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JPH11337514A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

Info

Publication number
JPH11337514A
JPH11337514A JP10161412A JP16141298A JPH11337514A JP H11337514 A JPH11337514 A JP H11337514A JP 10161412 A JP10161412 A JP 10161412A JP 16141298 A JP16141298 A JP 16141298A JP H11337514 A JPH11337514 A JP H11337514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biosensor
reaction layer
liquid sample
electrode
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10161412A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Nakajima
聡 中嶋
Seiji Kuki
清次 九鬼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP10161412A priority Critical patent/JPH11337514A/ja
Publication of JPH11337514A publication Critical patent/JPH11337514A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微量の試料で容易に測定でき、簡単な構造を
有し低コストで製造し得るバイオセンサを提供する。 【解決手段】 絶縁性の基板2上にカーボンペーストに
て電極部5,リード部4,接続部5を形成し、リード部
4上に絶縁膜8を接合する。基板2の半円形端部2aに
略円形の領域が露出し、この領域全体に電極部5を覆う
ように試薬層9を形成することにより外部に開放された
感応部が形成される。基板2の半円形端部2aの先端側
の端縁部と試薬層9の一部は重なっており、試薬層の上
面側のみならず半円形端部の先端側からも直接液体試料
を供給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体試料中の特定成
分を定量するためのバイオセンサの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、尿,血液,体液等の生体試料中の
特定成分の定量を行う場合に、センサの測定濃度範囲が
これらの測定対象物質の濃度より低いと、試料を希釈し
たり、希釈手段を内蔵した装置が必要であった。
【0003】これに対して、近年センサの改良により、
特開平9−304330号公報記載のセンサのように無
希釈で測定できるセンサが提案されている。図13
(a)はこのセンサを用いた尿測定器100であり、図
13(b)はセンサ101の検出部100aにおける断
面図である。センサ101は、絶縁基板102上の電極
103表面に高分子膜104をコートし、かつ固定化酵
素膜105上に高分子膜106を形成することで、試料
を希釈することなく直接測定できるものである。このよ
うなセンサは繰り返して利用することを前提とし、測定
後の洗浄の便宜のためオープン構造となっているため、
多くの試料量が必要となっていた。
【0004】このため、血液や体液のように身体を侵襲
して採取する試料を測定対象とし、より微量で測定でき
るセンサとして、特公平6−58338号記載のセンサ
200が提案されている。図14(a)はバイオセンサ
200の外観を示す斜視図であり、図14(b)は同分
解斜視図である。
【0005】このセンサは導入口201に血液等の試料
を接触させ、導入口201の奥に設けられた反応層にお
ける酵素反応を電極系202,203によって検出する
ことにより、血液中のグルコース等の成分の濃度を測定
するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなセンサ200では、センサの先端部に設けられた微
小な導入口201を試料に的確に接触させることは難し
く、取り扱いが不便であり、導入口から反応層に供給さ
れる試料量が不足して測定精度が低下したり、十分な試
料量を供給するためにより多量の試料を準備しなければ
ならなかった。また、構造が複雑であるため、製造コス
トが高くなっていた。
【0007】また、特開昭61−294351号公報に
は、図15に示すように、電極系301が形成された基
板302上に絶縁層303を介して保持枠304を接合
し、保持枠304の穴305に保持された多孔体306
を、多孔体306より小さい径の開孔部307を有する
カバー308で覆うバイオセンサ300が記載されてい
る。
【0008】このセンサ300では、酵素と電子受容体
を担持した多孔体306は周囲を保持枠304に囲まれ
るとともに、上面をカバー308で覆われている。従っ
て、試料をカバー308の開口部から滴下しなければな
らず、試料の供給方法が限られており取り扱いが不便で
あった。また、試料量が少ないと多孔体306と基板3
02との間に気泡が残り、測定精度に影響が生じるた
め、微量で正確な測定を行うことができなかった。ま
た、部品点数が多くなるため、製造コストが高くなって
いた。
【0009】本発明は、かかる従来技術の課題を解決す
るためになされたものであって、その目的とするところ
は、微量の試料で容易に測定でき、簡単な構造を有し低
コストで製造し得るバイオセンサを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、少なくとも作用極と参照極とを備えた
電極系と、少なくとも酵素を含む反応層とを備え、前記
電極系と前記反応層とを含む感応部に液体試料を供給
し、該液体試料と前記酵素との反応による電気化学現象
を前記電極系で検知して前記液体試料中の特定成分の濃
