JP4214203B2 - 有機−無機複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種プラスチック材料、樹脂添加物および塗料材等に有用な有機−無機複合材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックは成形加工性、高生産性、軽量性、柔軟性、優れた機械的特性や電気的特性等によって金属、ガラス、木材、紙等の既存材料と次々と置き替わっている。その使用範囲は広く、建築資材、電気、電子製品の構造部品や機構部品、自動車、車両、航空機、船舶の外装や内装部品、日常雑貨、包装材等、多岐にわたって用いられている。このためプラスチックの種類は多く、様々なタイプのものが市販されている。
【0003】
しかし、市場からの各種特性の向上やコストに対する要求は大きく、異なるプラスチック同士のアロイ化や他の材料との複合化が盛んに行われている。例えば、機械的特性や耐熱性、寸法安定性等の向上については、ガラス繊維やカーボン繊維をはじめとする無機材料を配合した有機−無機複合材料が検討され、この技術によって強度や短期における耐熱変形性、寸法安定性等は改善された。
【0004】
しかし、プラスチックと無機材料は一般に非相溶であり、両者を微分散させることは容易ではないため有機−無機複合材料における無機材料の分散粒子系は一般にマイクロメータオーダーまでである。粒子の大きさは引張強さのような強度には大きな影響を与え、粒子が大きくなるにつれて強度は小さくなることより(L.E.Nielsen著、高分子と複合材料の力学的性質、253頁)、自ずと上記のような有機−無機複合材料の強度の改良には、限界が生じてくる。また、プラスチックの種類(ABS樹脂、ポリアミド6−6、ポリカーボネート、ポリアセタール、全芳香族ポリエステル等)によっては界面強度が低下し、衝撃強度が低くなるといった新たな問題も生まれた。
【0005】
一方、プラスチックの表面硬度、光沢、耐汚染性、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等の諸物性を向上させるためにSi、Ti、Zrのような無機元素を骨格に導入した有機−無機ハイブリッド高分子材料の研究が行われている。
【0006】
有機−無機ハイブリッド高分子材料の各成分の分散粒子径はサブミクロンからナノメータオーダー以下であり、分子レベルでの分散も可能である。その調製方法としては、有機単量体や有機重合体とアルキルシロキサンのような無機骨格含有化合物とをラジカル共重合させる方法および有機重合体に側鎖としてアルコキシシランのような無機官能基を結合させて、その後これを架橋させる方法等が知られている。
【0007】
例えば、特開平5−43679号公報および特開平5−86188号公報には、ビニル重合体とケイ素化合物とを反応させた後、ゾルーゲル法によってこれらを架橋して有機−無機ハイブリッド高分子材料を得る方法が記載されている。
【0008】
特開平8−104710号公報および特開平8−104711号公報には、アルコキシシリル基末端アゾ系開始剤を用いてビニル単量体をラジカル重合させ、得られるアルコキシシリル基末端ビニル重合体を加水分解、縮合して有機−無機ハイブリッド高分子材料を得る方法が記載されている。
【0009】
これらには、ビニル重合体としてポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂等が記載されている。しかしながら、ビニル重合体は耐熱性および機械的強度が低く、工業用プラスチック材料、特に構造材料やハードコート材に用いるには不適切である。
【0010】
また、Macromolecules、第25巻、第4309頁、1992年には、ポリアルキレンオキサイドの主鎖にアルコキシシリル基を結合させ、次いで加水分解、縮合する方法が記載されている。更に、Macromol.Chem.Macromol.Symp.第42/43巻、第303頁、1991年には、上記主鎖としてポリオキサゾリンが、J.Inorg.Organomet.Polym.第5巻、第4頁、1995年にはポリアミンが、そしてJ.Appl.Polym.Sci.第58巻、第1263頁、1995年にはセルロース重合体が記載されている。しかしながら、これら先行技術で主鎖として開示されている重合体は全て親水性である。親水性重合体は吸湿性であり、耐水性に乏しいのでプラスチック成形品、シーリング材、塗料の原料、構造材料およびハードコート材等に用いるには不適切である。
【0011】
そこで、我々は鋭意検討を進めた結果、耐熱性、機械的強度および耐水性に優れ、工業用プラスチックとしても応用範囲が広いエンジニアリングプラスチックを用いた有機−無機ハイブリッド高分子材料の開発に成功した(特願平9−327842、特願平10−56625)。得られた有機−無機ハイブリッド高分子材料の特性評価を行ったところ、市販のエンジニアリングプラスチックよりも更に高い耐熱性、表面硬度、機械的強度等を示し、たいへん有用な材料であることが確認された。
【0012】
しかしながら、上記した有機−無機ハイブリッド高分子材料を市販されているそれぞれのホモポリマーと比較すると、特性は大きく向上しているもののコスト面ではかなり高価となり、特殊な用途を除いてはあまり実用的ではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは機械的特性および耐水性が高く、低コストで、高性能および高機能プラスチック材料に用いるのに適する有機−無機複合材料、およびその簡便かつ実用的な製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第2の有機重合体のマトリックスとその中に均一に微分散された金属酸化物粒子と上記金属酸化物粒子を上記第2の有機重合体の中に均一に微分散させるための界面改質剤とを含有する有機−無機複合材料において、上記界面改質剤が上記金属酸化物の表面と結合可能な官能基を有する第1の有機重合体である有機−無機複合材料を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
本発明の有機−無機複合材料は、(1)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子であって、上記金属酸化物粒子の表面に上記金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基を有する第1の有機重合体が共有結合しているものを提供する工程;及び(2)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子と第2の有機重合体とを混合して、この金属酸化物粒子を第2の有機重合体のマトリックス中に均一に微分散させる工程;を包含する方法により製造することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一局面は、まず金属アルコキシド化合物(B)とその金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基を分子内に少なくとも1個有する第1の有機重合体(A)とを有機溶剤中に溶解させ、その状態でゾルーゲル法によって加水分解、重縮合することにより、金属酸化物粒子(C)の表面に第1の有機重合体(A)が共有結合し、改質された金属酸化物粒子(D)を作製する。次にこの分散液中に有機−無機複合材料のマトリックスとなる第2の有機重合体(E)を投入し、よく混合することによって、第2の有機重合体(E)中に改質された金属酸化物粒子(D)が均一かつ微細に分散した有機−無機複合材料(F)を得ることである。
【0017】
