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JP3581248B2 - 比率差動継電装置 - Google Patents

比率差動継電装置 Download PDF

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JP3581248B2
JP3581248B2 JP11291898A JP11291898A JP3581248B2 JP 3581248 B2 JP3581248 B2 JP 3581248B2 JP 11291898 A JP11291898 A JP 11291898A JP 11291898 A JP11291898 A JP 11291898A JP 3581248 B2 JP3581248 B2 JP 3581248B2
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康明 三宅
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力系統の変圧器の保護を行う比率差動継電装置、特にインラッシュ電流中の直流分でCTが飽和しても不要に動作しない信頼度の高い比率差動継電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17は従来の比率差動継電装置が適用される電力系統を示す図であり、図において、1は被保護変圧器、2は変圧器1の一次側に設置された遮断器、3は変圧器1の二次側に設置された遮断器、4は変圧器1の一次側電流11(高圧側電流)を計測する変流器(以下、CTという)、5は変圧器1の二次電流I2(低圧側電流)を計測する変流器(以下、CTという)、6は保護範囲内に故障が発生したとき、遮断器2および遮断器3をトリップして変圧器1を電力系統から遮断する比率差動継電装置である。
【0003】
図18は例えば特開昭53−111451号公報に記載された従来の比率差動継電装置を示す構成図であり、図において、11は図17のCT4から計測された一次電流I1とCT5から計測された二次電流I2を比較し、電流値が大きい方の電流を抑制電流Irとして導出する抑制電流導出器、12は一次電流I1と二次電流I2の差動電流導出器、13は抑制電流Irに対する差動電流Idの比率が所定値以上であるときトリップ信号を出力する比率差動器である。20は電力系統がインラッシュ状態にないと判定したときに非ロック信号を出す非インラッシュ検出手段、17は比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、非インラッシュ検出手段20から非ロック信号が出力されると、遮断器のトリップ信号を出力して変圧器1を電力系統から遮断する論理積回路である。
【0004】
非インラッシュ検出手段20において、14は差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている基本波成分Id0を抽出する基本波フィルタ、15は差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれる第2高調波成分Id2を抽出する第2高調波フィルタ、16は差動電流Idが所定値以上であって、基本波成分Id0に対する第2高調波成分Id2の比率が所定値以下のとき電力系統がインラッシュ状態にないと判定し、非ロック信号を出力するインラッシュ判定器である。
【0005】
次に動作を説明する。比率差動継電装置6の一般的な機能は、図17に示すように、電力系統に外部故障FOが発生しても、変圧器1を電力系統から遮断しないが、電力系統に内部故障FIが発生した場合には、変圧器1を保護するために変圧器1を電力系統から遮断するものである。具体的には、まず、抑制電流導出器11が、CT4により計測された一次電流I1とCT5により計測された二次電流I2を比較し、電流値が大きい方の電流を抑制電流Irとして導出する。また、差動電流導出器12が、CT4により計測された一次電流I1とCT5により計測された二次電流I2のベクトル差を差動電流Idとして導出する。そして、比率差動器13は、一般的に、抑制電流Irに対する差動電流Idの比率が所定値以上であるとき、電力系統において内部故障FIが発生した可能性が高いので、以下の条件を具備する場合には、トリップ信号を出力する。
Id>KF1×Ir+KM
但し、KF1、KMは所定の定数
【0006】
一方、フィルタ14およびフィルタ15は、差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている基本波成分Id0および第2高調波成分Id2をそれぞれ抽出する。そして、インラッシュ判定器16は上記両成分から電力系統がインラッシュ状態にあるか否かを判定する。このインラッシュ判定器16を含む非インラッシュ検出手段20の設置は、電力系統がインラッシュ状態にある場合(一般に、遮断器3が開状態のとき、遮断器2を開状態から閉状態にするとインラッシュ状態になる)には、インラッシュ電流が変圧器1に流入するため、電力系統において内部故障FIが発生した場合と近似した現象が発生する関係上、比率差動器13がトリップ信号を出力する場合があるが、この場合、電力系統に内部故障FIが発生しているわけではないので、変圧器1が電力系統から遮断されないようにする必要があるためである。
【0007】
即ち、非インラッシュ検出手段20は、電力系統がインラッシュ状態にない場合に限り非ロック信号を出力して、比率差動器13が出力するトリップ信号を有効にするため、差動電流Idが所定値以上であって、基本波成分Id0に対する第2高調波成分Id2の比率が次式に示す所定値以下のとき電力系統がインラッシュ状態にないと判定し、非ロック信号を出力する。
Id2<KF2×Id0
但し、KF2は所定の定数
ここで、基本波成分Id0に対する第2高調波成分Id2の比率を判定に使用するのは、インラッシュ電流は、故障電流に比べて第2高調波電流成分Id2を多く含んでいるからである。論理積回路17は、比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、非インラッシュ検出手段20から非ロック信号が出力されると、電力系統に内部故障FIが発生したものと判断して、変圧器1を電力系統から遮断し、一連の動作が終了する。
【0008】
次に、インラッシュ電流に対する動作を図19、図20の波形図により説明する。なお、図19、図20の(a)はインラッシュ発生時のCT4の一次側電流、(b)はインラッシュ発生時のCT4の二次側電流を示している。図19において、比率差動器13は、差動電流Idが上記所定値以上でインラッシュ発生から時間tOP13(例えば2サイクル、50Hzベースで40ms)後に出力するが(c)、インラッシュ電流には第2高調波成分Id2が多く含まれるのでインラッシュ判定器16は出力しない(d)。従って論理積回路17は出力しない(e)。
【0009】
