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JP4094902B2 - ポリカーボネートを含有する熱可塑性成型用組成物 - Google Patents

ポリカーボネートを含有する熱可塑性成型用組成物 Download PDF

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JP4094902B2
JP4094902B2 JP2002202752A JP2002202752A JP4094902B2 JP 4094902 B2 JP4094902 B2 JP 4094902B2 JP 2002202752 A JP2002202752 A JP 2002202752A JP 2002202752 A JP2002202752 A JP 2002202752A JP 4094902 B2 JP4094902 B2 JP 4094902B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性成型用組成物、特にポリカーボネート樹脂を含有する組成物に関する。
【0002】
【発明の要旨】
特性の良好な組み合わせを有する物品を作製するのに好適な熱可塑性成型用組成物を開示している。この組成物は、
(A)式(I)の化合物:
【化3】
Figure 0004094902
(ここで、R〜Rは互いに独立して、H、C〜C-アルキル、フェニル、置換フェニルまたはハロゲンを表す。)
および式(II)の化合物:
【化4】
Figure 0004094902
(ここで、R〜Rは互いに独立して、H、CH、ClまたはBrを示し、およびXは、C〜C-アルキレン、C〜C-アルキリデン、C〜C-シクロアルキレン、C〜C10-シクロアルキリデンである。)
から誘導されるコポリカーボネート、および
(B)ビスフェノールAから誘導されるホモポリカーボネート
を含有する。この組成物は、応力クラッキング耐性と良好な低温特性を特徴とするものであって、自動車の構造や屋外の用途に適している。
【0003】
【発明の背景】
自動車の構造やそれ以外の屋外の用途において、薬品に対してできる限り耐性があり、かつ好ましくは透明であって、しかも低温耐性と熱安定性を共に有するポリカーボネートが要求されている。そのため、透明なポリカーボネートは、純粋な2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリカーボネートに比べて、高い低温強度を示すことと、高い熱安定性を有すること、並びに高い応力クラッキング特性を有することも求められる。
【0004】
4,4'-ジヒドロキシジフェニルと2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンをベースとするコポリカーボネートは、特開昭51-17382号公報から既に公知であり、欧州特許出願公開第A1-0544407号公報および米国特許第A-5,470938号公報、同第A-5,532,324号公報および同第A-5,401,826号公報には特に耐薬品性、耐熱性および難燃性を有すると同時に、市販されている純粋なビスフェノール系ポリカーボネートと同等の機械特性および透明性を示すものとして開示されている。
【0005】
ドイツ特許出願第10047483.7号には、特に良好な低温特性を示す、4,4'-ジヒドロキシジフェニルと2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)のコポリカーボネートが記載されている。しかし、4,4'-ジヒドロキシジフェニル含量が少なくなると、良好な低温特性が低下することも開示されている。4,4'-ジヒドロキシジフェニルは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンよりも高価な成分であるため、低温強度の望ましい改良を損なわずに4,4'-ジヒドロキシジフェニル含量をできる限り低く抑えることが、コストの面から望ましい。
【0006】
すなわち、本発明の課題は、特定量のポリカーボネートを調製するのに必要とされる4,4'-ジヒドロキシジフェニル(DOD)または式(I)の化合物の量を、得られるポリカーボネートの所望の特性を損なわずに減量することであった。
【0007】
驚くことに、変わらないコポリカーボネート(A)の所望の特性を示すと同時に、最終製品の量に基づいてDODまたは式(I)の化合物の量が減量されるDODまたは式(I)の化合物を含有するコポリカーボネートと純粋なビスフェノールAのポリカーボネートのブレンドを製造できることが分かった。
【0008】
このことは、ブレンドを製造する際に、ブレンドが最終的にどのような特性を有するかを予想することが一般には不可能であるとすれば、特に驚くべきことである。出発ポリマーの特性は、高められたり、無くしたり、(どちらの方向にも)変化でき、しかも出発ポリマーは、均一に混和されなくてよい場合もある、など。要するに、予測は不可能であるが、本発明の結果のような結果は、決して自明ではなく、それどころか非常に驚くべきことである。
【0009】
従って、本発明は、
(A)ビスフェノールモノマーとしての、式(I)の化合物:
【化5】
Figure 0004094902
