JP2006308458A - バイオセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 酵素活性の低下を防止するとともに、電極感度の低下を抑制した、高感度のバイオセンサを提供する。
【解決手段】 電極2,3,4と、前記電極を内部に含むキャビティ33と、前記キャビティ内に配された、酵素を含む測定用試薬32と、を含み、前記測定用試薬32が、前記キャビティ33内であって、かつ前記電極2,3,4の表面以外の領域に配されているバイオセンサとする。ここにおいて、電極がキャビティの表面に配されており、測定用試薬がキャビティの表面であって、電極が形成されていない表面部分に乾燥担持されているバイオセンサとするとより好ましい。
【選択図】 図3
【解決手段】 電極2,3,4と、前記電極を内部に含むキャビティ33と、前記キャビティ内に配された、酵素を含む測定用試薬32と、を含み、前記測定用試薬32が、前記キャビティ33内であって、かつ前記電極2,3,4の表面以外の領域に配されているバイオセンサとする。ここにおいて、電極がキャビティの表面に配されており、測定用試薬がキャビティの表面であって、電極が形成されていない表面部分に乾燥担持されているバイオセンサとするとより好ましい。
【選択図】 図3
Description
本発明は、測定用試料中の生体物質濃度を、酵素反応を用いて電気化学的に測定するバイオセンサに関する。
バイオセンサとは、特定の化学物質の存在を検出するために、生体の持つ分子識別機能を利用するセンサである。特に、生体反応の触媒として働く酵素を利用する技術は、測定対象物質に対する選択性が高いため特に注目されており、これまでにグルコースセンサ、アルコールセンサ、尿酸センサ、アミラーゼセンサ等、多くのバイオセンサが実用化されている。
酵素を利用したバイオセンサは、少なくとも、測定対象物質に応じた酵素と、酵素反応によって得られる物質を電気信号に変換する電極とを備えている。ここで、一般に酵素は高価であるため、繰り返して使用できるように、電極の表面に固定化されている。電極表面に酵素を固定する技術としては、例えば、高分子電解質やコラーゲンゲル等を用いて酵素を封じ込める技術(例えば特許文献1)や、グルタルアルデヒド等を用いて電極表面に酵素を結合する技術(例えば特許文献2)が提案されている。しかしながら、これらの技術には、固定化によって酵素活性が低下してしまうことや、固定の方法が煩雑である等の問題がある。
そこで、酵素を繰り返し使用しない、ディスポーザブル型のバイオセンサが提案されている(例えば特許文献3)。一般に、バイオセンサでは、絶縁性基板上にスクリーン印刷等の方法で測定極、対極および参照極からなる電極系が形成されており、さらに、この電極系上に、親水性高分子と酸化還元酵素と電子メディエータとを含む酵素反応層が形成されている。ここで、ディスポーザブル型では一回の測定で酵素を使い捨てるため、酵素反応層を、上述のような固定化方法を用いて形成する必要がなく、例えば、単に電極上に酵素等を付着させることにより形成することができる。
同様に、上述のような固定化方法を用いないでバイオセンサ中に酵素を保持する技術として、酵素を担持させた繊維状の担体を電極近傍に固定するバイオセンサが提案されている(例えば特許文献4)。なお、このバイオセンサでは、接着剤を用いたり担体嵌合用の突起を設けたりして、繊維状の担体を固定している。
特公昭52−18270号公報
特開平5−215710号公報
特開平2−62952号公報
特開2001−201479号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載のバイオセンサでは、電極表面への酵素の吸着が過剰となり電極感度が低下してしまう場合があるため、反応電流の検出シグナル比が安定しないという問題がある。また、上記特許文献4に記載のバイオセンサでは、酵素を担持する担体を用いる必要があり、また担体の固定のために接着剤を用いたり嵌合用突起を設けたりする必要があるため、構成部品数や製造に要する工程数が多いという問題がある。
そこで本発明は、酵素活性の低下を防止するとともに電極感度の低下を防止し、また構成部品数を削減したバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明は、絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された2つ以上の電極とを含むセンサ基板と、前記センサ基板上に形成され、かつ前記電極を内部に含むように形成されたキャビティと、前記キャビティ内に測定用試料を供給する注入孔と、前記キャビティ内に保持された測定用酵素を含む測定用試薬と、を含み、前記測定用試薬が、前記電極の表面以外の前記キャビティ内の領域に保持されている、バイオセンサを提供する。
