JP4685897B2 - ウーン・アシステッド送達用のレンズ注入器用管腔チップ - Google Patents

Description

本発明は、一般に、眼球内レンズ（ＩＯＬ）分野に関し、より具体的には、眼の中にＩＯＬを注入するための使用される、カートリッジに関する。

最も簡単に説明すると、人の眼は、角膜と呼ばれる、透明な外側の部分を通して光を伝達して、水晶体を使用して網膜上で像に焦点を合わせることで、視力を提供するように機能する。焦点を合わされた像の品質は、眼の大きさと形状、および、角膜と水晶体の透明度を含む、多くの因子に依存する。

外傷、年歳、あるいは、疾病によって、水晶体は透明度を失ったとき、網膜に到達する光が減って、視力が低下する。この眼の水晶体の欠陥は、医学的には、白内障として知られている。このような状態に対する処置として、外科手術によって水晶体を除去してレンズ機能を人工眼球内レンズ（ＩＯＬ）で置き換える処置がある。

初期のＩＯＬは、たとえば、ポリメタクリル酸メチル(ＰＭＭＡ)のような、硬質プラスチックからなっていたが、折畳んだり巻いたりでき、それらを小さい切り口から挿入できるので、シリコーン、アクリル樹脂、および、ヒドロゲルからなる、軟質の、折畳むことができるＩＯＬが、次第に普及してきている。これらのレンズを折畳んだり巻いたりする様々な方法が使用されている。ひとつの普及した方法は、レンズを折畳む、比較的小さな直径の、通常、軟質で小さなプランジャーを使用して、これを通して眼に押し入れる、管腔を持った、注入カートリッジを使用する方法である。最もよく使用されている、注入カートリッジは、バーテルの特許文献１、に例示されており、長手方向に割れて、ヒンジを備えている。類似の注入カートリッジは、ファインゴールドの特許文献２、および、特許文献３、イーグルらの特許文献４、および、特許文献５に例示されている。特許文献１のクレームを回避するために、たとえば、 ラインニッシュらの特許文献６、ライヒらの特許文献７、および、ノイらの特許文献８に例示されている、数種の硬質のカートリッジが開発されている。

これらの装置は、比較的大きな切り口（約３．０ｍｍ、あるいは、それ以上）ＩＯＬを無水晶体症の眼の後房に注入するように製造されている。外科手術技術とＩＯＬの進歩によって、２．４ｍｍ、あるいは、それより小さい、切り口を通して、全外科処置を行えるようになった。その結果、外科医は、カートリッジの先端（チップ）を傷口に完全に挿入しないで、ＩＯＬが小さい切り口を通して送達する、ウーン・アシステッド（ｗｏｕｎｄ−ａｓｓｉｓｔｅｄ）挿入という方法を開発し始めた。このタイプのＩＯＬ送達では、傷口自身が、ＩＯＬが前房に入る、トンネルを提供する。したがって、ウーン・アシステッド送達は、カートリッジの先端の外側の直径を収容するために切り口を十分大きくする必要性を排除して、小さい切り口を使用できるようにした。本発明以前は、このようなウーン・アシステッド送達は、外科医のスキルと信頼に高度に頼る技術を使用して行われていた。

したがって、ウーン・アシステッドＩＯＬ送達で手助けできる特別な特徴を提供する、眼球レンズ注入カートリッジに対する必要性は、引き続き存在している。
米国特許第４，６８１，１０２号明細書 米国特許第５，４９４，４８４号明細書 米国特許第５，４９９，９８７号明細書 米国特許第５，６１６，１４８号明細書 米国特許第５，６２０，４５０号明細書 米国特許第５，２７５，６０４号明細書 米国特許第５，６５３，７１５号明細書 米国特許第５，９４７，９７６号明細書 米国特許第５，７１６，３６４号明細書

本発明は、レンズが傷口を通過するとき、折畳んだレンズを案内して制御している間、傷口を開いて支持する、カートリッジの末端チップで伸延した天蓋、および、挿入の深さの限界を提供して、カートリッジが完全に挿入されることを防止する、周縁突起的、フランジ的、あるいは、止め具的、な構造を含む、ＩＯＬ送達装置用のカートリッジを提供することによって、従来技術を改良するものである。加えて、突起は、切り口が引き裂かれることによって損傷を受ける傾向を低減することを支援する。

したがって、本発明の目的は、末端チップに伸延した天蓋を持つ、レンズ送達装置用のカートリッジを提供することである。

本発明の別の目的は、挿入深さ限界を提供する、周縁突起、フランジ、あるいは、止め具を持つ、レンズ送達装置用のカートリッジを提供することである。

本発明の別の目的は、切り口が引き裂かれることによって損傷を受ける傾向を低減することを支援する、周縁突起、フランジ、あるいは、止め具を持つ、レンズ送達装置用のカートリッジを提供することである。