度を測定するバイオセンサにおいて、前記感応部は、前
記バイオセンサの端部に、少なくともその一部が外部に
開放されて設けられており、前記バイオセンサの端縁部
と重なる部分を有することを特徴とする。
【0011】このようにすれば、感応部をバイオセンサ
の端部に、少なくともその一部が外部に開放されるよう
に設けた簡単な構造のバイオセンサを形成することがで
きるので、低コストで製造することができる。
【0012】また、感応部はバイオセンサの端縁部と重
なる部分を有するので、この端縁部と重なる部分に液体
試料を接触させることによって感応部に供給することも
できるし、外部に開放された部分から液体試料を滴下等
することによって感応部に供給することもできる。すな
わち、種々の方向から液体試料が供給できるので、試料
供給の自由度が大きく取り扱いが容易である。加えて、
感応部に直接液体試料を供給できるので、微量の液体試
料で測定できる。
【0013】また、感応部が端部に設けられているの
で、液体試料を供給する際に、試料量を目視にて容易に
確認することもできる。
【0014】ここで、端縁部は端辺や端面のみならずこ
れらの近傍を含んで端部の縁部に形成される領域であ
る。感応部が端辺や端面に重なって設けられていれば、
この端辺や端面を液体試料に接触させることによって感
応部に液体試料を直接供給することができるが、液体試
料はある程度の体積を有するので、端辺や端面の近傍に
設けられていても、端辺や端面とともに感応部も液体試
料に接触させることができ、感応部に液体試料を直接供
給することができる。
【0015】第2の発明は、第1の発明において、前記
感応部を支持する支持部は絶縁性の部材からなり、前記
電極系は、前記支持部に設けられた導電性部材の端部領
域に形成され、前記反応層は、前記導電性部材の電極系
に隣接する領域を含む支持部を絶縁部材で覆うことによ
って端部に露出する領域に形成されることを特徴とす
る。
【0016】このようにすれば、簡単な構造の感応部を
形成することができるので、さらにバイオセンサの構造
を簡単化するとともに低コストでの製造が可能となる。
【0017】また、電極系の形成後に反応層を形成する
ことができるので、反応層に機械的・熱的作用が働か
ず、安定形成が可能である。
【0018】第3の発明は、第2の発明において、前記
導電性部材のうち少なくとも電極系を形成する領域は、
他の領域とは異なる材料からなることを特徴とする。
【0019】導電性部材を電極系を形成する領域を含め
て同一材料で形成することにより製造工程の簡略化及び
低コスト化を図ることもできるが、少なくとも電極系を
形成する領域の材質を他の領域と異ならしめれば、各領
域の機能に応じた材料を選択することにより、より高精
度の測定が可能となる。
【0020】第4の発明は、第2又は第3の発明におい
て、前記感応部が設けられたバイオセンサの端部は略半
円形状に形成されており、前記端部に露出する領域は略
円形状をなし、該領域全体にわたって前記反応層を形成
したことを特徴とする。
【0021】このようにバイオセンサの端部に露出する
領域を略円形状とすれば、反応層が均一に形成されやす
く、センサの均一性が高められるので、より高精度の測
定が可能となる。
【0022】第5の発明は、第2又は第3の発明におい
て、前記感応部が設けられたバイオセンサの端部は略半
円形状に形成されており、前記端部に露出する領域は略
半円形状をなし、該領域全体にわたって前記反応層を形
成したことを特徴とする。
【0023】このようにバイオセンサの端部に露出する
領域を略半円形状とすれば、感応部がバイオセンサの端
縁部と重なる部分を大きくすることができるので、端縁
部からの液体試料の供給がより容易となる。
【0024】第6の発明は、第2乃至第5の発明におい
て、前記絶縁部材は絶縁性フィルムであり、該フィルム
を接着剤によって接着することによって前記支持部に接
合していることを特徴とする。
【0025】このようにすれば、絶縁部材の厚さや材質
の選択の自由度が大きくなるので、支持部の補強の機能
を持たせたり、支持部に直接接着できない材料を用いた
りすることができる。
【0026】第7の発明は、第2乃至第6の発明におい
て、前記絶縁部材は、感応部側の近傍のみを覆うことを
特徴とする。
【0027】絶縁部材は、感応部を限定し、供給された
液体試料や試料に溶解した反応層の成分等が導電性部材
の電極系以外の領域に接触するのを防止するものである
から、感応部側の近傍のみを覆うようにしてもよい。ま
た、このように感応部側のみを覆うようにすれば、製造
コストを低減することができる。
【0028】第8の発明は、第2乃至第7の発明におい
て、前記支持部は基板であることを特徴とする。
【0029】このようにすれば、支持部を絶縁性フィル
ム等の膜状部材やこのフィルムを積層した板状部材等か
らなる基板によって形成することにより、バイオセンサ
の小僧を一層簡単化するとともに低コスト化することが
できる。
【0030】第9の発明は、少なくとも作用極と参照極
とを備えた電極系と、少なくとも酵素を含む反応層とを
備え、前記電極系と前記反応層とを含む感応部に液体試
料を供給し、該液体試料と前記酵素との反応による電気
化学現象を前記電極系で検知して前記液体試料中の特定
成分の濃度を測定するバイオセンサにおいて、前記感応
部は、前記バイオセンサの端部に、少なくともその一部
が外部に開放されて設けられており、該感応部の所定の
部位に前記液体試料を導く導液部材を設けたことを特徴
とする。
【0031】このようにすれば、感応部をバイオセンサ
の端部に、少なくともその一部が外部に開放されるよう
に設けた簡単な構造のバイオセンサを形成することがで
きるので、低コストで製造することができる。
【0032】また、感応部が端部に設けられているの
で、液体試料を供給する際に、試料量を目視にて容易に
確認することもできる。
【0033】液体試料を感応部のいずれかの部位に供給
すれば、液体試料に接触した反応層の部分から順次酵素
反応が進行する。しかし、反応層は所定の体積を有する
ので、反応層の全体で酵素反応が発生するまでには時間
差が生じ、この時間差は反応層の形状や液体試料が供給
された部位によって異なる。同様に、酵素反応の広がり
方も反応層の形状や液体試料が供給された部位によって
