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JP4655048B2 - モータ用インシュレータ、モータおよび圧縮機 - Google Patents

モータ用インシュレータ、モータおよび圧縮機 Download PDF

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JP4655048B2
JP4655048B2 JP2007008052A JP2007008052A JP4655048B2 JP 4655048 B2 JP4655048 B2 JP 4655048B2 JP 2007008052 A JP2007008052 A JP 2007008052A JP 2007008052 A JP2007008052 A JP 2007008052A JP 4655048 B2 JP4655048 B2 JP 4655048B2
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隆司 上川
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Description

この発明は、例えばエアコンや冷蔵庫の圧縮機等に用いられるモータ用のインシュレータ、このインシュレータを用いているモータ、および、このモータを用いている圧縮機に関する。
従来、モータ用インシュレータとしては、モータのステータコアのティース間の内部に入り込む巻き胴部を、有したものがある(特開2001−55979号公報:特許文献1参照)。
特開2001−55979号公報(図8)
しかしながら、上記従来のモータ用インシュレータでは、上記巻き胴部を有しているので、剛性が大きくなる。
そして、上記インシュレータを取り付けた上記ステータコアを、圧縮機の密閉容器の内面に(焼き嵌め等によって)固定したときに、上記密閉容器の内径と上記ステータコアの外径との嵌め合い公差の影響で、上記ステータコアが応力により変形して、上記インシュレータに応力がかかる。
このとき、上記インシュレータは、剛性が大きいので、上記インシュレータが割れて、上記インシュレータに巻き付けられたコイルが損傷する問題があった。
そこで、この発明の課題は、上記圧縮機の上記密閉容器の内面に、上記インシュレータを取り付けた上記ステータコアを固定したときに、上記ステータコアが変形しても、上記インシュレータの割れを防止して、上記インシュレータに巻き付けられた上記コイルの損傷を防止するモータ用インシュレータを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のモータ用インシュレータは、
ロータの径方向外側に配置されるステータにおけるステータコアの軸方向の両端面のそれぞれに対向して配置されて、コイルによって上記ステータコアと共に巻かれるモータ用インシュレータであって、
環状部と、
上記環状部の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に所定間隔に配列された複数のティース部と、
上記環状部の一端面に一端が取り付けられた外周壁部と、
上記環状部の外周面に取り付けられたベース部と
を有し、
上記外周壁部には、上記外周壁部の他端から上記一端に向かって切り欠かれた複数の切り欠きが設けられ、
上記複数の切り欠きのうちの少なくとも一つの切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅は、他の切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅と相違することを特徴としている。
この発明のモータ用インシュレータによれば、上記インシュレータの上記外周壁部には、上記外周壁部の他端から上記一端に向かって切り欠かれた複数の切り欠きが設けられ、上記複数の切り欠きのうちの少なくとも一つの切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅は、他の切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅と相違するので、上記切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅のうちの短い幅を有する部分で、上記インシュレータの撓みを許容する一方、上記切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅のうちの長い幅を有する部分で、上記インシュレータの剛性の低下を抑制する。
したがって、強度の大きなインシュレータを実現できて、圧縮機の密閉容器の内面に、上記インシュレータを取り付けた上記ステータコアを固定したときに、上記ステータコアが変形しても、上記インシュレータの割れを防止して、上記インシュレータに巻き付けられた上記コイルの損傷を防止する。
また、一実施形態のモータ用インシュレータでは、上記環状部の他端面には、凹部が設けられている。