また、本発明は、絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された2つ以上の電極とを含むセンサ基板と、前記センサ基板上に形成され、かつ前記電極を内部に含むように形成された測定用キャビティと、前記センサ基板上に形成された1つ以上の反応用キャビティと、少なくとも1つの前記反応用キャビティと前記測定用キャビティとを接続する流路と、少なくとも1つの前記反応用キャビティ内に測定用試料を供給する注入孔と、を含み、測定用酵素を含む測定用試薬が、少なくとも1つの前記反応用キャビティ内の領域に保持されており、かつ前記電極の表面に保持されていない、バイオセンサを提供する。
本発明によれば、酵素活性の低下を防止するとともに、電極感度の低下を抑制することができるため、感度に優れたバイオセンサを提供することができる。
上記本発明のバイオセンサでは、前記測定用試薬を、前記キャビティ内の領域に乾燥担持させることができる。
上記本発明のバイオセンサでは、前記測定用試薬を、前記センサ基板の表面に乾燥担持させることができる。
上記本発明のバイオセンサでは、前記キャビティを前記センサ基板とハウジング基板とにより形成し、前記測定用試薬を、前記ハウジング基板の表面に乾燥担持させることができる。
上記本発明のバイオセンサでは、前記測定用酵素が、酸化還元酵素を含むことができる。また、当該酸化還元酵素がジアホラーゼを含むことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り種々の形態をとることができる。
<実施の形態1>
図1は、本発明のバイオセンサにおける、センサ基板7の一例を示す斜視図である。このセンサ基板7は、絶縁基板1と、この絶縁基板1上に形成された測定電極2、対極3および参照電極4とを含んでいる。また、絶縁基板1上には、導電性パターン5と、外部回路への接続部分である端子部6とが設けられている。導電性パターン5は、それぞれの電極を、対応する端子部6に導通させるように設けられている。これらの導電性部材は、例えばセンサ基板7の一方の主面の表面に設けることができる。
図1は、本発明のバイオセンサにおける、センサ基板7の一例を示す斜視図である。このセンサ基板7は、絶縁基板1と、この絶縁基板1上に形成された測定電極2、対極3および参照電極4とを含んでいる。また、絶縁基板1上には、導電性パターン5と、外部回路への接続部分である端子部6とが設けられている。導電性パターン5は、それぞれの電極を、対応する端子部6に導通させるように設けられている。これらの導電性部材は、例えばセンサ基板7の一方の主面の表面に設けることができる。
それぞれの電極材料は、金、白金、パラジウム等の貴金属やカーボン等の公知の導電性材料を用いることができるが、電極表面の安定性を高める観点等からは、金を材料とすることが好ましい。なお、参照電極4は、例えば測定対象とする溶液中での電位安定性を高める観点から、不分極性を示す照合電極とすることが好ましい。例えば、取り扱いの簡便性を考慮すると、銀・塩化銀電極とすることが好ましい。銀・塩化銀電極の形成方法としては、例えば、金や白金等で形成した電極パターンの表面に銀メッキを施した後に、NaCl水溶液中で電圧を印加する方法や、銀・塩化銀ペーストを用いて成形する方法、銀ペーストを電極パターンに成形した後に、その表面を次亜塩素酸ナトリウム等の水溶液に接触させる方法等の公知の形成方法を用いることができる。
導電性パターン5や端子部6の材料としては、公知の導電性材料を用いることができるが、センサ基板の製造を容易にする観点からは、上記電極と同様の材料を用いることが好ましい。絶縁基板1上への電極、導電性パターン、端子部の形成方法としては、例えば、導電性材料を絶縁基板上に印刷、スパッタリングまたは蒸着して被膜を形成した後、エッチングもしくはレーザー照射により被膜の所定部位を除去する方法や、マスクを用いて直接的に所定のパターンにスパッタリングする方法等の、公知の形成方法を用いることができる。
