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JP4363627B2 - 扉用電気錠の防犯システム - Google Patents

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JP4363627B2 JP2003280741A JP2003280741A JP4363627B2 JP 4363627 B2 JP4363627 B2 JP 4363627B2 JP 2003280741 A JP2003280741 A JP 2003280741A JP 2003280741 A JP2003280741 A JP 2003280741A JP 4363627 B2 JP4363627 B2 JP 4363627B2
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Description

本発明は、ホテルの客室、研究室などの扉に取付けられる扉用電気錠の防犯システムに関する。
例えばホテルの客室の電気錠は、情報記憶媒体(施・解錠機構の施錠状態を解除するために用いられる解錠用カード)、入力部、制御部、記憶部、駆動源、施・解錠機構を内蔵する錠箱、出力部、電源などで錠前のシステムを構成している。この錠前のシステムは、「ホテルカードロック」と称され、普通一般に実施化されている。
しかし、従来のホテルカードロックは、記憶部に解錠用カードの使用履歴を記録し、出力部でその記録を取り出すことはできたが、内側ハンドル、サムターン部材等の操作部材に基づく機械的(メカ的)な操作履歴を記憶部から取り出すことができなかった。それは、解錠用カードは、あくまでも電気錠を解錠する手段として利用されていたからである。
すなわち、制御部(その判別手段・機能)は、読取り手段を介して読み取ったカードの識別コードと、予め記憶部に記録されているカードの情報とを付き合せ、識別コードと記憶部のカード情報とが一致した場合には駆動源にデッドラッチ用ロック解除の信号を送出し、一方、当該カードの挿入時間、使用履歴等を記憶部に記録するだけであった。
ところが、近年、アンチパニック機構を逆手に取り、扉の外側から道具を駆使して内側ハンドルを操作し、錠箱の施・解錠機構を解錠させた後に部屋に侵入する手口がある。このような特殊な道具を利用した手口で部屋に入られると、記録部には何の痕跡も残らないので、防犯対策上問題である。なお、この種の電気錠の錠箱には、閉扉時、戸枠側のストライクに進出係合した施錠片を施錠状態にする電気式施・解錠機構、該施・解錠機構が解錠用カードの挿入、制御部の信号処理等により解錠状態になった時に、前記デッドラッチを錠箱の内部に引き戻す操作ハンドル等がそれぞれ設けられている。
特開平10−46884号公報
そこで、この種の電気錠を備えた防犯システムの問題点(カードの使用履歴のみ記録する)に鑑み、現在、操作ハンドル等の操作に着目してメカ的な操作履歴も取ることができる電気錠の防犯システムを提案する。解決しようとする問題点は、留守中に、泥棒が扉の外側から道具を駆使して内側操作部材を操作し、錠箱の施・解錠機構を解錠させたとしても、記憶部に機械的な操作履歴を記録し、その操作履歴をカードの使用履歴と対比して検証し、防犯対策に役立てることである。
本発明の扉用電気錠の防犯システムは、入力部、制御部、情報記憶媒体の使用履歴を記録する記憶部、電源、施・解錠機構を内蔵する錠箱、出力部を備え、建具の扉に適用される扉用電気錠の防犯システムに於いて、前記錠箱30内に内側ハンドルハブ部材41の押圧突起47aに押圧され得る可動接片を有するマイクロスイッチ13を配設し、または、前記錠箱30内に前記内側ハンドルハブ部材41の回転力により所定方向へと移動するスライド駆動板14を介して回転するサムターン部材12に押圧され得る可動接片を有するマイクロスイッチ15を配設し、前記入力部は前記内側ハンドルハブ部材41又はサムターンダルマ51が回動した場合に、少なくとも前記マイクロスイッチ13又はマイクロスイッチ15の検出信号を取得し、前記制御部は前記マイクロスイッチが拾った機械的な信号を処理して前記記憶部に機械的な操作履歴として記録し、前記出力部は、情報記憶媒体の使用履歴のみならず、機械的な操作履歴も出力することを特徴とする。
