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JP6101030B2 - シャワー水栓 - Google Patents

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JP6101030B2
JP6101030B2 JP2012213182A JP2012213182A JP6101030B2 JP 6101030 B2 JP6101030 B2 JP 6101030B2 JP 2012213182 A JP2012213182 A JP 2012213182A JP 2012213182 A JP2012213182 A JP 2012213182A JP 6101030 B2 JP6101030 B2 JP 6101030B2
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Description

本発明はシャワー水栓に関する。
シャワー水栓のシャワーの吐水流量は、カランからの吐水と異なり、使用者が吐水によって痛みを感じるほどの大流量ではいけないし、逆に、洗剤やシャンプーなどを洗い流すために長時間かかってしまったり、寒冷時に体を十分に温められないほどに少流量であってもいけない。このような支障がない適正流量は、いわゆる「最適流量」と称されており、(社)日本バルブ工業会が規定している節湯型機器の定義では、最適流量が毎分8.5L以下であることが決められている。
このような最適流量をシャワーから適切に吐水させるために、シャワーエルボなどの水栓の流路に定流量弁を組み込むものが知られている。定流量弁の最大流量を最適流量に合わせて設定することにより、ハンドル操作によって流路を開いた時に、最適流量を簡便・容易に得ようとするものである。また、一般的な吐水ハンドルの操作により吐水流量を連続的に変化させる吐水流量調整手段によって、使用者が吐水量を自ら調整して最適流量の吐水を得ることも可能ではある(特許文献1)。
特開平11−158956号公報(図1から図3)
しかしながらこの定流量弁を組み込んだ従来のシャワー水栓では、定流量弁によって定められた流量よりも大きな流量の吐水を得ることができない。浴室内の洗浄時など最適流量を超えてシャワー吐水を行いたい場合もあるが、従来のシャワー水栓ではこのようなシャワーの使用態様に対応できないという問題があった。また、一般的な吐水ハンドルの操作により吐水流量を連続的に変化させる吐水流量調整手段によってシャワー水栓の最適流量の吐水を得ることも可能ではあるが、最適流量への吐水ハンドルの調整は簡単ではない。また、シャワー水栓の設置場所により給水圧が異なる場合があることや、設置場所により他の給水栓を同時に使用することにより、給水圧が変化する場合があることから、シャワー水栓の設置場所により吐水ハンドルの操作位置が同じであっても流量が異なってしまう恐れがあるため、最適流量を得難いという問題もある。
本発明は前述した従来技術の問題点を解決しようとするものであり、最適流量への調整を簡便・容易に行うことができるシャワー水栓を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明の第一の手段のシャワー水栓は、水栓本体のシャワー側流路内に定流量弁を備え、前記定流量弁のみを通じておこなわれる第一の吐水態様と、前記定流量弁及び前記定流量弁以外の吐水を含めた第二の吐水態様とを選択することができる操作部を備え、前記操作部は、前記吐水態様からの吐水量を調整可能に回動操作可能な吐水ハンドルに設けられ、前記吐水ハンドルの所定角度以上の回動操作を規制するとともに前記規制を解除可能なストッパーであり、前記所定角度未満の回動操作時には前記定流量弁のみを通じて第一の吐水態様をおこない、前記所定角度以上の回動操作時には、前記定流量弁からの吐水及び前記定流量弁以外の吐水を含めた第二の吐水態様をおこなうことを特徴とするシャワー水栓である。
