WO2022163622A1

WO2022163622A1 - ブラケット

Info

Publication number: WO2022163622A1
Application number: PCT/JP2022/002576
Authority: WO
Inventors: 洸太奥村
Original assignee: いすゞ自動車株式会社
Priority date: 2021-01-26
Filing date: 2022-01-25
Publication date: 2022-08-04
Also published as: JP2022114380A

Abstract

シートブラケット（１０）は、下板部（１１）と左側縦板部（１２）と後側縦板部（１４）と右側縦板部（１６）と上板部（１３）とを備える。下板部（１１）は、スタッドボルト（８）によってフロアパネル（４）のブラケット固定部に締結固定される。左側縦板部（１２）は、下板部（１１）の左側の端部（１１ａ）から起立して前後方向に延びる。上板部（１３）は、左側縦板部（１２）の上端（１２ａ）から曲折して左側へ延び、センターシート（３ｂ）に対して固定される。後側縦板部（１４）は、下板部（１１）の後側の端部から起立し、車幅方向に沿って延びる。右側縦板部（１６）は、下板部（１１）の右側の端部（１１ｂ）から起立し、前後方向に沿って延びる。後側縦板部（１４）の上端（１４ａ）及び右側縦板部（１６）の上端（１６ａ）は、フロア固定状態でスタッドボルト（８）の上端（８ａ）よりも上方に位置する。

Description

ブラケット

　本開示は、ブラケットに関する。

　特許文献１には、車両下部構造が記載されている。シートレールの後端はシートリアブラケットに締結される。シートリアブラケットは、例えば車両前方に対して車両後方の車高位置が低い段差形状となっており、その相対的に高い位置の前方部分にシートレールの後端が締結される。また相対的に低い位置の後方部分がリアフロアパネル側の締結パネルの上段水平部に締結される。なお、同公報では、シートリアブラケットの後方部分がシートクッションよりも後方へ突出した状態が図示されている。

日本国特開２０２０－１１１１６８号公報

　特許文献１に記載の車両下部構造では、ブラケット（シートリアブラケット）の後方部分がシートクッションよりも後方へ突出した状態で、フロアパネル（リアフロアパネル）側にボルトによって締結固定されているので、ブラケットをフロアパネル側へ固定しているボルトが、フロアパネルの上の車室側へ露出する。このため、乗員がフロアパネル上を歩く際にボルトを踏んでしまう可能性があり、例えば、ボルトが上方へ突出するスタッドボルトである場合には、足に傷害を受けるおそれがある。

　そこで、本開示は、フロアパネル上を歩く際に足をボルトから保護することが可能なブラケットの提供を目的とする。

　上記課題を解決するため、本発明の第１の態様は、車室内に配置される車載部品をフロアパネルに対して取り付けるために、前記フロアパネルのブラケット固定部に対して上下方向に延びるボルトによって締結固定されるブラケットであって、下板部と第１縦板部と上板部と第２縦板部とを備える。下板部は、フロアパネルのブラケット固定部に対してボルトによって締結固定される。第１縦板部は、下板部の第１の方向の一側の端部から起立して第１の方向と交叉する第２の方向に沿って延びる。上板部は、第１縦板部の上端から第１の方向の上記一側へ延びて、車載部品に対して固定される。第２縦板部は、下板部の第１の方向の他側の端部、及び下板部の第２の方向の一側の端部の少なくとも一方から起立する。下板部をフロアパネルのブラケット固定部に対してボルトによって締結固定したフロア固定状態で、第１縦板部及び第２縦板部の上端は、ボルトの上端よりも上方に位置する。

　上記構成では、第１縦板部が、下板部の第１の方向の一側の端部から起立し、第２縦板部が、下板部の第１の方向の他側の端部、及び下板部の第２の方向の一側の端部の少なくとも一方から起立する。そして、下板部をフロアパネルのブラケット固定部に対してボルトによって締結固定したフロア固定状態で、第１縦板部及び第２縦板部の上端は、ボルトの上端よりも上方に位置する。このため、第１縦板部及び第２縦板部の少なくとも一方を、フロア固定状態のボルトの近傍に配置することによって、乗員等がフロアパネル上を歩く際にボルトを踏みそうになっても、足に対してボルトよりも先に第１縦板部または第２縦板部を当接させることができる。従って、フロアパネル上を歩く際に足をボルトから保護することができる。

