JP4620812B2 - 発泡性マイクロスフェアーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡性マイクロスフェアーの製造方法に関し、さらに詳しくは、重合時における生成重合体粒子の凝集や重合缶壁へのスケールの付着が防止され、粒子形状が真球状に揃い、発泡がシャープで均一な発泡体を与えることができる発泡性マイクロスフェアーの製造方法に関する。本発明の製造方法により得られる発泡性マイクロスフェアーは、塗料やインク分野をはじめとする広範な技術分野で利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、発泡性マイクロスフェアーは、発泡インクの用途をはじめとして、軽量化を目的とした塗料やプラスチックの充填剤など、種々の分野への用途展開が図られている。発泡性マイクロスフェアーは、通常、揮発性の液体発泡剤(物理的発泡剤または揮発性膨張剤ともいう)を熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化したものである。従来より、このような発泡性マイクロスフェアーは、水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤と重合性単量体とを含有する重合性混合物を懸濁重合する方法により製造されてきた。重合反応が進むにつれて、生成する重合体により外殻が形成され、その中に発泡剤が包み込まれるようにして含有された発泡性マイクロスフェアーが得られる。
【0003】
例えば、特公昭42−26524号公報には、重合体の軟化点以下の温度においてガス状になる揮発性の液体発泡剤をその中に包み込んで有する単細胞状の熱可塑性樹脂状重合体の粒子(すなわち、発泡性マイクロスフェアー)が記載されている。該公報には、低沸点の脂肪族炭化水素などの発泡剤を単量体に添加し、この単量体混合物に油溶性触媒を混合し、次いで、分散剤を含有する水系分散媒体中に単量体混合物を攪拌しながら添加し、懸濁重合を行うことにより、熱可塑性樹脂からなる外殻中に発泡剤を包み込んだ球状粒子を製造する方法が開示されている。特開昭62−286534号公報には、ニトリル系モノマー80重量%以上、非ニトリル系モノマー20重量%以下、及び架橋剤を含有する成分から得られるポリマーを用いて、揮発性膨張剤をマイクロカプセル化する熱膨張性マイクロカプセル(すなわち、発泡性マイクロスフェアー)の製造方法が記載されている。これら従来の製造方法においては、分散安定剤(懸濁剤)としてコロイダルシリカ、補助安定剤としてジエタノールアミン−アジピン酸縮合生成物、そして重合助剤として重クロム酸カリウムを含有する水系分散媒体中で、発泡剤、重合性単量体、及び重合開始剤を含有する重合性混合物を懸濁重合することによって、発泡性マイクロスフェアーを製造している。
【0004】
ところが、これらの従来法において、重合助剤として使用されている重クロム酸カリウムは、毒性を有するという問題点がある。しかも、重クロム酸カリウムを使用すると、残留するクロムイオンのために発泡性マイクロスフェアーが黄色に着色し、該発泡性マイクロスフェアーを未発泡または発泡状態で含有する各種製品の色調が損なわれる。特に着色製品に、このような黄色の発泡性マイクロスフェアーを含有させると、色調がくすんだものとなりやすい。
【0005】
一方、懸濁重合時に重クロム酸カリウムを使用しないと、生成した重合体粒子が凝集する傾向を示したり、あるいは、生成重合体が重合缶壁へスケールとして付着する問題が起こりやすくなる。重合体粒子が凝集すると、懸濁重合反応系の粘度が増大し、重合反応の進行や発泡性マイクロスフェアーの粒子形状に悪影響を及ぼす。重合体スケールが重合缶壁を覆うと、重合缶の除熱能力の低下をきたしたり、発泡性マイクロスフェアーの収率の低下をもたらす。重合体粒子の凝集物や付着した重合体スケールの剥離物が発泡性マイクロスフェアー中に混在すると、該発泡性マイクロスフェアーを、例えば、高性能塗料等の軽量化剤や機能性付与剤として使用した場合、これら凝集物やスケールの剥離物は粗大粒子であるため、仕上がり表面が粗くなるという問題が生じる。これら粗大粒子や真球状でない形状の粒子は、真球状の粒子に比べて、低温で発泡しやすくなったり、発泡剤が抜けやすく発泡倍率が大きくならないという問題を引き起こす。このような問題は、特に発泡性マイクロスフェアーの特徴が生かせる極薄の塗膜用途には致命的な欠点となる。また、エアースプレイの用途の場合には、ガンの詰まりや塗布の不均一が生じやすくなる。
【0006】
特開平4−292643号公報(特許第2584376号公報)には、沈殿防止剤(分散安定剤)として、重合時に水性媒体が有するpHにおいて該水性媒体に不溶である水酸化マグネシウム等の粉末安定剤を使用して、発泡性熱可塑性マイクロスフェアーを製造する方法が開示されている。該公報には、この方法によれば、重合後に水性媒質のpHを下げることによって、粉末安定剤を溶解除去することができるので、清浄なポリマー表面を有する発泡性マイクロスフェアーが得られるとされている。しかしながら、この方法によっても、重合体粒子の凝集の問題を解決することができない。
【0007】
ところで、発泡性マイクロスフェアーは、未発泡の状態でインクや塗料、プラスチックなどに配合されるだけではなく、用途によっては、発泡した状態で使用されることがある。すなわち、発泡性マイクロスフェアーの発泡体(中空プラスチックバルーン)は、非常に軽量であるため、例えば、自動車等の被塗装物の軽量化を図るために、塗料の充填剤として用いられるようになっている。この発泡体は、通常、嵩密度が0.02〜0.03g/cm3程度で、平均粒子径が20〜200μm程度の非常に軽い微粉末なので、これを容器から取り出して塗料などの基材に配合する場合、空気中に飛散しやすい。また、この発泡体は、基材との攪拌混合に際し、基材の上部に集まってしまい、均一な混合が非常に困難である。
【0008】