このように水栓本体内に定流量弁を設けて二つの吐水態様を選択可能とすることにより、「最適流量」と、これを超える通常の流量とを簡便に得ることができる。「第一の吐水態様と第二の吐水態様とを選択することができる操作部」としては、特に限定されないが、一方の吐水態様を規制するストッパーや、二つの吐水態様を選択的に切り換える操作ボタンなどを例示することができる。また、定流量弁のみを通じた第一の吐水態様により最適流量を得ることができるので、所定以上の給水圧があれば吐水量を一定にすることができ、給水・給湯源の給水圧の変化などによる第一の吐水態様の吐水量の変動などが生ずる可能性を低くすることができる。
また、第一の吐水態様と第二の吐水態様とを、吐水ハンドルの回動操作により選択可能とするとともに、定流量弁による所定の流量を超えて通常の吐水をおこなうばあいにはストッパーによって吐水ハンドルの回動操作規制を解除することを要求するように構成されている。したがって、吐水ハンドルの回動がストッパーによって規制されていれば、特に微調整を要することなく最適流量を簡便・迅速に得ることができ、最適流量を得る際の利便性に富む。
また、本発明の第二の手段のシャワー水栓は、前記水栓本体には、シャワー側流路に連通可能であるとともに前記定流量弁にのみ連通される定流量弁用弁口と、前記シャワー側流路に前記定流量弁を介さず連通可能なシャワー用弁口が設けられ、前記吐水ハンドルの前記所定角度未満の回動操作においては定流量弁用弁口のみが開口されて前記第一の吐水態様をおこない、前記吐水ハンドルの前記所定角度以上の回動操作においては前記定流量弁用弁口が全開状態で開口されるとともにシャワー用弁口が開口されて前記第二の吐水態様をおこなうことを特徴とする第一の手段に記載のシャワー水栓である。
このように構成することにより、吐水ハンドルの所定角度未満の回動操作においては定流量弁用弁口のみが開口されることとして、定流量弁のみを通じた吐水をおこない第一の吐水態様をおこなうことができる。そして、吐水ハンドルの所定角度以上の回動操作をおこなった際には、定流量弁を通じた吐水については定流量弁用弁口が全開状態とされ、これにシャワー用弁口からの流量が上乗せされることになる。よって、所定角度から徐々に回動操作をおこなう際には、所定の最適流量から徐々に流量が増加することになり、第二の吐水態様への切り換え時に流量が急激に増加するような問題が無く、シャワーの使用感の不快な変動を減少させることができる。
また、本発明の第三の手段のシャワー水栓は、シャワーに接続するために水栓本体に備えられたシャワーエルボ内に、弁体を備えた定流量弁及び前記弁体により閉止可能な弁口を設け、前記弁体には、前記弁口を閉止した際に前記弁口と前記定流量弁とを連通する開口部を備え、前記シャワーエルボに取り付けられた操作部により前記弁体を前記弁口に対して圧着・離間自在に設け、前記操作部は前記水栓本体の上部よりもさらに上方に突出されて設けられ、前記弁体が前記弁口に圧着された際には、前記弁体の前記開口部からのみ前記弁口に、前記水栓本体から通水可能に設けた第一の吐水態様とするとともに、前記弁体が前記弁口から離間された際には、前記弁体の前記開口部以外からも前記水栓本体から通水可能に設けた第二の吐水態様とすることを特徴とするシャワー水栓である。

このようにシャワーエルボ内に操作部及び定流量弁を備えることにより、操作部の切り換えにより、第一の吐水態様と第二の吐水態様を切り換えることができる。よって、最適流量と通常の流量との切り換えは、操作部の切り換え操作だけで足り、特に微調整を要することなく最適流量を簡便・迅速に得ることができ、最適流量を得る際の利便性に富む。また、シャワーエルボ内の構造を変えるだけでこのような二つの吐水態様を得ることができるシャワー水栓とすることができる。
本発明のシャワー水栓は前述のように構成されているので、定流量弁による最適流量とそれ以上の流量となる通常の流量との選択を簡便・迅速におこなうことができる。また、定流量弁のみを通じた第一の吐水態様により最適流量を得ることができるので、所定以上の給水圧があれば、シャワー水栓の設置場所がどこであっても、吐水量を一定にすることができ、給水・給湯源の給水圧の変化などによる第一の吐水態様の吐水量の変動などが生ずる可能性を低くすることができる。