　また、下板部の第１の方向の一側の端部から起立して下板部と上板部とを連結する第１縦板部に加えて、下板部の第１の方向の他側の端部及び第２の方向の一側の端部の少なくとも一方から起立する第２縦板部を備える。このため、第１縦板部を、フロアパネル上を歩く際にボルトから足を保護するために機能させることが難しい場合（例えば、第１縦板部がボルトから第１の方向の一側へ離間した位置（車載部品の近傍等）に配置される場合）であっても、第２縦板部によって足をボルトから保護することができる。

　また、ブラケットの形状によって足をボルトから保護することができるので、ボルトにカバー部品を被せる場合とは異なり、部品点数の増大を抑えることができる。

　本発明の第２の態様は、上記第１の態様のブラケットであって、第２縦板部は、下板部の第１の方向の上記他側の端部、及び下板部の第２の方向の上記一側の端部の双方から起立するＬ状に形成される。第２縦板部の第１の方向の上記一側の端部は、第１縦板部へ連続する。

　上記構成では、第２縦板部が、下板部の第１の方向の他側の端部、及び下板部の第２の方向の一側の端部の双方から起立するＬ状に形成され、また、第２縦板部の第１の方向の一側の端部が、第１縦板部へ連続する。すなわち、第１縦板部と第２縦板部とが連続し、上面視において∪状に形成されるので、上方からの荷重に対するブラケットの剛性を確保することができる。このため、ブラケットを踏んだ際に第１縦板部及び第２縦板部の倒れを抑えることができるので、足がボルトに当接してしまうことを防止することができ、足をボルトから保護することができる。

　本発明の第３の態様は、上記第１の態様または上記第２の態様のブラケットであって、フランジ部を備える。フランジ部は、第２縦板部の上端から曲折して上下方向と交叉する。

　上記構成では、第２縦板部の上端から曲折して上下方向と交叉するフランジ部を備えるので、ブラケットを踏んだ際の足とブラケットとが当接する面積をフランジ部によって広く確保することができる。このため、ブラケットを踏んだ際に足をブラケットから保護することができる。

　本開示によれば、フロアパネル上を歩く際に足をボルトから保護することができる。

図１は、本発明の一実施形態に係るブラケットを適用した車両の車室内の斜視図である。図２は、図１のII部分の拡大図である。図３は、シートブラケットの斜視図であって、フロアパネルに取り付ける前の状態を示す。図４は、シートブラケットを踏んだ状態の図２のIV－IV矢視断面図である。図５は、シートブラケットの変形例を示す図２に対応する斜視図である。図６は、シートブラケットの変形例を示す斜視図であって、フロアパネルに取り付ける前の状態を示す。

　以下、本開示にかかるブラケットを図面に基づいて説明する。なお、各図において、ＦＲは車両の前方を、ＵＰは上方を、ＬＦは車幅方向の左側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。また、図３及び図６の白抜き矢印は、ブラケットをフロアパネルに対して取り付ける際のブラケットの移動方向を示す。

　図１に示すように、本発明の一実施形態に係るブラケットは、車両１の車室２内に配置される複数（本実施形態では３つ）の着座シート３ａ～３ｃのうちの真ん中に配置されるセンターシート（車載部品）３ｂをフロアパネル４に対して取り付けるためのシートブラケット（ブラケット）１０に適用される。