上記構成に於いて、錠箱内には、外側操作部材の操作に基づく信号を拾う検出手段と、内側操作部材の操作に基づく信号を拾う検出手段がそれぞれ区別して配設されていることを特徴とする。また錠箱には、内側ハンドルハブ部材41の軸受け部45、外側ハンドルハブ部材42の軸受け部45A、サムターン部材12のサムターンダルマ51、シリンダ部材8のシリンダダルマ52が所要間隔離間して略縦一列状態に配設されていることを特徴とする。
また、錠箱内には、外側ハンドル7・シリンダ錠8・内側ハンドル11のいずれを解錠方向へ操作しても駆動するスライド駆動板14が設けられており、また、スライド駆動板14に連動するサムターン部材の動きを検出する検出手段が配設されており、制御部は、該検出手段が拾った信号を処理して記憶部に記録することを特徴とする。
また錠箱内には、スライド駆動板14は、縦方向に延伸する1枚の駆動板であり、錠箱30の幅広側壁36の内壁面と内外のハンドルハブ部材41.42との間に上下動自在に設けられており、かつ、複数個の係合部ないし被係合部が形成されていることを特徴とする。
また錠箱内には開扉信号を検出する検出手段が設けられ、制御部は、該検出手段を介して検出した開扉信号を記憶部4に記録することを特徴とする。さらに、制御部には、扉の開放時間をカウントする計時装置22が電気的に接続していることを特徴とする。
(1)操作ハンドル等の操作に着目してメカ的な操作履歴も取ることができる。換言すれば、情報記憶媒体による解錠か、それともキー等による機械的な解錠かを区別することができる。したがって、メカ的な操作履歴をカードの使用履歴と対比して検証し、防犯対策に役立てることができる。
(2)特に請求項1に記載の発明は、入力部は、錠箱に設けられた内側操作部材が回動した場合に信号を検出する少なくとも一つ以上の検出手段であるから、内側ハンドル又は/及びサムターン部材を、不自然にも或いは留守中に回動した場合には、この痕跡が記録部に残るから、防犯対策に非常に役立つ(例えば管理者に対して即警報音を鳴らすとか)。
(3)外側操作部材の操作に基づく信号を拾う検出手段と、内側操作部材の操作に基づく信号を拾う検出手段がそれぞれ区別して配設されている実施例の場合には、錠前プログラムを活用し、情報記憶媒体を利用した入出及び退出、外側操作部材を利用した入出、内側操作部材を利用した退出などの信号を検出・記録することができるから、本人或いは宿泊者が本当に入出や退出したものか否か、より確実に確認することができると共に、「入出」か、それとも「退出」かの区別も可能である。
(4)錠箱内に外側ハンドル7・シリンダ錠8・内側ハンドル11のいずれを解錠方向へ操作しても駆動するスライド駆動板が設けられ、かつ、該スライド駆動板に連動するサムターン部材の動きを検出する検出手段が配設されおり、制御部は、該検出手段が拾った信号を処理して記憶部に記録する実施例の場合には、共通の信号(施錠片が後退した旨の信号)を一つの部材を介して取ることができる。
(5)錠箱内には開扉信号を検出する検出手段が設けられ、制御部は、該検出手段を介して検出した開扉信号を記憶部に記録する実施例を加味した場合には、不正解錠による開扉か否かをより確実に確認することができる。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。図1は、電気錠の防犯システムXの一実施例を示す。まず、説明の便宜上、防犯システムXの流れに沿って説明する。1は情報記憶媒体である。情報記憶媒体は、その形態如何は問わないが、例えば解錠用カードが用いられる。解錠用カード1には、当該カードを識別するための符号化コード(以下、「識別コード」と称する。)が担持されている。
解錠用カード1は、電気錠の施錠片としてのデッドラッチを自由にするために用いられる。デッドラッチは、扉を閉めた時に、ロッキングピース、駆動源等で構成されている単数又は複数の施・解錠機構によってロックされる。したがって、解錠用カード1は、施・解錠機構の施錠状態を解除するために用いられる。電気錠の内部構造については後述する。
次に、2は情報記憶媒体1に担持されている識別コードを読み取る読取り手段、3は各種の信号を処理する制御部(中央処理装置)である。読取り手段2はカードリーダであり、また制御部3はマイクロコンピュータ(CPU)である。
次に4は制御部3がアクセスする記憶部である。この記憶部4には、例えば情報記憶媒体1の識別コード・情報記憶媒体1の使用履歴(以下、ここではメカ的操作履歴と区別するために「カード履歴」と称する。)・単数又は複数の操作部材の操作履歴・電気錠に必要な錠前プログラム等を記憶格納する。本実施例では、少なくも外側操作部材の操作に基づく検出信号と、内側操作部材の操作に基づく検出信号とを区別して拾う。