本発明のシャワー水栓の平面視一部断面図である。 本発明のシャワー水栓の側面図である。 止水状態のシャワー水栓の要部拡大一部断面図である。 止水状態から吐水ハンドルを60度回転操作して定流量弁のみを全開にした第一の吐水態様を示すシャワー水栓の要部拡大一部断面図である。 止水状態から吐水ハンドルを120度回転操作して全開にした第二の吐水態様を示すシャワー水栓の要部拡大一部断面図である。 図6は、連通孔の開口位置を説明するためのシャワー水栓の側面図である。 図7は、弁口の開口位置を説明するためのシャワー水栓の側面図である。 本発明の別のシャワー水栓の側面視断面図である。 図8のシャワー水栓の第一の吐水態様を示す要部拡大断面図である。 図8のシャワー水栓の第二の吐水態様を示す要部拡大断面図である。
次に、本発明の実施の形態について図を参考にして詳細に説明する。図1及び図2に示されるように、本発明のシャワー水栓1は、内蔵されるサーモスタット式ミキシングバルブ16において吐水温度を調整し、シャワーエルボ2に接続されたシャワー(図示省略)とカラン3から選択的に吐水を行えるように構成されるものである。より具体的には、温度調節ハンドル4を設定温度に回転調節することにより、サーモスタット式ミキシングバルブ16によって水側流路26及び湯側流路28から流入される湯及び水を適宜量混合できる。そして、吐水ハンドル5を回転操作することにより、水栓本体10内の吐水切換弁ユニット30を駆動し、吐水ハンドル5を、右側面視において止水位置から左回りに回転させることにより、カラン3から湯水を吐水させ、一方、右側面視において止水位置から右回りに回転させることによりシャワー(図示省略)から湯水を散水させることができるように構成されている。
水栓本体10は、図1に示されるように、横長の筒状に全体が形成されている。水栓本体10の背面側には、平面視左寄りから順に、内部の流路に連通される湯側接続部12、シャワーエルボ接続部13及び水側接続部14が突設されている。湯側接続部12と水側接続部14とには、各々、給湯源側に接続される湯側クランク6、給水源側に接続される水側クランク7が接続されている。湯側クランク6及び水側クランク7には、止水及び流量調節を行うことのできる止水弁8が取り付けられている。なお、内部を流通する湯水によって熱せられた表面に触れないようにするために、湯側クランク6にはカバー9が被覆されている。また、図2に示されるように、水栓本体10の下面中央には、カラン3が接続されるカラン接続部11が突設されている。また、水栓本体10内には、その長手方向に沿って、筒状に形成されたミキシングバルブ収容室20と吐水切換弁ユニット収容室21とがその軸心を同一線上に揃えて、かつ連通されるように形成されている。
図1に示されるように、水栓本体10の平面視左側には、温度調節ハンドル4が回動自在に取り付けられている。温度調節ハンドル4は、水栓本体10の左寄りに内蔵されたサーモスタット式ミキシングバルブ16のスピンドル17に固定されており、スピンドル17を介して、サーモスタット式ミキシングバルブ16を操作することができる。水栓本体10内においては、ミキシングバルブ収容室20に連通するように、湯側接続部12を通じて給湯源側に接続される湯流入室18と、水側接続部14を通じて給水源側に接続される水流入室19とが形成されており、サーモスタット式ミキシングバルブ16内には、これらの湯流入室18及び水流入室19から、湯及び水が流入可能に設けられている。
温度調節ハンドル4と反対側の水栓本体10の右側には、吐水ハンドル5が回動自在に取り付けられている。吐水ハンドル5は、水栓本体10の右寄りに内蔵された吐水切換弁ユニット30のスピンドル31に固定されている。水栓本体10内の吐水切換弁ユニット収容室21は、カラン接続部11側に接続されるカラン側流路22と、シャワーエルボ2側に接続されるシャワー側流路24とが連通するように形成されており、吐水切換弁ユニット30内に流入された湯水が、これらのカラン側流路22又はシャワー側流路24のいずれかに流出可能に構成されている。
