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JP4449105B2 - ジベンゾピラン−6−オン誘導体およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

ジベンゾピラン−6−オン誘導体およびそれを含む液晶組成物 Download PDF

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JP4449105B2
JP4449105B2 JP19789299A JP19789299A JP4449105B2 JP 4449105 B2 JP4449105 B2 JP 4449105B2 JP 19789299 A JP19789299 A JP 19789299A JP 19789299 A JP19789299 A JP 19789299A JP 4449105 B2 JP4449105 B2 JP 4449105B2
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博道 井上
英二 岡部
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子、特に強誘電性液晶表示素子に好適に使用できる、新規な液晶性化合物、この化合物を含有する液晶組成物、ならびにこの液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【背景技術】
現在、液晶表示素子は広汎に使用されるに至っている。それらのうち、低品位の表示素子としては、TN(捻れネマチック)表示方式が最も広く使用されている。このTN表示素子は低駆動電圧、低消費電力などの利点を多く備えているが、応答速度は、陰極線管、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等の発光型のディスプレイに比べて著しく劣っている。
捻れ角を180゜〜270゜にしたタイプのTN表示素子、いわゆるSTN表示素子が開発されて、表示容量は飛躍的に増大したが、応答速度に関してはやはり限界がある。また、最近ではTN表示素子の各画素にスイッチ素子を備え付けた表示素子が、市場に登場している。その多くは、薄膜トランジスター素子(Thin Film Transistor)、略称してTFT素子と呼ばれており、高密度、大容量かつフルカラーの液晶表示素子として実用化されている。しかし、TFT素子の製造には半導体技術を用いているため、画面サイズは20インチ程度が限界であり、時分割能も1000ライン程度が限界であると言われており、生産コストにも難点がある。
【0003】
本発明の主題である強誘電性液晶表示素子は、上記TFT素子では実現できない、20インチサイズ以上の大画面と生産コストの低減の両者の実現の可能性を秘めている(クラークら;アプライド フィジックス レターズ (Appl.Phys.Lett.,)36、899(1980))。 この表示方式は、強誘電性を示すカイラルスメクチックC相(以下Sc*相と略記する)等のカイラルスメクチック相を利用するもので、表面安定化強誘電性液晶表示(以下SSFLCと略記する)と呼ばれており、家電メ−カ−や材料メ−カ−によって特性の改良や商品化が試みられている。
その理由は、強誘電性液晶素子が原理的に以下の特徴を有するからである。
1.高速応答性
2.メモリ−性
3.広視野角
これらの特徴がSSFLCの大容量表示への可能性を示唆しており、SSFLCを非常に魅力あるものにしている。
【0004】
しかし、研究が進むにつれて、解決しなければならない問題が明らかにされてきた。これらの問題の中でも、メモリーの安定した発現が第一の課題である。メモリーの安定的な発現の困難さは、スメクチック層構造が一様ではないこと(例えば、捻れ配列、シェブロン構造の存在等)、自発分極の大きさに起因すると考えられ内部逆電界の発生等が考えられている。安定したメモリー性を発現させるための手段の1つとして、負の誘電率異方性(Δε<0、Δεは誘電率異方性を表わす)を示す強誘電性液晶組成物を用いる方法が提案された。この方式では、ACスタビライズ効果により、液晶分子の2安定状態がバイアスによる影響を受けないので安定したメモリー性を発現させ、光漏れが起こらない。よって高いコントラストが実現できる(フェロエレクトリクス 第122巻 p.63(1991年)。
【0005】
τ−Vminを利用した表示素子に用いられる強誘電性液晶材料において求められる特性は、低いVminと早いτminを両立させることである。Vminは駆動電圧に、τminは書き込み速度に影響する。低いVminを得るためには、大きな負の誘電率異方性と小さな自発分極が必要である。一方、強誘電性液晶の応答速度を早くするためには、ある程度以上の自発分極が必要である。それゆえ、液晶材料としては負に大きな誘電率異方性を有する低粘度の材料が必要である。また、良好な強誘電性液晶素子を得るためには、配向性にすぐれスメクチックC相を室温付近で示すことが望ましい。また高いコントラストを得るためにチルト角の大きな材料が望まれている。もちろん、化学安定性、光に対する安定性など有することが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は強誘電性液晶組成物構成成分として有用な液晶材料を提供することにある。とくに、τ−Vminを利用した表示素子に適した誘電率異方性が負に大きく、チルト角が大きな液晶材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、6H−ジベンゾピラン−6−オン環を有する化合物の探索を行った結果、その2、8位に置換基を有する骨格構造を持つ置換ベンゾピラン誘導体の中に誘電率異方性が負に大きく、チルト角が大きい化合物を見いだした。さらに、この化合物がτ−Vminを利用した表示素子に適した強誘電性液晶の構成成分に好適に使用できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1項は、一般式(1)