異なる。
【0034】従って、反応層の所定の部位に液体試料を
導く導液部材を設けて、反応層の形状に応じて液体試料
の供給部位を適宜選択するようにすれば、より測定時間
を短縮したり、酵素反応を均一に進行させて測定精度を
向上させたりすることができる。
【0035】また、感応部に液体試料を直接供給するこ
ともできるし、導液部材を介して供給することもできる
ので、試料供給の自由度が大きく取り扱いが容易であ
る。
【0036】第10の発明は、第9の発明において、前
記導液部材はメッシュ状体であり、該メッシュ状体と反
応層との接合部を通じて液体試料を反応層に導くことを
特徴とする。
【0037】このように導液部材としてメッシュ状体を
用いると、広範囲にほぼ均一に液体試料を展開して供給
することができる。
【0038】ここで、メッシュ状体は、糸状部材又は線
状部材を格子状又は網状に交差させて形成した部材であ
り、2次元的に形成されたものでもよいし、2次元的に
形成されたメッシュ状体を積層したものや、3次元的に
格子状又は網状に形成されているものでもよい。
【0039】メッシュ状体が反応層表面のほぼ全体に接
合するようにすれば、液体試料を反応層表面のほぼ全体
に均一に展開して供給することができるので、測定に要
する時間を短縮できるともに、高精度の測定が可能とな
る。
【0040】また、反応層表面より広いメッシュ状体を
接合させれば、より確実に液体試料を反応層表面のほぼ
全体に均一に展開して供給することができる。
【0041】また、メッシュ状体をバイオセンサの感応
部以外の部位に保持するようにすれば、液体試料の展開
速度がより安定し、精度の向上を図ることができる。
【0042】また、メッシュ状体を反応層表面の一部の
みに接合するようにすれば、酵素反応に利用されない余
分な液体試料までメッシュ状体に保持されるおそれがな
くなるので、より微量での測定が可能となる。
【0043】第11の発明は、第9の発明において、前
記導液部材は反応層表面に直交する方向の延長を有する
柱状体であり、該柱状体と反応層との接合部を通じて液
体試料を反応層に導くことを特徴とする。
【0044】このようにすれば、柱状体を介して液体試
料を反応層の所望の部位に供給することができる。特
に、反応層の限定された部位に的確に液体試料を供給す
ることができる。また、反応層表面に直交する方向から
の液体試料の供給も可能となり試料供給の自由度が増
す。
【0045】第12の発明は、第9の発明において、前
記導液部材は反応層表面に平行な方向の延長を有する糸
状体であり、該糸状体と反応層との接合部を通じて液体
試料を反応層に導くことを特徴とする。
【0046】このようにすれば、反応層表面の形状に応
じて糸状体を配置することにより、液体試料を反応層の
他の部分に触れることなく直接展開することができる。
【0047】第13の発明は、第9乃至第12の発明に
おいて、前記感応部は絶縁性の基板上に形成されている
ことを特徴とする。
【0048】このようにすれば、感応部を絶縁性フィル
ム等の膜状部材やこのフィルムを積層した板状部材等か
らなる基板上に形成することにより、バイオセンサの小
僧を一層簡単化するとともに低コスト化することができ
る。
【0049】第14の発明は、第1乃至第13の発明に
おいて、作用極,参照極及び対極からなることを特徴と
する。
【0050】このようにすれば、血液等の高粘度の液体
試料を用いる場合でも、高精度の測定が可能となる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0052】(第1の実施形態)図1(a)は本発明の
第1の実施形態に係るバイオセンサ1の上面図であり、
図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【0053】まず、バイオセンサ1の構成及び製造方法
について説明する。
【0054】このバイオセンサ1では、ポリエチレンテ
レフタレートからなる絶縁性のフィルムの基板2(支持
部)上にスクリーン印刷法によりカーボンペーストを印
刷して熱乾燥又はUV照射により硬化させて接続部3,
リード部4,電極部5に分割される導電性部材を形成し
ている。接続部3は測定装置本体に接続されて検知信号
の出力等を行う部分であり、作用極6及び参照極7から
なる電極部(電極系)5は試薬と液体試料との反応によ
る電気化学現象を検知する部分であり、リード部4は電
極部5に隣接し接続部3と電極部5とを接続する部分で
ある。このように、電極部,リード部4及び接続部3を
同一材料で形成すれば、製造が簡便で要素数も少なく、
廉価なバイオセンサを提供することができる。
【0055】基板2は一端が半円形状に形成された略矩
形をなす。電極部5は半円形状の端部2aに形成され
る。
【0056】次に、電極部5及び接続部3を除くリード
部4を絶縁膜8(絶縁部材)で覆い、各領域を明確化し
た。この絶縁膜8は、絶縁性ペーストを印刷し、熱乾燥
又はUV照射により硬化させて形成する。絶縁膜8によ
って基板2の半円形端部2aには、電極部5を含む略円
形状の露出した領域が現れる。
【0057】次に、試薬液を露出した略円形状の領域全
体に電極部5表面を覆うように展開させ、乾燥させて試
薬層(反応層)9を形成する。試薬液はグルコース酸化
酵素(グルコースオキシダーゼ,GOD)0.1%と電
子伝達物質のフェリシアン化カリウム4%と親水性低分
子のフルクトース1.0%の混合溶液であり、これを1
0μl滴下し、温度23°C,湿度50%の環境下で乾
燥させた。本実施形態では、基板2の半円形状端部2a
に設けられた電極部5及び試薬層9によって感応部10
が形成されている。絶縁膜8の端部によって基板2の半
円形状端部2aに露出する領域は略円形状をなすので、
滴下された試薬液によって試薬層を均一に形成すること
ができ、バイオセンサ1の均一性が高められ、精度向上
を図ることができる。略円形状に形成された試薬層9の
一部は基板2の半円形端部2a先端部において端縁部と
重なっている。
【0058】以下に、バイオセンサ1を用いて測定を行
う測定装置の構成について説明する。
【0059】図2は、バイオセンサ1を用いた測定装置
の主要部の概略構成を示すブロック図である。
