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JP4486390B2 - 水栓装置 - Google Patents

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この発明は、例えば水と湯との混合比を調節する水栓装置に関するものである。
従来、浴室内に設けられたカウンター等の取付壁に対し内側に埋め込んだ状態で取り付けられて使用される水栓装置として、図5に示すものがある。この水栓装置50は、供給された水,湯を混合する埋め込み型の混合ユニット51と、その混合ユニット51で混合調節された所要温度の混合水、あるいは混合されなかった水や湯の流路を切り換える同じく埋め込み型の切換ユニット52とよりなり、両ユニット51,52は、各外ケース51a,52aによりカウンター等の取付壁80の内側に取り付けられるように構成されている。
また、混合ユニット51の外ケース51aの外周には給水管用接続部53及び給湯管用接続部54が一方向に向かって突出され、これらの接続部53,54には給水管57及び給湯管58を介して給水源(図示省略)及び給湯源(図示省略)とそれぞれ連通されるようになっている。そして、給水管57及び給湯管58から供給される水と湯との混合比が外ケース51aに内蔵された弁機構(図示省略)により調節されて、この混合水が接続管59を介して切換ユニット52へ供給されるようになっている。
切換ユニット52の外ケース52aの外周にはシャワー用接続部55及び蛇口用接続部56が一方向に向かって突設され、これらの接続部55,56にはシャワー側連結管60及び蛇口側連結管61がそれぞれ接続されるようになっている。そして、混合ユニット51から供給された水,湯あるいは混合水が、切換ユニット52を介してシャワー側連結管60または蛇口側連結管61に対して選択的に供給されるようになっている。
ところが、この混合ユニット51及び切換ユニット52においては、接続部53,54及び接続部55,56が外ケース51a,52aに固定されているが、各接続部53,54,55,56は同一方向へ突設している。このため、配管方向を変更できないため、混合ユニット51や切換ユニット52の設置箇所と配管との位置関係によっては、給水管57や給湯管58、あるいはシャワー側連結管60や蛇口側連結管61を湾曲させたり、屈曲させたりする必要がある。よって、配管接続作業が面倒で時間がかかるとともに、湾曲または屈曲度合いが大きな場合や湾曲または屈曲箇所が多い場合等には、内部を通る混合水等に対する流路抵抗が大きくなって圧力損失が大きくなり、混合水等のシャワーヘッドに対する供給が円滑に行えないおそれがあった。
このような問題点に対処するため、出願人は、図6に示すように、混合ユニット71または切換ユニット72の外ケース71a,72aの中心軸線L1,L2を中心に回動可能な接続部73,74,75,76を設けたものを出願した(特許文献1)。この水栓装置70では、混合ユニット71に設けられた給水管用接続部73,給湯管用接続部74及び切換ユニット72に設けられた蛇口用接続部75,シャワー用接続部76はすべて共通の部品で構成され、円筒状の取付部77と、その外周に突設された接続部78とを備えている。この構成によれば、各接続部73,74,75,76を各ユニット71,72の中心軸線L1,L2を中心に回動させることにより、それらの接続部78の向く方向を調節させることができて、配管方向を変更できる。
特願2002−325219号
しかしながら、前記混合ユニットや切換ユニットにおいては、接続部は、混合ユニット及び切換ユニットにそれぞれ2個ずつ設けられており、配管作業時にはすべての接続部の向きをそれぞれ調整しなければならず、配管接続作業には手間がかかっていた。また、接続部は各ユニットに複数個設けられていることから水栓装置を構成する部品点数が多くなり、水栓装置を組み立てるのに多大な時間がかかり、生産性の悪いものであった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。この発明の目的は、混合ユニット,切換ユニットの設置箇所と配管との位置関係に応じて配管接続部の接続方向を任意に変更できて、その配管作業を容易に行うことができ、しかも、部品点数を低減させた水栓装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、弁機構を収容した外ケースの外周に、弁機構と連通可能な配管接続部材を配設した水栓装置において、前記配管接続部材は外ケースの中心軸線を中心に回動可能に嵌合支持される取付部と、配管が接続される第1接続口と、第1接続口に接続される配管とは異なる配管が接続される第2接続口とを備えたものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記両接続口は取付部の外周で左右に併設されたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記両接続口は取付部の外周で、かつ取付部をはさんで同一軸線上に形成されたものである。
