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JP3621941B2 - Ndフィルタの製造方法及びこのndフィルタを有する光量絞り装置及びカメラ - Google Patents

Ndフィルタの製造方法及びこのndフィルタを有する光量絞り装置及びカメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NDフィルタの製造方法及びこのNDフィルタを有する光量絞り装置及びカメラに関し、特にビデオカメラあるいはスチルビデオカメラ等の撮影系に使用するに適したグラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造方法及びNDフィルタ、並びにこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光量絞り装置は、銀塩フィルムあるいはCCD等の固体撮像素子へ入射する光量を制御するため、撮影光学系の光路中に設けられており、被写界が明るい場合に光量をより小さく絞り込むように構成されている。
従って、快晴時や高輝度の被写界を撮影すると絞りは小絞りとなり、絞りのハンチング現象や光の回折の影響も受け易く、像性能の劣化を生じる。
これに対する対策として絞り羽根にフィルム状のND(Neutral Density)フィルタを取りつけて被写界の明るさが同一でも絞りの開口が大きくなる様な工夫をしている。
【0003】
近年、撮像素子の感度が向上するに従い、前記NDフィルタの濃度を濃くして、光の透過率をさらに低下させ、被写界の明るさが同一でも絞りの開口を大きくする様になっている。しかしながら、この様にNDフィルタの濃度が濃くなると図7に示す様な状態でNDフィルタを通過した光aとNDフィルタを通過しない光bの光量差が大きく異なり、画面内で明るさが異なる“シェーディング”現象が起きたり、解像度が低下してしまうという欠点がある。この欠点を解決するためにNDフィルタの濃度を光軸中心に向かって順次透過率が大となる様な構造を取る必要が出てきている。
【0004】
因みに図7において、706A,706B,706C,706Dは撮影光学系706を構成するレンズ、707は固体撮像素子で708はローパスフィルタである。また711から714は絞り装置を構成する部材で、711がNDフィルタ、712と713が対向的に移動する絞り羽根で、2枚の絞り羽根は略菱形の開口を形成する。NDフィルタは普通、絞り羽根に接着されている。714は絞り羽根支持板である。
【0005】
一般的にNDフィルタの作製方法としては、フィルム状をなす材料(セルロースアセテート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、塩化ビニル等)中に光を吸収する有機色素または顔料を混ぜ、練り込むタイプのものと、前記材料に光を吸収する有機色素または顔料を塗布するタイプのものがある。これらの製造方法では、濃度が均一なフィルタは作製可能であるが、同一フィルタ内で濃度が変化するタイプのフィルタ(グラデーションフィルタ)は作製が著しく困難である。
【0006】
このような濃度可変タイプ(グラデーションタイプ)のNDフィルタに関して、本発明者らは、既にマイクロ写真法による濃度可変タイプ(グラデーションタイプ)のNDフィルタの作製方法等を提案している(特許文献1〜3参照)。
また、グラデーションフィルタの製造方法として、真空蒸着法により楕円形グラデーションフィルタを製造するようにしたものもある(特許文献4参照)。
さらに、上記高画質対応の対策として、単一濃度のNDフィルタを複数の絞り羽根に接着して、駆動させることにより、単一濃度フィルタでも複数重なった部分と重ならない部分とから、濃度変化させることを可能としたものがある。
【0007】
【特許文献1】特許第2754518号公報(特開平05−281593号公報)
【特許文献2】特許第2771078号公報(特開平06−095208号公報)
【特許文献3】特許第2771084号公報(特開平06−175193号公報)
【特許文献4】特開平11−38206号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1〜3が提案された当時のビデオカメラでは、これらの方法により作製したNDフィルタで、画質の向上が図られたが、近年のCCDの更なる高感度化、小型化、高画質対応により特に特殊条件での使用(例えば逆光下での小径絞り状態)において、銀塩粒子による光の散乱による影響により画質が劣化してしまうことがある。
【0009】
また、上記特許文献4に記載されたグラデーションフィルタの製造方法では、微少領域(例えば3mmの範囲で透過率3%から80%までの変化等)での濃度変化ができない欠点がある。