そこで、特開平7−196813号公報には、未発泡の発泡性マイクロスフェアーと可塑剤を該発泡性マイクロスフェアーの発泡開始温度以下で混合し、次いで、該混合物に、該発泡性マイクロスフェアーの発泡開始温度以上に加熱した可塑剤を接触せしめ、発泡性マイクロスフェアーを発泡後、冷却して過発泡を防止する非飛散性発泡マイクロスフェアー(非飛散性中空プラスチックバルーン)の製造方法が提案されている。この方法によれば、1)未発泡の発泡性マイクロスフェアーを可塑剤中に分散して、ポンプで定量供給できる流動性のある状態とすることができる、2)発泡性マイクロスフェアーを発泡すると同時に、均一な非飛散性の発泡マイクロスフェアーを得ることができる、3)単に可塑剤によって湿潤化する方法に比べて、可塑剤の使用量を非常に少なくすることができる、という利点がある。このような方法を採用するには、発泡性マイクロスフェアーには、以下のような特性が要求される;
(1)湿潤剤として可塑剤が使用されるため、耐溶剤性が良好であること。
(2)少ない可塑剤量でポンプで定量供給できるように、発泡性マイクロスフェアーを可塑剤中に分散したときの粘度ができるだけ低いこと。
(3)プロセス上及び製品の品質上、発泡がシャープに起こること。
(4)発泡プロセス時に凝集物ができないこと。
したがって、これら(1)〜(4)の特性を兼ね備えた発泡性マイクロスフェアーが望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合時における生成重合体粒子の凝集や重合缶壁へのスケールの付着が防止され、粒子形状が真球状に揃い、発泡がシャープで均一な発泡体を与えることができる発泡性マイクロスフェアーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合して、生成重合体の外殻中に発泡剤を包み込んで含有する発泡性マイクロスフェアーを製造する方法において、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下に、重合性混合物の懸濁重合を行うことにより、重合時に、重合粒子同士の凝集が起こらず、重合物が重合缶壁に付着することがなく、重合による発熱を効率的に除去しながら安定して発泡性マイクロスフェアーを製造することができることを見いだした。また、本発明の製造方法によって得られる発泡性マイクロスフェアーは、非球状の粒子や凝集粒子が少ないため、発泡がシャープであり、均一な発泡体となる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合して、生成重合体の外殻中に発泡剤を包み込んで含有する発泡性マイクロスフェアーを製造する方法において、
(i)亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下に、重合性混合物の懸濁重合を行い、かつ
(ii)該化合物が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部の割合で使用される
ことを特徴とする発泡性マイクロスフェアーの製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法の特徴は、水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤及び重合性単量体を含有する重合性混合物を懸濁重合して、生成重合体の外殻中に発泡剤を包み込んで含有する発泡性マイクロスフェアーを製造する方法において、重合性混合物の懸濁重合を特定の化合物の存在下に行う点にある。具体的には、水系分散媒体中に、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を存在させて、重合性混合物の懸濁重合を行い、かつ該化合物が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部の割合で使用される。
【0012】
これらの化合物の作用機構は、現段階では、必ずしも明瞭ではないが、これらの化合物を懸濁重合反応系に存在させることにより、(1)重合時に生成重合体粒子の凝集を抑制することができる、(2)重合缶壁への重合体スケールの付着を抑制することができる、(3)変形粒子の生成割合を抑制し、真球状に揃った粒子形状の発泡性マイクロスフェアーを得ることができる、といった作用効果を奏することができる。重合体粒子の凝集を抑制することにより、重合時のスラリー粘度の上昇を防ぎ、また、重合体スケールの付着を抑制することにより、重合による発熱を効率的に除去することができるので、重合反応を安定的に行うことができ、その結果、真球状で、かつ、発泡がシャープな発泡性マイクロスフェアーを得ることができる。
【0013】
本発明の製造方法により得られる発泡性マイクロスフェアーは、発泡が均一に起こる。例えば、ホットステージ付き顕微鏡で、昇温しながら発泡性マイクロスフェアーの発泡状態を観察すると、本発明の製造方法で得られた発泡性マイクロスフェアーは、狭い発泡温度域で、ポップコーンのように一気に発泡し、均一な発泡体となる。これに対して、前記特定の化合物の非存在下で懸濁重合して得られた発泡性マイクロスフェアーは、本発明の製造方法により得られた発泡性マイクロスフェアーと比べて、その一部が10℃以上、場合によっては30℃以上も低い温度で発泡が始まるものがある。また、前記特定の化合物の非存在下で懸濁重合して得られた発泡性マイクロスフェアーは、熱天秤(TGA)で昇温時の重量減少を測定すると、発泡開始温度以下でも発泡剤の揮散による大幅な重量減少が観察されるものがある。このような重量減少は、発泡が起こる前に発泡剤が発泡性マイクロスフェアーから散逸してしまうためであり、それによって、所定の発泡倍率が得られなかったり、ひどい場合には、全く発泡しないこともある。このような発泡が不均一な発泡性マイクロスフェアーに、前述の特開平7−196813号公報に記載の方法を適用すると、該発泡性マイクロスフェアーと可塑剤との混合物を予熱する際に、一部発泡が発生してしまう。発泡性マイクロスフェアーは、発泡すると体積倍率で60〜100倍前後も膨張するので、ごく一部の発泡が起こっても、可塑剤との混合物は、流動性を失ってポンプ輸送が不可能となってしまう。
【0014】