この実施形態のモータ用インシュレータによれば、上記環状部の他端面には、凹部が設けられているので、上記切り欠きの深さを一定にしても、上記凹部を設けることで、上記切り欠きの底面と上記環状部の他端面(つまり、上記凹部の底面)との間の幅を、簡単に調整できる。
また、一実施形態のモータ用インシュレータでは、上記複数の切り欠きのうちの少なくとも一つの切り欠きの深さは、他の切り欠きの深さと相違する。
この実施形態のモータ用インシュレータによれば、上記複数の切り欠きのうちの少なくとも一つの切り欠きの深さは、他の切り欠きの深さと相違するので、上記インシュレータにおける上記切り欠きの深さの深い部分で、上記インシュレータの撓みを許容する一方、上記インシュレータにおける上記切り欠きの深さの浅い部分で、上記インシュレータの剛性の低下を抑制する。
また、一実施形態のモータ用インシュレータでは、上記複数の切り欠きのうちの最も深い切り欠きは、上記ベース部まで、達している。
この実施形態のモータ用インシュレータによれば、上記複数の切り欠きのうちの最も深い切り欠きは、上記ベース部まで、達しているので、上記最も深い切り欠きを最大限に深くできる。
また、この発明のモータは、
ロータと、このロータの径方向外側に配置されたステータとを備え、
上記ステータは、ステータコアと、上記ステータコアの軸方向の両端面のそれぞれに対向して配置された上記インシュレータと、上記ステータコアおよび上記インシュレータに共に巻き付けられたコイルとを有することを特徴としている。
この発明のモータによれば、上記インシュレータを備えているので、上記インシュレータは強度が大きくて、信頼性の高いモータを実現できる。
また、この発明の圧縮機は、
密閉容器と、
この密閉容器内に配置された圧縮要素と、
上記密閉容器内に配置され、上記圧縮要素をシャフトを介して駆動する上記モータと
を備え、
上記モータの上記ステータの上記ステータコアは、上記密閉容器の内面に固定されていることを特徴としている。
この発明の圧縮機によれば、上記モータを備え、上記モータの上記ステータコアは、上記密閉容器の内面に固定されているので、上記ステータコアを上記密閉容器の内面に(焼き嵌め等によって)固定したときに、上記ステータコアが変形しても、上記インシュレータが歪むことによって、上記インシュレータの割れを防止して、上記インシュレータに巻き付けられた上記コイルの損傷を防止する。また、上記インシュレータの上記外周壁部に上記コイルの一部を巻き付けても、上記インシュレータの剛性の低下を抑制しているので、上記コイルの一部を上記インシュレータの上記外周壁部に安定して巻き付けることができる。
また、一実施形態の圧縮機では、上記切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅のうちの最も短い幅を有する上記切り欠きは、上記ステータコアの軸方向からみて、上記ステータコアにおける上記密閉容器の内面に固定される固定部の間に、位置している。
この実施形態の圧縮機によれば、上記切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅のうちの最も短い幅を有する上記切り欠きは、上記ステータコアの軸方向からみて、上記ステータコアの固定部の間に、位置しているので、上記ステータコアを上記密閉容器の内面に固定したときに、上記ステータコアの固定部の間には、応力が集中して変形しやすいが、上記切り欠きの底面と上記環状部の他端面との間の幅のうちの最も短い幅を有する部分によって、上記インシュレータの撓みを有効に許容できて、上記インシュレータの割れを有効に防止できる。
また、一実施形態の圧縮機では、
密閉容器と、
この密閉容器内に配置された圧縮要素と、
上記密閉容器内に配置され、上記圧縮要素をシャフトを介して駆動するモータと
を備え、
上記モータは、ロータと、このロータの径方向外側に配置されたステータとを有し、
上記ステータは、ステータコアと、上記ステータコアの軸方向の両端面のそれぞれに対向して配置された上記インシュレータと、上記ステータコアおよび上記インシュレータに共に巻き付けられたコイルとを有し、
上記モータの上記ステータの上記ステータコアは、上記密閉容器の内面に固定され、
上記インシュレータの上記複数の切り欠きのうちの最も深い切り欠きは、上記ステータコアの軸方向からみて、上記ステータコアにおける上記密閉容器の内面に固定される固定部の間に、位置している。
この実施形態の圧縮機によれば、上記モータを備え、上記モータの上記ステータコアは、上記密閉容器の内面に固定されているので、上記ステータコアを上記密閉容器の内面に(焼き嵌め等によって)固定したときに、上記ステータコアが変形しても、上記インシュレータが歪むことによって、上記インシュレータの割れを防止して、上記インシュレータに巻き付けられた上記コイルの損傷を防止する。また、上記インシュレータの上記外周壁部に上記コイルの一部を巻き付けても、上記インシュレータの剛性の低下を抑制しているので、上記コイルの一部を上記インシュレータの上記外周壁部に安定して巻き付けることができる。
