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JP4483610B2 - フッ素ゴム−金属積層ガスケット素材 - Google Patents

フッ素ゴム−金属積層ガスケット素材 Download PDF

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JP4483610B2
JP4483610B2 JP2005031352A JP2005031352A JP4483610B2 JP 4483610 B2 JP4483610 B2 JP 4483610B2 JP 2005031352 A JP2005031352 A JP 2005031352A JP 2005031352 A JP2005031352 A JP 2005031352A JP 4483610 B2 JP4483610 B2 JP 4483610B2
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Description

本発明は、フッ素ゴム-金属積層ガスケット素材に関する。さらに詳しくは、エンジンシリンダヘッド用ガスケット等として好適に用いられるフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材に関する。
耐LLC(ロングライフクーラント)性が必要とされるエンジンシリンダヘッド用ガスケットにはステンレス鋼が用いられるが、ステンレス鋼に直接加硫接着剤を適用し、そこにゴムを加硫接着させても耐液接着耐久性が悪く、浸漬試験を実施すると接着剥離を発生するようになる。
この対策として、加硫接着剤塗布の前処理として、ステンレス鋼表面にクロメート処理が施され、水やLLC水溶液に対する耐性を向上させることが行われているが、6価クロムを含有しないクロムフリー処理への要望が強くなってきている。
本出願人は先に、金属板/アルコキシシランの加水分解物または部分縮合物下塗り接着剤/フェノール樹脂系上塗り接着剤/フッ素ゴムからなるフッ素ゴム-金属積層板において、フェノール系接着剤としてジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂およびレゾール型フェノール樹脂を含有する加硫接着剤を用いることを提案している。このフッ素ゴム-金属積層板は、水やLLC水溶液等の単純な各種水性液に対する浸漬試験では、かなりの高温で長時間迄耐えることが確認されている。しかしながら、このようなフッ素ゴム-金属積層板やそれを素材として用いたガスケットでは、実使用環境において同時に異種金属が同一液中で接触している場合が多く、このような場合にはゴム金属積層板と異種金属間に電位が発生し、接着剥れが促進されてしまう現象がみられる。
特開2004−202725号公報
本出願人は、フッ素ゴム-ステンレス鋼積層体を水やLLC水溶液のような電解質に接触させて使用する場合、同一液中にアルミニウムや鉄等の腐食し易い金属が存在すると積層体金属との間に電位が発生し、アルミニウムや鉄等が腐食反応(アノード反応)を起すと共に、積層体のステンレス鋼表面においてカソード反応が起り、これが原因となって接着剥れを発生させるという現象のあることを見出した。それの顕著な例として、アルミニウム製エンジンシリンダヘッド用ガスケットとしてフッ素ゴム-ステンレス鋼積層体を使用すると、同じような温度条件下で積層体単体を浸漬試験したものと比べ、短時間でブリスター、接着剥れ等の現象が発生する事例が挙げられる。
このような現象を実験室的に再現できる方法が必要であり、そのためにゴムステンレス鋼積層板と水素よりもイオン化エネルギーの小さい金属、例えばアルミニウム板とを試験液中に浸漬し、その際頂部付近は液面より上部に位置するように半浸漬状態として、浸漬液露出部分同士を直接または導線を介して接触させ、例えばゴムステンレス鋼積層板と水素よりもイオン化エネルギーの小さい金属の板状体とを逆V字型で接するように試験液中に浸漬した状態として、液中では互いに接触しない状態で所定時間浸漬した後、積層板について特性値の低下状態の測定または評価を行う耐試験液性確認評価方法が先に提案されている。
特開2005−49257号公報
本発明の目的は、ガスケットとしての実使用環境下において、電解質中で異種金属と同時に使用されても接着剥れを生ぜず、上記耐試験液性確認評価方法においても、十分な接着性を保持していると評価し得るフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材を提供することにある。