　車室２内のフロアパネル４の上には、３つの着座シート３ａ～３ｃが車幅方向に並んで配置される。本実施形態では、右側の着座シート３ａは、運転席として機能し、左側の着座シート３ｃは、助手席として機能する。真ん中のセンターシート３ｂは、運転席側の着座シート３ａとの間にスペースを設けた状態で、助手席の着座シート３ｃに隣接して配置される。車室２内の３つの着座シート３ａ～３ｃの後方には、ベッド５が設けられる。ベッド５は、着座シート３ａ～３ｃが配置されるフロアパネル４よりも上方に位置し、車幅方向に延びる。フロアパネル４のうち運転席側の着座シート３ａとセンターシート３ｂとの間のスペースは、着座シート３ａ～３ｃ側から後方のベッド５への（またはベッド５から前方の着座シート３ａ～３ｃ側への）通路６として機能する。フロアパネル４の通路６の後方には、ベッド５側へ起立する壁部２１が設けられる。

　図１～図３に示すように、フロアパネル４の通路６には、センターシート３ｂ用のシートブラケット１０を固定するためのブラケット固定部７（図３参照）が設けられている。フロアパネル４のブラケット固定部７は、シートブラケット１０が固定される領域である。フロアパネル４のブラケット固定部７は、フロアパネル４のうちセンターシート３ｂが載置される領域（センターシート３ｂによって上方から覆われる領域）よりも右側に配置される。また、フロアパネル４のブラケット固定部７は、フロアパネル４の通路６の後端の近傍（ベッド５側へ起立する壁部２１の近傍）に配置される。フロアパネル４のブラケット固定部７には、予めスタッドボルト（ボルト）８が固定されて上方へ突出している。

　図２及び図３に示すように、シートブラケット１０は、フロアパネル４のブラケット固定部７に固定される下板部１１と、下板部１１の上下方向と交叉する方向の端部から起立する左側縦板部（第１縦板部）１２、後側縦板部（第２縦板部）１４、及び右側縦板部（第２縦板部）１６と、センターシート３ｂに固定される上板部１３と、後側縦板部１４及び右側縦板部１６の上端から曲折して延びる後フランジ部（フランジ部）１５及び右フランジ部（フランジ部）１７とを備える。シートブラケット１０は、本実施形態では、プレス加工によって成形される。

　シートブラケット１０の下板部１１は、上下方向と交叉する板状（本実施形態では矩形板状）に形成される。下板部１１は、上下方向に貫通するボルト挿通孔１８を有する。ボルト挿通孔１８は、下板部１１の車幅方向の左側（第１の方向の一側）の端部１１ａ、車幅方向の右側（第１の方向の他側）の端部１１ｂ、及び前後方向の後側（第２の方向の一側）の端部１１ｃの近傍に位置する。下板部１１の前側の端部１１ｄは、ボルト挿通孔１８から前方へ離間している。すなわち、下板部１１のボルト挿通孔１８から前側の端部１１ｄまでの距離は、ボルト挿通孔１８から左側の端部１１ａ、右側の端部１１ｂ、及び後側の端部１１ｃまでの距離よりも長い。下板部１１は、ボルト挿通孔１８に下方からスタッドボルト８を挿通し、スタッドボルト８にナット２２を螺合することによって、フロアパネル４のブラケット固定部７に締結固定される。

　シートブラケット１０の左側縦板部１２は、下板部１１と上板部１３とを連結する縦板部であって、車幅方向と交叉する板状に形成され、下板部１１の左側の端部１１ａから起立し、左側の端部１１ａに沿って前後方向に延びる。本実施形態では、左側縦板部１２は、下板部１１の左側の端部１１ａから左上方へ傾斜した状態で起立する。左側縦板部１２の上端１２ａの高さ位置は、下板部１１のボルト挿通孔１８に下方からスタッドボルト８を挿通して下板部１１をフロアパネル４のブラケット固定部７に対して締結固定したフロア固定状態（図２に図示した状態）で、左側縦板部１２の上端１２ａがスタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するように、スタッドボルト８に応じた高さ位置に設定される。左側縦板部１２は、下板部１１のボルト挿通孔１８の左側近傍に配置され、フロア固定状態でスタッドボルト８の左側近傍で起立する。

