JP3586061B2 - 情報報知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報報知装置に係り、詳しくはGPS衛星からの測位用電波を受信して得た移動体(例えば、車両)の現在位置をディスプレイ装置により地図上に表示するともに、移動体の燃料の残量を考慮した給油情報(例えば、給油を促す警報やガソリンスタンドの位置情報)を報知するカーナビゲーション装置等に適用される情報報知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
GPS(Global Potioning System)は、GPS衛星から発信する信号(測位用電波)を受信し、陸上、海上および空中において、自分の位置(経度、緯度、高度)を測定することを目的としたシステムである。このようなGPS衛星からの測位用電波を受信して走行を支援するためのカーナビゲーション装置には、従来多くのものがある。
従来のカーナビゲーション装置では、GPS衛星からの測位用電波を受信して車両の自己位置を検出し、この自己位置情報に、例えばCD−ROMに予め記憶しておいた地図データを読み出してディスプレイ装置の画面上で合成することにより、現在位置を地図上で読み取ったり、目的地までの経路を地図上で案内したりすることが行われている。
【0003】
ところで、車両の走行には燃料が必要であり、燃料は燃料タンクに一定量が収納されているため、給油(補給)の必要がある。従来、燃料は燃料タンクの残量を示す燃料メータによってドライバーに知らされている。ドライバーは燃料メータを見ることで、燃料タンクの残量を確認し、給油の目安にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料メータにあっては、以下のような問題点があった。
(1)従来の燃料メータは、道路状況(例えば、高速道路、坂道、雪道等)やドライバーの運転態様にかかわりなく、一律的に給油警報を出すものであるため、実際上、かなり大きく安全率を見込む必要があった。そのため、かなり早い時期から給油警報が出て、それを気にするドライバーが多かった。すなわち、給油警報が気になって、運転に集中できず、早くガソリンスタンドを捜さなければという気持になっていた。したがって、燃料の残量に応じて適切な給油警報が望まれている。
【0005】
(2)ドライバーは給油警報を受けた場合、どこまで走行できるか(例えば、走行可能予測距離)、また、走行可能範囲のどこにガソリンスタンドがあるのか分からないといと、不安になってしまう。
(3)旅行時には、給油警報が出た場合でも、どこにガソリンスタンドがあるか分からないことが多く(旅行は知らない土地に行くことが多い)、給油警報が出ると、ガソリンスタンドが簡単に分かる装置が望まれていた。
(4)カーナビゲーション装置には、CD−ROM等に地図データのみならず、その他の多くの情報(例えば、主要な建物、駅等)を予め記憶しておいて、それらの情報をディスプレイ装置の画面に表示可能にしている。しかし、多くの情報量の中からドライバーが運転しながら、給油警報が出た場合にガソリンスタンドの情報を選択してディスプレイ装置の画面に表示させて、ガソリンスタンドの場所を探すのは、運転中は危険であった。そこで、一時停車してガソリンスタンドを探すにしても、多くの表示情報から探し出すのに時間がかかった。
【0006】
そこで本発明は、燃料の残量に応じた適切な給油情報を出し、ガソリンスタンドの情報を簡単に知ることができる情報報知装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の情報報知装置は、移動体の自己位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも地図情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶されている地図情報を移動体の自己位置に関連付けて報知するように制御する制御手段と、
移動体の燃料の残存量を検出する燃料残存量検出手段と、
移動体の燃料の残存量に応じて給油情報を設定する給油情報設定手段と、
制御手段の出力に基づいて地図情報を報知するとともに、給油情報設定手段によって設定された給油情報を報知する報知手段と、
を備え、
前記給油情報設定手段は、
ドライバーの給油パターンを学習して、給油情報設定手段における給油情報の設定をドライバーごとに変更することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の情報報知装置は、移動体の自己位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも地図情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶されている地図情報を移動体の自己位置に関連付けて報知するように制御する制御手段と、
移動体の燃料の残存量を検出する燃料残存量検出手段と、
移動体の燃料の残存量に応じて給油情報を設定する給油情報設定手段と、
制御手段の出力に基づいて地図情報を報知するとともに、給油情報設定手段によって設定された給油情報を報知する報知手段と、
を備え、
前記給油情報設定手段は、
夜間前の所定時間を過ぎたら、この時間より早い時間の場合に比べて、給油情報の報知時期を決定する燃料残存量の設定値を多量とすることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態をカーナビゲーション装置に適用した一実施例として図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る情報報知装置を適用したカーナビゲーション装置の一実施例のブロック図であり、移動体として車両を用いた例である。
A.カーナビゲーション装置のブロック構成
