JP3953649B2 - 有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種プラスチック材料や接着剤および塗料材等に有用な高分子材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無機材料はそれぞれの特徴や要求特性を考慮し、様々なタイプのものが工業用に使用されている。例えば炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ素系セラミックス類は機械的強度や化学的安定性、熱的安定性に優れた材料である。更に酸化ケイ素、酸化チタン等の材料は優れた光学的特性も有する。
【0003】
しかしこれらの無機材料は一般に成形加工性に乏しく、硬くてもろい。また、有機重合体との密着性も悪く、その用途が制限されている。
【0004】
他方、有機重合体は一般に成形加工性や柔軟性には優れているものの硬度や熱的安定性は無機材料と比較するとかなり劣る。
【0005】
このため、無機材料と有機重合体の特性を相補い、長所を活かす材料の開発が切望されている。
【0006】
その一手段としてガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機系の強化剤や充填剤を有機重合体に混合、分散させる物性改質が広く行われている。このような有機−無機複合材料は無機材料が有する硬度、強度、耐熱性、耐候性等の優れた特性を有機重合体に付与する目的で検討されている。
【0007】
しかし、無機材料と有機重合体は一般に非相溶であり、分散状態をミクロに制御することは容易ではない。また、改質効果を上げるためには無機材料をより細かく、より多く、できるだけ均質に分散することが重要であるが、無機材料は微粒子になるほど凝集が起こりやすく、均質分散が困難となる。その分、コストにも影響が生じる。更に無機材料の添加量には限界があり、一定量を超えると良好な複合材料が得られなくなり、成形性が悪くなったり、もろくなったり、クラックが生じやすくなる傾向がある。
【0008】
このようなことから高性能な有機−無機複合材料を作製するためには、無機材料と有機重合体を単に混合、分散するだけでは困難であり、新しい技術の開発が必要である。
【0009】
そのひとつとして有機−無機ハイブリッド高分子材料の研究が行われている。有機−無機ハイブリッド高分子材料とは、有機重合体の諸物性を向上させるために金属アルコキシド化合物を主原料としてゾル−ゲル反応を用いることによりSi、Ti、Zr等の無機元素を有機材料骨格に導入したものである。有機重合体と無機元素を直接共有結合させることから分子レベルでの均質化が可能であり、有機重合体と無機材料が均質に微分散した材料として上述したような問題に対応できる方法と考えられる。
【0010】
これまでに特開平5−43679号公報、特開平5−86188号公報、特開平8−104710号公報、特開平8−104711号公報、Macromolecules第25巻,第4309頁,1992年、J.Inorg.Organomet.Polym.第5巻,第4頁,1995年、J.Appl.Polym.Sci.第58巻,第1263頁,1995年等で有機重合体として主にビニル重合体や親水性ポリマーを用いた研究が報告されている。
【0011】
また一方では、傾斜機能材料の研究が行われている。傾斜機能材料とは、材料を構成する成分の組成や分布等を連続的に変化させることによって得られる優れた機能を有する材料である。この傾斜機能材料は新素材の中でも新しい分野であり、今後航空、宇宙分野、核融合分野、エレクトロニクス分野、医療分野等幅広い分野への応用が期待されている。これまでは主に金属やセラミックス関係を中心に検討されてきたが、近年有機重合体に関する研究も増えている。
【0012】
例えば、特開平5−138780号公報では粘度が異なるラジカル重合性ビニル単量体を複層に積層した後、硬化処理を行い、連続的に耐熱特性の分布を有するプラスチック成形体が報告されている。
【0013】
また、特開平6−57009ではアルケニルシランとオレフィンの共重合体と触媒成分とを比率を変えながら混合、溶融成形し、架橋度に傾斜を有するポリオレフィンを製造している。また、特開平9−176325号公報では繰り返し単位中にSi−H結合とアルキンを有する高分子化合物を熱処理することによりケイ素あるいは酸素が傾斜した材料を製造している。
【0014】
この傾斜機能材料の技術を有機−無機複合材料に応用した例としては、特開平8−283425号公報が挙げられる。ここでは硬化前の熱硬化性樹脂とシリコンアルコキシドとの均質溶液を基材上に塗布した後、特殊な条件下でシリコンアルコキシドを加水分解および重縮合し、熱硬化性樹脂を硬化させることにより有機重合体中に金属酸化物微粒子を分散させた成分傾斜材料を得ている。有機重合体と金属酸化物とは共有結合しておらず、分散系の有機−無機複合材料に分類される成分傾斜材料である。
【0015】
そして、この成分傾斜材料では金属酸化物の含有率は最も高いところで約60重量%に止まっており、傾斜機能材料としてはまだまだ不完全である。また、この金属酸化物の含有率は従来の充填系有機−無機複合材料の無機物充填量の上限値と同程度であり、有機重合体の存在下、金属酸化物が分散相であるためこれ以上の金属酸化物の高含有率領域を作製することは困難と考えられる。また、傾斜機能材料の効果としては熱衝撃特性やそり特性等が挙げられるが、特開平8−283425号公報ではそのような特性は記載されていない。
【0016】
有機−無機ハイブリッド高分子材料と傾斜機能材料の技術を組み合わせれば、素晴らしい特性を有する材料が得られるものと期待されるが、これまでにそのような報告例はない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは加熱や熱衝撃および経時変化によりクラックや表層面だけの剥離、そり、ひずみ等の変形が生じ難く耐薬品性に優れた有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料およびその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機重合体と金属酸化物とが共有結合して形成された有機−無機ハイブリッド高分子材料において、厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少する成分傾斜構造を有することを特徴とする有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】
本発明の好ましい一局面は、まず金属アルコキシド化合物(B)と反応可能な官能基を分子内に少なくとも1個有する有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)の混合組成物をゾル−ゲル法によって加水分解した後、溶液もしくは部分的に縮合が生じた湿潤ゲルを基材の表面上に塗布して湿潤ゲルの層を形成する。
【0020】
次に上記の混合組成物とは組成が異なる有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)の混合組成物を同様に処理して作製した溶液もしくは湿潤ゲルを、上記の湿潤ゲルの層上に塗布する。この操作を数度繰り返した後に、乾燥や熱処理を行い、成分傾斜構造を有する有機−無機ハイブリッド高分子材料を得ることである。
【0021】
より具体的には、本発明の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料は、(i)表面を有する基材を提供する工程;(ii)基材の表面上に、所定の組成比で有機重合体及び金属アルコキシドの少なくともいずれかを含む溶液もしくは湿潤ゲルを塗布する工程;(iii)厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少するように変化させた組成比で有機重合体及び金属アルコキシド化合物の少なくともいずれかを含む溶液もしくは湿潤ゲルを塗布する工程;及び(iv)(iii)工程を少なくとも1回繰り返す工程;を包含する方法により製造することが好ましい。