【0060】作用極6は、出力を抵抗21を介して反転
入力端子に帰還させ、非反転入力端子を接地したオペア
ンプ22からなるI−V変換部23の反転入力端子に接
続されている。作用極によって検出された電流はI−V
変換部23によって電圧に変換される。この電圧はA−
D変換回路24によってディジタル信号に変換されて、
CPU,メモリ等からなる制御回路25に入力される。
【0061】参照極7は、出力を反転入力端子に帰還さ
せたオペアンプ26からなるバッファ回路27の出力に
接続されており、非反転入力端子に入力される電圧はス
イッチ28によりV1 ,V2 に切り替えられるようにな
っている。このスイッチ28は制御回路25からの信号
により電圧の切替を行う。
【0062】制御回路25には、バイオセンサ1の装置
本体への装着の有無を検出するセンサ検出部29及び測
定結果等の情報を表示する表示部30が接続されてい
る。
【0063】以下に、バイオセンサ1及び測定装置を用
いた測定手順について、血液を液体試料とする場合を例
として説明する。
【0064】バイオセンサ1が測定装置本体に装着され
ていると、センサ検出部29がこれを検出し、制御回路
25からの信号によってスイッチ28を28a側に接続
し、参照極7・作用極6間に電圧V1 (0.15V)を
印加する。電圧V1 が印加された状態で、試薬層9のい
ずれか部分に血液を接触させると、血液に接触した試薬
層9は直ちに溶解して、酵素反応を開始する。この酵素
反応の開始によって、電極反応電流が検出されるととも
にフェリシアン化カリウムが還元されてフェロシアン化
カリウムへの変化を開始する。
【0065】制御部回路25は電極反応電流を検出する
とスイッチ28を切り替えて非反転入力端子に電圧を印
加しない状態とする。
【0066】酵素反応の開始から10秒後に、スイッチ
28を28b側に切り替えて参照極7・作用極6間にフ
ェロシアン化カリウム酸化電位である電圧V2 (0.6
5V)を印加する。電圧をV2 に変更してから5秒後か
ら10秒後の酸化電流量を測定する。酸化電流量はフェ
ロシアン化カリウム量に、フェロシアン化カリウム量は
酵素反応量に、酵素反応量は基質量(試料中のグルコー
ス量)にそれぞれ比例するので、酸化電流量の測定によ
って試料中のグルコース濃度を測定することができる。
酵素反応開始からV2 印加までの時間は、フェロシアン
化カリウムの蓄積を待つためのものなので、試料,酵素
の種類等に応じて適宜設定すればよい。また、電圧のV
2 への変更後の電流測定期間も反応に応じて適宜設定す
ればよい。
【0067】バイオセンサ1の半円形端部2aの先端部
において端縁部と重なって形成されている試薬層9の端
縁部9aに血液に接触させてもよいし、試薬層9の上面
9b側から血液を滴下してもよい、また、試薬層9の上
面9bで血液をこそぎ取るようにして血液を供給しても
よい。このように、種々の方向から血液を供給すること
ができ、供給方法の自由度が大きく、取り扱いが容易で
ある。
【0068】また、感応部10が端部に設けられている
ので、血液を供給する際に試料量を目視にて容易に確認
することができる。
【0069】また、電極部5の製作後に試薬層9を形成
することができるので、試薬層9に機械的,熱的作用が
働くことがなく、安定した形成が可能となる。
【0070】本実施形態では、基板2をポリエチレンテ
レフタレートによって形成しているが、これに限られる
ものではなく、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレ
ンサルファイド、ポリカーボネート、ポリアリルレー
ト、ポリエーテルサルファイド、ポリイミド等からなる
樹脂シートやプラスチック、セラミックス、ガラス薄
板、紙等から適宜選択することができる。
【0071】また、カーボンペーストのスクリーン印刷
によって電極6,7を形成しているが、電極材料及び形
成方法はこれに限られるものではなく、試薬の反応原理
に適した材料及び形成方法を選択することができる。例
えば、白金、金、銀、塩化銀、鉄、亜鉛、ニッケル、パ
ラジウム等の材料からなる電極を蒸着法、スパッタリン
グ法、メッキ法、イオンプレーティング等の薄膜形成法
によって製造することもできる。
【0072】試薬液中の酵素も被定量物質に応じて適宜
選択することができ、例えば、乳酸オキシダーゼ、アル
コールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ウ
リカーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ等が挙げられる。
【0073】電子伝達物質についても、電極反応に応じ
て、フェリシアン化カリウムの他にフェロセン化合物や
p−ベンゾキシノン等を用いることができる。
【0074】試薬層9も本実施形態のように滴下した試
薬液の乾燥によって形成する場合に限られず、スクリー
ン印刷法等の方法を適宜選択することができ、酵素と電
子伝達物質だけでは薄膜化が困難な場合には容易に薄膜
状にするための支持材や架橋剤を加えてもよい。
【0075】本実施形態では、感応部10は基板2の半
円形の端部2aに形成されているが、端部の形状をこの
ようなものに限られず、台形や他の多角形でもよい。
【0076】本実施形態は、作用極6と参照極7の2電
極で構成しているが、さらに対極を設けて3電極で構成
してもよい。このようにすれば、血液等の高抵抗の液体
試料を分析・定量する場合でも高精度の測定が可能とな
る。対極を設ける場合には、図2でオペアンプ26の非
反転入力端子側に接続すればよい。
【0077】(第2の実施形態)図3(a)は本発明の
第2の実施形態に係るバイオセンサ21の上面図であ
り、図3(b)は図3(a)のB−B断面図である。
【0078】第1の実施形態に係るバイオセンサ1と同
様の構成を有するので、同様の構成については同様の符
号を用いて説明を省略する。
【0079】バイオセンサ21では、絶縁膜8が略矩形
に形成されているので、基板2の略半円形端部2aに露
出する領域は略半円形状となり、この領域に試薬層9が
形成されている。従って、試薬層9は基板2の半円形端
部2aの全周にわたって端縁部と重なている。
【0080】このようにバイオセンサ21の基板2の半