他の好ましい局面は、まず金属アルコキシド化合物(B)とその金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基を少なくとも1個有する第1の有機重合体(A)とを混合し、これをブラベンダー等の混合機で加熱混合することによって反応させることにより、金属酸化物粒子(C)の表面に第1の有機重合体(A)が共有結合し、改質された金属酸化物粒子(D)を作製する。次に混合機中に有機−無機複合材料のマトリックスとなる第2の有機重合体(E)を投入し、加熱下、よく混合することによって第2の有機重合体(E)中に改質された金属酸化物粒子(D)が均一かつ微細に分散した有機−無機複合材料(F)を得ることである。
【0018】
更に他の局面では、上記金属アルコキシド化合物(B)の代わりに表面に水酸基(金属水酸化物基)を有する金属酸化物粒子(C)を用いて同様の操作を行い、第2の有機重合体(E)中に第1の有機重合体(A)で改質された金属酸化物粒子(D)が均一かつ微細に分散した有機−無機複合材料(F)を得ることができる。
【0019】
第1の有機重合体(A)
本発明において、金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基を分子内に有する第1の有機重合体(A)は、有機−無機複合材料(F)のマトリックスを構成する第2の有機重合体(E)と金属酸化物粒子(C)とをなじませる目的、すなわち界面改質剤として用いるものである。
【0020】
従って、第1の有機重合体(A)は、一般には非相溶な第2の有機重合体(E)と金属酸化物粒子(C)との両者に親和性を示す必要がある。第1の有機重合体(A)はいかなる方法で合成されたものであっても良い。
【0021】
第1の有機重合体(A)は、第2の有機重合体(E)と親和性を示す主骨格を有することが好ましい。
【0022】
第1の有機重合体(A)の主骨格としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー前駆体、またはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂前駆体等が挙げられる。
【0023】
この中でも熱可塑性樹脂が好ましく、高性能という点ではポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレート等のエンジニアリングプラスチックがより好ましい。
【0024】
第1の有機重合体(A)は上述したような重合体や前駆体の1成分を主骨格としたものでも良く、これら多成分の共重合体骨格でも良い。また、複数種を混合したものでも良く、分岐状、線状いずれの形状でも良い。
【0025】
第1の有機重合体(A)の分子量は第2の有機重合体(E)に良好な相溶性を示す程度とすることが好ましい。一般には数平均分子量約500〜50000、好ましくは約1000〜15000、更に好ましくは約2000〜8000である。
【0026】
第1の有機重合体(A)は金属酸化物粒子(C)と親和性を示す官能基を有することが好ましい。この官能基は金属酸化物粒子の表面と結合可能であることが好ましい。一般に、金属酸化物の表面は極性であり、水酸基や金属水酸化物が多数存在する。従って、この官能基は極性基であることが好ましく、水酸基や金属水酸化物基と反応可能な基であることが特に好ましい。
【0027】
以下に説明するように、金属アルコキシド化合物(B)及び第1の有機重合体(A)の混合組成物を溶液中でゾルーゲル法によって加水分解、重縮合することにより、金属酸化物の表面に第1の有機重合体が共有結合し、改質された金属酸化物粒子(D)を作製する場合は、第1の有機重合体(A)の官能基は金属アルコキシ基と反応可能なものであることが好ましい。
【0028】
第1の有機重合体(A)の官能基は、具体的には金属アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられ、特に金属アルコキシ基が好ましい。
【0029】
第1の有機重合体(A)の官能基当量は1〜100、好ましくは1〜50更に好ましくは2〜10である。第1の有機重合体(A)の官能基当量が1を下回ると金属酸化物表面への結合が不充分となるために材料の性能が低下する可能性があり、100を上回ると金属酸化物粒子(C)が微細化せず、材料がもろくなる可能性がある。1分子の第1の有機重合体(A)が有する官能基は全て同一でも良く、複数種であっても良い。
【0030】
金属酸化物粒子(C)
本発明では、金属酸化物粒子(C)の粒子表面には第1の有機重合体(A)の官能基と親和性を示す官能基が存在する必要がある。かかる官能基は、一般には活性な水酸基や金属水酸化物基である。
【0031】
この条件さえ満たせば、金属酸化物粒子(C)は金属アルコキシド化合物(B)を加水分解、重縮合して調製されたものでも、市販されている金属酸化物粒子を用いても構わない。特に、金属アルコキシド化合物(B)を加水分解及び重縮合することにより調製された金属酸化物粒子(C)は、表面及び内部に水酸基等を多数有するため好ましい。金属元素としては、金属アルコキシド化合物(B)と同様なSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、W等が挙げられる。
【0032】
これらの金属酸化物粒子の具体例としては、酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化チタン(チタニア)粒子、酸化ジルコニウム(ジルコニア)粒子等が挙げられる。粒子の形状や結晶系はいかなるものでも良い。粒径は細かいものほど良く、1μm以下、好ましくは0.1μm以下、例えば、0.001〜0.05μm、0.001〜0.1μmである。また、これらの金属酸化物粒子(C)は1種類だけでも良く、2種以上を併用しても良い。1分子内に2種以上の金属元素が含まれているような金属酸化物を用いても良い。
【0033】
第2の有機重合体(E)
本発明において、材料のマトリックスとなる第2の有機重合体(E)は最も使用量が多い成分であり、その構造は特に特定されないが、有機−無機複合材料のマトリックスとした場合に、各種プラスチック材料として十分な強度を提供できるものである必要がある。第2の有機重合体(E)はいかなる方法で合成されたものであっても良い。
【0034】
また、第2の有機重合体(E)は界面改質剤として使用する第1の有機重合体(A)の主骨格と少なくとも親和性を有するものであれば良く、必ずしも第1の有機重合体(A)と同一の骨格である必要はない。コスト面を考慮すると第2の有機重合体(E)は市販の有機重合体であることが望ましい。
【0035】
第2の有機重合体(E)の主骨格としては、具体的には
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、
ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、
ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー前駆体、または
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂前駆体が挙げられる。
【0036】
この中でも熱可塑性樹脂が好ましく、高性能という点ではポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレート等のエンジニアリングプラスチックがより好ましい。
【0037】
第2の有機重合体(E)は上述したような重合体や前駆体の1成分を主骨格としたものでも良く、これら多成分の共重合体骨格でも良い。また、複数種を混合したものでも良く、分岐状、線状いずれの形状でも良い。
【0038】
第2の有機重合体(E)の分子量は、有機−無機複合材料のマトリックスとした場合に、各種プラスチック材料として十分な強度を提供できる程度とする必要がある。一般には数平均分子量約500〜100000、好ましくは約1000〜50000、更に好ましくは約10000〜50000である。
