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JP4026611B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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JP4026611B2 JP2004117416A JP2004117416A JP4026611B2 JP 4026611 B2 JP4026611 B2 JP 4026611B2 JP 2004117416 A JP2004117416 A JP 2004117416A JP 2004117416 A JP2004117416 A JP 2004117416A JP 4026611 B2 JP4026611 B2 JP 4026611B2
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Description

本発明はヒータや電磁誘導などの電気的な加熱によって炊飯を行う電気炊飯器に関するものである。
電気炊飯器は、加熱方式の違いにかかわらずその基本構成は概ね共通している。本実施の形態を示す図1を参照して説明すると、蓋1で閉じた状態の器体2内で加熱されるかまたはおよび発熱されて加熱による炊飯を行う飯器3と、前記加熱を行う加熱手段4と、飯器3の温度を検出する温度センサ5と、温度センサ5が検出する飯器温度に基づき加熱手段4を炊飯モードで制御して炊飯を行う炊飯制御手段6とを備えている。電気炊飯器は古くから提供され美味しいご飯を炊くべく日進月歩してきた。例えば、近時では図9に示すように、弱火で米に吸水させる吸水工程、強火とファジーな火力で沸騰させてから水分が無くなり温度が急上昇し始めるまでの炊き上げ工程、130℃程度まで加熱して余分な水分をさらに飛ばす焼き工程、その後115℃までの降温を図って一定時間それを維持する高温蒸らしを経てさらに110℃まで降温させてそれを維持することにより余分な蒸気を飛ばしご飯のα化をさらに促進して甘味を増す蒸らし工程、を順次行い炊飯を終える。炊飯後は所定の保温温度にまで降温させてそれを維持する保温工程に移行する。
また、電気炊飯器は高機能化、多機能化するなか、本発明の実施の形態を示す図2に例示しているように、炊飯に関しても白米、早炊き、分づき、発芽玄米、玄米、おかゆ、すしめし、炊き込み、おこわの別があり、水加減が同じでも普通、かため、やわらかめ、おこげ、の違いが設定できる。また、無洗米対応メニューや、パンの醗酵、焼き、飯器および蓋のクエン酸洗浄を行うクリーニングといった炊飯以外のメニューも設けられている。
ところで、電気炊飯器の多機能化は、調理機器を増やさずに自動調理できる種類数が多くなる利点があり、さらに進む傾向にある。例えば、炊く前のご飯の状態や出し汁の状態にかかわらず、ご飯から雑炊などを上手に炊き上げられるようにした電気炊飯器も既に知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−333857号公報
本発明者はさらに新たな自動調理について研究、開発を進めるなか、温泉卵は白身が凝固し切らず、黄身も適度に凝固したもので、黄身の凝固温度が68℃、白身の凝固温度が72℃と言われるが、温度設定や温度管理が難しく同じ状態を安定して得るのは困難であった。そこで、自動で安定して温泉卵が作れればユーザへの貢献度が高いことに着眼し、さらなる実験や検討の結果、電気炊飯器の構造を利用して首尾よく温泉卵を作れる手法を見出した。
本発明の目的は、そのような新たな知見に基づき、温泉卵を自動で首尾よく作れて、しかも、時間経過によっても美味しく食せるようにする電気炊飯器を提供することにある。