かかる本発明の目的は、鉄、アルミニウム、銅またはそれらの合金の板状体あるいはステンレス鋼板よりなる金属板上に、ジルコニウム元素、リン元素およびアルミニウム元素を含有する表面処理剤層、シリカ含有樹脂系加硫接着剤層およびフッ素ゴム層を順次積層してなるフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材によって達成される。表面処理剤層中のジルコニウムとリンとは95:5〜60:40の元素質量比率で、またジルコニウムとアルミニウムとは90:10〜10:90の元素質量比率でそれぞれ用いられる。
本発明に係るフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材は、ガスケットとしての実使用環境下において、水、LLC水溶液等の電解質中でアルミニウム、鉄等のステンレス鋼とは異種の金属と同時に使用されても接着剥れを生じない。また、上記耐試験液性確認評価方法においても、十分な耐水接着性や耐LLC接着性を保持している。さらに、クロメート処理したステンレス鋼にフッ素ゴムを加硫接着させたフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材においても、このような耐試験液性確認評価方法を長時間実施すると剥れが発生するが、本発明のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材ではそのようなこともなく、クロメート処理ゴム金属積層板以上の耐水性能を有するクロムフリーフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材を与えることができる。
したがって、本発明のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材は、エンジンシリンダヘッド用ガスケットとして有効に用いられるばかりではなく、耐水性を必要とする自動車、工業機械用等のゴム金属複合部品としても用いることができる。
金属板としては、鉄、アルミニウム、銅またはそれらの合金の板状体あるいはステンレス鋼板が用いられ、一般にはSUS301、SUS301H、SUS304、SUS430等のステンレス鋼板が用いられる。これらの金属板上には、ジルコニウム、リンおよびアルミニウムの各元素を含有する表面処理剤層が形成される。
この表面処理剤層において、ジルコニウムとアルミニウムの元素質量比率が90:10〜10:90、好ましくは70:30〜30:70、またジルコニウムとリンの元素質量比率が95:5〜60:40、好ましくは90:10〜68:32の割合で形成される。アルミニウムの量がこれより多いと、造膜不良が生じたり、皮膜が脱離し易くなり、一方これより少ないと、耐熱性および耐水性が低下するようになる。また、リンの量がこれより多いと耐熱性が低下し、一方これより少ないと造膜不良を生じる。
これらの皮膜中のジルコニウム成分としては、リン酸ジルコニウムまたは酸化ジルコニウムの形で存在しているが、リン酸ジルコニウムの形で存在していることが好ましい。これらを形成させるための成分としては、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、酸化ジルコニウム等含有した処理液が用いられるが、好ましくは炭酸ジルコニウムアンモニウムを含有した処理液が用いられる。アルミニウムは、けい酸アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどが含有している処理液によって、皮膜中に存在させるが、酸化アルミニウムの形で存在させるのが好ましい。皮膜中のリン成分は、リン酸を添加することによって供給されるが、その添加量はZr:P質量比率が95:5〜60:40になるように調整される。
また、表面処理剤中には、その効果を高めまた液の安定性を確保する目的で、リン酸、硝酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸、水酸化アンモニウム(アンモニア水)、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン、コリン等の含窒素アルカリ性化合物などを添加することもできる。
表面処理剤は、以上の各成分を水中に溶解または分散させた液として、アルカリ等で脱脂された鋼板、好ましくはステンレス鋼板上に噴霧、浸漬、刷毛塗り、ロールコータ等の方法によって、片面目付け量が約10〜1000mg/m2、好ましくは約50〜500mg/m2となるように塗布され、室温または温風下で乾燥させた後、約100〜250℃で約0.5〜20分間程度焼付け処理が実施される。
表面処理剤処理が施された鋼板、好ましくはステンレス鋼板上には、さらにシリカ含有樹脂系加硫接着剤層が形成される。