本発明の、その他の目的、特徴、および、利点は、図面、詳細な記載、および、請求項を参照することによって明らかになるであろう。

図１から最もよくわかるように、本発明のレンズ・カートリッジ１０葉、概略、本体１２、および、ノズル１４を備えている。カートリッジ１０は、たとえば、ポリプロピレンのような、適当な熱可塑性物質から鋳造する（モールド成形する）ことができる。この熱可塑性物質は、たとえば、ここで参照してその内容を取り込む、特許文献９に開示されているもののような、潤滑促進剤を含むことができる。ノズル１４は、本体１２と一体成形することができる。ノズル１４は、末端チップ１６を備えている。本体１２は、ボア、すなわち、管腔１５を備えている。使用に先立って、ＩＯＬ１３は、当初、本体１２の管腔１５の中に配置されている。

図２−３から最もよくわかるように、末端チップ１６は、開口（開口部）１８、天蓋２０、および、周縁突起２２を備えている。天蓋２０は、末端チップ１６から伸延し、ＩＯＬ１３の挿入前に傷口を開くように機能する。加えて、天蓋の上部２１は、ウーン・アシステッド送達中、折畳まれたＩＯＬ１３を支持する。好適な実施態様では、図２、３に示すように、天蓋２０は、開口部１８を完全に取り囲んでいる。この実施態様では、天蓋２０は、ほぼ１２時の位置３２にある、その最長の長さ（約１．５ｍｍから２．４ｍｍ、好適には、約１．９ｍｍ）の部分から、開口部１８が規定する面のほぼ６時の位置３４まで、徐々にすぼまっている。図４にしめした、第二の実施態様では、天蓋２０’は、ほぼ１０時の位置２４からほぼ２時の位置２６まで、開口部１８’を単に部分的に取り囲んでいる。天蓋２０と同じように、天蓋２０’は、ほぼ１２時の位置２７にある、その最長の長さ（約１．５ｍｍから２．４ｍｍ、好適には、約１．９ｍｍ）の部分から、開口部１８’が規定する面のほぼ１０時の位置２４、および、ほぼ２時の位置２６まで、徐々にすぼまっている。図５に示す、第三の実施態様では、天蓋２０’’は、ほぼ９時の位置２８からほぼ３時の位置３０まで、実質的に、開口部１８’’を囲んでいる。この実施態様では、天蓋２０’’も、ほぼ１２時の位置２５にある、その最長の長さ（約１．５ｍｍから２．４ｍｍ、好適には、約１．９ｍｍ）の部分から、開口部１８’’が規定する面のほぼ９時の位置２８、および、ほぼ３時の位置３０まで、徐々にすぼまっている。

周縁突起２２は、末端チップ１６が完全に傷口に入ることを防止するのに適当な、たとえば、フランジ、あるいは、止め具のような、如何なる形状をもなすことができる。周縁突起２２は、末端チップ１６の外壁３６から横方向に伸張し、ノズル１４を完全に取り囲む連続した突起であることができる。しかしながら、周縁突起２２は、連続していない突起であることもでき、最も好適には、たとえば、末端チップ１６の外壁３６の両方の側面から横方向に伸張する、複数の突起２２を備えている。周縁突起２２は、挿入深さの限界を決め、末端チップ１６が切り口の入り口の中へ完全に挿入されることを防止する。周縁突起２２の末端面２３は、直角に交わる、あるいは、約１８°から２６°の角度（好適には、約２２°）を持って傾くことができる。この傾きによって、より眼の表面に沿った接触することができ、図６にみられるように、カートリッジ１０は、使用中に眼５２に対してある角度を持って保持されるので、より組織を刺激しないことができる。天蓋２０と周縁突起２２は、共に、末端チップ１６、および、ノズル１４と一体形成することができる。

図６に示すように、操作中、外科医は、眼５２に切り口５０を設ける。天蓋２０は、周縁突起２２が眼５２の表面に接触する、深さまで、切り口５０に挿入されて、それ以上の挿入は防止される。天蓋２０の上部２１は、切り口５０を開いた状態に保持し、ＩＯＬ１３が開口部１８、そして、切り口５０を通して移動するように支持し、眼５２の中に挿入される。

以上、本発明のある実施態様を記載したが、これらの記載は、例示と説明の目的で行ったものである。本発明の範囲と思想を逸脱せずに、上記に開示した装置と方法に対して、バリエーション、変更、および、変形することができる。

本発明のレンズ送達装置用カートリッジの拡大上面図である。 本発明のレンズ送達装置用カートリッジの末端チップの第一の実施態様の拡大部分前面図である。 本発明のレンズ送達装置用カートリッジの末端チップの第一の実施態様の拡大側面図である。 本発明のレンズ送達装置用カートリッジの末端チップの第二の実施態様の拡大部分前面図である。 本発明のレンズ送達装置用カートリッジの末端チップの第三の実施態様の拡大部分前面図である。 眼の切り口に挿入された、本発明のレンズ送達装置用カートリッジの拡大側面図である。

