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JP4254399B2 - ステンレス鋼−ニトリルゴム複合体 - Google Patents

ステンレス鋼−ニトリルゴム複合体 Download PDF

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JP4254399B2 JP2003272705A JP2003272705A JP4254399B2 JP 4254399 B2 JP4254399 B2 JP 4254399B2 JP 2003272705 A JP2003272705 A JP 2003272705A JP 2003272705 A JP2003272705 A JP 2003272705A JP 4254399 B2 JP4254399 B2 JP 4254399B2
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Description

本発明は、ステンレス鋼−ニトリルゴム複合体に関する。さらに詳しくは、エンジンシリンダヘッド用ガスケット等のガスケット材料として好適に用いられるステンレス鋼−ニトリルゴム複合体に関する。
疎水性が必要とされるゴム金属複合体にはステンレス鋼板が用いられているが、ステンレス鋼板上に従来の加硫接着剤を塗布し、ゴムを加硫接着させても耐液接着耐久性が悪く、液中への浸せき試験を実施すると接着剥離を発生させる。その対策として、接着剤塗布の前処理としてステンレス鋼表面にクロメート処理が施され、水やLLC(ロングライフクーラント)に対する耐性を向上させる方法があるが、人体や環境に悪影響を及ぼす6価Crを含有するクロメート処理剤は、使用しない方が好ましい。
こうした状況下にあって、本発明者らは各種の下塗り接着剤、上塗り接着剤あるいはこれらの組合せや一度塗り接着剤を、下記特許出願明細書等で提案している。これらの接着剤は、水やLLC等の各種液中に単純に浸せきする試験では、かなり高温および長時間条件下で耐え得ることが確認されている。しかしながら、ゴム金属積層体はガスケット材料等として使用されることが多く、このような実使用環境においては、同時に異種金属が同一液に浸せきされた状態で接触しているケースが多い。このような場合、ゴム金属積層体を形成しているステンレス鋼板とこれと接触する異種金属との間に電位が発生し、接着剥れやブリスタ発生が促進される現象がみられる。このような環境下においても、接着剥れやブリスタが発生しないCrフリーのゴム金属複合体は存在しなかった。
特開平11−221875号公報 特開2000−6308号公報 特開2004−11576号公報 特開2004−76699号公報 特開2004−277435号公報
本発明の目的は、ステンレス鋼−ニトリルゴム複合体であって、水、各種水溶液等の電解質が存在する個所に使用されても、また使用環境においてステンレス鋼板が異種金属と接触して使用されても、接着剥れやブリスタの発生を大幅に抑制し得るものを提供することにある。
かかる本発明の目的は、(1)表面処理を施さないあるいは6価Crフリーの表面処理剤で表面処理されたステンレス鋼板、接着剤層および加硫ニトリルゴム層からなる複合体であって、接着剤層および加硫ニトリルゴム層の少くとも一方の層中に厚さ0.1〜0.5μmの木の葉状ステンレス鋼粉末を含有せしめたステンレス鋼−ニトリルゴム複合体あるいは(2)表面処理を施さないあるいは6価Crフリーの表面処理剤で表面処理されたステンレス鋼板、接着剤層、加硫ニトリルゴム層および粘着防止剤層からなる複合体であって、粘着防止剤層中に厚さ0.1〜0.5μmの木の葉状ステンレス鋼粉末を含有せしめたステンレス鋼−ニトリルゴム複合体によって達成される。(1)の場合には、加硫ニトリルゴム層上にさらに粘着防止剤層を設けることができ、また(2)の場合には、さらに接着剤層および加硫ニトリルゴム層の少くとも一方の層中にステンレス鋼粉末を含有せしめることが好ましい。
ステンレス鋼板、接着剤層、加硫ニトリルゴム層(および粘着防止剤層)からなる、Cr処理フリーのステンレス鋼−ニトリルゴム複合体(主としてSUS系ゴム金属積層ガスケット)において、接着剤層、加硫ニトリルゴム層および粘着防止剤層の少くとも一つの層中に腐食し難いステンレス鋼粉末を含有せしめることにより、アルミニウムや鉄等の腐食性の金属部材が混在する電解質溶液中で用いた場合においても、上記複合材料の接着剤剥れやブリスタの発生を抑制する効果を奏する。
