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JP4423543B2 - 固体高分子形燃料電池用の電極 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用の電極 Download PDF

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JP4423543B2 JP2004029706A JP2004029706A JP4423543B2 JP 4423543 B2 JP4423543 B2 JP 4423543B2 JP 2004029706 A JP2004029706 A JP 2004029706A JP 2004029706 A JP2004029706 A JP 2004029706A JP 4423543 B2 JP4423543 B2 JP 4423543B2
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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の電極に関する。
固体高分子形燃料電池用の電極(ガス拡散電極)100は、図6に示すように陽イオン交換膜101の両側に配された触媒層103と、これらの触媒層103に積み重ねられたガス拡散層107とからなる。
この電極を用いた電池では、アノードに例えば水素、カソードに例えば酸素をそれぞれ供給することにより電気化学的反応が進行して発電する。各電極では、つぎに示す電気化学反応が生じる。
アノード:H→2H+2e
カソード:1/2O+2H+2e→H
全反応:H+1/2O→H
ところで、ガス拡散層107は、酸素等の酸化剤ガス、または水素等の燃料ガスを触媒層103に供給する機能を有する。さらにガス拡散層107は、触媒層103の電極反応で生じた電気をセパレータに伝える機能も有する。よって、これらの機能を果たすように、ガス拡散層107としては、カーボンペーパーやカーボンフェルト等のカーボン繊維シートが広く使用されている。
ところが、カーボン繊維シートは、目が粗く、またその表面に凹凸がある。このために、図6に示すように、カーボン繊維シートからなるガス拡散層107と触媒層103との接触が不十分となり、これを用いた固体高分子形燃料電池の出力特性は必ずしも十分でなかった(なお、図6の円形の囲み内に、触媒層103とガス拡散層107との接触部分の拡大断面図を示した。この図中、符号108は、カーボン繊維シートを示している)。
そこで、図7に模式的に示すように、ガス拡散層107の上に、カーボン粒子及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を混合したペーストを塗布してカーボン層111を形成することが提案されている。これは、ガス拡散層107の表面をカーボン層111によって比較的滑らかな表面状態となるようにコーティングして、ガス拡散層107と触媒層103との接触を十分に確保するというものである(この技術に関連して特許文献1に開示された電極構造が参考となる)。
特開平9−245801号公報
この場合に、カーボン層111として、例えば、カーボン層111中に含まれるカーボン粒子を、カーボン層111中のPTFEとカーボン粒子との和に対して90〜95重量%程度(言い換えれば、PTFEを、PTFEとカーボン粒子との和に対して5〜10重量%程度)としたものを用いると、カーボン層111と触媒層103との接触抵抗を低く抑えることができる。
ところが、このように、カーボン粒子の比率の高いカーボン層111とした場合には、カーボン層111の撥水性が低下する。よって、カーボン層111の内部で水が滞留し、この水により触媒層103へのガスの供給が阻害されて、とくに高電流密度領域において電圧の低下が大きくなるという問題点があった。
他方、この影響を防ぐためには、例えば、カーボン層111中に含まれるカーボン粒子を、カーボン層111中のPTFEとカーボン粒子との和に対して60〜70重量%程度(言い換えれば、PTFEを、PTFEとカーボン粒子との和に対して30〜40重量%程度)とする必要がある。このようにすると、カーボン層111内部における水の滞留を抑制することはできる。
ところが、絶縁体であるPTFEの含有量が増えることによって、カーボン層111と触媒層103との間の接触抵抗が大きくなるという問題点があった。