絶縁基板1の材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、セラミック、樹脂等の公知の絶縁基板材料を用いることができるが、ディスポーザブル型のバイオセンサとする場合には、樹脂材料を用いることが好ましい。基板の加工が容易であるとともに、原材料を比較的安価に抑えることができるためである。樹脂材料としては特に限定されず、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等の公知の樹脂を、目的に応じて適宜用いることができる。スパッタリングで金電極を形成する場合には、金との密着性を高める観点等から、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
絶縁基板1の厚みとしては、取り扱いの容易性等の観点から、0.1mm〜2.0mmの範囲にあることが好ましく、0.188mm〜0.5mmの範囲にあることがより好ましい。
センサ基板7は、図1で示すように、導電性パターン5が露出している態様としてもよいし、図2で示すように、導電性パターン5の表面を覆うようにして、絶縁基板1の上に絶縁膜21が形成された態様としてもよい。絶縁膜21を設けることにより、各電極の露出面積を制御することが容易となるとともに、導電性パターン5を絶縁し、また機械的損傷から保護することができる。絶縁膜21の材料としては、ポリイミド等を用いることができる。なお、本明細書における『センサ基板の表面』とは、上記導電性部材が設けられている側の露出表面を意味し、例えば図1で示す態様においては絶縁基板の表面を意味し、例えば図2で示すように絶縁基板の表面に絶縁膜が設けられている態様においては、この絶縁膜の露出表面を意味するものである。
図3は、本発明のバイオセンサの一例を示す斜視図である。このバイオセンサは、図1で示すセンサ基板7と、図4で示すハウジング基板31とを備えている。ハウジング基板31には凹部36が設けられており、この凹部36の中空部分内にセンサ基板7の電極(測定電極2、対極3、参照電極4)が配されるようにして、センサ基板7とハウジング基板31とが積層されている。このようにして、センサ基板7と、ハウジング基板31の凹部36とによりキャビティ33が形成されている。
キャビティ33の内部の領域には、それぞれの電極の表面以外の部分に測定用試薬32が配されている。この測定用試薬32には、酸化還元酵素や電子メディエータを含ませることができる。酸化還元酵素としては、測定目的に応じて公知のものを適宜用いることができる。例えば、NADHオキシダーゼ(例えば、ジアホラーゼ)、アルコールオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等を用いることができる。電子メディエータとしても、測定目的に応じて酵素−電極間の電子移動を媒介しうる公知の化合物を適宜用いることができ、例えば、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェート、フェロセン誘導体等を用いることができる。
この測定用試薬32は、例えば、図3で示すようにキャビティ33の底面に相当するセンサ基板7の表面に担持させてもよいし、キャビティ33の側面や天面に相当するハウジング基板31の表面に担持させてもよい。担持の態様としては、例えば乾燥担持とすることができる。
ハウジング基板31とセンサ基板7との積層には、例えば、アクリル系やエポキシ系、シリコン等の接着剤、両面テープ等の粘着シート等や、クロロホルム等の有機系溶剤を用いてもよいし、両者を熱融着してもよい。なお、測定用試薬の担持はセンサ基板7とハウジング基板31との積層に先んじて行うことが好ましい。
ハウジング基板31には、キャビティ33の内部をバイオセンサの外部に通気させる貫通孔が少なくとも1つ設けられている。この貫通孔は、測定用試料を注入するための注入孔34として用いることができる。貫通孔を2つ以上設ける場合には、少なくとも1つを空気孔35として用いることが好ましい。測定用試料の注入時にキャビティ33内部の空気の逃げ道として当該空気孔35を機能させて、試料を速やかに注入することができるためである。キャビティ33の内部には、公知の親水性処理が施されていることが好ましい。測定用試料の注入速度を高めることができるためである。なお、測定用試料を注入した後には、注入孔34や空気孔35等の貫通孔を粘着テープ等で封口してもよいし、短時間の測定であれば封口しなくてもよい。