本発明の製造方法に従って、水系分散媒体中に、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を存在させて、重合性混合物の懸濁重合を行うことにより、前記の如き不都合を解消し、優れた諸特性を有する発泡性マイクロスフェアーを安定して得ることができる。亜硝酸アルカリ金属塩の中では、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムが入手の容易性や価格の点で好ましい。アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸の金属塩、アスコルビン酸のエステルなどが挙げられるが、本発明においては、水可溶性のものが好適に用いられる。ここで、水可溶性アスコルビン酸類とは、23℃の水に対する溶解性が1g/100cm3以上であるものを意味し、アスコルビン酸とそのアルカリ金属塩が好ましい。これらの中でも、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸ナトリウム及びアスコルビン酸カリウムが、入手の容易性や価格、作用効果の点で、特に好適に用いられる。これらの化合物は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部の割合で使用される。本発明では、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部の割合で使用される。
【0015】
本発明の製造方法においては、発泡剤、重合性単量体、その他助剤等は、特に限定されるものではなく、従来公知のものが使用できる。すなわち、本発明の製造方法は、あらゆるタイプの発泡性マイクロスフェアーの製造に適用することができる。
本発明で使用する発泡剤は、通常、外殻を形成する重合体の軟化点以下の温度でガス状になる物質である。このような発泡剤としては、低沸点有機溶剤が好適であり、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの低分子量炭化水素;CCl3F、CCl2F2、CClF3、CClF2−CCl2F2等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシランなどのテトラアルキルシラン;などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、石油エーテル、及びこれらの2種以上の混合物が好ましい。また、所望により、加熱により熱分解してガス状になる化合物を使用してもよい。
【0016】
重合性単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、酢酸ビニル、α−メチルスチレン、クロロプレン、ネオプレン、ブタジエンなどが挙げられる。これらの重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
発泡性マイクロスフェアーは、外殻を形成する重合体が熱可塑性で、かつ、ガスバリア性を有するものが好ましい。この観点から、塩化ビニリデンを含む共重合体、及び(メタ)アクリロニトリルを含む共重合体は、外殻を形成する重合体として好ましい。
【0017】
塩化ビニリデンを含む共重合体としては、重合性単量体として、塩化ビニリデン30〜95重量%と、これと共重合可能な単量体5〜70重量%とを用いて得られる共重合体を挙げることができる。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。すなわち、重合性単量体として、(a)塩化ビニリデン30〜95重量%、及び(b)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体5〜70重量%を含有する単量体混合物を用いて発泡性マイクロスフェアーを製造することが好ましい。塩化ビニリデンの共重合割合が30重量%未満であるとガスバリア性が低下し、95重量%超過では、発泡温度域が低くなりすぎるので好ましくない。
【0018】
塩化ビニリデンを含む共重合体としては、重合性単量体として、(a)塩化ビニリデン40〜80重量%、(b1)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体19〜50重量%、及び(b2)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体1〜20重量%を含有する単量体混合物を用いて得られる共重合体が、実用的な発泡温度の設計が容易であり、また、高発泡倍率を達成しやすいことなどから、より好ましい。
【0019】
耐溶剤性や高温での発泡性を望む場合には、(メタ)アクリロニトリルを主成分とする共重合体により外殻を形成することが好ましい。具体的には、重合性単量体として、(c)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体51〜95重量%、及び(d)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体5〜49重量%を含有する単量体混合物を用いて発泡性マイクロスフェアーを製造することが好ましい。より好ましくは、前記単量体混合物が、(c)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体51〜95重量%、(d1)塩化ビニリデン1〜40重量%、及び(d2)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体1〜48重量%を含有するものである。(メタ)アクリロニトリルの共重合割合が51重量%未満では、耐溶剤性や耐熱性が低下し、95重量%超過では、熱膨張性が低くなり好ましくない。
【0020】