以上のように、単層のカーボン層111を設けた場合には、カーボン粒子とPTFEとの割合を変更しても、結局、固体高分子形燃料電池の出力特性はそれ程向上しなかった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、固体高分子形燃料電池の出力特性を向上させることを目的とする。
本発明者等は、かかる問題点を解決し得る固体高分子形燃料電池用の電極を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、触媒層とガス拡散層との間に設けられるカーボン層を多層に形成すると、固体高分子形燃料電池の出力特性が著しく向上することを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、請求項1の発明は、カーボン繊維シートを備えて構成されるガス拡散層と、触媒を担持したカーボン粒子及び固体高分子電解質を含む触媒層とを備え、前記ガス拡散層と前記触媒層との間には、カーボン粒子及び撥水性樹脂を含むカーボン層が設けられた固体高分子形燃料電池用の電極であって、前記カーボン層は前記ガス拡散層と接触する第1の層と、前記触媒層と接触する第2の層と、からなる2層構造とされ、前記第2の層中に含まれる撥水性樹脂は、その層に含まれる撥水性樹脂とカーボン粒子との合計量に対して5〜10重量%であり、前記第1の層中に含まれる撥水性樹脂は、その層に含まれる撥水性樹脂とカーボン粒子との合計量に対して20〜40重量%であり、前記第1の層の乾燥膜厚は、40〜60μmであり、前記第2の層の乾燥膜厚は5〜15μmであることを特徴とする固体高分子形燃料電池用の電極である。
本請求項の構成によれば、触媒層とガス拡散層との間に設けられるカーボン層は層とされている。そして、層のうち触媒層と接する第2の層中に含まれる撥水性樹脂は、その層に含まれる撥水性樹脂とカーボン粒子との合計量に対して5〜10重量%であり、ガス拡散層と接する第1の層中に含まれる撥水性樹脂は、その層に含まれる撥水性樹脂とカーボン粒子との合計量に対して20〜40重量%である。
従って、触媒層側では、触媒層との接触抵抗を低く抑えることができ、かつ、ガス拡散層側では、水の滞留によるガスの拡散性の低下を防止することができる。
よって、本請求項の構成の電極を用いれば、固体高分子形燃料電池の出力特性を向上させることができる。
本請求項の構成によれば、カーボン層は、ガス拡散層と接触する第1の層と、触媒層と接触する第2の層とからなる2層構造とされているから、その構造が複雑でなく、製造が容易となる。
固体高分子形燃料電池においては、酸化剤ガスや燃料ガスは、ガス拡散層から触媒層に供給される。そして、これらのガスが勢いよく触媒層に直接当たると触媒層が乾燥したり、陽イオン交換膜が乾燥してしまい、その結果、出力が低下するおそれがある。このため、従来、特にカソード側では、加湿温度を上げて燃料電池を運転する必要があった。
本請求項の構成によれば、第1の層は、40μm以上とされているから、触媒層に当たるガスの勢いを第1の層で十分に弱めることができる。このため、触媒層の乾燥や、陽イオン交換膜の乾燥を防ぐことができる。よって、特にカソード側の加湿温度を従来よりも下げた運転が可能となる。
一方、第1の層の厚みが60μmよりも大きくなると、第1の層自体の電気的な抵抗が上昇して、触媒層の電極反応で生じた電気がセパレータに伝わりにくくなる。また、厚さが大きくなりすぎると、反応界面へのガスの拡散を妨げるから、出力が低下する傾向にある。このため、本請求項では、60μm以下としている。
以下、本発明の電極1を、図2を参照しつつ説明する。
本発明の固体高分子形燃料電池用の電極1は、例えば、図2に模式的に示されるように、カーボン繊維シート3を備えたガス拡散層5と、触媒を担持したカーボン粒子を含む触媒層7とが上下に配されている。さらに、ガス拡散層5と触媒層7との間には、カーボン粒子及び撥水性樹脂を含むカーボン層9が設けられている。
そして、カーボン層9は、第1層9Aと第2層9Bの2層構造とされている。(なお、図2の円形の囲み内に、触媒層7とガス拡散層5との接触部分の拡大断面図を示した)。
カーボン繊維シート3としては、繊維径や繊維長等、特に限定されず公知のものを使用することができ一般的にカーボンペーパや、カーボン織布、カーボンフェルト等と称されているものを幅広く使用することができる。
本発明では、カーボン繊維シート3上にカーボン層9を形成するが、例えば、以下のような工程によりカーボン層9を形成することができる。