図1において、1はカーナビゲーション装置であり、カーナビゲーション装置1は大きく分けてアンテナ11、GPS受信装置12、運転態様検出センサ13、方位センサ14、車速センサ15、燃料センサ16、制御部17、ROM18、RAM19、スイッチ入力部20、CD−ROMドライバー21、ディスプレイ装置22および音声出力装置(例えば、スピーカ)23により構成される。
【0020】
GPS受信装置12はアンテナ11を介して複数のGPS衛星からの測位用電波を受信して復調し、制御部17に復調信号を出力する。
GPSは、人工衛星を利用した全世界的な電波測位システムで、24個の衛星が6つの軌道面にそれぞれ4個ずつ配置されることにより、原理的には各衛星からの電波を受信し、その到達時間から衛星と受信地点との距離を算出し、最終的に受信点の三次元測位(緯度、経度、高度)を求めることができる。
【0021】
アンテナ11はGPS衛星から送られてくる約1.5MHzの右旋円偏波信号を受信するために、例えばテフロン基板を用いたほぼ半球状の指向性を有するマイクロストリップパッチアンテナが使用され、車両の屋根部(ルーフ)に取り付けられている。
運転態様検出センサ13は車両のドライバーがどのような運転の仕方を行うのかを検出するもので、例えばアクセルの操作状況を検出するセンサ、ブレーキの踏み方を検出するセンサ、AT車の場合にはATのレンジ位置、ギア位置あるいはパワーモードかエコノミーモードかを判別するセンサ等を備えている。なお、運転の仕方を検出するセンサには、この他のものを加えてもよいし、他のものを使用してもよい。
方位センサ14は地磁気に基づいて車両の進行方位を検出する。車速センサ15は車輪の回転速度に応じたパルス信号を発生する。なお、このパルス信号を計数することにより距離を演算することができる。燃料センサ16(燃料残存量検出手段)は燃料タンク(例えば、容量50リットル)における燃料の残存量を検出する。各センサ14、15、16からの検出信号は制御部17に入力されている。
【0022】
制御部17はGPS受信装置12より出力された復調信号に基づいて、GPSのナビゲーションシステムを利用している車両が走行している位置情報(例えば、緯度、経度、高度を含む三次元の測位情報)を算出し、算出したデータから車両の現在位置を演算し、演算した車両の現在位置をCD−ROMドライバー21を介してCD−ROM24から読み出した地図データに対応してディスプレイ装置22の画面上に表示する制御を行うとともに、上記各センサ14〜16からのと検出信号に基づいてドライバーの運転態様、道路状況、燃料消費量(以下、燃費という)のデータを算出し、そのデータから給油時期を演算し、さらに所定の給油時期になった場合に、その表示を行う制御を行う。
アンテナ11、GPS受信装置12および制御部17は、位置検出手段を構成する。
【0023】
また、制御部17はスイッチ入力部20の操作信号に基づいてディスプレイ装置18の画面情報を変更する制御を行うとともに、CD−ROM24から読み出した音声データに基づいて音声合成を行い音声出力装置23に出力する。制御部17はCPUを含むマイクロコンピュータによって構成され、ROM18に格納されている制御プログラム(後述のフローチャート参照)に従って上記制御を行う。制御部17およびCD−ROMドライバー21は制御手段を構成する。また、制御部17は給油情報設定手段を構成する。
【0024】
スイッチ入力部20はカーナビゲーションシステムの操作を行うための操作キーと、ディスプレイ装置22の画面上に表示された地図情報に目的地の設定を行ったり、走行経路の設定や地域の変更等を行うための後述のコントロールキー32等を含んで構成されている。スイッチ入力部20は車両が移動しようとする所定の地点(例えば、目的地点)に対応させて、その地点の地図上の座標位置をポイントとして指定したり、あるいは走行中に東西南北で示す周囲の何れかの方向を指定し、どの方向の地図情報を得たいかを指定する。
なお、車両が移動可能なエリアは予めCD−ROMドライバー21によって駆動されるCD−ROM24に格納されており、格納されている地図上の地点は例えば座標によって指定可能になっている。
【0025】
ROM14は制御部18によって行われるナビゲーションシステムの制御のための各種プログラムや必要なデータを予め格納している。RAM19はスイッチ入力部20より入力され一時的に記憶しなければならない情報を格納するメモリエリアと、スイッチ入力部20の操作により指定された車両の移動しようとする目的地情報等を一時的に格納するメモリエリアを有している。
【0026】
CD−ROMドライバー21は、挿入されるCD−ROM24のデータを読み出す装置であり、CD−ROM24はGPS信号を受信することにより演算されて出力される自己位置情報に対応して、出力される地図情報をエリア別にかつ各縮尺毎に格納するととにも、所定地点(例えば、交差点、国道等)における主要な建物(駅、レストラン等)の情報(案内情報を含む)および給油情報(例えば、所定地域毎のガソリンスタンドの位置等)を格納している。
CD−ROM24は複数枚が用意され、それぞれが関東エリア、東海エリア等に分れて使用できるようになっている。CD−ROM24に格納された地図情報はスイッチ入力部20の操作によっても、CD−ROMドライバー21を介して読み出されディスプレイ装置22に表示される。CD−ROM24は記憶手段を構成する。
【0027】
ディスプレイ装置22(報知手段)は液晶表示装置(例えば、カラーのLCD)によって構成され、制御部17で演算された自己位置情報と、CD−ROMドライバー21を介してCD−ROM24より読み出された地図情報等とを重ね合せて画面に表示するとともに、制御部17からの制御信号に基づき所定の給油時期になったとき、画面上の一部の情報を給油情報に切り換えて表示可能なようになっている。
音声出力装置23は制御部17によって音声合成された信号に基づいて音声合成音を発するもので、例えばスピーカからなる。
【0028】
B.カーナビゲーション装置の外観構成