【0022】
有機重合体(A)
本発明において金属アルコキシド化合物(B)と反応可能な官能基を分子内に有する有機重合体(A)はいかなる方法で合成されたものであっても良い。
【0023】
有機重合体(A)の主骨格としては、具体的には
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、
ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、
ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー前駆体、
または
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂前駆体が挙げられる。
【0024】
この中でも熱可塑性樹脂が好ましく、高性能という点ではポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレート等のエンジニアリングプラスチックがより好ましい。
【0025】
有機重合体(A)は上述したような重合体や前駆体の1成分を主骨格としたものでも良く、これら多成分の共重合体骨格でも良い。また、複数種を混合したものでも良く、分岐状、線状いずれの形状でも良い。更にハロゲン化炭化水素系、エーテル系、アルコール系、非プロトン性極性溶媒のような溶剤に溶解するかまたは膨潤することが望ましく、数平均分子量は500〜50000、好ましくは1000〜15000である。
【0026】
有機重合体(A)が有する官能基は金属アルコキシド化合物(B)と反応可能なものであれば良く、特に限定されないが、具体的には金属アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられ、特に金属アルコキシ基が好ましい。
【0027】
有機重合体(A)の官能基当量は1〜100、好ましくは1〜50、更に好ましくは2〜10である。有機重合体(A)の官能基当量が1を下回ると材料の性能が低下する可能性があり、100を上回ると材料がもろくなる可能性がある。1分子の有機重合体(A)が有する官能基は全て同一でも良く、複数種であっても良い。
【0028】
金属アルコキシド化合物(B)
本発明において金属アルコキシド化合物(B)としては、あらゆるタイプのものも用いることができる。その中でも好ましいものは、式(1)
ApM (1)
[式中、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基、
MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaおよびW等からなる群、 好ましくはSi、Ti、Zrからなる群から選択される金属元素、
pは2〜6の整数を示す。]
で表される化合物である。
【0029】
具体的には、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、
テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類、
テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のテトラアルコキシジルコニウム類、および
ジメトキシ銅、ジエトキシバリウム、トリメトキシホウ素、トリエトキシガリウム、トリブトキシアルミニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラブトキシ鉛、ペンタn−プロポキシタンタル、ヘキサエトキシタングステン等の金属アルコキシド類が挙げられる。
【0030】
金属アルコキシド化合物(B)の他の例は、式(2)
RkAlM(R’mX)n (2)
[式中、Rは水素か炭素数1〜12、好ましくは1〜5のアルキル基またはフェニル基、
Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基、
MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaおよびW等からなる群、 好ましくはSi、Ti、Zrからなる群から選択される金属元素、
R’は炭素数1〜4、好ましくは2〜4のアルキレン基またはアルキリデン基、
Xはイソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アミノ基、 チオール基、ビニル基、メタクリル基、ハロゲン基等の一般的な官能基、
kは0〜5の整数、lは1〜5の整数、mは0または1、nは0〜5の整数を示す。]
で表される化合物である。
【0031】
Siを例に取り、具体的に例示すれば、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリn−プロポキシシラン
ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジイソプロポキシシラン
モノメトキシシラン、モノエトキシシラン、モノブトキシシラン
メチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、
ジメチルメトキシシラン、ジイソプロピルイソプロポキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリn−プロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、
ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジブチルジブトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシラン、
トリn−プロピルn−プロポキシシラン、トリブチルブトキシシラン、
フェニルトリメトキシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン
等の(アルキル)アルコキシシラン、
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアネートエチルトリn−プロポキシシラン、
3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、
2−イソシアネートエチルエチルジブトキシシラン、
3−イソシアネートプロピルジメチルイソプロポキシシラン、
2−イソシアネートエチルジエチルブトキシシラン、
ジ(3−イソシアネートプロピル)ジエトキシシラン、
ジ(3−イソシアネートプロピル)メチルエトキシシラン、
エトキシシラントリイソシアネート
等のイソシアネート基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン
等のエポキシ基を有する(アルキル)アルコキシシラン
カルボキシメチルトリエトキシシラン、
カルボキシメチルエチルジエトキシシラン、
カルボキシエチルジメチルメトキシシラン
等のカルボキシル基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−(トリエトキシシリル)−2−メチルプロピルコハク酸無水物
等の酸無水物基を有するアルコキシシラン
2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリエトキシシラン
等の酸ハロゲン化物基を有するアルコキシシラン
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