まず、図1(A)に示すように、カーボン繊維シート3をPTFE分散液11(例えば2.5wt%のものが使用されるが、濃度は特に限定されない)に浸漬し、その後、乾燥(例えば約110℃)させる。なお、このようにカーボン繊維シート3を予備的に撥水処理して、カーボン繊維シート3の撥水性を向上させることが望ましいが、必ずしも撥水処理する必要はない。
次に、このようにPTFEを表面に薄くコーティングしたカーボン繊維シート3の片面に、カーボン粒子及び撥水性樹脂を含むペーストを塗布して第1層9Aを形成する(図1(B)参照)。
このペーストとしては、カーボン粒子及び撥水性樹脂を含むものであれば、その他の添加剤、例えばバインダ用の樹脂等を含んでいてもよい。
カーボン粒子としては、特に限定されず、例えばファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックのいずれでも用いることできる。
カーボン粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは10〜50μmである。平均粒径が10μmより小さすぎると、粒子同士の凝集が生じて二次粒子が大きくなり、また、平均粒径が50μmより大きすぎると、粒子の分散性が低下するために、均一なペーストを得ることができなくなる。
なお、平均粒径はレーザー回折散乱法で測定したd50の値を意味する。
また、撥水性樹脂としては特に限定されずに、幅広く使用することができ、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、またはこれらの混合物を使用することができる。これらの中では、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用することが好ましい。
バインダ用の樹脂としては、特に限定されずに幅広く使用することができる。例えば、水溶性で、かつ後述する焼成によって熱分解するものを幅広く使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸塩、ビニル化合物とカルボン酸系単量体との共重合物の塩等を使用することができる。
ペースト中の撥水性樹脂の固形分重量と、カーボン粒子重量との比は20:80〜40:60(重量比)であり、好ましくは、25:75〜35:65(重量比)である(なお、このペーストを乾燥させることにより、第1層9Aが形成されるから、第1層9A中に含まれる撥水性樹脂は、撥水性樹脂とカーボン粒子との和に対して、20〜40重量%となり、好ましくは、25〜35重量%となる)。この範囲よりも撥水性樹脂の固形分重量比が大きくなると、第1層9A中の撥水性樹脂量が多くなりすぎ、この撥水性樹脂は絶縁性であるから、第1層9Aの電気伝導性が低下して、燃料電池の出力特性が低下する傾向にあるからである。一方、この範囲よりも撥水性樹脂の固形分重量比が小さくなると、カーボン層9の撥水性が低くなり、燃料電池の運転中にカーボン層9中に水が滞留してガスの拡散性の低下を招き、出力の低下を招く傾向にあるからである。
第1層9Aの乾燥後の膜厚は40〜60μmである。このように第1層9Aの乾燥膜厚を40〜60μmとすることで、第1層9Aの電気伝導性を確保しつつ、触媒層7に当たるガスの勢いを第1層9Aで十分に弱めることができる。このため、触媒層の乾燥や、陽イオン交換膜の乾燥を防ぐことができる。
次に、第1層9Aの上にさらに、カーボン粒子及び撥水性樹脂を含み、かつ、撥水性樹脂濃度が第1層9Aの形成用に使用したペーストよりも低いペーストを塗布して第2層9Bを形成する(図1(C)参照)。
このペーストには、第1層9A用のペーストと同様のカーボン粒子、撥水性樹脂、バインダ用の樹脂等を用いることができる。
第2層9B用のペースト中における撥水性樹脂の固形分重量と、カーボン粒子重量との比は、5:95〜10:90(重量比)であり、好ましくは、7:93〜8.5:91.5(重量比)である(なお、このペーストを乾燥させることにより、第2層9Bが形成されるから、第2層9B中に含まれる撥水性樹脂は、撥水性樹脂とカーボン粒子との和に対して、5〜10重量%となり、好ましくは、7〜8.5重量%となる)。この範囲よりも撥水性樹脂の固形分重量比が大きくなると、この撥水性樹脂は絶縁性であるから、触媒層7との接触抵抗が増加する傾向にあるからである。この範囲よりも撥水性樹脂の固形分重量比が小さくなると、炭素粒子同士の撥水性樹脂による結着力が低下して、第2層9Bがもろくなるからである。また、燃料電池の運転中に発生する水が第2層9B中に溜まりやすくなり、電極反応が阻害される傾向にあるからである。
第2層9Bの乾燥後の膜厚は5〜15μmであり、さらに好ましくは8〜12μmである。
