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JP5562410B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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JP5562410B2
JP5562410B2 JP2012508007A JP2012508007A JP5562410B2 JP 5562410 B2 JP5562410 B2 JP 5562410B2 JP 2012508007 A JP2012508007 A JP 2012508007A JP 2012508007 A JP2012508007 A JP 2012508007A JP 5562410 B2 JP5562410 B2 JP 5562410B2
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Description

本発明は、ドローバーを用いて工具ホルダを主軸に装着する工作機械の主軸装置に関する。
エンドミル、ドリル、ボーリングバーなどの工具は、工具ホルダを介して工作機械の主軸装置に装着され、テーブル上に固定されたワークに対して、所定の回転速度で回転しながら相対的に移動することにより、ワークを所望の形状に加工する。主軸装置は、ハウジング内に回転可能に支持された筒状の主軸と、主軸内に設けられ、主軸後方へ移動することにより主軸の先端に工具ホルダを引き込んでクランプするドローバーと、を備えている。主軸装置の従来の一例が、特許文献1及び2で開示されている。
特許文献1に開示の主軸装置は、ドローバーを主軸前方へ移動させることにより、クランプした工具ホルダをアンクランプするアンクランプ装置(ドローバー駆動手段)を備えている。特許文献1の段落番号0014には、アンクランプ装置が、ドローバー駆動シリンダと、ドローバーを主軸前方に向けて押圧するドローバー駆動ピストンと、を有することが記載されている。
特許文献2には、主軸の伸びを後方を逃がすことができる軸受を有する工作機械の主軸装置が開示されている。特許文献2の段落番号0015には、主軸の先端側の主要部が一対のアンギュラ玉軸受で回転自在に支承され、主軸の後端側の延長部がラジアル玉軸受で回転自在に支承されていることが記載されている。また、段落番号0018には、ラジアル玉軸受の外輪の内周面には軌道溝が形成され、内輪の外周面には軌道溝がない平坦面が形成され、内輪が軸方向に移動可能であることが記載されている。
特開2005−288609号公報 特許第3080253号
ドローバーの引込力により、工具ホルダを介して工具を主軸先端に装着する従来の主軸装置では、特許文献1で開示されているように、クランプした工具ホルダをアンクランプするために、ドローバーを主軸前方に向けて押圧するアンクランプ装置が、主軸の後部の外側に配置されている。すなわち、主軸とアンクランプ装置とが直列に配置されている。特許文献2も同様である。
しかしながら、アンクランプ装置が主軸の後部の外側に配置されると、その分だけ主軸装置の全長が長くなるという問題がある。主軸装置の全長が長いと、主軸装置の支持点と主軸先端に装着された工具に作用する切削力の作用点との距離が長くなり、主軸装置の支持部に作用するモーメント荷重が大きくなって、安定した加工を行うことができる加工条件が狭い範囲に制限されるという心配がある。特に、主軸装置がA軸、B軸、C軸方向に傾斜したり旋回したりする形式の工作機械ではこの問題点が顕著になる。
本発明の目的は、全長が短く、幅広い加工条件でも安定した加工を行うことができる工作機械の主軸装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、ハウジングに回転可能に支持された筒状の主軸と、主軸の回転軸線に沿って設けられ、主軸の先端部に工具ホルダを引き込んでクランプするドローバーとを有した工作機械の主軸装置であって、前記ハウジングに支持され、前記主軸の内周と前記ドローバーの外周との間の環状空間に設けられたアンクランプ装置を具備し、前記アンクランプ装置は、前記ドローバーを流体圧力によって主軸前方へ移動させるピストンを有し、前記アンクランプ装置の前記ピストンは、第1のラジアル軸受によって前記主軸の内周面に回転支持され、前記第1のラジアル軸受は、前記ピストンが前記主軸の軸線方向に移動できるように、内輪又は外輪が軌道溝を有さずに構成された工作機械の主軸装置が提供される。