(ここで、R、R、RおよびRは互いに独立して、H、C〜C-アルキル、フェニル、置換フェニルまたはハロゲン、好ましくはH、C〜C-アルキルまたはハロゲンを表し、特に好ましくは全てが同じ基、特にHまたはtert-ブチルを表す。)
0.1モル%〜46モル%、好ましくは11モル%〜34モル%、特に26モル%〜34モル%、および相補的な量の式(II)の化合物:
【化6】
Figure 0004094902
(ここで、R、R、RおよびRは互いに独立して、H、CH、ClまたはBrを示し、およびXは、C〜C-アルキレン、C〜C-アルキリデン、C〜C-シクロアルキレン、C〜C10-シクロアルキリデンである。)
、すなわち99.9モル%〜54モル%、好ましくは89モル%〜66モル%、特に74モル%〜66モル%から誘導されるコポリカーボネート1〜99重量%、および
(B)ビスフェノールAから誘導されるホモポリカーボネート1〜99重量%
を含有する熱可塑性成型用組成物に関する。
【0010】
本発明の成型用組成物は、特に良好な低温特性が求められる分野での使用に適している。コポリマー(A)とポリカーボネート(B)との好ましい混合物は、コポリマー(A)30〜95重量%、特に好ましくはコポリマー(A)40〜95重量%と、これに対応する相補的な量のポリカーボネート(B)からなる。
【0011】
コポリカーボネート(A)が式(I)のビスフェノールモノマーを34〜26モル%、好ましくは33から27モル%、より好ましくは32〜28モル%、特に31〜29モル%、そして最も好ましくは30モル%の量で含み、かついずれの場合も式(II)のビスフェノールモノマーの相補的な含量によって補われる、ポリカーボネート(B)とコポリカーボネート(A)の混合物が非常に好ましく、そして本発明はそのことに関する。
【0012】
ビスフェノールモノマーの前記百分率(%)は、ポリカーボネート中のビスフェノールの合計含量に関するものであって、100%を基準として示される。成分Bは、ビスフェノールAから誘導されるホモポリカーボネートである。
【0013】
前述の好ましい、または特に好ましい、あるいは最も好ましい組成を有するブレンドが、好ましい、または特に好ましい、あるいは最も好ましい。
【0014】
しかし、前述の一般的なあるいは好ましい範疇の定義、相対的な割合および説明は、所望により互いに組み合わされてよい。すなわち、各範囲と好ましい範囲の間であってよい。これらは、最終製品のみならず、予備製品や中間製品にも相応じて当てはまる。
【0015】
驚くべきことに、本発明のポリカーボネートブレンドは、優れた低温特性を有することが分かった。このことは特に驚くべきことである。というのも、少量のビスフェノールモノマー(I)のみから誘導されるブレンドが、同量の前記モノマー(I)から誘導される対応する純粋なコポリカーボネート(A)よりも優れた低温特性を示すためである。
【0016】
そのため、前記ブレンドは、従来公知のポリカーボネートの特性プロフィールが不適当である場合であって、しかも加熱下での高い寸法安定性または耐薬品性が良好な低温特性と同時に要求される場合に、例えば、電気分野や構造分野における被覆または透明板ガラス用、特に自動車分野におけるフィルム、シート、家具類またハウジング部品としてのみならず、光学分野におけるレンズおよびデータ記憶手段として、更には日用品として成形品を製造するのに使用され得る。加えて、前記ブレンドは、汎用のポリカーボネートが低温特性が不適当なために従来使用できなかった用途において、他の材料と置き換えることができる。
【0017】
本発明によれば、良好な低温特性は、汎用のポリカーボネートが低温において脆くなり、それによって破壊および引裂き易いため、良好な低温強度を意味するものと理解されるべきであるが、それに限定されない。
【0018】
本発明によれば、低温特性は、0℃以下、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−30℃以下、特に−40℃以下、最も好ましくは−50℃以下の温度であると理解すべきである。
【0019】
式(I)の好ましい化合物は、4,4'-ジヒドロキシジフェニル(DOD)および4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-5,5'-テトラ(tert-ブチル)ジフェニル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-5,5'-テトラ(n-ブチル)ジフェニルおよび4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-5,5'-テトラ(メチル)ジフェニルであって、4,4'-ジヒドロキシジフェニルが特に好ましい。
【0020】
式(II)の好ましい化合物は、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンおよび1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキサン、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)および1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)であり、最も好ましくは2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)である。