ハウジング基板31の材料としては、測定用試料との反応性が低い材料を用いることが好ましく、例えばシリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、セラミック、樹脂等を用いることができる。ディスポーザブル型のバイオセンサとする場合には、樹脂材料を用いることが好ましい。基板の加工が容易であるとともに、原材料を比較的安価に抑えることができるためである。樹脂材料としては特に限定されず、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリジメチルシルオキサン(PDMS)等の公知の樹脂を、目的に応じて適宜用いることができる。例えば、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネートを用いると、その優れた透明性により内部試料の状態を確認することが可能となるとともに、微細な切削加工等が容易となる。また、ポリカーボネートを用いると、耐熱性を高めることもできる。
ハウジング基板31に凹部36を形成する方法としては特に限定されず、例えばハウジング基板が樹脂材料からなる場合には、切削加工、金型による成型、熱転写によるエンボス加工等の方法で形成することができる。また、貫通孔を含むシートと貫通孔を含まないシートとを張り合わせることにより、凹部を含むハウジング基板を形成してもよい。
<実施の形態2>
図5は、本発明のバイオセンサの別例を示す斜視図である。このバイオセンサは、上記実施の形態1と同様のセンサ基板7と、ハウジング基板51とを備えている。このハウジング基板51には第1の凹部と第2の凹部とが設けられており、第1の凹部の中空部分内にセンサ基板7の電極(測定電極2、対極3、参照電極4)が配されるようにして、センサ基板7とハウジング基板51とが積層されている。ここにおいて、ハウジング基板の第1の凹部とセンサ基板7とにより測定用キャビティ41が形成され、ハウジング基板の第2の凹部とセンサ基板7とにより反応用キャビティ42が形成されている。反応用キャビティ42の底面に相当するセンサ基板7の表面には、測定用試薬32が配されている。なお、測定用試薬32は、反応用キャビティ42の内部の領域であればセンサ基板7の表面以外に配してもよく、例えばハウジング基板の表面に配してもよい。
図5は、本発明のバイオセンサの別例を示す斜視図である。このバイオセンサは、上記実施の形態1と同様のセンサ基板7と、ハウジング基板51とを備えている。このハウジング基板51には第1の凹部と第2の凹部とが設けられており、第1の凹部の中空部分内にセンサ基板7の電極(測定電極2、対極3、参照電極4)が配されるようにして、センサ基板7とハウジング基板51とが積層されている。ここにおいて、ハウジング基板の第1の凹部とセンサ基板7とにより測定用キャビティ41が形成され、ハウジング基板の第2の凹部とセンサ基板7とにより反応用キャビティ42が形成されている。反応用キャビティ42の底面に相当するセンサ基板7の表面には、測定用試薬32が配されている。なお、測定用試薬32は、反応用キャビティ42の内部の領域であればセンサ基板7の表面以外に配してもよく、例えばハウジング基板の表面に配してもよい。
測定用キャビティ41と反応用キャビティ42との間は流路43により連結されている。測定用試料(溶液)を反応用キャビティ42から測定用キャビティ41へ移動させる手段としては、シリンジポンプ、プランジャーポンプ、ペリスタポンプ等の外部ポンプや、バイオセンサ上に一体型で組み込むマイクロポンプを用いることができる。さらには、反応用キャビティが中心側であり測定用キャビティが外側となる位置でバイオセンサを回転することにより発生する遠心力を用いてもよい。
図3で示したバイオセンサと同様に、このハウジング基板51にも、キャビティの内部をバイオセンサの外部に通気させる貫通孔が2つ設けられており、1つの貫通孔を反応用キャビティ42に測定用試料を注入するための注入孔34として用いるとともに、別の貫通孔を空気孔35として用いることが好ましい。ここで、測定用試料の注入を円滑化する観点からは、測定用キャビティ41の端部であって、反応用キャビティ42から離れている端部に設けられた貫通孔を、空気孔35として用いることが好ましい。
この態様であると、例えば、測定用試料と測定用試薬との反応時間が長くかかる場合であっても、反応用キャビティ42中で十分な反応時間をおいた後で、測定用キャビティ41に測定用試料を移動させることができるため、測定に必要な電極と測定用試料と接触時間を短縮することができる。これにより、電極表面に試料中のタンパク質が吸着してしまうことを防止できるため、測定の精度を高めることができる。
なお、反応用キャビティは、第2の凹部を2つ以上形成することにより、2つ以上設けてもよい。複数の反応用キャビティ間は流路を設けて連結すればよい。
以下、本発明のバイオセンサについてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例には限定されない。