【化2】
Figure 0004449105
【0009】
(R1およびR2はそれぞれ独立に、炭素数2から16の直鎖状または分岐状のアルキル基である。R1およびR2はまた少なくとも1つのメチレンが−O−、−S−、 −CH=CH−、−C≡C−、−CF2−、−CHF−で置き替えられた該アルキル基であるが、この場合に−O−と−O−または−O−と−S−が隣接することはなく、そしてメトキシ基ではない。 Xは−O−または−CO−、Yは−O−または−CO−であるが、XとYは同一ではない。 Zは単結合、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−COO−または−OCO−である。Pは単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つのハロゲン原子または少なくとも1つのシアノ基で置換された1,4−フェニレン、少なくとも1つのハロゲン原子と少なくとも1つのシアノ基で置換された1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1つまたは2つのメチレンが、それぞれ独立に−O−、−S−で置換された1,4−シクロヘキシレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイルまたはチアジアゾール−2,5−ジイルである)で表される化合物である。
【0010】
本発明の第2項は、一般式(1)において、Zは単結合であり、 Pは単結合である第1項に記載の化合物である。
本発明の第3項は、一般式(1)において、Zは単結合であり、 Pは2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンである第1項に記載の化合物である。
本発明の第4項は、一般式(1)において、Zは単結合であり、 Pはチアジアゾール−2,5−ジイルである第1項に記載の化合物である。
本発明の第5項は、第1項から第4項のいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物である。
本発明の第6項は、第1項から第4項のいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物を用いて構成された液晶素子である。
【0011】
一般式(1)で表される化合物のR1およびR2は炭素数2〜16のアルキル基または炭素数2〜15のアルコキシ基が好ましいが、より好ましくは炭素数2〜12の直鎖状のアルキル基またはアルコキシ基である。具体的にはアルキル基として、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルが好ましく、アルコキシ基としてはエトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシが好ましい。
【0012】
一般式(1)のR1およびR2として、アルキル基およびアルコキシ基以外の好ましい基は、 CH2=CH−、 CH3−CH=CH−、CH2=CH−CH2−、CH3−CH=CH−CH2−、 CH2=CH−CH2−CH2−、CH2=CH−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH=CH−CH2−CH2−、
CH2=CH−CH2 −O−、 CH3−CH=CH−CH2−O−、 CH2=CH−CH2−CH2−O−、 CH2=CH−CH2−CH2−CH2−O−、
CH2=CH−CH2−S−、CH2=CH−CH2−S−、
CH3−C≡C−、CH3−CH2−C≡C−、CH3−CH2−CH2−C≡C−、CH3−C≡C−C≡C−、
CH3−O−CH2−、 CH3−O−CH2−CH2−、 CH3−O−CH2−CH2−CH2−、CH3−O−CH2−CH2−CH2−CH2−、 CH3−CH2−O−CH2−、 CH3−CH2−O−CH2−CH2−、CH3−CH2−O−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−O−CH2−CH2−CH2−CH2−、
CH3−O−CH2−O−、 CH3−O−CH2−CH2−O−、 CH3−O−CH2−CH2−CH2−O−、CH3−O−CH2−CH2−CH2−CH2−O−、 CH3−CH2−O−CH2−O−、 CH3−CH2−O−CH2−CH2−O−、CH3−CH2−O−CH2−CH2−CH2−O−、CH3−CH2−O−CH2−CH2−CH2−CH2−O−、
CH3−S−CH2−、CH3−S−CH2−CH2−CH2−、CH3−S−CH2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−S−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−S−CH2−CH2−CH2−CH2−、
