JP3818069B2 - 自動車用ドアトリム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアトリムとウェザーストリップの組み立てを正確かつ簡単に行うことができる自動車用ドアトリムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ドアトリム本体のガーニッシュ部にウィンドガラスシール用のウェザーストリップを装着した自動車用ドアトリムにおいて、両者を固定一体化する取付構造としては、ウェザーストリップをドアトリムに組付けるタイプのものが広く知られている(例えば、実開平4−31012号公報や実開平6−18030号公報参照)。
【0003】
しかしながら、従来タイプのものでは、ウェザーストリップを取付けたドアトリムをドアパネルに引っ掛けて組付ける構造であり、ドアトリムの組付けのバラツキ等によりウェザーストリップの装着位置がズレて安定したシール性能を得ることができないという問題点や、ドアトリムとの間に隙間ができてしまい見栄えが劣るという問題点があった。更には、ドアトリムをドアパネル上端より高い位置まで持ち上げる必要があり、水平方向と垂直方向の二方向の移動を行うため組立作業が煩雑になるとともに、ドアトリムを持ち上げた際に傷付きを生じやすいという問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、ドアトリムとウェザーストリップの組み立てをバラツキを生じさせることなく正確に行うことができて、ウェザーストリップの安定したシール性能を得ることができるうえ、ドアトリムとの間に隙間も発生せず外観品質も優れたものとすることができ、またドアトリムの装着も水平方向の移動のみであり組立作業を簡単に行うことができる自動車用ドアトリムを提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の自動車用ドアトリムは、ドアトリム本体のガーニッシュ部にウェザーストリップを装着した自動車用ドアトリムにおいて、前記ウェザーストリップは、下端が開放され外側面にはリップ部が一体に設けられている断面ほぼコ字状の挟持枠本体部の上部にドアトリム側へ向かう鍔部を張設するとともに、該鍔部の先端部に上向きの突部を設けたものとする一方、前記ガーニッシュ部は、内側面にウェザーストリップ側へ向かうフランジ部と該フランジ部に対向する下向きの突部を設けたものとし、このフランジ部とガーニッシュ部の間に前記鍔部を挟持させるとともに、前記上向きの突部と下向きの突部とを係合させ、また前記挟持枠本体部にドアパネルの差込端部を差し込んでウェザーストリップを位置決め固定したことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、本発明を図4に示されるような自動車用フロントドアに適用した場合を示すものであり、図中1はドアトリム本体、2はこのドアトリム本体1のガーニッシュ部に装着したウィンドガラスシール用のウェザーストリップ、3はドアパネル、4はウィンドガラスである。
【0007】
前記したウェザーストリップ2は、下端が開放されている硬質樹脂からなる断面ほぼコ字状の挟持枠本体部21の外側面に軟質合成樹脂などの弾性材よりなるリップ部22を一体に設け、さらに、この挟持枠本体部21の上部にはドアトリム側へ向かう鍔部23を張設するとともに、該鍔部23の先端部に上向きの突部24を設けたものとしてある。
一方、ガーニッシュ部は、内側面にウェザーストリップ側へ向かうフランジ部11と該フランジ部11に対向する下向きの突部12を設けたものとし、このフランジ部11とガーニッシュ部の間に前記鍔部23を挟持させるとともに、前記上向きの突部24と下向きの突部12とを係合させ、また前記挟持枠本体部21にドアパネルの差込端部を差し込んでウェザーストリップを位置決め固定されるようにしてある。
【0008】
また、前記挟持枠本体部21の上面には、ガーニッシュ部に密着するシール片25を立設したものとして、より防水性、防風性、遮音性等の向上を図るとともに建て付け性の安定化を図ることもできる。更に、前記鍔部23の下面には、フランジ部11に係合する爪片26が形成されているものとして、同様に防水性、防風性、遮音性等の向上、および建て付け性の安定化を図ることもできる。なお、図中27は挟持枠本体部21とドアパネル3の気密性を保持するためのシール片である。
【0009】
前記フランジ部11は、ガーニッシュ部の全体にわたり長手方向に形成することもできるが、ガーニッシュ部の長手方向に間欠的に複数個形成することもでき、この場合は成形効率の向上および軽量化等が図れることとなり好ましい。またフランジ11を、ポリプロピレン等の合成樹脂よりなるドアトリム本体1のインジェクション成形と同時に一体的に成形したものとすれば優れた生産性を発揮することができる。一方、挟持枠本体部21の上部に張設したドアトリム側へ向かう鍔部23もウェザーストリップ2と一体的に成形したものとなっており、この鍔部23を前記フランジ部11とガーニッシュ部の間に挟持することでウェザーストリップ2をドアトリム本体1に対し固定する構造である。