塩化ビニリデンを含まない共重合体としては、重合性単量体として、(e)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体70〜95重量、及び(f)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体5〜30重量%を含有する単量体混合物を用いて得られる共重合体が好ましい。より好ましくは、前記単量体混合物が、(e1)アクリロニトリル55〜75重量%、(e2)メタクリロニトリル20〜40重量%、及び(f)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体1〜10重量%を含有するものである。このような共重合体によっても、ガスバリア性、耐溶剤性、耐熱性、発泡性などに優れた発泡性マイクロスフェアーを得ることができる。
【0021】
前記の如き重合性単量体と共に、発泡特性及び耐熱性を改良するために架橋性単量体を併用することができる。架橋性単量体としては、通常、2以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物が用いられる。より具体的には、架橋性単量体として、例えば、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、メタクリル酸アリル、イソシアン酸トリアリル、トリアクリルホルマール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸1,3−ブチルグリコール、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。架橋性単量体の使用割合は、重合性単量体の通常0.1〜1重量%、好ましくは0.2〜0.8重量%である。
【0022】
重合開始剤としては、特に限定されず、この分野で一般に使用されているものを使用することができるが、使用する重合性単量体に可溶の油溶性重合開始剤が好ましい。重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、及びアゾ化合物が挙げられる。より具体的には、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化ジアルキル;イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化ジアシル;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられる。重合開始剤は、水系分散媒体基準で、通常、0.0001〜3重量%の割合で使用される。
【0023】
懸濁重合は、通常、分散安定剤(懸濁剤)を含有する水系分散媒体中で行われる。分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。この他に補助安定剤、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル、各種乳化剤等を使用することができる。分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用される。
【0024】
分散安定剤を含有する水系分散媒体は、通常、分散安定剤や補助安定剤を脱イオン水に配合して調製する。重合時の水相のpHは、使用する分散安定剤や補助安定剤の種類によって適宜決められる。例えば、分散安定剤としてコロイダルシリカなどのシリカを使用する場合は、酸性環境で重合が行われる。水系分散媒体を酸性にするには、必要に応じて酸を加えて、系のpHを約3〜4に調整する。水酸化マグネシウムまたはリン酸カルシウムを使用する場合は、アルカリ性環境の中で重合させる。
【0025】
好ましい組み合わせの一つとして、コロイダルシリカと縮合生成物の組み合わせがある。縮合生成物は、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸の縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸の縮合生成物が好ましい。縮合物は、その酸価によって規定される。好ましくは、酸価が60以上95未満のものである。特に好ましくは、酸価が65以上90以下の縮合物である。さらに、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を添加すると、より均一な粒子形状を有する発泡性マイクロスフェアーが得られやすくなる。無機塩としては、食塩が好適に用いられる。
コロイダルシリカの使用量は、その粒子径によっても変わるが、通常、重合性単量体100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の割合で使用される。縮合生成物は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.05〜2重量部の割合で使用される。無機塩は、重合性単量体100重量部に対して、0〜100重量部程度の割合で使用する。
【0026】
他の好ましい組み合わせは、コロイダルシリカと水溶性窒素含有化合物の組み合わせが挙げられる。水溶性窒素含有化合物の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートやポリジメチルアミノエチルアクリレートに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドやポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミンが挙げられる。これらの中でも、コロイダルシリカとポリビニルピロリドンの組み合わせが好適に用いられる。他の好ましい組み合わせには、水酸化マグネシウム及び/またはリン酸カルシウムと乳化剤との組み合わせがある。
【0027】
分散安定剤としては、水溶性多価金属化合物(例えば、塩化マグネシウム)と水酸化アルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム)との水相中での反応により得られる難水溶性金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム)のコロイドを用いることができる。また、リン酸カルシウムは、リン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの水相中での反応生成物を使用することが可能である。乳化剤として、陰イオン性界面活性剤、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩やポリオキシエチレンアルキル(アリル)エーテルのリン酸エステル等を用いてもよい。