CH3−CF2−CH2−、CH3−CF2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CF2−CH2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CF2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CF2−CH2−CH2−CH2−CH2−、
CH3−CHF−CH2−、CH3−CHF−CH2−CH2−CH2−、CH3−CHF−CH2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CHF−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CHF−CH2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CHF−CH2−等である。
【0013】
一般式(1)のPとして単結合以外では、以下に例示する環構造が好ましい。
【0014】
【化3】
Figure 0004449105
【0015】
本発明の一般式(1)化合物は、好ましい骨格構造の例として以下の8種の骨格構造に分類できる。
【0016】
【化4】
Figure 0004449105
【0017】
一般式(1)で表される化合物中で、化合物(B)は、Pで表される環構造まで考慮すると以下の11種が好ましい。その中でも、化合物(B−3)、(B−10)、(B−11)などは誘電率異方性をより負に大きくすることができるので好ましい。
【0018】
【化5】
Figure 0004449105
【0019】
化合物(C)の中で、環Pを考慮すると以下の9種が好ましい。
【0020】
【化6】
Figure 0004449105
【0021】
化合物(D)の中で、環Pを考慮すると以下の10種が好ましい。
【0022】
【化7】
Figure 0004449105
【0023】
化合物(E)の中で、環Pを考慮すると以下の7種が好ましい。
【0024】
【化8】
Figure 0004449105
【0025】
化合物(F)の中で、環Pを考慮すると以下の7種が好ましい。
【0026】
【化9】
Figure 0004449105
【0027】
化合物(G)の中で、環Pを考慮すると以下の7種が好ましい。
【0028】
【化10】
Figure 0004449105
【0029】
化合物(H)の中で、環Pを考慮すると以下の7種が好ましい。
【0030】
【化11】
Figure 0004449105
【0031】
次に本発明の化合物の製造例を示す。本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、R1およびR2がアルキル基で表される化合物(A1)は次の経路で製造できる。すなわち、フルオレン(a)とアルカノイルクロライドとのフリーデルクラフツ反応、ついでヒドラジンなどにより還元することで2−アルキルフルオレン(b)を得ることができる。(b)をさらにアルカノイルクロライドとのフリーデルクラフツ反応、ついでヒドラジンなどにより還元することで(c)で表される化合物を製造できる。(c)を2ブタノン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤中、水酸化カリウムなどの塩基の存在下、酸素により酸化することでフルオレノン誘導体(d)を得ることができる。(d)をメタクロロ過安息香酸、過酸化水素水、過酢酸などの過酸化物で酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(A1)を製造できる。
【0032】
【化12】
Figure 0004449105
【0033】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、R1およびR2がアルコキシ基で表される化合物(A2)は次の経路で製造できる。すなわち、フルオレン(a)と塩化アセチルとのフリーデルクラフツ反応、過酸化物による酸化(バイヤービリガー反応)、さらに塩化アセチルとのフリーデルクラフツ反応により2−アセトキシ−7−アセチルフルオレン(e)を得ることができる。(e)をさらに加水分解した後、塩基の存在下ハロゲン化アルキル(Q)と反応させることで2−アセチル−7−アルコキシフルオレン(f)が得られる。(f)を過酸化物による酸化(バイヤービリガー反応)した後、加水分解することで(g)が得られる。(g)を塩基の存在下ハロゲン化アルキル(Q´)と反応させることにより2、7−ジアルコキシフルオレン(h)が得られる。(h)を酸素酸化した後、過酸化物により酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(A2)を製造できる。
【0034】
【化13】
Figure 0004449105
【0035】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(B−1)〜(B−6)は次の経路で製造できる。2−アルキルフルオレン(b)をクロロホルム、ジクロルメタンなどの溶剤中で臭素などを反応させることで、2−アルキル−7−ブロモフルオレン(i)が得られる。(i)とホウ素酸誘導体(R)をパラジウムなどの触媒を用いたクロスカップリング反応(リキッド クリスタル,Vol.18,No.1,1ページ)により対応するクロスカップリング体を得ることができる。このものを酸素により酸化した後、さらに過酸化物で酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(B−1)〜(B−6)を製造できる。