【0039】
第2の有機重合体(E)は官能基を有していても有していなくてもどちらでも構わない。
【0040】
改質された金属酸化物粒子(D)
本発明において、金属酸化物粒子(C)の表面に第1の有機重合体(A)が共有結合し、改質された金属酸化物粒子(D)は、金属酸化物粒子(C)を第2の有機重合体(E)中に均一かつ微細に分散する目的で作製するものである。
【0041】
すなわち、第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)や金属酸化物粒子(C)の重量比や合成条件を工夫することによって金属酸化物粒子(C)の表面に第1の有機重合体(A)を共有結合させる。その結果、通常非相溶である有機重合体と金属酸化物とを固定化できる。
【0042】
このような改質された金属酸化物粒子(D)を作製することによって、マトリックスとなる第2の有機重合体(E)中に金属酸化物を均一かつ微細に分散させることが可能となる。金属酸化物粒子(D)はいかなる方法で製造したものであっても良い。
【0043】
しかし、その製造方法の具体例を挙げれば、例えば第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)の混合組成物をゾルーゲル反応を用いて加水分解、重縮合する方法がある。
【0044】
金属アルコキシド化合物(B)としては、あらゆるタイプのものも用いることができる。その中でも好ましいものは、式(1)
ApM (1)
[Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基、
MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaおよびW等からなる群、好ましくはSi、Ti、Zrからなる群から選択される金属元素、
pは2〜6の整数を示す。]
で表される化合物である。
【0045】
具体的には、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、
テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類、
テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のテトラアルコキシジルコニウム類、および
ジメトキシ銅、ジエトキシバリウム、トリメトキシホウ素、トリエトキシガリウム、トリブトキシアルミニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラブトキシ鉛、ペンタn−プロポキシタンタル、ヘキサエトキシタングステン等の金属アルコキシド類が挙げられる。
【0046】
金属アルコキシド化合物(B)の他の例は、式(2)
RkAlM(R’mX)n (2)
[Rは水素か炭素数1〜12、好ましくは1〜5のアルキル基またはフェニル基、
Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基、
MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaおよびW等からなる群、好ましくはSi、Ti、Zrからなる群から選択される金属元素、
R’は炭素数1〜4、好ましくは2〜4のアルキレン基またはアルキリデン基、
Xはイソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アミノ基、 チオール基、ビニル基、メタクリル基、ハロゲン基等の一般的な官能基、
kは0〜5の整数、lは1〜5の整数、mは0または1、nは0〜5の整数を示す]
で表される化合物である。
【0047】
Siを例に取り、具体的に例示すれば、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリn−プロポキシシラン
ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジイソプロポキシシラン
モノメトキシシラン、モノエトキシシラン、モノブトキシシラン
メチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、
ジメチルメトキシシラン、ジイソプロピルイソプロポキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリn−プロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、
ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジブチルジブトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシラン、
トリn−プロピルn−プロポキシシラン、トリブチルブトキシシラン、
フェニルトリメトキシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン
等の(アルキル)アルコキシシラン、
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアネートエチルトリn−プロポキシシラン、
3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、
2−イソシアネートエチルエチルジブトキシシラン、
3−イソシアネートプロピルジメチルイソプロポキシシラン、
2−イソシアネートエチルジエチルブトキシシラン、
ジ(3−イソシアネートプロピル)ジエトキシシラン、
ジ(3−イソシアネートプロピル)メチルエトキシシラン、
エトキシシラントリイソシアネート
等のイソシアネート基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン
等のエポキシ基を有する(アルキル)アルコキシシラン
カルボキシメチルトリエトキシシラン、
カルボキシメチルエチルジエトキシシラン、
カルボキシエチルジメチルメトキシシラン
等のカルボキシル基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−(トリエトキシシリル)−2−メチルプロピルコハク酸無水物
等の酸無水物基を有するアルコキシシラン
2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリエトキシシラン
等の酸ハロゲン化物基を有するアルコキシシラン
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
等のアミノ基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
2−メルカプトエチルトリエトキシシラン
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
等のチオール基を有する(アルキル)アルコキシシラン
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン
等のビニル基を有する(アルキル)アルコキシシラン
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−メタクリロキシピロピルメチルジメチルシラン
等のメタクリル基を有する(アルキル)アルコキシシラン
トリエトキシフルオロシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
2−クロロエチルメチルジメトキシシラン
等のハロゲン基を有する(アルキル)アルコキシシラン
を挙げることができる。
【0048】