このような効果が発現する機構を考慮するに、電解質溶液中にアルミニウム、鉄等の腐食性金属とステンレス鋼粉末無配合の複合材料(ゴム金属複合体)を浸せきした場合、複合材料と腐食性金属との間に電位が発生して、腐食性金属がアノード反応を起し、複合材料のステンレス鋼表面でカソード反応による水素ガスが生成するため、複合材料の接着面での剥離やブリスタが生ずることが新たな知見として得られた。本発明では、カソード反応するステンレス鋼板の代りに、複合材料の他の部分にステンレス鋼粉末を添加してそこでカソード反応させることにより、接着剤界面での水素ガス生成が抑制され、接着面での剥離やブリスタの発生が有効に防止されるものと考えられる。
なお、ステンレス鋼粉末の添加は、接着剤層、加硫ゴム層および粘着防止剤層の少くとも一つの層中に対して行われること上述の如くであるが、極力接着剤層から離れた加硫ニトリルゴム層または粘着防止剤層の表面でカソード反応を生じさせることが好ましく、また実際の製造工程上の都合からは、加硫ニトリルゴム層への添加が最も好ましい実施形態といえる。
本発明のゴム金属積層体は、特に異種金属が共存しない使用環境であって、そこに水、各種水溶液等の電解質が存在する個所においても使用される。ステンレス鋼板は、未処理のままあるいは表面処理した状態で用いられ、表面処理剤としては特にアミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーである場合には、水、各種水溶液中等への単純浸せきでは、ステンレス鋼粉末を特に添加せずとも良好な耐剥離性が得られるが、異種金属間の電位差を考慮した浸せき試験では、このような共重合オリゴマーで表面処理されたステンレス鋼板を用いても剥離防止には有効ではなく、この場合にもステンレス鋼粉末の各層への添加は極めて有効である。
ステンレス鋼板としては、SUS304、430、301、301H等であって、ガスケット用途の場合には、その厚さが約0.05〜1.0mm程度のものが一般に用いられる。ステンレス鋼板は、脱脂しただけで表面処理を施さないものも用いられるが、好ましくは表面処理を施したものが用いられる。表面処理剤としては、3価Cr系、有機樹脂系、有機無機複合系、シランカップリング剤系、Zr系、Ti系等6価Crフリーの表面処理剤であれば任意のものを用いることができるが、特に好ましくはアミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーが用いられる。
共重合オリゴマーの一方の成分であるアミノ基含有アルコキシシランとしては、例えばγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等が用いられる。他の成分であるビニル基含有アルコキシシランとしては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が用いられる。オリゴマー化反応に際しては、アミノ基含有アルコキシシラン100重量部に対して、ビニル基含有アルコキシシラン25〜400重量部、好ましくは50〜150重量部および加水分解用の水20〜150重量部が用いられる。
オリゴマー化反応は、これらを蒸留装置および攪拌機を有する反応器内に仕込み、約60℃で約1時間攪拌する。その後、酸、例えばギ酸や酢酸をアミノ基含有アルコキシシラン1モルに対し約1〜2モルを1時間以内に添加する。この際の温度は約65℃に保たれる。さらに1〜5時間攪拌し、反応を進行させると同時に、加水分解によって生成したアルコールを減圧下で蒸留する。蒸留水が水しか存在しなくなった時点で蒸留を終了させ、その後シラン濃度が30〜80重量%になるように希釈して調節することにより、目的とする共重合オリゴマーが得られる。この共重合オリゴマーは、メタノール、エタノール等のアルコール系有機溶媒に可溶な程度のオリゴマーである。また、すでに共重合オリゴマーとして市販されているものをそのまま用いることもできる。これらの共重合オリゴマーは、これらのアルコール系有機溶媒やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒またはそれと20重量%以下の水との混合溶媒溶液として用いられる。