ついで、吐水切換弁ユニット30について説明する。図1に示されるように、吐水切換弁ユニット30は水栓本体10内の吐水切換弁ユニット収容室21内に嵌装されており、そのスピンドル31の外周周りにおいて噛合固定された吐水ハンドル5による回動操作が可能に構成されている。また、吐水ハンドル5には、図2に示されるように、水栓本体10側に対して、止水状態からシャワー吐水側(シャワー水栓正面視において手前から上方側)に約60度回動操作をした角度以上の回動操作を規制するストッパー15が取り付けられており、このストッパー15を押すことにより吐水ハンドル5の水栓本体10側に対する係止が解除され、止水状態の位置から約120度の角度にいたるまでさらに回動操作をすることができるように構成されている。また、止水状態からカラン吐水側(シャワー水栓正面視において手前から下方側)に回動操作をすることができる。
図1、図2に示されるように、吐水切換弁ユニット30のユニット本体32は円筒状に形成されており、円筒状のケーシング34と、このケーシング34内にスピンドル31と一体的に回動自在に内挿された円筒状の切換弁体ユニット50とから構成されている。ケーシング34には、吐水切換弁ユニット30が水栓本体10に取り付けられた状態において水栓本体10の正面側に位置する部位に、ケーシング34の内外を連通して開口する連通孔35,36a,36b,37a,37bが設けられている。また、これらの連通孔35,36a,36b,37a,37bは、ケーシング34の外周方向に沿ってその長手方向が向けられた長円形状に形成されている。
また、これらの連通孔は、スピンドル31側から順に、定流量弁用連通孔35、二つのシャワー用連通孔36a,36b、二つのカラン用連通孔37a,37bという順序で設けられている。図6に示されるように、これらの定流量弁用連通孔35、シャワー用連通孔36a,36b、カラン用連通孔37a,37bはシャワー水栓1の正面側において、ケーシング34の外周面の軸心周りにおいて、それぞれ、中心線から上下に約35度ずつ約70度の範囲に、軸心周りにおけるそれぞれの端部を揃えて形成されている。
そして、吐水切換弁ユニット30が水栓本体10に取り付けられた際には、水栓本体10のシャワー側流路24に連通する位置に、定流量弁用連通孔35及びシャワー用連通孔36a,36bが臨む。また、同様に、シャワー用連通孔36a,36bもシャワー側流路24に臨む。一方、カラン用連通孔37a,37bは、吐水切換弁ユニット30が水栓本体10に取り付けられた際にはカラン側流路22に臨む。
一方、このケーシング34内に内挿された切換弁体ユニット50の側面には、スピンドル31側から順に、定流量弁用弁口52、二つのシャワー用弁口54a、54b、二つのカラン用弁口56a,56bが開設されている。図3、及び図3の状態から切換弁体ユニット50をシャワー吐水側に60度回転した図4に示されるように、定流量弁用弁口52及びシャワー用弁口54a,54bは切換弁体ユニット50の軸心周りに長く形成された長円形状に設けられている。これらの定流量弁用弁口52とシャワー用弁口54a,54bはほぼ同形状に形成されているが、定流量弁用弁口52とシャワー用弁口54a,54bとは切換弁体ユニット50の軸心周りに変位した位置に形成されている。具体的には、図7に示されるように、定流量弁用弁口52は、スピンドル31側から見て、切換弁体ユニット50の軸心周りにおいて、止水位置から左回り方向に約47.5度の位置から始まり、約115度の範囲にわたって開口されている(矢印A)。そして、シャワー用弁口54a、54bは、スピンドル31側から見て、切換弁体ユニット50の軸心周りにおいて、止水位置から左回り方向に約107.5度の位置から始まり、約55度の範囲にわたって開口されている(矢印B)。また、二つのシャワー用弁口54a,54bは切換弁体ユニット50の軸心周りに同位置に平行に形成されている。このように、シャワー用弁口54a,54bが開口される操作位置においては、定流量弁用弁口52は常に開口されるように構成されている。
