JP4669015B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
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Description
そして、上下の端部がインナ部材の裏面に取り付けられ、中央部がボルトに取り付けられている。
このアンカブラケットによれば、アンカボルトに衝撃が作用した場合に、屈曲部が変形して衝撃を吸収することが可能である。
このように、アンカブラケットを多数の部位で構成するために、アンカブラケットの全長が長くなる。
しかし、車体のなかには、車体後部のルーフ側コーナ部のように長い空間を確保できない部位も存在する。このため、長い空間を確保できないルーフ側コーナ部にはアンカブラケットを取り付けることは難しいとされていた。
よって、アンカブラケットを構成する部位を、従来技術のアンカブラケットと比較して少なく抑えることができる。
さらに、垂直壁部および傾斜壁部を略V字状に形成した。よって、垂直壁部および傾斜壁部をコンパクトにまとめることができる。
これにより、車体後部のルーフ側コーナ部のように、長い空間を確保できない部位にアンカブラケットを取り付けることができるという利点がある。
そして、傾斜壁部にアンカボルトを設け、アンカボルトにアンカを介してウエビングを支えるようにした。
これにより、作用した衝撃荷重で垂直壁部を好適に変形させて、衝撃荷重を良好に吸収することができるという利点がある。
これにより、縦ビードの深さ寸法を調整することで、垂直壁部の剛性を好適に確保することが可能である。
これにより、ウエビングをアンカブラケットで良好に支えることができるという利点がある。
これにより、アンカブラケットに作用した衝撃荷重をアンカブラケットで良好に吸収することができるという利点がある。
車両10は、車体11の車室12前部に1列目シート(図示せず)が備えられ、この1列目シートの車体後方に2列目シート13が備えられ、2列目シート13の車体後方に3列目シート14が備えられ、3列目シート14に用いる車両用シートベルト装置15が備えられている。
車両用シートベルト装置15は、例えば、3列目シート14に着座した乗員を拘束するために用いられる。
巻取り装置27は、車体11のうち、3列目シート14の右側部位28で、かつ床部近傍に取り付けられている(備えられている)。
なお、図2においては、アンカ手段22の構成を理解し易くするためにアンカカバー31やルーフライニング32を除去した状態で示す。
このルーフコーナ部21は、左ルーフサイドレール34の後端部34aと左リヤピラー35の上端部35aとが交差するように連結されているので、長い空間を確保できない部位である。
左リヤピラー35は、リヤピラーインナパネル38を備えている。
リヤピラーインナパネル38は、ルーフインナパネル37の後端部37a後方近傍に上方に向けて凹んだ凹部41が形成されている。
凹部41は、周壁42および頂部43(図3参照)で断面略コ字状に形成されている。
ルーフインナパネル37の後端部37aには、一対の第1取付孔45(図4も参照)が形成されている。
リヤピラーインナパネル38の上前端部38aには、一対の第2取付孔46(一方のみを図示する)が形成されている。
リヤピラーインナパネル38の頂部43には、一対の第3取付孔51(図4参照)が形成されている。
ルーフパネル48の後端部48aには、一対の第5取付孔53(一方のみを図示する)が形成されている。
また、リヤピラーインナパネル38の第3取付孔51、ルーフレールエクステンション47の第4取付孔52、およびルーフパネル48の第5取付孔53がそれぞれ同軸上に配置されている。
第1、第2の取付孔45…,46…、および第3〜第5の取付孔51…,52…,53…を利用してアンカ手段22がルーフコーナ部21に取り付けられている。
アンカ手段22は、ルーフコーナ部21に設けられたアンカブラケット55と、アンカブラケット55に設けられたアンカナット56と、アンカナット56に設けられたアンカボルト57と、アンカボルト57にブッシュ58(図3参照)を介して設けられたアンカ59と、アンカボルト57およびアンカ59を覆うアンカカバー31(図3参照)とを備えている。
このアンカブラケット55は、車体下方に向けて略鉛直に延出された垂直壁部61と、垂直壁部61の下端部61aから上り勾配で延出された傾斜壁部62と、傾斜壁部62に設けられた前取付部(一対の取付部のうち、一方の取付部)63と、垂直壁部61に設けられた後取付部(一対の取付部のうち、他方取付部)64とを備えている。
垂直壁部61は、縦ビード66の深さ寸法Dを調整することで、垂直壁部61の剛性を好適に確保することができる。
これにより、第1ウエビング23をアンカ手段22で良好に支えることができる。
これにより、アンカカバー31に作用した衝撃荷重をアンカ手段22で良好に吸収することができる。
よって、傾斜壁部62および垂直壁部61は、鋭角θに折り曲げられて略V字状に形成されている。
これにより、傾斜壁部62にアンカナット56が設けられている。
この前取付部63は、両側部63aに段差部74がそれぞれ形成され、各段差部74,74に前取付孔74a,74aがそれぞれ形成されている。