好ましくはこれらの表面処理剤で片面または両面が表面処理されたステンレス鋼板上には、ニトリルゴム用の加硫接着剤、一般的にはフェノール樹脂系またはニトリルゴム含有フェノール樹脂系の加硫接着剤が塗布される。加硫接着剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶媒やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒の約0.5〜10重量%溶液として調製され、これを浸せき法、噴霧法、刷毛塗り法、ロールコート法等によって塗布し、室温または温風で乾燥させた後、約100〜250℃で約1〜20分間焼付処理され、ステンレス鋼板上に膜厚約0.1〜15μm程度の接着剤層を形成させる。
このようにして形成された接着剤層上には、未加硫のニトリルゴムコンパウンドを接触させて加熱加硫することにより、加硫ニトリルゴム層を形成せしめる。未加硫のニトリルゴムコンパウンドは、好ましくは有機過酸化物架橋系のものが用いられるが、この他イオウまたはイオウ供与性化合物加硫剤系のものも用いられる。これらの未加硫ゴムコンパウンドは、片面加硫物層厚さが約5〜120μmの加硫ニトリルゴム層を形成せしめるように、有機溶媒溶液として塗布し、室温乃至約100℃で約1〜15分間乾燥して溶媒を除去した後、約150〜230℃で約0.5〜30分間加熱加硫、場合によっては加圧加熱加硫される。
加硫ニトリルゴム層上には、その表面非粘着性が求められる場合には、粘着防止剤層が形成される。粘着防止剤は、ゴム同士やゴムと金属との粘着を防止する目的で使用され、加硫ニトリルゴム層上に皮膜を形成し得るものであれば任意のものを用いることができ、例えばシリコーン系、フッ素系、グラファイト系、アミド、パラフィン等のワックス系、ポリブタジエン系等が挙げられるが、好ましくは液状の1,2-ポリブタジエン水酸基含有物、1,2-ポリブタジエンイソシアネート基含有物およびポリオレフィン系樹脂の有機溶媒分散液からなる粘着防止剤が用いられる。
特開平7−165953号公報
これらの粘着剤層、加硫ニトリルゴム層(および粘着防止剤層)の少くとも一つの層には、ステンレス鋼粉末が添加されて用いられる。ステンレス鋼粉末としては、SUS304、430、301、301H、316、316L等の粉末であって、その幅が約5〜20μm、長さが約10〜50μm、厚さが約0.1〜0.5μmの木の葉状ステンレス鋼片が用いられる。
ステンレス鋼粉末が接着剤層中に添加される場合には、直接加硫接着剤中に添加し、ホモジナイザ、ダイノーミル等で分散させてもよいが、分散性の点からはステンレス鋼粉末を添加した未加硫ニトリルゴムコンパウンド溶液を加硫接着剤に添加することにより、ステンレス鋼粉末の添加が行われることが好ましい。その添加割合は、加硫接着剤の濃度、未加硫ニトリルゴムコンパウンドの溶液濃度やそこに添加されたステンレス鋼粉末の割合により一概に決めることはできないが、一般には加硫接着剤中の樹脂およびゴムコンパウンドの不揮発分100重量部当り約1〜80重量部、好ましくは約5〜40重量部程度であり、これらはホモジナイザ、ダイノーミル等を用いて有機溶媒分散液として調製される。
ステンレス鋼粉末が加硫ニトリルゴム層中に添加される場合には、ステンレス鋼粉末は未加硫のニトリルゴムコンパウンド100重量部当り約0.5〜80重量部、好ましくは約1〜20重量部の割合で添加される。ステンレス鋼粉末のコンパウンド中への分散は、オープンロール等を用いて練り込んでもよいし、あるいは有機溶媒溶液としてホモジナイザ等の高速攪拌機やダイノーミルのような分散機を用いて行ってもよい。
ステンレス鋼粉末が粘着防止剤層に添加される場合には、粘着防止剤溶液中0.1〜30重量%、好ましくは約1〜5重量%の割合で添加されて用いられる。ステンレス鋼粉末含有粘着防止剤層の形成は、加硫ニトリルゴム層上にロールコータ、噴霧、浸せき等の方法を用いて、形成される表面層の膜厚が約2μm以上となるように塗布した後、約150〜250℃で約1〜10分間程度加熱することにより行われる。
このようなステンレス鋼粉末含有層の形成は、ステンレス鋼板、接着剤層、加硫ニトリルゴム層(および粘着防止剤層)からなる複合体においては、接着剤層、加硫ニトリルゴム層またはこれらの両層に、またステンレス鋼板、接着剤層、加硫ニトリルゴム層および粘着防止剤層からなる複合体にあっては、粘着防止剤層と接着剤層および加硫ニトリルゴム層の少くとも一方の層との2層または3層について行われる。