【0036】
【化14】
Figure 0004449105
【0037】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(B−7)は次の経路で製造できる。すなわち、(i)をノルマルブチルリチウムなどで対応するリチウム試薬を調製し、そこに4−アルキルへシクロヘキサノン誘導体を加え、クロスカップリング体を得る。さらに脱水反応、水素添加反応、異性化反応、酸素酸化、バイヤービリガー反応などの工程をへて化合物(B−7)を製造できる。
【0038】
【化15】
Figure 0004449105
【0039】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(B−10)は以下の経路にて好適に製造できる。2−アセチル−7−アルキルフルオレンを酸素酸化することで対応するフルオレノン誘導体(j)に変換し、そのものを次亜臭素酸ナトリウムなどの酸化剤により酸化することで2−アルキルフルオレノン−7−カルボン酸(k)を得ることができる。(k)を塩化チオニルなどの塩素化剤により対応する酸塩化物とした後、ピリジンなどの塩基の存在下、アルキルヒドラジドと反応させることにより対応するジヒドラジドが得られる。このものをローソン試薬、硫黄単体などの硫黄化試薬を反応させることにより2−アルキル−7−(5−アルキル−1、3、4−チアジアゾール−2−イル)フルオレノンが得られる。このものを過酸化物により酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(B−10)を製造できる。
【0040】
【化16】
Figure 0004449105
【0041】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(C)は次の経路で合成できる。すなわち、2−アセチル−7−アルキルフルオレンを次亜臭素酸ナトリウムなどの酸化剤により酸化することで2−アルキルフルオレン−7−カルボン酸(l)を得ることができる。 (l)をエステル化した後、リチウムアルミニウムハイドライドによる還元反応、臭化水素酸を用いた臭素化反応などの工程をへて対応する臭化物(m)を得ることできる。(m)とフェノール誘導体(S)とのエーテル化反応、酸素酸化、バイヤービリガー反応などの工程をへて化合物(C)を製造できる。
【0042】
【化17】
Figure 0004449105
【0043】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(D)は次の経路で製造できる。2−アルキル−7−ヒドロキシフルオレンを水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、臭素化物(T)とのエーテル化反応、酸素酸化、バイヤービリガー反応などの工程をへて化合物(D)を製造できる。
【0044】
【化18】
Figure 0004449105
【0045】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(E)は次の経路で製造できる。(k)とアルコール誘導体(S)とのエステル化反応により対応するエステル誘導体(n)が得られる。(n)を過酸化物により酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(E)を得ることができる。
【0046】
【化19】
Figure 0004449105
【0047】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(F)は次の経路で製造できる。(j)を過酸化物により酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(o)を得ることができる。このものをジエチルアミンなどのアミンで処理することで対応するアルコール体(p)が得られる。(p)とカルボン酸誘導体(T)とのエステル化反応により化合物(F)を得ることができる。
【0048】
【化20】
Figure 0004449105
【0049】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(G)は次の経路で製造できる。すなわち、(i)とアセチレン誘導体(U)をパラジウムなどの触媒を用いたクロスカップリング反応、酸素により酸化、ついで、過酸化物により酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(G)を製造できる。
【0050】
【化21】
Figure 0004449105
【0051】
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、化合物(H)は次の経路で製造できる。すなわち、2−アルキルフルオレンと酸クロライド誘導体(V)とのフリーデルクラフツ反応により対応するケトン誘導体(q)を得ることができる。(q)をリチウムアルミニウムハイドライドなどの還元剤による還元、脱水、水素添加することでフルオレン誘導体(r)が得られる。(r)を酸素酸化、ついで過酸化物により酸化(バイヤービリガー反応)することで化合物(H)を製造できる。