もちろんSiだけではなく、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaやW等の他の金属においても同様の化合物を例示することができる。
【0049】
これらの金属アルコキシド化合物(B)は1種類だけでも良く、2種以上を併用しても良い。また、Mg[Al(iso-OC3H7)4]2、Ba[Zr2(OC2H5)9]2、(C3H7O)2Zr[Al(OC3H7)4]2等の1分子内に2種以上の金属元素が含まれているような金属アルコキシド化合物やテトラメトキシシランオリゴマーやテトラエトキシシランオリゴマー等の1分子内に2個以上の繰り返し単位を有するオリゴマータイプの金属アルコキシド化合物を用いても良い。また、アルコキシ基がアセトキシ基やアセチルアセトキシ基であっても良い。
【0050】
ゾルーゲル法による加水分解、重縮合とは、金属アルコキシド化合物あるいは金属アルコキシ基を有する重合体を水と反応させることでアルコキシ基を水酸基に変換し、次いでこの水酸基を同時進行的に重縮合させることによりヒドロキシ金属基(金属水酸化物基、例えば−SiOH)を有する化合物あるいは重合体が脱水反応あるいは隣接した分子と脱アルコール反応を生じ、無機的な共有結合を介して3次元的に架橋する反応を言う。この際、重縮合反応はふたつのヒドロキシ金属基の脱水反応が最も起こりやすいが、それだけではなく、他の水酸基やアミノ基、カルボキシル基等の活性水素を有する官能基とも起こりうる。
【0051】
加水分解反応に用いられる水は、全てのアルコキシ基を水酸基に変換するために必要な量を添加しても良いし、反応系中の水分を利用したり、大気中の水分を吸湿させて行っても良い。反応条件としては、室温〜100℃で0.5〜24時間程度が望ましい。またその際、塩酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)等の塩基性触媒を用いても良い。
【0052】
更に縮合反応を進め、架橋をより強固なものとしたい場合には、その後50〜500℃で5分〜48時間程度、熱処理を行う。
【0053】
ゾルーゲル反応に用いられる溶媒を具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤および上記した溶剤の混合溶剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般的にはアルコール系溶剤のような極性溶剤が用いられることが多い。
【0054】
その他の製造例としては、第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)をブラベンダー等の混合機で加熱しながら混合する方法が挙げられる。混合時の温度は第1の有機重合体(A)の成形温度あるいは軟化および溶融する温度が望ましい。具体的には100〜450℃、より好ましくは150〜300℃程度である。このような温度下では、第1の有機重合体(A)および金属アルコキシド化合物(B)の金属アルコキシ基はゾルーゲル反応を用いた場合と同様の反応を生じ、最終的には無機的な共有結合を介して3次元的に架橋する。混合時間は1〜60分程度が望ましい。また、ゾルーゲル反応で用いるような酸性触媒や塩基性触媒を添加しても良い。
【0055】
本発明における加水分解、重縮合過程では、第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)を溶媒中であらかじめ混合溶解した後、ゾルーゲル反応を行っても良いし、先にどちらか一方の成分、好ましくは金属アルコキシド化合物(B)を加水分解した後、他方を添加し、続けて加水分解を行っても良い。
【0056】
混合機を用いた方法でも同様であり、第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)をあらかじめ混合した後、処理しても良いし、先にどちらか一方の成分、好ましくは金属アルコキシド化合物(B)を投入した後、他方を添加して処理を行っても良い。このような方法で作製した改質された金属酸化物粒子(D)は、金属酸化物の表面に有機重合体が共有結合している。
【0057】
第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)との重量比は10:90〜99:1、好ましくは30:70〜90:10、より好ましくは50:50〜90:10である。第1の有機重合体(A)の使用量が少なすぎると金属酸化物表面への結合が不充分となるために材料の特性が低下する可能性がある。また、金属アルコキシド化合物(B)の使用量が少なすぎると材料への特性付与が行えなくなる可能性がある。
【0058】
また、金属アルコキシド化合物(B)の代わりに粒子表面に水酸基(金属水酸化物基)を有する金属酸化物粒子(C)を用いても良い。一般に金属酸化物の表面に存在する水酸基(金属水酸化物基)は活性であるため、加熱等の処理を行うことにより第1の有機重合体(A)中の官能基と容易に縮合反応を生じ、共有結合を形成することができる。
【0059】
有機−無機複合材料(F)
本発明における有機−無機複合材料(F)は、金属アルコキシド化合物(B)や金属酸化物粒子(C)と反応可能な官能基を分子内に少なくとも1個有する第1の有機重合体(A)を界面改質剤として用い、金属酸化物粒子(C)の表面に第1の有機重合体(A)が共有結合をし、改質された金属酸化物粒子(D)を提供し、これをマトリックスとなる第2の有機重合体(E)中に均一に微分散させることにより得ることができる。
【0060】
第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)あるいは金属酸化物粒子(C)との重量比は10:90〜99:1、好ましくは30:70〜90:10、より好ましくは50:50〜90:10である。第1の有機重合体(A)の使用量が少なすぎると金属酸化物表面への結合が不充分となるために材料の特性が低下する可能性がある。また、金属アルコキシド化合物(B)や金属酸化物粒子(C)の使用量が少なすぎると材料への特性付与が行えなくなる可能性がある。
【0061】
改質された金属酸化物粒子(D)と第2の有機重合体(E)の重量比には特に制限はないが、コスト面を考慮すると第2の有機重合体(E)の含有率は50%以上、更には70%以上であることが好ましい。また、材料への特性付与という点を考慮すると改質された金属酸化物粒子(D)の含有率は、5%以上、より好ましくは10%以上である。
【0062】
また、第1の有機重合体(A)および第2の有機重合体(E)の総量と、金属酸化物粒子(C)および金属アルコキシド化合物(B)の総量との重量比は99:1〜30:70であることが好ましい。
【0063】
有機−無機複合材料(F)の製造方法の具体例を挙げれば、例えばまず金属アルコキシド化合物(B)およびその金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基を分子内に少なくとも1個有する第1の有機重合体(A)の混合組成物を溶液中でゾルーゲル法によって加水分解、重縮合することにより、金属酸化物の表面に有機重合体が共有結合した改質された金属酸化物粒子(D)を作製する。
【0064】
次にこの溶液中に材料のマトリックスとなる第2の有機重合体(E)を投入し、よく混合することによって有機−無機複合材料(F)を得る方法が挙げられる。
【0065】
他の方法としては、第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)をブラベンダー等の混合機で加熱混合することによって反応させ、改質された金属酸化物粒子(D)を作製し、その後、混合機中にマトリックスとなる第2の有機重合体(E)を投入し、加熱しながらよく混合することによって有機−無機複合材料(F)を得る方法が挙げられる。