(実施例1)
実施例1は、生体中の低分子であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、NADHと呼ぶことがある)の活性に由来する電流をバイオセンサで測定した実験例である。
実施例1は、生体中の低分子であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、NADHと呼ぶことがある)の活性に由来する電流をバイオセンサで測定した実験例である。
実施例1で用いるバイオセンサを以下のようにして作製した。まず、絶縁基板として厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートのシートを準備した後、その表面にスパッタリングによって700オングストローム(70nm)の金薄膜を形成した。次に、この金薄膜をエッチングして、図1で示すような測定電極、対極、参照電極、導電性パターンおよび端子を形成した。その後、この絶縁基板を所定の大きさに切り出してセンサ基板を作製した。このようなセンサ基板を2つ作製した。なお、測定電極の電極面積は、2.0mm2である。
続いて、それぞれのセンサ基板における参照電極の表面に塩化銀ペースト(日本アチソン株式会社製 DB2275)を塗布した後、これを80℃で30分間乾燥して、参照電極の表面に銀・塩化銀電極を形成した。
その後、一方のセンサ基板に対し、次のようにして測定用試薬の乾燥担持を行った。後工程でキャビティが形成される部分であって、測定電極、対極、参照電極の表面以外のセンサ基板の表面に、100mMのフェリシアン化カリウム 0.4μlと、1000U/mlのジアホラーゼ 0.5μlとの混合溶液を滴下した後、これを40℃で10分間乾燥させた。以下、この基板を試薬担持センサ基板Aと呼ぶ。
また、もう一方のセンサ基板に対して上記混合溶液を用いて同様にして、ただし測定電極の表面に、測定用試薬を乾燥担持させた。以下、この基板を試薬担持センサ基板Bと呼ぶ。
最後に、ポリメタクリル酸メチル樹脂板の所定部分を切削加工して凹部を形成したハウジング基板を2つ準備し、シリコン樹脂(信越シリコーン株式会社製 KE44)を用いて上記試薬担持センサ基板A、Bのそれぞれに接着させ、図3で示すようなバイオセンサを完成させた。なお、以下では、試薬担持センサ基板Aを備えたバイオセンサ(実施例サンプル1)をバイオセンサA、試薬担持センサ基板Bを備えたバイオセンサ(比較例サンプル1)をバイオセンサBと呼ぶ。
ここで測定用試料として、400μM NADH/50mM Tris−HCl緩衝液 40μlを、上記バイオセンサAおよびBの注入孔からそれぞれ注入した後、30℃雰囲気中で、参照極に対して+400mVの電位を印加した場合に、測定電極に流れる電流値を測定した。
表1に、それぞれのバイオセンサにおいて、測定用試料の注入から5分後に測定された電流値を示す。
表1で示すように、バイオセンサBでは39nAの微弱な電流値しか検出されなかったものの、バイオセンサAでは468nAもの大きな電流値として検出することができた。
(実施例2)
実施例2は、生体中の血液等に含まれる酵素である乳酸デヒドロゲナーゼ(以下LDHと呼ぶ場合がある)の活性に由来する電流をバイオセンサで測定した実験例である。
実施例2は、生体中の血液等に含まれる酵素である乳酸デヒドロゲナーゼ(以下LDHと呼ぶ場合がある)の活性に由来する電流をバイオセンサで測定した実験例である。
実施例2で用いるバイオセンサを以下のようにして作製した。まず、絶縁基板として厚さ0.5mmのポリカーボネートの板を準備した後、その表面にスパッタリングによって2000オングストローム(200nm)の金薄膜を形成した。次に、この金薄膜をエッチングして、図1で示すような測定電極、対極、参照電極、導電性パターンおよび端子を形成した。その後、この絶縁基板を所定の大きさに切り出してセンサ基板を作製した。このようなセンサ基板を2つ作製した。なお、測定電極の電極面積は、2.0mm2である。
続いて、それぞれのセンサ基板における参照電極の表面に導電性ペースト(藤倉化成株式会社製 D−550)を塗布した後、これを25℃で3時間乾燥して、銀を含む複合体を形成した。その後、この複合体の表面に5%次亜塩素酸ナトリウム、0.5%水酸化ナトリウムを滴下し、10分間放置することによって複合体表面を塩化銀化し、参照電極の表面に銀・塩化銀電極を形成した。