【0028】
水系分散媒体に各成分を添加する順序は、任意であるが、通常は、重合缶に、水と分散安定剤、必要に応じて安定助剤を加えて、分散安定剤を含有する水系分散媒体を調製する。本発明では、この水系分散媒体に、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を加える。重合性単量体及び発泡剤は、別々に水系分散媒体に加えて、水系分散媒体中で一体化して重合性混合物(油性混合物)を形成してもよいが、通常は、予め両者を混合してから、水系分散媒体に添加する。重合開始剤は、予め重合性単量体に添加して使用することができるが、早期の重合を避ける必要がある場合には、例えば、重合性単量体と発泡剤との混合物を水系分散媒体中に添加し、攪拌しながら重合開始剤を加え、水系分散媒体中で一体化してもよい。なお、重合性混合物(油性混合物)と水系分散媒体との混合を別の容器で行って、攪拌混合した後、重合缶に仕込んでもよい。
【0029】
発泡剤、重合性単量体、及び重合開始剤などを含有する重合性混合物は、水系分散媒体中で油相を形成するので、攪拌混合することにより、所望の大きさの微小な液滴に造粒することができる。攪拌混合に際しては、発泡性マイクロスフェアーの所望の粒径に応じて、攪拌機の種類や回転数などの条件設定を行う。この際、重合缶の大きさと形状、バッフルの有無等をも勘案して条件を選択する。攪拌機としては、高剪断力を有するホモジナイザーが好ましい。
重合は、通常、脱気もしくは不活性ガスで置換して、40〜80℃の温度で行なう。重合後、水相は、例えば、濾過、遠心分離、沈降によって除去される。必要に応じて、発泡性マイクロスフェアーは、発泡剤がガス化しない程度の比較的低温で乾燥される。
【0030】
未発泡の発泡性マイクロスフェアーの粒径、及び発泡後の粒径は、広い範囲で変えることができ、最終製品に求められる性質に基づいて設計される。本発明によって得られる発泡性マイクロスフェアーの平均粒径は、未発泡状態で、通常、約3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。発泡剤の含有量は、通常、約5〜30重量%、好ましくは約10〜25重量%である。使用する重合性単量体の組合せや量比の制御と発泡剤の選択により、様々な発泡挙動を示す発泡性マイクロスフェアーの製造が可能である。
【0031】
本発明により得られる発泡性マイクロスフェアーは、発泡(膨張)させて、あるいは未発泡のままで、各種分野に使用される。発泡性マイクロスフェアーは、例えば、その膨張性を利用して、自動車等の塗料の充填剤、発泡インク(壁紙、T−シャツ等のレリーフ模様付け)の発泡剤、収縮防止剤などに使用される。また、発泡性マイクロスフェアーは、発泡による体積増加を利用して、プラスチック、塗料、各種資材などの軽量化や多孔質化、各種機能性付与(例えば、スリップ性、断熱性、クッション性、遮音性等)の目的で使用される。特に、本発明による発泡性マイクロスフェアーは、表面性や平滑性の要求される塗料、インク分野に好適に用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
[測定方法及び定義]
(1)発泡倍率:発泡性マイクロスフェアー0.7gを、ギア式オーブン中に入れ、所定温度(発泡温度)で2分間加熱して発泡させる。得られた発泡体をメスシリンダーに入れて体積を測定し、未発泡時の体積で割って発泡倍率とする。
(2)ΔT:1.5L重合缶の重合時における重合缶内の重合スラリー温度と重合缶を浸漬している温水バス(温水量60L)温度との間の温度差を表す。
【0033】
[比較例1]
攪拌機付きの重合缶(1.5L)にコロイダルシリカ16.5g(固形分40重量%のシリカ分散液41.3g)、ジエタノールアミン−アジピン酸縮合生成物(酸価78mgKOH/g)1.65g(50%溶液で3.3g)、食塩169.8g、水を合計で557gになるように仕込み、水系分散媒体を調製した。この水系分散媒体のpHが3.2になるように、塩酸を添加して調整した。
一方、アクリロニトリル147.4g、メタクリロニトリル68.2g、メタクリル酸メチル4.4g、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン0.66g、n−ペンタン26.2g、石油エーテル15gからなる油性混合物を調製した(重量部比;アクリロニトリル/メタクリロニトリル/メタクリル酸メチル=67/31/2)。この油性混合物と前記で調製した水系分散媒体とをホモジナイザーで攪拌混合して、油性混合物の微小な液滴を造粒した。
【0034】
この油性混合物の微小な液滴を含有する水系分散媒体を、攪拌機付きの重合缶(1.5L)に仕込み、温水バスを用いて60℃で20時間反応させたところ、反応熱の除熱が困難で、△Tは2.7℃に達した。また、重合反応中に重合スラリーの粘度が急上昇し、流動性が非常に悪化した。重合後に得られたスラリーの篩分性も悪かった。スラリー中に凝集物が多く観察され、缶壁には重合物がスケールとして付着していた。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が30μm、嵩密度が0.36g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は45倍であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、130℃以下の温度で発泡するものが多数認められた。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのフタル酸ジイソノリル(以下「DINP」と略記することがある。)33.3重量%溶液の粘度は、1600センチポイズと高粘度であった。なお、前記処方に準じて、10L重合缶にスケールアップしたところ、反応温度の制御ができなかった。