【0066】
また、金属アルコキシド化合物(B)の代わりに金属酸化物粒子(C)を用いても有機−無機複合材料(F)を得ることができる。
【0067】
もちろん、第1の有機重合体(A)と金属アルコキシド化合物(B)や金属酸化物粒子(C)からあらかじめ作製した改質された金属酸化物粒子(D)を後で第2の有機重合体(E)と混合することによって有機−無機複合材料(F)を作製しても構わない。有機−無機複合材料(F)を作製するためのより具体的な方法を以下に例示する。
【0068】
(1)金属アルコキシド化合物およびその金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基を有する第1の有機重合体を有機溶剤に溶解する工程;
(2)酸性触媒または塩基性触媒を含む水溶液を加え、金属アルコキシド化合物および有機重合体中の官能基を加水分解および重縮合させて、第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を提供する工程;
(3)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を、第2の有機重合体を溶解した有機溶液中に均一に微分散させる工程;および
(4)乾燥または加熱して溶剤を除去する工程;を包含する方法。
【0069】
(1)金属アルコキシド化合物を溶解した有機溶剤に酸性触媒または塩基性触媒を含む水溶液を加え、金属アルコキシド化合物を加水分解および部分的に重縮合させて金属酸化物粒子を提供する工程;
(2)この金属酸化物粒子を金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基を有する第1の有機重合体を溶解した有機溶剤と混合する工程;
(3)酸性触媒または塩基性触媒を含む水溶液を加え、金属酸化物粒子の表面および有機重合体中の官能基を加水分解および重縮合させて、第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を提供する工程;
(4)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を、第2の有機重合体を溶解した有機溶剤中に均一に微分散させる工程;および
(5)乾燥または加熱して溶剤を除去する工程;を包含する方法。
【0070】
(1)金属アルコキシド化合物と上記金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基を有する第1の有機重合体とを加熱式混合装置で混合および加熱して、第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を提供する工程;及び
(2)更に第2の有機重合体を添加し、混合および加熱する工程;を包含する方法。
【0071】
(1)表面に水酸基(金属水酸化物基)を有する金属酸化物粒子を提供する工程;
(2)上記金属酸化物粒子と、水酸基(金属水酸化物基)と反応可能な官能基を有する第1の有機重合体とを、有機溶剤中で混合して、第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を提供する工程;
(3)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を第2の有機重合体を溶解した有機溶剤中に均一に微分散させる工程;および
(4)乾燥または加熱して溶剤を除去する工程;を包含する方法。
【0072】
(1)表面に水酸基(金属水酸化物基)を有する金属酸化物粒子を提供する工程;
(2)上記金属酸化物粒子と、水酸基(金属水酸化物基)と反応可能な官能基を有する第1の有機重合体とを、有機溶剤中で混合して、第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を提供する工程;
(3)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子と第2の有機重合体とを加熱式混合装置を使用して、混合および加熱する工程;を包含する方法。
【0073】
(1)表面に水酸基(金属水酸化物基)を有する金属酸化物粒子を提供する工程;
(2)粒子表面に水酸基(金属水酸化物基)を有する金属酸化物と水酸基(金属水酸化物基)と反応可能な官能基を有する第1の有機重合体とを加熱式混合装置で混合及び加熱して、第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子を提供する工程;及び
(3)更に第2の有機重合体を添加し、混合および加熱する工程;を包含する方法。
【0074】
このような方法で作製した有機−無機複合材料は有機重合体と共有結合した金属酸化物粒子が有機重合体中に均一かつ微細に分散した高性能、高機能な材料となる。
【0075】
更に本発明の有機−無機複合材料は、中間生成物である改質された金属酸化物粒子(D)の製造工程からブラベンダー等の混合機や射出成形、押出成形等の一般の成形加工機を使用することが可能であり、より実用的である。その形態は塗膜の他、糸、フィルム、球状、ブロック等の各種形状の成形体であるものを含む。
【0076】
本発明における全ての工程において強度、硬度、耐候性、耐薬品性、難燃性、帯電防止性等の機能を向上または新たに付与する目的で無機物含有量や重合体間の架橋密度を調整するためにSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、W等の金属、金属酸化物、金属錯体、無機塩等を共存させても良い。また、ゲル化、乾燥、熱処理の際に生じる可能性があるクラックを抑制するためにホルムアミドやジメチルホルムアミド、ジオキサン、シュウ酸等を乾燥抑制剤として加えても良いし、添加物としてアセチルアセトン等を加えても良い。
【0077】
本発明の有機−無機複合材料には、無機材料が有する機械的強度、耐熱性、耐候性、表面硬度、剛性、耐水性、耐薬品性、耐汚染性、難燃性等の特性が有機重合体に良好に付与されている。言い換えれば、有機重合体が有する耐衝撃性、柔軟性、加工性および軽量性等の特性が無機材料に良好に付与されている。
【0078】
【発明の効果】
本発明により高性能および高機能プラスチック材料、プラスチック成形品もしくはフィルム、シーリング材、接着剤・塗料用バインダー、構造材料、光学材料、樹脂添加物、表面改質材、ハードコート材、電気・電子材料、医療材料または充填剤等に用いるのに適する有機−無機複合材料が提供される。
【0079】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0080】
合成例1
数平均分子量3900、および水酸基当量1.8のポリカーボネートジオール70.0gをクロロホルム500mLに溶解させ、その後この溶液に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン13.3gを添加し、還流下で10時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール7L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率97%)。
【0081】
1H−NMR測定により得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリカーボネート(PCS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.8であった。またGPCの結果、この生成物の数平均分子量は4400であった。
【0082】
合成例2