図2はカーナビゲーション装置1の外観構成を示す図である。図2において、カーナビゲーション装置1は、装置本体31、アンテナ11、CD−ROMドライバー21、CD−ROM24、リモートコントローラ32を有している。装置本体31は箱型に形成され、車両の運転席側の見やすい位置に配置可能になっている。装置本体31の前面側には矩形状の画面を有するディスプレイ装置22が配置されている。また、装置本体31は配線41を介してアンテナ11に接続されているとともに、配線42を介してCD−ROMドライバー21に接続され、さらに配線43を介してリモートコントローラ32に接続されている。
【0029】
装置本体31の前面右側下方にはディスプレイ装置22の画面上で地図エリアを上下方向に移動させるアップキーおよびダウンキーからなるエリア変更キー44が配置されているとともに、前面側下方にはカーナビゲーション装置1の調整や操作のために必要な各種スイッチ(例えば、電源スイッチ、メモリキー、操作キー等)およびコントロールキー(例えば、地図エリアを4方向に変更可能)を有する操作部45が配置されている。
リモートコントローラ32は装置本体31やCD−ROMドライバー21を遠隔的に操作するもので、コントロールキーやその他の操作キーを含んで構成されている。上記リモートコントローラ32、エリア変更キー44および操作部45は、全体としてスイッチ入力部20を構成する。
CD−ROMドライバー21は薄いボックス型に形成され、車両の運転席側でCD−ROM24の装着操作がし易い箇所に配置されている。
【0030】
C.動作説明
次に、作用を説明する。
図3はカーナビゲーション制御のプログラムを示すフローチャートである。
本プログラムはカーナビゲーション装置1の電源がオンすると、実行される。プログラムがスタートすると、まずステップS10で初期設定を行う。初期設定ではイニシャルリセット、RAM19のワークエリアのクリア等の所定のイニシャライズ処理が行われる。また、初期設定では、時刻の計測も開始される。さらに、道路地図Aのみならず、給油時期になったときに画面の一部を切り換える後述の各種情報B〜Dについても、初期設定の段階で予め設定しておく。各種情報B〜Dはドライバーがスイッチ入力部20を操作して任意に選択(例えば、情報B〜nの中から所望の情報を選択)することも可能である。また、ドライバーがスイッチ入力部20を操作してガソリンの値段(例えば、ガソリンスタンドの系列に応じた値段)を入力し設定しておく。
【0031】
次いで、ステップS12で複数個のGPS衛星から送信される位置情報を含むGPS信号(GPS電波)を受信し、ステップS14で受信したGPS信号に基づいて各GPS衛星からのGPS信号の到達時間から衛星と受信地点との距離を算出して受信点の緯度、経度および高度を演算し、緯度、経度および高度から現在走行している車両の自己位置を検出する。受信点については三次元測位(すなわち、緯度、経度、高度)を行い、例えば山岳地帯では高低差も求める。なお、緯度、経度のみを算出して制御部17におけるマイクロコンピュータの処理負担を軽減するようにしてもよい。
【0032】
次いで、ステップS16で外部記憶データ検索処理を行う。外部記憶データ検索処理では、CD−ROMドライバー21を介してCD−ROM24より車両の現在位置に対応する地図情報、その位置での道路属性情報(例えば、国道、県道、坂道、ワインディングロード、高速道路等等の情報)、その位置での周囲情報(例えば、ガソリンスタンド、主要な建造物、駅等)、法定速度等の各情報を検索して読み出す。
【0033】
次いで、ステップS18で地図情報表示処理を行う。地図情報表示処理では、車両の現在位置を含む所定エリアに対応する地図情報、車両の現在位置、道路属性情報、周囲情報等をディスプレイ装置22に表示する。これにより、ドライバーは地図上でどの位置に自己車両があるのかが分かる。また、この地図情報表示処理では車両の現在位置を音声合成音(例えば、「現在○○交差点を通過しました」)でガイダンスするように音声出力装置23から出力する。なお、車両の進行に伴い、地図情報のエリアは自動的に切り換えられていく(すなわち、エリアがスクロールする)。
【0034】
また、このとき図4(a)に示すように、ディスプレイ装置22には自己位置を含む所定エリア(自己位置を含む所定範囲、詳細地図)の道路地図Aのみならず、以下のような各種情報B〜Dの見出し(タイトル)も表示する。
B:自己位置を含むエリアの地図縮尺の大きい複数の地図情報(すなわち、もっと広いエリアの複数の地図情報:地図縮尺の異なる各種地図)
例えば、自己位置を含むエリアの地図縮尺が1万分の1であれば、2.5万分の1の地図情報、5万分の1の地図情報、10万分の1の地図情報、30万分の1の地図情報、50万分の1の地図情報等
C:現在位置での周囲情報
例えば、レストラン、駅、ガソリンスタンド、映画館、パチンコ店、コンビニエンスストア、郵便局、ホテル等
D:現在位置での参考情報
例えば、各道路の法定速度等の情報
【0035】
なお、道路地図A以外の各種情報B〜Dの見出し(タイトル)は、本実施例の場合、図4(a)に示すようにディスプレイ装置22の画面の片隅に小さく表示される。これらの見出し(タイトル)をクリック、あるいはスイッチ入力部20の操作キーで指定して拡大操作することより、種情報B〜Dが所定の大きさで画面に拡大して表示されるようになっている。これに限らず、例えば道路地図Aの後方に各種情報B〜Dを重ねる(いわゆるカスケード処理)ようにして、各種情報B〜Dが存在することを分からせるようにしてもよい。そのようにした場合、各種情報B〜Dの画面の縁をクリックすることにより、大きな画面で表示されるようにする。
また、画面の上部にいわゆるツールバーを設け、そのツールバーに各種情報B〜Dの見出し(タイトル)を表示して、例えばクリックすることにより大きな画面で表示するようにしてもよい。
【0036】