また、上記インシュレータの上記最も深い切り欠きは、上記ステータコアの軸方向からみて、上記ステータコアの固定部の間に、位置しているので、上記ステータコアを上記密閉容器の内面に固定したときに、上記ステータコアの固定部の間には、応力が集中して変形しやすいが、上記インシュレータの上記最も深い切り欠きによって、上記インシュレータの撓みを有効に許容できて、上記インシュレータの割れを有効に防止できる。
この発明のモータ用インシュレータによれば、上記インシュレータの上記外周壁部には、上記外周壁部の他端から上記一端に向かって切り欠かれた複数の切り欠きが設けられ、上記複数の切り欠きのうちの少なくとも一つの切り欠きの深さは、他の切り欠きの深さと相違するので、強度の大きなインシュレータを実現できて、圧縮機の密閉容器の内面に、上記インシュレータを取り付けた上記ステータコアを固定したときに、上記ステータコアが変形しても、上記インシュレータの割れを防止して、上記インシュレータに巻き付けられた上記コイルの損傷を防止する。
また、この発明のモータによれば、上記インシュレータを備えているので、上記インシュレータは強度が大きくて、信頼性の高いモータを実現できる。
また、この発明の圧縮機によれば、上記モータを備え、上記モータの上記ステータコアは、上記密閉容器の内面に固定されているので、上記ステータコアを上記密閉容器の内面に固定したときに、上記ステータコアが変形しても、上記インシュレータが歪むことによって、上記インシュレータの割れを防止して、上記インシュレータに巻き付けられた上記コイルの損傷を防止する。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の圧縮機の第1実施形態である縦断面図を示している。この圧縮機は、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された圧縮要素2と、上記密閉容器1内に配置され、上記圧縮要素2をシャフト12を介して駆動するモータ3とを備えている。
この圧縮機は、いわゆる縦型の高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、上記密閉容器1内に、上記圧縮要素2を下に、上記モータ3を上に、配置している。このモータ3のロータ6によって、上記シャフト12を介して、上記圧縮要素2を駆動するようにしている。
上記圧縮要素2は、アキュームレータ10から吸入管11を通して冷媒ガスを吸入する。この冷媒ガスは、この圧縮機とともに、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器、膨張機構、蒸発器を制御することによって得られる。この冷媒は、例えば、二酸化炭素やHCやR410A等のHFC、R22等のHCFCである。
上記圧縮機は、圧縮した高温高圧の冷媒ガスを、上記圧縮要素2から吐出して密閉容器1の内部に満たすと共に、上記モータ3のステータ5と上記ロータ6との間の隙間を通して、上記モータ3を冷却した後、上記モータ3の上側に設けられた吐出管13から外部に吐出するようにしている。
上記密閉容器1内の高圧領域の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部9が形成されている。この潤滑油は、上記油溜まり部9から、上記シャフト12に設けられた(図示しない)油通路を通って、上記圧縮要素2や上記モータ3のベアリング等の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。この潤滑油は、例えば、(ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の)ポリアルキレングリコール油や、エーテル油や、エステル油や、鉱油である。
上記圧縮要素2は、上記密閉容器1の内面に取り付けられるシリンダ21と、このシリンダ21の上下の開口端のそれぞれに取り付けられている上側の端板部材50および下側の端板部材60とを備える。上記シリンダ21、上記上側の端板部材50および上記下側の端板部材60によって、シリンダ室22を形成する。
上記上側の端板部材50は、円板状の本体部51と、この本体部51の中央に上方へ設けられたボス部52とを有する。上記本体部51および上記ボス部52は、上記シャフト12に挿通されている。
上記本体部51には、上記シリンダ室22に連通する吐出口51aが設けられている。上記本体部51に関して上記シリンダ21と反対側に位置するように、上記本体部51に吐出弁31が取り付けられている。この吐出弁31は、例えば、リード弁であり、上記吐出口51aを開閉する。
上記本体部51には、上記シリンダ21と反対側に、上記吐出弁31を覆うように、カップ型のマフラカバー40が取り付けられている。このマフラカバー40は、(ボルト等の)固定部材35によって、上記本体部51に固定されている。上記マフラカバー40は、上記ボス部52に挿通されている。
上記マフラカバー40および上記上側の端板部材50によって、マフラ室42を形成する。上記マフラ室42と上記シリンダ室22とは、上記吐出口51aを介して、連通されている。