【0052】
【化22】
Figure 0004449105
【0053】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明の化合物をさらに詳細に説明する。なお、下記の実施例および比較例において、各種の物性値の測定は次の方法で行った。
相転移温度: 試料をスライドガラスに置き、カバーガラスで覆ってホットプレートに乗せ、偏向顕微鏡下で、1℃/minで昇温して測定した。相転移においてNはネマチック相、SAはスメクチックA相、ScはスメクチックC相、Sc*はカイラルスメクチックC相、SBはスメクチックB相、 S1、S2、S3は未同定のスメクチック相、N*はカイラルネマチック相、Isoは透明点を示す。
融点: 示差走査熱量分析(DSC)を用い、1℃/minで昇温して測定した。
自発分極値(Ps): ホモジニアス配向処理を施した、電極間隔が10μmのセルに各組成物を注入し、ソーヤ・タウアー法にて測定した。
傾き角(θ): 自発分極値の測定で用いたのと同種のセルに各組成物を注入し、臨界電場以上の十分高い電場を印加して、らせん構造を消滅させ、さらに極性を反転させ、直交ニコル下における消光位の移動角(2θに対応)より求めた。
応答時間: ホモジニアス配向処理を施した、電極間隔が2μmのセルに各組成物を注入し、Vppが20V、1kHzの矩形波を印加したときの透過光強度の変化から測定した。
【0054】
実施例1
一般式(1)の化合物の製造は以下のように行った。
3、8−ジノニルオキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6−オン、化合物(78)の製造
(第1段階)
フルオレン150gをジクロルメタン1Lに溶かした溶液を0℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム126gを少しづつ加えた。つぎに塩化アセチル74gをジクロルメタン400mlに溶かした溶液を滴下し、0℃を保ちながら1時間かくはんした。反応液を6N塩酸1Lにあけ、析出した固形物を濾過により分取した。このものを乾燥した後、トルエン を用いて再結晶して165gの2−アセチルフルオレンを得た。融点は129℃であった。
【0055】
(第2段階)
2−アセチルフルオレンを165g、ぎ酸320g、無水酢酸120g、ジクロルメタン1Lからなる溶液に硫酸40mlを加え、つぎに過酸化水素水120mlを滴下し、30分室温でかくはんした。40℃まで加熱して5時間さらにかくはんした。水1Lを加え、ジクロルメタン層を分液し、飽和炭酸ナトリウム水、亜硫酸水素ナトリウム水、水の順番で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して固形物を得た。このものをヘプタン、酢酸エチル1:1の混合溶媒を用いて再結晶して、2−アセトキシフルオレン149gを得た。融点は130℃であった。
【0056】
(第3段階)
2−アセトキシフルオレン140g、ジクロルメタン1Lからなる溶液を0℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム189gを加え、つぎに塩化アセチル62g、ジクロルメタン100mlからなる溶液を滴下し、0℃を保ちながら5時間かくはんした。反応液に6N塩酸に加え、ジクロルメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して固形物を得た。このものをエタノール、酢酸エチルの混合溶媒を用いて再結晶を行い143gの2−アセトキシ−7−アセチルフルオレンを得た。融点は134℃であった。
【0057】
(第4段階)
2−アセトキシ−7−アセチルフルオレン150g、水酸化カリウム30g、エチレングルコール400ml、エタノール1L、水50mlを仕込み、5時間還流した。エタノールを減圧蒸留により留去し、残った溶液を6N塩酸1Lに注いだ。析出した固形物を濾過により分取し、乾燥、酢酸を用いて再結晶し、106gの2−アセチル−7−ヒドロキシフルオレンを得た。融点は220〜222℃であった。
【0058】
(第5段階)
2−アセチル−7−ヒドロキシフルオレン20g、臭化ノニル27.5g、炭酸カリウム25.6g、ジメチルホルムアミド250mlからなる溶液を4時間還流した。反応液に6N塩酸100mlを加え、トルエンで抽出、水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。濃縮物をヘプタンを用いて再結晶を行い22.3gの2−アセチル−7−ノニルオキシフルオレンを得た。融点は110℃であった。
【0059】
(第6段階)
2−アセチル−7−ノニルオキシフルオレン10g、ぎ酸25g、無水酢酸10g、ジクロルメタン100mlからなる溶液に硫酸3mlを加え、ついで過酸化水素水10mlを滴下した。40℃まで加熱し、同温度を保ちながら2時間かくはんした。水を加え、ジクロルメタンで抽出、炭酸ナトリウム水、亜硫酸水素ナトリウム水、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をエタノール80mlに溶かし、水酸化カリウム3g、水5mlを加え2時間還流した。エタノールを減圧蒸留により留去して、残った溶液に6N塩酸を加え、クロロホルムで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をヘプタンを用いた再結晶により精製し、4gの2−ノニルオキシ−7−ヒドロキシフルオレンを得た。融点は153℃であった。