次いで、ステップS20でセンサ信号を入力する。これにより、運転態様検出センサ13、方位センサ14、車速センサ15、燃料センサ16からの信号が制御部17に入力される。次いで、スイッチ22で道路状況検出処理を行う。道路状況検出処理では、以下の各情報を検出する。道路状況を検出するのは、後に走行可能距離を予測するのに使用するからである。走行可能予測距離は、上記道路状況の他、運転の仕方、走行状況等で異なるので、これら燃費に関係するものを考慮することで精度を高めることができる。
【0037】
▲1▼まず、走行している道路、およびこれから走行を予定しているルートの道路が坂道、ワインディングロード、高速道路等であるか否かを検出する。これは、CD−ROM24より車両の現在位置に対応する地図情報から、その位置での道路属性情報(例えば、国道、県道、坂道、ワインディングロード、高速道路等の情報)を取り込むことにより検出する。
なお、坂道、高速道路、ワインディングロード等予め決っている道路の種類等は道路属性情報とする。したがって、これらに関する属性情報は、最初から地図データと共にCD−ROM24に収録しておく。
【0038】
▲2▼次に、道路がドライ、ウェット、雪道、雨道、砂利道、渋滞道であるか否かを検出する。これは、運転態様検出センサ13、車速センサ15、燃料センサ16からの情報を取り込み、実走行状態を判断して検出する。渋滞道も実走行状態を判断して検出するが、例えばVICSの情報を取り込んで判断してもよい。
そして、検出した上記情報に基づいて燃費を補正する道路状況燃費補正率を計算する。
ここでの、道路がドライであるとか、ウェット(雪、雨等)であるとか渋滞であるとかは、上記道路属性情報のように予め決っているものではなく、そのときどきの情報である。これは、走行時にセンサ等にて検出し、地図に付随した上記道路属性情報を補正する道路状況補正情報としてその都度決めるしかない情報でである。そして、この道路状況補正情報に基づいて燃料消費量に関するデータを補正して燃料の給油情報を設定する。ただ、砂利道はもともと砂利道である場合には、それを道路属性情報として予め設定しておけば済むが、もともとアスファルト路であったものが工事などで砂利道になっているときは、道路状況補正情報として道路属性情報に補正をかけなければならない。
【0039】
上記道路属性情報については、上記以外のパラメータを検出してもよい。ここで、道路状況検出で使用するパラメータと燃費との関係は、予めCD−ROM24に当該位置に対応する地図情報の中にデータを格納しておく。例えば、坂道の場合であれば、上り、下りで地図データに燃費比率(例えば、燃費補正値)のデータを書き込んでおく。
【0040】
次いで、ステップS24で運転態様検出処理を行う。運転態様検出処理では、以下の各情報を検出する。
▲1▼運転の仕方を検出する。運転ではアクセルやブレーキの踏み方により燃費が異なるが、これらは日頃から車両の実走行状況を検出して判断することにより、ドライバーの癖に対応して燃費を補正することが可能にから、まず運転の仕方を検出し、これから運転態様燃費補正率を計算する。
▲2▼AT車の場合にはATのレンジ位置、ギア位置あるいはパワーモードかエコノミーモードかを判別し、判別結果に応じて運転態様燃費補正率を計算する。
なお、運転態様では上記以外のパラメータを検出してもよい。例えば、移動体(車両)に搭載のパワートレインの稼働状況を検出し、この稼働状況に応じて燃料の残存量、燃料消費量に関係するデータ、走行可能な区間の少なくとも何れかを補正してもよい。パワートレインとは、車両の変速機やエンジンを指すものである。
【0041】
次いで、ステップS26で燃料残量(燃料残存量のこと、以下同様)を検出する。これは、燃料センサ16からの信号に基づいて検出する。なお、ルーチンの繰り返しにより、ステップS26の処理が実行される毎に燃料残量を検出して前回のルーチンの残量と比較することにより、給油されたかどうかが分かる(どのタイミング(時刻)で給油されたどうかの情報が得られる)。
【0042】
次いで、ステップS28で給油時期を演算する。ここでの給油時期とは、燃料残量と走行状態等との関係で、どのタイミング(例えば、時刻)で給油をするのが望ましいかという情報(給油情報)を表示するためのものである。具体的には、次のようにして給油時期を演算する。すなわち、車両の燃料が設定残量以下になったら、目標ルートの各区間の燃料消費量に関するデータを現在地点から累積して算出した必要燃料量(例えば、道路属性情報、道路状況補正情報を使用して求める)と、燃料残存量とを比較していき、両者の大小が入れ替わる区間を元に走行可能区間あるいは給油要求区間を設定し、これを運転態様燃費補正率で補正して燃料の給油情報を設定する。
【0043】
▲1▼道路属性情報、道路状況補正情報を使用した走行可能予測距離の演算方法
例えば、道路属性情報としては基準車両での標準平坦路(ドライ、アスファルト路)を中心とした地域区間での標準燃費重みを1としたとき、登り坂を中心としたある地域区間の燃費重みを2.5、降り坂を中心としたある地域区間の燃費重みを0.8、ワインディングロード中心としたある地域区間の燃費重みを1.5といった具合に各道路区間をその間に存在する坂、ワインディングロード、高速道路などの道路状況に応じて設定区間ごとに燃費の重み付けをした値を予め地図情報に持たせておく。この設定区間長さは数キロ(例えば、3Km)程度とする。
【0044】
同様に、道路状況補正情報として、例えばドライな路では燃費重みを1とし、雨路では1.4といった値に設定する。これらの区間燃費重みの値は、実験等で決定しておく。これら燃費重みの値は走行速度やATのギヤ比により異なるが、通常、走行道路により車両、ギヤ比はほぼ決まるので、この条件での値をメモリしておき、この走行速度から著しくずれるときやギヤ比が異なるとき、ある程度簡単化して修正するようにしてもよい。
【0045】
▲2▼演算は、例えば次のようにして実行される。まず、車両走行開始により、標準道路走行時(ドライ、アスファルトの平坦路)での3Km当たりの実燃料消費量aを求めておく。60Km/hでの走行だけを考えてもよいが、車速により幅を持たせていくつかの異なる値を持たせてもよい。
