濃度を求め、黄色光のエネルギー(lux・min)に対してプロットした。基材の光学濃度は0.28であった。現像後に非画像領域にコーティング残渣が依然として存在するため、光学濃度の増加は版の損傷(部分露光)を意味する。かかる損傷した版は、印刷にはもはや使用できない。なぜなら、印刷機におけるトーニングをもたらすことがあるからである。黄色光安定性を評価することができるように、版を損傷させるのに必要な露光量を求めた。基本的には、黄色光安定性が高いほど、黄色光安定性がより高いことを意味する。その結果は、表4から推測できる。さらに、実施例10および比較例6の結果を図1に図示する。
Figure 0004897834
実施例13〜15および比較例9および10
トーン値範囲の中間部では、紫外、バイオレットおよび可視領域用のフォトポリマーを含む印刷版前駆体は、所望のトーン値よりも高いトーン値を通常示す。トーン値は、画像形成すべき領域のどれだけの割合(百分率)がカバーされるかを示す。当業者は、トーン値の増加(ITV)を認識する、トーン値の増加は、測定したトーン値(MTV)と予め求められた組のトーン値(STV)の差として与えられる。最適な条件下では、トーン値に対して差をプロットした場合にX軸上の直線が得られる(すなわち、あらゆるトーン値(i)に対してITVがゼロに等しい)。この場合、画像化される情報が1:1で転移されるため、プロットは非常に高い解像度を示す。しかしながら、実際の条件下では、トーン値の増加が観測される(すなわちITVがゼロでない)。トーン値の増加がより大きいほど、版の解像度はより低い。
版を露光し、少なくとも2ステップのUGRAグレイスケールを得た。この種の版で、現像済み版についての様々なトーン値(MTV)を、Techkon製のデジタル顕微鏡DMA 910により求め、トーン値の増加分を計算するための基準として使用した。これらのITV値を、あらゆるトーン値(i)について和をとり、あらゆるトーン値(STD)にわたって総偏差を示す値を得た。
Figure 0004897834
結果は表5から判る。さらに、実施例15および比較例9について測定したトーン値と予め求められた組のトーン値の差を図2に示す。
予め求められた組のトーン値からの測定されたトーン値の偏差がより小さいほど、版の解像度がより高い
Figure 0004897834
図1は、比較例6の印刷版前駆体の黄色光安定性と比較した実施例10の印刷版前駆体の黄色光安定性を示す。 図2は、実施例15および比較例9の版についての測定したトーン値と予め求められた組のトーン値(「ドットゲイン」としても知られている)からの偏差を示し、これから、本発明に係る版の解像度の向上が判る。

Claims (9)

  1. (a)親水性表面を有する平版印刷基材と、
    (b)前記親水性表面上の輻射線感受性コーティングを含み、
    前記輻射線感受性コーティングが、
    (i)遊離基重合し得る少なくとも1つのエチレン不飽和基をそれぞれ含む1種または2種以上のモノマーおよび/またはオリゴマーおよび/またはポリマー、
    (ii)少なくとも1種の増感剤、および
    (iii)増感剤(ii)と共に遊離基を形成することのできる、メタロセン以外の少なくとも1種の共開始剤、
    を含み、前記少なくとも1種の増感剤が、式(I):
    Figure 0004897834
    [式中、
    4 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールから選ばれる)からなる群から選ばれ;
    5 およびR6 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から独立に選ばれ;
    4 およびR6 は、5員または6員縮合芳香族環を形成することができ;
    7 およびR8 は、水素、CN、ハロゲン、並びに非置換のおよび置換されたアルキル、アルキルアリール、アラルキルおよびアリールからなる群から独立に選ばれ;
    nは0、1および2から選ばれ;
    ZはO、S、SeまたはNR(Rは水素、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)を表わし;
    9 〜R12は、水素、ハロゲン、CN、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から独立に選ばれるが、ただし、基R9 〜R12のうちの少なくとも1つは、少なくとも55Å3 のファンデルワールス体積を有する嵩高い基であり;
    1 およびR2 は、それらが結合している窒素原子と一緒にN−ヘテロアリール基を形成しており、このN−ヘテロアリール基は1または2個の縮合したベンゼン環を任意選択的に有していてもよく、R3 は、水素、CN、ハロゲン、非置換のおよび置換されたアルキル、アラルキル、アルキルアリールおよびアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2 、N(R)2 、N(R)3 +および−PO3(R)2 (各RはH、アルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群から選ばれる)からなる群から選ばれるか、あるいは、
    2 は、非置換および置換アリール並びに非置換および置換ヘテロアリールからなる群から選ばれ、前記アリールまたはヘテロアリール基は、R3 に連結してN−複素環式環を形成し、R1 は水素、非置換および置換アリール、非置換および置換ヘテロアリール、並びに非置換および置換アルキルからなる群から選ばれ;
    2 がR3 に連結していない場合には、R3 とR5 とは5員または6員縮合芳香族環を形成することができる]
    により表わされる化合物を含むことを特徴とする平版印刷版前駆体。
  2. 基R9 〜R12のうちの1つだけが嵩高い基である、請求項1に記載の平版印刷版前駆体。
  3. 前記増感剤が式(Ia)または(Ib)により表わされる、請求項1または2に記載の平版印刷版前駆体:
    Figure 0004897834
    Figure 0004897834
    (式中、R1 、R3 〜R12、Zおよびnは請求項1において定義したとおりであり、

    Figure 0004897834
    は任意選択的に存在していてもよい縮合ベンゼン環を表わし;
    各R’は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、CN、NO2 、NR''2 、C(O)H、COOR''、OR''およびSR''から独立に選ばれ;
    各R''は、水素、アルキル及びアリールから独立に選ばれ;
    mは0または1〜4の整数である)。
  4. 前記増感剤がS1〜S7:
    Figure 0004897834
    Figure 0004897834
    から選ばれる化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版前駆体。
  5. 前記共開始剤(iii)が、1〜3個のCX3 基(Xは塩素または臭素を表わす)を有する1,3,5−トリアジン誘導体;過酸化物;ヘキサアリールビイミダゾール類;オキシムエーテル類;オキシムエステル類;N−アリールグリシン類およびそれらの誘導体;チオール化合物;少なくとも2個のカルボキシル基を有し、それらカルボキシル基のうちの少なくとも1つがアリール単位のN、SまたはO原子に結合しているN−アリール、S−アリールおよびO−アリールポリカルボン酸;オニウム塩;アルキルトリアリールボレート類;ベンゾインエーテル類;ベンゾインエステル類;トリハロゲノメチルアリールスルホン類;アミン類;N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル類;芳香族スルホニルハライド類;イミド類;ジアゾスルホネート類;9,10−ジヒドロアントラセン誘導体;アシルホスフィンオキシド類;ジアシルホスフィンオキシド類;α−ヒドロキシアセトフェノン類およびα−アミノアセトフェノン類;並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版前駆体。
  6. (a)請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版前駆体を、300nm超の紫外線に像様露光する工程、
    (b)水性アルカリ現像液により前記コーティングの非露光領域を除去する工程、
    を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版前駆体に画像を形成する方法。
  7. 工程(a)において得られた露光済みの前駆体が、工程(b)に先立って加熱される、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(b)において得られた現像済みの前駆体が、加熱および全体露光から選ばれた少なくとも1つの処理に引き続いてかけられる、請求項6または7に記載の方法。
  9. 像様露光が、350〜480nmの範囲内の波長の紫外線を使用して行われる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
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