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JP4036384B2 - バイオセンサの製造方法 - Google Patents

バイオセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、バイオセンサに関する。さらに詳しくは、各種液体の成分濃度を、酵素などを利用して電気化学的に測定する、家庭内自己診断用の血糖計、尿糖計、糖化ヘモグロビン計、乳酸計、コレステロール計、尿酸計、タンパク質計、一塩基多型センサ、遺伝子診断に用いられるDNAチップ、他にアルコール計、グルタミン酸計、ピルビン酸計、pH計などに用いられるバイオセンサに関する。また、本発明は、折り曲げ工程を有するバイオセンサの製造方法に関する。さらに詳しくは、好ましくは、折り曲げ工程及び切断工程、または折り曲げ工程および固定化工程を含む製造方法に関する。
従来、使い捨て型のセンサ(特許文献1;特開昭47−500、特許文献3;特開昭52−142584)としては定量性を確保するために立体構造をとり、さらに毛細管現象(特許文献5;特開昭56−79242、特許文献6;特表昭61−502419)などを利用して試料液が自動的にセンサの内部に導入する仕組みが知られている(図1、特許文献7;特開平1−291153)。このような構成のセンサは、電気絶縁性の基板1上に、スペーサ2、更にカバー3を積層して組み立てられる。基板上には電極パターン4、カバー上には毛細管現象に必要な空気が抜けるために必要な空気孔5が開けられている。基板、スペーサ、カバーにより検出部に一定量の試料液6を毛細管現象により導入するための、片方に空気孔5を備えた試料導入口7、試料搬送路8が形成される。また、これらの構成部品は各々所定の形状に予め打ち抜いておく必要があり、立体加工における各部品の正確な重ねあわせのための位置決めも必要となるため、構成部品の数が増えるに従って立体加工の工程が複雑になる。さらに、これらのセンサに分子識別素子やメデイエータなどの試薬の塗布(特許文献2;特開昭48−37187、特許文献4;特開昭54−50396)や妨害物質の影響から回避するための膜(特許文献8;特開平3−202764)の形成などを必要とする場合は、さらに複雑な工程となる。
特開昭47−500・マイルス・使い捨てセンサ、乾燥試薬 特開昭48−37187・ロッシュ・酵素、メデイエータ 特開昭52−142584・コダック・使い捨てセンサ 特開昭54−50396・松下・酵素、メデイエータ 特開昭56−79242・ユナイテッド・毛細管 特表昭61−502419・ユニリーバー・毛細管 特開平1−291153・松下・基本構造、試料導入口、多項目測定センサ 特開平3−202764・松下・基本構造、血球ろ過膜 特開平5−199898・東芝・DNAチップ 特開平9−222414・エヌオーケー・pHセンサ 特開2001−204494・糖化ヘモグロビンセンサ WO 01/33216 A1・セラセンス・対面電極、試料導入口 US 4225410・テクニコン・アレイ電極 US 5653864・エヌオーケー・タンパク質センサ US 6071391・エヌオーケー・試料導入口、対面電極 A.Ahmadian et al.,Biotechniques,32,748(2002)・SNPs
上述した従来のセンサは製造に多くの工程、材料を要し、複雑な構造をとらざるを得なかった。その結果として、製造ラインに多大な設備投資を必要とし、また製品の歩留まりも充分ではなく、コスト的に負担が大きかった。当然、材料調達時、製造時の環境負荷も大きいものであった。さらに特性上では複雑な工程(特に基板積層時の位置合わせなど)のため、製造されたセンサ特性のばらつきの指標である変動係数(CV)も充分ではなかった。また、バイオセンサの形状変化は測定の精度や再現性の低下を招くため、該バイオセンサにおいて、製造後、カバー等の反り返りなどが発生しない、長期形状安定性を確保することが求められていた。
上記課題を解決するために、本発明は、一枚の電気絶縁性の平面基板を折り加工または曲げ加工または折り曲げ加工することにより製造されるバイオセンサを提供する。
バイオセンサ
本発明のバイオセンサは、基板とカバーとに挟まれた空間に設置された電極と、前記空間に試料を注入するための試料導入口と、前記試料導入口より前記電極を通って延びる試料搬送路と、を備えたバイオセンサであって、前記基板とカバーとが一枚の電気絶縁性の板部材を折り曲げることにより形成され、前記電極は、前記板部材の表面に固定され、該表面が内側になるように折り曲げられることにより前記基板と前記カバーとに挟まれた空間に配置され、前記試料搬送路は、前記板部材の表面に設けられ前記基板と前記カバーとを対向配置させるための接着剤層により規定されている。
上記発明によれば、一枚の電気絶縁性の板部材の表面に電極と、接着剤層を形成し、これを折り曲げることにより簡易にバイオセンサを製造することが可能となる。
上記において、よりバイオセンサを簡易に製造するために、前記板部材の折り曲げられる折曲げ部にミシン目を形成することができる。
また、本発明のバイオセンサは、一枚の電気絶縁性の板部材を筒状構造に曲げ加工して形成されたセンサ本体と、センサ本体の内壁に配置された電極と、前記筒の一端または側面に形成された試料導入口と、前記試料導入口より前記電極を通って延びる試料搬送路と、が備えられている。上記筒状構造が円柱、楕円柱、半円柱、扇柱、三日月柱、三角柱、四角柱、または多角柱である。
上記発明によれば、一枚の電気絶縁性の板部材の表面に電極を固定し、これを筒状に加工することにより、試料搬送路を備えた筒型のバイオセンサを製造することができる。
また、本発明は、さらに試料搬送路が通過する電極上またはカバー上に試薬層が設けられたバイオセンサを提供する。本発明によれば、試料搬送路から送り込まれる試料が電極上またはカバー上の試薬層と接触することにより、試薬と試料とが反応する。この反応は電極における電気的な変化としてモニタされる。
上記試料導入口は試料搬送路に試料を注入できる位置であれば、試料搬送路の一端であっても中間地点であってもよい。
上記発明において、試料導入口の周辺、試料搬送路表面、および試薬層もしくはその周囲に界面活性剤および/または脂質を塗布することもできる。界面活性剤や脂質を塗布することにより、試料の移動を円滑にさせることが可能となる。前記脂質としては、レシチンが好ましい。脂質の塗布においては、脂質を溶剤に溶解させて行うことが好ましく、レシチンを用いる場合、溶剤としては2−ブタノールが好ましい。また、試料導入口の先端部は曲線部を持つ構造とすることができる。
上記板部材は電気絶縁性であればプラスチック、生分解性材料、紙のいずれかから選択することができる。プラスチックの好適な例としてポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
電極はカーボン、銀、銀/塩化銀、白金、金、ニッケル、銅、パラジウム、チタン、イリジウム、鉛、酸化錫、白金黒のいずれかから構成することができる。また、カーボンはカーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、フラーレン、デンドリマーもしくはそれらの誘導体も用いることができる。こうした電極はスクリーン印刷法、蒸着法、スパッタリング法、箔貼り付け法、メッキ法のいずれかにより板部材に形成することができる。
前記電極は、レジスト層により規定されていてもよい。レジスト層はスクリーン印刷法などにより形成することができる。
上記接着剤層も、スクリーン印刷法により形成することができる。また、接着剤層中に試薬を含有させてもよい。接着剤としては、たとえば、アクリル系樹脂が好ましく、これらのうちではより好ましくは熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂であり、さらに好ましくは可視光硬化性アクリル樹脂である。
試薬層は、スクリーン印刷法またはデスペンサー法により形成され、この試薬層の電極表面、板部材表面、またはカバーへの固定化は、乾燥を伴う吸着法または共有結合法により行うことができる。