【0035】
[実施例1]
水系分散媒体の調製時に、さらに亜硝酸ナトリウム0.11gを加えたこと以外は、比較例1と同様にして、発泡性マイクロスフェアーを調製した。△Tは、0.2℃と非常に小さく、10L重合缶にスケールアップしても、重合熱を充分に除熱することができた。1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は低く、非常に流動性が良好であり、得られたスラリーの篩分性も良好であった。凝集物や缶壁への重合物スケールの付着も殆ど観察されなかった。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が28μm、嵩密度が0.43g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は55倍であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、140℃以下の温度で発泡するものは殆ど認められなかった。したがって、発泡がシャープに起きていると判断される。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのDINP33.3重量%溶液の粘度は、720センチポイズと低く、流動性が良好であった。
【0036】
[比較例2]
攪拌機付きの重合缶(1.5L)に脱イオン水792gを入れて、攪拌下に塩化マグネシウム6水塩を39.6g加え溶解させた。これにペレックスOT−P(花王社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)0.044g、固形分25重量%の水酸化ナトリウム23.8gを加え、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。この水分散液(水系分散媒体)のpHは、9.8であった。
一方、アクリロニトリル182.6g、メタクリル酸メチル26.4g、アクリル酸メチル11g、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン0.44g、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.1g、ペンタン39.6gからなる油性混合物を調製した(重量部比;アクリロニトリル/メタクリル酸メチル/ アクリル酸メチル=83/12/5)。次いで、この油性混合物と前記で調製した水分散液とをホモジナイザーで攪拌混合して、油性混合物の微小な液滴を造粒した後、前記重合缶に仕込み、57℃で20時間反応させた。
【0037】
△Tが6℃と大きく、10L重合缶にスケールアップしたところ、重合熱の除熱が不充分で重合温度制御ができなかった。また、1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は急上昇し、流動性が非常に悪く、得られたスラリーの篩分性も悪かった。凝集物が多く観察され、缶壁や攪拌羽根には重合物スケールが付着していた。
得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が30μm、嵩密度が0.35g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は39倍であった。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのDINP33.3重量%溶液の粘度は2500センチポイズと高粘度であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、130℃以下の温度で発泡するものが多数認められた。
【0038】
[実施例2]
水分散液(水系分散媒体)の調製時に、さらに硼酸0.11gを加えたこと以外は、比較例2と同様にして、発泡性マイクロスフェアーを調整した。△Tは、2℃と小さくなり、10L重合缶にスケールアップしても重合熱の除熱は充分に可能であった。1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は低く、流動性が良好であり、得られたスラリーの篩分性も良好であった。凝集物や缶壁への重合物スケールの付着は、殆ど観察されなかった。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が28μm、嵩密度が0.38g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は49倍であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、140℃以下の温度で発泡するものは殆ど認められなかった。したがって、発泡がシャープに起きていると判断される。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのDINP33.3重量%溶液の粘度は、1300センチポイズと低く、流動性の顕著な改良が認められた。
【0039】
[比較例3]
攪拌機付きの重合缶(1.5L)に脱イオン水770g、固形分40重量%のコロイダルシリカ11gを加え溶解させた。さらに塩酸を加え、pHが3.5の水系分散媒体を調製した。
一方、塩化ビニリデン123.2g、アクリロニトリル85.8g、メタクリル酸メチル11g、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン0.33g、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.1g、ブタン35.2gからなる油性混合物を調製した(重量部比;塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル=56/39/5)。次いで、この油性混合物と前記で調製した水系分散媒体とをホモジナイザーで攪拌混合して、油性混合物の微小な液滴を造粒した後、前記重合缶に仕込み、50℃で22時間反応させた。