従って、ドアトリム本体1とウェザーストリップ2を固定するのに特別な別部品を準備する必要もなく、また両者の固定も鍔部23をフランジ部11とガーニッシュ部の間に差し込むだけのきわめて簡単な操作で行うことができ、しかもウェザーストリップ2には従来のように金属製の芯金が入っていなくてもよく、この場合にはより大幅な軽量化および低廉化を図ることができるものである。
【0010】
なお、前記フランジ11は、ドアパネル3よりも内側に形成されており、該ドアパネル3に対するドアトリム本体1の取り付けを水平方向からのみ行えるように構成されている。即ち、従来はドアパネル3に対してドアトリム本体1を取り付ける場合に、一旦ドアトリム本体1をドアパネル3よりも高い位置まで上げてから水平方向に押して引っかける作業手順をとっていたが、本発明では、フランジ11をドアパネル3よりも内側に形成したことでドアトリム本体1を持ち上げる必要がなくなり、簡単かつ精度よく組立作業を行えることとなる。
【0011】
このように構成したものは、ウェザーストリップ2を断面ほぼコ字状の硬質樹脂からなる挟持枠本体部21に軟質樹脂からなるリップ部22を一体化し、この挟持枠本体部21の上部にドアトリム側へ向かう鍔部23を張設するとともに、該鍔部23の先端部に上向きの突部24を設けたものとする一方、前記ガーニッシュ部は、内側面にウェザーストリップ側へ向かうフランジ部11と該フランジ部11に対向する下向きの突部12を設けたものとし、このフランジ部11とガーニッシュ部の間に前記鍔部23を挟持させるとともに、前記上向きの突部24と下向きの突部12とを係合させ、また前記挟持枠本体部21にドアパネル3の差込端部を差し込んでウェザーストリップ2を位置決め固定した構造であるので、ウェザーストリップ2の装着位置がズレることもなく正確に組み立てることができ安定したシール性能を得ることできることとなる。
更に、シール片25や爪片26を形成した場合にはドアトリムとの間に隙間を発生させることがなく、水漏れ、音漏れ、風漏れ等を確実に防止できるとともに、外観上も優れたものとなる。更には、組立作業の際に従来のようにドアトリム本体1を垂直方向と水平方向の二方向に移動させる必要もないため、作業効率を大幅に向上させることができることとなる。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明はドアトリムとウェザーストリップの組み立てをバラツキを生じさせることなく正確に行うことができて、ウェザーストリップの安定したシール性能を得ることができるうえ、ドアトリムとの間に隙間も発生せず外観品質も優れたものとすることができるものである。また、ドアトリムの装着も水平方向の移動のみであり組立作業を簡単かつ正確に行うことができるという利点も有するものである。
よって本発明は従来の問題点を一掃した自動車用ドアトリムとして、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】自動車用ドアを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ドアトリム本体
2 ウェザーストリップ
3 ドアパネル
11 フランジ部
12 下向きの突部
21 挟持枠本体部
22 リップ部
23 鍔部
24 上向きの突部
25 シール片
26 爪片
Claims (5)
- ドアトリム本体(1) のガーニッシュ部にウェザーストリップ(2) を装着した自動車用ドアトリムにおいて、前記ウェザーストリップ(2) は、下端が開放され外側面にはリップ部(22)が一体に設けられている断面ほぼコ字状の挟持枠本体部(21)の上部にドアトリム側へ向かう鍔部(23)を張設するとともに、該鍔部(23)の先端部に上向きの突部(24)を設けたものとする一方、前記ガーニッシュ部は、内側面にウェザーストリップ側へ向かうフランジ部(11)と該フランジ部(11)に対向する下向きの突部(12)を設けたものとし、このフランジ部(11)とガーニッシュ部の間に前記鍔部(23)を挟持させるとともに、前記上向きの突部(24)と下向きの突部(12)とを係合させ、また前記挟持枠本体部(21)にドアパネル(3) の差込端部を差し込んでウェザーストリップ(2) を位置決め固定したことを特徴とする自動車用ドアトリム。
- 挟持枠本体部(21)の上面には、ガーニッシュ部に密着するシール片(25)が立設されている請求項1に記載の自動車用ドアトリム。
- 鍔部(23)の下面には、フランジ部(11)に係合する爪片(26)が形成されている請求項1〜2のいずれかに記載の自動車用ドアトリム。
- フランジ(11)が、ガーニッシュ部の長手方向に間欠的に複数個形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用ドアトリム。
- フランジ(11)が、ドアトリム本体(1) に一体的に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用ドアトリム。
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