この範囲よりも厚くすると、第2層9Bは、第1層9Aに比べて撥水性樹脂濃度が低いから、第2層9B中に水が滞留して電極反応が阻害されるおそれがあるからである。一方、この範囲よりも薄く形成しようとしても、第2層9Bを第1層9A上に均一に形成することが困難となって部分的にしか形成されないから、結局、触媒層7との接触抵抗を十分に抑制することが困難となるからである。
さらに、このようにして得た第1層9A及び第2層9Bを備えたカーボン繊維シート3を焼成することが望ましい。焼成することによって、バインダ樹脂が選択的に酸化炭素等として抜けて、そこに微細な空孔が形成されて、この空孔により第1層9A及び第2層9B中のガス拡散性を向上させることができるからである。
また、焼成することによって、撥水性樹脂中に含まれる界面活性剤成分を除去することができる。この界面活性剤は、撥水性樹脂の重合の際や、その後に添加剤として加えられるものであるが、界面活性剤は、電極反応を阻害する傾向にあり、除去することが望ましいからである。
焼成温度としては、特に限定されないが、320〜420℃が好ましく、370〜390℃が特に好ましい。320℃以下では、バインダ樹脂が焼成されないか、又は焼成に長時間要する傾向にあるため、好ましくなく、一方、420℃以上では、電極の他の構成材料、例えば撥水性樹脂等の熱分解が生じるおそれがあるからである。
以上のようにガス拡散層5としてのカーボン繊維シート3上に第1層9A及び第2層9Bを形成したあと、第2層9Bの上(又は下)に触媒層7が配される。このようにして電極1が形成される。
この触媒層7としては、公知の方法により作製されたものを幅広く使用することができる。例えば、予め調製された触媒粒子(例えば白金を担持したカーボン粒子)と、撥水剤と、結着材(バインダ)であるPTFEのディスパージョン等とを混合し、支持体上にシート状に成形することにより作製することができる。
また、例えば、特開2000−012041公報に開示されている以下の方法でも触媒層7を形成することができる。すなわち、まず、陽イオン交換樹脂と、触媒を担持していないカーボン粒子と、溶媒とを混合して混合スラリーを調製する。その混合スラリーを支持体(例えばFEP(フッ化エチレンプロピレン))の上に塗布してシートを形成し、このシートを触媒金属のイオン(白金イオン等)を含む溶液に浸漬する。さらに、そのシートを水素雰囲気下で還元処理し、触媒金属をシート中に析出させて触媒層とする方法である。
なお、いずれの方法によるものであっても触媒層における触媒金属は、特に限定されず、公知のものを幅広く使用することができるが、電気化学的な酸素の還元反応、水素の酸化反応に対する触媒活性が高い金属が適しており、例えば、白金,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,パラジウム,オスミウムなどの白金族金属及びその合金が好ましい。
特に、アノード側の電極に用いる触媒金属としては、白金金属を含む合金、例えば白金とルテニウムとを含む合金は耐CO被毒性(耐一酸化炭素被毒性)が高いことから好ましい。
さらに、上述の燃料電池用の電極1を用いて、例えば、以下のようにして燃料電池13が組み立てられる。
すなわち、図2に示すように、陽イオン交換膜15の両側に電極1を重ね、さらに、その両外側に溝加工によりガス流路を表面に形成したセパレータ(バイポーラプレート)17を密着して積層することによって燃料電池13とする。
なお、陽イオン交換膜15としては、特に限定されず、周知の高分子電解質膜、例えば、スルホン酸基を持つフッ素樹脂系イオン交換膜(例えば、ペルフルオロスルホン酸型陽イオン交換膜)、スチレン−ジビニルベンゼン系のスルホン酸型陽イオン交換膜を使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<1.カーボンペーパーの予備的撥水処理>
まず、カーボンペーパー(大日本インキ(株)製、アウスポンE02、厚み0.2mm)を2.5wt%のPTFE分散液(水分散液)に浸漬した後に、110℃で乾燥させて予備的な撥水処理をした。
<第1層用の混合分散液(ペースト)の調製>
第1層用の混合分散液の調製を以下のように行った。カーボン粒子(Vulcan XC-72(キャボット社製))と2.5wt%PTFE分散液(水分散液、三井デュポン社製、30−J(品番))とCMC(カルボキシメチルセルロース、ダイセル化学工業製、DN−400H(品番))と水とを混合して第1層用の混合分散液を調製した。なお、第1層用の混合分散液の組成は、カーボン粒子:PTFE(固形分):CMC:水(PTFE分散液中の水も含んだ混合分散液中の水全量)=70:30:20:1225(重量比)とした。