次に5は読取り手段2を介して読み取った解錠用カード1の識別コードと、予め記憶部に記録されているカードの情報とを付き合せ、識別コードと記憶部のカード情報とが一致するか否か、制御部3が受け取った信号が不正な信号か否か、開扉時間が設定時間をオーバーしたか否かなどを照合判別する照合判別手段である。
次に6は制御部3からロック解除の信号(a)を受け取った時、駆動源の駆動力によりロッキングピースをロック解除の方向へ揺動させる施・解錠機構である。この施・解錠機構6のロッキングピースが解錠方向へ作動すると、本実施例では、錠箱に設けられた外側ハンドル7、シリンダ錠8等の外側操作部材の操作が可能になる。
錠箱には単数又は複数個の信号検出手段(本実施例では合計5個)が設けられているが、ここでは、外側ハンドル7を操作した旨の信号を検出するマイクロスイッチを第1検出手段9、シリンダ錠8の内筒体を操作した旨の信号を検出するマイクロスイッチを第2検出手段10とする。外側ハンドル7又はシリンダ錠8を操作して施錠片を後退させた場合には、それぞれの検出信号(b)、(c)が制御部3を介して記憶部4のファイル装置に記録される。
次に11は内側ハンドル、12はサムターン部材である。前記外側ハンドル7やシリンダ錠8は、室外から操作する外側操作部材であるのに対し、内側ハンドル11やサムターン部材12は、室内から操作する内側操作部材である。本実施例では、ホテルに宿泊したお客が外出中に、不自然或いは不正にも内側操作部材が操作された旨の信号を取るために、例えば内側ハンドル11を操作した旨の信号を検出するマイクロスイッチを第3検出手段13とする。内側ハンドル11を操作して施錠片を後退させた場合には、その検出信号(d)が制御部3を介して記憶部4のファイル装置に記録される。
ところで、本実施例では、錠箱内に複数個の被係合部を有するスライド駆動板14を内装し、このスライド駆動板14が駆動すると、前述したサムターン部材12が揺動し、その結果、施錠片(デッドラッチ)が解錠(後退)した旨の信号(e)を検出するマイクロスイッチを第4検出手段15とする。なお、16は図示しない制御箱に内蔵された電源である。
スライド駆動板14の具体的構成は後述するが、本実施例のスライド駆動板14は、外側ハンドル7・シリンダ錠8・内側ハンドル11のいずれを解錠方向へ操作しても駆動する。したがって、制御部3は、外側ハンドル7・シリンダ錠8・内側ハンドル11のいずれかの操作に起因してスライド駆動板14が駆動し、これに連動してサムターン部材12が揺動した場合には、その検出信号(e)が制御部3を介して記憶部4のファイル装置にそれぞれ記録される。
加えて、本実施例では、扉20を開いた旨の信号を検出するマイクロスイッチを第5検出手段21とする。22は計時装置で、この計時装置22は扉20を開いた場合に、扉の開放時間をカウントする。制御部3は、カウント値を読み込むことが可能であると共に、該計時装置22のカウント値をリセットすることもできる。
本実施例では、制御部3は、第5検出手段21を介して検出した開扉信号(f)も記憶部4のファイル装置に記録する。また、錠前プログラムに解錠時間が設定されており、解錠時間がオーバーした時に、前述した照合判別手段5が開扉状態か否かを確認した後に自動的にロック信号(g)を施・解錠機構に送信し、ロッキングピースを介して施錠片を施錠する。
最後に、23は制御部3に電気的に接続する出力部である。制御部3は入力信号を照合判別手段5に判別させるが、仮に照合判別手段5が当該信号を不正な解錠信号であると判断した場合には、出力部の報知器24に警報音を発生させることができるように制御する。また、出力部23は表示部25やプリンタ26を備えている。したがって、管理者は、表示部25やプリンタ26を介して、情報記憶媒体1の使用履歴のみならず、メカ的な操作履歴もみることができる。
なお、特に図示しないが、閉扉時、施・解錠機構6の施錠信号及び解錠信号を拾うためにマイクロスイッチを駆動源(ソレノイド)の作動杆に関連付けて適宜に設けている。また、トリガーと称される進退動部材の動きを利用して閉扉信号を拾うマイクロスイッチも適宜に設けられている。
次に、図2乃至図10を参照にして、電気錠の防犯システムXを説明する。図2は全体の環境システムを扉との関係で示す。20は建具の扉で、この扉20の自由端部の内部空間又は内壁面には、電気錠の錠箱30が固定的に取付けられている。一方、31は扉用の開口枠で、この開口枠31には、前記錠箱30に対応して受け金具32が固定的に設けられている。本実施例では受け金具32の適宜箇所(例えば下部)に第1永久磁石33が固定されている。