試薬層は、形成前に、精製して形成することが好ましい。精製方法としては、膜などによる濾過などの方法が挙げられる。精製することにより不純物を取り除く。
試薬層は一箇所に限らず、二箇所以上設置することができ、その際には2種類以上の異種の試薬層を設けてもよい。また、2箇所以上の試薬層を設けた場合にはこれらの間に凸状の間仕切り部を備えることもできる。そして、この凸状の間仕切り部はスクリーン印刷法で形成することができる。この凸部の間仕切り部はカーボン、レジストまたは吸水性材料のいずれかから構成することができる。
上記試薬層は、酵素、抗体、核酸、プライマー、ペプチド核酸、核酸プローブ、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織、クラウンエーテルなどの分子識別素子、メデイエータ、挿入剤、補酵素、抗体標識物質、基質、無機塩類、界面活性剤、脂質のいずれかまたはその組み合わせを含有させることができる。さらに、上記酵素としては、オキシダーゼ又はデヒドロゲナーゼなどの酵素、例えばグルコースオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、他にコレステロールエステラーゼ、プロテアーゼ、DNAポリメラーゼのいずれかまたはその組合せを用いることができる。
また、試薬層は、酵素単独ではなく、メデイエータの組合わせとして含有させてもよい。このメデイエータとしてはフェリシアン化カリウム、フェロセン、ベンゾキノンから選択される。また、試薬層は塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩類とキンヒドロンとの組合せを含有させてもよい。
試薬層にはプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸の組合せを含有させることもできる。さらに、試薬層にはプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸に、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩類とキンヒドロンを組合せて含有させることもできる。
バイオセンサをDNAチップとして用いる場合には試料層として核酸プローブを固定化することができる。この場合には電極をアレイ状に配置させることが好適である。
本発明は上記本発明のバイオセンサのいずれかと、前記バイオセンサの電極における電気的な値を計測する計測部と、前記計測部における計測値を表示する表示部と、を備えたバイオセンサ装置に関する。この計測部における計測方法としてポテンシャルステップクロノアンペロメトリー法、クーロメトリー法、サイクリックボルタンメトリー法のいずれかが用いられる。さらに本装置に無線手段としてブルートゥースを搭載することもできる。
バイオセンサの製造方法
本発明に係るバイオセンサの製造方法は、基板とカバーとに挟まれた空間に、電極と、前記空間に試料を注入するための試料導入口と、前記試料導入口より前記電極を通って延びる試料搬送路とを備え、該試料搬送路は、前記基板と前記カバーとを対向配置させるための接着剤層で規定されているバイオセンサの製造方法であって、下記の板部材の折り曲げ工程を含む方法であることを特徴とする;
電気絶縁性の板部材の表面に形成された電極が内側になるように該板部材を折り曲げて、前記電極を前記基板と前記カバーとに挟まれた空間に配置する、1枚の板部材から基板とカバーとを形成する工程。
このような製造方法によれば、簡易にバイオセンサを製造することができる。なお電極および接着剤層(試料搬送路)の形成方法は前述の通りである。
また、本発明に係るバイオセンサの製造方法は、前記折り曲げ工程、および、板部材を折り曲げた部位となる折部を切断する工程(切断工程)を含むことができる。
明細書中、「折部」とは、板部材の折り曲げられた部位を意味する。
このように、折部を切断すれば、折部にかかるストレスを除去でき、基板とカバーとの接着を強固かつ長期に行うことができる。
また、折部の切断は、ミシン目に沿って行うことが好ましい。切断方法は、また、折り曲げ後、ミシン目に沿って、メスなどで切断する方法が挙げられる。
また、本発明に係るバイオセンサの製造方法は、前記板部材の折り曲げ工程、および、基板又はカバーの圧縮、変性加工、折部への硬化剤もしくは熱収縮剤または固定具の装着により、基板とカバーとを固定化する工程(固定化工程)を含むことが好ましい。
また、圧縮、変性加工、硬化剤もしくは熱収縮剤または固定具の装着は、1種単独でまたは複数を組み合わせて適用してもよい。
本発明に係るバイオセンサの製造方法は、1枚の板部材を折り曲げて、基板とカバーとを形成させてバイオセンサとする工程を含むため、折り曲げた直後は、板部材の折り曲げられた部位(折部)が復元して、基板又はカバーが反り返ることがある。このため、前記固定化工程を含むことにより、基板又はカバーの反り返りを防止することができる。
固定化方法としては、基板又はカバーの圧縮、変性加工、硬化剤もしくは熱収縮剤または固定具の装着が挙げられる。
<圧縮>
圧縮とは、前記バイオセンサの少なくとも一部を圧着する方法である。基板又はカバーにかける圧力は、均一であって、バイオセンサを破壊しない程度の大きさであればよい。
<変性加工>
変性加工は、バイオセンサの構成部材の物性あるいはバイオセンサの構成部材に付加した材料の物性を、熱、光、化学薬品などにより変性させる加工方法を意味する。変性加工により、折部にかかる反り返りの応力を除去あるいは低減し、基板又はカバーの反り返りを防止することができる。
以下、本発明で用いることができる変性加工方法を(1)〜(4)に示す。
(1)熱または熱圧着による変性加工
[1]前記バイオセンサの折部もしくは折部とその周囲、またはバイオセンサの他の一部を加熱または熱圧着する方法。
このような加熱による変性によれば、たとえば、折り曲げ後の板部材の折り曲げ部位(折部)、または折部とその周囲を、該折部の形状に型取った鋳型を使用して過熱することで該折部の部材自体を変性させ、反り返しの力を除去することができる。また、鋳型を使用する代わりに、熱線を使用して該折部を変性することもできる。
また、「バイオセンサの他の一部」は、基板及びカバー表面上で、その直下に試薬層の存在しない表面であることが好ましい。加熱方法は、試薬層の存在しない位置に前記鋳型、熱線によって熱を与え、部材を変性させることが好ましい。
熱圧着の方法も、加熱の場合と同様の部位に、加熱した型をバイオセンサの基板表面の上または下、または両方から押しつけることにより実施することが好ましい。
加熱または熱圧着の温度は、板部材の材質にもよるが、通常、好ましくは50〜300℃、さらに好ましくは50〜150℃の範囲である。
[2]バイオセンサの接着剤層が熱硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、前記バイオセンサの折部もしくは折部とその周囲、またはバイオセンサの他の一部を加熱または熱圧着して、前記接着剤層の全部又は一部を硬化させる方法。
本発明に係るバイオセンサが、接着剤層を有している場合において、該接着剤層に熱硬化性樹脂を混合させるか、あるいは、熱硬化性樹脂自体を接着剤とし、板部材を折り曲げてバイオセンサを形成させた後、上記のような加熱または熱圧着を行う。
この場合、熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル性樹脂などが挙げられ、これらのうちアクリル性樹脂を好ましく用いることができる。エポキシ樹脂の場合、接着剤自体として用いることもできる。
熱硬化性樹脂とともに、架橋剤、重合開始剤などを適宜含めることができる。
(2)光による変性加工
[1]バイオセンサの板部材が光透過性の材料からなり、前記接着剤層が光硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、該バイオセンサに光を照射して、前記接着剤層を硬化させる方法。