　シートブラケット１０の上板部１３は、上下方向と交叉する板状に形成され、左側縦板部１２の上端１２ａから曲折して左側へ延びる。上板部１３は、センターシート３ｂを固定するためのボルト９の挿通を許容するボルト挿通孔１９を有する。センターシート３ｂは、上板部１３の上方に載置された状態で、ボルト挿通孔１９を挿通するボルト９によってシートブラケット１０の上板部１３に対して締結固定される。上板部１３にセンターシート３ｂを固定したシート固定状態で、シートブラケット１０の上板部１３の一部（右側の端部）、左側縦板部１２、下板部１１、後側縦板部１４、後フランジ部１５、右側縦板部１６、及び右フランジ部１７は、センターシート３ｂの右側の端部２０よりも右側へ突出している。なお、本実施形態では、シートブラケット１０は、フロアパネル４のうち通路６のブラケット固定部７とは異なる領域（センターシート３ｂの下方に位置する領域）に対して固定される固定部２３を、上板部１３よりも左側に有している。

　シートブラケット１０の後側縦板部１４は、前後方向と交叉する板状に形成され、下板部１１の後側の端部１１ｃから起立し、車幅方向に沿って延びる。後側縦板部１４の左側の端部は、左側縦板部１２の後側の端部に連続している。後側縦板部１４の上端１４ａの高さ位置は、後側縦板部１４の上端１４ａがフロア固定状態でスタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するように、スタッドボルト８に応じた高さ位置に設定される。後側縦板部１４の上端１４ａの高さ位置は、本実施形態では、左側縦板部１２の上端１２ａの高さ位置と略同じ高さ位置に設定される。後側縦板部１４は、下板部１１のボルト挿通孔１８の後側近傍に配置され、フロア固定状態でスタッドボルト８の後側近傍で起立する。

　シートブラケット１０の右側縦板部１６は、車幅方向と交叉する板状に形成され、下板部１１の右側の端部１１ｂから起立し、前後方向に沿って延びる。右側縦板部１６は、左側縦板部１２から右側に離間した位置で左側縦板部１２に対向する。右側縦板部１６の後側の端部は、後側縦板部１４の右側の端部に連続している。すなわち、右側縦板部１６と後側縦板部１４とは、互いに連続したＬ状に形成される。そして、後側縦板部１４の左側の端部が左側縦板部１２の後側の端部に連続しているので、左側縦板部１２と後側縦板部１４と右側縦板部１６とは、互いに連続して、上面視において前方へ開放されるＵ状に形成される。右側縦板部１６の上端１６ａの高さ位置は、右側縦板部１６の上端１６ａがフロア固定状態でスタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するように、スタッドボルト８に応じた高さ位置に設定される。右側縦板部１６の上端１６ａの高さ位置は、本実施形態では、左側縦板部１２の上端１２ａの高さ位置及び後側縦板部１４の上端１４ａの高さ位置と略同じ高さ位置に設定される。右側縦板部１６は、下板部１１のボルト挿通孔１８の右側近傍に配置され、フロア固定状態でスタッドボルト８の右側近傍で起立する。

　シートブラケット１０の後フランジ部１５は、上下方向と交叉する板状に形成され、後側縦板部１４の上端１４ａから後方へ曲折して車幅方向に沿って延びる。後フランジ部１５は、上板部１３と略同じ高さ位置に配置され、後フランジ部１５の左側は、上板部１３に連続している。フロア固定状態の後フランジ部１５とベッド５側へ起立する壁部２１との間の前後方向の距離は、前後方向に向けた状態の乗員の足が入らない距離に設定される。

　シートブラケット１０の右フランジ部１７は、上下方向と交叉する板状に形成され、右側縦板部１６の上端１６ａから右側へ曲折して前後方向に沿って延びる。右フランジ部１７は、後フランジ部１５及び上板部１３と略同じ高さ位置に配置され、右フランジ部１７の後側は、後フランジ部１５の右端部に連続している。

　上記のように構成されたシートブラケット１０では、フロア固定状態で左側縦板部１２が、スタッドボルト８の近傍で起立するので、乗員が着座シート３ａ～３ｃ側から後方のベッド５へ（またはベッド５から前方の着座シート３ａ～３ｃ側へ）通路６を移動するとき（以下、「乗員移動時」という。）に、足で通路６のスタッドボルト８を踏みそうになった際に、足で踏む範囲内に左側縦板部１２が含まれ易い。また、左側縦板部１２の上端１２ａが、スタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するので、乗員移動時に足で通路６のスタッドボルト８を踏みそうになっても、足に対してスタッドボルト８よりも先に左側縦板部１２を当接させることができ、足とスタッドボルト８との干渉を抑えることができる。