【0060】
(第7段階)
2−ノニルオキシ−7−ヒドロキシフルオレン2.8g、臭化ノニル2.7g、炭酸カリウム2.5g、ジメチルホルムアミド50mlからなる溶液を5時間還流した。水を加え、トルエンで抽出、トルエン層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.8gの2、7−ジノニルオキシフルオレンを得た。この化合物は液晶性を示し、その相転移温度はCr 111 SA 116.5 Isoであった。
【0061】
(第8段階)
2、7−ジノニルオキシフルオレン2.9g、粉末状にした水酸化カリウム1.43g、2−ブタノン50mlからなる溶液を加熱還流しながら、溶液中に酸素を2時間バブリングし、さらに室温で1時間かくはんした。6N塩酸を加え、トルエンで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製し、1.9gの2、7−ジノニルオキシフルオレノンを得た。この化合物は液晶性を示し、相転移温度はCr 59 Sc 81.3 Isoであった。
【0062】
(第9段階)
2、7−ジノニルオキシフルオレノン1.8g、炭酸水素ナトリウム0.7g、メタクロロ過安息香酸1.5g、ジクロルメタン50mlからなる溶液を3日間還流した。反応液を6N塩酸、亜硫酸水素ナトリウム水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製して0.5gの3、8−ジノニルオキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6オンを得た。相転移温度はCr 79.9 Sc 99.5 Isoであった。
【0063】
3、8−ジオクチルオキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6−オン、化合物(67)の製造
同様の方法により3、8−ジオクチルオキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6オンを得た。相転移温度はCr 80 Sc 99 Isoであった。
【0064】
実施例2
2−ヘプチル−7−ペンチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6オン、化合物(143)の製造
(第1段階)
フルオレン26g、ジクロルメタン1Lからなる溶液を0℃に冷却し、無水塩化アルミニウム32gを加え、つぎにエナント酸クロリド25gを滴下し、内温を0℃に保ちながら8時間かくはんした。6N塩酸1Lを加え、ジクロルメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して固形物を得た。このものをヘプタンで再結晶し、20gの2−ヘプタノイルフルオレンを得た。融点は111〜112℃であった。
【0065】
(第2段階)
2−ヘプタノイルフルオレン10g、ジエチレングリコール100mlからなる溶液に水酸化カリウム4.1g、ついでヒドラジン3.7gを加え、280℃で6時間加熱かくはんした。水を加え、ジエチルエーテルで抽出、エーテル層を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をエタノールにより再結晶し、11gの2−ヘプチルフルオレンを得た。融点は58〜60℃であった。
【0066】
(第3段階)
2−ヘプチルフルオレン7g、ジクロルメタン1Lからなる溶液を0℃に冷却し、無水塩化アルミニウム7.2gを加え、つぎにペンタノイルクロライド3.2gを滴下し、内温を0℃に保ちながら3時間かくはんした。6N塩酸1Lを加え、ジクロルメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して固形物を得た。このものをヘプタンで再結晶し、6.4gの2−ヘプチル−7−ペンタノイルフルオレンを得た。この化合物は液晶性を示し、その相転移点はCr 114 SA 119.6 Isoであった。
【0067】
(第4段階)
2−ヘプチル−7−ペンタノイルフルオレン6.4g、ジエチレングリコール60mlからなる溶液に水酸化カリウム2.2g、ついでヒドラジン2gを加え、280℃で4時間加熱かくはんした。水を加え、ジエチルエーテルで抽出、エーテル層を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をエタノールにより再結晶し、4.8gの2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレンを得た。融点は88℃であった。
【0068】
(第5段階)
2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレン4.8g、粉末状の水酸化カリウム3.5g、2−ブタノン80mlからなる溶液を加熱還流しながら、溶液中に酸素を1時間バブリングし、さらに室温で2時間かくはんする。6N塩酸を加え、クロロホルムで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去して得らる残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製し、2.1gの2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレノンを得る。