本発明に係るバイオセンサが接着剤層を有する場合において、該接着剤層に光硬化性樹脂を混合させるか、あるいは、光硬化性樹脂自体を接着剤層とし、板部材を折り曲げてバイオセンサを形成させた後、接着剤層に光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させる。この場合、前記基板及びカバーを構成する板部材は、光透過性の材料であることが必要である。光透過性の材料としては、たとえば、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。光照射は、折り曲げ後の折部を中心に行うことが好ましい。
前記光硬化性樹脂としては、紫外線硬化性エポキシ樹脂、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性シリコーン樹脂、紫外線硬化性シリコーンゲル、光遅延硬化性樹脂、可視光硬化性歯科用レジン、可視光硬化性アクリル樹脂などが挙げられる。紫外線硬化性アクリル樹脂、光遅延硬化性樹脂、可視光線硬化性アクリル樹脂の場合、接着剤自体として用いることもできる。
また、光硬化性樹脂とともに、架橋剤、重合開始剤などを適宜含めることができる。
照射する光は、光硬化性樹脂の種類により異なるが、たとえば、紫外線硬化性樹脂を用いる場合は紫外線を、可視光線硬化性樹脂を用いる場合は可視光を用いることができる。このような光照射は、紫外線の場合、重水素ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプを用いることができ、可視光線の場合、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、白熱電球(タングステンランプ)、蛍光灯、発光ダイオード、有機発光素子などを用いることができる。
光を透過する板部材の種類は、用いる光の種類により異なるが、たとえば、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
(3)板部材自体が熱又は光変性材である場合
[1]前記バイオセンサの板部材が熱硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、該板部材の全部又は一部を加熱して硬化させる方法。
[2]前記バイオセンサの板部材が光硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、該板部材を光照射して硬化させる方法。
また、板部材自体が熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂であるものを用いることもできる。板部材が熱硬化性樹脂からなる場合、バイオセンサを折り曲げて形成させた後、上記(1)[1]で示したように、折部もしくは折部とその周囲、またはバイオセンサの他の一部を加熱または熱圧着を行う。熱硬化性樹脂は、前記と同様のものを用いることができる。
板部材が光硬化性樹脂からなる場合、バイオセンサを折り曲げて形成させた後、上記(2)[1]で示したのと同様の方法で光照射を行う。光硬化性樹脂は、前記と同様のものを用いることができる。
(4)折部への溶媒の滲入
[1]バイオセンサの折部または折り部とその周囲の表面に溶媒を塗布して該折部に溶媒を滲入させる方法。
この場合は、折部または折部とその周辺に溶媒を塗布し、該溶媒を板部材に滲入させて板部材に留まる反り返りの力を除去または低減することができる。
溶媒としては、板部材に滲入できるものであればよく、板部材の材質によるが、有機溶媒が好ましい。たとえば、板部材と有機溶媒の好ましい組み合わせとして下記のものが挙げられる。
ポリ四フッ化エチレン エーテル
ポリエチレン アミルベンゼン
ポリイソブチレン キシレン
ポリスチレン 塩化メチル
塩化ゴム 塩化メチレン
酢酸ビニル樹脂 塩化エチレン
メタクリル酸メチル ジオキサン
塩化ビニル樹脂 シクロヘキサン
エポキシ樹脂 アセトン
アセチルセルロース イソプロピルアルコール
ニトロセルロース ジメチルホルムアミド
フェノール樹脂 ニトロメタン
以上のように、本発明に係るバイオセンサは、上記の方法により変性加工されていることが好ましい。
<硬化剤または熱収縮剤の塗布>
折部への硬化剤または熱収縮剤の塗布は、バイオセンサの構成部材のうち、折部などに硬化剤または熱収縮剤を塗布し、硬化剤を硬化あるいは熱収縮剤を半硬化させる方法であり、折部にかかる反り返りの応力を押さえ込み、基板又はカバーの反り返りを防止することができる。
(1)折部を固化剤(熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂)または熱収縮剤で覆う方法
[1]前記バイオセンサの折部、または折部とその周囲に、熱硬化性樹脂を塗布し、さらに該熱硬化性樹脂を加熱して、前記熱硬化性樹脂を硬化させる方法。
[2]前記バイオセンサの折部、または折部とその周囲に、光硬化性樹脂を塗布し、さらに該光硬化性樹脂を光照射して、前記光硬化性樹脂を硬化させる方法。
[3]前記バイオセンサの折部、または折部とその周囲に、熱収縮剤を塗布し、さらに熱収縮剤を加熱して、該熱収縮剤を半硬化する方法。
前記塗布は、折部または折部とその周囲の外部表面に均一に行うことが好ましい。
この場合は、折部または折部とその周辺に前記熱硬化性樹脂または前記光硬化性樹脂を塗布し、上記と同様にして、折部に付着した樹脂に対して加熱又は光照射して、該樹脂を硬化させる。
あるいは、折部または折部とその周辺に前記熱収縮剤を塗布し、上記と同様にして、折部に付着した熱収縮剤を加熱し、熱収縮剤を半硬化する。熱収縮剤としては、たとえば、ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリエチレンなどが挙げられる。
このようにして、折部を基点とした基板又はカバーの反り返りを防止することができる。
<固定具>
固定具の装着による固定化方法としては、たとえば、挟み加工、囲み加工、キャップ(蓋)の装着、弾性体による締め付け具の装着、熱収縮剤による加工、粘着テープの装着が挙げられる。
挟み加工とは、バイオセンサーの少なくとも1部をクリップなどの物を挟んで押さえつける止め具を用いる方法を意味する。
囲み加工とは、バイオセンサーの少なくとも1部を形の定まった固定具を使用して囲う加工方法を意味する。
キャップを装着する場合は、前記バイオセンサの折部端部に装着することが好ましい。キャップの材質は以下に示す弾性体、熱光硬化剤、光硬化剤、熱収縮剤などが挙げられる。
弾性体による締め付け具のうち、弾性体としては、たとえば、天然ゴム、合成ゴム(ブチルゴムなど)、シリコーンなどが挙げられる。
熱収縮剤としては、たとえば、ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリエチレンなどが挙げられる。
前記固定化方法の実施に際しては、たとえば、固定具の内側(たとえば、弾性材、熱収縮剤等の内側のセンサーと接触する部分)に、アクリル系接着剤などの接着剤が塗布されていることがより好ましい。これにより、固定がさらに確実となり、基板又はカバーの反り返りをより確実に防止できる。
粘着テープとしては、たとえば、セロハンテープ、ポリプロピレンテープ、アセテートテープ、カプトン(ポリイミド)テープ、金属テープ(アルミ、銅など)、紙テープ、不織布テープなどが挙げられる。これらのテープの粘着剤には一般的にアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
このような固定化方法により、本発明のバイオセンサは、基板とカバーとの反り返りを防止する固定具を有していてもよい。
以上の説明から明らかなように、一枚の電気絶縁性の平面基板を折り加工または曲げ加工または折り曲げ加工することでバイオセンサとすることにより生産性、経済性に優れ、かつ環境負荷の少ないバイオセンサの製造が可能となる。また、本バイオセンサでの測定においては毛細管現象を利用して、バイオセンサの構造内に試料液を定量的に導入することで、精度の高い測定が可能で、シンプルな製造工程により、再現性に優れたバイオセンサを実現することができる。
