本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、ふたつの無線装置(以下、便宜上、「第1無線装置」と「第2無線装置」という)によって構成されるMIMOシステムに関する。MIMOシステムにおける第1無線装置と第2無線装置は、共にアダプティブアレイ信号処理を実行する。また、MIMOシステムは、アンテナの本数、変調方式、誤り訂正の符号化率の各値を変えることによって、データレートを変更する。その際、送信側の無線装置は、受信側の無線装置に対してレート要求信号を送信する。例えば、第1無線装置が第2無線装置にデータを送信する場合、第1無線装置は、第2無線装置に対して、レート要求信号を送信する。
第1無線装置および第2無線装置によって送信されるパケット信号は、MIMOシステムに対応していない通信システム(以下、「従来システム」という)に対応した信号の後段に、MIMOシステムのみに対応した信号を配置する。すなわち、パケットフォーマットは、従来システムに対応したプリアンブル(以下、「Legacyプリアンブル」という)、従来システムに対応した制御信号(以下、「Legacyシグナル」という)の後段に、MIMOシステムに対応した制御信号(以下、「MIMOシグナル」という)、MIMOシステムに対応したプリアンブル(以下、「MIMOプリアンブル」という)、MIMOシステムに対応したデータ(以下、単に「データ」という)を配置する。このように、Legacyプリアンブル等が先頭部分に配置されることによって、従来システムのみに対応した無線装置であっても、当該パケット信号の存在を認識できる。その結果、従来システムのみに対応した無線装置は、パケット信号の送信を実行しないので、パケット信号の衝突を低減できる。なお、データレートの変更は、パケット信号中のデータにおいてなされ、それ以外の部分においてなされない。例えば、MIMOシグナルには、誤りに強い変調方式等が使用される。
MIMOプリアンブル、データにおいて使用されるサブキャリアの数は、Legacyプリアンブル、Legacyシグナル、MIMOシグナルにおいて使用されるサブキャリアの数よりも大きくなっている。また、Legacyシグナルとデータには、伝送品質の悪化を抑制するために、複数のサブキャリアのうちの一部にパイロット信号が配置される。ここで、MIMOシグナルのうちの一部のサブキャリアにパイロット信号が配置されれば、MIMOシグナルにおいて、データよりも、実質的に情報を伝送できるサブキャリアの数が少なくなってしまう。
本実施例に係る無線装置は、MIMOシグナルにパイロット信号を配置しない。すなわち、MIMOシグナルでは、すべてのサブキャリアを使用して情報を送信する。その結果、伝送効率の低下を抑制できる。なお、前述のごとく、MIMOシグナルには、誤りに強い変調方式等が使用されているので、パイロット信号がなくても、伝送品質の悪化を小さくできる。また、MIMOシグナルの後段には、MIMOプリアンブルが配置されているので、パイロット信号がないことによる影響は、そこに伝搬しない。さらに、MIMOシグナルによって使用されるサブキャリアの数と、データのうちのパイロット信号以外の部分によって使用されるサブキャリアの数は、等しくなるように規定する。そのため、両者に対して、共通のインターリーブ、デインターリーブを使用できる。
図1は、本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す。特に、図1は、OFDM変調方式での信号のスペクトルを示す。OFDM変調方式における複数のキャリアのひとつをサブキャリアと一般的に呼ぶが、ここではひとつのサブキャリアを「サブキャリア番号」によって指定するものとする。MIMOシステムには、サブキャリア番号「−28」から「28」までの56サブキャリアが規定されている。なお、サブキャリア番号「0」は、ベースバンド信号における直流成分の影響を低減するため、ヌルに設定されている。一方、従来システムでは、サブキャリア番号「−26」から「26」までの52サブキャリアが規定されている。すなわち、IEEE802.11a、g規格に準拠している。また、それぞれのサブキャリアは、可変に設定された変調方式によって変調されている。変調方式には、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QSPK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMのいずれかが使用される。
また、これらの信号には、誤り訂正方式として、畳み込み符号化が適用されている。畳み込み符号化の符号化率は、1/2、3/4等に設定される。さらに、MIMOシステムにおいて使用されるアンテナの本数は、可変に設定される。その結果、変調方式、符号化率、アンテナ本数の値が可変に設定されることによって、データレートも可変に設定される。ここでは、「データレート」がこれらの任意の組合せによって決定されてもよいし、これらのうちのひとつによって決定されてもよい。以下、前述のごとく、データレートに関する情報を「レート情報」というが、レート情報は、変調方式、符号化率、アンテナ本数のそれぞれの値を含む。ここでは、特に必要のない限り、変調方式、符号化率、アンテナ本数のそれぞれの値を説明しないものとする。
図2は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、無線装置10と総称される第1無線装置10a、第2無線装置10bを含む。また、第1無線装置10aは、アンテナ12と総称される第1アンテナ12a、第2アンテナ12b、第3アンテナ12c、第4アンテナ12dを含み、第2無線装置10bは、アンテナ14と総称される第1アンテナ14a、第2アンテナ14b、第3アンテナ14c、第4アンテナ14dを含む。第1無線装置10aと第2無線装置10bのうちの一方が、送信装置に対応し、他方が受信装置に対応する。また、第1無線装置10aと第2無線装置10bのうちの一方が基地局装置に対応し、他方が端末装置に対応する。
通信システム100の構成を説明する前に、MIMOシステムの概略を説明する。データは、第1無線装置10aから第2無線装置10bに送信されているものとする。第1無線装置10aは、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dのそれぞれから、異なったデータを送信する。その結果、データレートが高速になる。第2無線装置10bは、第1アンテナ14aから第4アンテナ14dによって、データを受信する。さらに、第2無線装置10bは、アダプティブアレイ信号処理によって、受信したデータを分離して、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dのそれぞれから送信されたデータを独立に復調する。
ここで、アンテナ12の本数は「4」であり、アンテナ14の本数も「4」であるので、アンテナ12とアンテナ14の間の伝送路の組合せは「16」になる。第iアンテナ12iから第jアンテナ14jとの間の伝送路特性をhijと示す。図中において、第1アンテナ12aと第1アンテナ14aとの間の伝送路特性がh11、第1アンテナ12aから第2アンテナ14bとの間の伝送路特性がh12、第2アンテナ12bと第1アンテナ14aとの間の伝送路特性がh21、第2アンテナ12bから第2アンテナ14bとの間の伝送路特性がh22、第4アンテナ12dから第4アンテナ14dとの間の伝送路特性がh44と示されている。なお、これら以外の伝送路は、図の明瞭化のために省略する。