さらに、上記した従来例における単一濃度のNDフィルタを複数の絞り羽根に接着して、駆動させることにより、単一濃度フィルタでも複数重なった部分と重ならない部分とから、濃度変化させる方法では、NDフィルタの枚数が増えることによるコストアップ、及び絞り羽根に複数枚NDフィルタが存在することにより厚くなってしまい、近年の小型・省スペース化に対応できない等の欠点がある。
【0010】
そこで、本発明は、光量の均一性が向上し、各濃度においては分光特性がフラットなグラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造方法及びこのNDフィルタを有し、高画質化に対応することが可能な光量絞り装置及びカメラを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、つぎのように構成したグラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造方法及びNDフィルタ、並びにこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置及びカメラを提供するものである。
本発明のNDフィルタの製造方法は、基板上に少なくとも2種類以上の膜を成膜してNDフィルタを製造するに際し、最表層以外の膜をグラデーション濃度分布を形成するためにノコギリ歯型の形状のスリット型マスクを前記基板と一体的に公転させて成膜する工程と、最表層の膜を前記マスクを用いずに成膜する工程とを有することを特徴としている。
また、本発明の光量絞り装置やカメラは、上記NDフィルタの製造方法によって製造されたNDフィルタを用いることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について説明するが、本発明はこれらの具体的な実施形態によって何ら限定されるものではない。特に、以下の図3等の説明においては、NDフィルターの成膜の実施方法として、真空蒸着法を用いた場合を例にとって説明しているが、本発明はスパッタリング法・インクジェットプリンティング法・スプレー法等においても同様な効果を得ることができ、これらの成膜法は一般的に知られていることでもあるから、ここでは記述を省略している。
【0013】
図3は、本実施の形態を説明するため、一例として用いる真空蒸着機におけるチャンバー内の簡易図であり、図3において101は蒸着傘、102は成膜を施す基板、103は蒸着源、104は実際に成膜を実施する基材、105は基材104を固定する為の基板治具である。
また、本実施の形態において説明する基板102とは、図3(b)に示すように基板治具105に基材104がセットされた状態を示しているものとする。
【0014】
図4は、本実施の形態を説明するために、一例としてのスリット型マスクを示す図であり、図4において106はスリット型マスク、107はスリット型マスクにおけるスリット間の幅、108は基板とスリット型マスクとの距離である。
【0015】
本実施の形態において用いる真空蒸着法においては、図3の様にチャンバー内の基板は蒸着傘101に備え付けられ、この蒸着傘101と共に基板102が回転し成膜が行われる。この基板102の成膜側に例えば図4(a)に示すようなノコギリ歯型の形状のスリット型のマスクを設けることにより、蒸着源103と基板102との位置関係から、蒸着する蒸着粒子はスリットを通過し基板102に到達できたり、スリット型マスクに遮られ基板102まで到達できなかったりすることになり、図5(a)に示すような膜厚分布を得ることとなる。
【0016】
ここで、スリット型マスクに図4に示すようなノコギリ歯型の形状を用いた理由を説明する。
スリット型マスクに使用されるマスク形状は、作成したい濃度分布によって様々である事が予想されるが、本実施例で目的としている濃度分布は透過率が順次小もしくは大になるようなグラデーション濃度分布である。この様な濃度分布はNDフィルタの用途を考慮すると、最も一般的な仕様であると考えられる。具体的には、例えば図19(a)で示すような透過特性を持つ分布である。この仕様を満足するNDフィルタを作成する為には、図19(b)で示すような濃度分布を得る必要がある。濃度と膜厚はリニアの関係にあるため、言い換えれば、図19(b)で示すような膜厚分布を得る必要があると言える。
【0017】
図20(a)はクシ歯型のスリットマスク形状、図20(b)、(c)はスリットマスクをクシ歯型にした際の膜厚分布のシミュレーション例、図20(d)は直線型のスリットマスク、図20(e)はスリットマスクを直線型にした際の膜厚分布シミュレーション例である。