また、本発明に係るバイオセンサの製造方法は、一枚の板部材を折り曲げて製造するので、極めて簡便にバイオセンサを得ることができる。さらに、折り曲げた板部材を固定化する工程を有すると、バイオセンサの反り返しを防ぐことができる。
あるいは、本発明に係るバイオセンサの製造方法は、折り曲げた板部材を切断する工程を有することにより、バイオセンサの反り返しを防ぐこともできる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図2には、本発明のバイオセンサの代表的構造を示し、aに折曲げ型のバイオセンサを、bに筒型のバイオセンサの例を示す。
図2a左にはバイオセンサの展開図を示す。本バイオセンサは表面が平らな板部材1から構成される。なお、ここで「表面が平ら」とは人工的に型や切削、接着、エッチングなどで形成された凹凸がないことを意味する。この板部材1には、折曲げ加工を容易にするためのミシン目9が設けられている。板部材1はこのミシン目9を挟んで上部が後述する折曲げ加工後に基板となる基板部1aと、下部が折曲げ加工後にカバーとして機能するカバー部1bとからなる。
この板部材1の基板部1aの表面には電極を含むパターン4が形成されている。この電極のパターン4は、図面下端側がL字状に折れ曲がり、このL字状の部分は後述する試薬搬送路8と直交する。また、この電極のパターン4のL字状の部分に、必要に応じて試薬層11を設けることができる。
一方、カバー部1bの表面には接着剤層10が設けられている。この接着剤層10は折曲げ加工後の基板部1aと、カバー部1bとの表面を接着固定する役割以外に、試料搬送路8を規定する役割を持っている。そのため、接着剤層10は試料搬送路8となる中央部分を除いて、カバー部1bの両側に設けられている。また、この試料搬送路8とミシン目9が交わる所には試料搬送路8へ試料6を注入するための試料導入口7が形成されている。このように板部材1に電極4、試料搬送路8を規定する接着剤層10、さらに試料導入口7が形成された後、ミシン目9を折り曲げることにより、図2a右に示すようなバイオセンサが製造される。製造時の空気の抜け口として試料導入口の反対(空気排出口)が機能する。試薬層11は、上述したように電極上に設けることもできるが、カバー部1b上に設けることもできる。
このバイオセンサを検査等に使用する場合には、下端に形成された試料導入口8を試料6に接触させて、試料6を吸い上げる。吸い上げられた試料6は試料搬送路8を通過する際に試薬層11に接触し、試薬は試料中の目的成分と反応し、反応により生じた電位、電流などの電気化学的変化を電極で検知する。試薬層がない場合は、電極のみで目的成分を検知する。
上記バイオセンサの構成によれば、1回の折り返しで製造ができるため、従来のセンサにみられる積層時の煩雑な位置あわせが不要となり、製造工程の簡略化を行えるだけでなく、製品の歩留まりを向上させることができる。
折り曲げ型のバイオセンサの他の実施形態を、図3から図16に示す。図2では試料搬送路が板部材1の縦方向に設けられていたが、図3では、カバー部1bには接着剤層10が上下に分断して形成され、それに伴って試料搬送路7は板部材1を横断するように形成される。このように試料搬送路7が横手方向に伸びているため、電極パターン4は図2aに示すような先端をL字状に折り曲げる必要はなく、平行に延びる2本の電極のパターンとして設けられる。こうして電極と接着剤層が形成された板部材1をミシン目9で折り曲げることにより、試料搬送路8が形成され、その一旦に試料導入口7が形成される。この構成の場合には、図2のように試料導入口を板部材1に加工して形成する必要がないため、さらに製造工程を簡略化することができる。
図2、3のように試料導入口は必ずしも、上下、側面などの端部に設ける必要はない。例えば図4に示すように試料導入口7を試料搬送路8の途中に形成することもできる。詳細には、試料導入口7は図2aに示すようなミシン目9の上ではなく、カバー部1bの試料搬送路8上に形成することもできる。この構成の場合には、図4右手に示すように、試料導入口8がカバー面に形成される。
また板部材における基板部とカバー部との配置は、図2a、3、4に示すような上下である必要はなく、図10のように左右に配置してもよい。図10は図3の応用例であるが、図10のように左右に基板部とカバー部と配置した場合には、試料導入口7から注入された試料6を排出するための空気排出口13を設ける必要がある。
上記電極は、板部材1の基板部1a側に設置する場合だけでなく、カバー部1b側に設置してもよい。さらに、図5に示すように、基板部1aとカバー部1bとにそれぞれ電極を固定した対面配置構造とすることもできる。図5に示すバイオセンサの場合には、図右に示すように下端部が三角形状に形成され、下端の先細り部分が試料導入口として機能する。試料導入口から吸い上げられた試料は接着剤層10が設けられていない三角形上の試料導入路全体に広がり、対面構造を形成している電極間に収容されて測定が行われる。
対面電極型の他の例を図6,7,8,9,図14b、f、図15a、b、c、d、e、f、gに示す。ここで図6は、電極が板部材1の基板部1aとカバー部1bとにそれぞれ固定され、対面構造を形成している。そして、この電極に直交するように接着剤層10に規定された試料搬送路8が形成されている。図7は、図6と電極の配置は同じであるが、試料導入口7がミシン目9の上に設けられ、この試料導入口7から電極パターン4に沿って接着剤層10に規定された試料搬送路8が形成されている。図8も電極が対面構造をとるバイオセンサの例であり、この例では試料導入口7の近傍のわずかな電極部分を残して接着剤層10が設けられている。図8のバイオセンサの場合には、試料導入口から注入された試料6を対面構造の電極の端部に接触させて測定が行われる。図9は、カバー部あるいは基板部のいずれか一方の電極上にコの字形状の接着剤層10が設けられ、このコの字状の窪みからセンサ端部方向に電極に沿って試料搬送路7が形成されている。また、カバー部あるいは基板部の他方には、前記コの字形状の窪みに対向する位置に試料導入口7が形成されている。図9の構成では、図面右に示すように試料導入口7から注入された試料6は対面電極間に形成された試料搬送路8に送り込まれ、この際に測定が行われる。
また電極は上述までは作用極と対極からなる2極の電極でセンサ単位を構成された例を示したが、電極は2極である必要はなく、作用極、対極、参照極からなる3極でセンサ単位を構成することもできる。この3極の電極を備えた例を図14(e)から(g)および図15(e)から(g)に示す。センサのサイズを小型化するためには、作用極と対極の2極からなるセンサ単位が好ましい。一方、測定の信頼性を高めるためには、参照極を加えた3極からなるセンサ単位を採用することが好ましい。2極、3極のいずれの場合にも電極の幅、配置は任意である。また、3極の場合に電極の配置は並列配置(図14(e)(g)など)、対面配置(図14(f)、図15(e)から(g))のいずれでもよい。
また、板部材1にミシン目を備えた好適な例を取り上げて説明したが、折り曲げ加工を容易にする構成としては、ミシン目に限らず、図11(a)に示すような三角形状の溝や(b)に示す扇型の溝(c)を板部材1の裏面に設けることもできる。
図12、13、15(b)および(f)に示すようにセンサの先端(いずれの図面も組み立て後の構成において下端側に示す)に試料導入口がある場合には、人体への接触を配慮して曲面を有する形状に成形することができる。