第2無線装置10bは、アダプティブアレイ信号処理によって、第1アンテナ12aから第2アンテナ12bによってそれぞれ送信されたデータを独立して復調できるように動作する。さらに、第1無線装置10aも、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dに対してアダプティブアレイ信号処理を実行してもよい。このように送信側である第1無線装置10aにおいてもアダプティブアレイ信号処理を実行することによって、MIMOシステムにおける空間の分割を確実にする。その結果、複数のアンテナ12において送信される信号間の干渉が小さくなるので、データの伝送特性を向上できる。
第1無線装置10aは、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dから、それぞれ異なったデータを送信する。また、送信すべきデータのレートや容量に応じて、第1無線装置10aは、使用すべきアンテナ12の本数を制御する。また、第1無線装置10aは、変調方式や、誤り訂正の符号化率を制御する。例えば、送信すべきデータの容量が大きければ、「4」本のアンテナ12を使用し、送信すべきデータの容量が小さければ、「2」本のアンテナ12を使用する。また、第1無線装置10aは、使用すべきアンテナ12の本数や変調方式等を決定する際に、第2無線装置10bにおけるレート情報を参照する。例えば、第2無線装置10bが「2」本のアンテナ14による受信を指示する場合に、第1無線装置10aは、「2」本のアンテナ12を使用する。さらに、第1無線装置10aは、データを送信する際に、アンテナ12に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。そのため、第1無線装置10aは、第2無線装置10bからトレーニング信号を予め受信し、トレーニング信号にもとづいて送信ウエイトベクトルを導出する。
さらに、第1無線装置10aは、トレーニング信号であるか否かにかかわらず、複数のサブキャリアをそれぞれ使用すべきLegacyプリアンブル、Legacyシグナル、MIMOシグナルの後方に、MIMOシグナルでのサブキャリアの数よりも大きい数のサブキャリアをそれぞれ使用すべきMIMOプリアンブル、データを配置するパケット信号を生成する。ここで、MIMOプリアンブル、データは、MIMOシグナルによって制御されている。すなわち、MIMOシグナルの中に、データに関する情報が含まれている。さらに、MIMOシグナルの存在によって、MIMOプリアンブル、データの存在が、第2無線装置10bに伝えられる。また、第1無線装置10aは、パケット信号を生成する際に、Legacyシグナルとデータに対してインターリーブを実行しつつ、少なくともLegacyシグナルとデータに対して、一部のサブキャリアにパイロット信号を挿入する。
ここで、MIMOシグナルには、パイロット信号が挿入されない。第1無線装置10aは、MIMOシグナルのパイロット信号以外の信号(以下、「非既知信号」という)に対応したサブキャリアの数が、データのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数と等しくなるように、データのうちの一部のサブキャリアにパイロット信号を挿入する。
第2無線装置10bは、第1アンテナ14aから第4アンテナ14dに対して、アダプティブアレイ信号処理を実行して、第1無線装置10aからのデータを受信する。また、前述のごとく、第2無線装置10bは、第1無線装置10aに対して、レート情報を通知したり、トレーニング信号を送信する。第2無線装置10bは、トレーニング信号であるか否かにかかわらず、受信したパケット信号のうち、少なくともLegacyシグナルとデータに挿入されたパイロット信号を抽出し、パイロット信号が抽出されたデータの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。その際、MIMOシグナルの非既知信号に対しても、データと同一の規則によるデインターリーブが実行される。なお、第1無線装置10aと第2無線装置10bの動作が、反対になってもよい。
図3(a)−(c)は、通信システム100でのパケットフォーマットの構成を示す。図3(a)は、使用されるアンテナ12の数が「2」である場合のパケットフォーマットである。図の上段が、第1アンテナ12aから送信されるパケット信号を示し、図の下段が、第2アンテナ12bから送信されるパケット信号を示す。「Legacy STS(Short Training Sequence)」、「Legacy LTS(Long Training Sequence)」、「Legacy シグナル」は、IEEE802.11a規格に準拠した無線LANシステムのごとく、従来システムと互換性を有する信号である。なお、前述の「Legacyプリアンブル」は、「Legacy STS」および「Legacy LTS」、あるいはそれらのうちの一方に相当する。「Legacy STS」は、タイミング同期およびAGC(Automatic Gain Control)等に使用され、「Legacy LTS」は、伝送路推定に使用される。これらは、すべて既知信号である。
また、「Legacy シグナル」は、従来システムに関する制御情報を含む。「MIMOシグナル」以降は、MIMOシステムに特有の信号であり、「MIMOシグナル」は、MIMOシステムに対応した制御情報を含む。「第1MIMO−STS」と「第2MIMO−STS」は、タイミング同期およびAGC等に使用され、「第1MIMO−LTS」と「第2MIMO−LTS」は、伝送路推定に使用される。これらは、すべて既知信号である。「第1データ」と「第2データ」は、送信すべきデータである。なお、前述の「MIMOプリアンブル」は、「第1MIMO−STS」、「第2MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」と「第2MIMO−LTS」、あるいはそれらのうちのいずれかに相当する。
以上のパケットフォーマットのうち、「第1データ」と「第2データ」でのデータレートは、可変になるように設定される。すなわち、変調方式、符号化率、アンテナ本数が制御される。一方、「Legacyシグナル」、「MIMOシグナル」でのデータレートは、固定になるように設定される。すなわち、「Legacyシグナル」、「MIMOシグナル」に含まれる情報は重要であり、正確に伝送されることが要求されるので、低いデータレートが使用される。これは、誤りに強い変調方式、符号化率といえる。さらに、「Legacyシグナル」から「MIMOシグナル」までは、「53」のサブキャリアを使用しているが、「第1MIMO−STS」、「第2MIMO−STS」以降は、「56」のサブキャリアを図1のごとく使用している。すなわち、MIMOプリアンブル、データにて使用されるサブキャリアの数は、Legacyプリアンブル、Legacyシグナル、MIMOシグナルにて使用されるサブキャリアの数よりも大きくなるように規定されている。
ここで、「Legacyシグナル」、「第1データ」、「第2データ」のうち、サブキャリア番号「−21」、「−7」、「7」、「21」のサブキャリアにパイロット信号が挿入されている。すなわち、同一の数のパイロット信号が挿入されている。また、同一のサブキャリアにパイロット信号が挿入されている。そのため、「第1データ」、「第2データ」に含まれる非既知信号に対応したサブキャリアの数は、「52」となり、「MIMOシグナル」に含まれる非既知信号に対応したサブキャリアの数と等しくなる。