その後、一方のセンサ基板に対し、次のようにして測定用試薬の乾燥担持を行った。後工程で反応用キャビティが形成される部分のセンサ基板の表面に、100mMのフェリシアン化カリウム 0.4μlと、1000U/mlのジアホラーゼ 0.5μlと、1Mの乳酸リチウム 0.4μlと、100mMのニコチンアミドジヌクレオチド酸化体(NAD+) 0.4μlとの混合溶液を滴下し、室温(25℃)で1時間真空乾燥させた。以下、この基板を試薬担持センサ基板Cと呼ぶ。
また、もう一方のセンサ基板に対して上記混合溶液を用いて同様にして、ただし測定電極の表面に、測定用試薬を乾燥担持させた。以下、この基板を試薬担持センサ基板Dと呼ぶ。
最後に、ポリカーボネート板の所定部分を切削加工して凹部を形成したハウジング基板を2つ準備し、シリコン樹脂(コニシ株式会社製 サイレックス(R)クリヤー)を用いて上記試薬担持センサ基板C、Dのそれぞれに接着させ、図5で示すようなバイオセンサを完成させた。なお、以下では、試薬担持センサ基板Cを備えたバイオセンサ(実施例サンプル2)をバイオセンサC、試薬担持センサ基板Dを備えたバイオセンサ(比較例サンプル2)をバイオセンサDと呼ぶ。
ここで測定用試料として、400U/L LDH/50mM Tris−HCl緩衝液 40μlを、上記バイオセンサCおよびDの注入孔からそれぞれ注入し、30℃雰囲気中で5分間反応させた。反応液を測定用キャビティに移動させた後、参照極に対して+400mVの電位を印加し、測定電極に流れる電流値を測定した。
表2に、それぞれのバイオセンサにおいて、測定用試料の注入から5分後に測定された電流値を示す。
表2で示すように、バイオセンサDでは32nAの微弱な電流値しか検出されなかったものの、バイオセンサCでは375nAもの大きな電流値として検出することができた。
本発明は、酵素活性の低下が防止されるとともに電極感度の低下が抑制された、高感度のバイオセンサを提供することに適用でき、特にμTASを応用したディスポーザブル型バイオセンサにおけるセンサ感度を向上させることに好適である。
1 絶縁基板
2 測定電極
3 対極
4 参照電極
5 導電性パターン
6 端子部
7 センサ基板
21 絶縁膜
31 ハウジング基板
32 測定用試薬
33 キャビティ
34 注入孔
35 空気孔
36 凹部
41 測定用キャビティ
42 反応用キャビティ
43 流路
51 ハウジング基板
2 測定電極
3 対極
4 参照電極
5 導電性パターン
6 端子部
7 センサ基板
21 絶縁膜
31 ハウジング基板
32 測定用試薬
33 キャビティ
34 注入孔
35 空気孔
36 凹部
41 測定用キャビティ
42 反応用キャビティ
43 流路
51 ハウジング基板
Claims (7)
- 絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された2つ以上の電極とを含むセンサ基板と、
前記センサ基板上に形成され、かつ前記電極を内部に含むように形成されたキャビティと、
前記キャビティ内に測定用試料を供給する注入孔と、
前記キャビティ内に保持された測定用酵素を含む測定用試薬と、
を含み、
前記測定用試薬が、前記電極の表面以外の前記キャビティ内の領域に保持されている、
バイオセンサ。 - 前記測定用試薬が、前記キャビティ内の領域に乾燥担持されている請求項1に記載のバイオセンサ。
- 前記測定用試薬が、前記センサ基板の表面に乾燥担持されている請求項2に記載のバイオセンサ。
- 前記キャビティが前記センサ基板とハウジング基板とにより形成されており、
前記測定用試薬が、前記ハウジング基板の表面に乾燥担持されている請求項2に記載のバイオセンサ。 - 前記測定用酵素が酸化還元酵素を含む請求項2に記載のバイオセンサ。
- 前記酸化還元酵素がジアホラーゼを含む請求項5に記載のバイオセンサ。
- 絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された2つ以上の電極とを含むセンサ基板と、
前記センサ基板上に形成され、かつ前記電極を内部に含むように形成された測定用キャビティと、
前記センサ基板上に形成された1つ以上の反応用キャビティと、
少なくとも1つの前記反応用キャビティと前記測定用キャビティとを接続する流路と、
少なくとも1つの前記反応用キャビティ内に測定用試料を供給する注入孔と、
を含み、
測定用酵素を含む測定用試薬が、少なくとも1つの前記反応用キャビティ内の領域に保持されており、かつ前記電極の表面に保持されていない、
バイオセンサ。
Priority Applications (1)
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