　また、フロア固定状態で後側縦板部１４が、スタッドボルト８の近傍で起立するので、乗員移動時に、足で通路６のスタッドボルト８を踏みそうになった際に、足で踏む範囲内に後側縦板部１４が含まれ易い。また、後側縦板部１４の上端１４ａが、スタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するので、上述した左側縦板部１２と同様に、乗員が足で通路６のスタッドボルト８を踏みそうになっても、足に対してスタッドボルト８よりも先に後側縦板部１４を当接させることができ、足とスタッドボルト８との干渉を抑えることができる（図４参照）。

　また、フロア固定状態で右側縦板部１６が、スタッドボルト８の近傍で起立するので、乗員移動時に、足で通路６のスタッドボルト８を踏みそうになった際に、足で踏む範囲内に右側縦板部１６が含まれ易い。また、右側縦板部１６の上端１６ａが、スタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するので、上述した左側縦板部１２及び後側縦板部１４と同様に、乗員が足で通路６のスタッドボルト８を踏みそうになっても、足に対してスタッドボルト８よりも先に右側縦板部１６を当接させることができ、足とスタッドボルト８との干渉を抑えることができる。

　従って、本実施形態によれば、フロアパネル４上を歩く際に足をスタッドボルト８から保護することができる。

　また、下板部１１と上板部１３とを連結する左側縦板部１２に加えて、下板部１１から起立する他の縦板部（後側縦板部１４及び右側縦板部１６）を備える。このため、例えば、下板部１１のボルト挿通孔１８が下板部１１の左側の端部１１ａ（左側縦板部１２側）から右側へ離間した位置に配置された場合など、左側縦板部１２をスタッドボルト８から足を保護するために機能させることが難しい場合であっても、後側縦板部１４または右側縦板部１６をボルト挿通孔１８の近傍に配置するができるので、後側縦板部１４または右側縦板部１６によって足をスタッドボルト８から保護することができる。

　また、左側縦板部１２と後側縦板部１４と右側縦板部１６とは、上面視において前方へ開放されるＵ状に形成されるので、上方からの荷重に対するシートブラケット１０の剛性を確保することができる。このため、シートブラケット１０を踏んだ際に左側縦板部１２、後側縦板部１４、及び右側縦板部１６の倒れを抑えることができるので、足がスタッドボルト８に当接してしまうことを防止することができ、足をスタッドボルト８から保護することができる。

　また、上下方向と交叉する板状の後フランジ部１５が、後側縦板部１４の上端１４ａから後方へ曲折して車幅方向に沿って延びるので、シートブラケット１０を踏んだ際の足とシートブラケット１０とが当接する面積を後フランジ部１５によって広く確保することができる。このため、シートブラケット１０を踏んだ際に足をシートブラケット１０から保護することができる（図４参照）。

　また、上下方向と交叉する板状の右フランジ部１７が、右側縦板部１６の上端１６ａから右側へ曲折して前後方向に沿って延びるので、上述した後フランジ部１５と同様に、シートブラケット１０を踏んだ際の足とシートブラケット１０とが当接する面積を右フランジ部１７によって広く確保することができる。このため、シートブラケット１０を踏んだ際に足をシートブラケット１０から保護することができる。

　また、後フランジ部１５の左側が、上板部１３に連続し、右フランジ部１７の後側が、後フランジ部１５の右端部に連続している。このため、上板部１３と後フランジ部１５と右フランジ部１７とが別体である場合とは異なり、上方からの荷重に対するシートブラケット１０の剛性を確保することができる。このため、シートブラケット１０を踏んだ際に左側縦板部１２、後側縦板部１４、及び右側縦板部１６の倒れを抑えることができるので、足がスタッドボルト８に当接してしまうことを防止することができ、足をスタッドボルト８から保護することができる。