図3(b)は、図3(a)と同様に、データの送信のために「2」本のアンテナ12が使用される場合のパケットフォーマットである。しかしながら、前述のトレーニング信号が付加されている。トレーニング信号は、図中において、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」から「第4MIMO−STS」、「第4MIMO−LTS」に対応する。また、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」から「第4MIMO−STS」、「第4MIMO−LTS」は、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dによってそれぞれ送信される。なお、トレーニング信号が送信されるアンテナ12の数は、「4」より小さくなってもよい。「第1MIMO−STS」から「第4MIMO−STS」は、互いの干渉が小さくなるようなパターンによって構成されている。
「第1MIMO−LTS」から「第4MIMO−LTS」も同様である。ここでは、これらの構成の説明を省略する。一般的に、「Legacy LTS」や図3(a)における「第1MIMO−LTS」等が、トレーニング信号といわれる場合もあるが、ここでは、トレーニング信号を前述のような図3(b)の信号に限定する。すなわち、「トレーニング信号」とは、通信対象の無線装置10に伝送路推定を実行させるために、送信すべきデータの数、すなわち系列の数にかかわらず、推定させるべき伝送路に応じた系列の数のMIMO−LTSに相当する。以下、「第1MIMO−STS」から「第4MIMO−STS」を「MIMO−STS」と総称し、「第1MIMO−LTS」から「第4MIMO−LTS」を「MIMO−LTS」と総称し、「第1データ」と「第2データ」を「データ」と総称する。
図3(c)は、図3(b)の変形例に相当する。図示のごとく、「第3MIMO−LTS」と「第4MIMO−LTS」が、「第1MIMO−LTS」と「第2MIMO−LTS」と異なったタイミングに配置されている。この場合、「第3MIMO−LTS」と「第4MIMO−LTS」に対して、「MIMO−STS」が付加されていないが、「第1MIMO−STS」と「第2MIMO−STS」によって受信側にてAGCを設定するため、AGCによる設定値を「第1データ」と「第2データ」の受信に最適化できる。なお、図3(a)−(c)に示した信号がまとめられてパケット信号と呼ばれることもあれば、あるいは、ひとつのアンテナ12から送信される信号がパケット信号と呼ばれることもある。ここでは、それらを区別せずに使用する。
図4は、通信システム100での通信手順を示すシーケンス図である。ここでは、第1無線装置10aが、第2無線装置10bのレート情報を取得する動作を示す。説明を簡潔にするために、アダプティブアレイ信号処理の動作を省略する。第1無線装置10aは、第2無線装置10bに対して、レート要求信号を送信する(S10)。第2無線装置10bは、第1無線装置10aに対して、レート情報を送信する(S12)。第1無線装置10aは、レート情報にもとづいて、データレートを設定する(S14)。すなわち、レート情報を参照しながら、データレートを設定する。第1無線装置10aは、設定されたデータレートによって、データを送信する(S16)。第2無線装置10bは、データに対して、受信処理を実行する(S18)。なお、これ以外の方法によって、第1無線装置10aは、レート情報を取得してもよい。
図5は、通信システム100での別の通信手順を示すシーケンス図である。ここでは、MIMOによってデータが伝送される動作を示す。なお、第1無線装置10aから第2無線装置10bにデータが送信される場合、第1無線装置10aは、トレーニング信号にもとづいて、送信ウエイトベクトルを予め導出してなければならない。そのために、第1無線装置10aは、第2無線装置10bにトレーニング信号の送信を要求する(以下、要求のための信号を「トレーニング要求信号」という)(S20)。トレーニング要求信号は、図3(a)の「第1データ」や「第2データ」に含まれる。第2無線装置10bは、トレーニング要求信号にしたがい、第1無線装置10aに対してトレーニング信号を送信する(S22)。第1無線装置10aは、受信したトレーニング信号にもとづいて、送信ウエイトベクトルを導出し、これを設定する(S24)。第1無線装置10aは、送信ウエイトベクトルを使用しながら、データを送信する(S26)。第2無線装置10bは、受信したデータに対して、受信ウエイトベクトルを導出し、これを設定する(S28)。さらに、第2無線装置10bは、受信ウエイトベクトルにもとづいて、データの受信処理を実行する(S30)。
図6は、第1無線装置10aの構成を示す。第1無線装置10aは、無線部20と総称される第1無線部20a、第2無線部20b、第4無線部20d、処理部22と総称される第1処理部22a、第2処理部22b、第4処理部22d、変復調部24と総称される第1変復調部24a、第2変復調部24b、第4変復調部24d、IF部26、制御部30、レート情報管理部32を含む。また信号として、時間領域信号200と総称される第1時間領域信号200a、第2時間領域信号200b、第4時間領域信号200d、周波数領域信号202と総称される第1周波数領域信号202a、第2周波数領域信号202b、第4周波数領域信号202dを含む。なお、第2無線装置10bも同様の構成を有する。また、第1無線装置10aや第2無線装置10bが基地局装置であるか、あるいは端末装置であるかによって、異なった構成が含まれるが、ここでは、説明を明確にするために、それらを省略する。
無線部20は、受信動作として、アンテナ12において受信した無線周波数の信号を周波数変換し、ベースバンドの信号を導出する。無線部20は、ベースバンドの信号を時間領域信号200として処理部22に出力する。一般的に、ベースバンドの信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、AGCやA/D変換部も含まれる。無線部20は、送信動作として、処理部22からのベースバンドの信号を周波数変換し、無線周波数の信号を導出する。ここで、処理部22からのベースバンドの信号も時間領域信号200として示す。無線部20は、無線周波数の信号をアンテナ12に出力する。また、PA(Power Amplifier)、D/A変換部も含まれる。時間領域信号200は、時間領域に変換したマルチキャリア信号であり、デジタル信号であるものとする。さらに、無線部20において処理される信号は、パケット信号を形成しており、そのパケットフォーマットは、図3(a)−(c)に示した通りである。
処理部22は、受信動作として、複数の時間領域信号200をそれぞれ周波数領域に変換し、周波数領域の信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。処理部22は、アダプティブアレイ信号処理の結果を周波数領域信号202として出力する。ひとつの周波数領域信号202が、図2におけるひとつのアンテナ14から送信された信号に対応し、これはひとつの伝送路に対応した信号に相当する。処理部22は、送信動作として、変復調部24から、周波数領域の信号としての周波数領域信号202を入力し、周波数領域の信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。さらに、処理部22は、アダプティブアレイ信号処理した信号を時間領域に変換し、時間領域信号200として出力する。送信処理において使用すべきアンテナ12の数は、制御部30によって指定されるものとする。ここで、周波数領域の信号である周波数領域信号202は、図1のごとく、複数のサブキャリアの成分を含むものとする。図を明瞭にするために、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に並べられて、シリアル信号を形成しているものとする。