上記マフラカバー40は、孔部43を有する。この孔部43は、上記マフラ室42と上記マフラカバー40の外側とを連通する。
上記下側の端板部材60は、円板状の本体部61と、この本体部61の中央に下方へ設けられたボス部62とを有する。上記本体部61および上記ボス部62は、上記シャフト12に挿通されている。
要するに、上記シャフト12の一端部は、上記上側の端板部材50および上記下側の端板部材60に支持されている。すなわち、上記シャフト12は、片持ちである。上記シャフト12の一端部(支持端側)は、上記シリンダ室22の内部に進入している。
上記シャフト12の支持端側には、上記圧縮要素2側の上記シリンダ室22内に位置するように、偏心ピン26を設けている。この偏心ピン26は、ローラ27に嵌合している。このローラ27は、上記シリンダ室22内で、公転可能に配置され、このローラ27の公転運動で圧縮作用を行うようにしている。
言い換えると、上記シャフト12の一端部は、上記偏心ピン26の両側において、上記圧縮要素2のハウジング7で支持されている。このハウジング7は、上記上側の端板部材50および上記下側の端板部材60を含む。
次に、上記シリンダ室22の圧縮作用を説明する。
図2に示すように、上記ローラ27に一体に設けたブレード28で上記シリンダ室22内を仕切っている。すなわち、上記ブレード28の右側の室は、上記吸入管11が上記シリンダ室22の内面に開口して、吸入室(低圧室)22aを形成している。一方、上記ブレード28の左側の室は、(図1に示す)上記吐出口51aが上記シリンダ室22の内面に開口して、吐出室(高圧室)22bを形成している。
上記ブレード28の両面には、半円柱状のブッシュ25,25が密着して、シールを行っている。上記ブレード28と上記ブッシュ25,25との間は、上記潤滑油で潤滑を行っている。
そして、上記偏心ピン26が、上記シャフト12と共に、偏心回転して、上記偏心ピン26に嵌合した上記ローラ27が、このローラ27の外周面を上記シリンダ室22の内周面に接して、公転する。
上記ローラ27が、上記シリンダ室22内で公転するに伴って、上記ブレード28は、このブレード28の両側面を上記ブッシュ25,25によって保持されて進退動する。すると、上記吸入管11から低圧の冷媒ガスを上記吸入室22aに吸入して、上記吐出室22bで圧縮して高圧にした後、(図1に示す)上記吐出口51aから高圧の冷媒ガスを吐出する。
その後、図1に示すように、上記吐出口51aから吐出された冷媒ガスは、上記マフラ室42を経由して、上記マフラカバー40の外側に排出される。
図1と図3に示すように、上記モータ3は、上記ロータ6と、このロータ6の径方向外側にエアギャップを介して配置された上記ステータ5とを有する。
上記ロータ6は、ロータ本体610と、このロータ本体610に埋設された磁石620とを有する。上記ロータ本体610は、円筒形状であり、例えば積層された電磁鋼板からなる。上記ロータ本体610の中央の孔部には、上記シャフト12が取り付けられている。上記磁石620は、平板状の永久磁石である。6つの上記磁石620が、上記ロータ本体610の周方向に等間隔の中心角度で、配列されている。
上記ステータ5は、ステータコア510と、上記ステータコア510の軸510a方向の両端面のそれぞれに対向して配置されたインシュレータ530と、上記ステータコア510および上記インシュレータ530に共に巻き付けられたコイル520とを有する。なお、図3では、上記コイル520および上記インシュレータ530を一部省略して描いている。
上記ステータコア510は、積層された複数の鋼板からなり、上記密閉容器1に、焼き嵌めなどによって、嵌め込まれている。上記ステータコア510は、環状部511と、この環状部511の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に等間隔に配列された9つのティース部512とを有する。
上記コイル520は、上記各ティース部512にそれぞれ巻かれて複数の上記ティース部512に渡って巻かれていない、いわゆる集中巻きである。上記モータ3は、いわゆる6極9スロットである。上記コイル520に電流を流して上記ステータ5に発生する電磁力によって、上記ロータ6を、上記シャフト12と共に、回転させる。
上記インシュレータ530は、上記ステータコア510と上記コイル520との間に挟持され、上記ステータコア510と上記コイル520とを絶縁している。上記インシュレータ530は、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリイミドやポリエステル等の耐熱性のよい樹脂材料からなる。また、上記インシュレータ530は、例えば、強度向上のためにガラス繊維入りの材料からなる。
図3と図4に示すように、上記インシュレータ530は、環状部531と、上記環状部531の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に(所定間隔の一例としての)等間隔に配列された複数のティース部532と、上記環状部531の一端面に一端が取り付けられた外周壁部533と、上記環状部531の外周面に取り付けられたベース部534とを有している。