また、図3に示されるように、二つのカラン用弁口56a,56bは、前述した定流量弁用弁口52及びシャワー用弁口54a,54bよりもやや長い長円形状に形成されている。図7に示されるように、カラン用弁口56a,56bは、スピンドル31側から見て、切換弁体ユニット50の軸心周りにおいて、止水位置から右回り方向に約47.5度の位置から始まり、約85度の範囲にわたって開口されている(矢印C)。また、二つのカラン用弁口56a,56bは切換弁体ユニット50の軸心周りに同位置に平行に形成されている。
そして、定流量弁用連通孔35、シャワー用連通孔36a,36b、カラン用連通孔37a,37bのケーシング34の軸心方向における幅は、すべてほぼ同一に形成されている。また、定流量弁用弁口52、シャワー用弁口54a、54b、カラン用弁口56a,56bの切換弁体ユニット50の軸心方向における幅は、いずれも前述した各連通孔35,36a,36b,37a,37bとほぼ同じ幅に形成されている。そして、切換弁体ユニット50がケーシング内に内挿された状態においては、吐水切換弁ユニット30の軸心方向において、定流量弁用連通孔35と定流量弁用弁口52、二つのシャワー用連通孔36a,36bと二つのシャワー用弁口54a,54b、二つのカラン用連通孔37a,37bと二つのカラン用弁口56a,56bが、それぞれ一致するような位置関係に配設されており、吐水ハンドル5の回動操作により、各連通孔35,36a,36b,37a,37bと各弁口52,54a,54b,56a,56bとが、後述するように各々連通可能となるように構成されている。
また、切換弁体ユニット50の内部において、定流量弁用弁口52が形成されている部位には、定流量弁用弁口52から流出する流量を所定の流量までに制限する定流量弁60が取り付けられている。定流量弁60は公知の種々のものを用いることができるが、ここでは、シャワー吐水を浴びる際に使用者が最適と感じる流量とされるいわゆる「最適流量」を最大流量として確保できるものを用いており、具体的には毎分8.5L(節湯型規格の定義)という流量を最大にして定められている。
ついで、前述のように構成されたシャワー水栓1における吐水ハンドル5による吐水量調整について説明する。止水状態においては、図3に示されるように、ケーシング34内における切換弁体ユニット50は、吐水切換弁ユニット30のスピンドル31側から見て、ケーシング34の各連通孔35,36a,36b,37a,37bの吐水切換弁ユニット30の軸心周りの中心位置から約90度右回りの位置に、カラン用弁口56a,56bが位置するような位置関係で内挿されている。そして、この止水状態においては、定流量弁用連通孔35と定流量弁用弁口52、二つのシャワー用連通孔36a,36bと二つのシャワー用弁口54a,54b、二つのカラン用連通孔37a,37bと二つのカラン用弁口56a,56bとのいずれもが連通されていない。
シャワー水栓1においてシャワーからの吐水を行うには、前述の通り、シャワー水栓1の右側面視において、吐水ハンドル5を止水位置から右回りに回転させる。すると、ケーシング34に設けられた定流量弁用連通孔35と、切換弁体ユニット50に設けられた定流量弁用弁口52とが連通を始め、ミキシングバルブ収容室20から切換弁体ユニット50内に流入されている湯水がシャワー側流路24に流れ始める。図2中に示される点線Aのように吐水ハンドル5を右回りに60度回動操作すると、定流量弁用連通孔35と定流量弁用弁口52とは最大面積で連通した状態となり、シャワー側流路24には定流量弁60の最大流量である毎分8.5Lが流れることになる(図4)。この状態の吐水態様が本発明の「第一の吐水態様」の一例となる。