図7は、周波数領域の信号の構成を示す。「i」番目のOFDMシンボルは、サブキャリア番号「1」から「28」、サブキャリア番号「−28」から「−1」の順にサブキャリア成分を並べているものとする。また、「i」番目のOFDMシンボルの前に、「i−1」番目のOMDMシンボルが配置され、「i」番目のOFDMシンボルの後ろに、「i+1」番目のOMDMシンボルが配置されているものとする。なお、「Legacyシグナル」等では、サブキャリア番号「1」から「26」、サブキャリア番号「−26」から「−1」の順にサブキャリア成分を並べているものとする。
図6に戻る。変復調部24は、受信処理として、処理部22からの周波数領域信号202に対して、復調および復号を実行する。なお、復調および復号は、サブキャリア単位でなされる。変復調部24は、復号した信号をIF部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、符号化および変調を実行する。変復調部24は、変調した信号を周波数領域信号202として処理部22に出力する。送信処理の際に、変調方式および符号化率は、制御部30によって指定されるものとする。当該指定は、前述のレート情報にもとづいてなされる。
変復調部24をさらに詳細に説明する。送信処理において、変復調部24は、Legacyシグナルのうち、非既知信号に対してインターリーブを実行する。当該インターリーブは、「48」のサブキャリアに配置される非既知信号に対する処理である。また、変復調部24は、データのうち、非既知信号に対してインターリーブを実行する。当該インターリーブは、「52」のサブキャリアに配置される非既知信号に対する処理である。すなわち、Legacyシグナルとデータに対して、異なった規則のインターリーブが実行される。さらに、変復調部24は、MIMOシグナルでの非既知信号に対して、インターリーブを実行する。当該インターリーブは、「52」のサブキャリアに配置される非既知信号に対する処理である。すなわち、MIMOシグナルとデータに対して、同一規則のインターリーブが実行される。
変復調部24は、図3(a)−(c)に示したパケット信号のうち、Legacyシグナルとデータに対して、一部のサブキャリアにパイロット信号を挿入する。一方、MIMOシグナルに対して、パイロット信号を挿入しない。ここで、MIMOシグナルのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数が、Legacyシグナルのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数よりも大きくなり、かつMIMOシグナルのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数が、データのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数と等しくなるように、パイロット信号の挿入が実行される。以上の条件を満たすように、変復調部24は、Legacyシグナルとデータに対して、「4」つのサブキャリアにパイロット信号を挿入する。
受信処理として、変復調部24は、図3(a)−(c)のようなパケット信号を入力する。変復調部24は、同期検波を実行するために、パケット信号のうち、Legacyシグナルとデータに挿入されたパイロット信号を抽出する。変復調部24は、パイロット信号が抽出されたLegacyシグナルの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。当該デインターリーブは、「48」のサブキャリアに配置される非既知信号に対する処理である。また、変復調部24は、データの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。当該デインターリーブは、「52」のサブキャリアに配置される非既知信号に対する処理である。すなわち、Legacyシグナルとデータに対して、異なった規則のデインターリーブが実行される。さらに、変復調部24は、MIMOシグナルでの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。当該デインターリーブは、「52」のサブキャリアに配置される非既知信号に対する処理である。すなわち、MIMOシグナルとデータに対して、同一規則のデインターリーブが実行される。
IF部26は、受信処理として、複数の変復調部24からの信号を合成し、ひとつのデータストリームを形成する。IF部26は、データストリームを出力する。また、IF部26は、送信処理として、ひとつのデータストリームを入力し、これを分離する。さらに、分離したデータを複数の変復調部24に出力する。
以上のような構成によって、要求信号を送信する場合を説明する。処理部22は、図3(a)から(c)のごとく、複数のアンテナ12のうちの少なくともひとつから、各アンテナ12に対応したデータを送信する。使用すべきアンテナ12の数が「2」である場合、図3(a)から(c)での「第1データ」と「第2データ」に相当する。データの送信に使用すべきアンテナ12の数は、制御部30によって指示されるものとする。さらに、処理部22は、図3(a)のような「Legacy STS」等のデータ以外の信号も付加する。また、データの送信に使用すべきアンテナ12の数が「4」になれば、図3(a)−(c)に示されていない「第3データ」と「第4データ」が付加される。このようなデータは、可変データレートに対応した第2無線装置10bに送信される。制御部30は、第2無線装置10bでのレート情報を第2無線装置10bに提供させるための要求信号を生成する。さらに、制御部30は、生成した要求信号を変復調部24に出力する。ここで、要求信号は、図3(a)−(c)の「第1データ」や「第2データ」に割り当てられる。
以上の説明に対応して、要求信号やトレーニング信号を受信する場合を説明する。制御部30は、受信したトレーニング信号にもとづいて、レート情報を生成する。レート情報の生成方法は、任意のものでよい。例えば、無線部20において受信した信号の信号強度を測定し、測定した信号強度をしきい値と比較することによって、レート情報を生成してもよい。あるいは、処理部22において導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、レート情報を生成してもよい。さらに、変復調部24において復調した結果にもとづいて、レート情報を生成してもよい。決定したレート情報は、変復調部24、処理部22、無線部20を介して送信されるとともに、レート情報管理部32に保持される。また、レート情報管理部32は、通信対称の無線装置10におけるレート情報も保持する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図8は、第1処理部22aの構成を示す。第1処理部22aは、FFT(Fast Fourier Transform)部40、合成部42、参照信号生成部44、受信ウエイトベクトル計算部54、分離部46、送信ウエイトベクトル計算部52、IFFT部48、プリアンブル付加部50を含む。また、合成部42は、乗算部56と総称される第1乗算部56a、第2乗算部56b、第4乗算部56d、加算部60を含む。また、分離部46は、乗算部58と総称される第1乗算部58a、第2乗算部58b、第4乗算部58dを含む。
FFT部40は、複数の時間領域信号200を入力し、それぞれに対してフーリエ変換を実行して、周波数領域の信号を導出する。前述のごとく、ひとつの周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に、サブキャリアに対応した信号をシリアルに並べている。
