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JP4480444B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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    • B23Q11/10Arrangements for cooling or lubricating tools or work
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Description

本発明は、立形又は横形のフライス盤やマシニングセンタ等の主軸の交換を容易にした工作機械の主軸装置に関し、特に主軸内部に加工液を通すスルースピンドルクーラント装置を備えた工作機械の主軸装置に関する。
工作機械の主軸装置は、切削加工中に高速で回転して大きな切削抵抗を受け、軸受が摩耗、損傷したり、主軸内に配設されている工具クランプ用のコレットや皿ばねが破損したりすることがある。このように、主軸装置の故障は、主軸それ自体に発生するのみならず、主軸の内部構造や軸受に発生する。工作機械の使用現場で主軸装置を修理する場合、潤滑、冷却、清掃のための油空圧の配管、モータやリミットスイッチへの電気配線を外し、主軸装置全体を分解し、主軸、主軸内の部品、又は軸受を交換し再組立を行うのが一般的である。この修理作業は大がかりとなり、高度な専門知識と技能が要求され、また多大な時間がかかっていた。そのため、一般的にカートリッジ式主軸と称される主軸と軸受とを一体で取り外せるようにした主軸装置が開発されており例えば、特許文献1等に開示されている。
他方、近時の工作機械では加工時間を短縮するために重切削が求められている。そのために、工具切刃とワークとの間の加工領域は非常に高温となるので、これを効率的に冷却するために、工作機械の主軸内部にクーラントや加圧空気を流通して、主軸先端に装着した工具から加工領域へクーラントや加圧空気を供給するスルースピンドルクーラント装置がある。特許文献2には、こうしたスルースピンドルクーラント装置、及び、スルースピンドルクーラント装置の回転する管路へ固定管路から流体を移送するためのロータリジョイントが開示されている。
特開2003−159622号公報 特開平6−241364号公報
然しながら、特許文献2に開示のロータリージョイントはカートリッジ式の主軸装置に適用することを前提としていないために、カートリッジ式の主軸装置で用いようとすると、主軸がうまく抜き取れなくなる問題がある。つまり、特許文献2のロータリージョイントをカートリッジ式の主軸装置に単純に適用すると、ドローバーのアンクランプ装置の後側にロータリージョイントが設けられることになり、ドローバーが長くなったり、途中で軸受を支持する必要が生じたり、主軸の抜き取りに伴いドローバーを途中で分離できる構造にしなければならなくなる問題がある。
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、スルースピンドルクーラント装置用のロータリージョイントを備えながら、簡単に分離可能な構造のカートリッジ式の主軸装置を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するために、本発明によれば、ハウジングに前部軸受及び後部軸受により回転支持された主軸を有する工作機械の主軸装置であって、前記ハウジングは前部ハウジングと後部ハウジングとに分離可能に締結され、前記前部ハウジングに前記主軸の前部軸受部を組み込み、前記後部ハウジングに前記主軸の後部軸受部を支持し、前記前部ハウジングを前記後部ハウジングから分離したとき、前記前部軸受部、前記主軸及び前記後部軸受部が前記前部ハウジングと一体的に前記後部ハウジングから分離できるようにした工作機械の主軸装置において、
前記主軸の中心軸線に沿って前記主軸内に延設され、前記主軸の先端に装着した工具をクランプするためのドローバーと、
前記中心軸線に沿って前記ドローバーを貫通して形成されたクーラント通路と、
前記ドローバーを前記中心軸線に沿って主軸先端方向に押圧するドローバー駆動ピストンを有し、前記主軸先端に装着した工具をアンクランプするアンクランプ装置と、
前記アンクランプ装置のピストンに形成した凹所内に位置し、前記ドローバーの後端に取付けられた第1シールリングに離接するよう先端に第2シールリングを取付けられ前記主軸の中心軸線に沿って移動可能に設けられたクーラント供給管を有するロータリージョイントと、
を具備し、前記ドローバーが、前記第1シールリングを伴って前記主軸及び前部ハウジングと共に、前記後部ハウジングおよび前記ロータリージョイントから分離されるようにした工作機械の主軸装置が提供される。