【0069】
(第6段階)
2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレノン2.1g、炭酸水素ナトリウム1g、メタクロロ過安息香酸2.1g、ジクロルメタン80mlの溶液を3日間還流した。反応液を6N塩酸、亜硫酸水素ナトリウム水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製して2−ヘプチル−7−ペンチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6オンを得る。
【0070】
実施例3
3−オクチルオキシ−8−(5−ヘキシル−1、3、4−チアジアゾール−2−イル)−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6オンの製造、化合物(264)
(第1段階)
2−アセチル−7−オクチルオキシフルオレン16g、粉末状にした水酸化カリウム13g、2−ブタノン250mlからなる溶液を加熱還流しながら、溶液中に酸素を2時間バブリングし、さらに室温で2時間かくはんした。塩酸水を加え、トルエンで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去して得らる残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製し、11.8gの2−アセチル−7−オクチルオキシフルオレノンを得た。融点は250℃以上であった。
【0071】
(第2段階)
2−アセチル−7−オクチルオキシフルオレノン9.5g、ジオキサン150mlのスラリ−をアイスバスで5℃以下に冷却しながら水酸化ナトリウム16.8g、臭素6ml、水80mlから調製した過臭素酸ナトリウムを滴下した。アイスバスをはずし室温にもどして5時間かくはんした。6N塩酸に反応液を注ぎ込み、析出した結晶を分取して乾燥した。酢酸を用いて再結晶を行い7.3gの2−オクチルオキシフルオレノンカルボン酸を得た。
【0072】
(第3段階)
2−オクチルオキシフルオレノンカルボン酸2g、塩化チオニル10mlを2時間還流した後、過剰の塩化チオニルを留去した。残査にヘキシルヒドラジド0.6g、ピリジン7ml、テトラヒドロフラン25mlを加え、4時間還流した。水100mlに反応液を注ぎ、析出した結晶を分取して乾燥した。エタノール、酢酸エチルの混合溶媒で再結晶して1.5gのN−ヘキサノイル−N´−(7−オクチルオキシ−2−フルオレノンカルボニル)ヒドラジンを得た。
【0073】
(第4段階)
N−ヘキサノイル−N´−(7−オクチルオキシ−2−フルオレノンカルボニル)ヒドラジン1.5g、ローソン試薬1.37g、テトラヒドロフラン20mlの溶液を4時間還流した。反応溶液に水を加えトルエンで抽出、6N塩酸、20%水酸化ナトリウム水、水で順次洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製して0.8gの2−オクチルオキシ−7−(5−ヘキシル−1、3、4−チアジアゾール−2−イル)フルオレノンを得た。この化合物は液晶性を示し、その相転移温度はCr 116 Sx 173 Isoであった。
【0074】
(第5段階)
2−オクチルオキシ−7−(5−ヘキシル−1、3、4−チアジアゾール−2−イル)フルオレノン0.2g、炭酸水素ナトリウム0.14g、メタクロロ過安息香酸0.28g、ジクロルメタン20mlの溶液を3日間還流した。反応液を塩酸水、亜硫酸水素ナトリウム水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製して0.1gの目的物を得た。
【0075】
実施例に従い、一般式(1)で表される化合物1〜660を製造する。化合物の構造を示す。
【0076】
【化23】
Figure 0004449105
【0077】
【化24】
Figure 0004449105
【0078】
【化25】
Figure 0004449105
【0079】
【化26】
Figure 0004449105
【0080】
【化27】
Figure 0004449105
【0081】
【化28】
Figure 0004449105
【0082】
【化29】
Figure 0004449105
【0083】
【化30】
Figure 0004449105
【0084】
【化31】
Figure 0004449105
【0085】
【化32】
Figure 0004449105
【0086】
【化33】
Figure 0004449105
【0087】
【化34】
Figure 0004449105
【0088】
【化35】
Figure 0004449105
【0089】
【化36】
Figure 0004449105
【0090】
【化37】
Figure 0004449105
【0091】
【化38】
Figure 0004449105
【0092】
【化39】
Figure 0004449105
【0093】
【化40】
Figure 0004449105
【0094】
【化41】
Figure 0004449105
【0095】
【化42】
Figure 0004449105
【0096】
【化43】
Figure 0004449105
【0097】
【化44】
Figure 0004449105
【0098】
【化45】
Figure 0004449105
【0099】
【化46】
Figure 0004449105