等のアミノ基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
2−メルカプトエチルトリエトキシシラン
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
等のチオール基を有する(アルキル)アルコキシシラン
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン
等のビニル基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−メタクリロキシピロピルメチルジメチルシラン
等のメタクリル基を有する(アルキル)アルコキシシラン
トリエトキシフルオロシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
2−クロロエチルメチルジメトキシシラン
等のハロゲン基を有する(アルキル)アルコキシシラン
を挙げることができる。
【0032】
もちろんSiだけではなく、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaやW等の他の金属においても同様の化合物を例示することができる。
【0033】
これらの金属アルコキシド化合物(B)は1種類だけでも良く、2種以上を併用しても良い。また、Mg[Al(iso-OC3H7)4]2、Ba[Zr2(OC2H5)9]2、(C3H7O)2Zr[Al(OC3H7)4]2等の1分子内に2種以上の金属元素が含まれているような金属アルコキシド化合物やテトラメトキシシランオリゴマーやテトラエトキシシランオリゴマー等の1分子内に2個以上の繰り返し単位を有するオリゴマータイプの金属アルコキシド化合物を用いても良い。また、アルコキシ基がアセトキシ基であっても良い。
【0034】
有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料
有機−無機ハイブリッド高分子材料は、金属アルコキシド化合物(B)と反応可能な官能基を分子内に有する有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)とを主原料とし、これらをゾル−ゲル反応により加水分解、重縮合させて形成する。この際、有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)との組成比を0/10〜10/0の範囲内で変化させ、順次積層することによって目的の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料を得ることができる。
【0035】
有機−無機ハイブリッド高分子材料中の有機重合体成分および金属酸化物成分の含有率は、特性をより発現させるために最も高い領域では70重量%以上、最も低い領域では30重量%以下であることが望ましい。
【0036】
また、その形態は塗膜や糸、フィルム、球状である他、ブロック等の各種形状の成形体であるものを含む。
【0037】
本発明においては、有機重合体および金属酸化物の組成比が有機−無機ハイブリッド高分子材料中において厚み方向以外では均質性を保ちながら、厚み方向には連続的に変化している領域を有することを基本とする。従って単に不規則な凝集や相分離によって不連続的に成分濃度が異なる領域を有するものや塗装によって形成される一定成分濃度を有する均一塗膜を基材の表面に有するもの等とは異なる。
【0038】
ゾル−ゲル法による加水分解、重縮合とは、金属アルコキシド化合物あるいは金属アルコキシ基を有する重合体を水と反応させることでアルコキシ基を水酸基に変換し、次いでこの水酸基を同時進行的に重縮合させることによりヒドロキシ金属基(例えば−SiOH)を有する化合物あるいは重合体が脱水反応あるいは隣接した分子と脱アルコール反応を生じ、無機的な共有結合を介して3次元的に架橋する反応を言う。この際、重縮合反応はふたつのヒドロキシ金属基の脱水反応が最も起こりやすいが、それだけではなく、他の水酸基やアミノ基、カルボキシル基等の活性水素を有する官能基とも起こりうる。
【0039】
加水分解反応に用いられる水は、全てのアルコキシ基を水酸基に変換するために必要な量を添加しても良いし、反応系中の水分を利用したり、大気中の水分を吸湿させて行っても良い。反応条件としては、室温〜100℃で0.5〜24時間程度が望ましい。またその際、塩酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)等の塩基性触媒を用いても良い。
【0040】
更に縮合反応を進め、架橋をより強固なものとしたい場合には、その後50〜500℃で5分〜48時間程度、熱処理を行う。
【0041】
本発明の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料を得る方法としては、最終的に得られる有機−無機ハイブリッド高分子材料がミクロ的に均質でありながらかつ材料の厚み方向に有機重合体成分あるいは金属酸化物成分の含有率が連続的に変化する領域を有するものであれば良く、特に製造方法によって限定されない。
【0042】
しかし、その製造方法の具体例を挙げれば、例えば有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)の混合組成物を加水分解し、部分的に縮合が生じた湿潤ゲルを作製した後に上記の混合組成物とは組成が異なる有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)の混合組成物を加水分解した溶液を上記の湿潤ゲル上にキャストする操作を数度繰り返す方法が挙げられる。
【0043】
このような方法で作製した成分傾斜材料は、2成分がミクロ的に均質でありながらかつ材料の厚み方向に有機重合体成分あるいは金属酸化物成分の含有率が連続的に変化し、更に2成分が共有結合したものが得られ、加熱や熱衝撃および経時変化によってクラックや表層面だけの剥離やそり、ひずみ等の変形が生じない耐薬品性に優れた材料となる。
【0044】
ゾル−ゲル反応に用いられる溶媒を具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤および上記した溶剤の混合溶剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般的にはアルコール系溶剤のような極性溶剤が用いられることが多い。
【0045】
本発明における全ての加水分解過程では強度、硬度、耐候性、耐薬品性、難燃性、帯電防止性等の機能を向上または新たに付与する目的で無機物含有量や重合体間の架橋密度を調整するためにSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、W等の金属、金属酸化物、金属錯体や無機塩等を共存させても良い。また、ゲル化、乾燥、熱処理の際に生じる可能性があるクラックを抑制するためにホルムアミドやジメチルホルムアミド、ジオキサン、シュウ酸等を乾燥抑制剤として加えても良いし、添加物としてアセチルアセトン等を加えても良い。
【0046】
本発明の成分傾斜材料では無機材料が有する耐熱性、耐候性、表面硬度、剛性、耐水性、耐薬品性、耐汚染性、機械的強度、難燃性等の特性が有機重合体に良好に付与されている。逆に言えば、有機重合体が有する耐衝撃性、柔軟性、加工性および軽量性等の特性が無機材料に良好に付与されている。
【0047】
しかも有機重合体と金属酸化物の2成分の含有率が連続的に変化していることより、加熱や経時変化によってクラックや表層面だけの剥離やそり、ひずみ等の変形が生じ難い熱衝撃性も付与されている。
【0048】
従ってプラスチック類のコーティング剤として使用する場合には基板側に有機重合体の含有率が高く、表面側を金属酸化物の含有率が高くすることで高硬度、耐磨耗性、耐薬品性、耐汚染性、耐熱性等に、より優れた材料とすることができる。