シミュレーション結果からも分かるように、図20(d)で示すような直線型のマスクでは、図20(e)で示すように膜厚分布の裾部分が膨らんで立ち上がってしまい、図19(b)で示したような膜厚分布を得る事はできない。これを改善する為に、直線型に比べ回り込みの影響の大きい図20(a)で示すようなクシ歯型のマスクを使用すると、図20(b)のように変極点が出てしまい、これを解決する為には、基板とマスクとの距離を十分に取る必要があるが、この距離を大きくすると図20(c)のように、膜厚の最大値での分布が波打ってしまう。さらに、クシ歯型の形状では基板上Δy軸方向の膜厚分布が一定にはならず、極端に波打ってしまい、一般的には仕様内に収めることが難しい。
【0018】
これに対して、ノコギリ歯型のスリットマスク形状ならば、クシ歯型マスクと同じ発想で膜厚分布の裾部分の立ち上がりを図19(b)に近づけるような改善ができ、さらにクシ歯型に比べ基板上Δy軸方向への回り込みが均一である為、これらの問題を解決する事ができる。Δy軸方向の膜厚分布に関して、ノコギリ歯型であってもクシ歯型と同様に完全に一定にする事はできないが、前記したように、クシ歯型マスクに比べΔy軸方向への回り込みが均一に近い為、基板とスリット型マスクとの距離、さらにスリットの幅等を最適に設定する事で、仕様を満足するのに十分な結果を得る事が可能である。
【0019】
図5(a)は、実際に図4(a)に示すノコギリ歯・直線型のスリットマスクを用いて膜厚分布シミュレーションを実施した結果であり、図5(b)は図5(a)のパラメータである基板上の位置Δxの説明図、図5(c−1)は蒸着傘中の位置の鳥観図、図5(c−2)は蒸着傘中の位置の断面図をそれぞれ示している。9は蒸着傘1中の基板位置である。
【0020】
図5(a)で示されている膜厚分布は、当然、蒸着傘中の基板位置109や、マスクのスリット間の幅107や、基板とマスクとの距離108、マスク形状等によっても異なったものになる。したがって、反対にマスクのスリット間の幅107や基板とマスクとの距離108、マスク形状等を調整することにより、基板上に成膜される薄膜は任意のグラデーション膜厚分布を得る事になる。
膜厚が増加すると言う事は、膜の濃度が濃くなり透過率が下がることを意味している為、任意の膜厚分布を得る事とは、言い換えれば本発明の目的である、任意のグラデーション濃度分布を得る事と言える。
【0021】
また、このような任意のグラデーション濃度分布を作製する為のスリット型マスクの形状は、本実施の態様では図4(a)に示すような形状のノコギリ歯・直線型のスリットマスクを用い、図5(a)におけるシミュレーション結果と共に説明してきたが、実際は、図4(b)、(c)に示すように、ノコギリ歯の形状は直線だけではなく、曲線状も考えられ、その直線及び曲線における変化の割合も様々である事が考えられる。さらに、図4で示したマスク形状例は一つの凸部に対して左右対称の形状をしているが、必ずしもそうである必要はなく非対称の場合も考えられ、作製したいNDフィルターのグラデーション濃度分布によって多種多様である事が予想される。
【0022】
以上の本実施の態様で説明したノコギリ歯状のスリットマスクを用いることにより、各濃度において分光特性がフラットなグラデーションNDフィルターの作製が可能となり、グラデーションの変化に対する様々なニーズに対応できる。さらに、蒸着後に熱処理を行うことにより、環境安定性を向上させることができる。
また、部分的に膜厚が変化する時に発生する、反射防止条件の変化による反射率増大も抑えられ、これを用いる事により、光量の均一性の向上した絞り装置が得られ、高画質対応に応えられる絞り装置を得る事が可能となる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
本実施例においては、まず、材質厚75μmのPET基材(以下、PET基材と記す)上に、真空蒸着法により図6に示す膜構成のうち第1層から最表層手前までを、同図のようにAl・Tiを交互に積層して膜を形成した。
本実施例においては、スリットマスクはその形状が、図4(a)のノコギリ歯・直線型を用い、同図に示す様に配置した。
また、膜生成法として、膜厚を比較的容易に制御でき、かつ可視域の波長域で散乱が非常に小さいことから、真空蒸着法を選択した。
また、基材の材質としては、耐熱性(ガラス転移点Tg)が高く、可視域の波長域で透明性が高く、また吸水率が低い、PETを選択した。
【0024】
つぎに、スリットマスクを外し、最表層を光学膜厚n×d(nは屈折率、dは機械膜厚)で、1/4λ λ:540nmの条件で一定膜厚に成膜した。この最表層の膜の屈折率nは、可視域の波長域で1.5以下のものを選んだ。具体的には、MgFを使用した。
【0025】
以上の様に、第1層から最表層まで成膜した後、110℃の温度で1時間、空気中で熱処理を行った。110℃を選んだのは、100℃未満では環境安定性の効果が不十分であり、130℃を超えると基材の熱的劣化を生じて膜にクラックが発生する等問題が発生する。したがって、熱処理の温度は、110℃から130℃の間が適当である。
【0026】