【0100】
【化47】
Figure 0004449105
【0101】
【化48】
Figure 0004449105
【0102】
【化49】
Figure 0004449105
【0103】
【化50】
Figure 0004449105
【0104】
【化51】
Figure 0004449105
【0105】
【化52】
Figure 0004449105
【0106】
【化53】
Figure 0004449105
【0107】
【化54】
Figure 0004449105
【0108】
【化55】
Figure 0004449105
【0109】
実施例4
下記の液晶組成物を調製した。
一般式
【0110】
【化56】
Figure 0004449105
【0111】
で示され、両末端のアルキル基(Re、Rf)が下記のように異なる5種類の化合物を、次の割合で混合し母液晶Aとした。
Figure 0004449105
母液晶Aの誘電率異方性は−1.5であった。母液晶A,97重量%と化合物(78)、3重量%からなる液晶組成物の誘電率異方性の外挿値(25℃において測定)は−5.7であった。このことから、本発明の化合物は負に大きな誘電率異方性を示すことがわかる。
実施例5
下記のスメクチック液晶組成物(B)を調製した。
【0112】
【化57】
Figure 0004449105
【0113】
このスメクチック液晶組成物(B)の相転移温度は以下の通りであった。
Cr 4 Sc 65 SA 79 N 90 Iso
この組成物(B)90重量%と実施例1で製造した化合物(78)10重量%からなるスメクチック液晶組成物(C)を調製した。この組成物(C)の相転移温度は以下の通りであった。
Sc 73.0 SA 75.6 N 88.3 Iso
この組成物(C)95重量%と下記の光学活性化合物〔X〕5重量%からなる強誘電性液晶組成物(D)を調製した。
【0114】
【化58】
Figure 0004449105
【0115】
この強誘電性液晶組成物(D)の相転移温度は
Sc* 72.3 N* 88.3 Iso
であり、この組成物(D)をセルに注入して測定した強誘電性特性は表1のようであった。
【0116】
【表1】
Figure 0004449105
【0117】
比較例1
【0118】
スメクチック液晶組成物(B)95重量部と光学活性化合物〔X〕5重量部からなる強誘電性液晶組成物(E)を調製した。この組成物(E)の相転移温度は以下のとおりであった。
Sc* 65.1 SA75.7 N* 88.2 Iso
組成物(E)をセルに注入して測定した強誘電性特性は表2のようであった。
【0119】
【表2】
Figure 0004449105
【0120】
表1と表2の組成物の示す25℃におけるチルト角を比較する。本発明の化合物を含む強誘電性液晶組成物(D)のチルト角は27.2°を示し、本発明の化合物を含まない強誘電性液晶組成物(E)のチルト角は23.7°を示した。このことから、本発明の化合物は強誘電性液晶組成物のチルト角を大きくする効果があることが判る。
【0121】
【発明の効果】
本発明の化合物は誘電率異方性が負に大きく、その多くの化合物がスメクチックC相を示すことから、τ−Vminを利用した強誘電性液晶表示素子に適している。また本発明の化合物含む液晶組成物はチルト角が大きいことから、高いコントラストの強誘電性液晶表示素子を得ることができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004449105
    (R1およびR2はそれぞれ独立に、炭素数2から16の直鎖状または分岐状のアルキル基である。R1およびR2はまた少なくとも1つのメチレンが−O−、−S−、 −CH=CH−、−C≡C−、−CF2−、−CHF−で置き替えられた該アルキル基であるが、この場合に−O−と−O−または−O−と−S−が隣接することはなく、そしてメトキシ基ではない。 Xは−O−または−CO−、Yは−O−または−CO−であるが、XとYは同一ではない。 Zは単結合、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−COO−または−OCO−である。Pは単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つのハロゲン原子または少なくとも1つのシアノ基で置換された1,4−フェニレン、少なくとも1つのハロゲン原子と少なくとも1つのシアノ基で置換された1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1つまたは2つのメチレンが、それぞれ独立に−O−、−S−で置換された1,4−シクロヘキシレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイルまたはチアジアゾール−2,5−ジイルである)で表される化合物。
  2. 一般式(1)において、Zは単結合であり、 Pは単結合である請求項1に記載の化合物。
  3. 一般式(1)において、Zは単結合であり、 Pは2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンである請求項1に記載の化合物。
  4. 一般式(1)において、Zは単結合であり、 Pはチアジアゾール−2,5−ジイルである請求項1に記載の化合物。
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