この吐水ハンドル5の操作位置においては、前述の通り、ストッパー15により、吐水ハンドル5のそれ以上の回動操作が規制される。なお、止水位置に戻すようにして吐水量を少なくすることは可能である。したがって、吐水ハンドル5の操作を細かく調整することなく、ストッパー15によって規制されるまで吐水ハンドル5を一気に回すだけで、極めて簡便・迅速に「最適流量」を得ることができる。なお、ストッパー15の代わりに「ノッチ」などを設け、最適流量を超える操作が行われることを使用者に覚知させる覚知手段を設けることとして、実際に流量を確かめなくても、ノッチが無くなるまで戻すことにより最適流量に容易に調整するようにすることもできる。
また、定流量弁60の最大流量である最適流量を超えた流量を得たい場合には、ストッパー15を押して吐水ハンドル5の回動操作規制を解除して、止水位置から約60度回動操作された位置から、シャワー水栓1の右側面視において、吐水ハンドル5を右回りにさらに回動させる。吐水ハンドル5は、図2に示される点線Bのように、止水位置から最大で約120度右回りに回動させることができる。ストッパー15により規制される位置から吐水ハンドル5を徐々に回動させる際には、定流量弁用連通孔35と定流量弁用弁口52とは最大面積で連通して重なったまま、シャワー用連通孔36a,36bとシャワー用弁口54a,54bの重なる面積が徐々に増えていき、前述したように約120度右回りに回動させた際にはシャワー用連通孔36a,36bとシャワー用弁口54a,54bの重なる面積も最大となるように構成されている(図5)。したがって、ストッパー15を解除して止水位置から約60度の位置からさらに約120度の位置まで吐水ハンドル5を操作する際には、定流量弁60から流れる最大8.5Lの流量に加えて、シャワー用連通孔36a,36bとシャワー用弁口54a,54bの重なる面積が徐々に増えていく分だけ流量が上乗せされる。よって、吐水態様の切り換え時に、最適流量から流量が一気に増加するなどの支障はない。そして、吐水ハンドル5を約120度まで回動した際には、給水・給湯源の給水圧が所定以上得られていれば、定流量弁60を通じて得られる流量とシャワー用連通孔36a,36bとシャワー用弁口54a,54bの重なる面積が最大となる際に得られる流量とを合わせた流量を得ることができる。この状態の吐水態様が本発明の「第二の吐水態様」の一例となる。なお、シャワー水栓1の右側面視において、吐水ハンドル5を止水位置から右回りに回転させると、カラン用連通孔37a、37bとカラン用弁口56a,56bとが重なり合って連通し、カラン側流路22を通じてカラン3から吐水がおこなわれる。
ついで、本発明の別のシャワー水栓101について説明する。図8に示されるように、このシャワー水栓101では前述のシャワー水栓1とは異なり、吐水切換弁ユニット収容室21内に定流量弁を設けるのではなく、シャワーエルボ102内に定流量弁160を設けている。なお、以下において前述したシャワー水栓1と共通する構成については、図面中に同じ符号を付して説明を省略する。シャワー水栓101の水栓本体110は通常の水栓本体と同様の構成を採用しており、吐水ハンドル105を回動操作することにより、シャワーからの吐水をおこなうことができる。吐水ハンドル105には前述したようなストッパーは取り付けられておらず、シャワー吐水側(シャワー水栓101の右側面視において、吐水ハンドル5を右回り)に最大流量となるまで、解除操作を要することなく回動操作することができる。
図9に示されるように、シャワーエルボ102は、「T字」状に形成されており、水栓側接続部104及びホース接続部103を備え、ホース側接続部103の一端側に螺合された円筒接続部106とを備えている。円筒接続部106が螺合された奥端にはリング状部材108が取り付けられており、このリング状部材108の内側に弁口111が開口されている。