上記インシュレータ530の上記環状部531は、上記ステータコア510の上記環状部511に対向して接触し、上記インシュレータ530の上記複数のティース部532は、それぞれ、上記ステータコア510の上記複数のティース部512に対向して接触している。
上記ステータコア510の上記ティース部512と、上記インシュレータ530の上記ティース部532とは、上記ステータコア510の軸510a方向(上記シャフト12の回転軸12a方向)からみて、略同じ形状である。
図4と図5に示すように、上記外周壁部533には、上記コイル520の一部520aが巻き付けられている。上記コイル520の一部520aは、上記コイル520の引出線であり、図示しない端子に接続されて、電流を供給される。
上記ベース部534は、上記環状部531の外周面に、間欠的に複数設けられている。上記ベース部534は、上記コイル520の一部520aと、上記ステータコア510との間に、絶縁距離を保持する。
図5と図6に示すように、上記外周壁部533には、上記外周壁部533の他端から上記一端に向かって切り欠かれた複数の切り欠き535が設けられている。上記複数の切り欠き535は、上記外周壁部533の周方向に沿って、所定間隔をもって、配列されている。上記外周壁部533の上記一端は、上記環状部531側の端部であり、上記外周壁部533の上記他端は、上記環状部531と反対側の端部である。なお、図6は、上記インシュレータ530を外周側からみた展開図である。
上記複数の切り欠き535のうちの少なくとも一つの切り欠き535の深さは、他の切り欠き535の深さと相違する。つまり、上記複数の切り欠き535は、それぞれ、様々な深さを有する。上記複数の切り欠き535は、それぞれ、様々な形状を有する。
上記複数の切り欠き535のうちの最も深い切り欠き535aは、上記ベース部534まで、達している。上記最も深い切り欠き535aは、上記ステータコア510の軸510a方向からみて、上記ステータコア510における上記密閉容器1の内面に固定される固定部510bの間に、位置している。
言い換えると、上記複数の切り欠き535のうちの少なくとも一つの切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅は、他の切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅と相違する。このとき、上記環状部531の他端面は、一様に、凹凸のない平坦面である。
そして、上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅のうちの最も短い幅tを有する上記切り欠き535は、上記ステータコア510の軸510a方向からみて、上記ステータコア510における上記密閉容器1の内面に固定される固定部510bの間に、位置している。
上記構成のインシュレータ530によれば、上記インシュレータ530の上記外周壁部533には、上記複数の切り欠き535が設けられ、上記複数の切り欠き535のうちの少なくとも一つの切り欠き535の深さは、他の切り欠き535の深さと相違するので、上記インシュレータ530における上記切り欠き535の深さの深い部分で、上記インシュレータ530の撓みを許容する一方、上記インシュレータ530における上記切り欠き535の深さの浅い部分で、上記インシュレータ530の剛性の低下を抑制する。
したがって、強度の大きなインシュレータ530を実現できて、上記密閉容器1の内面に、上記インシュレータ530を取り付けた上記ステータコア510を固定したときに、上記ステータコア510が変形しても、上記インシュレータ530の割れを防止して、上記インシュレータ530に巻き付けられた上記コイル520の損傷を防止する。
また、上記複数の切り欠き535のうちの少なくとも一つの切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅は、他の切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅と相違するので、上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅のうちの短い幅を有する部分で、上記インシュレータ530の撓みを許容する一方、上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅のうちの長い幅を有する部分で、上記インシュレータ530の剛性の低下を抑制する。
図7に、上記インシュレータ530の強度評価を示す。横軸に、変位量[mm]を示し、縦軸に、荷重[kgf]を示す。0%は、上記ベース部534の高さを示し、100%は、上記ベース部534から上記外周壁部533の最大位置までの高さを示す。
「0%」の点線は、上記最も深い切り欠き535aを示し、「50%」の一点鎖線は、中間の深さの上記切り欠き535を示し、「80%」の実線は、最も浅い上記切り欠き535を示す。