上記のような目的を達成するため、本発明の電気炊飯器は、蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を白米炊飯モードで制御して白米炊飯を行う白米炊飯制御手段と、温泉卵を作る温泉卵モードと、温泉卵モードを選択する選択手段と、温泉卵モードの選択により、炊飯モードとは別の温泉卵を作る温度環境を確保して温泉卵を作った後保温を行う温泉卵モードにて加熱手段を制御する温泉卵制御手段とを備え、温泉卵モードでの保温中は炊飯キーの操作を受け付けないことを1つの特徴としている。
このような構成では、蓋閉じ状態の器体内に白米と水を入れた飯器を収容して白米炊飯制御手段が加熱手段を白米炊飯モードで制御することで、本来の白米炊飯が行われる。しかし、卵と水を入れた飯器を収容して加熱手段を温泉卵モードで働かせることにより、温泉卵を自動で作れる状態となる。このような自動調理は温泉卵モード選択手段によるモード選択に従い温泉卵制御手段が、温度センサが検出する飯器温度に基づきながらも、炊飯モードとは別に、加熱手段を温泉卵モードで加熱することにより実行する。具体的には、温泉卵を作れる温度環境を自動的に確保することにより温泉卵を炊飯器の構造をそのまま利用して自動的に設定通りに作ることができ、しかもその後の保温により時間が経過しても温かく保って食に供せる。特に、温泉卵モードでの保温中は炊飯キーの操作を受け付けなくできる。
本発明の電気炊飯器は、また、蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を白米炊飯モードで制御して白米炊飯を行う白米炊飯制御手段と、温泉卵を作る温泉卵モードと、温泉卵モードを選択する選択手段と、温泉卵モードの選択により、炊飯モードとは別の温泉卵を作るのに適した温度に所定時間維持して温泉卵を作った後、温泉卵を作る温度より低い温度で保温を行う温泉卵モードにて加熱手段を制御する温泉卵制御手段とを備え、温泉卵モードでの保温中は取り消しキー操作の有無を判定することを繰り返し、取り消しキー操作ありの検知で保温を終了して待機中とし、この待機中に保温キー操作を受け付けず温泉卵保温には移行しないことを別の特徴としている。
このような構成では、1つの特徴の場合に比し、保温温度が温泉卵を作る温度よりも低いことにより、できた温泉卵を凝固状態の進行を抑えて温かく保てる。また、温泉卵モードでの保温中は取り消しキー操作ありの検知で保温を終了して待機中とし、この待機中に保温キー操作を受け付けない対応で温泉卵保温には移行しないようにできる。
本発明の電気炊飯器は、また、蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を白米炊飯モードで制御して白米炊飯を行う白米炊飯制御手段と、温泉卵を作る温泉卵モードと、温泉卵モードを選択する選択手段と、温泉卵モードの選択により、炊飯モードとは別の温泉卵を作る温度への昇温時は高出力で加熱し、昇温後の温度維持は出力を低下させて加熱し、温泉卵を作った後の保温はさらに出力を低下させて加熱する温泉卵モードにて加熱手段を制御する温泉卵制御手段とを備えたことを他の特徴とする。
このような構成では、1つの特徴および別の特徴の場合に比し、温泉卵を作る温度までは高出力にて加熱して早期立ち上げを図って白身に対する黄身の昇温を抑えて、凝固温度の低い黄身の凝固の開始ないしは進行を遅らせておき、その後の温度維持で加熱出力を低下させる分だけ白身および黄身の昇温差を小さくしながら白身と黄身とをそれらの凝固温度の違いにも対応して白身に対する黄身の凝固度を設定通りに達成して保温に移行させられる。保温ではさらに、低出力として万一もの保温温度に対するオーバーシュートによる凝固の進行や、総加熱量がいたずらに増大するようなことなしに温泉卵を温かく保てる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、可能な限りそれ単独で、または種々な組み合わせで複合して採用することができる。