【0021】
コポリカーボネート(A)は、式(I)の化合物1種以上から誘導されてよい。
【0022】
同様に、成分(A)は、式(II)の化合物1種以上から誘導されてよい。
【0023】
(コ)ポリカーボネートの調製法は公知である。
【0024】
界面法または溶融エステル交換法によるポリカーボネートの調製において、例えば、「シュネル(Schnell)」、ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ(Chenmistry and Physics of Polycarbonates)、ポリマー・レヴューズ(Polymer Reviews)、第9巻、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年、33頁以降、およびポリマー・レヴューズ、第10巻、「コンデンセイション・ポリマーズ・バイ・インターフェイシャル・アンド・ソリューション・メソッズ(Condensation Polymers by Interfacial and Solution Methods)」、ポール・ダブリュー・モーガン(Paul W. Morgan)、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク1965年、第VIII章、325頁および欧州特許出願公開第A-971790号公報が参照される。
【0025】
ドイツ特許出願公開第A-2119779号公報によれば、式(I)の化合物を用いるコポリカーボネートの調製は、好ましくは溶液中で、いわゆる界面法および均一相中での方法により行われる。溶融物中での公知のポリカーボネート調製法によるその調製(いわゆる溶融エステル交換法)も可能であり、前記方法は、例えば、ドイツ特許出願公開第A-19646401号公報または同第A-14238123号公報に開示されている。エステル交換法(アセテート法およびフェニルエステル法)も、例えば、米国特許第A-3,494,885号公報、同第4,386,186号公報、同第4,661,580号公報、同第4,680,371号公報および同第4,680,372号公報、欧州特許出願公開第A-26120号公報、同第26121号公報、同第26684号公報、同第28030号公報、同第39845号公報、同第91602号公報、同第97970号公報、同第79075号公報、同第146887号公報、同第156103号公報、同第234913号公報および同第240301号公報、並びにドイツ特許出願公開第A-1495626号公報および同第2232977号公報に記載されている。
【0026】
コポリカーボネート(A)およびホモポリカーボネート(B)は、合成によって生じる不純物を含有していてよい。しかし、高純度が望ましく、好ましくは要求される。
【0027】
本発明のポリカーボネートおよびコポリカーボネートは、種々の末端基から誘導される構造単位を含有していてよい。この末端基は、連鎖停止剤として導入される。本発明の範疇の連鎖停止剤は、以下の式(III)で表されるものである。
【化7】
Figure 0004094902
ここで、R、R'およびR''は、それぞれ互いに独立して、H、任意に枝分かれしたC〜C34-アルキル/シクロアルキル、C〜C34-アルカリールまたはC〜C34-アリールを表し、例えば、ブチルフェノール、トリチルフェノール、クミルフェノール、フェノール、オクチルフェノール、好ましくはブチルフェノールまたはフェノールを表す。コポリカーボネート(A)の製造に用いられる連鎖停止剤は、ポリカーボネート(B)の調製に使用されるものと同じであっても、異なっていてもよい。
【0028】
各成分(A)および(B)は、互いに独立して、(ジヒドロキシ化合物に対して)0.02〜3.6モル%程度の少量の枝分かれ剤を含有してよい。好適な枝分かれ剤は、ポリカーボネートの調製に好適でかつ官能基を3個以上、好ましくはフェノール性OH基を3個以上有する化合物であって、例えば、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)エタンおよびイサチンビスクレゾールである。
【0029】
前記特性を変更するために、補助物質および強化剤を本発明のポリカーボネートブレンドに添加してよい。補助物質および強化剤としては、熱安定化剤およびUV安定化剤、流動調整剤、離型剤、難燃剤、顔料、微粉砕鉱物、繊維状物質が挙げられ、例えば、アルキルおよびアリールホスファイト、ホスフェート、ホスファン、低分子量カルボン酸エステル、ハロゲン化合物、塩、チョーク、石英粉末、ガラス繊維および炭素繊維、顔料、およびそれらの組み合わせであってよい。このような化合物は、例えば、国際特許出願公開第WO99/55772号公報、第15〜25頁、および「プラスチックス・アディティヴズ(Plastics Additives)」、アール・ゲヒター(R. Gachter)およびエイチ・ミュラー(H. Muller)著、ハンサー・パブリッシャーズ1983年に開示されている。
【0030】