本バイオセンサは上述した折り曲げ加工された積層型に限らず、一枚の板部材を曲げ加工して形成される筒型であってもよい。代表的な構成例を図2bに示す。すなわち、一枚の電気絶縁性の板部材1の表面に電極のパターン4が形成され、一側端に接着剤層10が設けられている。この状態で一回曲げ加工して接着剤層を他側端の裏面に貼り付けることにより、筒型センサが簡易に構成される。この筒型センサの場合には、筒の端部が試料導入口および排出口として機能するため、板部材にあらかじめ試料導入口などを形成するような工程を省略することができる。筒型センサの他の例を図16から図18に示す。図16は円筒型センサ、図17は断面三角形状の筒型センサ、図18は断面四角形状を有する筒型センサの例を示すが、これらに限定されるものではなく、断面が楕円、半円、扇、三日月または多角形の筒構造のセンサとしてもよい。また筒型センサの場合にも、電極は2極であっても、3極であってもよく、任意にいずれかを選択することができる。また、電極の配置は並列、対面いずれであってもよい。なお、3極の電極を備えた筒型バイオセンサの例としては図16e、f、g、h、図17e、f、g、h、図18e、f、g、hに示す構成が挙げられる。また、筒状構造の場合、立体加工したセンサの形状を維持する方法としては、センサパターンの電極と平行した側面またはその側面から糊代部分を延ばし、そこに接着剤を塗布して、立体加工時に所定の位置で貼り付けることでセンサの立体的な形状を維持することができる。接着剤の代わりに、両面接着テープを使用することもできる。
上述した図面において試薬層は必ずしも図示されていないが、図示されていない図面においても試薬層は必要に応じて設けることができる。例えば、電極にニッケル電極を用いた場合には、試薬層がなくてもタンパク質を検知するたんぱく質センサ(US 5653864)として用いることができる。また白金電極を用いた場合には本センサを導電率センサ、過酸化水素センサ、更に酸素透過膜、電解質を併用すれば酸素センサとして利用することができる。一方、試薬層を用いれば酵素とメデイエータを用いた血糖センサ、尿糖センサ、糖化ヘモグロビンセンサ(特開2001−204494)、乳酸センサ、尿酸センサ、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、グルタミン酸センサ、ピルビン酸センサ、銀/塩化銀電極とキンヒドロン、無機塩を用いたpHセンサ(特開平9−222414)、pHセンサとプライマー、DNAポリメラーゼなどを用いた一塩基多型センサ、固定化核酸プローブを用いたDNAチップなどの各種バイオセンサを製造でき、各種の化学的、物理的状態を検出するセンサとして応用することができる。なお試薬層は、試料搬送路が通過している電極上または電極周辺に形成される。
試料導入口の周辺及び試料搬送路表面には試料が導入しやすいように、界面活性剤、脂質を塗布することも可能である。
以下、上述した実施の形態にかかるバイオセンサの材料、製法、応用などついて詳細に説明する。
板部材としてポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック、ポリ乳酸などの生分解性材料、紙などを使用することができる。
本センサで使用する電極材料として白金や金、銀/塩化銀、銀、銅、パラジウム、イリジウム、鉛、ニッケル,チタン、酸化錫、白金黒などの金属類が挙げられる。これらは導電性に優れると共に、蒸着法,スパッタリング法,メッキ法,CVD法,塗布乾燥などでの形成ができる。また、カーボン粉末は、白金、金に比べると若干導電性に劣るものの、ペースト状となし、基板に塗布等することにより、銀粉末と同様、スクリーン印刷法などにより簡単に電極を形成することができる。さらには、白金や金などの微粒子状物質などもペースト状にして印刷により加工ができる。
カーボン材料としてカーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、フラーレン、デンドリマーおよびそれらの誘導体なども用いることができる。これらはその独特の特性(構造、導電性など)から分子識別素子の固定化、電極材料に適している。
タンパク質センサの場合、ニッケルを電極材料とすることが好ましい。ニッケルは所定の条件によりタンパク質のアミノ基を酸化し、タンパク質センサとなる。FIA(フローインジェクションアナリシス)化も可能である。
接着剤層はスクリーン印刷法により形成することが好ましい。両面接着テープでも可能である。ここで、接着剤としては、たとえば、ボンド、粘着剤などが挙げられる。
また接着剤層中に試薬を含ませ、スクリーン印刷法により接着剤層、試薬層を同時形成することも可能である。
試薬層の形成は、試薬を水溶液として、デスペンサなどにより滴下し、乾燥する方法が好ましい。また粘度を調節し、スクリーン印刷法による形成も可能である。
試薬層が1種の場合は検知する物質はひとつであるが、同時に、例えば2種類の物質を検知する場合は、図19,20,21に示したように、異なる試薬層を一枚の電気絶縁性平面基板上に形成することもできる(特開平1−291153)。この場合、図に示したように、試薬層の中間に互いの溶解した試薬層の混合を防ぐために、凸部(12)をカーボン、レジスト、吸水性材料などでスクリーン印刷法などによって形成することも可能である。この場合、凸部の初期の厚みは接着剤層より薄くし、かつ折り曲げた場合、凸部の上部、左右は空いていなければならない。これは試料の通過を促すためである。吸水性材料の場合は、試料通過後、膨潤により互いの溶解試薬が混合しない機能を持つ。また電極が4本(図19,20,21のa,b)でなく、3本で構成される場合は、たとえば真中の1本を共通対極として使用することもできる(図19,20,21のc、d)。
試薬と電極表面もしくは基板との結合は乾燥後の吸着法、共有結合法により実施することができる。
上記試薬としては酵素、抗体、核酸、プライマー、ペプチド核酸、核酸プローブ、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織、クラウンエーテルなどの分子識別素子、メデイエータ、挿入剤、補酵素、抗体標識物質、基質、無機塩類、界面活性剤、脂質などが用いられる。
例えば、酵素センサでは、検体の測定対象によって分子識別素子としての酵素の種類を変える。例えば測定対象が血糖(グルコース)、尿糖の場合はグルコースオキシターゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼ、測定対象が糖化ヘモグロビンである場合は、フルクトシルアミンオキシダーゼとプロテアーゼの混合物、測定対象が乳酸の場合は乳酸オキシターゼ、測定対象が総コレステロールなどの場合はコレステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼの混合物、測定対象が尿酸の場合は尿酸オキシダーゼ、測定対象がエタノールの場合はアルコールオキシターゼ、測定対象がグルタミン酸の場合はグルタミン酸オキシダーゼ、測定対象がピルビン酸の場合はピルビン酸オキシダーゼなどを用いる。
上記酵素センサでは、酵素とともに電子伝達体(メディエータ)が使用される。メディエータにはフェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ニコチンアミド誘導体、フラビン誘導体、ベンゾキノンおよびキノン誘導体などを用いる。
pHセンサの場合は、銀/塩化銀電極と他の電極を設けた基板上に塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩とキンヒドロンの試薬層を用いる。この場合、電極間電位の変化を測定することになる。
一塩基多型(SNPs)センサ(A.Ahmadian et al.,Biotechniques,32,748,2002)の場合は、上記pHセンサ上に、更にプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸などの混合物を試薬として用い、試料中の被検体DNAとプライマーが相補する場合のpHの変化を測定する。
免疫センサでは、抗原抗体反応を利用し、例えばヒト血清アルブミンを測定する場合は、分子識別素子として抗アルブミンを用いる。なお、免疫センサにおいては、抗原抗体複合体の形成によって変動する電極間電位を測定することになる。
微生物センサでは、分子識別素子として、例えばPseudomonas fluorescence(測定対象;グルコース)、Trichosporon brassicae(測定対象;エタノール)などの微生物を用いる。これらの微生物は、酸素呼吸(好気性)し、あるいは酸素のない環境で代謝物を生成するので、酸素呼吸量または代謝産物を電気的にとらえることになる。