環境安定性を調べるため、前記プラスチックNDフィルタを60℃85%240時間の放置試験を行い、試験前後での透過率を測定すると、その差が0.2%以下とほとんど差は見られなかった。参考として、熱処理を行わないものを同様な環境試験を行い、試験前後での透過率を測定すると2%前後増加していた。
このような現象が起きる要因としては、真空蒸着時の基板温度が低いことがあげられる。
膜の封止密度は成膜時の基板温度が大きく影響し、温度が低いと封止密度が低くなり、水分・酸素等を透過しやすく、そのため吸収膜であるTi自体の酸化が促進されること、及びそれを保護するAl膜等の誘電体膜の保護効果が少ないことの両方の影響から透過率が上昇するものと考えられる。熱処理を行うと環境安定性が向上するのは、“エージング効果”であると考えられる。
【0027】
通常、ガラス基板を用いる場合、基板温度は200℃〜250℃、望ましくは300℃前後まで加熱して成膜する。
しかし、今回のように基板がプラスチックの場合、基板が熱収縮を起こさない温度で成膜する必要があり、その基板温度は150℃未満に制約される。
膜厚分布は図5(a)に示す様にシミュレーションの結果とほぼ同等な結果が得られた。
但し第1層から第8層までの分布である。最表層は一定膜厚である。
【0028】
一例を示すと、図2(a)のようなパターンを作製して、略三角形の形状に切りぬき、その後、この切りぬいたフィルター1を羽根2に貼って図1の状態になる。絞り装置は、図7を用いて説明したものと同様のもので、相対的に駆動されて絞り開口の大きさを可変する複数の絞り羽根を備えている。フィルター1枚は図2(b)のようになっていて、0が端面部でそこからXまでが濃度変化領域である。XからXは最も濃い均一濃度が形成されている。XからXはフィルターを羽根に接着するための接着領域である。
【0029】
本実施例において、距離(X)と膜厚の構成は、図8、図9に示すようになった。
また、距離(X)と透過率、距離(X)と反射率の関係は図10、図11に示すようになった。
さらに分光透過率は、図12、分光反射率は、図13に示すようになった。
因みにスリット幅は0.05m、マスクと基板との浮かせ距離は0.01m、ノコギリ歯の長さは0.0075m、ノコギリ歯の幅は0.0003mの結果である。
【0030】
距離と膜厚の関係は、図8のように順次厚くなるが、この変化の仕方は、概ねスリット幅を広げると傾斜は緩やかになり、浮かせ距離を増やしていくと均一濃度領域が増える傾向にある。この2つのパラメータに加え、図4で示すようなノコギリ歯形状、ノコギリ歯の長さ112とノコギリ歯の幅113の5つのパラメータにより所望の傾斜状態、均一濃度の領域の制御が可能である。
【0031】
(比較例)
実施例と同様に材質厚75μmのPET基材上に、真空蒸着法により図6に示す膜構成の第1層から第9層までを成膜した。
最表層は光学膜厚n×d(nは、屈折率dは機械膜厚)で1/4λ λ:540nm成膜した。この最表層の膜の屈折率nは可視域の波長域で1.5以下のものを選んだ。具体的にはMgFを使用した。
スリットマスクは図4(a)に示す様に配置した。
マスクは(a)ノコギリ歯・直線型を使用した。
【0032】
また、膜生成法として、膜厚を比較的容易に制御でき、かつ可視域の波長域で散乱が非常に小さいことから、真空蒸着法を選択した。
また、基材の材質は、耐熱性(ガラス転移点Tg)が高く、可視域の波長域で透明性が高く、また吸水率が低い、PETを選択した。
【0033】
以上の様に、第1層から最表層まで成膜した後、110℃の温度で1時間、空気中で熱処理を行った。110℃を選んだ理由は実施例と同様である。
また、環境安定性を調べるため、上記実施例と同様に、前記プラスチックNDフィルタを60℃85%240時間の放置試験を行ったところ、上記実施例と同様の結果が得られた。
また、膜厚分布は図5(a)に示す様にシミュレーションの結果とほぼ同等な結果が得られた。
【0034】
本比較例において、距離(X)と膜厚の構成は、図14に示すようになった。また、この時の距離と透過率、距離と反射率の関係は図15、図16に示すようになった。
また、分光透過率、分光反射率はそれぞれ図17,図18に示すようになった。因みにスリット幅は0.05m、マスクと基板との浮かせ距離は0.01m、ノコギリ歯の長さは0.0075m、ノコギリ歯の幅は0.0003mの結果である。
本比較例のように、全層を膜厚変化させると、反射防止条件が合わなくなり、反射率の上昇が起き、画質上“ゴースト現象”“フレア現象”が発生することとなる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、光量の均一性が向上し、各濃度において分光特性がフラットなグラデーション濃度分布を有するNDフィルタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られたグラデーションNDフィルタを絞り羽根に取り付けた状態を示す斜視図。