他のポリマー、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンおよびポリスチレンを本発明の組成物の各成分と混合してもよい。
【0031】
このような物質は、汎用の装置中で完成した(コ)ポリカーボネートに好ましく添加されるが、要求に依存して、調製プロセスの異なる段階で加えられてもよい。
【0032】
各成分(A)および(B)は、分子量(重量平均分子量)10,000〜60,000、好ましくは20,000〜55,000を有していてよく、これは、ジクロロメタン中またはフェノール/o-ジクロロベンゼンの等重量混合液中での相対溶液粘度の測定により求めて、光散乱法により較正される。これは、添加物または安定化剤を既に含有していてよく、本発明のブレンドに添加されてもよい。
【0033】
本出願は、本発明のポリカーボネートブレンドそのものにも関する。
【0034】
本発明のポリカーボネートブレンドは、常套の方法で240℃〜380℃、好ましくは260℃〜360℃の温度において熱可塑性加工が可能である。あらゆる種類の成形品およびフィルムが公知の方法で、射出成形により、または押出成形により製造され得る。本出願は、本発明の組成物から製造される成形品および押出成形品にも関する。
【0035】
本発明の組成物は、塩化メチレンなどの塩素化炭化水素のような溶媒に易溶性であり、そのため、公知の方法でフィルムに注入成形され得る。
【0036】
加熱下での寸法安定性、良好な低温特性および耐薬品性などの特性の組み合わせにより、本発明の熱可塑性組成物は広範な分野で使用され得る。以下のものは、本発明のブレンドの考えられる応用の例として挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
1.安全な透明板ガラスであって、公知のように、建物、自動車および航空機、並びにヘルメットのバイザーなど、多く分野で求められているもの。
2.フィルム、特にスキーフィルムの製造。
3.ブロー成形品(例えば、米国特許第2964794号公報参照)、例えば1〜5ガロンの水用ボトルの製造。
4.透明シート、特に列車の駅、温室および照明設備などの建物を被覆するためなどの中空の室のシートの製造。
5.光学データ記憶手段の製造。
6.交通信号のハウジングまたは道路標識の製造用。
7.発泡材料の製造用(例えば、ドイツ特許出願公開第AS-1031507号公報参照)。
8.糸やワイヤーの製造用(例えば、ドイツ特許出願公開第AS-1137167号公報および同第A-1785137号公報参照)。
9.照明目的のための特定含量のガラス繊維を有する半透明のプラスチック材料(例えば、ドイツ特許出願公開第A-1554020号公報参照)。
10.透明な光散乱性成形品の製造のための特定含量の硫酸バリウム、二酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムまたは有機アクリレートゴムポリマーを有する半透明のプラスチック材料として(欧州特許出願公開第A-634445号公報、同第A-269324号公報)。
【0038】
11.例えば、レンズホルダーなどの精密な射出成形部品の製造用。そのために、場合により、合計重量に対して約1〜10重量%のMoSを更に含有する特定含量のガラス繊維を有するポリカーボネートが使用される。
12.光学装置のための部品、特に写真用およびフィルムカメラ用のレンズの製造用(例えば、ドイツ特許出願公開第A-2701173号公報参照)。
13.光透過性キャリアーとして、特に繊維−光学ケーブルとして(例えば、欧州特許出願公開第A-10089801号公報)。
14.電気伝導体のため、そしてプラグハウジングおよびプラグコネクターのための電気絶縁性材料として。
15.香水やアフターシェービングローションそして発汗に高い耐性を示す携帯電話のケーシングの製造。
16.ネットワークインターフェイス装置。
17.有機光伝導体のためのキャリアー材料として。
18.例えば、ヘッドランプ、ヘッドライトレンズまたは内部レンズの形態のランプの製造用。
19.酸素発生器、透析装置などの医療用途のため。
20.例えば、容器、台所用品およびチョコレートの型などの食品用途のため。
【0039】
21.燃料や潤滑油との接触が生じ得る、任意にABSとの好適なブレンドまたは好適なゴムの形態のバンパーなどの自動車分野における用途のため。
22.例えば、スラロームのポールまたはスキーブーツのバックルなどのスポーツ物品用。
23.例えば、台所のシンクや郵便受けのケーシングなどの家庭用物品用。
24.例えば、配電盤などのケイシング用。
25.電動歯ブラシおよびヘアドライヤーのケーシングのためのケーシング。
26.洗浄液に対して高い耐性を有する透明な洗濯機−丸窓(bull's-eyes)。
27.安全保護眼鏡、光学的な矯正眼鏡。
28.調理蒸気、特に油蒸気に対して高い耐性を有する台所器具用のランプカバー。
29.薬剤用の包装フィルム。
30.チップボックスおよびチップキャリアー。
31.馬屋(stable doors)または動物ケージなどの他の用途のため。
【0040】
特にフィルムは、本発明の高分子量の芳香族ポリカーボネートブレンドから製造され得る。このフィルムは、好ましくは1〜1500μmの厚さ、特に好ましくは10〜900μmの厚さを有する。得られるフィルムは、自体公知の方法で、好ましくは1:1.5〜1:5までの比率で単軸方向または二軸方向に延伸できる。