乗算部56は、受信ウエイトベクトル計算部54からの受信ウエイトベクトルによって、周波数領域の信号を重み付けし、加算部60は乗算部56の出力を加算する。ここで、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に配置されているので、受信ウエイトベクトル計算部54からの受信ウエイトベクトルもそれに対応するように配置されている。すなわち、ひとつの乗算部56は、サブキャリア番号の順に配置された受信ウエイトベクトルを逐次入力する。そのため、加算部60は、サブキャリア単位で、乗算結果を加算する。その結果、加算された信号も、図7のごとく、サブキャリア番号の順にシリアルに並べられている。また、加算された信号が、前述の周波数領域信号202である。
なお、以下の説明においても、処理対象の信号が周波数領域に対応している場合、処理は、基本的にサブキャリアを単位にして実行される。ここでは、説明を簡潔にするために、ひとつのサブキャリアにおける処理を説明する。そのため、複数のサブキャリアに対する処理には、ひとつのサブキャリアにおける処理をパラレルあるいはシリアルに実行することによって、対応される。
参照信号生成部44は、「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」期間中は予め記憶した「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」を参照信号として出力する。またこれらの期間以外は、予め規定しているしきい値によって、周波数領域信号202を判定し、その結果を参照信号として出力する。なお、判定は硬判定でなく、軟判定でもよい。
受信ウエイトベクトル計算部54は、FFT部40からの周波数領域の信号、周波数領域信号202、参照信号にもとづいて、受信ウエイトベクトルを導出する。受信ウエイトベクトルの導出方法は、任意のものでよく、そのひとつはLMS(Least Mean Squeare)アルゴリズムによる導出である。また、受信ウエイトベクトルは、相関処理によって導出されてもよい。その際、周波数領域の信号と参照信号は、第1処理部22aからだけではなく、図示しない信号線によって、第2処理部22b等からも入力されるものとする。第1処理部22aにおける周波数領域の信号をx1(t)、第2処理部22bにおける周波数領域の信号をx2(t)と示し、第1処理部22aにおける参照信号をS1(t)、第2処理部22bにおける参照信号をS2(t)と示せば、x1(t)とx2(t)は、次のように示される。
ここで、雑音は無視する。第1の相関行列R1は、Eをアンサンブル平均として、次のように示される。
参照信号間の第2の相関行列R2は、次のように計算される。
最終的に、第2の相関行列R2の逆行列と第1の相関行列R1を乗算することによって、受信応答ベクトルが導出される。
さらに、受信ウエイトベクトル計算部54は、受信応答ベクトルから受信ウエイトベクトルを計算する。
送信ウエイトベクトル計算部52は、受信ウエイトベクトルから、周波数領域信号202の重み付けに必要な送信ウエイトベクトルを推定する。送信ウエイトベクトルの推定方法は、任意とするが、最も簡易な方法として、受信ウエイトベクトルをそのまま使用すればよい。あるいは、受信処理と送信処理との時間差によって生じる伝搬環境のドップラー周波数変動を考慮し、従来の技術によって、受信ウエイトベクトルを補正してもよい。なお、ここでは、受信ウエイトベクトルをそのまま送信ウエイトベクトルに使用するものとする。
乗算部58は、送信ウエイトベクトルによって、周波数領域信号202を重み付けし、その結果をIFFT部48に出力する。また、IFFT部48は、乗算部58からの信号に対して逆フーリエ変換を実行して、時間領域の信号に変換する。プリアンブル付加部50は、図3(a)−(c)のごとく、パケット信号の先頭部分に、プリアンブルを付加する。ここでは、「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」を付加する。プリアンブル付加部50は、プリアンブルを付加した信号を時間領域信号200として出力する。プリアンブル付加部50は、乗算部58の前段に備えられてもよい。すなわち、周波数領域おいて、プリアンブルが付加されてもよい。なお、以上の動作は、図6の制御部30によって制御されるものとする。図8において、第1時間領域信号200a等は、2カ所に示されている。これらは、ひとつの方向の信号であり、これらが、図6における双方向の信号である第1時間領域信号200a等に対応する。
図9は、第1変復調部24aの構成を示す。第1変復調部24aは、同期検波部70、第1デインターリーブ部72、第2デインターリーブ部74、復号部76、パイロット挿入部78、マッピング部80、第1インターリーブ部82、第2インターリーブ部84、符号化部86を含む。
符号化部86は、図3(a)−(c)のLegacyシグナル、MIMOシグナル、データの部分において、符号化を実行する。符号化における符号化率は、前述のごとく、Legacyシグナル、MIMOシグナルに対して固定であるが、データに対して可変である。第1インターリーブ部82は、Legacyシグナルの非既知信号に対して、インターリーブを実行する。すなわち、「48」のサブキャリアに配置されるべき非既知信号に対するインターリーブが実行される。インターリーブに対する規則は、公知の技術、例えば、IEEE802.11a、gの規格と同様であればよいので、説明を省略する。第2インターリーブ部84は、MIMOシグナル、データの非既知信号に対して、インターリーブを実行する。すなわち、「52」のサブキャリアに配置される非既知信号に対するインターリーブが実行される。第2インターリーブ部84によってインターリーブの対象とされるサブキャリア数は、第1インターリーブ部82によってインターリーブの対象とされるサブキャリア数よりも大きくなっている。
マッピング部80は、第1インターリーブ部82からの出力信号、あるいは第2インターリーブ部84からの出力信号をマッピングする。前述のごとく、マッピング部80は、BPSK、QPSK、16QAM等に対応したマッピングを実行する。パイロット挿入部78は、サブキャリア番号「−21」、「−7」、「7」、「21」のサブキャリアにパイロット信号を挿入する。なお、パイロット信号の挿入は、前述のごとく、Legacyシグナル、データに対してなされる。
同期検波部70は、周波数領域信号202に対して同期検波を実行する。その際、パケット信号のうち、Legacyシグナル、データに挿入されたパイロット信号が、抽出される。第1デインターリーブ部72は、Legacyシグナルの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。すなわち、「48」のサブキャリアに配置されるべき非既知信号に対するデインターリーブが実行される。第2デインターリーブ部74は、MIMOシグナル、データの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。すなわち、「52」のサブキャリアに配置される非既知信号に対するデインターリーブが実行される。第2デインターリーブ部74によってデインターリーブの対象とされるサブキャリア数は、第1デインターリーブ部72によってデインターリーブの対象とされるサブキャリア数よりも大きくなっている。復号部76は、第1デインターリーブ部72からの信号、あるいは第2デインターリーブ部74からの信号を復号する。例えば、復号部76は、ビタビ復号器によって構成される。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。送信動作として、符号化部86は、Legacyシグナルの非既知信号およびMIMOシグナルを符号化する。また、符号化部86は、データの非既知信号を符号化する。データの非既知信号に対する符号化率は、Legacyシグナルの非既知信号およびMIMOシグナルに対する符号化率と異なっていてもよい。第1インターリーブ部82は、Legacyシグナルの非既知信号に対して、インターリーブを実行する。第2インターリーブ部84は、MIMOシグナル、データの非既知信号に対して、インターリーブを実行する。パイロット挿入部78は、Legacyシグナルとデータにパイロット信号を挿入する。乗算部58は、送信ウエイトベクトル計算部52からの送信ウエイトベクトルによって、データを重み付けし、IFFT部48は、Legacyシグナル、MIMOシグナル、データに対して、IFFTを実行する。プリアンブル付加部50は、Legacy STS等を付加する。