前述した定流量弁160は、シャワーエルボ102のホース側接続部103内において、スリーブ180内を摺動自在に取り付けられており、リング状部材108の弁口111に対して進退自在に取り付けられている。円筒状の定流量弁160の側部162には定流量弁160の内外を連通する流通部164が開口されている。定流量弁160の先端には径方向外側に向けて周設された鍔部166が形成されており、この鍔部166の端面に開口部169を備えた弁体168が取り付けられている。また、定流量弁160の鍔部166と反対側には軸部170が突設されている。
シャワーエルボ102のホース側接続部103のうち、円筒部材106が螺合された一端側と反対側の他端側には、シャワー水栓101の上方に突出して露呈される操作ボタン172が取り付けられたハートカム174が内蔵されている。定流量弁160は、その軸部170をハートカム174内において摺動自在に保持されながら、コイルばね176によって、弁口111方向に付勢されている。また、軸部170のハートカム174に対する抜け止めのために、軸部170先端にはCリング171が取り付けられている。また、ハートカム174は、ホース側接続部103内に取り付けられたスリーブ180に対して、コイルばね178によって弁口111と反対方向に付勢されながら係止されている。なお、操作ボタン172は、水栓本体110の上部よりもさらに上方に突出されて設けられており、使用者が容易に操作することができ、定流量と通常の流量との切換を簡便・迅速におこなえるように構成されている。
このように構成されたシャワー水栓においてシャワーからの吐水を行うには、前述の通り、シャワー水栓101の右側面視において、吐水ハンドル105を右回りに回転させる。この際に、図9に示されるように、操作ボタン172を押し込んでハートカム174を没入させた状態としておくと、定流量弁160が弁口111方向に移動され、定流量弁160の弁体168は弁口111に圧着される。弁体168が弁口111に圧着された状態では、水栓側接続部104から流れてくる湯水は定流量弁160の側部162に形成された流通部164を通じて、定流量弁160だけを通して円筒接続部106側、すなわちシャワー側に流れる。したがって、この場合には、定められた定流量(毎分8.5L)を上限にしてシャワーの吐水が行われる。よって、吐水ハンドル105の操作によるシャワーの吐水量は、この定流量を上限にして、吐水ハンドル105の操作量によって連続的に増減させることができる。この状態の吐水態様が本発明の「第一の吐水態様」の一例となる。
一方、この定流量吐水の状態から操作ボタン172を押し込むと、図10に示されるようにハートカム172が突出した状態となり、これに伴い定流量弁160は弁口111と反対方向に移動し、弁体168は弁口111から離間した状態となる。弁体168が弁口111から離間した状態では、水栓側接続部104から流れてくる湯水は、定流量弁160の側部162に形成された流通部164を通じてのみ円筒接続部106側に流れるのではなく、弁体168と弁口111との間の隙間からも流れる。したがって、シャワーの吐水量は、給水・給湯源からの給水圧が所定以上得られていれば、吐水ハンドル105の操作量によって連続的に増減させることができる。この状態の吐水態様が本発明の「第二の吐水態様」の一例となる。
このように、操作ボタン172の押動操作により、シャワーからの最大吐水量を定流量と通常の吐水量とに簡便・迅速に切り換えることができる。より具体的には、操作ボタン172を押し込んで定流量を最大吐水量としておけば、吐水ハンドル105の操作を細かく調整することなく、吐水ハンドル105を一気に回すだけで、極めて簡便・迅速に「最適流量」を得ることができる。また、定流量弁160の最大流量である「最適流量」を超えた通常の流量を得たい場合には、この状態から操作ボタン172を押した上で、吐水ハンドル105を回動操作するだけで良い。
本発明の実施の形態は前述のように構成されているが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の主旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、前述の例では、サーモスタット式ミキシングバルブを用いたシャワー水栓1,101に適用した例を示したが、2ハンドル式の湯水混合水栓に適用することもできる。またさらには、湯水混合水栓のみならず、例えば海水浴場におけるシャワー水栓など、水のみを吐水するシャワー水栓に適用することもできる。また、カランを備えずシャワーのみを備えるシャワー水栓に適用することもできる。