このように、本発明によれば、主軸とドローバーとの間の環状空間にアンクランプ装置が設けられているため、アンクランプ装置は主軸に内装されるものとなり、従来の主軸装置のように、アンクランプ装置が主軸の外側に設けられて、主軸とアンクランプ装置とが直列に配置されることはなくなる。このため、主軸装置の全長を短くすることができる。
このように、本発明によれば、アンクランプ装置は、流体圧力によって主軸前方に移動可能に駆動されるピストンを有しているため、アンクランプ装置をコンパクトな構造にすることができ、主軸内にアンクランプ装置を内装することができる。
また、本発明によれば、前記ドローバーの後方部は、第2のラジアル軸受によって前記アンクランプ装置の前記ピストンに回転支持され、前記第2のラジアル軸受は、前記ピストンが前記主軸の軸線方向に移動できるように、内輪又は外輪が軌道溝を有さずに構成された工作機械の主軸装置が提供される。
本発明の上記並びに他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関連した以下の好適な実施形態の説明により一層明らかになろう。同添付図面において、
図1は、本発明に係る工作機械の主軸装置の第1の実施形態の断面図であり、中心軸線の上部側は工具ホルダのクランプ状態を表し、下部側はアンクランプ状態を表す。
図2は、図1に示す工作機械の主軸装置が適用された横形のマシニングセンタを示す正面図である。
図3は、第1の実施形態のアンクランプ装置のピストンを移動可能に支承する第1のラジアル軸受および第2のラジアル軸受の構成を説明するための断面図である。
図4は、本発明に係る工作機械の主軸装置の第2の実施形態の断面図であり、第1の実施形態と異なる後部のみを表したものである。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
本発明の主軸装置は、工具ホルダを介して工具を主軸先端に保持する主軸装置であり、筒状の主軸内に設けられ、主軸の先端に工具ホルダを引き込むためのドローバーと、工具ホルダに引込力を作用させるためにドローバーを主軸後方に付勢する弾性手段と、主軸とドローバーとの間の環状空間に設けられ、弾性手段の弾性力に抗してドローバーを主軸前方に押して引込力を解除することにより、クランプした工具ホルダをアンクランプするアンクランプ装置とを備えている。
本発明の主軸装置が適用される工作機械は、図2で示される横形マシニングセンタに限定されるものではなく、立形マシニングセンタや、回転する主軸を有する他の工作機械も含まれる。
本実施形態の横形マシニングセンタ1は、図2にその基本的構成が示されているように、直交3軸の直線送り軸X,Y,Zと2軸の回転送り軸A,Cを有する機械本体と、機械本体を加工プログラムに従って動作させる図示しない数値制御装置とを備えている。図2において、回転送り軸Bは示されていないが、C軸を90°回転させることによりA軸はB軸として機能する。
横形マシニングセンタ1の三つの直線送り軸であるX軸、Y軸及びZ軸と、二つの回転送り軸であるA軸及びC軸は、通常の横形マシニングセンタと同様に定められ、主軸装置5(主軸20)の軸線に直交し、紙面に垂直な方向をX軸方向とし、主軸装置5の軸線に直交する高さ方向をY軸方向とし、主軸装置5の軸線に一致する前後方向をZ軸方向とする。二つの回転送り軸であるA軸及びC軸は、X軸に平行な軸線周りの回転をA軸とし、Z軸に平行な軸線周りの回転をC軸とする。
マシニングセンタ1は、フロア2上に設置されている第1のベッド3と、第1のベッド3上でZ軸方向に直動可能に立設されたコラム4と、コラム4の鉛直壁面に設けられた案内レールに沿ってY軸方向に直動可能な主軸台13と、主軸装置5をA軸方向に回転支持する旋回台6と、第2のベッド7上で主軸装置5に対向する位置に立設され、紙面に垂直な方向であるX軸方向に直動可能なテーブル8を備えている。テーブル8にはイケール9を介してワーク11が保持されている。第1のベッド3と第2のベッド7との間には切りくず搬送装置14が配設されている。
図1に示すように、第1の実施形態の主軸装置5は、前後両端に開口端を有するハウジング12と、ハウジング12内に内装される筒状の主軸20とを有し、C軸方向に回転送り可能に設けられた旋回台6(図2)を介して、主軸台13(図2)に片持ち支持されている。また、主軸装置5は、A軸方向にサーボモータにより回転送り可能に設けられている。主軸装置5のハウジング12の内部には、ビルトインモータで回転駆動される主軸20が、この主軸20の長手方向の前後に配置された複数の軸受30,31,32によって回転支持されている。ビルトインモータは固定側のステータ40と可動側のロータ41とを備え、ステータ40はハウジング12の内周面に固定され、半径方向の微小隙間を介してステータ40に対向するロータ41は、図示しない焼ばめスリーブを介して主軸20の外周面に焼きばめされている。