錠箱30の細部の構成については割愛しているが、錠箱30には、組み込まれる各部材を案内するためのガイド孔、ガイド突起、窓などが形成されている。例えば、フロント34には、進退動部材(通称「トリガー」)用の小孔、デッドボルト・デッドラッチ・ラッチボルトなどの施錠片用の窓、第1永久磁石33が臨む開口などが形成されている。
図2では、内外のハンドルやハンドル軸受け丸座(通称「エスカチオン」)等が示されている。ここでは、図2を基準にすると、11が内側ハンドル、7が外側ハンドルである。内側ハンドル11は長杆状のハンドル角軸35を備えている。本実施例では、内外のレバーハンドル11.7は、それぞれ別々に設けられている。
ここで錠箱30の各部位に符号を付す。36は幅広側壁、37は後壁、38は下壁、39は上壁である。次に、本発明に関連する電気錠の主たる部材に絞って説明する。
(1)内外のレバーハンドル11.7について説明する。内外のレバーハンドル11.7は、図7で示すように、錠箱30に縦方向に所要間隔を有して配設された内側ハンドルハブ部材41及び外側ハンドルハブ部材42にそれぞれ設けられている。内外のハンドルハブ部材41.42は、内側・外側ハンドル11.7の各操作によって所定量回動する。43は外側ハンドル7の角軸である。内側・外側ハンドル11.7は、それぞれの角軸35.43と協働回転する。
(2)内外のハンドルハブ部材41.42について説明する。まず、図5を参照にして内側ハンドルハブ部材41の各部位を説明する。45は星型形状の軸孔を有する肉厚の軸受け部、46は軸受け部の周壁の適宜部位から指先状に延びるバネ押圧部、47は軸受け部45の周壁の他の部位に突設された当り突起、47aは第3検出手段13と当接可能に押圧突起、48は当り突起から周方向に多少の間隔を有して前記バネ押圧部の根基部にやや弧状に突設された当り爪部、49はバネ押圧部の先端部寄りの部位にケース身の幅広側壁36に向かって突設された係合部としての押下げ突起である。しかして、内側ハンドルハブ部材41の前記軸受け部45に内側ハンドル11の角軸35が連係するように差し込まれる。
バネ押圧部46は、錠箱30の後壁37にやや斜めに指向している。バネ押圧部46の指先に相当する部分46aは、後述するバネ支持摺動体の頭部に圧接する。当り突起47は圧縮コイルバネが伸長した時(ハンドルが水平状態になった時)に、錠箱30の中心部に固定されたピン状ストッパ50に当接する。これに対して、当り爪部48は圧縮コイルバネが収縮した時(レバーハンドルを押し下げた時)に、前記ストッパ50に当接する。係合部としての押下げ突起49は、スライド駆動板14の上端部に形成した被係合部(切欠部)に係合する。
一方、前記外側ハンドルハブ部材42の前記軸受け部45Aに外側ハンドル7の角軸43が連係するように差し込まれる。外側ハンドルハブ部材42の形態(構成)は、内側ハンドルハブ部材41のそれと同一なので、同様の符号を付し、重複する説明を省略する。したがって、45Aは軸受け部、46Aはバネ押圧部、47Aは当り突起、48Aは当り爪部(突起)、49Aは係合部としての押下げ突起、50Aは錠箱30の中心部に固定されたピン状ストッパである。
(3)サムターン部材12と、シリンダ部材8について説明する。サムターン部材12と、シリンダ部材8は、内外のハンドルハブ部材41.42と同様に錠箱30に縦方向に所要間隔を有して配設されている。本実施例では、内側ハンドルハブ部材41の軸受け部45、外側ハンドルハブ部材の軸受け部45A、サムターン部材12のサムターンダルマ51、シリンダ部材8のシリンダダルマ52は、所要間隔離間して略縦一列状態に配設されている。
なお、前記サムターン部材12には図示しないサムターン軸が連係する。また、シリンダ部材8には図示しない合鍵が差し込まれる。
さて、サムターン部材12の構成について説明する。サムターン部材12は、サムターンダルマ51、該サムターンダルマに一体的に設けられた施錠片用引き戻し片53を有する。引き戻し片53は、例えば左手の親指と人差し指を開いたイメージを彷彿させる形状に形成されている。すなわち、54は親指状の第1係合部で、この第1係合部54は、スライド駆動板14の駆動突起と係合可能である。一方、施錠片の方向に延伸する人差し指状の第2係合部55は、先端部に施錠片の傾斜状案内長孔と係合するピン状の引寄せ駆動部56を有している。
一方、シリンダ部材8のシリンダダルマ52には、一端部にスライド駆動板14に係合する第1係合部57を、他端部に第2検出手段10の可動接片に対して押圧する第2係合部58をそれぞれと有する。