次いで、燃料の検出残量Fが設定値以下になったら、その時点から走行可能予測距離の演算を開始する。その一例として、下記の方法がある。
【0046】
これから走行する予定のルートに沿って、燃料残量が設定値になった区間から順次区間(3Kmごと)別の燃費重みを足していき、その合計値に道路状況補正情報の重みづけを掛けた値がF/aより等しいか大きくなるまでn回演算する。つまり、設定残量値になった区間からn個目の区間では燃料切れとなることが予想される。したがって、走行可能な予測距離は、(n−1)×3Kmとなるし、地図上で(n−1)区間まで走行可能な表示が可能となる。
【0047】
▲3▼走行可能予測距離の演算の具体例
まず、道路属性情報として、地図上で3Km当たりの標準燃費比:g(i)、平坦路での燃費重み:1、坂での燃費重み:2、路面区間:区間No.iとして設定する。
次いで、道路状況補正情報として、路面状況:h(i)、ドライな路での燃費重み:1、ウエット路での燃費重み:1.3を設定し、これらは状況により異なるものである。また、高速道路での燃費重み:0.8、砂利道での燃費重み:1.5などを設定し、これらは予め分かっているものである。しかし、砂利道は例えば工事中等で通常と異なるから、この場合は実際走行での燃料残量で補正する。なお、補正量が当初表示から大きく外れるときは警報を発する。燃料残量は、計測値をFとし、燃料残量の計測値FがF0(例えば、満タンの1/5ぐらい、あるいは10リットル以下になった場合)となったら、給油情報の演算を始める。
【0048】
対象となる車両の標準実燃費aは、ドライなアスファルト平坦路=標準道路3Km当たりの実燃費でいくつかの速度帯ごとに求めておく。演算の最初はイニシャル値を入れておいてもよい。
なお、車両の標準実燃費a(すなわち、燃料消費量データ)は、標準データであり、ドライ平坦路での走行実燃費を計測して補正すればデータを各車種ごとに設定しなくてもよい。例えば、各自動車の性能(燃料消費量も含む)のばらつきにあった値になる。
そして、走行する予定のルートに沿って燃料残量が設定値になった区間から順次区間(例えば、3Kmごと)別の燃費重みを足していき、その合計値に道路状況補正情報の重みづけを掛けた値がF/aより等しいか大きくなるまでn回演算し、以下の数式1が成立するnを求めるようにする。
【0049】
【数1】
【0050】
数式1中で、iは区間番号を示し、i=0は所定残量になった地点で、この地点から目的地に向って走行予定ルートに沿い、順に区間を足していくことを左辺は意味している。
これによると、走行可能予測距離LはL=(n−1)×3Kmとなり、地図の(n−1)ゾーンの位置までが走行可能距離で、これを地図上で数字で表示する。精度は3Kmとなる。以後、残量の所定量低下ごとに演算を繰り返す。あるいは所定走行距離ごとに演算を繰り返してもよい。また、走行可能予測距離内にガソリンスタンド(例えば、設定系列、設定数等)があるかを判断し、その点から逆算して設定条件を満たしたら、警報あるいは表示を行うのを開始してもよい。さらに、この設定条件を学習するようにするとよい。そして、このようにして演算した走行可能予測距離を運転態様燃費補正率で補正することにより、道路状況の他、運転の仕方、走行状況等の燃費に関係するものを考慮して走行可能予測距離の精度をより高める。
なお、車両の基本的な燃費(例えば、標準的な運転での燃費)を道路状況燃費補正率および運転態様燃費補正率で補正して、車両の現在の実燃費を求め、現在の燃料残量から実燃費を減算し、燃料残量が所定量(例えば、7リットル)になったら給油時期とするようにしてもよい。
【0051】
次いで、ステップS32で演算した給油時期になったかを否かを判別し、給油時期になっていなければ、ステップS12に戻って上記ループを繰り返す。そして、車両が走行し給油時期になると、ステップS34に進んで給油情報をディスプレイ装置22の画面に表示する。給油情報の表示では図4(b)に示すような表示を行う。なお、ステップS34を経ると、ステップS12に戻って処理ループを繰り返す。
【0052】
ここで、給油情報の表示を詳しく説明すると、給油時期になると、ディスプレイ装置22の画面の一部の表示情報を切り換える処理を行う。例えば、図4(b)に示すようにメインの道路地図Aの上に重ねるようにして、自動的に給油情報として進行方向で最も近くのガソリンスタンドの地図を含む周囲情報C(すなわち、この場合はガソリンスタンド情報)を拡大して表示する。ガソリンスタンド情報の拡大図は図5のように示される。図5において、国道48号線の進行方向右手にガソリンスタンドがあることが表示されるとともに、現在位置の横に「スタンドまで4分です」というメッセージが表示される。
【0053】
また、このときガソリンスタンド情報地図には残量の燃料でどこまで走行できるかの距離および走行範囲(走行時間も含む)を、例えば現在位置を中心とする円で表示する(ただし図5では図示略)。さらに、走行可能範囲内のガソリンスタンドを全て表示するようにする。この場合、ガソリンスタンドは進行方向の右側、あるいは左側にあるかを表示するとともに、ガソリンスタンドの系列やガソリンの値段を表示する。なお、ガソリンの値段はドライバーが初期設定処理の段階で予め入力するが、CD−ROM24にオプション情報として格納しておいてもよい。これにより、ドライバーは燃料の残量に応じた適切な給油警報およびガソリンスタンド位置等の有意義な情報を運転をしながらでも容易に知ることができる。
【0054】
また、給油情報表示処理では画面の一部の表示情報をガソリンスタンド情報に切り換えるが、このとき同時にガソリンスタンド情報を音声合成音(例えば、「給油時期になりました。○○ガソリンスタンドが進行方向右前方に見えます」)でガイダンスするように音声出力装置23から出力する。したがって、ドライバーは給油時期になった時点で、自動的に音声合成音によってもガソリンスタンドに関する情報を知ることができる。