受信動作として、FFT部40は、FFTを実行する。合成部42によって、アレイ合成を実行する。同期検波部70は、Legacyシグナル、データに含まれたパイロット信号を抽出しつつ、同期検波を実行する。第1デインターリーブ部72は、Legacyシグナルの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。第2デインターリーブ部74は、MIMOシグナル、データの非既知信号に対して、デインターリーブを実行する。復号部76は、Legacyシグナルの非既知信号およびMIMOシグナルを復号する。また、復号部76は、データの非既知信号を復号する。
ここで、本実施例の変形例を説明する。変形例は、第1無線装置や第2無線装置での送信機能を有した送信装置に関する。さらに、実施例と同様のパケット信号を送信する。送信装置は、複数のアンテナの数に応じた複数の系列のパケット信号を送信し、複数のMIMO−STSを複数の系列のパケット信号に配置させる。また、送信装置は、複数のMIMO−STSに続いて、複数のMIMO−LTSを複数の系列のパケット信号に配置させる。さらに、送信装置は、複数の系列のパケット信号のうちの一部にデータを配置させる。送信装置は、データにステアリング行列を乗算することによって、複数の系列の数までデータを増加させる。また、送信装置は、MIMO−LTSに対してもステアリング行列を乗算する。しかしながら、送信装置は、MIMO−STSに対してステアリング行列を乗算しない。以下、ステアリング行列を乗算した複数の系列のパケット信号も、これまでと区別せずに、「複数の系列のパケット信号」という。
ここで、MIMO−STSは、所定の周期を有している。具体的には、1.6μsの周期の信号にガードインターバルが付加されている。なお、前述のステアリング行列には、系列単位に、循環的なタイムシフトを実行させる成分が含まれている。循環的なタイムシフトは、CDD(Cyclic Delay Diversity)と呼ばれるものであり、ここでは、MIMO−LTSに含まれるパターンの周期に対して、循環的なタイムシフトがなされる。データに対しても同様の処理がなされる。また、タイムシフト量は、複数の系列のパケット信号を単位にして異なっているが、これらのタイムシフト量のうちの少なくともひとつは、MIMO−STSでの周期以上に規定されている。以上の処理のごとく、送信装置は、複数の系列のパケット信号を変形させ、変形させた複数の系列のパケット信号を複数のアンテナからそれぞれ送信する。
以上のような変形例に対応した課題は、以下のように示されてもよい。すなわち、通信対象の無線装置における伝送路推定の精度が向上するようなパケットフォーマットによって、送信を実行したい。また、通信対象の無線装置におけるレート情報の精度が向上するようなパケットフォーマットによって、送信を実行したい。また、このようなトレーニング信号を送信する場合であっても、データの通信品質の悪化を抑えるようなパケットフォーマットによって、データを送信したい。
図10は、本発明の変形例に係る送信装置300の構成を示す。送信装置300は、誤り訂正部310、インターリーブ部312、変調部314、プリアンブル付加部316、空間分散部318、無線部20と総称される第1無線部20a、第2無線部20b、第3無線部20c、第4無線部20d、アンテナ12と総称される第1アンテナ12a、第2アンテナ12b、第3アンテナ12c、第4アンテナ12dを含む。ここで、図10の送信装置300は、図6の第1無線装置10aの一部に相当する。
誤り訂正部310は、誤り訂正のための符号化をデータに行う。誤り訂正部310は、図9の符号化部86に対応する。ここでは、畳込み符号化を行うものとし、その符号化率は予め規定された値の中から選択する。インターリーブ部312は、畳込み符号化したデータをインターリーブする。さらに、インターリーブ部312は、データを複数の系列に分離してから出力する。ここでは、ふたつの系列に分離する。ふたつの系列のデータは、互いに独立したデータといえる。また、インターリーブ部312には、図9の第1インターリーブ部82、第2インターリーブ部84が含まれているものとする。
変調部314は、ふたつの系列のデータのそれぞれに対して、変調を実行する。変調部314は、図9のマッピング部80、パイロット挿入部78に対応する。プリアンブル付加部316は、変調されたデータに対してプリアンブルを付加する。そのため、プリアンブル付加部316は、プリアンブルとして、MIMO−STS、MIMO−LTS等を記憶する。プリアンブル付加部316は、複数の系列にそれぞれ配置されるMIMO−STSとMIMO−LTSと、複数の系列のうちの少なくともひとつに配置されるデータとを含んだ複数の系列のパケット信号を生成する。前述のごとく、データは、ふたつの系列によって形成されている。ここで、複数の系列を「4」とするので、4つの系列のパケット信号に、MIMO−STSとMIMO−LTSがそれぞれ配置され、4つの系列のパケット信号のうちのふたつにデータが配置される。その結果、プリアンブル付加部316からは、4つの系列のパケット信号が出力される。
ここで、MIMO−STSの詳細については、説明を省略するが、例えば、少なくとも、複数の系列のパケット信号のうちのひとつに対応したSTSは、他の系列のパケットに対応したSTSに対して、少なくとも一部が異なったサブキャリアを使用するように規定されてもよい。また、STSは、STSのそれぞれに使用されるべきサブキャリアの数が等しく、かつ互いに異なったサブキャリアを使用するように規定されてもよい。また、前述のごとく、複数の系列のパケット信号のそれぞれは、複数のサブキャリアを使用しており、複数の系列のパケット信号に配置されるMIMO−LTSは、各系列に対して、異なったサブキャリアを使用する。すなわち、トーン・インターリーブがなされる。
空間分散部318は、複数の系列のパケット信号のうち、MIMO−LTSとデータに対してステアリング行列をそれぞれ乗算することによって、ステアリング行列が乗算されたMIMO−LTSと、複数の系列の数まで増加させたデータとを生成する。ここで、空間分散部318は、乗算を実行する前に、入力したデータの次数を複数の系列の数まで拡張する。入力したデータの数は、「2」であり、ここでは、「Nin」によって代表させる。そのため、入力したデータは、「Nin×1」のベクトルによって示される。また、複数の系列の数は、「4」であり、ここでは、「Nout」によって代表させる。空間分散部318は、入力したデータの次数をNinからNoutに拡張させる。すなわち、「Nin×1」のベクトルを「Nout×1」のベクトルに拡張させる。その際、Nin+1行目からNout行目までの成分に「0」を挿入する。
また、ステアリング行列Sは、次のように示される。