円形端部2aの端縁部に重なるように感応部10を形成
することにより、試薬層9のうちバイオセンサ21の半
円形状端面に露出する部分がより大きくなる。従って、
バイオセンサの半円形状端面側において、血液等の試料
を供給できる部位が広がり、試料供給の自由度がさらに
増し、取り扱いが容易になる。
【0081】図4は第2の実施形態の変形例に係るバイ
オセンサ21の構成を説明するための図3(a)のC−
C断面図である。
【0082】この変形例では、作用極6とリード部4と
接続部3とを異なる材料で形成している(参照極7側も
同様である。)。電極部5,リード部4,接続部3を形
成する材料としては、カーボン以外に白金、金、銀、塩
化銀、鉄、亜鉛、ニッケル、パラジウム等を用いること
ができ、スクリーン印刷法以外に、蒸着法、スパッタリ
ング法、メッキ法、イオンプレーティング等の薄膜形成
法によって形成することができる。
【0083】このようにすれば、電極部5,リード部4
及び接続部3のそれぞれに適した材料を選択して、性能
を十分に引き出すことができ、高性能のバイオセンサを
提供することができる。他の実施形態に係るバイオセン
サにおいても、同様に電極部5,リード部4及び接続部
3を異なる材料で形成することができる。
【0084】(第3の実施形態)図5は第3の実施形態
に係るバイオセンサ31の構成を示す断面図である。図
5は図1(a)のA−A断面あるいは図3(a)のB−
B断面と同様の断面を示しており、上面からみた場合に
は図18(a)あるいは図3(a)と同様に形成するこ
とができる。このように、絶縁膜部分の構成を除いて第
1実施形態又は第2実施形態と同様であるので、同様の
構成については同様の符号を用いて説明を省略する。
【0085】本実施形態では、絶縁フィルムからなる絶
縁膜8を接着剤32によって基板2及び基板2上に形成
されたリード部4上に接着することにより電極部5,リ
ード部4及び接続部3の各領域を明確化している。
【0086】このように絶縁フィルムを接着剤によって
接着して絶縁膜8を形成することにより、任意の高さや
材質の絶縁膜を選定することができ、厚みや材質により
強度を向上させたり、直接接合できない材質を使用する
こともできる。
【0087】図6は第3の実施形態に係るバイオセンサ
31の変形例の構成を示す断面図である。
【0088】本変形例では、バイオセンサ31の絶縁膜
8を試薬層9及び電極部5側の近傍にのみ設けており、
接続部3側ではリード部4の一部が露出する構成となっ
ている。
【0089】このように絶縁膜8を試薬層9及び電極部
5側の近傍にのみ設けても、感応部10側からの液体試
料の侵入は防止できるので、測定精度に影響を及ぼすこ
とはない。一方、このように接続部3側近傍の絶縁膜を
省略することで、より廉価なバイオセンサを提供するこ
とができる。
【0090】第1実施形態又は第2実施形態に係るバイ
オセンサ1,21のように絶縁膜8を接着剤を用いずに
直接接合する場合でも、本変形例のように、感応部側近
傍だけに絶縁膜を設けるようにすることができる。
【0091】(第4の実施形態)図7(a)は本発明の
第4の実施形態に係るバイオセンサ41の上面図であ
り、図7(b)は図7(a)のD−D断面図である。
【0092】メッシュ材を除いて第1実施形態と同様の
構成を有するので、第1実施形態と同様の構成について
は同様の符号を用いて説明を省略する。
【0093】本実施形態では、略円形状の試薬層9の上
部に重なるように導液部材として略円板状に形成したメ
ッシュ材(メッシュ状体)42を接合している。例え
ば、試薬液が完全に乾燥する前にメッシュ材42を展開
された試薬液上に重ねる等の方法によりメッシュ材42
と試薬層9とを接合することができるが、接合方法はこ
れに限られない。メッシュ材としては、例えば金属ワイ
ヤをメッシュ状に形成したものを使用することができ
る。
【0094】このようにすれば、血液等の液体試料を速
く展開させることができるので、試薬層9の全体で酵素
反応が進行するまでに要する時間を短縮することができ
る。すなわち、測定に要する時間を短縮することができ
る。
【0095】メッシュ材の材料としては、上述の金属ワ
イヤのように均一材料のものに限られず、ライスパウダ
ー等のように溶解性のものや繊維状の材料をメッシュ状
に形成したものを使用しても時間的には展開効果がより
高く、均一な試料展開が可能となる。
【0096】メッシュ材42が円形状の試薬層9に重な
るように形成されているので、試薬層9の上面9b側か
ら滴下する場合に液体試料を速く展開させることができ
る。試薬層9の上面9b側で血液をこそぎ取るようにす
る場合も同様に液体試料を速く展開させることができ
る。また、メッシュ材42の端縁部42aは基板2の半
円形端部2aの先端部分の端縁部に重なるように形成さ
れているので、この部分を液体試料に接触させる場合も
液体試料を速く展開させることができる。すなわち、種
々の方法によって液体試料を供給する場合に、液体試料
の展開を速めて、測定に要する時間を短縮することがで
きる。
【0097】図8(a)は本発明の第4の実施形態の第
1変形例に係るバイオセンサ41Aの断面図であり、図
7(b)と同様に図7(a)に示すD−D断面をとって
いる。
【0098】バイオセンサ41Aでは、液体試料が試薬
層9とより確実に接触するように、試薬層9の上面9b
を覆うとともに絶縁膜8上に一部重なるようにメッシュ
材42を形成している。
【0099】上面図は省略しているが、略円形状の試薬
層9を覆うとともに、絶縁膜8側に突出し、センサ42
の長手方向に扁平な略楕円形状に形成すればよい。ただ
し、メッシュ材42の形状はこれに限られるものではな
い。
【0100】図8(b)は本発明の第4の実施形態の第
2変形例に係るバイオセンサ41Bの断面図であり、図
7(b)と同様に図7(a)に示すD−D断面をとって
いる。
【0101】バイオセンサ41Bでは、液体試料に無駄
がでないように、試薬層9の上面9bの一部のみに重な
るようにメッシュ材42を形成している。
【0102】上面図は省略しているが、略円形状の試薬
層9の上面9bの絶縁膜8側を露出させた、センサ42
の短手方向に扁平な略楕円形状に形成すればよい。ただ
し、メッシュ材42の形状はこれに限られない。