本発明によれば、主軸の後端の直後にアンクランプ手段を配設し、該アンクランプ手段のドローバー駆動ピストン内にロータリージョイントを位置させたので、ドローバーの後方への突き出し量または延長量(オーバーハング)を短くすることが可能となり、また、軸受を設けることなくロータリージョイントの回転側のシールリングを構成可能となる。また、ドローバーの後方へ突き出しを短くすることができるので、ドローバーを含めた主軸を短くすることができ、後部ハウジングから容易に分離することが可能となり、主軸の交換作業が簡単、迅速に行える。
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、横形マシニングセンタを一例にして本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されず、立形マシニングセンタにも適用可能である。
図1において、横形マシニングセンタの主軸頭11は、基台をなすベッド(図示せず)に立設、固定されたコラム(図示せず)のY軸案内レール13に沿って上下動する。主軸頭11の内部にはビルトインモータで回転駆動される主軸15が前部軸受17a、17b及び後部軸受19a、19bによって回転支持されている。主軸15の先端のテーパ孔15aには、種々の工具(図示せず)が取り付けられた工具ホルダ21が交換可能に装着される。
主軸頭11のハウジングは、前部ハウジング23と後部ハウジング25とで構成され、両者は複数のボルト27で一体的に締結されている。前部ハウジング23内には、主軸15の前方部分を回転支持する2個の前部軸受17a、17bが設けられている。左側の前部軸受17aの内輪は主軸15の肩に当接し、内輪用カラーを挟んで右側の前部軸受17bの内輪がナット29により主軸15に固定される。そして、右側の前部軸受17bの外輪は前部ハウジング23の肩に当接し、外輪用カラーを挟んで左側の前部軸受17aの外輪が軸受押え31により固定される。
後部ハウジング25に形成された穴35内には、軸受ケース33が嵌合され、軸受ケース33内には、主軸15の後方部分を回転支持する2個の後部軸受19a、19bが設けられている。左側の後部軸受19aの内輪は主軸15の肩に当接し、内輪用カラーを挟んで右側の後部軸受19bの内輪がナット37により主軸15に固定される。そして左側の後部軸受19aの外輪は軸受ケース33の肩に当接し、外輪カラーを挟んで右側の後部軸受19bの外輪は軸受押え39により固定される。
後部ハウジング25内には、ビルトインモータのステータ41が設けられ、半径方向の微小すき間を介して主軸15側にロータ43が設けられる。ロータ43は、焼ばめスリーブ45に焼ばめされ、焼ばめスリーブ45は主軸15に焼ばめされる。
主軸15の先端のテーパ孔15aには工具ホルダ21が挿入され、工具ホルダ21の後部に設けられたプルスタッド47がコレット49に把持される。コレット49はドローバー51により軸線方向に進退可能になっている。主軸15の内周面にスリーブ53を介して皿ばね55が多数設けられ、皿ばね55の右側はカラーを挟んでドローバー51の後端にねじ止めされたナット57で規制されている。皿ばね55はドローバー51に後方向きの弾性付勢力を付与し、コレット49が工具ホルダ21のテーパシャンクを主軸15のテーパ孔15aに密着、クランプする。
後部ハウジング25の後部には、ドローバー51を主軸15の先端方向へ押圧、駆動するためのドローバー駆動手段が設けられており、該ドローバー駆動手段は、後部ハウジング25の後端に取付けられたドローバー駆動シリンダ61と、該ドローバー駆動シリンダ61内で油圧により中心軸線Oに沿って往復動作するドローバー駆動ピストン63とを具備している。ここで、主軸15の後端部分の拡大断面図である図2を参照すると、ドローバー駆動ピストン63は、主軸15の後端に対面する先端面(図2において右端側)にボス状に突出した当接部63aと、ドローバー駆動ピストン63において後方に開口するよう形成された凹所63bと、当接部63aから凹所63bまで延設されている通孔63cとが形成されている。ドローバー駆動シリンダ61には第1と第2の油圧ポート65、67が形成されている。
一方、ドローバー51は、その後端部から中心軸線Oに沿って後方へドローバー駆動ピストン63の通孔63c内に摺動自在に嵌合するよう延設された延長部分51bと、延長部分51bの基端部において当接部63aに当接、離反可能に形成された当接肩部51aとを有している。ドローバー51は、前述したように、主軸15のテーパ穴15aに装着されている工具ホルダ21をクランプするために皿ばね55の力で後方に付勢されている。ドローバー駆動シリンダ61の第1の油圧ポート65に圧油を供給すると、ドローバー駆動ピストン63は前方へ移動して、その当接部63aがドローバー51の当接肩部51aに当接してドローバー51を前方へ押圧する。これにより、ドローバー51を介してコレット49が前方へ移動する。するとコレット49の先端部はスリーブ53の内径の大きい箇所に位置することになり、コレット49とプルスタッド47との係合が外れ、工具ホルダ21はアンクランプされる。