<第2層用の混合分散液(ペースト)の調製>
第2層用の混合分散液の調製を以下のように行った。カーボン粒子(Vulcan XC-72(キャボット社製))と2.5wt%PTFE分散液(水分散液、三井デュポン社製、30−J(品番))とCMC(カルボキシメチルセルロース、ダイセル化学工業製、DN−400H(品番))と水とを混合して第2層用の混合分散液を調製した。なお、第2層用の混合分散液の組成は、カーボン粒子:PTFE(固形分):CMC:水(PTFE分散液中の水も含んだ混合分散液中の水全量=95:5:20:1225(重量比)とした。
<燃料電池Aの作製>
第1層用の混合分散液を撥水処理したカーボンペーパー上に塗布し、その後110℃で乾燥させてカーボンペーパー上に第1層を形成した。なお、混合分散液の塗布量は、乾燥後の膜厚で40μmとなるように調整した。
そして、第2層用の混合分散液を第1層の上に塗布し、その後110℃で乾燥させた。なお、混合分散液の塗布量は、乾燥後の膜厚で10μmとなるように調整した。
このようにして、第1層(40μm)及び第2層(10μm)が形成されたカーボンペーパーを作製した。
次にこのカーボンペーパーを380℃で30分間焼成した。これにより、CMCが選択的に除去されてカーボン層(第1層及び第2層)に微細な空孔が形成された。
そして、焼成後のカーボンペーパーを別途作製した触媒層−陽イオン交換膜−触媒層の接合体の両面に配置して、さらに、その両外側に溝加工によりガス流路を表面に形成したセパレータ(バイポーラプレート)を密着して積層することによって単セルの燃料電池Aとした。
なお、触媒層−陽イオン交換膜−触媒層の接合体は次のように作製した。
まず、陽イオン交換樹脂の溶液(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)80gを容器に採取した。その溶液に白金担持カーボンとしてのTEC10V30E(田中貴金属社製)を6g添加したのちに、羽式攪拌機を用いて超音波を照射しながら1時間攪拌することによって分散液を調製した。つぎに、このペースト(分散液)をミキサーで30分間分散させたのちに、ホットスターラーで固形分(カーボンと陽イオン交換樹脂の固形分との和)の濃度が20wt%になるまで60℃で加熱濃縮した。つづいて、120μmのアプリケータを用いて、その分散液を高分子シート(ダイキン工業、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体フィルム)上に塗布して、室温で乾燥することによって、約15μmの燃料電池用電極の触媒層を作製した。
つぎに、触媒層と高分子電解質膜との触媒層−膜−触媒層接合体をつぎの手順で製作した。まず、前処理として、高分子電解質膜(デュポン社製、ナフィオン115膜、膜厚約120μm)を0.5mol/lの硫酸で1時間80℃で保持したのちに、1時間80℃の脱イオン水中に浸漬して残った硫酸を除去した。つづいて、その膜の両面に、触媒層を対称に配したのちに加熱圧着(135℃、1.5MPa)することによって、その膜と触媒層とを一体に接合した。このようにして触媒層−陽イオン交換膜−触媒層接合体を得た。
そして、燃料電池Aの電流−電圧特性の測定した。カソード側には80℃で加湿した空気を供給し、アノード側には80℃で加湿した水素ガスをそれぞれ供給し、空気の利用率40%、水素利用率80%とし、作動温度80℃とした。
<燃料電池Bの作製>
撥水処理したカーボンペーパー上に第1層用の混合分散液を塗布し、その後110℃で乾燥させてカーボンペーパー上に第1層(乾燥後の膜厚は50μm)のみを形成した。その後に、380℃で30分間焼成した。このカーボンペーパーを使用した以外は、燃料電池Aと同様にして燃料電池Bを作製した。そして、この燃料電池Bの電流−電圧特性を、燃料電池Aと同一条件で測定した。
<燃料電池Cの作製>
撥水処理したカーボンペーパー上に第2層用の混合分散液を塗布し、その後110℃で乾燥させてカーボンペーパー上に第2層(乾燥後の膜厚は50μm)のみを形成した。その後に、380℃で30分間焼成した。このカーボンペーパーを使用した以外は、燃料電池Aと同様にして燃料電池Cを作製した。そして、この燃料電池Cの電流−電圧特性を、燃料電池Aと同一条件で測定した。
なお、燃料電池A〜Cの第1層及び第2層の厚みを以下の表1にまとめて記載した。
Figure 0004423543
<燃料電池A〜Cの電流−電圧特性の測定結果>