本発明の電気炊飯器の、1つの特徴によれば、白米炊飯に加えて、温泉卵モードを選択することにより炊飯器の構造をそのまま利用して温泉卵を自動的に設定通りに、従って安定した凝固状態で作ることができ、また、時間が経過しても温かく保って美味しく食されるようにできる。特に、温泉卵モードでの保温中は炊飯キーの操作を受け付けなくし対応する動作が行われないようにできる。
本発明の電気炊飯器の、別の特徴によれば、1つの特徴の場合に比し、特に、保温は、温泉卵を作る温度よりも低い温度で行い、温泉卵をそれ以上の凝固を抑えて温かく保ち、時間が経過しても美味しく食されるようにすることができる。また、温泉卵モードでの保温中は取り消しキー操作ありの検知で保温を終了して待機中とし、この待機中に保温キー操作を受け付けない対応で温泉卵保温には移行しないようにできる。
本発明の電気炊飯器の、他の特徴によれば、1つの特徴および別の特徴の場合に比し、特に、温泉卵を作る温度への昇温時は高出力で加熱し、昇温後の温度維持は出力を低下させて加熱し、温泉卵を作った後の保温はさらに出力を低下させて加熱する、さらなる構成によれば、温度の立ち上げ段階で黄身の白身に対する大きな昇温差から凝固の開始ないしは進行を遅らせ、その後の立ち上げ温度維持にて昇温差を小さくしながらも白身および黄身をそれらの凝固温度の違いを利用した設定通りの凝固度が安定して得られる。また、保温での適温オーバーや総加熱量のいたずらな増大を防止しやすい。
以下、本発明に係る電気炊飯器の実施の形態について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明し本発明の理解に供する。
本実施の形態の電気炊飯器は、図1を参照して既述した基本的構成を有しているが、加熱手段4として、主に飯器3を電磁誘導にて発熱させて内容物を加熱する加熱コイル11を用いたものであり、加熱コイル11は飯器3の底部とその外まわり部を発熱させるように配置している。加熱手段4は他に飯器3の胴部を加熱する保温ヒータ12、器体2を閉じる蓋1の内側で飯器3の口部をシールパッキン13aにより閉じる金属製の内蓋13を器体2の肩部にて加熱する肩ヒータ14を組合せ備え、前記炊飯時の各種加熱工程や炊飯後の保温を行うようにしている。しかし、これに限られることはなく、飯器3および内蓋13の全体を各部に配置した加熱コイルからの電磁誘導にて発熱させ加熱を行うようにしてもよいし、全体をヒータにより加熱するものでもよい。
加熱コイル11は駆動基板15によってそれに搭載したIGBT16のスイッチング機能を利用した高周波駆動を受け、その時々に必要な加熱容量で出力されるようにしている。駆動基板15上にはIGBT16を始めとする発熱素子が搭載されており、それらを冷却する冷却ファン17が器体2内に設けられている。また、特に発熱の大きなIGBT16等はその冷却効果を高めるためにヒートシンク18に接触させて冷却しやすくしている。保温ヒータ12および肩ヒータ14には電源回路19を通じて100Vの交流電流をそのまま給電し、駆動基板15および肩部の前部に設けた操作パネル31の内側に設けたマイクロコンピュータ22を搭載した制御回路23にはそれぞれに必要な直流電流を給電するようにしており、これらは制御手段6を構成している。
器体2に施された蓋1は器体2の後部にヒンジピン131により起伏できるように枢支されたヒンジ片32に対し着脱できるように嵌め合わされ、ヒンジ片32と一体になった回動によって器体2の上端を開閉できるようになっている。ヒンジ片32には蓋1を開き方向に付勢するばね33が器体2との間に働かされている。ばね33の付勢による開き動作を制動する制動機構が必要に応じて設けられるし、蓋1が勝手に開かないように閉じ位置にロックするよう図示しないばねにて付勢したロック爪34が設けられ、ロック爪34をばねに抗して回動させることにより蓋1がばね33の付勢によって自動的に開かれる。