【0103】図8(c)は本発明の第4の実施形態の第
3変形例に係るバイオセンサ41Cの上面図であり、図
7(b)と同様に図7(a)に示すD−D断面をとって
いる。
【0104】バイオセンサ41Cでは、絶縁膜8を第3
実施形態のように接着剤32によって接着している。メ
ッシュ材42の絶縁膜8側の端部を試薬層9の端部より
も突出して絶縁膜8内に入り込むように形成し、接着剤
32と絶縁膜8の端部との間で挟持している。
【0105】このようにメッシュ材42の端部を固定し
て保持すれば、液体試料と試薬が反応の進行により試薬
が溶解して試薬層9の形状が変化するような場合でもメ
ッシュ材42を安定的に保持することができるので、液
体試料の展開速度が安定し、測定精度の向上を図ること
ができる。
【0106】(第5の実施形態)図9(a)は本発明の
第5の実施形態に係るバイオセンサ51の上面図であ
り、図9(b)は図9(a)のE−E断面図である。
【0107】第1,第3又は第4実施形態と同様の構成
については、同様の符号を用いて説明を省略する。
【0108】本実施形態では、略半円形端部に略円形状
の孔8aを有する絶縁膜8を接着剤32によって基板2
及びリード部4上に接着している。絶縁膜8は基板2の
半円形端部2aの端縁部全体に形成されており、感応部
10と基板2の半円形端部2aの端縁部とが重なる部分
はない。
【0109】絶縁膜8の半円形端部側に設けられた略円
形状の孔8a内に露出する電極部5上に略円形状の試薬
層9が形成され、試薬層9上に同じく略円形状のメッシ
ュ材42が試薬層9の全体を覆うように形成されてい
る。
【0110】液体試料の供給は試薬層9の上面9b側か
らに限られるが、このようにしても、液体試料を速く展
開させることができるので、液体試料と試薬層9の全体
で酵素反応が進行するまでの時間を短縮でき、測定に要
する時間を短縮することができる。このメッシュ材は、
液体試料を試薬層9に平行な方向に展開させるものであ
り、上述の従来技術に係るバイオセンサ300のように
電極系が形成された基板302に直交する方向に多数の
細孔を有しランダムに液体試料が浸透する多孔体306
とは機能が異なり、気泡が残るようなことはない。
【0111】絶縁膜8は、接着剤を用いずに直接基板2
上に接合するようにしてもよい。
【0112】(第6の実施形態)図10(a)は本発明
の第6の実施形態に係るバイオセンサ61の上面図であ
り、図10(b)は図10(a)のF−F断面図であ
る。
【0113】第1実施形態と同様の構成については同様
の符号を用いて説明を省略する。
【0114】バイオセンサ61では、試薬層9の上面9
bの中央部分に導液部材として基板2にほぼ直交する延
長を有する柱状部材(柱状体)62を設けている。
【0115】柱状部材62の上部から液体試料を供給す
れば、液体試料は試薬層9の他の部分に接触することな
く中央部分に直接供給されるので、より確実で均一な液
体試料の展開が可能となり、精度の向上を図ることがで
きる。また、液体試料の供給方法の自由度が増す。
【0116】柱状部材には、メッシュ材と同様に金属ワ
イヤ等の材料を柱状に形成したものを使用する。
【0117】(第7の実施形態)図11(a)は本発明
の第7の実施形態に係るバイオセンサ71の上面図であ
り、図11(b)は図11(a)のG−G断面図であ
る。
【0118】第1実施形態と同様の構成については同様
の符号を用いて説明を省略する。
【0119】バイオセンサ71では、試薬層9の上面9
bに導液部材として基板2に平行な延長を有する糸状部
材(糸状体)72を設けている。
【0120】糸状部材72の上部から液体試料を供給す
れば、液体試料は、試薬層9に直接接触することなく、
糸状部材72を介して試薬層9の上面9b全体に供給さ
れるので、より確実で均一な液体試料の展開が可能とな
り、精度の向上を図ることができる。また、液体試料の
供給方法の自由度が増す。
【0121】糸状部材には、メッシュ材と同様に金属ワ
イヤ等の材料を糸状に形成したものを使用する。
【0122】(第8の実施形態)図12(a)は本発明
の第8の実施形態に係るバイオセンサ81の斜視図であ
り、図12(b)は上面図であり、図12(c)は図1
2(b)のH−H断面図である。
【0123】第1又は第3実施形態と同様の構成につい
ては同様の符号を用いて説明を省略する。
【0124】バイオセンサ81は、基板2上にリード部
4及び接続部3が形成されているが、作用極6及び参照
極7からなる電極部5はリード部4を覆う板状の絶縁部
82の端面82a上に形成されている。絶縁部82は接
着剤32によって基板2及びリード部4上に接着されて
いる。絶縁部82上には基板2と対向するカバー膜83
が接着剤84により接着されている。試薬層9は絶縁部
82の端面82a全体を覆うように形成されており、試
薬層9の表面全体がセンサ81の端縁部に重なる構成と
なっている。基板2とカバー膜83の電極部側の端部2
c,83aは、絶縁部82の端面82aより若干突出し
ており、試薬層9は基板2とカバー膜83の端面2d,
83bとほぼ同一面となるように形成される。
【0125】このように基板2の端部2cに基板2と直
交する端面82a上に外部に開放された感応部10を設
けることにより、絶縁部82の端面82aに直交する方
向や端面82aに平行な方向からの液体試料の供給が可
能となり、取り扱いが容易である。
【0126】また、バイオセンサ81の端部に感応部1
0が設けられているので、目視による試料量の確認も容
易に行うことができる。
【0127】電極部5,リード部4及び接続部3を形成
するには、絶縁部82の端面82a上の電極部5と基板
2上のリード部4及び接続部3とをそれぞれカーボンペ
ーストのスクリーン印刷にて形成し、絶縁部82を基板
2と接合する際にリード部4と電極部5とを接続するよ
うにしてもよいし、基板2上には接続部3のみを形成
し、絶縁部82側に電極部5及びリード部4を形成し、
基板2と絶縁部82との接合時に接続するようにしても
よい。電極部5,リード部4及び接続部3をそれぞれ別
部材にて形成することもできる。
【0128】試薬層9上にメッシュ材等の導液部材を設
けることもできる。
【0129】
【発明の効果】以上、説明したように、第1の発明によ
れば、感応部をバイオセンサの端部に、少なくともその