【0049】
また、ガラスや金属類のコーティング剤として使用する場合は基板側を金属酸化物の含有率が高く、表面側を有機重合体の含有率が高くすることで耐衝撃性に優れ、破損しにくい材料とすることができる。万一、内部のガラスや金属類が破損した場合にも破片の飛散を防止することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明により高性能および高機能プラスチック材料、プラスチック成形品もしくはフィルム、シーリング剤、接着剤、塗料用バインダー、構造材料、光学材料、樹脂添加物、表面改質剤、ハードコート剤、電気もしくは電子材料、医療材料または充填剤等に用いるのに適する有機重合体と金属酸化物が共有結合した成分傾斜材料が提供される。
【0051】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0052】
合成例1
数平均分子量6600、および水酸基当量1.6のポリカーボネートジオール70.0gをクロロホルム500mLに溶解させ、その後この溶液に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(IPTES)7.9gを添加し、還流下で15時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール7L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率97%)。
【0053】
1H−NMR測定により得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリカーボネート(PCS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.6であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は7500であった。
【0054】
合成例2
数平均分子量3900、および水酸基当量1.8のポリカーボネートジオール70.0gをクロロホルム500mLに溶解させ、その後この溶液にIPTES13.3gを添加し、還流下で10時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール7L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率97%)。
【0055】
1H−NMR測定により得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリカーボネート(PCS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.8であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は4400であった。
【0056】
合成例3
数平均分子量3500、および水酸基当量2.0のポリフェニレンエーテルジオール17.5gをクロロホルム200mLに溶解し、その後この溶液にIPTES4.8gを添加し、還流下で10時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール2L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率95%)。
【0057】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリフェニレンエーテル(PPS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は2.0であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は4300であった。
【0058】
合成例4
数平均分子量5200、および水酸基当量1.7のポリサルホンジオール26.0gをクロロホルム300mLに溶解し、その後この溶液にIPTES3.5gを添加し、還流下で11時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール3L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率96%)。
【0059】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリサルホン(PSS)であることを確認した。この生成物のアルコキンシリル基当量は1.7であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は6000であった。
【0060】
合成例5
数平均分子量6100、および水酸基当量1.6のポリアリレートジオール30.5gをクロロホルム300mLに溶解し、その後この溶液にIPTES3.2gを添加し、還流下で15時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール3L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率96%)。
【0061】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキンシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリアリレート(PAS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.6であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は6700であった。
【0062】
合成例6
数平均分子量2800、および水酸基当量2.3の1,4−水添ポリブタジエンジオール14.0gをクロロホルム150mLに溶解し、その後この溶液にIPTES4.3gを添加し、還流下で8時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液から有機溶剤や低分子量物をエバポレーターを用いて留去した(収率99%)。
【0063】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化水添ポリブタジエン(HPBS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は2.1であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は3500であった。
【0064】
合成例7
数平均分子量2900、および水酸基当量2.0のポリエステルジオール14.5gをクロロホルム150mLに溶解し、その後この溶液にIPTES4.Ogを添加し、還流下で24時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液から有機溶剤や低分子量物をエバポレーターを用いて留去した(収率99%)。
【0065】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキシンリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリエステル(PES)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.9であった。またGPC測定の結果、この生成物の数平均分子量は3400であった。
【0066】
実施例1
合成例1で作製した数平均分子量7500のPCSとテトラエトキシシラン(TEOS)を表1に示す割合で含む混合組成物をテトラヒドロフラン(THF)中で1N−塩酸水を用いて室温下で加水分解を行い、No.1〜5の溶液を得た。