なお、給油情報は一定時間表示する処理を行ってもよいし、あるいはステップS26の燃料残量検出処理で前回のルーチンの残量と今回の残量とを比較して、給油されたかどうかを判断し、給油された場合には給油情報の表示をリセット(例えば、給油情報を消す等)するようにしてもよい。また、ドライバーの操作によって給油情報の表示をリセットしてもよい。
【0055】
このように本実施例では、車両の燃料が設定残量以下になったら、目標ルートの各区間の燃料消費量に関するデータを現在地点から累積して算出した必要燃料量と、燃料残存量とを比較していき、両者の大小が入れ替わる区間を元に走行可能区間あるいは給油要求区間を設定し、これを運転態様燃費補正率で補正して燃料の給油情報を設定しているので、以下の効果を得ることができる。
ドライバーは運転を続けながら、何等の操作を行うことなく、燃料の残量に応じて適切な給油情報が自動的に表示されるので、燃料残量を気にすることなく、運転に集中することができる。また、燃料が少なくなると、早くガソリンスタンドを捜さなければという気持になることもない。
【0056】
ドライバーは給油情報を見ることにより、ガソリンスタンドまでの時間や距離、どこまで走行できるか(走行可能範囲)を知ることができ、給油の不安をなくすことができる。
旅行時のように知らない土地に行っても、給油情報が出た場合に、どこにガソリンスタンドがあるかを簡単に知ることができ、極めて便利であるとともに、知らない土地での運転に専念することができる。
【0057】
カーナビゲーション装置1でCD−ROM24等に地図データのみならず、その他の多くの情報(例えば、主要な建物、駅等)を予め記憶しておいて、それらの情報をディスプレイ装置22の画面に表示可能にしたシステムの場合、従来は給油警報が出た場合にガソリンスタンドの情報を選択してディスプレイ装置の画面に表示させてる操作が必要でガソリンスタンドの場所を捜すのが運転中はできず、一時駐車を余儀なくされ、捜す時間もかかるが、これに対して本実施例では、例えば給油時期になると自動的に給油情報が報知されるので、ドライバーが運転しながら給油の必要がある場合に、ガソリンスタンドの場所を簡単に捜すことができ、運転の安全性を高めることができる。
【0058】
D.第2実施例
図6は本発明の第2実施例のカーナビゲーション制御のプログラムを示すフローチャートである。このフローチャートでは、第1実施例と同様の処理を行うステップがあり、それらのステップには第1実施例と同一ステップ番号を付して重複説明を省略する。異なる処理を行うステップには、第1実施例と相違するステップ番号を付して説明する。
第2実施例の制御プログラムでは、ステップS10〜ステップS26までの処理は第1実施例と同様であり、ステップS26で燃料残量を検出すると、次いで、ステップS50に進み、給油パターン学習処理を行う。給油パターン学習処理はドライバーが給油するときのパターンを学習するものであり、給油には例えば以下のようなパターンがある。以下は例示であり、これらの例に限るものではない。
【0059】
・まず、どのドライバーであるかを確認する。確認は、ドライバーによる入力あるいはカードによる読み込み等で行う。
・残量が所定値(例えば、ドライバーに特有の残量)になると、かならずガソリンを給油する。
・残量が所定値(例えば、ドライバーに特有の残量)であっても、安全率を高く取りたがり、すぐにガソリンを給油する。
・残量が無くなるぎりきりまでガソリンを給油しない。
・運転の仕方によって、給油時期が変る。
・市内あるいは高速道路によって給油時期が変る。
・季節で給油時期が変る。
・給油を行うのに、系列のガソリンスタンドを使用する。
【0060】
給油したか否かは、ステップS26の燃料残量検出処理結果で判断する。すなわち、本ルーチンの繰り返しによりステップS26の処理も繰り返して実行されるが、そのとき毎回のルーチンで燃料残量を検出して前回のルーチンの残量と比較することにより、給油されたかどうかを確認する。例えば、燃料残量が前回7リットルなのに、今回が50リットルであれば、明らかに給油されたと分かる。これにより、給油されたときの燃料残量、運転の仕方、道路の種類(例えば、市内あるいは高速道路等)、給油の季節、給油の時刻、前回の給油時期との関連等の給油にパターンが分かる。
【0061】
給油されたときの燃料残量を監視しておくことにより、どのドライバーであるか、ドライバーが残量が所定値になるとかならずガソリンを給油するのか、残量が所定値であっても安全率を高く取りたがりすぐにガソリンを給油するのか、あるいは残量が無くなるぎりきりまでガソリンを給油しないのか等の給油の癖が分かる。運転の仕方は運転態様検出処理で分かるから、給油のときの運転態様検出処理結果を利用する。道路の種類(例えば、市内あるいは高速道路等)は給油のとき走行している地図データから分かる。給油の季節は給油のときの年月日で分かる。給油の時刻はプログラム上で計時しているから分かる。前回の給油時期との関連(例えば、すぐに給油したか、あるいは給油までの期間が長かったか等)は、今回の給油時期との比較で分かる。また、給油を行うのに系列のガソリンスタンドを使用したか否かは、地図に系列を入力しておけば、どこに立ち寄ったかを認識できる。
【0062】
上記のようにして、ドライバーの運転態様および給油時期に基づく給油パターン(以下、給油パターンという)を学習し、その学習結果を記憶しておく。学習結果の記憶はカーナビゲーション装置1の電源がオフしても保持される。したがって、学習結果が長く、蓄積データが多くなる程、給油パターンの学習精度が向上していく。次いで、ステップS52で給油パターンの学習結果に基づく給油時期になったか否かを判別する。例えば、残量が所定値(例えば、1/3)になると、かならずガソリンを給油するというドライバーの学習結果があれば、残量が所定値(例えば、1/3)になった時点が給油パターンの学習結果に基づく給油時期ということになる。ステップS52で給油パターンの学習結果に基づく給油時期になっていなければ、ステップS12に戻って処理ループを繰り返す。そして、車両が走行し給油パターンの学習結果に基づく給油時期になると、ステップS54に進んで第1実施例と同様に給油情報表示処理を行い、その後、ステップS12に戻る。