ステアリング行列は、「Nout×Nout」の行列である。また、Wは、直交行列であり、「Nout×Nout」の行列である。直交行列の一例は、ウォルシュ行列である。ここで、lは、サブキャリア番号を示しており、ステアリング行列による乗算は、サブキャリアを単位にして実行される。さらに、Cは、以下のように示され、CDDのために使用される。
ここで、δは、シフト量を示す。すなわち、空間分散部318は、複数の系列のそれぞれに対応したシフト量によって、直交行列が乗算されたMIMO−LTS内での循環的なタイムシフトを系列単位に実行しつつ、複数の系列の数まで増加させたデータ内での循環的なタイムシフトを系列単位に実行する。なお、MIMO−LTSの構造は、IEEE802.11a規格におけるLTSであるLegacy LTSと同様の構造を有している。また、シフト量は、系列を単位にして異なった値に設定される。その際に、複数の系列のそれぞれに対応したシフト量のうちの少なくともひとつが、MIMO−STSが有した所定の周期以上となるように設定される。MIMO−STSが有した周期は、1.6μsであるので、シフト量のうちの少なくともひとつは、例えば1.6μsとなるように設定される。そのような場合、MIMO−STSに対して、タイムシフトを行っても、シフトが発生しないことと等価になる。そのため、ここでは、MIMO−STSに対して、タイムシフトを行わない。以上の処理の結果、空間分散部318は、複数の系列のパケット信号を変形させる。
無線部20は、アンテナ12と同一の数だけ設けられる。無線部20は、変形された複数の系列のパケット信号を送信する。その際、無線部20は、変形された複数の系列のパケット信号を複数のアンテナ12に対応させながら送信する。また、無線部20は、図示しないIFFT部、GI部、直交変調部、周波数変換部、増幅部を含む。IFFT部は、IFFTを行い、複数のサブキャリアキャリアを使用した周波数領域の信号を時間領域に変換する。GI部は、時間領域のデータに対して、ガードインターバルを付加する。直交変調部は、直交変調を実行する。周波数変換部は、直交変調された信号を無線周波数の信号に周波数変換する。増幅部は、無線周波数の信号を増幅するパワーアンプである。なお、空間分散部318は、図示しないIFFT部の後段に設けられてもよい。
図11(a)−(b)は、送信装置300において生成されるパケット信号のパケットフォーマットを示す。ここでは、特に、トレーニング信号を対象として説明するが、それ以外のパケット信号も同様の処理がなされればよい。図11(a)は、プリアンブル付加部316から出力される複数の系列のパケット信号におけるパケットフォーマットを示す。図11(a)は、図3(b)と同等であるので、説明を省略する。ここで、複数の系列である「4」つの系列のパケット信号のそれぞれに「4」つのMIMO−STSと「4」つのMIMO−LTSが付加されている。一方、複数の系列のうちの少なくともひとつである「2」つの系列のデータが、「第1データ」、「第2データ」として付加されている。図11(b)は、空間分散部318によって変形された複数の系列のパケット信号を示す。MIMO−STSは、図11(a)と同一である。図11(a)のMIMO−LTSは、ステアリング行列の乗算の結果、「MIMO−LTS’」となる。図11(b)では、これを「第1MIMO−LTS’」から「第4MIMO−LTS’」として示す。図11(a)の「第1データ」と「第2データ」は、ステアリング行列の乗算の結果、4つの系列のデータとなる。図11(b)では、これを「第1データ’」から「第4データ’」として示す。
さらに、別の実施例を説明する。変形例においては、LegacyシグナルとMIMOシグナルとの信号点配置が異なっている。図12(a)−(d)は、図3(a)−(c)のバーストフォーマットに含まれた信号のコンスタレーションを示す。図12(a)は、MIMOシグナルに対するコンスタレーションを示す。図示のごとく、MIMOシグナルの変調方式は、BPSKに対応しており、さらにその信号点は、直交成分が「+1」あるいは「−1」となるように規定されている。すなわち、同相成分は「0」になるように規定されている。図12(b)は、Legacyシグナルやデータに対するコンスタレーションを示す。図示のごとく、Legacyシグナルやデータに対するコンスタレーションもBPSKに対応しているが、同相成分が「+1」あるいは「−1」となるように規定されており、直交成分が「0」になるように規定されている。なお、データは変調方式が適宜切りかえられており、BPSKの他にQPSK、16QAM、64QAMが使用される場合もある。図12(c)は、データに対するコンスタレーションであって、変調方式がQPSKである場合を示す。また、図12(d)は、データに対するコンスタレーションであって、変調方式が16QAMである場合を示す。
図9のマッピング部80や図10の変調部314は、以上のようにマッピングを実行する。これに対応して、図9の同期検波部70に、図示しない判定部が付加される。判定部では、Legacyシグナルの後段にMIMOシグナルが配置されているかを判定する。ここで、判定は、前述のごとく、LegacyシグナルとMIMOシグナルとの信号点の配置の相違を利用する。すなわち、LegacyシグナルとMIMOシグナルは、信号点に対する同相成分と直交成分の値が異なっており、これらの違いを検出することによって、判定部は、LegacyシグナルとMIMOシグナルとを判別できる。
本発明の実施例によれば、MIMOシグナルにおいて、非既知信号に対応したサブキャリアの数が、Legacyシグナルのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数よりも大きくなるように、パイロット信号を挿入するので、Legacyシグナルにおける伝送効率よりも、MIMOシグナルにおける伝送効率を向上できる。また、LegacyシグナルとMIMOシグナルに使用するサブキャリアの数が同一であっても、MIMOシグナルの伝送効率を高くできる。また、MIMOシグナルの後段に、MIMOプリアンブルを配置するので、伝送品質の悪化を抑制できる。また、MIMOシグナルにおいて、非既知信号に対応したサブキャリアの数が、データのうちの非既知信号に対応したサブキャリアの数と等しくなるように、パイロット信号を挿入するので、MIMOシグナルよりも多くのサブキャリアを使用しているデータと同じ数のサブキャリアにて非既知信号を伝送でき、伝送効率を向上できる。また、MIMOシグナルとデータに対して、同一のインターリーブ部を使用できる。また、同一のインターリーブ部を使用するので、回路規模の増加を抑制できる。
また、データの系列の数がMIMO−LTSの系列の数よりも少なくても、直交行列による乗算と循環的なタイムシフト処理を実行するので、データの系列の数をMIMO−LTSの系列の数に一致できる。また、MIMO−LTSにも、データ系列と同様の処理を実行するので、通信対象となる無線装置に、データ受信の際に、MIMO−LTSを使用させられる。また、MIMO−STSには、データ系列と同様の処理を実行しないので、CDDにおけるタイムシフト量を大きくでき、通信対象となる無線装置における受信特性を改善できる。また、MIMO−LTSをすべてのアンテナから送信するので、受信側が、想定される伝送路を推定できる。また、データの系列の数がアンテナ数に等しくなくても、データにウォルシュ行列とCDDによる処理を実行することによって、すべてのアンテナから満遍なく信号を送信できる。また、データの電力をMIMO−LTSに合わせることができる。