【0067】
【表1】
【0068】
表1の溶液をスピンコーターを用いてガラス基板にNo.1〜5の順にコーティングした後、最後に三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ポリカーボネート樹脂「Iupilon」(数平均分子量36000)の10%ジクロロメタン溶液を同様にスピンコートした。
【0069】
この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚80μm)。
【0070】
得られたシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムの表面のIR測定を行ったところ、1770cm-1付近に大きくみられるカーボネート基のピークをはじめとしてPC成分に起因するピークは観察されたもののシリカ成分に起因するピークは観察されなかった。
【0071】
また、このフィルムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが確認された。更にフィルム表面から内部に向けてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、ガラス面からフィルム表面にかけてSi元素濃度は徐々に減少し、フィルム表面では検出されなかった。
【0072】
Si元素濃度曲線を付したフィルム断面のSEM写真を図1に示した。図中、101はガラス基板とシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムとの境界部であり、102はシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムの表面部である。
【0073】
図1に示すSi元素濃度曲線によりガラス基板面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在し、ポリカーボネート(PC)成分は存在しないことが、またフィルム表面に近い領域にはシリカ成分は存在せず、ほぼPC成分であることが確認された。しかもシリカ成分が傾斜構造を取っていることより同様にPC成分も傾斜しているものと推測される。
【0074】
IRの結果より表面に近い領域にはSi元素が存在せず、SEMにおけるSi元素分析の結果よりガラス面の近傍ではSi元素の強度がガラスと同等であることから、このフィルムではシリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが確認された。
【0075】
尚、IRはニコレージャパン(株)製のImpact 400M型を用い、ATR法で測定した。SEMはJEOL製のJNM−EX270型を用いて観察を行った。
【0076】
また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0077】
実施例2
ひとつの溶液を塗布した後、150℃で30分間熱処理し、放冷後、次の溶液を塗布すること以外は実施例1と同様の操作を行い、ガラス基板への透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た(フィルム厚50μm)。
【0078】
このフィルムのIR測定とSEM観察を行った結果、フィルム内部でマクロな相分離はみられなかった。また、Si元素濃度がガラス面からフィルム表面にかけて徐々に減少していることが確認され、シリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが判った。
【0079】
また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0080】
実施例3
表1の溶液をスピンコーターを用いてPC基板にNo.5〜1の順にコーティングした。
【0081】
この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚60μm)。
【0082】
このフィルムの表面のIR測定を行ったところ、1080cm-1付近のSi−O−Siのピークをはじめとしてシリカ成分に起因するピークはみられたもののPC成分のカーボネート基に起因する1770cm-1付近のピーク等は観察されなかった。
【0083】
また、このフィルムの断面をSEM観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが確認された。更にフィルム表面から内部に向けてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、フィルム表面から内部に向けてSi元素濃度は徐々に減少し、PC基板近傍では検出されなかった。
【0084】
Si元素濃度曲線を付したフィルム断面のSEM写真を図2に示した。図中、201はPC基板とシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムとの境界部であり、202はシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムの表面部である。
【0085】
図2に示すSi元素濃度曲線によりフィルム表面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在し、PC成分は存在しないことが、またPC基板に近い領域にはシリカ成分は存在せず、ほぼPC成分であることが確認された。しかもシリカ成分が傾斜構造を取っていることより同様にPC成分も傾斜しているものと推測される。
【0086】
IRとSEMにおけるSi元素分析の結果より、シリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが確認された。
【0087】
また、このフィルムの熱衝撃試験と耐薬品性試験の結果を表8及び9に示した。
【0088】
実施例4
ひとつの溶液を塗布した後、100℃で30分間熱処理し、放冷後、次の溶液を塗布すること以外は実施例3と同様の操作を行い、PC基板への透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た(フィルム厚60μm)。
【0089】
このフィルムのIR測定とSEM観察を行った結果、フィルム内部でマクロな相分離はみられなかった。また、Si元素濃度がフィルム表面から内部に向けて徐々に減少していることが確認され、シリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが判った。
【0090】
また、このフィルムの熱衝撃試験と耐薬品性試験の結果を表8及び9に示した。
【0091】
実施例5
合成例2で作製した数平均分子量4400のPCSと三菱化学(株)製テトラメトキシシランオリゴマーMKCシリケートMS−56(TMOS)を表2に示す割合で含む混合組成物をTHF中で1N−塩酸水を用いて室温下で加水分解を行い、No.1〜5の溶液を得た。
【0092】
【表2】
【0093】
表2の溶液をスピンコーターを用いてガラス基板にNo.1〜5の順にコーティングした後、最後にポリカーボネート樹脂「Iupilon」(数平均分子量36000)の10%ジクロロメタン溶液を同様にスピンコートした。
【0094】
この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚70μm)。
【0095】
得られたシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムのIR測定とSEM観察を行った結果、フィルム内部でマクロな相分離はみられなかった。また、ガラス面の近傍ではSi元素の強度がガラスと同等であること、表面に近い領域ではSi元素がほぼ0であることから、このフィルムではシリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが確認された。