ステンレス鋼粉末含有層を少くとも1層有するステンレス鋼−ニトリルゴム複合体については、異種金属間の電位差を考慮した浸せき試験を行って、接着剥れやブリスタ現象防止の有効性の目安とすることができる。このような異種金属間の電位差浸せき試験は、例えばガラス製容器内に入れた95℃の純水中および95℃の0.1重量%炭酸水素ナトリウム水溶液中にそれぞれ所定時間、ゴム金属積層板とアルミニウム板とを逆V字形で頂部が接するようにクリップなどで押さえながら浸せきし、その際頂部付近は液面より上部に位置するようにし、また接触部分のゴム金属積層板はゴム部分を削り取り、ステンレス鋼板部分がアルミニウム板とが直接接触するようにして浸せき試験を行った後、ゴバン目剥離試験を実施することによって行われ、その効果を実験的に再現することができる。したがって、このような試験方法自体が、有効な異種金属間の電位差浸せき試験方法ということができる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜9、比較例1〜5
アルカリ脱脂し、表面処理したSUS301H鋼板A〜Dの両面に、加硫接着剤Aを塗布し、室温で乾燥させた後、190℃で5分間焼付処理して加硫接着剤層を形成させた。この加硫接着剤層に、NBR溶液A〜Fを塗布し、60℃で15分間乾燥させて片面厚さ20μmの未加硫NBR層を両面に形成させ、180℃、5.88MPa(60kgf/cm2)、10分間の条件下で加圧加硫を行って、ステンレス鋼−ニトリルゴム複合体(ゴム金属積層板)を作製した。
表面処理鋼板A:脱脂したSUS301H鋼板上に、Crフリー表面処理剤(日本パーカライジン グ製品パルコートE300)を0.2g/m2の塗布量で塗布し、100℃で10分間乾 燥した
表面処理鋼板B:脱脂したSUS301H鋼板上に、Zr系表面処理剤(日本パーカライジング製 品パルコート3762)を0.2g/m2の塗布量で塗布し、100℃で10分間乾燥し た
表面処理鋼板C:脱脂したSUS301H鋼板上に、シランカップリング剤系表面処理剤(ロー ドファーイースト製品AP-133)を0.1g/m2の塗布量で塗布し、100℃で10 分間乾燥した
表面処理鋼板D:攪拌機、加熱ジャケットおよび滴下ロートを備えた三口フラスコに、 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン40重量部および水20重量部を仕 込み、pHが4〜5になる迄酢酸を加えてpHを調整し、数分間攪拌した後、 さらに攪拌を続けながら、ビニルトリエトキシシラン40重量部を滴下ロ ートを使って徐々に滴下し、滴下終了後約60℃で5時間加熱還流を行い
、室温迄冷却して得られた共重合オリゴマーを、脱脂したSUS301H鋼板 上に、0.1g/m2の塗布量で塗布し、190℃で5分間乾燥した
NBR溶液A:予め混練済みの下記配合例のニトリルゴムコンパウンド100部(重量、以下同 じ)を、トルエン-メチルエチルケトン(9:1)混合溶剤300部中に溶解して、固 形分濃度25重量%の有機溶剤溶液とした
NBR(JSR製品N235S) 100部
SRFカーボンブラック 80部
炭酸カルシウム 80部
シリカ 20部
亜鉛華 5部
老化防止剤(大内新興化学製品ノクラック224) 2部
トリアリルイソシアヌレート 2部
1,3-ビス(第3ブチルパーオキシ)イソプロピルベンゼン 2.5部
可塑剤(バイエル社製品ブカノールOT) 5部
NBR溶液B:上記配合例のニトリルゴムコンパウンド100部中に、SUS316L粉末(ティクイ ンインターナショナル社製品#F;幅10μm、長さ30μm、厚さ0.3μm)12部を オープンロールを用いて練り込み、練り込んだ生地を上記混合溶剤中に溶解 して、固形分濃度25重量%の有機溶剤溶液とした
NBR溶液C:前記重量で用いられたNBR溶液A中に、ゴムコンパウンドの不揮発分100部に 対しSUS316L粉末12部を追加し、ホモジナイザを用いて分散させた
NBR溶液D:NBR溶液Cにおいて、ホモジナイザの代りにダイノーミルがそれぞれ用いられ た
NBR溶液E:NBR溶液Cにおいて、SUS316L粉末量が1部に変更された
NBR溶液F:NBR溶液Cにおいて、SUS316L粉末量が20部に変更された
加硫接着剤A:市販ニトリルゴム用加硫接着剤(東洋化学研究所製品メタロックN-15)100 部、前記NBR溶液A 50部およびメチルエチルケトン700部より調製