オルガネラセンサでは、分子識別素子として細胞小器官を用いる。例えばミトコンドリアの電子伝達粒子を用いると、NADHが測定できる。この原理としては、ミトコンドリアの電子伝達粒子によりNADHが酸化され、この際酸素が消費されるので、この酸素を指標としてNADHやNADPHを測定することができる。
レセプタセンサでは、分子識別素子として受容体である例えば細胞膜などを用いる。検体としては、ホルモンとか神経トランスミックが対象となる。測定原理としては、受容の変化を電位に変換し、電極を通じて測定することになる。
組織センサでは、分子識別素子として動植物の組織を用いる。動植物の組織としては、例えばカエルの皮膚とか、動物の肝切片、キウリ、バナナの皮などが使用できる。測定原理としては、例えばカエルの皮膚組織を用いたナトリウムセンサでは、カエルの皮膚組織がナトリウムイオンを選択的に透過し、その際皮膚組織の電位が変化するので、この電位変化を測定しナトリウムイオン量を求める。
ここで述べたバイオセンサの応用途のひとつとして他にDNAチップ(特開平5−199898)が挙げられる。図22に示すような電極のアレイ上(US 4225410)に検出すべき多種類の目的遺伝子に対して相補性を持つ一本鎖の核酸プローブが多種類固定化されている。1電極に1種の核酸プローブが固定化されている。多数の目的遺伝子の存在の有無を確認するには、一本鎖に変性された遺伝子サンプルと核酸プローブのハイブリダイズ処理を行い、その後、二本鎖核酸に特異的に結合し、かつ電気化学的に活性な二本鎖認識体を添加する。洗浄後、基板を緩衝液存在下で折りたたみ、アレイ電極を作用極、上部の大きな電極を対極として電圧を電極ごとに順次印加していくと、二本鎖が形成されている場合、二本鎖の挿入剤が酸化され、酸化電流が流れる。二本鎖の形成されていない電極では挿入剤に起因する電流は流れない。電流の発生した電極の位置で核酸プローブの種類がわかるので目的遺伝子の存在の有無、定性が可能となる。なお、上記二本鎖認識体としてはアクリジンオレンジなどのインターカレーター(挿入剤)、トリス(フェナントロリン)コバルト錯体などのメタロインターカレーターなどを用いることができる。
本発明に係るバイオセンサは、乾燥状態で保管されることが好ましく、乾燥剤とともに保存することが好ましい。乾燥剤としては、活性アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、塩化カルシウムなどが挙げられる。
上述のようなバイオセンサを用いて測定する場合には、装置に上記バイオセンサを取り付け、バイオセンサに生じた電気的な値を測定する。この測定は、バイオセンサの電気的な値を計測する計測部と、計測された値を表示する表示部が備えられる。この計測部の計測方法としては、ポテンシャルステップクロノアンペロメトリーまたはクーロメトリー、ボルタンメトリー法などを用いることができる。また、この装置には計測値を保存するためのメモリを備えることもできる。また、測定値を遠隔的に管理する場合にはブルートゥースなどの無線手段を搭載してもよい。
図24は、一枚の弾性板部材から折り加工して製造されるバイオセンサの固定化を、熱による変性加工によって行い、板部材の反り返りを防止する方法を示した図の一例である。
図24aは、板部材を折り曲げれて製造されるバイオセンサ101の一例である。該バイオセンサは絶縁性の弾性を有した板部材102および板部材上の電極103、試料導入口104、折部105からなる。ここで、図示していないが、バイオセンサの上下の板部材102の間には試料導入口および反応検出部を形成するためのスペーサー層が存在している。該スペーサー層は接着剤層のみで形成されていても、板部材とその上下両面に接着剤層を設けたものであっても、どちらでもよい。
ここで、折部105は、たとえば基板に施されたミシン目に沿って板部材が折り曲げ加工により成型されるときに形成される。
図24b、cは、熱変性用の変性加工装置106(鋳型)の溝にバイオセンサの折部105を挿入することで、折部105または折部とその周囲が加熱され、変性加工された部分(107)となる例を示す。
鋳型106には溝が必ず必要なわけではなく、平面を成す型(熱源)であってもよい。バイオセンサの折部端部(「折部端部」とは、試料導入口104および反応検出部の周囲を除く部分であって、折部105、または折部105とその周囲を含む、バイオセンサの折部が存在する端部領域を指す。)を型には接触せず、型からの熱により該折部端部を変性させてもよい。
ここで、酵素は加熱により失活する恐れがあるため、加熱の範囲はバイオセンサ101の折部105または折部とその周囲、または折り部と反対側のカバーの末端部分(カバー端部;「カバー端部」とは、試料導入口104および反応検出部の周囲を除く部分であって、折り部と反対側のカバーの端が存在する領域を指す。)の周囲とすることが好ましい。これにより、試料導入口や反応検出部は加熱の影響を受にくくなるように制御できる。
図25は、折部105または折部105とその周囲が、バイオセンサ101の折部端部およびその上下にある3本の変性加工装置(熱線)106により熱変性を受け、変性加工された部分107を有するバイオセンサを得る例を示す。この場合、熱線と接触してバイオセンサの該当部分を熱変性させても、または接触させずにその放射熱により該当部分を熱変性させてもよい。
上記と同様、熱線はバイオセンサ101内の酵素が熱の影響を受けない配置にすることが好ましい。
図26は、熱圧着による変性用の上下2つ一組の変性加工装置(型)106がバイオセンサ101の折部端部を熱圧着して板部材102とスペーサーの該当部分を硬化・変性させ、変性加工された部分107を有するバイオセンサを得る例を示している。
また、図26では上下2つ一組の型106を使用しているが、上または下側の型のみを使用して熱変性を行い、反り返しの影響を軽減させてもよい。
上記と同様、バイオセンサ101内の酵素が熱の影響を受けないように型の配置を行うことが好ましい。
図27は、図26と同様に熱圧着による変性用の上下2つ一組の型106がバイオセンサ101の折部を含む折部端部106周辺と、カバー端部109周辺の2箇所を熱圧着して板部材102とスペーサーの該当部分を硬化・変性させるものである。
また、図27では上下2つ一組の型106を使用しているが、上または下側の型のみを使用して熱変性による反り返しの影響を軽減させてもよい。
上記と同様、バイオセンサ101内の酵素が熱の影響を受けないように型の配置を行うことが好ましい。
図28は、折り部105に光硬化性樹脂を有する基板102または光硬化性樹脂からなる板部材102で形成した折部105または折部105とその周囲が光を受けることで、光硬化性樹脂が光硬化を起こしている例を示す。
図29は、折部105または折部105とその周囲がバイオセンサ101の折部から変性加工装置106の溝の中に入っている化学試薬に浸漬することにより、変性を受ける例を示す。ここで使用する化学試薬としては、基板を溶解する有機溶媒が好適である。溶媒が折部に滲入し、反り返しの力(ストレス)を除去または低減することができる。
また、図29の化学試薬が、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂の場合、加熱または光照射のなどの所定の工程を経ることにより、樹脂の硬化によって反り返りを押さえ込むことができる。
図30は、折部105または折部105とその周囲の側面が、化学試薬を湿らせた回転ローラーの表面と接することにより、変性される例を示す。
また、図30の化学試薬が、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂の場合、加熱または光照射のなどの所定の工程を経ることにより、樹脂の硬化によって反り返りを押さえ込むことができる。この場合、回転ローラー型のヒーターあるいは光源に置き換えることにより熱硬化あるいは光硬化を起こさせることができる。