【図2】本発明の実施例におけるフィルタ製造の際のプレス抜き状態を説明する図であり、(a)は略三角形状の切りぬきパターンを示す図、(b)は切りぬかれた略三角形状のNDフィルタの構成を示す図。
【図3】本発明の実施の形態における真空蒸着法によるNDフィルタの製造方法を説明するための図であり、(a)は真空蒸着機におけるチャンバー内の構成図、(b)は基板の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態、及び実施例に用いられるスリット型マスクとマスク形状を示す図。
【図5】本発明の実施の形態におけるスリット型マスクによる膜厚分布シミュレーション例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態及び実施例等を説明するための蒸着NDフィルタの膜構成を示す図。
【図7】従来技術を説明するためのビデオカメラに使用される撮影光学系を表わした図。
【図8】本発明の実施例における距離と膜厚(第1層から最表層手前まで)の関係を表わしたグラフ。
【図9】本発明の実施例における距離と膜厚(第9層)の関係を表わしたグラフ。
【図10】本発明の実施例における距離と透過率の関係を表わしたグラフ。
【図11】本発明の実施例における距離と反射率の関係を表わしたグラフ。
【図12】本発明の実施例における分光透過率を表わしたグラフ。
【図13】本発明の実施例における分光反射率を表わしたグラフ。
【図14】比較例における距離と膜厚(第1層から最終層まで)の関係を表わしたグラフ。
【図15】比較例における距離と透過率の関係を表わしたグラフ。
【図16】比較例における距離と反射率の関係を表わしたグラフ。
【図17】比較例における分光透過率を表わしたグラフ。
【図18】比較例における分光反射率を表わしたグラフ。
【図19】本発明の実施の形態で理想とするグラデーション透過・濃度分布を示す図。
【図20】本発明の実施の形態におけるクシ歯型のスリットマスクを用いたシミュレーション例を示す図であり、(a)はクシ歯型のスリットマスク形状、(b)、(c)はスリットマスクをクシ歯型にした際の膜厚分布のシミュレーション例、(d)は直線型のスリットマスク、(e)はスリットマスクを直線型にした際の膜厚分布シミュレーション例である。
【符号の説明】
1:NDフィルター
2:絞り羽根
101:蒸着傘
102:基板
103:蒸着源
104:基材
105:基板治具
106:ノコギリ歯状のスリット型マスク
107:マスクのスリット間の幅
108:基板とマスクとの距離
109:蒸着傘中の基板位置
112:基板上の位置Δx軸・Δy軸
113:ノコギリ歯型マスクの長さ
114:ノコギリ歯型マスクの幅
706A,706B,706C,
706D:撮影光学系706を構成するレンズ
707:固体撮像素子
708:ローパスフィルター
711:NDフィルター
712,713:絞り羽根
714:絞り羽根支持板

Claims (5)

  1. 基板上に少なくとも2種類以上の膜を成膜してNDフィルタを製造するに際し、最表層以外の膜をグラデーション濃度分布を形成するためにノコギリ歯型の形状のスリット型マスクを前記基板と一体的に公転させて成膜する工程と、最表層の膜を前記マスクを用いずに成膜する工程とを有することを特徴とするNDフィルタの製造方法。
  2. 前記スリット型マスクにおけるスリット間の幅と、該スリット型マスクと前記基板との距離と、スリット型マスクの形状とを、それぞれ調整して任意のグラデーション濃度分布を形成することを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタの製造方法。
  3. 前記最表層以外の膜に引き続いて前記最表層の膜を成膜した後に、成膜された前記基板を100℃から130℃の温度で空気中で熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のNDフィルタの製造方法。
  4. 相対的に駆動されて絞り開口の大きさを可変する複数の絞り羽根と、該絞り羽根により形成された開口内の少なくとも一部に配置される光量調整のためのNDフィルタとを備えた光量絞り装置において、
    前記NDフィルタが、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたNDフィルタによって構成されていることを特徴とする光量絞り装置。
  5. 光学系と、該光学系を通過する光量を制限する請求項4に記載の光量絞り装置と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有することを特徴とするカメラ。
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