図7からわかるように、上記インシュレータ530の上記切り欠き535の深さが深いほど、上記インシュレータ530は、変位量に対して強くなっている。
また、上記最も深い切り欠き535aは、上記ベース部534まで、達しているので、上記最も深い切り欠き535aを最大限に深くできる。
また、上記構成のモータ3によれば、上記インシュレータ530を備えているので、上記インシュレータ530は強度が大きくて、信頼性の高いモータを実現できる。
また、上記構成の圧縮機によれば、上記モータ3を備えているので、上記ステータコア510を上記密閉容器1の内面に固定したときに、上記ステータコア510が変形しても、上記インシュレータ530が歪むことによって、上記インシュレータ530の割れを防止して、上記インシュレータ530に巻き付けられた上記コイル520の損傷を防止する。また、上記インシュレータ530の上記外周壁部533に上記コイル520の一部520aを巻き付けても、上記インシュレータ530の剛性の低下を抑制しているので、上記コイル520の一部520aを上記インシュレータ530の上記外周壁部533に安定して巻き付けることができる。
また、上記最も深い切り欠き535aは、上記ステータコア510の軸510a方向からみて、上記ステータコア510の固定部510bの間に、位置しているので、上記ステータコア510を上記密閉容器1の内面に固定したときに、上記ステータコア510の固定部510bの間には、応力が集中して変形しやすいが、上記最も深い切り欠き535aによって、上記インシュレータ530の撓みを有効に許容できて、上記インシュレータ530の割れを有効に防止できる。
また、上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅のうちの最も短い幅tを有する上記切り欠き535は、上記ステータコア510の軸510a方向からみて、上記ステータコア510の固定部510bの間に、位置しているので、上記ステータコア510を上記密閉容器1の内面に固定したときに、上記ステータコア510の固定部510bの間には、応力が集中して変形しやすいが、上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅のうちの最も短い幅tを有する部分によって、上記インシュレータ530の撓みを有効に許容できて、上記インシュレータ530の割れを有効に防止できる。
(第2の実施形態)
図8は、この発明の圧縮機の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態(図6)と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、インシュレータの形状が相違する。
つまり、この第2の実施形態では、図8に示すように、インシュレータ530の環状部531の他端面には、凹部531aが設けられている。上記環状部531の他端面は、一様に平坦面でなく、凹凸形状である。
上記複数の切り欠き535のうちの少なくとも一つの切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅は、他の切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅と相違する。
上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面との間の幅のうちの最も短い幅tを有する上記切り欠き535は、図5を参照して、上記ステータコア510の軸510a方向からみて、上記ステータコア510の固定部510bの間に、位置している。
したがって、上記インシュレータ530の上記環状部531の他端面には、上記凹部531aが設けられているので、上記切り欠き535の深さを一定にしても、上記凹部531aを設けることで、上記切り欠き535の底面と上記環状部531の他端面(つまり、上記凹部531aの底面)との間の幅を、簡単に調整できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記圧縮要素2として、ローラとブレードが別体であるロータリタイプでもよい。上記圧縮要素2として、ロータリタイプ以外に、スクロールタイプやレシプロタイプを用いてもよい。
また、上記圧縮要素2として、2つのシリンダ室を有する2シリンダタイプでもよい。上記圧縮要素2が上、上記モータ3が下に配置されていてもよい。また、上記ステータコア510を上記密閉容器1の内面に、焼き嵌め以外に、溶接等にて固定してもよい。また、上記モータを、圧縮機以外のファン等に、用いてもよい。
本発明の圧縮機の第1実施形態を示す縦断面図である。 圧縮機の要部の平面図である。 圧縮機のモータ付近の横断面図である。 圧縮機の要部を拡大した縦断面図である。 圧縮機の要部を拡大した横断面図である。 インシュレータの展開図である。 インシュレータの強度評価を示すグラフである。 本発明の圧縮機の第2実施形態を示すと共にインシュレータの展開図である。
符号の説明
1 密閉容器
2 圧縮要素