(4)スライド駆動板14について説明する。1枚のスライド駆動板14は、縦方向に延伸し、錠箱30の幅広側壁36の内壁面と内外のハンドルハブ部材41.42との間に上下動自在に設けられている。スライド駆動板14は、本実施例では錠箱30の幅広側壁36及び後述のバネ支持固定体の一側壁等に案内される。スライド駆動板14には、複数個の係合部ないし被係合部が形成されている。
すなわち、垂直の幅広板部14aの上端部の適宜箇所には、内側のハンドルハブ部材41の押下げ突起49が係合する切欠状の被係合部60が形成されている。また、垂直幅広板部14aの中央部には、外側ハンドルハブ部材42のバネ押圧部46Aの押し下げ突起49Aと係合する被係合部(切欠窓、係合面、係合突起など)61が形成されている。また、62は垂直幅広板部14aの下端部の左側端面に形成された係合駆動部(端面や突起)で、この係合駆動部62はサムターン部材12の引き戻し片53の第1係合部54に係合可能である。
さらに、スライド駆動板14は、その幅広中央部14aから下方へと伸長する細長状のアーム部14bを有し、該アーム部14bの下部には、一部逃がし用小切欠を有する被係合受部(例えば水平板部)63が設けられている。この被係合受部63に、シリンダダルマ52の突起状第1係合部57が係合する。加えて、細長状アーム部14bの適宜部位には、バネ端部用の受けピン64が設けられている。また、幅広中央部14aには、ストッパ50と係合可能な親指状の係合部65が形成されている。スライド駆動板14は、錠箱30の幅広側壁36の下端部に固定した固定案内軸67に中央部が設けられた駆動板用復帰バネ68に付勢されている。
(5)バネ支持固定体71と圧縮コイルバネについて説明する。1個のバネ支持固定体71は、比較的長いケース枠状に形成され、錠箱30の後壁37に沿うように該錠箱に適宜固定されている。バネ支持固定体71は、上方と下方に離間した底壁に相当するバネ端支持壁72.72と、上下の開口73.73を有している。
一方、前記上下のバネ端支持壁72.72に下端がそれぞれ支持された上下二個の圧縮コイルバネ74.74は、前記上下の開口73.73の収納部にそれぞれ組み込まれている。
ところで、本実施例では、前記バネ支持固定体71に対して合計2個の可動バネ支持体75が設けられている。各可動バネ支持体75.75は、内外のハンドルハブ部材41.42の指先46a.46aがそれぞれ圧接するキャップ状の頭部と、この頭部の4つの角部から延伸しかつバネ支持固定体71の内部空間にそれぞれ差し込まれた複数本の摺接スポークとから成る。摺接スポークは、ハンドルハブ部材41.42の回動に対応してバネ支持固定体71の上下のケース枠状の内壁に案内される。
したがって、二個の圧縮コイルバネ74.74は、上下の可動バネ支持体75.75を介して、内外のハンドルハブ部材41.42の各指先状バネ押圧部46.46Aにそれぞれ個別的に押し下げられる。
(6)第1乃至第5検出手段
図3を参照にして第1乃至第5検出手段を説明する。本実施例の各検出手段は、可動接片或いは可動子を有するマイクロスイッチを採用し、検出しようとする各部材に対してそれぞれ適宜に配設されている。まず、前述した符号9は、外側ハンドル7の機械的操作を検出する第1検出手段で、この第1検出手段9の可動子は外側ハンドルハブ部材42のバネ押圧部46Aの側壁と当接可能である。
次に、符号10はシリンダ部材8の第2係合部58と当接可能な第2検出手段で、この第2検出手段10は合鍵等の操作によって駆動するシリンダ部材8の機械的操作を検出する。
次に符号13は内側ハンドル11の機械的操作を検出する第3検出手段で、この第3検出手段13の可動接片は内側ハンドルハブ部材41の押圧突起47aと当接可能である。
次に符号15はサムターン部材12のサムターンダルマ51と接触可能な第4検出手段で、この第4検出手段15は、前出したように、外側ハンドル7、シリンダ錠8、内側ハンドル11のいずれかの操作に起因してスライド駆動板14が駆動し、これに連動してサムターン部材12が揺動した場合の機械的信号を検出する。
そして、符号21は、後述する施錠片保持機構の揺動片と当接する第5検出手段で、この第5検出手段21は、開扉信号を検出する。
なお、本発明は、特に部屋を留守している間に、操作部材、例えば内側ハンドル7の機械的操作をした旨の信号を少なくとも一つ以上の検出手段で拾うことができれば良いから、第1乃至第5検出手段の全ては、本発明の特定要件ではない。好ましくは、外側操作部材用の検出手段と、内側操作部材用の検出手段をそれぞれ1個以上設けると良い。