シリカ(酸化けい素)としては、SiO2含有量が85%以上の乾式または湿式シリカを有機溶媒または水中にて分散させたもの、好ましくは高純度の無水シリカの微粒子を有機溶媒または水中にて分散させ、コロイド状としたいわゆるコロイダルシリカが用いられる。コロイダルシリカとしては、平均粒径が1〜50nm、好ましくは10〜30nmのものであって、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒に分散されているものが用いられ、例えば市販品であるメタノールシリカゾル(日産化学工業製品:メタノール中に固形分濃度30重量%で分散したもの)、スノーテックスMEK-ST(同社製品;メチルエチルケトン中に固形分濃度30重量%で分散したもの)、スノーテックスMIBK-ST(同社製品;メチルイソブチルケトン中に固形分濃度30重量%で分散したもの)などが用いられる。
このようなシリカは、一般に熱硬化性フェノール樹脂中に分散させた状態であるいは未加硫のフッ素ゴム(コンパウンド)と併用された状態で用いられる。
加硫接着剤の一成分として用いられるフェノール樹脂としては、レゾール型のフェノール樹脂の他、ジヒドロベンゾオキサジン環を有するフェノール樹脂も用いられ、これらのフェノール樹脂と共に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂等他の熱硬化性樹脂を併用することもでき、さらに未加硫のフッ素ゴムまたはそれのコンパウンドを添加して用いることもできる。
レゾール型フェノール樹脂としては、フェノール、p-クレゾール、m-クレゾール、p-第3ブチルフェノール、p-フェニルフェノール、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基に対してo-位および/またはp-位に2個または3個の置換可能な核水素原子を有するフェノール類またはこれらの混合物とホルムアルデヒドとを、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ触媒の存在下において縮合反応させることによって得られる軟化点が約80〜150℃の樹脂が使用され、好ましくはm-クレゾール、p-クレゾール混合物とホルムアルデヒドとから製造された軟化点100℃以上のものが用いられる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、上記縮合反応を塩酸、しゅう酸等の酸触媒の存在下で反応させたものが用いられる。
また、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性フェノール樹脂としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応によって硬化する熱硬化性フェノール樹脂であれば任意のものを使用することができ、例えばフェノール性水酸基を有する化合物、1級アミンおよびホルムアルデヒドから、次式に示される如く、ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン誘導体が合成される。
Figure 0004483610
特開2004−83623号公報
フェノール性水酸基を有する化合物としては、芳香環のフェノール性水酸基に対して少くとも一方のo−位に水素原子が結合していることが必要であり、好ましくは分子中にフェノール性水酸基が複数個存在する多官能性フェノール類が用いられる。具体的には、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等のフェノール類、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、ノボラック型またはレゾール型フェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂等のフェノール樹脂類が例示される。
また、1級アミンとしては、アニリン、トルイジン等の芳香族アミン類またはメチルアミン、エチルアミン等の脂肪族アミンが例示される。
これらのフェノール性水酸基を有する化合物と1級アミンのそれぞれ1モルに対して、2モル以上のホルムアルデヒドが用いられ、しゅう酸触媒等の存在下に、反応温度約70〜130℃、好ましくは約90〜110℃で約1/3〜4時間程度反応させた後、減圧下120℃以下で未反応のフェノール性化合物、1級アミン類、ホルムアルデヒド等を除去することにより、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂が得られる。
シリカと樹脂成分とは、樹脂成分100重量部に対してシリカが約5〜200重量部、好ましくは約10〜100重量部の割合で用いられる。これよりもシリカの割合が多いと初期接着性が低下し、一方これよりも少ない割合で用いられると耐水性が低下するようになる。
フェノール樹脂と共にエポキシ樹脂が併用される場合は、エポキシ樹脂がフェノール樹脂100重量部当り約500重量部以下、好ましくは約20〜200重量部の割合で用いられる。エポキシ樹脂の併用により初期接着性がさらに向上するが、これ以上の割合で併用されると耐水性が低下する。なお、エポキシ樹脂を併用する場合には、3級アミン系、イミダゾール系等の硬化促進剤を同時に用いることもできる。また、フッ素ゴムまたはそのコンパウンドの添加は、フェノール樹脂100重量部当り約500重量部以下、好ましくは約30〜200重量部の割合で添加して用いられる。フッ素ゴム(コンパウンド)の添加は、加硫接着剤層の耐熱性をさらに向上させるが、これ以上の割合での添加は耐水性を低下させる。