作製されたゴム金属積層板について、120℃の純水中および95℃の0.1重量%炭酸水素ナトリウム水溶液中に、それぞれ100時間、300時間および500時間単純浸せき試験を行った後、ゴバン目剥離試験(JIS K5600-5-6塗膜の付着性試験方法=クロスカット法=準拠)を実施した。
さらに、異種金属間の電位差を考慮した浸せき試験として、ガラス製容器内に入れた95℃の純水中および95℃の0.1重量%炭酸水素ナトリウム水溶液中にそれぞれ所定時間、ゴム金属積層板とアルミニウム板とを逆V字形で頂部が接するようにクリップなどで押さえながら浸せきし、その際頂部付近は液面より上部に位置するようにし、また接触部分のゴム金属積層板はゴム部分を削り取り、ステンレス鋼板部分がアルミニウム板と直接接触するようにして浸せき試験を行った後、ゴバン目剥離試験を実施した。
得られた結果は、次の表1(実施例1)および表2(比較例)に示される。なお、ゴム金属積層板の構成中、表面処理鋼板の欄で鋼板と記載されているものは、表面処理されていない鋼板(SUS301H)である。
表1
実施例

〔ゴム金属積層板〕
表面処理鋼板 鋼板 A B C D C C C C
NBR溶液 C C C C C B D E F
〔単純浸せき試験〕
純水(120℃)
100時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0
300時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0
500時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0
NaHCO3水溶液(95℃)
100時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0
300時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0
500時間 1 0 0 0 0 0 0 0 0
〔電位差浸せき試験〕
純水( 95℃)
70時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0
140時間 2 1 1 0 0 0 0 1 0
300時間 3 2 2 1 0 1 1 1 1
NaHCO3水溶液(95℃)
70時間 2 1 1 0 0 0 0 1 0
140時間 4 3 2 1 0 1 1 1 1

表2
比較例

〔ゴム金属積層板〕
表面処理鋼板 鋼板 A B C D
NBR溶液 A A A A A
〔単純浸せき試験〕
純水(120℃)
100時間 2 1 1 0 0
300時間 3 2 1 1 0
500時間 4 2 2 2 1
NaHCO3水溶液(95℃)
100時間 2 1 1 1 0
300時間 3 2 2 2 0
500時間 5 3 2 3 0
〔電位差浸せき試験〕
純水( 95℃)
70時間 4 3 2 2 2
140時間 5 4 4 3 3
300時間 5 5 5 4 4
NaHCO3水溶液(95℃)
70時間 5 4 5 4 3
140時間 5 5 5 5 5
実施例10〜19、比較例6〜10
実施例1〜9において、加硫接着剤B〜Eを用い、同様にしてゴム金属積層板を作製した。
加硫接着剤B:加硫接着剤AにSUS316L粉末8部およびメチルエチルケトン152部を添加し て調製
加硫接着剤C:ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学製品レヂトップPSF2803)100部、 レゾール型フェノール樹脂49重量%溶液(住友べークライト製品スミライ トPR-50232)136部、ヘキサメチレンテトラミン10部、前記NBR溶液A 363 部、SUS316L粉末35部およびメチルエチルケトン5389部より調製
加硫接着剤D:加硫接着剤Cにおいて、SUS316L粉末量を18部に、メチルエチルケトン量 を4963部に変更して調製
加硫接着剤E:加硫接着剤Cにおいて、SUS316L粉末量を70部に、メチルエチルケトン量 を6308部に変更して調製
作製されたゴム金属積層板について、単純浸せき試験および異種金属間電位差を考慮した浸せき試験が同様に行われた。得られた結果は、次の表3(実施例)および表4(比較例)に示される。
表3
実施例
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