また、MIMO−LTSにもウォルシュ行列とCDDによる処理を実行するので、受信側において、MIMO−LTSによって推定した伝送路がデータの受信にそのまま使用できる。また、MIMO−LTSとデータに対して、十分大きなシフト量によって、CDDを実行すると、MIMO−LTSとデータの電力差が非常に小さくなるので、受信側でのAGCの設定の精度を向上できる。また、MIMO−STSに大きなシフト量によるタイムシフトが実行できないので、かかる場合に、MIMO−STSをすべてのアンテナに対応付けることによって、MIMO−STSとMIMO−LTSとの電力を合わせることができる。また、MIMO−STSに対して、CDDの処理を実行しなくても、MIMO−STSとMIMO−LTSの電力を合わせることができる。また、MIMO−LTSはトーン・インターリーブされているので、ウォルシュ行列とCDDによる処理によって、すべてのアンテナからMIMO−LTSを送信する場合であっても、送信電力を維持できる。また、ウォルシュ行列とCDDによる処理を行わない場合、3つのアンテナで2つの系列のデータを送信する場合、パケット信号内の各電力は、「3つのSTS」=「3つのLTS」>「2つのデータ」であるが、MIMO−LTSとデータに対してウォルシュ行列とCDDによる処理を行う場合、「3つのSTS」=「3つのLTS」=「3つのデータ」にできる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、第2インターリーブ部84は、MIMOシグナルと、データの非既知信号に対するインターリーブを実行し、第2デインターリーブ部74は、MIMOシグナルと、データの非既知信号に対するインターリーブを実行している。しかしながらこれに限らず例えば、第1インターリーブ部82が、Legacyシグナルの非既知信号と、MIMOシグナルに対するインターリーブを実行し、第1デインターリーブ部72が、Legacyシグナルの非既知信号と、MIMOシグナルに対するデインターリーブを実行してもよい。詳細に説明すると、第1インターリーブ部82は、MIMOシグナルのうち、Legacyシグナルでの非既知信号に対応した部分に対して、インターリーブを実行する。ここで、「MIMOシグナルのうち、Legacyシグナルでの非既知信号に対応した部分」とは、Legacyシグナルでの非既知信号が配置された「48」サブキャリアを示す。
また、第1インターリーブ部82は、MIMOシグナルのうち、Legacyシグナルでの非既知信号に対応していない部分に対して、Legacyシグナルのうちのパイロット信号に対応すべきサブキャリアへの配置を実行する。また、第1デインターリーブ部72は、MIMOシグナルのうち、Legacyシグナルでの非既知信号に対応した部分に対して、デインターリーブを実行する。また、第1デインターリーブ部72は、MIMOシグナルのうち、Legacyシグナルでの非既知信号に対応していない部分に対して、デインターリーブを実行した部分との合成を実行する。変形例によれば、Legacyシグナル、MIMOシグナルのように、パケット信号の連続した部分に対して、同一のインターリーブ部とデインターリーブ部を使用できるので、信号の途中での切りかえを省略できる。つまり、MIMOシグナルに対するインターリーブとデインターリーブに対して、既に備えられているインターリーブ部とデインターリーブ部が使用されればよい。
本発明の実施例において、MIMOシグナルが、複数のシンボルに配置されてもよく、ひとつのシンボルに配置されてもよい。その際、変復調部24は、すべてのサブキャリアにおいて、MIMOシグナルを図12(a)のようにマッピングしてもよい。本変形例によれば、MIMOシグナルのシンボル数にかかわらず、信号点配置によって、MIMOシグナルの配置を検出できる。
本発明の実施例において、MIMOシグナルには、パイロット信号が挿入されないとしている。しかしながらこれに限らず例えば、MIMOシグナルとして、複数のシンボルが配置されるとき、後部のシンボルにパイロット信号が挿入されないとしてもよい。すなわち、複数のシンボルのうち、前部のシンボルには、パイロット信号が挿入されてもよい。例えば、複数のシンボルが「2」シンボルであるとき、前のシンボルには、パイロットが挿入され、後ろのシンボルには、パイロットが挿入されない。複数のシンボルが「2」以上であるとき、「前部」と「後部」に対応するシンボル数は、適宜決定されればよい。なお、パイロット信号は、Legacyシグナルと同一のサブキャリアに挿入されればよい。また、MIMOシグナルのうち、前部のシンボルには、Legacyシンボルと同様の処理がなされればよい。本変形例によれば、伝送品質を改善できる。
さらに、パイロット挿入部78は、複数のシンボルに配置されたMIMOシグナルのうち、少なくとも前部のシンボルにおいて、Legacyシグナルに挿入すべきパイロット信号と異なったパイロット信号を挿入してもよい。例えば、パイロット信号の位相を異なるように設定してもよい。例えば、MIMOシグナルのパイロット信号とLegacyシグナルのパイロット信号は、図12(a)−(b)の関係を有していてもよいし、同じ信号点配置であるが位相のみが180度異なるように設定してもよい。本変形例によれば、パイロット信号の値に応じて、MIMOシグナルであるかを通知できる。つまり、MIMOシグナルでの伝送効率が改善されればよい。また、MIMOシグナルのパイロット信号とLegacyシグナルのパイロット信号は、同じ信号点配置であり、MIMOシグナルの非既知信号とLegacyシグナルの非既知信号が、異なった信号点配置であってもよい。例えば、MIMOシグナルの非既知信号とLegacyシグナルの非既知信号は、図12(a)−(b)の関係を有していてもよい。この場合、MIMOシグナルのパイロット信号とLegacyシグナルのパイロット信号が同じ信号点配置であっても、MIMOシグナルを検出できる。さらに、MIMOシグナルのパイロット信号とLegacyシグナルのパイロット信号は同じ信号点配置であるが位相のみが180度異なるように設定され、かつ、MIMOシグナルの非既知信号とLegacyシグナルの非既知信号は、図12(a)−(b)の関係を有していてもよい。この場合、MIMOシグナルの検出精度が向上する。
本発明の実施例において、Legacy STS等は、ひとつのアンテナ12から送信されている。しかしながらこれに限らず例えば、Legacy STS等に対しても、CDDを実行することによって、Legacy STS等は、複数のアンテナ12から送信されてもよい。本変形例によれば、パケット信号全体での電力差を小さくできる。
本発明の実施例において、第1無線装置10aは、トレーニング信号を送信する際に使用すべきアンテナ12の本数と、トレーニング信号を受信する際に使用すべきアンテナ12の本数とを同一になるように制御している。しかしながらこれに限らず例えば、これらが異なるように制御を行ってもよい。すなわち、処理部22は、複数のアンテナ12によって、第2無線装置10bから、受信用のトレーニング信号を受信し、選択部28は、複数のアンテナ12のうち、トレーニング信号を送信すべき少なくともひとつのアンテナ12を選択する。その際、選択部28は、受信した受信用のトレーニング信号をもとに、複数のアンテナ12のそれぞれに対応した無線品質を導出し、無線品質のよいアンテナ12を優先的に選択してもよい。本変形例によれば、送信用のアンテナ12の本数と、受信用のアンテナ12の本数を独立に設定できる。
10 無線装置、 12 アンテナ、 14 アンテナ、 20 無線部、 22 処理部、 24 変復調部、 26 IF部、 30 制御部、 32 レート情報管理部、 70 同期検波部、 72 第1デインターリーブ部、 74 第2デインターリーブ部、 76 復号部、 78 パイロット挿入部、 80 マッピング部、 82 第1インターリーブ部、 84 第2インターリーブ部、 86 符号化部、 100 通信システム。