シリカ含有樹脂系加硫接着剤は、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用い、その成分濃度が約0.1〜10重量%の有機溶媒溶液として調製され、表面処理剤の場合と同様の方法で約50〜2000mg/m2の片面目付け量で塗布され、室温または温風下で乾燥させた後、約100〜250℃で約1〜20分間の焼付け処理が行われる。
このようにして形成された加硫接着剤層上には、未加硫のフッ素ゴムコンパウンドが約5〜120μm程度の片面厚さの加硫物層を両面に形成せしめるように、フッ素ゴムコンパウンドの有機溶媒溶液として塗布される。
フッ素ゴムとしては、ポリオール加硫性およびパーオキサイド加硫性のいずれも使用することができ、未加硫のフッ素ゴムコンパウンドとしては、例えば後記のような配合例が示される。
ポリオール加硫性フッ素ゴムとしては、一般にフッ化ビニリデンと他の含フッ素オレフィン、例えばヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等の少なくとも一種との共重合体または含フッ素オレフィンとプロピレンとの共重合体などが挙げられ、これらのフッ素ゴムは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、ヒドロキノン等のポリヒドロキシ芳香族化合物によってポリオール加硫される。
また、パーオキサイド加硫性フッ素ゴムとしては、例えば分子中にヨウ素および/または臭素を有するフッ素ゴムが挙げられ、これらのフッ素ゴムは一般にパーオキサイド加硫に用いられている有機過酸化物によって加硫(架橋)される。この場合には、有機過酸化物と共に、トリアリルイソシアヌレートによって代表される多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
(配合例)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE45) 100重量部
メタけい酸カルシウム 40 〃
MTカーボンブラック 20 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#150) 6 〃
水酸化カルシウム 3 〃
加硫剤(デュポン社製品キュラティブ#30) 2 〃
加硫促進剤(同社製品キュラティブ#20) 1 〃
塗布された未加硫ゴム層は、室温乃至約100℃の温度で約1〜15分間程度乾燥し、有機溶媒として用いられたメタノール、エタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類またはこれらの混合溶媒などを揮発させた後、約150〜230℃で約0.5〜30分間加熱加硫し、必要に応じて加圧して加硫することも行われる。加硫されたフッ素ゴム層は、ガスケットとしての用途上、硬度(デュロメーターA)が80以上で、圧縮永久歪(100℃、22時間)が50%以下であることが望ましく、特に配合内容によって制限されるものではない。
また、粘着防止が必要な場合には、その表面に粘着防止剤を塗布することもできる。粘着防止剤は、ゴム同士やゴムと金属との粘着を防止する目的で使用され、加硫フッ素ゴム層上に皮膜を形成し得るものであれば任意のものを用いることができ、例えばシリコーン系、フッ素系、グラファイト系、アミド、パラフィン等のワックス系、ポリオレフィン系またはポリブタジエン系のもの等が挙げられるが、好ましくは液状の1,2-ポリブタジエン水酸基含有物、1,2-ポリブタジエンイソシアネート基含有物およびポリオレフィン系樹脂の有機溶媒分散液からなる粘着防止剤が用いられる。
特開平7−165953号公報
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜5、比較例1〜7
アルカリ脱脂したSUS301ステンレス鋼板(厚さ0.2mm)上に、表面処理剤皮膜中でのZr、P、Alの元素質量比率が表1に示される割合になるように、炭酸ジルコニウムアンモニウム、リン酸およびアルミナの量を調整した表面処理剤を、片面目付け量200〜300mg/m2になるように塗布し、200℃で1分間の乾燥を行った。なお表面処理剤は、pH6〜10になるように、水酸化アンモニウムで調製された。
表1
元素質量比率
表面処理剤層成分組成比 Zr: P Zr:Al
表面処理剤 Zr P Al Zr P Zr Al
〔Zr:P〕
A(下限) 37 16 47 70 30 44 56
B(上限) 30 2 68 94 6 31 69