請求項1乃至請求項3に記載の何れの発明であっても、水栓の設置箇所と配管との位置関係に応じて、外ケースの外周における接続部材の接続方向を自在に変更することができる。よって、配管を各接続口に対して直線的に、あるいはほとんど直線的に接続させることができて、その配管作業を容易かつ短時間に行うことができる。また、配管の湾曲や屈曲を抑えることができるため、圧力損失のおそれを防止することができる。さらに、各接続口は接続部材に一体に形成されているので、部品点数を低減させることができるため、組み付けを容易に行うことができる。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態の水栓装置1は、混合ユニット2と切換ユニット18とを備えている。混合ユニット2は、水と湯との混合比を調節し、混合水とするためのものである。切換ユニット18は、混合ユニット2を通過した水,湯または混合水の供給流路の切り換えを行うためのもので、水,湯または混合水をシャワーヘッド(図示省略)あるいはカラン(図示省略)の何れか一方に供給できるようになっている。また、切換ユニット18は、水,湯または混合水の供給及び停止の切り換え及びその供給量の調節をするためのものである。前記両ユニット2,18は、それらの骨格を構成する外ケース3,19を備え、それらの外ケース3,19は中心軸線L1,L2を水平にした状態で、カウンター等の取付壁Aの内側に埋め込み状態で取り付けられている。両外ケース3,19の後端間には接続管30が架設され、この接続管30を介して混合ユニット2と切換ユニット18とが連結されている。
前記混合ユニット2の外ケース3内には水と湯との混合比を調節するための調節弁機構4が収容され、取付壁Aの外側に突出した操作軸5には温度調節ハンドル6が取付けられている。前記外ケース3の端部には調節弁機構4で調節された混合水を流出するための流出口7が形成され、この流出口7は調節弁機構4の流出部4aに連通している。そして、この流出口7に前記接続管30の一端部が結合している。
図2に示すように、前記外ケース3の外周には環状の給水口8及び給湯口9が外ケース3の中心軸線L1の延長方向において隣接してそれぞれ形成され、それらは連通孔10,10aを介して調節弁機構4の給水受け入れ部4b及び給湯受け入れ部4cに連通している。給水口8及び給湯口9の外周には、配管接続部材11がシールリング15を介して前記中心軸線L1を中心に回動可能に取り付けられている。
図3(a)及び図4に示すように、前記配管接続部材11は、中空状の取付部12と、その取付部12の外周に突設された第1接続口13及び第2接続口14とから構成され、各接続口13,14は左右に併設されている。また、配管接続部材11は、前記給水口8及び給湯口9の外周に中心軸線L1を中心として360度の何れの方向にも回動できるように嵌合支持されている。前記第1接続口13には給水管16が、第2接続口14には給湯管17がそれぞれ接続され、各管16,17の他端は給水源,給湯源と連通する止水栓がそれぞれ接続されるようになっている。
図2に示すように、前記切換ユニット18は外ケース19内に混合ユニット2から供給される混合水の流路の切り換え等を行うための切換弁機構20が収容され、取付壁Aの外側に突出した操作軸21に流路切換ハンドル22が取り付けられている。前記外ケース19の端部には混合ユニット2から供給された水,湯または混合水が流入する流入口23が形成され、この流入口23は切換弁機構20の流入部18aに連通している。そして、この流入口23に前記接続管30の他端部が結合されている。
前記外ケース19の外周には環状の第1吐出口24及び第2吐出口25が外ケース20の中心軸線L2の延長方向において隣接してそれぞれ形成され、各吐出口24,25は連通孔26,26aを介して切換弁機構20の第1吐出部18b及び第2吐出部18cにそれぞれ連通している。また、第1吐出口24及び第2吐出口25の外周には、配管接続部材11aがシールリング27を介して前記中心軸線L2を中心に回動可能に取り付けられている。
図2及び図3(b)に示すように、前記配管接続部材11aは、円筒状の取付部12aと、その取付部12aの外周に突設された第1接続口13a及び第2接続口14aとから構成され、各接続口13a,14aは取付部12aをはさんで同一軸線上に形成されている。また、配管接続部材11aは、前記第1吐出口24及び第2吐出口25の外周に中心軸線L2を中心として360度の何れの方向にも回動できるように嵌合支持されている。前記第1接続口13aにはカラン側連結管28が、第2接続口14aにはシャワー側連結管29がそれぞれ接続され、各連結管28,29の他端にはカラン(図示省略)またはシャワーヘッド(図示省略)がそれぞれ接続されるようになっている。
上記のように構成された水栓装置1の作用について説明する。
まず、この水栓装置1の混合ユニット2及び切換ユニット18をカウンター等の取付壁Aの内側に取り付ける場合、配管接続部材11,11aの向きは、その設置箇所と配管との位置関係に応じて中心軸線L1,L2を中心として回動することにより決定される。
すなわち、混合ユニット2側においては、配管接続部材11を回動させる。この状態で、第1接続口13に対して給水管16を、第2接続口14に対して給湯管17をそれぞれ接続すれば、給水管16及び給湯管17を湾曲させたり、屈曲させたりすることなく、それらを直線的あるいは直線に近い状態で接続することが可能になる。
また、同様に切換ユニット18側においても、配管接続部材11aを回動させ、この状態で、第1接続口13aに対してカラン側連結管28を、第2接続口14aに対してシャワー側連結管29をそれぞれ接続すれば、カラン側連結管28およびシャワー側連結管29を湾曲させたり、屈曲させたりすることなく、それらを直線的あるいは直線に近い状態で接続することが可能になる。