次に、図4を参照にして本発明の付加的構成要件について説明する。
(あ)まず施錠片77について説明する。施錠片77は、錠前の構造如何によってはラッチボルトでもいいが、本実施例では、電気錠の機能を考慮し、デッドラッチを採用している。78は閉戸(閉扉)時にフロント34の窓から突出する係合頭部、79は錠箱内に常時位置する連設部である。連設部79には、特に符号を付さないが、下方に延伸する対向側壁が設けられている。係合頭部78は、図1で示すように多少斜めに形成されている。
係合頭部78に連設する箱状連設部79は空洞である。連設部79の幅広側壁と対向する向こう側の対向側壁には、傾斜案内長孔80が形成され、該案内長孔80にサムターン部材12の駆動部56が係合する。
一方、連設部79の手前側の対向側壁の下端部には、ラック状の歯車列81が形成され、該歯車列には、施錠片保持機構の制御歯車が噛合する。
施錠片77は、水平案内棒82に案内される。前記水平案内棒82は、錠箱30の中央部に固定された小支持板に後端部がカシメ固定され、かつ、先端部は前記箱状連設部の支持孔を貫通する。そして、施錠片77は、水平案内棒82に巻装された施錠片用の付勢バネで突出方向に付勢されている。
(い)次に、施錠片保持機構85について説明する。この施錠片保持機構85は、本発明の付加的要件である。施錠片保持機構85は扉20を開いた時に施錠片77の後退状態を保持する。この施錠片保持機構85は、施錠片77の下方に配設され、本実施例では、受け金具32側の第1永久磁石33と、この第1永久磁石33の極性に反発する第2永久磁石86を有し、かつ、固定軸87に軸支された揺動片88と、この揺動片88の他端部に設けられ、かつ、前記施錠片77の歯車列81と噛合する制御歯車(例えばピニオン)89に係脱する係合爪片90と、前記揺動片88を常時係合する方向へ付勢する保持バネ91とから成る。
図2で示すように、第1永久磁石33と開口13を介して対峙する第2永久磁石86は、施錠時に極性(例えばN極とN極)に対応して反発するので、揺動片88の係合爪片90は、ピニオン89から離れているが、扉1を開いた時には、前記第2永久磁石86は第1永久磁石33から離れるので、揺動片88は保持バネ91により係合する方向へと回転する。その結果、前記係合爪片90がピニオン89に係合するので、施錠片77の後退状態が保持機構の構成部材85によって保持される。
(う)施錠片用の第1施・解錠機構95
この95は、本発明の付加的要件である。第1施・解錠機構95は、閉戸時、突出した施錠片77を直接的に施錠することができるように、施錠片77の上方に配設されている。施錠片77を施錠する手段は色々と考えられるが、構成する部品点数を少なくする一例として、受け金具32側(ストライク又は戸枠)に衝突して錠箱内に後退動する進退動片(通称「トリガー」)96と、この進退動片96が後退動によって先端部の係合部97が施錠片77の連設部79に係合する第1のロッキングピース98と、この第1のロッキングピース98を軸支する枢軸99に中央部が巻装され、かつ、該ロッキングピース98を常時係合解除の方向へと付勢する解錠バネ100とから成る。
(え)施錠片用の第2施・解錠機構6
この第1施・解錠機構6の駆動源は、電気錠に必要な構成要件である。この第2施・解錠機構6は、駆動源(ソレノイド)101の作動杆102に一端部(上端部)が軸支され、かつ、中央部(中央部寄りの部位も含まれる)が錠箱30の固定枢軸103に軸支されていると共に、その他端部(下端部)が外側ハンドルハブ部材42の当り突起47Aに係合する第2のロッキングバー104を備えている。したがって、施錠片77は、外側ハンドルハブ部材42の施錠を介して間接的にロックされる。
(お)その他
その他補足説明をすると、サムターン部材12は、スライド駆動板14に関係なく単独で回動することができる。つまり、図示しないサムターンの摘み部を施・解錠方向へ回した場合には、スライド駆動板14に関係なく、サムターン部材12は施錠方向又は解錠方向へと回転する。その結果、デッドラッチ77は進退動する。この時、第4検出手段15により、スライド駆動板14が下降した場合と同様に信号を拾うことができる。
次に、本発明の作用について説明する。まず、防犯システムXの電気錠の施錠信号と解錠信号の流れを簡単に説明する。扉20を閉めると、進退動部材96等の動きを利用して閉扉信号を受け取った制御部3は、第2の施・解錠機構6の駆動源101に対して施錠信号(g)を送信し、受け金具32に係合している施錠片(例えばデッドラッチ)77を施錠する。