数平均分子量5200、および水酸基当量1.7のポリサルホンジオール26.0gをクロロホルム300mLに溶解し、その後この溶液に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン3.5gを添加し、還流下で11時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール3L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率96%)。
【0083】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリサルホン(PSS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.7であった。またGPCの結果、この生成物の数平均分子量は6000であった。
【0084】
合成例3
数平均分子量6100、および水酸基当量1.6のポリアリレートジオール30.5gをクロロホルム300mLに溶解し、その後この溶液に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン3.2gを添加し、還流下で15時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノール3L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率96%)。
【0085】
1H−NMR測定より得られた生成物は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエトキシシリル化ポリアリレート(PAS)であることを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.6であった。またGPCの結果、この生成物の数平均分子量は6700であった。
【0086】
実施例1
合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS0.40gとテトラエトキシシラン(TEOS)0.20gをテトラヒドロフラン(THF)10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.10gを添加し、1時間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量36000の三菱エンジニアリングプラスチックス製のポリカーボネート樹脂「Iupilon」2.00gをジクロロメタン40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0087】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリカーボネート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、透明なシリカ/ポリカーボネート系フィルムを得た。
【0088】
実施例2
TEOS1.00gをTHF10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.35gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液を合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS1.00gをTHF20mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、1N−塩酸水0.05gを添加した後、1時間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量24000のポリカーボネート樹脂2.00gをTHF40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0089】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリカーボネート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、良好なシリカ/ポリカーボネート系フィルムを得た。
【0090】
実施例3
TEOS2.00gをTHF20mlに溶解した後、1N−塩酸水0.70gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液を合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS2.00gをTHF40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、1N−塩酸水0.10gを添加した後、1時間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量36000のポリカーボネート樹脂2.00gをジクロロメタン40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0091】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリカーボネート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、良好なシリカ/ポリカーボネート系フィルムを得た。
【0092】
実施例4
合成例2で作製した数平均分子量6000のPSS0.40gと三菱化学製テトラメトキシシランオリゴマーMKCシリケートMS−56(TMOS)0.20gをTHF10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.10gを添加し、1時間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量22000のアルドリッチ製のポリサルホン樹脂2.00gをクロロホルム40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0093】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリサルホン系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、透明なシリカ/ポリサルホン系フィルムを得た。
【0094】
実施例5
TMOS2.00gをTHF20mlに溶解した後、1N−塩酸水0.72gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液を合成例2で作製した数平均分子量6000のPSS2.00gをTHF40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、1N−塩酸水0.07gを添加した後、1時間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量22000のポリサルホン樹脂2.00gをクロロホルム40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0095】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリサルホン系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、良好なシリカ/ポリサルホン系フィルムを得た。
【0096】
実施例6