更に、図2を参照すると、ドローバー51は、その後端にシールリング69が取付けられると共に、その中心軸線Oに沿ってクーラント通路51cが形成されている。クーラント通路51cには、後述するように、ドローバー駆動ピストン63に組み込まれているロータリージョイント100からクーラントが供給される。このクーラントは、クーラント通路51cから、工具ホルダ21及び工具Tに形成されている通路21a、Taを介して、クーラントを工具Tの切刃(図示せず)とワーク(図示せず)との間の加工領域へ噴出される。
ロータリージョイント100は、ドローバー駆動ピストン63の凹所63b内に配設されたシリンダ101と、該シリンダ101内において中心軸線Oに沿って往復移動可能に設けられたピストン103とを具備している。ピストン103は、クーラント供給管105に一体的に鍔状に形成されており、該ピストン103により、シリンダ101の内部空間は、空圧室107と、ばね室109とに分割される。ばね室109内にはピストン103及びクーラント供給管105を後方に付勢するコイルばね115が配設されている。また、シリンダ101には空圧室107に圧縮空気を供給する空圧ポート101aが形成されており、該空圧ポート101aは外部空圧源(図示せず)に接続されており、前記空圧源から圧縮空気を空圧室107内に供給し、また空圧室107内の空気を排出することが可能となっている。
クーラント供給管105は、その先端にドローバー51のシールリング69に対面するように取付けられたシールリング113と、中心軸線Oに沿って形成されたクーラント通路105aと、クーラント供給管105の後端に隣接する部分でクーラント通路105aに開口するように半径方向に形成された複数の、図2に実施形態では4つの半径通路105b、クーラント供給管105の後端に形成された締切弁105cとを有している。また、シリンダ101の後端面には、クーラント供給管105を外部のクーラント供給装置(図示せず)に接続するためのホース(図示せず)を繋ぐための継手部材111が連結されている。継手部材111は、クーラント供給管105の半径通路105bを含む後端部分を収容する内部空間111aと、継手部材111の後端から該内部空間111aへ延び前記ホースの一端が結合される入口ポート111bとを有して概ね円筒状に形成されている。入口ポート111bの内径は、内部空間111aの内径よりも小さくなっており、入口ポート111bと内部空間111aとの間に、クーラント供給管105の締切弁105cが着座する弁座111cが形成される。
以下、本実施形態の作用を説明する。
第1の油圧ポート65に外部の油圧源(図示せず)から作動油を供給すると共に、第2の油圧ポート67から作動油を前記油圧源に回収することにより、ドローバー駆動ピストン63が図1、2において左方へ前進する。これにより、ドローバー駆動ピストン63の当接部63aが、ドローバー51の当接肩部51aに当接し、ドローバー51は、皿ばね55の付勢力に抗して図1、2において左方へ前進して、主軸15の先端のテーパ穴15aに装着されている工具ホルダ21と共に工具Tがアンクランプされる。反対に第2の油圧ポート67へ作動油を供給すると共に、第1の油圧ポート65から作動油を回収することにより、ドローバー駆動ピストン63は後退し、ドローバー51は皿ばね55の付勢力によって後方(図1、2において右方)へ移動する。これにより、ドローバー51の先端のコレット49が工具ホルダ21のプルスタッド47を把持しながら、工具ホルダ21をテーパ穴15a内に引き込み、工具ホルダ21および工具Tが主軸15の先端にクランプされる。
次いで、工具Tによる加工開始に先立って、ロータリージョイント100のシリンダ101の空圧ポート101aに圧縮空気が供給され、ピストン103およびクーラント供給管105が、コイルばね115の付勢力に抗して図2において左方へ付勢され、クーラント供給管105は、その先端に取付けられているシールリング113において、ドローバー51の後端に取付けられているシールリング69に当接し、ロータリージョイント100のクーラント供給管105のクーラント通路105aがドローバー51のクーラント通路51cに連通する。これと同時に、クーラント供給管105の後端の締切弁105cが弁座111cから離反し、継手部材111の入口ポート111bに接続されているホース(図示せず)および半径通路105bを介してクーラント供給管105のクーラント通路105aが外部のクーラント供給源と連通する。従って、クーラント供給源から供給されるクーラントが、前記ホース、入口ポート111b、半径通路105b、クーラント通路105a、クーラント通路51c、工具ホルダ21及び工具Tに形成されている通路21a、Taを介して、クーラントを工具Tの切刃とワークとの間の加工領域へ噴出される。2つのシールリング113、69の間から漏洩するクーラントは、ドローバー51の延長部分51bとドローバー駆動ピストン63の通孔63cとの間の隙間から、後部ハウジング25内に若干流入するが、これは後部ハウジング25にドレン25aを適宜形成することにより回収することができる。