肩ヒータ14は器体2の肩部上面に形成した溝35内に収容して金属カバー36が施され、蓋1の内側に設けた内蓋13の外周部が金属カバー36に当接して肩ヒータ14の熱を伝導されて飯器3の開口部全域を上方からむら無く加熱するようにしている。蓋1の中央部には蒸気を適度に外部に逃がす弁37が設けられ美味しいご飯が炊けるようにしている。器体2の外壁41と内壁42とはそれらの上端部が肩部材43によって連結一体化され合成樹脂製の器体を構成している。なお、合成樹脂は透磁性を有し、加熱コイル11などが飯器3を電磁誘導加熱させる範囲に設ければ有効であるが、他の部分にそのような有効性はなく、他の部材と代替することができる。
蓋1は合成樹脂製の上板44と下板45の間の空間に断熱材46を充填した断熱構造をなし、その中央部の貫通孔47にその上側から前記弁37が挿入され、下側には内蓋13のツマミ兼用の蒸気逃がし筒48が弾性ブッシュ49によって着脱できるように弾性係合している。器体2にはさらに電源コードの巻取りリール51が内蔵され、手提げハンドル52が起伏できるように枢支して外付けされている。
器体2の内壁42の底部まわりには、合成樹脂製の放射状をしたコイル台53が配置され、加熱コイル11を下方から保持するようにしている。コイル台53の各放射状部に形成した下向きの内にはフェライトコア54が設けられて加熱コイル11の働きを助けている。コイル台53の中央部には内壁42の中央穴55を前記温度センサ5が貫通して飯器3の底部に当接し飯器3の温度を検出するようにしている。
操作パネル31には図2に示すように、炊飯や保温のメニューや動作状態、時刻、その他のメッセージを表示する液晶表示部61が中央部に設けられ、これの左右両側まわり、前側まわりに炊飯をスタートさせ、また無洗米炊飯を選択する炊飯/無洗米キー62、炊飯の時間予約を行う予約キー63、各種入力の取消キー64、保温を人為的にスタートさせ、また保温状態を選択する保温/選択キー65、炊飯のメニューを設定するメニューキー66、炊飯のたきわけを選択する炊きわけキー67、調理1、2、3や、パンの醗酵、焼き、クリーニング、予約吸水などのモードを選択するパン/調理キー68、時間設定用の時キー69、分キー70など、各種設定に必要な操作キーが設けられる。調理1、2、3の1つは、例えば、いわゆる温泉卵を標準モードで作る温泉卵モードであり、他は煮物類を行う煮込みモード、その他の調理モードなどとする。もっとも、温泉卵モードを選択した後、ユーザによる調理時間や温度の変更によって凝固度の違いなどを設定するようにもできる。液晶表示部61およびそのまわりには、設定モード、調理時間、予約時間、調理や予約の残り時間、調理状態などを記述表示、点灯表示、ローテーション表示などするようにしてある。
マイクロコンピュータ22は図3に示すように、操作パネル31からの入力に従って、炊飯や温泉卵などの調理を行うべく、温度センサ5からの温度情報を基に、加熱コイル11、保温ヒータ12、肩ヒータ14、および冷却ファン17をそれぞれのドライバ71、72、73、74を介して駆動する。このために、マイクロコンピュータ22は内部機能として白米炊飯のための白米炊飯制御手段75や温泉卵作りのための温泉卵制御手段76などを有し、設定状態や動作状態、時間経過、残り時間などを操作パネル31上に表示するようにしている。これにより、蓋1を閉じた状態の器体2内に白米と水を入れた飯器3を収容して加熱手段4を働かせることにより白米炊飯ができる状態となり、これに代えて卵と水を入れた飯器3を収容して加熱手段4を働かせることにより、温泉卵を作ることができる状態となる。温泉卵は白身が凝固し切らないことを最低条件とし、その凝固度、および黄身の凝固度に種々な違いを持たせることができる。ここでは、白身および黄身が適当な凝固度となる標準条件を設定して実行する。