【0096】
また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0097】
実施例6
ひとつの溶液を塗布した後、150℃で30分間熱処理し、放冷後、次の溶液を塗布すること以外は実施例5と同様の操作を行い、ガラス基板への透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た(フィルム厚50μm)。
【0098】
このフィルムのIR測定とSEM観察を行った結果、フィルム内部でマクロな相分離はみられなかった。また、Si元素濃度がガラス面からフィルム表面にかけて徐々に減少していることが確認され、シリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが判った。
【0099】
また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0100】
実施例7
表2の溶液をスピンコーターを用いてPC基板にNo.5〜1の順にコーティングした。
【0101】
この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚70μm)。
【0102】
このフィルムのIR測定とSEM観察を行った結果、フィルム内部でマクロな相分離はみられなかった。また、Si元素濃度がフィルム表面から内部に向けて徐々に減少していることが確認され、シリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが判った。
【0103】
また、このフィルムの熱衝撃試験と耐薬品性試験の結果を表8及び9に示した。
【0104】
実施例8
ひとつの溶液を塗布した後、100℃で30分間熱処理し、放冷後、次の溶液を塗布すること以外は実施例7と同様の操作を行い、PC基板への透明なシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムを得た(フィルム厚60μm)。
【0105】
このフィルムのIR測定とSEM観察を行った結果、フィルム内部でマクロな相分離はみられなかった。また、Si元素濃度がフィルム表面から内部に向けて徐々に減少していることが確認され、シリカ成分とPC成分の組成比が10/0〜0/10の割合で傾斜していることが判った。
【0106】
また、このフィルムの熱衝撃試験と耐薬品性試験の結果を表8及び9に示した。
【0107】
実施例9
合成例3で作製した数平均分子量4300のPPSとTEOSを表3に示す割合で含む混合組成物をTHF中、50℃で1N−塩酸水を用いて加水分解し、No.1〜5の溶液を得た。
【0108】
【表3】
【0109】
表3の溶液をスピンコーターを用いてガラス基板にNo.1〜5の順にコーティングした後、最後に日本ジーイープラスチックス(株)製ポリフェニレンエーテル樹脂「N−50−3181」(数平均分子量24000)の10%クロロホルム溶液を同様にスピンコートした。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で10分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリフェニレンエーテル系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚40μm)。
【0110】
このフィルムの表面のIR測定を行ったところ、1470cm-1付近や2920cm-1、1600cm-1付近にポリフェニレンエーテルのC−H結合や芳香環に起因すると考えられるピークは観察されたもののシリカ成分に起因するピークは観察されなかった。
【0111】
また、このフィルムの断面をSEMを用いて観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが確認された。更にフィルム表面から内部に向けてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、ガラス面からフィルム表面にかけてSi元素濃度は徐々に減少し、フィルム表面では検出されなかった。
【0112】
IRとSEMにおけるSi元素分析の結果より、ガラス面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在しポリフェニレンエーテル成分は存在しないことが、またフィルム表面に近い領域にはシリカ成分は存在せずほぼポリフェニレンエーテル成分であることが確認された。しかもシリカ成分とポリフェニレンエーテル成分は傾斜構造を取っており、その組成比はほぼ10/0〜0/10であった。
【0113】
実施例10
合成例4で作製した数平均分子量6000のPSSとTMOSを表4に示す割合で含む混合組成物をTHF中、室温下で1N―塩酸水を用いて加水分解し、No.1〜5の溶液を得た。
【0114】
【表4】
【0115】
表4の溶液をスピンコーターを用いてNo.1〜5の順にコーティングした後、最後にアルドリッチ製ポリサルホン樹脂(数平均分子量22000)の10%クロロホルム溶液を同様にスピンコートした。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリサルホン系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚40μm)。
【0116】
このフィルムの表面のIR測定を行ったところ、 1150cm-1付近や1330cm-1付近にみられるスルホン基のピークをはじめとしてポリサルホン成分に起因するピークは観察されたもののシリカ成分に起因するピークは観察されなかった。
【0117】
また、このフィルムの断面をSEMを用いて観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが観察された。更にフィルム表面から内部に向けてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、ガラス面からフィルム表面にかけてSi元素濃度は徐々に減少し、フィルム表面では検出されなかった。
【0118】
IRとSEMにおけるSi元素分析の結果より、ガラス面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在しポリサルホン成分は存在しないことが、またフィルム表面に近い領域にはシリカ成分は存在せずほぼポリサルホン成分であることが確認された。しかもシリカ成分とポリサルホン成分は傾斜構造を取っており、その組成比はほぼ10/0〜0/10であった。
【0119】
実施例11
合成例5で作製した数平均分子量6700のPASとTEOSを表5に示す割合で含む混合組成物をN,N―ジメチルホルムアミド(DMF)中、50℃で1N−塩酸水を用いて加水分解し、No.1〜5の溶液を得た。
【0120】
【表5】
【0121】
表5の溶液をスピンコーターを用いてガラス基板にNo.1〜5の順にコーティングした後、最後にユニチカ(株)製ポリアリレート樹脂「U―ポリマー」の10%ジクロロメタン溶液を同様にスピンコートした。この際、ひとつの溶液を塗布した後、50℃下で30分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリアリレート系成分傾斜フィルムを得た。その後、50℃下で3日間放置した後、120℃で10時間熱処理を行った(フィルム厚50μm)。
【0122】
このフィルムの表面のIR測定を行ったところ、1740cm-1付近に大きくみられるエステル基のピークをはじめとしてポリアリレート成分に起因するピークは観察されたもののシリカ成分に起因するピークは観察されなかった。
【0123】