【0041】
前記フィルムは、フィルムの製造に公知の方法で、例えば、ポリマー溶融物をスリットダイから押出成形することにより、またはフィルムブロー成形機でブロー成形することにより、または深絞り成形することにより、または注入成形することにより製造され得る。このフィルムは、単独で使用することが可能である。このフィルムは、複合フィルムの所望の用途や最終特性に依存して、他のプラスチックフィルムとの複合フィルムを常套の方法で製造するのに使用することも当然可能である。一般には、全ての公知のフィルムがパートナーとして適している。2枚以上のフィルムの複合体が製造され得る。
【0042】
加えて、本発明の熱可塑性成形用組成物(ここでは、ポリカーボネートブレンドという)は、同時押出成形シートのような他の層状の系で使用されてもよい。
【0043】
【実施例】
以降の実施例は、本発明を例示することを意図しているが、本発明はこれに限定されない。
【0044】
種々のポリカーボネートを、ドイツ特許第4238123号に記載のように、溶融物中での公知の調製法により、「シュネル」、ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ、ポリマー・レヴューズ、第9巻、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年、第33頁以降に記載のインターフェイスを介して合成した。
【0045】
コポリカーボネート(A)として、ジヒドロキシジフェニル(DOD)30モル%およびビスフェノールA70モル%を含有するポリカーボネートを調製した。tert-ブチルフェノールを連鎖停止剤として使用した。この粒剤は、相対溶液粘度1.30を有する。
【0046】
相対溶液粘度(ηrel)で表される種々の分子量を有するポリカーボネートを、ビスフェノールA型ポリカーボネート(B)として使用した。
【0047】
実施例5では、二酸化チタン(Kronos2230)0.1重量%を更に添加物として添加した。
【0048】
比較例2では、ジヒドロキシジフェニル(DOD)25モル%およびビスフェノールA75モル%を含有するコポリカーボネートを調製した。この粒剤は相対溶液粘度が1.30である。
【0049】
相対溶液粘度は、ジクロロメタン中、25℃において濃度5g/Lで求めた。
【0050】
衝撃強度を求めるために、ISO180/4Aに準拠した衝撃曲げ試験を使用した。この試験では、10個の試験片をそれぞれ測定した。表1は、大部分の試験片によって示された値を示している。
【0051】
ブレンドへのコンパウンド化はZSK32において300℃で毎時10kgのスループットで行った。
【0052】
低温強度の結果を表1にまとめる。
【0053】
表1に示すように、低温強度における改良は、ビスフェノールAのホモポリカーボネートの対応する特性に比較してほんの少量の(A)成分を用いて達成される。ブレンドへのそれ以上の添加は、正の効果を無効にする。対照して、より少量の化合物(I)を含むコポリカーボネート(A)は、このような改良が示されない。
【0054】
【表1】
Figure 0004094902
表1: ノッチ付きバー衝撃強度の比較
s=脆性破壊
z=延性破壊
1)二酸化チタン0.1重量%を含有するもの
2)ジヒドロキシジフェニル25モル%を含む成分(A)
【0055】
本発明は上記に例示目的のために詳細に説明したが、これらの詳述は、その目的のためだけであって、クレームによって限定され得ることを除いて、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって変更が成され得ると解されるべきである。

Claims (5)

  1. (A)式(I)の化合物:
    Figure 0004094902
    (ここで、R〜Rは互いに独立して、H、C〜C-アルキル、フェニル、置換フェニルまたはハロゲンを表す。)
    0.1〜46モル%および式(II)の化合物:
    Figure 0004094902
    (ここで、R〜Rは互いに独立して、H、CH、ClまたはBrを示し、およびXは、C〜C-アルキレン、C〜C-アルキリデン、C〜C-シクロアルキレン、C〜C10-シクロアルキリデンである。)
    99.9〜54モル%から誘導されるコポリカーボネート1〜99重量%、および
    (B)ビスフェノールAから誘導されるホモポリカーボネート1〜99重量%
    を含有する熱可塑性成型用組成物。
  2. 成分(A)が式(I)の化合物34〜26モル%および式(II)の化合物66〜74モル%から誘導される請求項1記載の組成物。
  3. 式(I)の化合物がジヒドロキシジフェノールであり、式(II)の化合物がビスフェノールAである請求項2記載の組成物。
  4. 成分(A)が30〜95重量%の量で含まれ、そして成分(B)が70〜5重量%の量で含まれ、これらの百分率(%)が成分(A)と(B)の合計重量に対する値である請求項1記載の組成物。
  5. 請求項1記載の組成物を含有する成形品。
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