上記のような施錠状態に於いて、解錠用カード1を読み取り装置2に差し込むと、制御部3は、照合判別手段5の判定へ経た後、施・解錠機構6の駆動源に対して解錠信号(a)を送信する。そうすると、施・解錠機構6はロッキングピース104をロック解除の方向へ駆動する。本実施例では、施・解錠機構6の駆動源は、ソレノイドが用いられているから、前記施錠信号(g)及び解錠信号(a)は、ソレノイドに対する通電又は非通電である。 このように、駆動源101の駆動力により、ロッキングピース104の係止が解消された後に、外側操作部材7.8の操作が可能となる。
次に図7は、検出手段との関係で、本発明の主要部の部材が作動した状態を示した説明図である(実際にはこのような図はあり得ない。説明の便宜上、各部材の動きを示している。)。例えば図8乃至図10から理解できるように、外側操作部材7.8等の操作が可能となると、前述したように、1枚のスライド駆動板14には、内外のハンドルハブ部材41.42用の被係合部60、61、サムターン部材12用の係合駆動部62、シリンダ部材8用の被係合受部63がそれぞれ形成されているから、内側ハンドルハブ部材41、外側ハンドルハブ部材42、それにシリンダ部材8がそれぞれ個別的に解錠方向へ回動すると、スライド駆動板14は下方に所定量下降し、該スライド駆動板14に連動してサムターン部材12が時計方向に回動する。
その結果、デッドラッチ77は後退する。その時、前述したように第1乃至第4検出手段は、それぞれ信号を検出し、検出された各信号は、制御部3に送信され、かつ、記憶部4に機械的な操作の履歴として記録される。
敷衍すると、例えば第1各検出手段9及び第2検出手段10は、それぞれの操作部材7、8に対応して操作信号(b)、(c)を検出する。また、スライド駆動板14が下方方向へ移動すると、サムターン部材12が揺動してデッドラッチが錠箱内へと引き戻されるが、サムターン部材12が揺動すると、デッドラッチが錠箱内へと後退した旨の信号(e)が、第4検出手段15により検出される。
一方、第3検出手段13は、内側ハンドル11を操作した場合に、それに対応して操作信号(d)、(c)を検出する。この時、スライド駆動板14が下方方向へ移動するから、サムターン部材12が揺動してデッドラッチが錠箱内へと引き戻される。したがって、外側操作部材7、8の場合と同様にデッドラッチが錠箱内へと後退した旨の信号(e)が検出される。
さらに、本実施例では、扉20を開いた場合には、後退したデッドラッチ77は保持機構を構成する部材85によって保持されるが、この時、開扉又は閉扉信号は、第5検出手段21によって検出され、該検出信号は、制御部3を介して記憶部4に履歴として記録される。
本発明の実施例は、最良の形態として、内側ハンドルハブ部材41の軸受け部45、外側ハンドルハブ部材42の軸受け部45A、サムターン部材12のサムターンダルマ51、シリンダ部材8のシリンダダルマ52が所要間隔離間して略縦一列状態に配設されている電気錠に適用したが、この最良の形態に限定するものではない。
例えば内外のハンドルをそれぞれ押し下げると、バネ部材のバネ力に抗して所定量回転するハンドルハブ部材を有する錠前のハンドル装置を有する電気錠に適用し、外側操作部材を操作することにより内側操作部材が回動し、該回動の信号を検出する少なくとも一つ以上の検出手段が設けられている実施例も、本発明の射程距離に含まれる。
本発明は、主にホテルの客室、研究所の研究室、高層マンションなどの扉に取付けられる扉用電気錠を製造、販売、展示する錠前業界で利用される。
図1乃至図10は本発明の一実施例を示す各説明図。
本発明の構成を示すブロック図。 本発明の電気錠の実施環境の概略説明図。 電気錠の内部構造の一例を示す概略説明図(特に主要部を示す)。 電気錠の内部構造を示す概略説明図。 検出手段に関係する主要部材の概略説明図。 スライド駆動板の斜視図。 主要部の部材と検出手段との関係を便宜上示した説明図。 外側ハンドルハブ部材が回動した場合の説明図。 シリンダ部材が回動した場合の説明図。 内側ハンドルハブ部材が回動した場合の説明図。