白米炊飯の制御について、図4を参照しながら概略を説明すると、図5においてメニューキー66を操作して白米を選択することにより白米炊飯モードが選択でき、炊飯/無洗米キー62の操作によって白米炊飯制御手段75が温度センサ5が検出する飯器温度に基づきながら白米炊飯モードで加熱手段4を加熱制御する。具体的には、温度センサ5の検出温度が60℃以上と高い場合に、連続炊飯防止の上で60℃になるのを待ってから以下の炊飯操作を開始する待ちルーチン、吸水の実行時間基準となる初期温度測定ルーチン、吸水温度に達して以降初期温度に基づき設定された所定時間その温度を維持して吸水を図る吸水ルーチン、吸水が所定時間行われた後沸騰までの昇温を図る昇温ルーチン、沸騰時点から沸騰を維持して炊き上げる炊き上げルーチン、炊き上げにより水分が無くなって急昇温して以降、沸騰温度よりも少し高い温度に保つ蒸らしルーチンをそれぞれ適時に実行し、白米炊飯を終了する。白米炊飯が終了すると、ご飯の艶を保持しやすい65℃保温を例えば7時間行って後、さらに若干高い68度保温に移行して、なお、艶保持に有利としながらも6時間が経過すると72℃での保温に以降して腐敗防止を優先にした保温を行う。
図5にこのような白米炊飯モードでの温度曲線とその時々の加熱条件例を示しており、加熱コイル11、保温ヒータ12、肩ヒータ14オフ状態での初期水温判定に基づき、吸水温度50℃に到達するまで加熱コイル800W、保温ヒータ0/16、肩ヒータ6/16での加熱を継続し、それ以降は吸水温度以上か未満かでこの出力でのオン、オフにて吸水温度を所定時間維持する。吸水が終了すると沸騰まで加熱コイル1150〜920W、保温ヒータ0/16、肩ヒータ6/16での加熱を継続して昇温させる。沸騰後は加熱コイル8/16、700W、保温ヒータ10/16、肩ヒータ6/16での加熱を水分がなくなって急昇温するまで継続する。いわゆる炊き上げを行う。炊き上げ後は加熱コイル800W、保温ヒータ10/16、肩ヒータ6/16での加熱によって110℃程度の蒸らし加熱を所定時間行い、これが終了すると72℃まで降温させてそれを維持する保温に移行している。この保温はご飯まわりに温度差ができると結露や腐敗の原因になるので、加熱コイル、保温ヒータ、肩ヒータによるまわりからのバランスのある加熱が好適である。
一方、温泉卵モードの制御について、図6を参照しながら概略について説明すると、パン/調理キー68による調理1の選択によって温泉卵モードが設定され、温泉卵制御手段76が温度センサ5が検出する飯器温度に基づきながらも、温泉卵モードで加熱手段4を加熱制御する。具体的には初期水温を判定するルーチン、初期水温に基づく温泉卵を作る温度環境への昇温を図る昇温ルーチン、温泉卵を作る経時的な温度環境を満足する温度調節ないしは加熱を行うルーチンを適時に実行して温泉卵を作る。その後は60℃を保つように保温する。
このように、温泉卵を作れる温度環境を自動的に確保することにより温泉卵を炊飯器の構造をそのまま利用して自動的に設定通りに作ることができ、しかもその後の保温により時間が経過しても温かく保って食に供せる。ここで、温泉卵をつくる温度環境として、温泉卵を作るのに適した温度範囲例えば70℃前後を、所定時間例えば30分程度維持した後、保温を行うようにすると、温泉卵を作るのに適した温度範囲とそれを維持する所定時間との簡単な関係から、その設定した温度および維持時間に見合って白身および黄身が凝固した温泉卵を安定して得られる。
図7に示す具体例では、加熱コイル、保温ヒータ、肩ヒータオフにて初期水温を判定し、それに基づき加熱コイル800W、保温ヒータ6/16、肩ヒータ6/16の高出力を継続して温泉卵を作る温度T1である例えば70℃まで昇温させる。次いで、温度T1に到達すると加熱コイル400W、保温ヒータ6/16、肩ヒータ6/16の出力を温度T1以上でオフ、温度T1未満でオンすることを繰り返し、温泉卵を作る温度T1を所定時間t1の間維持して温泉卵を作っている。その後、加熱コイル40W、保温ヒータ6/16、肩ヒータ6/16のさらに低い出力にて温泉卵を温泉卵を作る温度T1よりも低い保温温度T2である例えば60℃に保温している。ここに、保温温度T2はご飯のつやつや保温温度65℃よりもさらに低いが、ご飯に比し腐敗しにくく衛生上の問題は特にない。