　また、シートブラケット１０の形状によって足をスタッドボルト８から保護することができるので、スタッドボルト８にカバー部品を被せる場合とは異なり、部品点数の増大を抑えることができる。

　また、左側縦板部１２と後側縦板部１４と右側縦板部１６とは、上面視において前方へ開放されるＵ状に形成される。すなわち、シートブラケット１０は、下板部１１の前側の端部１１ｄから起立する縦板部及び係る縦板部を補強するフランジ部を有していないので、乗員が着座シート３ａ～３ｃ側から後方のベッド５へ通路６を移動する際に、足をシートブラケット１０に引っ掛け難い。

　なお、本実施形態では、後フランジ部１５及び右フランジ部１７を設けたが、これに限定されるものではなく、後フランジ部１５及び右フランジ部１７の一方または双方を設けなくてもよい。

　また、本実施形態では、左側縦板部（第１縦板部）１２、後側縦板部（第２縦板部）１４、及び右側縦板部（第２縦板部）１６を、ボルト挿通孔１８の近傍に配置したが、これに限定されるものではない。第１縦板部をボルト挿通孔１８から離間した位置に配置し、第２縦板部をボルト挿通孔１８の近傍に配置してもよい。

　また、本実施形態では、シートブラケット１０とフロアパネル４とをスタッドボルト（ボルト）８を用いて固定したが、これに限定されるものではなく、例えば、フロアパネル４に対して溶着等によって固定されない通常のボルトを用いて固定してもよい。この場合、ボルトのヘッドをボルト軸の下方に配置した状態（ボルト軸に対して上方からナットを螺合する状態）でボルトを使用する際に、効果的に足をスタッドボルト８から保護することができる。

　また、本実施形態では、下板部１１と上板部１３とを連結する左側縦板部（第１縦板部）１２とは異なる第２縦板部を、後側縦板部１４と右側縦板部１６とによってＬ状に形成したが、これに限定されるものではない。例えば、後側縦板部１４に代えて、下板部１１の前側（この場合、前側が第２の方向の一側となる。）の端部１１ｄから起立する前側縦板部（第２縦板部）を設け、第２縦板部を、前側縦板部と右側縦板部１６とによってＬ状に形成し、前側縦板部の左側の端部を左側縦板部１２の前側の端部に連続させてもよい。

　また、本実施形態では、左側縦板部１２と後側縦板部１４と右側縦板部１６とを、上面視において前方へ開放されるＵ状に形成したが、これに限定されるものではなく、左側縦板部（第１縦板部）１２、後側縦板部（第２縦板部）１４、及び右側縦板部（第２縦板部）１６に加えて、下板部１１の前側の端部１１ｄから起立する前側縦板部を設けてもよい。すなわち、フロア固定状態でスタッドボルト８を囲むように、左側縦板部１２、後側縦板部１４、右側縦板部１６、及び前側縦板部を設けてもよい。

　また、本実施形態では、下板部１１と上板部１３とを連結する左側縦板部（第１縦板部）１２とは異なる第２縦板部として、後側縦板部１４及び右側縦板部１６の双方を設けたが、これに限定されるものではなく、後側縦板部１４または右側縦板部１６または上記前側縦板部のいずれか一つを設けていてもよい。

　例えば、図５及び図６に示すように、シートブラケット（ブラケット）３０は、下板部１１の左側（第１の方向の一側）の左側縦板部（第１縦板部）１２に加えて、下板部１１の後側（第２の方向の一側）で起立する後側縦板部（第２縦板部）１４を備え、下板部１１の右側（第１の方向の他側）で起立する右側縦板部１６を備えなくてもよい。この場合であっても、フロア固定状態で後側縦板部１４が、スタッドボルト８の近傍で起立し、後側縦板部１４の上端１４ａが、スタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するので、足に対してスタッドボルト８よりも先に後側縦板部１４を当接させることができ、足とスタッドボルト８との干渉を抑えることができる（図４参照）。このため、フロアパネル４上を歩く際に足をスタッドボルト８から保護することができる。また、後側縦板部１４の左側の端部は、左側縦板部１２の後側の端部に連続しているので、上方からの荷重に対する左側縦板部１２及び後側縦板部１４の剛性を確保することができる。このため、シートブラケット１０を踏んだ際に左側縦板部１２及び後側縦板部１４の倒れを抑えることができるので、足がスタッドボルト８に当接してしまうことを防止することができ、足をスタッドボルト８から保護することができる。なお、後側縦板部（第２縦板部）１４に代えて、下板部１１の前側（この場合、前側が第２の方向の一側となる。）の端部１１ｄから起立する前側縦板部（第２縦板部）を設けてもよい。