また、このフィルムの断面をSEMを用いて観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが確認された。更にフィルム表面から内部にかけてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、ガラス面からフィルム表面にかけてSi元素濃度は徐々に減少し、フィルム表面では検出されなかった。
【0124】
IRとSEM観察におけるSi元素分析の結果より、ガラス面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在しポリアリレート成分は存在しないことが、またフィルム表面に近い領域にはシリカ成分は存在せずほぼポリアリレート成分であることが確認された。しかもシリカ成分とポリアリレート成分は傾斜構造を取っており、その組成比はほぼ10/0〜0/10であった。
【0125】
実施例12
合成例6で作製した数平均分子量3500のHPBSとTEOSを表6に示す割合で含む混合組成物をTHF中、50℃で1N−塩酸水を用いて加水分解し、No.1〜5の溶液を得た。
【0126】
【表6】
【0127】
表6の溶液をスピンコーターを用いてガラス基板にNo.1〜5の順にコーティングした。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で30分間待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ブタジエン系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1週間放置し、乾燥を行った(フイルム厚40μm)。
【0128】
このフィルムの表面のIR測定を行ったところ、1470cm-1付近や2920cm-1付近にポリブタジエンのC−H結合に起因すると考えられるピークは観察されたもののシリカ成分に起因するピ―クは観察されなかった。
【0129】
また、このフィルムの断面をSEMを用いて観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが確認された。更にフィルム表面から内部に向けてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、ガラス面からフィルム表面にかけてSi元素濃度は徐々に減少し、フィルム表面ではほとんど観察されなかった。
【0130】
IRとSEMにおけるSi元素分析の結果より、ガラス面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在しポリブタジエン成分は存在しないことが、またフィルム表面に近い領域にはシリカ成分は存在せずほぼポリブタジエン成分であることが確認された。しかもシリカ成分とポリブタジエン成分は傾斜構造を取っており、その組成比はほぼ10/0〜0/10であった。
【0131】
実施例13
合成例7で作製した数平均分子量3400のPESとTMOSを表7に示す割合で含む混合組成物をTHF中、室温下で1N−塩酸水を用いて加水分解し、No.1〜5の溶液を得た。
【0132】
【表7】
【0133】
表7の溶液をスピンコーターを用いてガラス基板にNo.1〜5の順にコーティングした。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で30分聞待って次の溶液を塗布し、透明なシリカ/ポリエステル系成分傾斜フィルムを得た。その後、室温下で1週間放置し、乾燥を行った(フィルム厚50μm)。
【0134】
このフィルムの表面のIR測定を行ったところ、1730cm-1付近に大きくみられるエステル基のピークをはじめとしてポリエステル成分に起因するピータは観察されたもののシリカ成分に起因するピークは観察されなかった。
【0135】
また、このフィルムの断面をSEMを用いて観察したところ、マクロな相分離はしておらず、良好な内部構造であることが確認された。更にフィルム表面から内部に向けてほぼ垂直にSi元素濃度の線分析を行った結果、ガラス面からフィルム表面にかけてSi元素濃度は徐々に減少し、フィルム表面ではほとんど検出されなかった。
【0136】
IRとSEMにおけるSi元素分析の結果より、ガラス面に近い領域にはシリカ成分が多量に存在しポリエステル成分は存在しないことが、またフィルム表面に近い領域にはシリカ成分は存在せずほぼポリエステル成分であることが確認された。しかもシリカ成分とポリエステル成分は傾斜構造を取っており、その組成比はほぼ10/0〜0/10であった。
【0137】
比較例1
ポリカーボネート樹脂「Iupilon」(数平均分子量36000)2.0gをジクロロメタン20mLに溶解した。この溶液をキャスト法を用いてガラス基板にコーティングしてPCフィルムを得た(フィルム厚70μm)。
【0138】
このフィルムのSEM観察を行った結果、Si元素分布はガラスとPC間で大きく変化していることが確認された。Si元素濃度曲線を付したフィルム断面のSEM写真を図3に示した。図中、301はガラス基板とポリカーボネートフィルムとの境界部であり、302はポリカーボネートフィルムの表面部である。
【0139】
また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0140】
比較例2
TEOS20gをエタノール20mLに溶解した後、1N−塩酸水7.0gを添加し、加水分解を行った。この溶液をキャスト法を用いてPC基板にコーティングしてシリカフィルムを得た(フィルム厚60μm)。
【0141】
このフィルムのSEM観察を行った結果、Si元素分布はPCとシリカ間で大きく変化していることが確認された。Si元素濃度曲線を付したフィルム断面のSEM写真を図4に示した。図中、401はPC基板とシリカフィルムとの境界部であり、402はシリカフィルムの表面部である。
【0142】
また、このフィルムの熱衝撃試験及び耐薬品性試験の結果を表8及び9に示した。
【0143】
比較例3
ポリフェニレンエーテル樹脂「N−50−3181」(数平均分子量24000)2.0gをクロロホルム20mLに溶解した。この溶液をキャスト法を用いてガラス基板にコーティングしてボリフェニレンエーテルフィルムを得た(フィルム厚60μm)。このフィルムのSEM観察を行った結果、Si元素分布はガラスとポリフェニレンエーテル間で大きく変化していることが確認された。また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0144】
比較例4
ポリサルホン樹脂(数平均分子量22000)2.0gをクロロホルム20mLに溶解した。この溶液をキャスト法を用いてガラス基板にコーティングしてポリサルホンフィルムを得た(フィルム厚50μm)。このフィルムのSEM観察を行った結果、Si元素分布はガラスとポリサルホン間で大きく変化していることが確認された。また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0145】
比較例5
ポリアリレート樹脂「U−ポリマー」2.0gをジクロロメタン20mLに溶解した。この溶液をキャスト法を用いてガラス基板にコーティングしてポリアリレートフィルムを得た(フィルム厚50μm)。このフィルムのSEM観察を行った結果、Si元素分布はガラスとポリアリレート間で大きく変化していることが確認された。また、このフィルムの熱衝撃試験の結果を表8に示した。
【0146】
熱衝撃試験
実施例1〜11および比較例1〜5で得られたフィルムを用いて熱衝撃試験を行った。測定方法としては試験片(30×30mm)を170℃あるいは120℃の熱風乾燥器内で30分間処理した後、直ちに−20℃の冷凍庫内に移し、30分間処理するという操作を3度繰り返し、その後のフィルムの様子を観察した。
【0147】