【0063】
このように第2実施例では、ドライバーの運転態様および給油パターンを学習し、その学習結果に基づいて給油時期を判断し、給油時期になると給油情報を表示する。したがって、給油されたときの燃料残量、運転の仕方、道路の種類、給油の季節、給油の時刻、前回の給油時期との関連等のドライバーの運転態様や給油の癖に対応して最も適切なタイミングで給油の情報を報知することができる。
【0064】
E.第3実施例
図7は本発明の第3実施例のカーナビゲーション制御のプログラムを示すフローチャートである。このフローチャートでは、第1実施例と同様の処理を行うステップがあり、それらのステップには第1実施例と同一ステップ番号を付して重複説明を省略する。異なる処理を行うステップには、第1実施例と相違するステップ番号を付して説明する。
第3実施例の制御プログラムでは、ステップS10〜ステップS26までの処理は第1実施例と同様であり、ステステップS26で燃料残量を検出すると、次いで、ステップS70に進み、夕方7時になったか否かを判別する。夕方7時としたのは、夕方7時を過ぎると、夜間に至る前であってガソリンスタンドが閉ることがあるので、その前に残量との関係で給油警報を出す必要があると、考えられるからである。
【0065】
ステップS70で夕方7時になっていなければ、ステップS12に戻ってループを繰り返す。夕方7時になると、次いで、ステップS72に進んで燃料残量が1/4になったか否かを判別する。燃料残量=1/4で判断するのは、夜間に至るので、安全を見込んで通常の給油残量(例えば、1/8)より大きくしたものである。燃料残量が1/4になっていなければ、ステップS12に戻ってループを繰り返し、燃料残量が1/4になると、ステップS74に進んで第1実施例と同様に給油情報表示処理を行い、その後、ステップS12に戻る。
【0066】
このように第3実施例では、夕方7時を過ぎるとガソリンスタンドが閉ることが多いことを考慮し、その前に残量との関係で給油警報を出す必要があると考えて、夕方7時の時点で燃料残量が1/4になっていれば給油情報を表示する。したがって、知らない土地への旅行等で不慣れな地域であっても、夜間に至る前の適切な段階で給油の情報を報知することができる。また、夜間にはガソリンスタンドを捜すのは大変であるが、第3実施例では夕方7時という適切な時間帯にガソリンスタンドの位置がディスプレイ装置22の画面に表示されるので、捜すのが比較的に簡単で、ドライバーの負担を軽減し、安心感を高めることができる。
【0067】
F.変形例
前記各実施例に限らず、例えば以下のような変形例で本発明を実施することも可能である。
・給油情報設定手段は、燃料の残存量で走行可能な区間にあるガソリンスタンド数が所定値以下になったら給油情報の報知時期を設定するようにしてもよい。このようにすると、ガソリンスタンドを捜すのが簡単で、ドライバーの負担を軽減し、安心感を高めることができる。
・給油情報設定手段は、夜間前の所定時間を過ぎたら、この時間より早い時間の場合に比べて、給油情報の報知時期を決定する燃料残存量の設定値を多量とするようにしてもよい。
夜間になると、ガソリンスタンドを捜せるかどうか不安になるが、上記のようにすると、ドライバーの安心感を高めることができる。
【0068】
本発明の実施の形態は、上記のような実施の形態に限らず、以下に述べるような各種の変形実施が可能である。
(a)本発明の適用に関して、移動体は車両に限るものではなく、例えば飛行機、船舶(ボート、ヨット等)、オートバイ等の乗物に幅広く適用できる。さらに、幅広い適用を考えるならば、戦闘車両にも適用できる。上記のような各種移動体に適応するように、例えば給油情報を予め設定しておけば、自動的に給油情報を報知することができる。また、燃料はガソリンに限らず、移動体に応じて軽油、メタノール等の各種のものが考えられる。電気自動車の場合には、燃料残量は例えばバッテリーの残存容量になる。給油時期は充電時期となるのは、勿論である。
(b)記憶手段として上記実施例ではCD−ROMを使用しているが、これに限らず各種の記憶媒体を使用できる。例えば、光磁気ディスク、DVDディスク、磁気テープ、ミニディスク等を使用してもよい。あるいは、ICカード、光カードのような記憶媒体を使用してもよい。また、特定用途のナビゲーションシステムに使用されることが明らかである場合には、ROMの中にナビゲーションに関する情報を格納しておいてもよい。
【0069】
(c)給油情報の内容は、オプションとして他の記憶媒体(例えば、CD−ROM等)に格納してもよいし、あるいは給油情報を記憶手段に記憶させる作業は、ドライバー自身が、例えばパーソナルコンピュータを使用して作成することを可能なようにしてもよい。
(d)上記実施例では給油時期になると、ディスプレイ装置の画面の一部の表示情報を切り換えたり音声合成音を切り換えて給油情報を報知しているが、この他に、例えば地図情報Aを一旦画面から消して、給油情報を全画面に一時的に表示してもよいし、あるいは表示の大きさを変えるようにしてもよい。また、給油情報をの色を変えて分かりやすくしてもよい。さらに、給油情報を点滅させて注意を引くようにしてもよい。
【0070】
(e)給油情報(特に、ガソリンスタンドの位置情報等)の表示はドライバーが操作可能にしてもよい。そのようにすると、ドライバーの意思により見たいときに、その走行地点での給油情報を見ることができ、便利である。
(f)本発明でいう情報報知装置は、情報表示あるいは表示の音出力という概念の上位にあたるものであり、情報報知装置の下位概念は情報表示装置、情報出力装置となる。また、情報表示装置や情報出力装置のさらに下位概念は、情報をどのように利用するかであり、例えば情報を車両走行に利用する場合には、カーナビゲーション装置となる。したがって、本発明の適用分野は、給油時期に給油情報を報知するものであれば、情報報知装置という名称でなくても、全てに適用が可能である。