主軸20の前方部分は、一対の軸受30,31により回転支持されている。一対の軸受30,31は、内輪用カラー34を挟んで内輪30a,31aが主軸20に固定され、外輪用カラー35を挟んで外輪30b,31bがハウジング12に固定されている。左側の軸受30は、外れないように、ハウジング12の前端開口部に装着された軸受ケース36で押し付けられている。主軸20の後部20aは、一つの軸受32により回転支持されている。
主軸20は、主軸20の先端に工具ホルダ51をクランプするためのドローバー22を有している。ドローバー22の長手方向の略中間部分の外周面には、複数の皿ばね23が挿入されている。皿ばね23の大きさ及び枚数は、工具ホルダ51に所定の引込力を作用させるように設定され、本実施形態では30KN(3000kgf)の引込力が生じるように調整されている。複数の皿ばね23は、ドローバー22にねじどめされた右側の皿ばね押さえ25と、ドローバー回り止め26との間に設けられている。ドローバー回り止め26は、ドローバー22と主軸20とが一体的に回転し、かつ、ドローバー22の軸方向の移動を許容するように固定されている。ドローバー22は、常時、皿ばね23の弾性力により後方に付勢されており、所定の引込力で工具ホルダ51がクランプされる。後述するアンクランプ装置60により、ドローバー22が前方に押されることにより、ドローバー22と共に皿ばね押さえ25が前方に移動して皿ばね23が圧縮され、工具ホルダ51が取り外される。
主軸20は、前方部分において、工具ホルダ51を着脱可能に装着するために、テーパ穴27aが形成された工具装着部27を有している。テーパ穴27aには、複数のコレット28が半径方向に拡縮可能な締め金具として周方向に等配されている。コレット28は、その基端が主軸20の内周面に突設された鍔29とドローバー回り止め26の前端面との間にはめ込まれれる。コレット28の中央貫通孔28aには、ドローバー22が挿通される。ドローバー22の先端側には先太部22aが形成されており、ドローバー22が皿ばね23の弾性力により後方に移動することで、コレット28がその内径を広げ、テーパ穴27aに挿入された工具ホルダ51のテーパ面とフランジ後端面(図示せず)とがテーパ穴27aのテーパ面と主軸20の前端面20aとに当接し、いわゆる二面拘束で工具ホルダ51が工具装着部27に固定されるようになっている。本実施形態の工具装着部27は、工具ホルダ51として、1/10ショートテーパのHSKシャンクが装着されるように構成されているが、7/24テーパのBTシャンクが装着されるように構成することもできる。BTシャンクの場合、工具装着部27は、シャンクの後端部に固定されたプルスタッドをコレット28が挟持するように構成される。工具ホルダ51には、所定の突出し長で、かつ、所定の直径を有する工具50が保持される。
主軸20の後方部分には、主軸20の貫通孔21にアンクランプ装置60が挿入されている。アンクランプ装置60は、主軸20とドローバー22との間の環状空間55内でドローバー22の軸線方向に往復移動可能なピストン63と、主軸20とドローバー22との間の環状空間55内でピストン63を往復移動可能にガイドする環状係合部75を先端に有する固定側のシリンダ70と、ピストン63とシリンダ70とが係合することにより形成された第1の圧力室77と第2の圧力室78とに所定圧力の流体を供給する図示しない流体供給装置とを備えている。
ピストン63は、大径部64と、大径部64からボス状に突出する小径部65とを有している。小径部65の内周部には、ドローバー22の肩部22bに当接する当接部65aが形成され、大径部64にはシリンダ70の環状係合部75が移動自在に嵌入する環状溝66が形成されている。ピストン63の小径部65は、軌道溝を有しない内輪80aが小径部65の外周面に固定され、軌道溝を有する外輪80bが主軸20の内周面に備わる軸受支持部84に固定された第1のラジアル軸受80によって主軸20に回転支持され、半径方向の移動が規制された状態で、主軸20の軸線方向への移動が許容されるようになっている。ピストン63の大径部64は、軌道溝を有しない内輪82aがドローバー22の外周面に固定され、軌道溝を有する外輪82bが大径部64の内周面に固定された第2のラジアル軸受82によってドローバー22の後部を回転支持し、半径方向の移動が規制された状態で、主軸20の軸線方向への移動が許容されるようになっている。