このように、保温を温泉卵を作る温度T1例えば70℃前後よりも低い保温温度で行うことにより、保温温度T2が温泉卵を作る温度よりも低いことにより、できた温泉卵を凝固状態の進行を抑えて温かく保てる。特に、温泉卵を作る温度T1は白身が凝固し切らない上限温度例えば既述した72℃以下であることにより、白身が凝固し切らないことを保証して加熱時間により、黄身の凝固状態の設定自由度を高められる。また、保温温度T2が温泉卵の凝固状態が進行しない温度範囲、つまり68℃以下の前後60℃であることにより、温泉卵を凝固状態の進行なしに温かく保てる。保温温度は経験的に60〜63℃として卵の白身が凝固してしまわず、腐敗しない。
また、温泉卵を作る温度T1への昇温時は高出力で加熱し、昇温後の温度維持は出力を低下させて加熱し、温泉卵を作った後の保温はさらに出力を低下させて加熱していることにより、温泉卵を作る温度T1までは高出力にて加熱して早期立ち上げを図って白身に対する黄身の昇温を抑えて、凝固温度の低い黄身の凝固の開始ないしは進行を遅らせておき、その後の温度維持で加熱出力を低下させる分だけ白身および黄身の昇温差を小さくしながら白身と黄身とをそれらの凝固温度の違いにも対応して白身に対する黄身の凝固度を設定通りに達成して保温に移行させられる。保温ではさらに、低出力として万一もの保温温度T2に対するオーバーシュートによる凝固の進行や、総加熱量がいたずらに増大するようなことなしに温泉卵を温かく保てる。
ここで、より実際に即した温泉卵モードでの詳細な制御例について図8を参照しながら説明する。パン/調理キー68による調理1の選択によって温泉卵モードが設定され、炊飯/無洗米キー62の操作によって温泉卵モードでの制御がスタートする。まず、所定時間経過後、例えば60秒の間待ってから初期水温が50℃未満かどうかを判定し、それによって加熱制御を変更する。これは、例えば、既述したように温泉卵を作る温度T1への立ち上がりが早いと有利であるし、殺菌の問題などから、沸騰水ないしは高温水を投入して温泉卵モードを実行することを標準設定して、販売側の説明、取り扱い説明書やカタログでの記載などで奨励しながらも、常温水や適当な湯が投入されることもあることについて対応したものである。つまり、初期水温が卵とそれが適度に没する程度の沸騰水を投入して前記60秒程度で落ち着く50℃以上70℃未満であるときを標準として、そのまま温泉卵タイマを標準時間t1である例えば30分の設定でスタートさせて標準の温泉卵が作れる設定とするのに対し、初期水温が70℃以上であると白身や黄身が凝固し過ぎないように前記温泉卵タイマの標準時間を30分よりも短く設定してスタートさせる。また、逆に初期水温が50℃未満と低いと、加熱コイル16/16、保温ヒータ6/16、肩ヒータ6/16の比率で、IH80%の高出力にて温泉卵を作る温度T1までの早期立ち上げを図って後、温泉卵タイマを標準設定の30分のままでスタートさせる。
このように温泉卵タイマがスタートして温泉卵を自動的に作る実質的制御に入り、時間表示を設定時間の表示から残時間への表示に移行し、温度T1以上で加熱コイルおよび保温ヒータ12のオフと、肩ヒータ14の6/16の比率での出力による加熱を行い、温度T1未満で加熱コイル8/16、保温ヒータおよび肩ヒータ6/16の比率での出力とし、IH70%駆動での加熱を行うことを繰り返して温度T1を温泉卵タイマがタイムアップするまで維持して温泉卵を自動的に作る。
温泉卵タイマがタイムアップすると、温泉卵モード終了を標記表示、音や擬似音声などでの報知を行い、前記残時間の表示に代えて保温時間を累計表示し保温状態での経過時間を知らせる。これにより、過剰な長時間保温後に食するというような問題を回避できる。続いて、保温温度T2以上で加熱コイル11、保温ヒータ12および肩ヒータ14をオフとし、保温温度T2未満であると加熱コイル8/16、保温ヒータおよび肩ヒータ6/16の比率での出力とし、IH70%駆動での加熱を行うことを繰り返して保温温度T2を維持しながら、飯器3の有無、取消キー操作の有無を判定することを繰り返す。飯器無し検知では鍋無し報知をして電源をオフする。また、取消キー操作ありの検知で保温モードを終了し待機中とする。