3 モータ
5 ステータ
510 ステータコア
510a 軸
510b 固定部
511 環状部
512 ティース部
520 コイル
520a 一部
530 インシュレータ
531 環状部
531a 凹部
532 ティース部
533 外周壁部
534 ベース部
535 切り欠き
535a 最も深い切り欠き
6 ロータ
12 シャフト
12a 回転軸
21 シリンダ
50 上側の端板部材
60 下側の端板部材
t 最も短い幅

Claims (8)

  1. ロータ(6)の径方向外側に配置されるステータ(5)におけるステータコア(510)の軸(510a)方向の両端面のそれぞれに対向して配置されて、コイル(520)によって上記ステータコア(510)と共に巻かれるモータ用インシュレータ(530)であって、
    環状部(531)と、
    上記環状部(531)の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に所定間隔に配列された複数のティース部(532)と、
    上記環状部(531)の一端面に一端が取り付けられた外周壁部(533)と、
    上記環状部(531)の外周面に取り付けられたベース部(534)と
    を有し、
    上記外周壁部(533)には、上記外周壁部(533)の他端から上記一端に向かって切り欠かれた複数の切り欠き(535)が設けられ、
    上記複数の切り欠き(535)のうちの少なくとも一つの切り欠き(535)の底面と上記環状部(531)の他端面との間の幅は、他の切り欠き(535)の底面と上記環状部(531)の他端面との間の幅と相違することを特徴とするモータ用インシュレータ。
  2. 請求項1に記載のモータ用インシュレータにおいて、
    上記環状部(531)の他端面には、凹部(531a)が設けられていることを特徴とするモータ用インシュレータ。
  3. 請求項1に記載のモータ用インシュレータにおいて、
    上記複数の切り欠き(535)のうちの少なくとも一つの切り欠き(535)の深さは、他の切り欠き(535)の深さと相違することを特徴とするモータ用インシュレータ。
  4. 請求項3に記載のモータ用インシュレータにおいて、
    上記複数の切り欠き(535)のうちの最も深い切り欠き(535a)は、上記ベース部(534)まで、達していることを特徴とするモータ用インシュレータ。
  5. ロータ(6)と、このロータ(6)の径方向外側に配置されたステータ(5)とを備え、
    上記ステータ(5)は、ステータコア(510)と、上記ステータコア(510)の軸(510a)方向の両端面のそれぞれに対向して配置された請求項1に記載のインシュレータ(530)と、上記ステータコア(510)および上記インシュレータ(530)に共に巻き付けられたコイル(520)とを有することを特徴とするモータ。
  6. 密閉容器(1)と、
    この密閉容器(1)内に配置された圧縮要素(2)と、
    上記密閉容器(1)内に配置され、上記圧縮要素(2)をシャフト(12)を介して駆動する請求項5に記載のモータ(3)と
    を備え、
    上記モータ(3)の上記ステータ(5)の上記ステータコア(510)は、上記密閉容器(1)の内面に固定されていることを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項6に記載の圧縮機において、
    上記切り欠き(535)の底面と上記環状部(531)の他端面との間の幅のうちの最も短い幅(t)を有する上記切り欠き(535)は、上記ステータコア(510)の軸(510a)方向からみて、上記ステータコア(510)における上記密閉容器(1)の内面に固定される固定部(510b)の間に、位置していることを特徴とする圧縮機。
  8. 密閉容器(1)と、
    この密閉容器(1)内に配置された圧縮要素(2)と、
    上記密閉容器(1)内に配置され、上記圧縮要素(2)をシャフト(12)を介して駆動するモータ(3)と
    を備え、
    上記モータ(3)は、ロータ(6)と、このロータ(6)の径方向外側に配置されたステータ(5)とを有し、
    上記ステータ(5)は、ステータコア(510)と、上記ステータコア(510)の軸(510a)方向の両端面のそれぞれに対向して配置された請求項3に記載のインシュレータ(530)と、上記ステータコア(510)および上記インシュレータ(530)に共に巻き付けられたコイル(520)とを有し、
    上記モータ(3)の上記ステータ(5)の上記ステータコア(510)は、上記密閉容器(1)の内面に固定され、
    上記インシュレータ(530)の上記複数の切り欠き(535)のうちの最も深い切り欠き(535a)は、上記ステータコア(510)の軸(510a)方向からみて、上記ステータコア(510)における上記密閉容器(1)の内面に固定される固定部(510b)の間に、位置していることを特徴とする圧縮機。
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