図3には、軌道溝を有しない内輪80a,82aと軌道溝を有する外輪80b,82bとから構成される第1のラジアル軸受80と第2のラジアル軸受82の構成を説明するための断面図が示されている。本実施形態では、第1のラジアル軸受80では、内輪80aがピストン63の小径部65の外周面に固定されているが、内輪80aを設けずに、小径部65を高硬度材料で構成し、小径部65の外径を内輪80aの外径と同程度の寸法に製作してもよい。同様に、第2のラジアル軸受82では、内輪82aがドローバー22の外周面に固定されているが、内輪82aを設けずに、ドローバー22を高硬度材料で構成し、ドローバー22の外径を内輪82aの外径と同程度の寸法に製作してもよい。
また、第1、第2のラジアル軸受80,82を軌道溝のある内輪と軌道溝のない外輪とで構成しても、ピストン63は主軸20及びドローバー22に対して軸線方向に移動することができる。
シリンダ70は、軸受ケース37の開口端部に固定される大径のフランジ部73と、フランジ部73に続き主軸22の貫通孔21に挿入される胴部74と、胴部74に続きピストン63の環状溝66に係合する環状係合部75とを有している。環状係合部75の先端には、ピストン63の環状溝66内の空間をピストン63が往復移動する方向の前後に仕切る隔壁部75aが形成されている。
ピストン63の環状溝66にシリンダ70の環状係合部75が係合した状態で、隔壁部75aの前方には第1の圧力室77が形成され、隔壁部75aの後方には第2の圧力室78が形成されている。図示しない油圧ポートを介して、流体供給装置から第2の圧力室78に圧油を所定圧力で充填し、第2の圧力室78を拡大して第1の圧力室77を縮小することにより、ピストン63が主軸20後方に後退し、ドローバー22が皿ばね23の弾性力により主軸20後方に移動する。これにより、工具ホルダ51が工具装着部27のテーパ穴27aに引き込まれ、クランプされる。逆に、第1の圧力室77に圧油を所定圧力で充填し、第1の圧力室77を拡大して第2の圧力室78を縮小することにより、ピストン63が主軸20前方へ前進し、ピストン63の小径部65に設けられた当接部65aがドローバー22の肩部22bに当接し、ドローバー22が皿ばね23の弾性力に抗して主軸20前方に移動する。これにより、工具ホルダ51がアンクランプされる。
アンクランプ装置60のピストン63及びシリンダ70内を挿通するドローバー22の延長部分22cの後端には、中心孔を有するシールリング85が固定されている。ドローバー22のシールリング85は、ロータリジョイント90の中心孔を有するシールリング91に当接し、これにより、切削液は、ロータリジョイント90を介してドローバー22の油穴45に供給され、スピンドルスルー方式で工具50の先端まで導出されるようになっている。
ロータリージョイント90は、シリンダ70の胴部74の内部空間に配設されたジョイントシリンダ93と、ジョイントシリンダ93内において主軸20の軸線方向に往復移動可能に設けられたジョイントピストン94とを備えている。ジョイントピストン94は、内部に油孔95aを有するピストン本体95と、ピストン本体95の軸線方向と直交する方向に突設された鍔部96とを有している。鍔部96は、ジョイントシリンダ93の内部空間を、空圧室98と、ばね室99とに仕切っている。ばね室99内にはジョイントピストン94を後方に付勢するコイルばね101が配設されている。空圧室98には、圧縮空気が供給される空圧ポート98aが接続している。空圧ポート98aには、外部空圧源(図示せず)が接続し、空圧源から圧縮空気を空圧室98内に供給したり、また空圧室98の空気を排出したりできるようになっている。切削液を供給する際は、空圧室98に空気を供給し、コイルばね101の付勢力に抗してジョイントピストン94を左へ移動させ、ロータリジョイント90のシールリング91をドローバー22のシールリング85に当接させる。こうすることで、ロータリジョイント90の油孔95aとドローバー22の油孔45とが連通して、切削液が工具50の切れ刃とワーク11との間の加工領域に供給される。一方、空圧室98から空気を排出することにより、コイルばね101の付勢力でジョイントピストン94が右へ移動し、ロータリジョイント90のシールリング91とドローバー22のシールリング85とが分離して、切削液の供給が行われなくなる。
以上のように、本実施形態の主軸装置によれば、アンクランプ装置60が主軸20の後方部分の貫通孔21に内装されているから、主軸装置5の全長を短くすることができる。これにより、主軸装置5の支持点であるA軸の回転中心又はコラム4の主軸台13の案内面と工具50の切削力の作用点との距離が短くなり、主軸装置の支持部に作用するモーメント荷重が比較的小さくなって、安定した加工を行うことができる。また、全長の短い主軸装置5は、切削力が作用したときの主軸装置自体のたわみが小さくなり、ワークの加工精度が向上する。更に、全長の短い主軸装置5は、主軸装置側にA軸又はB軸の傾斜送り軸やC軸の旋回送り軸を有する形式の工作機械に好適し、主軸20の可動範囲を広げることもできる。