△Tは、7℃と大きく、10L重合缶にスケールアップしたところ、重合熱の除熱が不充分で重合温度制御ができなかった。また、1.5L重合缶での重合スラリーも粘度が急上昇し、流動性が非常に悪かった。得られたスラリーの篩分性も悪かった。凝集物が多く観察され、缶壁や攪拌羽根には重合物スケールが多く付着していた。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が14μmである発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーを200メッシュ(目開き75μm)の篩で篩分したところ、メッシュ上に残った量は5重量%あった。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度120℃での発泡倍率は40倍であった。
【0040】
[実施例3]
水系分散媒体の調製時に、さらに塩化第二スズ0.088gを加えたこと以外は、比較例3と同様にして、発泡性マイクロスフェアーを調製した。△Tは、1.5℃と小さくなり、10L重合缶にスケールアップしても、重合熱の除熱は充分に可能であった。1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は低く、流動性が良好であり、得られたスラリーの篩分性も良好であった。凝集物や缶壁への重合物スケールの付着は殆ど観察されなかった。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が15μmである発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーを200メッシュ(目開き75μm)の篩で篩分したところ、メッシュ上に残った量は、0.1重量%以下と非常に少なかった。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度120℃での発泡倍率は50倍であった。
【0041】
[比較例4]
水系分散媒体の調製時に、ジエタノールアミン−アジピン酸縮合生成物の替わりに分子量1万のポリビニルピロリドン1.1gを加えたこと以外は、比較例1と同様にして、発泡性マイクロスフェアーを調製した。ΔTは、3℃と大きく、10L重合缶をスケールアップしたところ、重合熱の除熱が不充分で重合温度制御ができなかった。また、1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は急上昇し、流動性が非常に悪く、得られたスラリーの篩分性も悪かった。凝集物が多く観察され、缶壁や攪拌羽根には重合物スケールが付着していた。
得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して平均粒径が32μm、嵩密度が0.36g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は、42倍であった。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのDINP33.3重量%の粘度は、2700センチポイズと高粘度であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、130℃以下の温度で発泡するものが多数認められた。
【0042】
[実施例4]
水系分散媒体の調製時に、さらに亜硝酸ナトリウム0.13gを加えたこと以外は、比較例4と同様にして、発泡性マイクロスフェアーを調製した。ΔTは、0.3℃と非常に小さくなり、10L重合缶にスケールアップしても、重合熱の除熱は、充分に可能であった。1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は低く、流動性が良好であり、得られたスラリーの篩分性も良好であった。凝集物や缶壁への重合物スケールの付着は殆ど観察されなかった。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して、平均粒径が31μm、嵩密度が0.42g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は57倍であった。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのDINP33.3重量%の粘度は、800センチポイズと低く、流動性が良好であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、140℃以下の温度で発泡するものはあまり認められなかった。したがって、発泡がシャープに起きていると判断される。
【0043】
[実施例5]
水系分散媒体の調製時に、亜硝酸ナトリウムの替わりにL−アスコルビン酸(ビタミンC)0.3gを加えたこと以外は、実施例4と同様にして、発泡性マイクロスフェアーを調製した。ΔTは、0.3℃と非常に小さくなり、10L重合缶にスケールアップしても、重合熱の除熱は、充分に可能であった。1.5L重合缶での重合時のスラリーの粘度は低く、流動性が良好であり、得られたスラリーの篩分性も良好であった。凝集物や缶壁への重合物スケールの付着は殆ど観察されなかった。得られた反応生成物を濾過と水洗を繰り返し、乾燥して、平均粒径が32μm、嵩密度が0.43g/cm3である発泡性マイクロスフェアーを得た。この発泡性マイクロスフェアーの発泡温度170℃での発泡倍率は62倍であった。未発泡の発泡性マイクロスフェアーのDINP33.3重量%の粘度は、750センチポイズと低く、流動性が良好であった。また、ホットステージ付き顕微鏡で10℃/分の速度で昇温しながら、その発泡挙動を観察したところ、140℃以下の温度で発泡するものはあまり認められなかった。したがって、発泡がシャープに起きていると判断される。
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、重合時に、重合体粒子同士の凝集が防止され、重合物が重合缶壁に付着することもないので、重合による発熱を効率的に除去することができるとともに、安定的に高品質の発泡性マイクロスフェアーを製造することができる。本発明の製造方法により得られる発泡性マイクロスフェアーは、真球状の粒子形状が揃ったものであり、非球状の粒子や凝集粒子が少ないため、発泡がシャープであり、均一な発泡体を形成することができる。