本制御において温泉卵モードでの保温中炊飯/無洗米キーが操作されても受け付けられず、それに対応した動作は行われない。また、前記待機中に保温スイッチを操作しても受け付けず温泉卵保温には移行しないようにする。これはご飯の保温には適さないからである。
本発明は、電気炊飯器での煮物調理に実用でき、機器の付加価値を高め、ユーザの便宜を図れる。
本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の断面図である。 図1の電気炊飯器の操作パネルを示す平面図である。 図1の電気炊飯器の制御回路を示すブロック図である。 図1の電気炊飯器での白米炊飯モードの主な制御動作を示すフローチャートである。 図4の加熱制御の1つの例を示すタイムチャートである。 図1の電気炊飯器での温泉卵モードの主な制御動作を示すフローチャートである。 図6の加熱制御の1つの例を示すタイムチャートである。 本実施の形態での温泉卵モードのさらに詳細な加熱制御例を示すフローチャートである。 図1の電気炊飯器での炊飯モードの、加熱制御例を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 蓋
2 器体
3 飯器
4 加熱手段
5 温度センサ
6 制御手段
11 加熱コイル
12 保温ヒータ
13 内蓋
14 肩ヒータ
22 マイクロコンピュータ
31 操作パネル
62 炊飯/無洗米キー
68 パン/調理キー
61 液晶表示部
66 メニューキー
69 時キー
70 分キー

Claims (3)

  1. 蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を白米炊飯モードで制御して白米炊飯を行う白米炊飯制御手段と、温泉卵を作る温泉卵モードと、温泉卵モードを選択する選択手段と、温泉卵モードの選択により、炊飯モードとは別の温泉卵を作る温度環境を確保して温泉卵を作った後保温を行う温泉卵モードにて加熱手段を制御する温泉卵制御手段とを備え、温泉卵モードでの保温中は炊飯キーの操作を受け付けないことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を白米炊飯モードで制御して白米炊飯を行う白米炊飯制御手段と、温泉卵を作る温泉卵モードと、温泉卵モードを選択する選択手段と、温泉卵モードの選択により、炊飯モードとは別の温泉卵を作るのに適した温度に所定時間維持して温泉卵を作った後、温泉卵を作る温度より低い温度で保温を行う温泉卵モードにて加熱手段を制御する温泉卵制御手段とを備え、温泉卵モードでの保温中は取り消しキー操作の有無を判定することを繰り返し、取り消しキー操作ありの検知で保温を終了して待機中とし、この待機中に保温キー操作を受け付けず温泉卵保温には移行しないことを特徴とする電気炊飯器。
  3. 蓋閉じ状態の器体内で加熱により炊飯を行う飯器と、前記加熱を行う加熱手段と、飯器の温度を検出する温度センサと、温度センサが検出する飯器温度に基づき加熱手段を白米炊飯モードで制御して白米炊飯を行う白米炊飯制御手段と、温泉卵を作る温泉卵モードと、温泉卵モードを選択する選択手段と、温泉卵モードの選択により、炊飯モードとは別の温泉卵を作る温度への昇温は高出力で加熱し、昇温後の温度維持は出力を低下させて加熱し、温泉卵を作った後の保温はさらに出力を低下させて加熱する温泉卵モードにて加熱手段を制御する温泉卵制御手段とを備えたことを特徴とする電気炊飯器。
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