C(中間) 35 10 55 78 22 39 61
〔Zr:Al〕
D(下限) 10 2 88 82 18 10 90
E(上限) 72 20 8 78 22 90 10
F〔Al多し〕 4 1 95 80 20 4 96
G〔Al少ない〕 67 27 6 71 29 92 8
H〔P多し〕 30 30 40 50 50 43 57
I〔P少ない〕 52 2 46 96 4 53 47
J〔Alなし〕 80 20 − 80 20 100 −
K〔Zrなし〕 − 15 85 − 100 − 100
L〔Pなし〕 45 0 55 100 − 45 55
この表面処理剤A〜E(実施例1〜5)およびF〜L(比較例1〜7)を塗布した鋼板上に、
レゾール型フェノール樹脂(30重量%メタノール溶液) 100重量部
コロイダルシリカ(日産化学製品スノーテックスMEK-ST; 40 〃
固形分濃度30重量%のメチルエチルケトン溶液)
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 80 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 1100 〃
よりなる加硫接着剤Aを皮膜量が1500mg/m2となるように塗布し、室温で乾燥させた後、220℃で5分間の焼付け処理を行った。
この加硫接着剤塗布鋼板上に、前記配合例のフッ素ゴムコンパウンドの25重量%トルエン-メチルエチルケトン(重量比9:1)混合溶媒溶液を塗布し、60℃で15分間乾燥させて片面厚さ20μmの未加硫ゴム層を形成させた後、220℃、60kgf/cm2(5.88MPa)、2分間の条件下で加圧加硫を行って、フッ素ゴム-金属積層ガスケット素材を作製した。
このガスケット素材について、次のような各種試験を行った。
耐水性試験:ゴムステンレス鋼積層ガスケット素材とアルミニウム板とを1重量%炭酸水素ナトリウム水溶液中に浸漬し、その際頂部付近は液面より上部に位置するように半浸漬状態として、浸漬液露出部分を直接接触させ、液中では互いに接触しない状態で90℃で70時間または240時間浸漬した後、ガスケット素材についてJIS K5600-5-6に準拠してゴバン目テープ剥離を実施し、次のような評点で評価した
評点5:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目も剥れない
〃 4:カットの交差点において塗膜の小さな剥れあり(剥れ面積率5%未満)
〃 3:塗膜がカットの縁に沿って及び/又は交差点において剥れがみられる
(剥れ面積率5〜15%)
〃 2:塗膜のカットの縁に沿って、部分的又は全体的に大きな剥れを生じており
、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全体的に剥れている(剥れ
面積率15〜35%)
〃 1:塗膜のカットの縁に沿って、部分的又は全体的に大きな剥れを生じており
、及び/又は数ヶ所の目が部分的又は全体的に剥れている(剥れ面積率35%
以上)
耐LLC性試験:LLC液(日本ケミカル製品JCC310)の50重量%水溶液中に、150℃で100時間または240時間浸漬した後のガスケット素材について、上記ゴバン目テープ試験を実施し、上記と同様の評価基準で評価した
耐熱性試験:ガスケット素材を220℃の空気中に100時間または240時間加熱暴露した後、JIS K5600-5-1に準拠して耐屈曲性試験(4mm径マンドレル使用)を実施し、次のような評点で評価した
評点5:割れ、剥れなし
〃 4:端面に小さなひび割れあり
〃 3:全体的に小さなひび割れあり
〃 2:全体的にひび割れあり
〃 1:完全に剥がれている
実施例6〜10、比較例8〜14
実施例1〜5、比較例1〜7において、加硫接着剤Aのレゾール型フェノール樹脂の代りに、前記記載の方法で製造されたジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を同量用いた加硫接着剤Bが用いられた。
実施例11〜15、比較例15〜21
実施例1〜5、比較例1〜7において、加硫接着剤Aの代りに次の組成を有する加硫接着剤Cが用いられた。
レゾール型フェノール樹脂(30重量%メタノール溶液) 100重量部
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂 100 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
コロイダルシリカ(スノーテックスMEK-ST) 80 〃
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 160 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 2200 〃
実施例16〜20、比較例22〜28