〔ゴム金属積層板〕
表面処理鋼板 鋼板 A B C D C C C C C
加硫接着剤 C C C C C B D E B C
NBR溶液 A A A A A A A A B B
〔単純浸せき試験〕
純水(120℃)
100時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
300時間 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
500時間 2 1 1 1 0 2 1 1 0 0
NaHCO3水溶液(95℃)
100時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
300時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
500時間 2 1 2 2 1 2 2 2 0 0
〔電位差浸せき試験〕
純水( 95℃)
70時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
140時間 2 2 2 1 1 1 0 0 0 0
300時間 4 2 2 2 0 2 2 1 0 0
NaHCO3水溶液(95℃)
70時間 2 2 2 1 0 1 1 1 0 0
140時間 4 2 3 2 2 2 2 2 1 1

表4
比較例
10
〔ゴム金属積層板〕
表面処理鋼板 鋼板 A B C D
加硫接着剤 A A A A A
NBR溶液 A A A A A
〔単純浸せき試験〕
純水(120℃)
100時間 2 1 1 0 0
300時間 3 2 1 1 0
500時間 4 2 2 2 1
NaHCO3水溶液(95℃)
100時間 2 1 1 1 0
300時間 3 2 2 2 0
500時間 5 3 2 3 0
〔電位差浸せき試験〕
純水( 95℃)
70時間 4 3 2 2 2
140時間 5 4 4 3 3
300時間 5 5 5 4 4
NaHCO3水溶液(95℃)
70時間 5 4 5 4 3
140時間 5 5 5 5 5
実施例20〜29、比較例11〜15
実施例10〜19において、加硫接着剤A〜Bを用い、加圧加硫を行った後、さらに粘着防止剤A〜Dを表面コーティングし、200℃で3分間乾燥して、ゴム積層金属板を作製した。
粘着防止剤A:1,2-ポリブタジエン水酸基含有物(日曹ポリブタGQ1000、45重量%キシレ ン溶液)100部、1,2-ポリブタジエンイソシアネート基含有物(日曹ポリブ タTP1001、50重量%酢酸ブチル溶液)85部、ポリオレフィン樹脂有機溶媒 分散液(三井化学製品ハイワックス320P)112部、SUS316L粉末50部および トルエン1430部より調製
粘着防止剤B:粘着防止剤Aにおいて、SUS316L粉末量を17部に変更して調製
粘着防止剤C:粘着防止剤Aにおいて、SUS316L粉末量を90部に変更して調製
粘着防止剤D:粘着防止剤A中のSUS316L粉末が添加されなかった
得られた結果は、次の表5(実施例)および表6(比較例)に示される。
表5
実施例
20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
〔ゴム金属積層板〕
表面処理鋼板 鋼板 A B C D C C C C C
加硫接着剤 A A A A A B A B A A
NBR溶液 A A A A A A B B A A
粘着防止剤 A A A A A A A A B C
〔単純浸せき試験〕
純水(120℃)
100時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
300時間 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1
500時間 2 1 1 1 1 1 0 0 1 1
NaHCO3水溶液(95℃)
100時間 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
300時間 2 1 2 1 0 1 0 0 1 1
500時間 2 2 2 2 1 1 0 0 2 2
〔電位差浸せき試験〕
純水( 95℃)
70時間 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