　或いは、シートブラケット（ブラケット）は、下板部１１と上板部１３とを連結する左側縦板部（第１縦板部）１２に加えて、右側縦板部（第２縦板部）１６を備え、後側縦板部１４を備えなくてもよい。この場合であっても、フロア固定状態で右側縦板部１６が、スタッドボルト８の近傍で起立し、右側縦板部１６の上端１６ａが、スタッドボルト８の上端８ａよりも上方に位置するので、足に対してスタッドボルト８よりも先に右側縦板部１６を当接させることができる。このため、足とスタッドボルト８との干渉を抑えることができるので、フロアパネル４上を歩く際に足をスタッドボルト８から保護することができる。

　以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。

　例えば、上記実施形態では、本開示に係るブラケットを、センターシート（車載部品）３ｂをフロアパネル４に対して取り付けるためのシートブラケット（ブラケット）１０，３０に適用したが、センターシート３ｂ以外の車載部品（センターコンソールボックス等）をフロアパネル４に対して取り付けるためのブラケットに適用してもよい。

　また、上記実施形態では、車幅方向を第１の方向とし、前後方向を第２の方向としたが、これに限定されるものではなく、例えば、前後方向を第１の方向とし、車幅方向を第２の方向としてもよい。

　本出願は、2021年01月26日付で出願された日本国特許出願（特願2021-010683）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本開示に係るブラケットは、フロアパネルに対して取り付けられる車載部品を有する車両に広く適用することができる。

１：車両
２：車室
３ｂ：センターシート（車載部品）
４：フロアパネル
７：ブラケット固定部
８：スタッドボルト（ボルト）
１０，３０：シートブラケット（ブラケット）
１１：下板部
１２：左側縦板部（第１縦板部）
１３：上板部
１４：後側縦板部（第２縦板部）
１５：後フランジ部（フランジ部）
１６：右側縦板部（第２縦板部）
１７：右フランジ部（フランジ部）

Claims

　車室内に配置される車載部品をフロアパネルに対して取り付けるために、前記フロアパネルのブラケット固定部に対して上下方向に延びるボルトによって締結固定されるブラケットであって、
　前記フロアパネルの前記ブラケット固定部に対して前記ボルトによって締結固定される下板部と、
　前記下板部の第１の方向の一側の端部から起立して前記第１の方向と交叉する第２の方向に沿って延びる第１縦板部と、
　前記第１縦板部の上端から前記第１の方向の前記一側へ延びて、前記車載部品に対して固定される上板部と、
　前記下板部の前記第１の方向の他側の端部、及び前記下板部の前記第２の方向の一側の端部の少なくとも一方から起立する第２縦板部と、を備え、
　前記下板部を前記フロアパネルの前記ブラケット固定部に対して前記ボルトによって締結固定したフロア固定状態で、前記第１縦板部及び前記第２縦板部の上端は、前記ボルトの上端よりも上方に位置する
　ことを特徴とするブラケット。
　請求項１に記載のブラケットであって、
　前記第２縦板部は、前記下板部の前記第１の方向の前記他側の端部、及び前記下板部の前記第２の方向の前記一側の端部の双方から起立するＬ状に形成され、
　前記第２縦板部の前記第１の方向の前記一側の端部は、前記第１縦板部へ連続する
　ことを特徴とするブラケット。
　請求項１または請求項２に記載のブラケットであって、
　前記第２縦板部の上端から曲折して上下方向と交叉するフランジ部を備えた
　ことを特徴とするブラケット。