Claims (7)
- 水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤、重合性単量体及び重合開始剤を含有する重合性混合物を懸濁重合して、生成重合体の外殻中に発泡剤を包み込んで含有する発泡性マイクロスフェアーを製造する方法において、
(i)亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下に、重合性混合物の懸濁重合を行い、
(ii)該化合物が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部の割合で使用され、かつ、
(iii)前記水可溶性アスコルビン酸類が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、またはアスコルビン酸カリウムであって、
前記重合性単量体が、(a)塩化ビニリデン30〜95重量%、及び(b)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体5〜70重量%を含有する単量体混合物である
ことを特徴とする発泡性マイクロスフェアーの製造方法。 - 前記単量体混合物が、(a)塩化ビニリデン40〜80重量%、(b1)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体19〜50重量%、及び(b2)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体1〜20重量%を含有する請求項1に記載の発泡性マイクロスフェアーの製造方法。
- 水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤、重合性単量体及び重合開始剤を含有する重合性混合物を懸濁重合して、生成重合体の外殻中に発泡剤を包み込んで含有する発泡性マイクロスフェアーを製造する方法において、
(i)亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下に、重合性混合物の懸濁重合を行い、
(ii)該化合物が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部の割合で使用され、かつ、
(iii)前記水可溶性アスコルビン酸類が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、またはアスコルビン酸カリウムであって、
前記重合性単量体が、(c)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体51〜95重量%、及び(d)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体5〜49重量%を含有する単量体混合物である
ことを特徴とする発泡性マイクロスフェアーの製造方法。 - 前記単量体混合物が、(c)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体51〜95重量%、(d1)塩化ビニリデン1〜40重量%、及び(d2)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体1〜48重量%を含有する請求項3に記載の発泡性マイクロスフェアーの製造方法。
- 水系分散媒体中で、少なくとも発泡剤、重合性単量体及び重合開始剤を含有する重合性混合物を懸濁重合して、生成重合体の外殻中に発泡剤を包み込んで含有する発泡性マイクロスフェアーを製造する方法において、
(i)亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、水可溶性アスコルビン酸類、及び硼酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下に、重合性混合物の懸濁重合を行い、
(ii)該化合物が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部の割合で使用され、かつ、
(iii)前記水可溶性アスコルビン酸類が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、またはアスコルビン酸カリウムであって、
前記重合性単量体が、(e)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体70〜95重量%、及び(f)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体5〜30重量%を含有する単量体混合物である
ことを特徴とする発泡性マイクロスフェアーの製造方法。 - 前記単量体混合物が、(e1)アクリロニトリル55〜75重量%、(e2)メタクリロニトリル20〜40重量%、及び(f)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体1〜10重量%を含有する請求項5に記載の発泡性マイクロスフェアーの製造方法。
- 前記亜硝酸アルカリ金属塩が、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウムである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発泡性マイクロスフェアーの製造方法。
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- 1998-01-26 JP JP02780198A patent/JP4620812B2/ja not_active Expired - Fee Related
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