実施例1、2、5、6、9、10、11と比較例1、3、4、5では高温側を170℃に設定し、試験を行った結果、比較例1のポリカーボネートフィルム、比較例3のポリフェニレンエーテルフィルム、比較例4のポリサルホンフィルム、比較例5のポリアリレートフィルムは剥離したものの実施例1、2、5、6のシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルム、実施例9のシリカ/ポリフェニレンエーテル系成分傾斜フィルム、実施例10のシリカ/ポリサルホン系成分傾斜フィルム、実施例11のシリカ/ポリアリレート系成分傾斜フィルムは試験前と変化なく、良好な状態であった。
【0148】
また、実施例3、4、7、8と比較例2では高温側を120℃に設定し、試験を行った結果、比較例2のシリカフィルムはクラックが生じ、剥離したものの実施例3、4、7、8のシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜フィルムは試験前と変化なく、良好な状態であった。
【0149】
これらの結果より本発明の成分傾斜材料は、良好な熱衝撃特性を有することが確認された。
【0150】
【表8】
【0151】
耐薬品性試験
実施例3、4、7、8および比較例2で得られたフィルムを用いて耐薬品性試験を行った。試験方法としては25℃、50%湿度下、試験片(30×30mm)上に有機溶剤1mLを滴下し、風乾後のフィルムの様子を観察した。
【0152】
その結果、比較用のPC基板ではクロロホルムやアセトン等でPCの溶解や白化がみられた。また、比較例2でも同様の現象がみられ、シリカ層の剥離が観察された。シリカ層を有する比較例2がPC基板と同じ結果であった理由としては、ゾル−ゲル法によって作製されたシリカが多孔質体であることに起因するものと考えられる。またシリカ層生成時の収縮が界面応力となり、シリカ層に微細なクラックが生じていた可能性もあり、これらの細孔より溶剤が浸透してPC基板まで達したためにPC基板に溶解や変形が生じ、その影響でシリカ層が破損したものと推察される。
【0153】
これに対して、実施例3、4、7、8では外観上の変化は観察されず、良好な耐薬品性を示した。比較例2と実施例3、4、7、8でこのような差が生じた理由としては、比較例2と異なり実施例3、4、7、8は傾斜構造を有しているためと考えられる。すなわち実施例3、4、7、8は表面から内部へ行くに従い、シリカ成分が減少し、PC成分が増加することによってシリカ中に存在する相対的な細孔数も減少し、これらの細孔が分断されるためにフィルム全体を貫通するものが存在しない。更に実施例3、4、7、8の成分傾斜複合体は、シリカ成分と共有結合しているPC成分も多いためにPC成分が侵され難く、2成分の相乗効果によって耐薬品性が向上したものと考えられる。
【0154】
これらの結果より本発明の成分傾斜材料は良好な耐薬品性を有することが確認された。
【0155】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガラス基板へコーティングしたシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜材料断面のSi元素濃度曲線を付したSEM写真である。
【図2】 PC基板へコーティングしたシリカ/ポリカーボネート系成分傾斜材料断面のSi元素濃度曲線を付したSEM写真である。
【図3】 ガラス基板へコーティングしたPCフィルム断面のSi元素濃度曲線を付したSEM写真である。
【図4】 PC基板へコーティングしたシリカフィルム断面のSi元素濃度曲線を付したSEM写真である。
【符号の説明】
101、201、301、401…基板とフィルムとの境界部、
102、202、302、402…フィルムの表面部。
Claims (9)
- 有機重合体と金属酸化物とが共有結合して形成された有機−無機ハイブリッド高分子材料において、厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少する成分傾斜構造を有し、前記有機重合体がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルエーテルケトンからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ金属アルコキシ基を少なくとも1つ有することを特徴とする有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 前記厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少する成分傾斜構造が、厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少するように組成比を変化させた有機重合体及び金属アルコキシド化合物の少なくともいずれかを含む溶液もしくは湿潤ゲルを複数回塗布することにより形成されたものである請求項1記載の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 前記有機重合体の数平均分子量が2000〜10000の範囲である請求項1記載の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 前記有機重合体の主骨格がポリカーボネートあるいはポリアリレートである請求項3記載の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 前記金属酸化物が金属アルコキシド化合物あるいはその低縮合物の加水分解および重縮合反応により得られたものである請求項1記載の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 前記金属酸化物の金属元素がSi、TiおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 前記金属酸化物の金属元素がSiである請求項1記載の有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料。
- 表面を有する基材を提供する工程;及び
基材の表面上に、厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少するように、有機重合体及び金属アルコキシド化合物の少なくともいずれかを含む溶液もしくは湿潤ゲルの層を形成する工程であって、前記有機重合体がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルエーテルケトンからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ金属アルコキシ基を少なくとも1つ有するものである工程;
を包含する有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料の製造方法。 - (i)表面を有する基材を提供する工程;
(ii)基材の表面上に、所定の組成比で有機重合体及び金属アルコキシドの少なくともいずれかを含む溶液もしくは湿潤ゲルを塗布する工程;
(iii)厚み方向に有機重合体成分又は金属酸化物成分の濃度が増加又は減少するように変化させた組成比で有機重合体及び金属アルコキシド化合物の少なくともいずれかを含む溶液もしくは湿潤ゲルを塗布する工程;及び
(iv)(iii)工程を少なくとも1回繰り返す工程;
を包含し、前記有機重合体がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルエーテルケトンからなる群から選ばれる少な くとも一種であり、かつ金属アルコキシ基を少なくとも1つ有することを特徴とする有機−無機ハイブリッド成分傾斜高分子材料の製造方法。
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