実施例1〜5、比較例1〜7において、加硫接着剤Aの代りに次の組成を有する加硫接着剤Dが用いられた。
レゾール型フェノール樹脂(30重量%メタノール溶液) 100重量部
o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 18 〃
(ジャパンエポキシレジン製品エピコート180S)
2-エチル-4-メチルイミダゾール 0.9 〃
コロイダルシリカ(スノーテックスMEK-ST) 40 〃
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 80 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 1459 〃
実施例21〜25、比較例29〜35
実施例1〜5、比較例1〜7において、加硫接着剤Aの代りに次の組成を有する加硫接着剤Eが用いられた。
レゾール型フェノール樹脂(30重量%メタノール溶液) 100重量部
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂 100 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピコート180S) 36 〃
2-エチル-4-メチルイミダゾール 1.8 〃
コロイダルシリカ(スノーテックスMEK-ST) 128 〃
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 160 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 3158 〃
比較例36
実施例3において、加硫接着剤Aの代りに次の組成を有する加硫接着剤Fが用いられた。
レゾール型フェノール樹脂(30重量%メタノール溶液) 100重量部
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂 100 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 160 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 1800 〃
比較例37
実施例3において、加硫接着剤Aの代りに次の組成を有する加硫接着剤Gが用いられた。
レゾール型フェノール樹脂(30重量%メタノール溶液) 100重量部
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂 100 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピコート180S) 36 〃
2-エチル-4-メチルイミダゾール 1.8 〃
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 160 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 2518 〃
比較例38
実施例3において、加硫接着剤Aの代りに次の組成を有する加硫接着剤Hが用いられた。
ノボラック型フェノール樹脂 100重量部
o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピコート180S) 60 〃
2-エチル-4-メチルイミダゾール 3 〃
コロイダルシリカ(スノーテックスMEK-ST) 210 〃
前記配合例のフッ素ゴムコンパウンド 80 〃
(30重量%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 4547 〃
比較例39〜41
比較例36〜38において、表面処理剤Cの代りに表面処理剤Eが用いられた。
比較例42〜49
実施例1において、表面処理剤Aの代りにクロメート処理剤(日本ペイント製品サーフコートNRC350)が用いられ、また加硫接着剤A〜Hがそれぞれ用いられた。
以上の各実施例および比較例で得られた試験結果は、次の表2に示される。
表2
耐水性試験 耐LLC性試験 耐熱性試験
70hr 240hr 100hr 240hr 100hr 240hr
実施例1 5 5 5 5 5 4
〃 2 5 5 5 5 5 4
〃 3 5 5 5 5 5 4
〃 4 5 5 5 5 5 4
〃 5 5 4 5 5 5 3
比較例1 2 1 2 1 1 1
〃 2 1 1 3 2 4 3
〃 3 3 2 4 3 1 1
〃 4 2 1 2 1 2 2
〃 5 1 1 2 1 3 2
〃 6 1 1 1 1 1 1
〃 7 1 1 1 1 2 1
実施例6 5 4 5 5 5 5
〃 7 5 4 5 5 5 5
〃 8 5 4 5 5 5 5
〃 9 5 4 5 5 5 5
〃 10 5 3 5 5 5 4
比較例8 1 1 1 1 1 1
〃 9 1 1 2 1 4 3
〃 10 2 1 3 2 2 1