X…防犯システム、1…記憶媒体、2…読取り手段、3…制御部、4…記憶部、5…照合判別手段、6.95…施・解錠機構、7…外側ハンドル、8…シリンダ部材、9…第1検出手段、10…第2検出手段、11…内側ハンドル、12…サムターン部材、13…第3検出手段、14…スライド駆動板、14a…幅広板部、14b…細長状アーム部、15…第4検出手段、20…扉、21…第5検出手段、22…計時装置、23…出力部、24…報知器、25…表示部、26…プリンタ、30…錠箱、31…開口枠、32…受け金具、33…第1永久磁石、34…フロント、36…幅広側壁、37…後壁、34.43…角軸、41…内側ハンドルハブ部、42…外側ハンドルハブ部材、45.45A…軸受け部、46.46A…バネ押圧部、47.47A…当り突起、48.48A…当り爪部、49.49A…押下げ突起、50.50A…ストッパ、51…サムターンダルマ、52…シリンダダルマ、53…引き戻し片、54.57…第1係合部、55.58…第2係合部、60.61.63…被係合部、62…係合駆動部、65…係合部、64…受けピン、71…バネ支持固定体、72…上下のバネ端支持壁、73…上下の開口、74…圧縮コイルバネ、75…可動バネ支持体、77…施錠片、78…係合頭部、79…連設部、80…案内長孔、81…歯車列、82…水平案内棒、85…施錠片保持機構、86…第2永久磁石、88…揺動片、89…制御歯車、91…保持バネ、96…進退動片、98…第1のロッキングピース、101…駆動源、102…作動杆、104…第2のロッキングピース。

Claims (7)

  1. 入力部、制御部、情報記憶媒体の使用履歴を記録する記憶部、電源、施・解錠機構を内蔵する錠箱、出力部を備え、建具の扉に適用される扉用電気錠の防犯システムに於いて、前記錠箱30内に内側ハンドルハブ部材41の押圧突起47aに押圧され得る可動接片を有するマイクロスイッチ13を配設し、または、前記錠箱30内に前記内側ハンドルハブ部材41の回転力により所定方向へと移動するスライド駆動板14を介して回転するサムターン部材12に押圧され得る可動接片を有するマイクロスイッチ15を配設し、前記入力部は前記内側ハンドルハブ部材41又はサムターンダルマ51が回動した場合に、少なくとも前記マイクロスイッチ13又はマイクロスイッチ15の検出信号を取得し、前記制御部は前記マイクロスイッチが拾った機械的な信号を処理して前記記憶部に機械的な操作履歴として記録し、前記出力部は、情報記憶媒体の使用履歴のみならず、機械的な操作履歴も出力することを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
  2. 請求項1に於いて、錠箱内には、外側操作部材の操作に基づく信号を拾う検出手段と、内側操作部材の操作に基づく信号を拾う検出手段がそれぞれ区別して配設されていることを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
  3. 請求項1に於いて、錠箱には、内側ハンドルハブ部材41の軸受け部45、外側ハンドルハブ部材42の軸受け部45A、サムターン部材12のサムターンダルマ51、シリンダ部材8のシリンダダルマ52が所要間隔離間して略縦一列状態に配設されていることを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
  4. 請求項1又は請求項3に於いて、錠箱内には、外側ハンドル7・シリンダ錠8・内側ハンドル11のいずれを解錠方向へ操作しても駆動するスライド駆動板14が設けられており、また、スライド駆動板14に連動するサムターン部材の動きを検出する検出手段が配設されおり、制御部は、該検出手段が拾った信号を処理して記憶部に記録することを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
  5. 請求項1に於いて、錠箱内には、スライド駆動板14は、縦方向に延伸する1枚の駆動板であり、錠箱30の幅広側壁36の内壁面と内外のハンドルハブ部材41.42との間に上下動自在に設けられており、かつ、複数個の係合部ないし被係合部が形成されていることを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
  6. 請求項1に於いて、錠箱内には開扉信号を検出する検出手段が設けられ、制御部は、該検出手段を介して検出した開扉信号を記憶部4に記録することを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
  7. 請求項1に於いて、制御部には、扉の開放時間をカウントする計時装置22が電気的に接続していることを特徴とする扉用電気錠の防犯システム。
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