図31から図36は、固定具としてクリップを使用し、バイオセンサの折部を有する末端を全体または部分的に挟むことで、基板またはカバーを固定化し、反り返しを防止する方法を示す。
図31は固定具としてバイオセンサ101の折部端部全体を挟んで固定できるサイズの固定具(クリップ)108を使用した固定方法の一例である。この場合に使用するクリップの材質には、挟み強度は折部を固定化し、反り返しを押さえ込めることができ、バイオセンサ本体に凹みなどによる過度の損傷または特に試料導入口や反応検出部などの形状の変化を防ぐことができればよい。たとえば、金属またはプラスチックなどが挙げられ、プラスチックが好適である。
図32は図31とクリップのサイズ以外は同様である。この場合、固定具(クリップ)108は左右のバランスなどを考慮し、バイオセンサ101の折部端部の中央に挟むことが好適である。さらに、小さなクリップまたはヘアピンの様な幅の狭い固定具を使用してバイオセンサ101の折部端部を少なくとも一箇所挟んで固定し、反り返しを防いでもよい。
図33は固定具としてバイオセンサ101の折部端部の側面の片側からバイオセンサの幅全体を挟んで固定できるサイズの固定具(クリップ)108を使用した固定方法の一例である。
図34は固定具としてバイオセンサ101の折部端部の側面を2個の固定具(クリップ)108を使用して両側から挟んで固定できる固定方法の一例である。
図35はバイオセンサ101の折部端部側全体を固定具(キャップ)108で蓋をする固定方法の一例である。この場合に使用するキャップの材質は金属またはプラスチックなど特に限定はされないが、プラスチックが好適である。また、キャップの材料を熱収縮性材料に代えることで、バイオセンサの折部端部を適度な力で均一に固定させることができる。
図36は固定具としてバイオセンサ101の折部端部を固定具(枠)108で固定する方法の一例である。この場合に使用する枠の材質は金属またはプラスチックなど特に限定はされないが、プラスチックが好適である。
図37は固定具としてバイオセンサ101の折部端部を固定具(リング)108で固定する方法の一例である。この場合に使用するリングの材質は特に限定はされないが、プラスチックが好適である。特に、ゴムなどの伸縮性のあるリングの使用または熱収縮剤でできたリングを熱収縮処理して固定化したものが好適である。
図38は固定具としてバイオセンサ101の折部端部を固定具(チューブ状リング)108で固定する方法の一例である。この場合に使用するリングの材質は特に限定はされないが、プラスチックが好適である。特に、ゴムなどの伸縮性のあるリングの使用または熱収縮剤でできたリングを熱収縮処理して固定化したものが好適である。
図39は固定具としてバイオセンサ101の折部端部を固定具(粘着テープ)108で巻きつけ固定する方法の一例である。この場合に使用する粘着テープの材質は特に限定はされないが、プラスチックが好適である。さらに、ゴムなどの伸縮性のあるリングの使用または熱収縮剤でできたリングを熱収縮処理して固定化したものも好適である。
以下,本発明の実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例では、酵素センサとして、グルコースバイオセンサの例を示した。
[実施例1]
図2aは本発明の実施の形態によるグルコースセンサを示す図である。試薬層としてはグルコースオキシダーゼとフェリシアン化カリウムを用いる。この図2aに示すグルコースセンサの測定原理は以下のようである。
本センサは,毛細血管現象により試料を試料導入口から内部に導入する。導入されたグルコース溶液は,試薬層のGODの触媒作用により下記の式1に示すように、グルコースの酸化に伴いフェリシアンイオンがフェロシアンイオンに変換される。
〔式1〕
GOD
グルコース+フェリシアンイオン → グルコノラクトン+フェロシアンイオン
生成したフェロシアンイオンはカーボン電極で、次の式2の電極反応に従って酸化され、電気化学的に検出される。
〔式2〕
電極
フェロシアンイオン → フェリシアンイオン+e-
本発明のグルコースセンサを用いた検出法では,生成したフェロシアンイオンはアノード電極により酸化され、アノード電流が発生し、フェロシアンイオンは再びフェリシアンイオンになる。以上により酵素反応より生成したフェロシアンイオン濃度の電流値変化を観測することでグルコースの定量が可能となる。
次に製造方法および測定方法を説明する。
センサ基板として長さ65mm,幅6mm、厚さ188μmのPETを使用した。センサ基板上には幅1.3mmのカーボン電極が2.6mmの間隔を置いて2本,スクリーン印刷装置により形成された。接着剤もスクリーン印刷により接着剤層として形成した。折り曲げ部にはミシン目をいれた。試料量は0.5μlとした。
酵素およびメディエータの試薬層の形成方法は次のようである。グルコースオキシダーゼ(GOD)およびフェリシアン化カリウム(メディエータ)は蒸留水に溶解して電極表面に塗布した。蒸留水10μL中に4単位GOD0.1mgフェリシアン化カリウムが溶解している。このGOD溶液の3μlを、電極表面に塗布し、真空乾燥して、酵素・メデイエータよりなる試薬層を両電極上に形成した。
このグルコースセンサを用いた血糖(血中グルコース)の測定を行った例について説明する。本グルコースセンサを用いた血糖の測定は検体試料液として、グルコース濃度が50、100、200、300、400、500 mg/dlとなるように調製したヘマトクリット値40%の全血を使用した。測定法はポテンシャルステップクロアンペロメトリー法を用いた。毛細管現象で0.5μl血液を試料導入口に導入してから5秒後、センサ内の2つの電極間に900mVの電位を印加し、印加後5秒後の電流値を測定値とした。
図23は本発明のセンサの血中グルコース濃度による電流値変化を示している。図23を参照すると,血中グルコース50、100、200、300、400、500 mg/dlの範囲において1〜2.5μAの電流値変化が観測された。また100mg/dlの全血で10回測定を行ったところ測定値の再現性は変動係数で4.1%であった。
[実施例2]
実施例1ではグルコースオキシダーゼとフェリシアン化カリウムからなる試薬層を電極上に形成し、評価した。実施例2では試薬層を電極上ではなく、カバー部に形成した。つまり図2aで説明すると試薬層はカバー部に形成された接着剤層10の間の試料搬送路8のカバー部分の一部に形成された。試薬層をカバー部に形成した以外はセンサ基板、酵素およびメディエータの試薬層の形成方法、測定条件は実施例1と同様に行った。結果として図23とほぼ同様に,血中グルコース50、100、200、300、400、500 mg/dlの範囲において1〜3.0μAの電流値変化が観測された。また100mg/dlの全血で10回測定を行ったところ測定値の再現性は変動係数で5.9%であった。
従来のセンサ(特開平1−291153)の構造を示す。 本実施の形態のバイオセンサ代表例を示す。aは折畳み型のバイオセンサの展開図(左)および構成図(右)を、bは筒型のバイオセンサの展開図(左)および構成図(左)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)の対面電極のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)で対面電極のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)の対面電極のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)の対面電極のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)の対面電極のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)のバイオセンサの展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 折り曲げ部の構成を上部に示す展開図のA−A’線で切断した際の断面図を用いて、(a)から(c)に示す。 