〃 11 1 1 2 1 3 2
〃 12 1 1 2 1 4 3
〃 13 1 1 1 1 1 1
〃 14 1 1 1 1 2 1
実施例11 5 5 5 5 5 5
〃 12 5 5 5 5 5 5
〃 13 5 5 5 5 5 5
〃 14 5 5 5 5 5 5
〃 15 5 5 5 5 5 5
比較例15 3 1 2 1 2 1
〃 16 2 1 3 2 4 3
〃 17 4 2 4 3 2 1
〃 18 3 1 2 1 3 2
〃 19 1 1 2 1 3 2
〃 20 1 1 1 1 1 1
〃 21 1 1 1 1 2 1
実施例16 5 4 5 4 5 3
〃 17 5 4 5 4 5 4
〃 18 5 4 5 4 5 4
〃 19 5 3 5 3 5 4
〃 20 5 3 5 5 5 3
比較例22 1 1 1 1 2 1
〃 23 1 1 2 1 4 3
〃 24 3 1 3 2 2 1
〃 25 2 1 2 1 3 2
〃 26 1 1 1 1 3 2
〃 27 1 1 1 1 1 1
〃 28 1 1 1 1 2 1
実施例21 5 5 5 5 5 5
〃 22 5 4 5 4 5 5
〃 23 5 5 5 5 5 5
〃 24 5 3 5 4 5 5
〃 25 5 4 5 4 5 5
比較例29 3 1 2 1 2 1
〃 30 2 1 3 2 4 3
〃 31 4 2 4 3 2 1
〃 32 3 1 2 1 3 2
〃 33 1 1 2 1 3 2
〃 34 1 1 1 1 1 1
〃 35 1 1 1 1 2 1
〃 36 2 1 2 1 5 5
〃 37 1 1 1 1 5 5
〃 38 1 1 1 1 4 3
〃 39 1 1 1 1 4 3
〃 40 1 1 1 1 4 3
〃 41 1 1 1 1 3 3
〃 42 3 2 5 4 5 5
〃 43 4 2 5 3 5 5
〃 44 4 2 5 4 5 5
〃 45 4 2 5 3 5 5
〃 46 4 2 5 4 5 5
〃 47 2 1 5 3 6 3
〃 48 2 1 5 2 6 5
〃 49 3 1 5 4 6 5

Claims (10)

  1. 鉄、アルミニウム、銅またはそれらの合金の板状体あるいはステンレス鋼板よりなる金属板上に、ジルコニウム元素、リン元素およびアルミニウム元素を含有する表面処理剤層、シリカ含有樹脂系加硫接着剤層およびフッ素ゴム層を順次積層してなるフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  2. ジルコニウムとリンの元素質量比率が95:5〜60:40である表面処理剤が用いられた請求項1記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  3. ジルコニウムとアルミニウムの元素質量比率が90:10〜10:90である表面処理剤が用いられた請求項1または2記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  4. 金属板アルカリ脱脂されたステンレス鋼板である請求項1、2または3記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  5. シリカ含有樹脂系加硫接着剤がシリカ含有熱硬化性フェノール樹脂系加硫接着剤である請求項1記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  6. フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂またはジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂である請求項5記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  7. クレゾールノボラック型エポキシ樹脂またはフェノールノボラック型エポキシ樹脂をさらに含有させたシリカ含有樹脂系加硫接着剤の層を形成せしめた請求項5記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  8. 未加硫のフッ素ゴムまたはそれのコンパウンドをさらに含有させたシリカ含有樹脂系加硫接着剤の層を形成せしめた請求項5記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  9. フッ素ゴム層上に粘着防止剤層を形成せしめた請求項1記載のフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。
  10. エンジンシリンダヘッド用ガスケットとして使用される請求項1乃至9のいずれかに記載されるフッ素ゴム-金属積層ガスケット素材。

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