一方、前部ハウジング23は、ボルト27を緩め前部ハウジング23を前方へ引くと、前部ハウジング23は、前部軸受17a、17bを介して主軸15と一体の状態で後部ハウジング25から分離される。このとき主軸15にはロータ43、後部軸受19を内蔵した軸受ケース33及び工具ホルダ21、コレット49、ドローバー51、皿ばね55等で成る主軸15の内蔵物が付属している。この前部ハウジング23と一体的に取り出すことのできる部分を前部ハウジングユニットと称する。更に、このとき、ドローバー51はシールリング69を伴って主軸15と共に引き抜かれ、この部分でドローバー51はクーラント供給管105から分離される。すなわち、上述したクーラント供給源から加工領域へ至る、前記ホース、入口ポート111b、半径通路105b、クーラント通路105a、クーラント通路51c、工具ホルダ21の通路21a及び工具Tの通路Taから成るクーラント供給経路は、ドローバー51のシールリングと、クーラント供給管105のシールリング113との間で分離される。
本実施形態では、ロータリージョイント100がピストン63の凹所63bに固定されている場合を示したが、ロータリージョイント100がシリンダ61からブラケットで支持されており、ピストン63の凹所63b内にピストン63とは独立して位置している構造であってもよい。
また、本実施形態では、横形マシニングセンタの前部ハウジングユニットを手動で後部ハウジング25から引き抜く構造を一例として説明したが、本発明は、これに限定されず、立形のマシニングセンタの主軸装置にも適用可能である。すなわち、テーブル上に治具を介して立形主軸装置の前部ハウジングのフランジ相当部材を固定し、上下方向のZ軸の送り動作を利用して、横形マシニングセンタと同様に前部ハウジングユニットを後部ハウジングから抜き出すことができる。マシニングセンタやNC工作機械に限らず、手動で送り動作を行う汎用工作機械にも本発明は適用できる。
本発明の工作機械の主軸装置の断面図である。 主軸の後端部分の拡大断面図であり、本発明の好ましい実施形態によるロータリージョイントを示す図である。
符号の説明
11 主軸頭
15 主軸
17a 前部軸受
17b 前部軸受
19a 後部軸受
19b 後部軸受
21 工具ホルダ
23 前部ハウジング
25 後部ハウジング
47 プルスタッド
49 コレット
51 ドローバー
55 皿ばね
61 ドローバー駆動シリンダ
63 ドローバー駆動ピストン
69 シールリング
100 ロータリージョイント
101 シリンダ
103 ピストン
105 クーラント供給管
113 シールリング

Claims (1)

  1. ハウジングに前部軸受及び後部軸受により回転支持された主軸を有する工作機械の主軸装置であって、前記ハウジングは前部ハウジングと後部ハウジングとに分離可能に締結され、前記前部ハウジングに前記主軸の前部軸受部を組み込み、前記後部ハウジングに前記主軸の後部軸受部を支持し、前記前部ハウジングを前記後部ハウジングから分離したとき、前記前部軸受部、前記主軸及び前記後部軸受部が前記前部ハウジングと一体的に前記後部ハウジングから分離できるようにした工作機械の主軸装置において、
    前記主軸の中心軸線に沿って前記主軸内に延設され、前記主軸の先端に装着した工具をクランプするためのドローバーと、
    前記中心軸線に沿って前記ドローバーを貫通して形成されたクーラント通路と、
    前記ドローバーを前記中心軸線に沿って主軸先端方向に押圧するドローバー駆動ピストンを有し、前記主軸先端に装着した工具をアンクランプするアンクランプ装置と、
    前記アンクランプ装置のピストンに形成した凹所内に位置し、前記ドローバーの後端に取付けられた第1シールリングに離接するよう先端に第2シールリングを取付けられ、前記主軸の中心軸線に沿って移動可能に設けられたクーラント供給管を有するロータリージョイントと、
    を具備し、前記ドローバーが、前記第1シールリングを伴って前記主軸及び前部ハウジングと共に、前記後部ハウジングおよび前記ロータリージョイントから分離されることを特徴とした工作機械の主軸装置。
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