先端が曲面を備えた折り曲げ型バイオセンサの展開図(左)および構成図(右)を示す。 他の先端が曲面を備えた折り曲げ型バイオセンサの展開図(左)および構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)のバイオセンサを示し、(a)(c)には並列電極の例を、(b)には対面電極の例を、(e)から(g)には3極の電極を備えた例における、展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 他の折り曲げ型(貼り合せ構造)のバイオセンサの形態を示す。 様々な円筒形のバイオセンサの形態を示し、(a)から(h)までいずれも展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 様々な断面三角形の筒型バイオセンサの形態を示し、(a)から(h)までいずれも展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 様々な断面四角形の筒型バイオセンサの形態を示し、(a)から(h)までいずれも展開図(左)および組み立て後の構成図(右)を示す。 (a)から(d)にはそれぞれ多項目を測定し得るように試薬層が複数設けられた折り曲げ型のバイオセンサの展開図を示す。 (a)から(d)にはそれぞれ多項目を測定し得るように試薬層が複数設けられた折り曲げ型のバイオセンサの展開図を示す。 (a)から(d)にはそれぞれ多項目を測定し得るように試薬層が複数設けられた折り曲げ型のバイオセンサの展開図を示す。 貼り合せ型バイオセンサをDNAチップに応用する場合の例を示す。 実施例の血糖検量線を示すグラフである。 鋳型を使用してバイオセンサの折部を熱変性させる方法を示す。 熱線を使用してバイオセンサの折部を熱変性させる方法を示す。 バイオセンサの折部端部を熱圧着により変性させる方法を示す。 バイオセンサの折部端部およびカバー端部の両方を熱圧着により変性させる方法を示す。 光線を使用してバイオセンサの折部およびその周囲を光硬化させる方法を示す。 化学試薬に浸漬し、化学処理によりバイオセンサの折部およびその周囲を硬化させる方法を示す。 化学試薬を染み込ませたローラーに接触させ、バイオセンサの折部及びその周囲を化学処理により硬化させる方法を示す。 クリップ(大)を使用してバイオセンサの折部端部を挟んで固定する方法を示す。 クリップ(小)を使用してバイオセンサの折部端部を挟んで固定する方法を示す。 クリップ(大)を使用してバイオセンサの折部端部を片側からで挟んで固定する方法を示す。 2個のクリップ(小)を使用してバイオセンサの折部端部を両側から挟んで固定する方法を示す。 キャップを使用してバイオセンサの折部端部に蓋をして固定する方法を示す。 枠を使用してバイオセンサの折部端部を固定する方法を示す。 リング状の伸縮材を使用してバイオセンサの折部端部を固定する方法を示す。 チューブ状の伸縮材を使用してバイオセンサの折部端部を固定する方法を示す。 粘着テープの巻きつけによりバイオセンサの折部端部を固定する方法を示す。
符号の説明
1 基板
2 スペーサ
3 カバー
4 電極パターン
5 空気孔
6 試料液
7 試料導入口
8 試料搬送路
9 ミシン目
10 接着剤層
11 試薬層
12 凸部
13 空気排出口
101 バイオセンサ
102 板部材
103 電極
104 試料導入口
105 折部
106 変性加工装置
107 変性加工後の部分
108 固定具
109 カバー端部

Claims (16)

  1. 基板とカバーとに挟まれた空間に、電極と、前記空間に試料を注入するための試料導入口と、前記試料導入口より前記電極を通って延びる試料搬送路とを備え、該試料搬送路は、前記基板と前記カバーとを対向配置させるための接着剤層で規定されているバイオセンサの製造方法であって、下記の板部材の折り曲げ工程を含む方法;
    電気絶縁性の板部材の表面に形成された電極が内側になるように該板部材を折り曲げて、前記電極を前記基板と前記カバーとに挟まれた空間に配置する、1枚の板部材から基板とカバーとを形成する工程。
  2. 前記折り曲げ工程、および、
    板部材を折り曲げた部位となる折部を切断する工程を含む、請求項1に記載のバイオセンサの製造方法。
  3. 前記折部の切断をミシン目に沿って行う、請求項2に記載の方法。
  4. 前記板部材の折り曲げ工程、および、
    基板又はカバーの圧縮、変性加工、折部への硬化剤もしくは熱収縮剤の塗布、または固定具の装着により、基板とカバーとを固定化する工程
    を含む、請求項1に記載のバイオセンサの製造方法。
  5. 前記圧縮が、前記バイオセンサの少なくとも一部を圧着する方法である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記変性加工が、前記バイオセンサの折部もしくは折部とその周囲、またはバイオセンサの他の一部を加熱または熱圧着する方法である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記バイオセンサの接着剤層が熱硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、前記バイオセンサの折部もしくは折部とその周囲、またはバイオセンサの他の一部を加熱または熱圧着して、前記接着剤層の全部又は一部を硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  8. 前記バイオセンサの板部材が光透過性の材料からなり、前記接着剤層が光硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、該バイオセンサに光を照射して、前記接着剤層を硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  9. 前記バイオセンサの板部材が熱硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、該板部材の全部又は一部を加熱して、該板部材の全部又は一部を硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  10. 前記バイオセンサの板部材が光硬化性樹脂を含み、前記変性加工が、該板部材を光照射して該板部材を硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  11. 前記変性加工が、バイオセンサの折部または折部とその周囲の表面に溶媒を塗布して該折部に溶媒を滲入させる方法である、請求項4に記載の方法。
  12. 前記硬化剤の塗布が、前記バイオセンサの折部、または折部とその周囲に、熱硬化性樹脂を塗布し、さらに該熱硬化性樹脂を加熱して、該熱硬化性樹脂を硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  13. 前記硬化剤の塗布が、前記バイオセンサの折部、または折部とその周囲に、光硬化性樹脂を塗布し、さらに該光硬化性樹脂を光照射して、該光硬化性樹脂を硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  14. 前記熱収縮剤の塗布が、前記バイオセンサの折部、または折部とその周囲に、熱収縮剤を塗布し、さらに該熱収縮剤を加熱して、該熱収縮剤を半硬化させる方法である、請求項4に記載の方法。
  15. 前記固定具の装着が、挟み加工、囲み加工、キャップの装着、弾性体による締め付け具の装着、熱収縮剤による加工、粘着テープの装着である、請求項4に記載の方法。
  16. 前記電極が、基板表面上にのみ設けられるように板部材を折り曲げる、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
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