【0071】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、記憶手段に記憶されている地図情報を移動体(例えば、車両)の自己位置に関連付けて報知(例えば、ディスプレイ装置に走行位置の地図情報を表示)するとともに、移動体の燃料の残存量に応じた給油情報を設定し、設定ではドライバーの給油パターンを学習して、給油情報の設定をドライバーごとに変更し、設定した給油情報を報知(例えば、ディスプレイ装置にガソリンスタンドの地図を表示)しているので、以下の効果を得ることができる。
移動体のドライバーは運転を続けながら、何等の操作を行うことなく、燃料の残量に応じて適切な給油情報が自動的に報知(例えば、表示)されるので、燃料残量を気にすることなく、運転に集中することができ、特にドライバーの給油の癖に対応して最も適切なタイミングで給油の情報をドライバーに報知することができる。
また、燃料が少なくなると、早くガソリンスタンドを捜さなければという気持になることもない。
ドライバーは給油情報を見ることにより、ガソリンスタンドまでの時間や距離、どこまで走行できるか(走行可能範囲)を知ることができ、給油の不安をなくすことができる。
旅行時のように知らない土地に行っても、給油情報が出た場合に、どこにガソリンスタンドがあるかを簡単に知ることができ、極めて便利であるとともに、知らない土地での運転に専念することができる。
カーナビゲーション装置でCD−ROM等に地図データのみならず、その他の多くの情報(例えば、主要な建物、駅等)を予め記憶しておいて、それらの情報を報知手段(例えば、ディスプレイ装置の画面)に報知(例えば、表示)可能にしたシステムの場合、従来は給油警報が出た場合にガソリンスタンドの情報を選択してディスプレイ装置の画面に表示させてる操作が必要でガソリンスタンドの場所を捜すのが運転中は危険であり、そこで一時停車してガソリンスタンドを探すにしても、多くの表示情報から探し出すのに時間がかかったが、これに対して本発明では、例えば給油時期になると自動的に給油情報が報知されるので、ドライバーが運転しながら給油の必要がある場合に、ガソリンスタンドの場所を簡単に捜すことができ、運転の安全性を高めることができる。
【0072】
請求項2記載の発明によれば、夜間前の所定時間を過ぎたら、この時間より早い時間の場合に比べて、給油情報の報知時期を決定する燃料残存量の設定値を多量とすることにより、夜間になると、ガソリンスタンドを捜せるかどうか不安になるが、このようにすると、ドライバーの安心感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報報知装置を適用したカーナビゲーション装置の一実施例のブロック図である。
【図2】カーナビゲーション装置の外観構成を示す図である。
【図3】カーナビゲーション制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図4】画面に給油情報を表示する例を説明する図である。
【図5】ガソリンスタンド情報の例を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施例のカーナビゲーション制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施例のカーナビゲーション制御のプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カーナビゲーション装置
11 アンテナ
12 GPS受信装置
13 運転態様検出センサ
14 方位センサ
15 車速センサ
16 燃料センサ(燃料残存量検出手段)
17 制御部(給油情報設定手段)
18 ROM
19 RAM
20 CD−ROMドライバー
21 スイッチ入力部
22 ディスプレイ装置(報知手段)
23 音声出力装置
24 CD−ROM(記憶手段)
Claims (2)
- 移動体の自己位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも地図情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶されている地図情報を移動体の自己位置に関連付けて報知するように制御する制御手段と、
移動体の燃料の残存量を検出する燃料残存量検出手段と、
移動体の燃料の残存量に応じて給油情報を設定する給油情報設定手段と、
制御手段の出力に基づいて地図情報を報知するとともに、給油情報設定手段によって設定された給油情報を報知する報知手段と、
を備え、
前記給油情報設定手段は、
ドライバーの給油パターンを学習して、給油情報設定手段における給油情報の設定をドライバーごとに変更することを特徴とする情報報知装置。 - 移動体の自己位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも地図情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶されている地図情報を移動体の自己位置に関連付けて報知するように制御する制御手段と、
移動体の燃料の残存量を検出する燃料残存量検出手段と、
移動体の燃料の残存量に応じて給油情報を設定する給油情報設定手段と、
制御手段の出力に基づいて地図情報を報知するとともに、給油情報設定手段によって設定された給油情報を報知する報知手段と、
を備え、
前記給油情報設定手段は、
夜間前の所定時間を過ぎたら、この時間より早い時間の場合に比べて、給油情報の報知時期を決定する燃料残存量の設定値を多量とすることを特徴とする情報報知装置。
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