符号の説明

１０ レンズ・カートリッジ
１２ 本体
１３ ＩＯＬ
１６ 末端チップ
２０、２０’、２０’’ 天蓋
２２ 周縁突起
５０ 切り口

Claims (12)

1. ウーン・アシステッドＩＯＬ送達により、切り口を介してＩＯＬを眼の中へ挿入する、眼球レンズ注入カートリッジであって、
   ａ）内部管腔を持った、本体と、
   ｂ）外壁と開口とを持った、管状ノズルであって、
   前記ノズルは、前記本体から末端に向かって突出し、
   前記開口は、流体的に前記本体の前記管腔に連通している、管状ノズルと、
   ｃ）前記開口から末端に向かって突出して、かつ、前記切り口を開いた状態に保持するとともに、前記ＩＯＬが前記開口及び前記切り口を介して移動して前記眼の中へ挿入されるように前記ＩＯＬを支持する、天蓋と、
   ｄ）少なくとも１つの、前記開口近傍で前記ノズルの前記外壁から横方向に伸延し、前記ノズルの前記外壁の回りで連続しておらず、かつ、末端面を有して該末端面は少なくとも部分的に前記開口と一致する、周縁突起と、
   を備える、眼球レンズ注入カートリッジ。
2. 前記天蓋は、前記開口を、ほぼ１０時の位置とほぼ２時の位置との間で、部分的に取り囲んでいる、請求項１に記載のカートリッジ。
3. 前記天蓋は、前記開口を、ほぼ９時の位置とほぼ３時の位置との間で、部分的に取り囲んでいる、請求項１に記載のカートリッジ。
4. 前記天蓋は、前記開口を、完全に取り囲んでいる、請求項１に記載のカートリッジ。
5. 前記周縁突起は、複数の突起を備える、請求項１に記載のカートリッジ。
6. 前記周縁突起は、角度をなした末端面を備える、請求項１に記載のカートリッジ。
7. 前記周縁突起は、フランジを備える、請求項１に記載のカートリッジ。
8. 前記周縁突起は、止め具を備える、請求項１に記載のカートリッジ。
9. ウーン・アシステッドＩＯＬ送達により、切り口を介してＩＯＬを眼の中へ挿入する、眼球レンズ注入カートリッジであって、
   ａ）内部管腔を持った、本体と、
   ｂ）外壁と開口とを持った、管状ノズルであって、
   前記ノズルは、前記本体から末端に向かって突出し、
   前記開口は、流体的に前記本体の前記管腔に連通している、管状ノズルと、
   ｃ）天蓋であって、
   前記天蓋は、前記開口から末端に向かって突出して、前記開口を、ほぼ９時の位置からほぼ３時の位置までの間で、部分的に取り囲み、かつ、前記切り口を開いた状態に保持するとともに、前記ＩＯＬが前記開口及び前記切り口を介して移動して前記眼の中へ挿入されるように前記ＩＯＬを支持する、天蓋と、
   ｄ）前記開口近傍で前記ノズルの前記外壁から横方向に伸延し、前記ノズルの前記外壁の回りで連続しておらず、かつ、末端面を有して該末端面は少なくとも部分的に前記開口と一致する、複数の突起と、を備える、眼球レンズ注入カートリッジ。
10. 前記突起は、角度をなした末端面を備える、請求項９に記載のカートリッジ。
11. ウーン・アシステッドＩＯＬ送達により、切り口を介してＩＯＬを眼の中へ挿入する、眼球レンズ注入カートリッジであって、
    ａ）内部管腔を持った、本体と、
    ｂ）外壁と開口とを持った、管状ノズルであって、
    前記ノズルは、前記本体から末端に向かって突出し、
    前記開口は、流体的に前記本体の前記管腔に連通している、管状ノズルと、
    ｃ）天蓋であって、
    前記天蓋は、前記開口から末端に向かって突出して、前記開口を、ほぼ１０時の位置からほぼ２時の位置までの間で、部分的に取り囲み、かつ、前記切り口を開いた状態に保持するとともに、前記ＩＯＬが前記開口及び前記切り口を介して移動して前記眼の中へ挿入されるように前記ＩＯＬを支持する、天蓋と、
    ｄ）前記開口近傍で前記ノズルの前記外壁から横方向に伸延し、前記ノズルの前記外壁の回りで連続しておらず、かつ、末端面を有して該末端面は少なくとも部分的に前記開口と一致する、複数の突起と、を備える、眼球レンズ注入カートリッジ。
12. 前記突起は、角度をなした末端面を備える、請求項１１に記載のカートリッジ。

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