140時間 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0
300時間 3 2 2 1 0 0 0 0 1 0
NaHCO3水溶液(95℃)
70時間 2 1 2 1 1 1 0 0 1 1
140時間 4 3 3 2 1 1 0 0 2 1

表6
比較例
11 12 13 14 15
〔ゴム金属積層板〕
表面処理鋼板 鋼板 A B C D
加硫接着剤 A A A A A
NBR溶液 A A A A A
粘着防止剤 D D D D D
〔単純浸せき試験〕
純水(120℃)
100時間 2 1 1 0 0
300時間 3 2 1 1 0
500時間 4 2 2 2 1
NaHCO3水溶液(95℃)
100時間 2 1 1 1 0
300時間 3 2 2 2 0
500時間 5 3 2 3 0
〔電位差浸せき試験〕
純水( 95℃)
70時間 4 3 2 2 2
140時間 5 4 4 3 3
300時間 5 5 5 4 4
NaHCO3水溶液(95℃)
70時間 5 4 5 4 3
140時間 5 5 5 5 5
本発明に係るステンレス鋼−ニトリルゴム複合体は、ガスケット材料等として有効に用いられ、特に異種金属であるアルミニウム製エンジンシリンダのヘッド用ガスケットとして使用したとき、浸せき条件下に短時間で発生する接着剤剥れやブリスタ等を有効に防止することができる。これ以外にも、ウォータポンプシール等の耐水性を必要とする自動車用、工業機械、電子、電気用等のゴム金属複合体として有効に用いることができる。

Claims (10)

  1. 表面処理を施さないあるいは6価Crフリーの表面処理剤で表面処理されたステンレス鋼板、接着剤層および加硫ニトリルゴム層からなる複合体であって、接着剤層および加硫ニトリルゴム層の少くとも一方の層中に厚さ0.1〜0.5μmの木の葉状ステンレス鋼粉末を含有せしめたステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  2. 加硫ニトリルゴム層上にさらに粘着防止剤層が設けられた請求項1記載のステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  3. 表面処理を施さないあるいは6価Crフリーの表面処理剤で表面処理されたステンレス鋼板、接着剤層、加硫ニトリルゴム層および粘着防止剤層からなる複合体であって、粘着防止剤層中に厚さ0.1〜0.5μmの木の葉状ステンレス鋼粉末を含有せしめたステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  4. さらに、粘着剤層および加硫ニトリルゴム層の少くとも一方の層中にステンレス鋼粉末を含有せしめた請求項3記載のステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  5. 木の葉状ステンレス鋼粉末として幅が5〜20μm、長さが10〜50μm、厚さが0.1〜0.5μmの木の葉状ステンレス鋼片が用いられた請求項1または3記載のステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  6. 表面処理剤がアミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーである請求項1または3記載のステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  7. 使用環境に水、各種水溶液等の電解質が存在する個所に使用される請求項1乃至6のいずれかに記載されるステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  8. 使用環境においてステンレス鋼板が異種金属と接触して使用される請求項1乃至6のいずれかに記載されるステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  9. ガスケットとして使用される請求項1乃至8のいずれかに記載されるステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
  10. エンジンシリンダヘッドガスケットとして使用される請求項9記載のステンレス鋼−ニトリルゴム複合体。
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