一部が外部に開放されるように設けた簡単な構造のバイ
オセンサを形成することができるので、低コストで製造
することができる。
【0130】また、感応部はバイオセンサの端縁部と重
なる部分を有するので、この端縁部と重なる部分に液体
試料を接触させることによって感応部に供給することも
できるし、外部に開放された部分から液体試料を滴下等
することによって感応部に供給することもできる。すな
わち、種々の方向から液体試料が供給できるので、試料
供給の自由度が大きく取り扱いが容易である。加えて、
感応部に直接液体試料を供給できるので、微量の液体試
料で測定できる。
【0131】また、感応部が端部に設けられているの
で、液体試料を供給する際に、試料量を目視にて容易に
確認することもできる。
【0132】第2の発明によれば、簡単な構造の感応部
を形成することができるので、さらにバイオセンサの構
造を簡単化するとともに低コストでの製造が可能とな
る。
【0133】また、電極系の形成後に反応層を形成する
ことができるので、反応層に機械的・熱的作用が働か
ず、安定形成が可能である。
【0134】第3の発明のように、少なくとも電極系を
形成する領域の材質を他の領域と異ならしめれば、各領
域の機能に応じた材料を選択することにより、より高精
度の測定が可能となる。
【0135】第4の発明のように、バイオセンサの端部
に露出する領域を略円形状とすれば、反応層が均一に形
成されやすく、センサの均一性が高められるので、より
高精度の測定が可能となる。
【0136】第5の発明のように、バイオセンサの端部
に露出する領域を略半円形状とすれば、感応部がバイオ
センサの端縁部と重なる部分を大きくすることができる
ので、端縁部からの液体試料の供給がより容易となる。
【0137】第6の発明によれば、絶縁部材の厚さや材
質の選択の自由度が大きくなるので、支持部の補強の機
能を持たせたり、支持部に直接接着できない材料を用い
たりすることができる。
【0138】第7の発明によれば、製造コストを低減す
ることができる。
【0139】第8の発明によれば、支持部を絶縁性フィ
ルム等の膜状部材やこのフィルムを積層した板状部材等
からなる基板によって形成することにより、バイオセン
サの小僧を一層簡単化するとともに低コスト化すること
ができる。
【0140】第9の発明によれば、感応部をバイオセン
サの端部に、少なくともその一部が外部に開放されるよ
うに設けた簡単な構造のバイオセンサを形成することが
できるので、低コストで製造することができる。
【0141】また、感応部が端部に設けられているの
で、液体試料を供給する際に、試料量を目視にて容易に
確認することもできる。
【0142】また、反応層の所定の部位に液体試料を導
く導液部材を設けて、反応層の形状に応じて液体試料の
供給部位を適宜選択するようにすれば、より測定時間を
短縮したり、酵素反応を均一に進行させて測定精度を向
上させたりすることができる。
【0143】また、感応部に液体試料を直接供給するこ
ともできるし、導液部材を介して供給することもできる
ので、試料供給の自由度が大きく取り扱いが容易であ
る。
【0144】第10の発明のように導液部材としてメッ
シュ状体を用いると、広範囲にほぼ均一に液体試料を展
開して供給することができる。
【0145】メッシュ状体が反応層表面のほぼ全体に接
合するようにすれば、液体試料を反応層表面のほぼ全体
に均一に展開して供給することができるので、測定に要
する時間を短縮できるともに、高精度の測定が可能とな
る。
【0146】また、反応層表面より広いメッシュ状体を
接合させれば、より確実に液体試料を反応層表面のほぼ
全体に均一に展開して供給することができる。
【0147】また、メッシュ状体をバイオセンサの感応
部以外の部位に保持するようにすれば、液体試料の展開
速度がより安定し、精度の向上を図ることができる。
【0148】また、メッシュ状体を反応層表面の一部の
みに接合するようにすれば、酵素反応に利用されない余
分な液体試料までメッシュ状体に保持されるおそれがな
くなるので、より微量での測定が可能となる。
【0149】第11の発明によれば、柱状体を介して液
体試料を反応層の所望の部位に供給することができる。
特に、反応層の限定された部位に的確に液体試料を供給
することができる。また、反応層表面に直交する方向か
らの液体試料の供給も可能となり試料供給の自由度が増
す。
【0150】第12の発明によれば、反応層表面の形状
に応じて糸状体を配置することにより、液体試料を反応
層の他の部分に触れることなく直接展開することができ
る。
【0151】第13の発明によれば、感応部を絶縁性フ
ィルム等の膜状部材やこのフィルムを積層した板状部材
等からなる基板上に形成することにより、バイオセンサ
の小僧を一層簡単化するとともに低コスト化することが
できる。
【0152】第14の発明によれば、血液等の高粘度の
液体試料を用いる場合でも、高精度の測定が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るバ
イオセンサの上面図であり、図1(b)は図1(a)の
A−A断面図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施形態に係るバイオセ
ンサを用いた測定装置の主要部の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図3(a)は本発明の第2の実施形態に係るバ
イオセンサの上面図であり、図3(b)は図3(a)の
B−B断面図である。
【図4】図4は本発明の第2の実施形態の変形例に係る
バイオセンサの構成を説明するための図3(a)のC−
C断面図である。
【図5】図5は本発明の第3の実施形態に係るバイオセ
ンサの構成を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の第3の実施形態の変形例に係る
バイオセンサの構成を示す断面図である。
【図7】図7(a)は本発明の第4の実施形態に係るバ
イオセンサの上面図であり、図7(b)は図7(a)の
D−D断面図である。
【図8】図8(a)は本発明の第4の実施形態の第1変
形例に係るバイオセンサの構成を示す断面図である。図