本発明は種々のシャワー水栓に広く利用することができる。
1;シャワー水栓、2;シャワーエルボ、3;カラン、4;温度調節ハンドル、5;吐水ハンドル、6;湯側クランク、7;水側クランク、8;止水弁、9;カバー、10;水栓本体、11;カラン接続部、12;湯側接続部、13;シャワーエルボ接続部、14;水側接続部、15;ストッパー、16;サーモスタット式ミキシングバルブ、17;スピンドル、18;湯流入室、19;水流入室、20;ミキシングバルブ収容室、21;吐水切換弁ユニット収容室、22;カラン側流路、24;シャワー側流路、26;水側流路、湯側流路28、30;吐水切換弁ユニット、31;スピンドル、32;ユニット本体、34;ケーシング、35;定流量弁用連通孔、36a,36b;シャワー用連通孔、37a,37b;カラン用連通孔、50;切換弁体ユニット、52;定流量弁用弁口、54a、54b;シャワー用弁口、56a,56b;カラン用弁口、60;定流量弁、101;シャワー水栓、102;シャワーエルボ、103;ホース接続部、104;水栓側接続部、105;吐水ハンドル、106;円筒接続部、108;リング状部材、110;水栓本体、111;弁口、160;定流量弁、162;側部、164;流通部、166;鍔部、168;弁体、169;開口部、170;軸部、171;Cリング、172;操作ボタン、174;ハートカム、176;コイルばね、178;コイルばね、180;スリーブ。


Claims (3)

  1. 水栓本体のシャワー側流路内に定流量弁を備え、前記定流量弁のみを通じておこなわれる第一の吐水態様と、前記定流量弁及び前記定流量弁以外の吐水を含めた第二の吐水態様とを選択することができる操作部を備え
    前記操作部は、前記吐水態様からの吐水量を調整可能に回動操作可能な吐水ハンドルに設けられ、前記吐水ハンドルの所定角度以上の回動操作を規制するとともに前記規制を解除可能なストッパーであり、前記所定角度未満の回動操作時には前記定流量弁のみを通じて第一の吐水態様をおこない、前記所定角度以上の回動操作時には、前記定流量弁からの吐水及び前記定流量弁以外の吐水を含めた第二の吐水態様をおこなうことを特徴とするシャワー水栓。
  2. 前記水栓本体には、シャワー側流路に連通可能であるとともに前記定流量弁にのみ連通される定流量弁用弁口と、前記シャワー側流路に前記定流量弁を介さず連通可能なシャワー用弁口が設けられ、前記吐水ハンドルの前記所定角度未満の回動操作においては定流量弁用弁口のみが開口されて前記第一の吐水態様をおこない、前記吐水ハンドルの前記所定角度以上の回動操作においては前記定流量弁用弁口が全開状態で開口されるとともにシャワー用弁口が開口されて前記第二の吐水態様をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のシャワー水栓。
  3. シャワーに接続するために水栓本体に備えられたシャワーエルボ内に、弁体を備えた定流量弁及び前記弁体により閉止可能な弁口を設け、前記弁体には、前記弁口を閉止した際に前記弁口と前記定流量弁とを連通する開口部を備え、前記シャワーエルボに取り付けられた操作部により前記弁体を前記弁口に対して圧着・離間自在に設け、前記操作部は前記水栓本体の上部よりもさらに上方に突出されて設けられ、前記弁体が前記弁口に圧着された際には、前記弁体の前記開口部からのみ前記弁口に、前記水栓本体から通水可能に設けた第一の吐水態様とするとともに、前記弁体が前記弁口から離間された際には、前記弁体の前記開口部以外からも前記水栓本体から通水可能に設けた第二の吐水態様とすることを特徴とするシャワー水栓。
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