すなわち、配管接続部材11は混合ユニット2の外ケース3の中心軸線L1を中心に、配管接続部材11aは切換ユニット18の外ケース19の中心軸線L2を中心にそれぞれ回動可能であるため、配管接続部材11,11aの各接続口13,14,13a,14aは、左右何れの方向へも指向可能である。従って、給水管16及び給湯管17,カラン側連結管28及びシャワー側連結管29が何れの位置にあっても、混合ユニット2及び切換ユニット18との干渉を避ける場合を除いて、それらを湾曲や屈曲させることなく、接続口13,14,13a,14aに対して接続可能である。
そして、この水栓装置1の使用時には、混合ユニット2の温度調節ハンドル6の回動操作により、水と湯との混合比(混合水の温度)を任意に設定した状態で、切換ユニット18の流路切換ハンドル22をカラン側またはシャワー側に回動操作する。すると、給水管16及び給湯管17から混合ユニット2の各接続口13,14を介して混合ユニット2内に供給された水と湯とが、設定された混合比で混合されたり、あるいは混合されることなく、接続管30を介して切換ユニット18側に供給される。
また、切換ユニット18においては、混合ユニット2から供給される水,湯または混合水の流路は流路切換ハンドル22の回動操作によりカラン側またはシャワー側に切り換えられ、水,湯または混合水が第1接続口13aを介してカラン側連結管28または第2接続口14aを介してシャワー側連結管29に供給される。これにより、温度調節ハンドル6にて所定温度に設定され、流路切換ハンドル22の回動操作量で所定の吐水量に設定された水,湯または混合水がカランまたはシャワーヘッドから吐出される
なお、本実施形態では、混合ユニット側の配管接続部材は接続口が左右に併設され、切換ユニット側の配管接続部材は接続口が取付部をはさんで同一軸線上に形成された例を説明したが、これに限定されることはなく、例えば混合ユニット側の配管接続部材は接続口が取付部をはさんで同一軸線上に形成され、切換ユニット側の配管接続部材は接続口が左右に併設されてもよく、両ユニットに同一構造の配管接続部材を装着してもよい。また、接続口は取付部の軸心方向、即ち中心軸線方向に対して垂直に形成されているが、これに限定されることはなく、取付部の軸心方向、即ち中心軸線方向と平行に形成してもよい。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
この水栓装置1においては、水と湯との混合比を調節する混合ユニット2と、その混合ユニット2で調節された混合水の流路を切り換える切換ユニット18とが装着されている。各ユニット2,18の外ケース3,19内には弁機構4,20が収容されている。各外ケース3,19の外周には、弁機構4,20と連通可能な配管接続部材11,11aが外ケース3,19の中心軸線L1,L2を中心にして回動可能に取り付けられている。
このため、混合ユニット2及び切換ユニット18の中心軸線L1,L2を水平または略水平にすれば、水栓装置1の設置箇所と配管との位置関係に応じて、各配管接続部材11,11aの接続方向を任意の方向に指向させることができる。よって、給水管16等を各配管接続部材11,11aに対して所定の方向に沿って直線的に配管することができて、それらの配管接続作業を容易かつ短時間に行うことができる。また、配管が湾曲されたり屈曲されたりすることがほとんどないので、圧力損失のおそれを抑制することができ、混合水等を使用者に対して円滑に供給できる。
また、この水栓装置1においては、前記各ユニット2,18の配管接続部材11,11aがそれぞれ水平な中心軸線L1,L2を中心にして360度回動可能に構成されている。このため、各配管接続部材11,11aを外ケース3,18の周りで左右何れの方向にも回動させることができて、それらの配管接続部材11,11aの接続方向を配管方向に合わせて、死角が存在することなく自在に変更することができる。
さらに、この水栓装置1においては、前記両ユニット2,18の接続口13,14,13a,14aは配管接続部材11,11aに一体に形成されている。このため、水栓装置1の部品点数を低減することができるため、製造コストの低減を図ることができ、また、水栓装置の組立が容易になる。
本発明の水栓装置を取付壁に取り付けた状態を示す説明図である。 水栓装置の断面図である。 配管接続部材を示す斜視図で、(a)は接続口が左右に併設されたものを、(b)は接続口が同一軸線上に形成されたものである。 図3(a)における配管接続部材と混合ユニットの外ケースとの関係を示す説明図で、(a)は給水側を、(b)は給湯側を表したものである。 従来の水栓装置を示す平面図である。 別の従来の水栓装置を示す平面図である。
符号の説明
1 :水栓装置
2 :混合ユニット
3 :外ケース
4 :調節弁機構
11,11a :配管接続部材
12,12a :取付部
13,13a :第1接続口
14,14a :第2接続口
18 :切換ユニット
19 :外ケース
20 :切換弁機構
A :取付壁

Claims (3)

  1. 弁機構を収容した外ケースの外周に、弁機構と連通可能な配管接続部材を配設した水栓装置において、前記配管接続部材は外ケースの中心軸線を中心に回動可能に嵌合支持される取付部と、配管が接続される第1接続口と、第1接続口に接続される配管とは異なる配管が接続される第2接続口とを備えたことを特徴とする水栓装置。
  2. 前記両接続口は取付部の外周で左右に併設されたことを特徴とする請求項1記載の水栓装置。
  3. 前記両接続口は取付部の外周で、かつ取付部をはさんで同一軸線上に形成されたことを特徴とする請求項1記載の水栓装置。
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