図3に燃料電池A〜Cの電流−電圧特性の測定結果を示す。第1層及び第2層を備えたカーボンペーパーを使用した燃料電池Aは、いずれの電流密度においてもセル電圧が、第1層のみの燃料電池B、第2層のみの燃料電池Cと比較して高かった。
燃料電池Aでは、撥水性樹脂濃度の低い第2層が触媒層と接触し、撥水性樹脂濃度の高い第1層がカーボンペーパーと接触するから、触媒層側で接触抵抗が抑制され、カーボンペーパー側(ガス拡散層)で水の滞留が防止されたものと考えられる。
<第1層の厚みの影響についての検討>
次に第1層及び第2層を備える場合において、第1層の厚みが燃料電池の特性にどのような影響を与えるかを検討した。
ここでは、第1層の厚みを表2に記載するように変化させた燃料電池D〜Iを作製した。なお、これらの燃料電池では、第1層の厚みを、カーボンペーパー上に塗布する第1層用の混合分散液の塗布量を変えることによって変化させた。また、その他の点については、燃料電池Aと同様に作製した。
そして、燃料電池A、D〜Iの電流−電圧特性の測定した。カソード側には、加湿した空気を供給したが、その際の加湿温度は40〜85℃と変化させた。一方、アノード側には80℃で加湿した水素ガスを供給した。なお、空気の利用率40%、水素利用率80%、作動温度80℃、電流密度300mAcm−2とした。
Figure 0004423543
その結果、図4に示すようなグラフが得られた。これより、カソードの加湿温度が60℃以下において、第1層の厚みが40〜60μmの燃料電池A、G、Hは、0.45V以上のセル電圧を確保することができた。これは、第1層の厚みを40μm以上とすることで、触媒層に当たるガスの勢いを第1の層で十分に弱めることができたためと考えられる。一方、第1の層の厚みが60μmよりも大きい場合には、第1層自体の電気的な抵抗が上昇し、さらに、ガスの拡散性が低下して、反応界面まで十分にガスが到達しなかったために、セル電圧が低下傾向にあるものと推測される。
<第2層の厚みの影響についての検討>
次に第1層及び第2層を備える場合において、第2層の厚みが燃料電池の特性にどのような影響を与えるかを検討した。
ここでは、第2層の厚みを表3に記載するように変化させた燃料電池J〜Mを作製した。なお、これらの燃料電池では、第2層の厚みを、第2層用の混合分散液の塗布量を変えることによって変化させた。また、その他の点については、燃料電池Aと同様に作製した。
第1層および第2層の厚みを表3にまとめ、第2層の厚みとセル電圧の関係を図5に示した。図5より第2層の厚みが10μm程度までは、厚みの増加にともなってセル電圧は増大するが、第2層の厚みが10μmよりも厚くなるとセル電圧は低下することがわかった。その理由として、第2層の厚みが10μm程度までは、PTFE含有量の低いカーボンとPTFEとの混合層によって良好な電子伝導性が確保できることにより、第2層が有効に働くが、第2層の厚みがこれよりも大きくなると、撥水性の低い第2層の厚みが増大することによって、反応界面で生じた水が、第2層から速やかに第1層に移動してセルの外に排出されることが困難になり、第2層の中で水の滞留が生じてガスの拡散性を妨げるものと考えられる。
Figure 0004423543
燃料電池用電極の製造工程を示す断面図 燃料電池の断面図 電流−電圧特性を示すグラフ カソード加湿温度とセル電圧との関係を示すグラフ 第2層の厚みとセル電圧との関係を示すグラフ 従来の燃料電池の断面図 従来の燃料電池の断面図
符号の説明
1…電極
3…カーボン繊維シート
5…ガス拡散層
7…触媒層
9…カーボン層
9A…第1層
9B…第2層
13…燃料電池
15…陽イオン交換膜
17…セパレータ

Claims (1)

  1. カーボン繊維シートを備えて構成されるガス拡散層と、触媒を担持したカーボン粒子及び固体高分子電解質を含む触媒層とを備え、
    前記ガス拡散層と前記触媒層との間には、カーボン粒子及び撥水性樹脂を含むカーボン層が設けられた固体高分子形燃料電池用の電極であって、
    前記カーボン層は前記ガス拡散層と接触する第1の層と、前記触媒層と接触する第2の層と、からなる2層構造とされ、
    前記第2の層中に含まれる撥水性樹脂は、その層に含まれる撥水性樹脂とカーボン粒子との合計量に対して5〜10重量%であり、
    前記第1の層中に含まれる撥水性樹脂は、その層に含まれる撥水性樹脂とカーボン粒子との合計量に対して20〜40重量%であり
    前記第1の層の乾燥膜厚は、40〜60μmであり、前記第2の層の乾燥膜厚は5〜15μmであることを特徴とする固体高分子形燃料電池用の電極。
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