8(b)は本発明の第4の実施形態の第2変形例に係る
バイオセンサの構成を示す断面図である。図8(c)は
本発明の第4の実施形態の第3変形例に係るバイオセン
サの構成を示す断面図である。
【図9】図9(a)は本発明の第5の実施形態に係るバ
イオセンサの上面図であり、図9(b)は図9(a)の
E−E断面図である。
【図10】図10(a)は本発明の第6の実施形態に係
るバイオセンサの上面図であり、図10(b)は図10
(a)のF−F断面図である。
【図11】図11(a)は本発明の第7の実施形態に係
るバイオセンサの上面図であり、図11(b)は図11
(a)のG−G断面図である。
【図12】図12(a)は本発明の第8の実施形態に係
るバイオセンサの斜視図であり、図12(b)は同上面
図であり、図12(c)は図12(b)のH−H断面図
である。
【図13】図13(a)は従来例に係るセンサを用いた
尿測定器を示す斜視図であり,図13(b)は図13
(a)の検出部における断面図である。
【図14】図14(a)は従来例に係るバイオセンサの
外観を示す斜視図であり、図14Z(b)は同分解斜視
図である。
【図15】図15は他の従来例に係るバイオセンサを示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,41A,41B,41C,5
1,61,71,81バイオセンサ 2 基板 2a 半円形端部 3 接続部 4 リード部 5 電極部 6 作用極 7 参照極 8 絶縁膜 9 試薬層 9a 端縁部 9b 上面 10 感応部 32 接着剤 42 メッシュ材 62 柱状部材 72 糸状部材 82 絶縁部 82a 端面 83 カバー膜

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも作用極と参照極とを備えた電
    極系と、 少なくとも酵素を含む反応層とを備え、 前記電極系と前記反応層とを含む感応部に液体試料を供
    給し、該液体試料と前記酵素との反応による電気化学現
    象を前記電極系で検知して前記液体試料中の特定成分の
    濃度を測定するバイオセンサにおいて、 前記感応部は、前記バイオセンサの端部に、少なくとも
    その一部が外部に開放されて設けられており、前記バイ
    オセンサの端縁部と重なる部分を有することを特徴とす
    るバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記感応部を支持する支持部は絶縁性の
    部材からなり、 前記電極系は、前記支持部に設けられた導電性部材の端
    部領域に形成され、 前記反応層は、前記導電性部材の電極系に隣接する領域
    を含む支持部を絶縁部材で覆うことによって端部に露出
    する領域に形成されることを特徴とする請求項1記載の
    バイオセンサ。
  3. 【請求項3】 前記導電性部材のうち少なくとも電極系
    を形成する領域は、他の領域とは異なる材料からなるこ
    とを特徴とする請求項2記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 前記感応部が設けられたバイオセンサの
    端部は略半円形状に形成されており、 前記端部に露出する領域は略円形状をなし、該領域全体
    にわたって前記反応層を形成したことを特徴とする請求
    項2又は3記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 前記感応部が設けられたバイオセンサの
    端部は略半円形状に形成されており、 前記端部に露出する領域は略半円形状をなし、該領域全
    体にわたって前記反応層を形成したことを特徴とする請
    求項2又は3記載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 前記絶縁部材は絶縁性フィルムであり、
    該フィルムを接着剤によって接着することによって前記
    支持部に接合していることを特徴とする請求項2乃至5
    記載のバイオセンサ。
  7. 【請求項7】 前記絶縁部材は、感応部側の近傍のみを
    覆うことを特徴とする請求項2乃至6記載のバイオセン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記支持部は基板であることを特徴とす
    る請求項2乃至7記載のバイオセンサ。
  9. 【請求項9】 少なくとも作用極と参照極とを備えた電
    極系と、 少なくとも酵素を含む反応層とを備え、 前記電極系と前記反応層とを含む感応部に液体試料を供
    給し、該液体試料と前記酵素との反応による電気化学現
    象を前記電極系で検知して前記液体試料中の特定成分の
    濃度を測定するバイオセンサにおいて、 前記感応部は、前記バイオセンサの端部に、少なくとも
    その一部が外部に開放されて設けられており、 該感応部の所定の部位に前記液体試料を導く導液部材を
    設けたことを特徴とするバイオセンサ。
  10. 【請求項10】 前記導液部材はメッシュ状体であり、
    該メッシュ状体と反応層との接合部を通じて液体試料を
    反応層に導くことを特徴とする請求項9記載のバイオセ
    ンサ。
  11. 【請求項11】 前記導液部材は反応層表面に直交する
    方向の延長を有する柱状体であり、該柱状体と反応層と
    の接合部を通じて液体試料を反応層に導くことを特徴と
    する請求項9記載のバイオセンサ。
  12. 【請求項12】 前記導液部材は反応層表面に平行な方
    向の延長を有する糸状体であり、該糸状体と反応層との
    接合部を通じて液体試料を反応層に導くことを特徴とす
    る請求項9記載のバイオセンサ。
  13. 【請求項13】 前記感応部は絶縁性の基板上に形成さ
    れていることを特徴とする請求項9乃至12記載のバイ
    オセンサ。
  14. 【請求項14】 前記電極系は、作用極,参照極及び対
    極からなることを特徴とする請求項1乃至13記載のバ
    イオセンサ。
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