次に、本発明の工作機の主軸装置5の第2の実施形態を図4によって説明する。図4は、第2の実施形態に係る主軸装置5の後部のみを示す断面図であり、図示していない部分は、第1の実施形態と同じであるので省略している。中心軸線から上部側は工具ホルダ51のクランプ状態を表し、下部側はアンクランプ状態を表している。また、第1の実施形態と同様の部材は、図1と同一の符号を付している。
主軸後部20aとドローバー22との環状空間55には、フランジ部73からアンクランプ装置60のシリンダ110が突出しており、シリンダ110の内側にはピストン111が嵌合している。ピストン111は圧力室112に圧油を供給することにより主軸後方へ移動し、フランジ部73に設けられた圧力室113に圧油を供給することにより主軸前方へ移動する。ピストン111の内側には一対の軸受114を介してサポート軸115が取り付けられ、サポート軸115の前部はドローバー22後部の内側に嵌合している。このサポート軸115とドローバー22との嵌合部116はスプライン結合又はポリゴン結合しており、相互に回転できないが軸線方向には移動可能になっている。サポート軸115の後端にはシールリング85が固着され、中心軸に沿って油孔115aが形成されている。サポート軸115は、ドローバー22とともに回転し、軸受114を介してピストン111を支持している。
一方、ロータリジョイント90は、ピストン111の内部に構成されている。ピストン111の内部後方部にはジョイントピストン94がピストン111とは相対的に回転せず、軸線方向には移動可能に嵌合され、空圧室98を形成している。また、ピストン111の内周に設けられたばねケース117には、ジョイントピストン94を後方へ付勢するコイルばね101が収納されている。ジョイントピストン94の前端面にはシールリング91が固着され、中心軸線に沿って油孔94aが形成されている。フランジ部73の油孔73aから切削油を供給しないときは、空圧室98に圧縮空気を供給せず、コイルばね101の付勢力でジョイントピストン94は後方へ移動してシールリング85と91とは離間しているが、切削油を供給するときは、空圧室98に圧縮空気を供給してシールリング85と91とを当接させて油孔73a,94a,115a,45を連通させる。
次に、本実施形態のアンクランプ装置60の動作を説明する。圧力室112に圧油を供給してピストン111をドローバー22の後端22dから離間させると、皿ばね23の付勢力でドローバー22は主軸後方へ移動し、工具ホルダ51をクランプする。圧力室113に圧油を供給してピストン111の突起部111aをドローバー22の後端22dに当接させ、更にドローバー22を主軸前方へ押圧すると工具ホルダ51をアンクランプする。主軸20、皿ばね押さえ25、ドローバー22、サポート軸115、シールリング85は回転し、フランジ部73、シリンダ110、ピストン111、ばねケース117、コイルばね101、ジョイントピストン94は回転しないので、主軸20の貫通孔21の内周とシリンダ110の外周との間には隙間がある。シールリング85と91とは接触しながら相対的に回転するので、摩擦しにくいセラミックスでできている。
1 横形マシニングセンタ
5 主軸装置
20 主軸
22 ドローバー
27 工具装着部
51 工具ホルダ
60 アンクランプ装置
63 ピストン
66 環状溝
70 シリンダ
75 環状係合部
77 第1の圧力室
78 第2の圧力室
80 第1のラジアル軸受
82 第2のラジアル軸受

Claims (2)

  1. ハウジングに回転可能に支持された筒状の主軸と、主軸の回転軸線に沿って設けられ、主軸の先端部に工具ホルダを引き込んでクランプするドローバーとを有した工作機械の主軸装置であって、
    前記ハウジングに支持され、前記主軸の内周と前記ドローバーの外周との間の環状空間に設けられたアンクランプ装置を具備し、
    前記アンクランプ装置は、前記ドローバーを流体圧力によって主軸前方へ移動させるピストンを有し、
    前記アンクランプ装置の前記ピストンは、第1のラジアル軸受によって前記主軸の内周面に回転支持され、前記第1のラジアル軸受は、前記ピストンが前記主軸の軸線方向に移動できるように内輪又は外輪が軌道溝を有さずに構成されることを特徴とした工作機械の主軸装置。
  2. 前記ドローバーの後方部は、第2のラジアル軸受によって前記アンクランプ装置の前記ピストンに回転支持され、前記第2のラジアル軸受は、前記ピストンが前記主軸の軸線方向に移動できるように内輪又は外輪が軌道溝を有さずに構成された請求項に記載の工作機械の主軸装置。
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