合成例3で作製した数平均分子量6700のPAS0.40gとTMOS0.20gをTHF10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.10gを添加し、1時間強撹拌を行った。この溶液をユニチカ製のポリアリレート樹脂「U−ポリマー」2.00gをジクロロメタン40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0097】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリアリレート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、透明なシリカ/ポリアリレート系フィルムを得た。
【0098】
実施例7
TMOS2.00gをTHF20mlに溶解した後、1N−塩酸水0.72gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液を合成例3で作製した数平均分子量6700のPAS2.00gをTHF40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、1N−塩酸水0.06gを添加した後、1時間強撹拌を行った。この溶液をポリアリレート樹脂2.00gをジクロロメタン40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0099】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリアリレート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、良好なシリカ/ポリアリレート系フィルムを得た。
【0100】
実施例8
合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS15.0gとTEOS15.0gの混合物をハーケ製ブラベンダーHBIシステム90型に投入し、200℃で10分間混合した。次に数平均分子量36000のポリカーボネート樹脂20.0gを添加し、280℃で更に10分間混合することによりシリカ/ポリカーボネート系複合材料を得た。
【0101】
実施例9
合成例2で作製した数平均分子量6000のPSS15.0gとTMOS15.0gの混合物をハーケ製ブラベンダーHBIシステム90型に投入し、220℃で10分間混合した。次に数平均分子量22000のポリサルホン樹脂20.0gを添加し、330℃で更に10分間混合することによりシリカ/ポリサルホン系複合材料を得た。
【0102】
実施例10
合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS1.1g、アルドリッチ製のシリカ(fumed)3.0g、トルエン100mLを200mL容フラスコに投入し、撹拌を行いながら、還流下で24時間処理した。その後、トルエンを留去し、4.2gの白色物を得た。この白色物0.2gを数平均分子量24000のポリカーボネート樹脂3.0gをジクロロメタン60mLに溶解した溶液に添加し、30分間撹拌を行った。
【0103】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、シリカ/ポリカーボネート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、良好なシリカ/ポリカーボネート系フィルムを得た。
【0104】
実施例11
合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS1.1g、チタン工業製の超微粒子酸化チタンST−300(粒子径0.05μm以下)4.0g、トルエン100mLを200mL容フラスコに投入し、撹拌を行いながら、還流下で24時間処理した。その後、トルエンを留去し、5.1gの白色物を得た。この白色物0.2gを数平均分子量24000のポリカーボネート樹脂3.0gをジクロロメタン60mLに溶解した溶液に添加し、30分間撹拌を行った。
【0105】
得られた溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基板(厚さ2mm)上にコーティングして、チタニア/ポリカーボネート系コーティングフィルムを得た。また、溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、良好なチタニア/ポリカーボネート系フィルムを得た。
【0106】
実施例12
合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS11.0g、アルドリッチ製のシリカ(fumed) 30.0gをハーケ製ブラベンダーHBIシステム90型に投入し、200℃で10分間混合した後、取り出して40.5gの白色物を得た。次にこの白色物2.7gと数平均分子量24000のポリカーボネート樹脂40.0gを再度、ブラベンダーに投入し、280℃で10分間混合することによりシリカ/ポリカーボネート系複合材料を得た。
【0107】
実施例13
合成例1で作製した数平均分子量4400のPCS11.0g、チタン工業製の超微粒子酸化チタンST−300(粒子径0.05μm以下)40.0gをハーケ製ブラベンダーHBIシステム90型に投入し、200℃で10分間混合した後、取り出して50.6gの白色物を得た。次にこの白色物2.7gと数平均分子量24000のポリカーボネート樹脂40.0gを再度、ブラベンダーに投入し、280℃で10分間混合することによりチタニア/ポリカーボネート系複合材料を得た。
【0108】
実施例14
実施例10においてPCSとシリカを処理することにより得られた白色物3.0gと数平均分子量36000のポリカーボネート樹脂40.0gをハーケ製ブラベンダーHBIシステム90型に投入し、280℃で10分間混合することによりシリカ/ポリカーボネート系複合材料を得た。
【0109】
実施例15
実施例11においてPCSと酸化チタンを処理することにより得られた白色物3.0gと数平均分子量36000のポリカーボネート樹脂40.0gをハーケ製ブラベンダーHBIシステム90型に投入し、280℃で10分間混合することによりチタニア/ポリカーボネート系複合材料を得た。
【0110】
比較例1
TEOS1.00gをTHF10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.35gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量36000のポリカーボネート樹脂2.00gをTHF40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0111】
得られた溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、白色でもろいシリカ/ポリカーボネート系フィルムを得た。
【0112】
比較例2
TMOS1.00gをTHF10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.36gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液を数平均分子量22000のポリサルホン樹脂2.00gをクロロホルム40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0113】
得られた溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、白色でもろいシリカ/ポリサルホン系フィルムを得た。
【0114】
比較例3
TMOS1.00gをTHF10mlに溶解した後、1N−塩酸水0.36gを添加し、10分間強撹拌を行った。この溶液をポリアリレート樹脂2.00gをジクロロメタン40mlに溶解した溶液に徐々に滴下し、更に1時間撹拌を行った。
【0115】
得られた溶液をバット上にキャストして溶剤分を蒸発させ、白色でもろいシリカ/ポリアリレート系フィルムを得た。