よって、前取付部63がルーフインナパネル37の後端部37aにボルト76,76およびナット78,78で取り付けられている。
この後取付部64は、両側部64a,64aに後取付孔(長孔)78,78がそれぞれ形成されている。
よって、後取付部64がリヤピラーインナパネル38の頂部43(図3参照)に溶接ボルト81,81およびナット82,82で取り付けられている。
衝撃荷重が下端部61aに作用した場合、垂直壁部61が変形することで、アンカブラケット55の傾斜壁部62が前端部62bを軸にして矢印方向(すなわち、反時計回り方向)に回動する。
筒部71は、貫通孔の内周に雌ねじ部71aが形成されている。基部72は、傾斜壁部62の裏面62a(図3参照)にスポット溶接で接合された部位である。
ルーフライニング32は、車室12の天井部を形成するライニングである。
図3に戻って、アンカボルト57は、ねじ部57aおよび頭部57bの間に第1、第2のフランジ57c,57dが所定間隔をおいて設けられている。
アンカ59は、支持開口部59aが形成され、支持開口部59aに第1ウエビング23が差し込まれている。
よって、アンカ59で第1ウエビング23が支えられている。
アンカボルト57およびアンカ59をカバー部31bで覆うことで、アンカボルト57およびアンカ59を乗員の目線から隠すことができる。
そして、傾斜壁部62にアンカボルト57を設け、アンカボルト57にアンカ59を設けた。
さらに、垂直壁部61および傾斜壁部62を略V字状に形成した。よって、垂直壁部61および傾斜壁部62をコンパクトにまとめることができる。
しかし、アンカブラケット55の全長を短く抑えることで、ルーフコーナ部21のように、長い空間を確保できない部位に、アンカブラケット55を容易に設ける(取り付ける)ことができる。
図6は本発明に係る車両用シートベルト装置のウエビングに引張荷重が作用する例を説明する図である。
例えば、車両10が衝突した場合、第1ウエビング23に引張荷重F1が作用することが考えられる。
この引張荷重F1は、アンカ59、アンカボルト57およびアンカナット56を介してアンカブラケット55の傾斜壁部62に作用する。
ここで、前取付部63は傾斜壁部62に対して略直線状に張り出されている。よって、前取付部63で引張荷重F2を良好に支えることができる。
ここで、傾斜壁部62および垂直壁部61は鋭角θ(図5参照)で略V字状に折り曲げられている。
これにより、引張荷重F3は、垂直壁部61に曲げ荷重として作用する。
このため、作用した引張荷重F3で、垂直壁部61が垂直壁部61の上端部61bを支点として比較的容易に曲げ変形することが考えられる。
よって、縦ビード66の深さ寸法Dを調整することで、引張荷重F3で垂直壁部61が曲げ変形することを防ぐことができる。
これにより、車両10が衝突した場合に、第1ウエビング23をアンカ手段22で良好に支えることができる。
図7(a),(b)は本発明に係る車両用シートベルト装置のアンカカバーに衝撃荷重が作用した例を説明する図である。
(a)において、例えば、車両10が衝突した場合、アンカカバー31に衝撃荷重F4が作用することが考えられる。
アンカカバー31が変形してアンカボルト57の頭部57bに当接する。よって、衝撃荷重F4は、アンカカバー31を経てアンカボルト57の頭部57bに伝わる。
ここで、傾斜壁部62および垂直壁部61は鋭角θ(図5参照)で略V字状に折り曲げられている。
これにより、衝撃荷重F5は、垂直壁部61に曲げ荷重として作用する。
すなわち、衝撃荷重F5は、垂直壁部61の上端部61bを支点として、垂直壁部61を比較的容易に曲げ変形させる荷重として作用する。
垂直壁部61には縦ビード66が備えられているため、垂直壁部61の下端部61aに衝撃荷重F5が作用しても、垂直壁部61を曲げ変形させることができない虞がある。
すなわち、垂直壁部61は、縦ビード66の深さ寸法Dを調整して、衝撃荷重F5で垂直壁部61が曲げ変形するように、剛性が好適に確保(調整)されている。
これにより、傾斜壁部62が、傾斜壁部62の前端部62bを軸にして反時計回り方向に回動を開始する。
これにより、アンカカバー31に作用した衝撃荷重F4を、アンカ手段22で良好に吸収することができる。
Claims (2)
- 車体のルーフ側コーナ部にアンカブラケットが設けられ、前記アンカブラケットにアンカボルトを介してアンカが設けられ、前記アンカでウエビングを支える車両用シートベルト装置であって、
前記アンカブラケットは、
車体下方に向けて延出された垂直壁部と、
前記垂直壁部の下端部から上り勾配で延出され、前記アンカボルトが設けられた傾斜壁部と、
前記傾斜壁部および前記垂直壁部にそれぞれ設けられ、前記車体に取り付けられた一対の取付部と、を備え、
前記垂直壁部および前記傾斜壁部が鋭角に折り曲げられて略V字状に形成されたことを特徴とする車両用シートベルト装置。 - 前記垂直壁部は、凹状の縦ビードが補強部位として設けられたことを特徴とする請求項1記載の車両用シートベルト装置。
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