【0116】
走査型電子顕微鏡(SEM)観察
実施例1〜7および比較例1〜3で得られたフィルムの断面のSEM観察を行った。装置は日本電子製のJSM−5800LVC型を用いた。
【0117】
その結果、比較例1で得られたシリカ/ポリカーボネート系フィルム、比較例2で得られたシリカ/ポリサルホン系フィルムおよび比較例3で得られたシリカ/ポリアリレート系フィルムでは、シリカ成分と有機重合体成分のマクロ相分離に伴う数μm〜10μm以上のサイズの空孔が無数に観察され、隙間だらけの内部構造であった。
【0118】
これに対して、実施例1〜3で得られた本発明のシリカ/ポリカーボネート系フィルム、実施例4と5で得られたシリカ/ポリサルホン系フィルムおよび実施例6と7で得られたシリカ/ポリアリレート系フィルムでは、2成分のマクロな相分離は観られず、均一な内部構造であった。
【0119】
比較例1のシリカ/ポリカーボネート系フィルムのSEM写真を図1に、実施例2のシリカ/ポリカーボネート系フィルムのSEM写真を図2に示した。
【0120】
また、元素分析を用いてフィルム内部におけるSi元素の面分析を行ったところ、実施例1〜7の全てのフィルムでSi元素が均一に分布していた。
【0121】
これらの結果より、本発明の有機−無機複合材料では金属酸化物が有機重合体中に均一かつ微細に分散していることが確認された。
【0122】
表面硬度測定
実施例1〜7、10、11で得られたポリアミド基板上へのコーティングフィルムを用いて、鉛筆硬度による表面硬度測定を行った。測定に際しては、熱風乾燥器を用いて120℃で6時間の熱処理を行い、その後、23℃、湿度50%の恒温室内で48時間状態調整した後、測定に用いた。
【0123】
測定は鉛筆引っかき試験(JIS K 5400)を参考にして行い、装置はヘイドン製のPeeling/Slipping/Scratching Tester HEIDON−14型、鉛筆は三菱鉛筆製のuni鉛筆を用いた。測定条件は試料台の移動速度30mm/分、荷重1.00kgとした。測定結果を表1に示した。
【0124】
【表1】
表面硬度
【0125】
市販のポリカーボネート樹脂より作製したフィルムと比較して、本発明のシリカ/ポリカーボネート系フィルムの鉛筆硬度は向上した。また、シリカ/ポリサルホン系フィルムおよびシリカ/ポリアリレート系フィルムについても同様の結果であり、本発明の有機−無機複合材料は、優れた表面硬度を示した。
【0126】
引張試験
実施例8で得られたシリカ/ポリカーボネート系複合材料と実施例9で得られたシリカ/ポリサルホン系複合材料を小型射出成形機を用いて280〜350℃で加工し、ダンベル型の試験片(長20mm×径5mm)を作製した。得られた試験片は23℃、湿度50%の恒温室内で48時間状態調整した後、試験に用いた。
【0127】
試験はJIS K 7113および7127を参考にして行い、島津製作所製オートグラフDSS5000を用いた。試験条件はロードセル100kg・f、テストスピード10mm/分とした。試験結果を表2に示した。
【0128】
【表2】
引張試験
【0129】
市販のポリカーボネート樹脂を用いて作製した試験片と比較して、本発明のシリカ/ポリカーボネート系複合材料は引張強さと引張弾性率が大きく向上した。そして、引張伸びは小さくなった。また、シリカ/ポリサルホン系複合材料についても同様の結果であり、本発明の有機−無機複合材料は、市販のプラスチックよりも高い機械的強度を示した。
【0130】
アイゾッド衝撃試験
実施例8で得られたシリカ/ポリカーボネート系複合材料を小型射出成形機を用いて280〜300℃で加工し、ノッチ付の試験片(長20mm×厚5mm)を作製した。得られた試験片は23℃、湿度50%の恒温室内で48時間状態調整した後、試験に用いた。
【0131】
試験はJIS K 7110を参考にして行い、東洋精機製の衝撃試験機を用いた。試験結果を表3に示した。
【0132】
【表3】
アイゾッド衝撃試験
【0133】
市販されている非強化およびガラス繊維充填ポリカーボネート樹脂を用いて試験を行ったところ、表3のように衝撃強さに大きな違いがみられた。本発明のシリカ/ポリカーボネート系複合材料は、非強化のポリカーボネートほどではなかったが、ガラス繊維充填ポリカーボネートよりも明らかに優れた衝撃強さを示した。このことは、本発明のシリカ/ポリカーボネート系複合材料中のシリカ成分の分散粒子径が、市販のガラス繊維充填ポリカーボネート中のガラス繊維の分散粒子径よりかなり小さいことを示しているものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較例1のシリカ/ポリカーボネート系フィルムのSEM写真である。
【図2】 実施例2のシリカ/ポリカーボネート系フィルムのSEM写真である。
Claims (11)
- 第2の有機重合体のマトリックスとその中に均一に微分散された金属酸化物粒子と該金属酸化物粒子を該第2の有機重合体の中に均一に微分散させるための界面改質剤とを含有する有機−無機複合材料において、該界面改質剤が該金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基を有する第1の有機重合体である有機−無機複合材料であって、
該第1の有機重合体の主骨格がポリカーボネート、ポリアリレート、又はポリサルホンであり、および第2の有機重合体の主骨格がポリカーボネート、ポリアリレート、又はポリサルホンである、有機−無機複合材料。 - 前記界面改質剤の官能基が金属酸化物の表面と結合している請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記第2の有機重合体の数平均分子量が500〜100000である請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記金属酸化物粒子が、金属アルコキシド化合物あるいはその低縮合物を加水分解および重縮合反応させることにより得られたものである請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記金属酸化物粒子の金属元素がSi、TiおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記金属酸化物粒子の平均粒径が0.001〜1μmである請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基が金属アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基からなる群から選択される請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基が金属アルコキシ基である請求項1記載の有機−無機複合材料。
- 前記金属アルコキシ基の金属元素がSi、TiおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種である請求項8記載の有機−無機複合材料。
- 前記第1の有機重合体の数平均分子量が500〜50000である請求項1記載の有機−無機複合材料。
- (1)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子であって、該金属酸化物粒子の表面に該金属酸化物粒子の表面と結合可能な官能基を有する第1の有機重合体が共有結合しているものを提供する工程;及び
(2)第1の有機重合体で改質された金属酸化物粒子と第2の有機重合体とを混合して、この金属酸化物粒子を第2の有機重合体のマトリックス中に均一に微分散させる工程;を包含する、請求項1記載の有機−無機複合材料の製造方法。
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