次に、インラッシュ電流によりCTが飽和した場合の動作を図20の波形図により説明する。比率差動器13は、CT飽和がないときと同様に、時間tOP13後に出力する(c)。インラッシュ電流の第3波目まではCT飽和がなくいわゆる半波状に典型的なインラッシュ電流波形であるが、第4波目からインラッシュ電流中の直流分が積分されたことによりCT鉄心が飽和し(b)、CT二次電流の波形はやや正負にも振れる形となり、調波分析すると第3高調波が増加し、第2高調波成分の比率が低下したものとなる。このため、インラッシュ判定器16は第4波の立ち上がり時点から時間tOP16後に、インラッシュ時であるにも関わらず誤って非ロック信号を出力し(d)、従って論理積回路17が不要に出力し(e)、変圧器1が電力系統から遮断されてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、比率差動器の出力である遮断器のトリップ信号が、インラッシュ時には遮断器の動作を引き起こさないようにする信頼度の高い比率差動継電装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る比率差動継電装置は、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が所定値以上のとき出力する直流分積分手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0012】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、直流分の大きさが所定値以上のとき出力する直流分レベル検出手段と、直流分レベル検出手段の出力が所定時間継続したとき出力するタイマ手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0013】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、差動電流中の基本波に対する直流分の大きさ比率が所定値以上のとき出力する直流分含有率検出手段と、直流分含有率検出手段の出力が所定時間継続したとき出力するタイマ手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0014】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分との割合に応じて出力する第2高調波検出手段、 および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記第2高調波検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0015】
また、第2高調波検出手段は、差動電流中の基本波分に対する第2高調波分の比率が所定値以上のとき出力する第2高調波含有率検出手段と、この第2高調波含有率検出手段の出力が所定時間継続したとき出力するタイマ手段とを備えたものである。
【0016】
また、第2高調波検出手段は、差動電流中の基本波分に対する第2高調波分の比率が所定値以上減少傾向にあるとき出力する第2高調波減少検出手段を備えたものである。
【0017】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、および高圧側端子の各相電流および零相電流の加算値または低圧側端子の各相電流および零相電流の加算値のいずれかに応じて出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0018】
また、直流分検出手段は、高圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力が所定値以上のとき出力する出力レベル検出手段と、低圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力が所定値以上のとき出力する出力レベル検出手段と、上記両出力レベル検出手段の出力の論理和を出力する論理和回路とを備えたものである。
【0019】
また、直流分検出手段は、高圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき出力する直流分合有率検出手段と、低圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき出力する直流分含有率検出手段と、上記両直流分含有率検出手段の出力の論理和を出力する論理和手段とを備えたものである。
【0020】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が一定値以上のとき出力する直流分積分手段、この直流分積分手段から一度出力があると所定時間幅のパルスを出力するワンショットタイマ、上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路、および上記ワンショトタイマの出力により上記論理積回路の出力をロックするインヒビット回路を備えたものである。
【0021】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差 動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が第1の所定値以上のとき出力する第1の直流分積分手段と、上記直流分導出手段の出力を積分し、積分量が第2の所定値以上のとき出力する第2の直流分積分手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0022】
また、被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、上記抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波電流に対する第2高調波電流の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、高圧側端子電流中の直流成分を導出する直流分導出手段、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が所定値以上のとき出力する直流分積分手段、低圧側端子電流中の直流成分を導出する直流分導出手段、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が所定値以上のとき出力する直流分積分手段、上記両直流分積分手段の出力の論理和を出力する論理和回路、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記論理和回路の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理回路への非ロック信号を出さないようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、100は第2高調波成分Id2の比率感度を制御できる可変比率インラッシュ判定器、101は差動電流Id中の直流分を導出する直流分導出器、102は直流分導出器101の出力を積分して、積分量が所定値以上になったとき出力する直流分積分手段である。その他の構成は図18に示すものと同様である。
【0024】
次に、図2の波形図により動作を説明する。なお、図の(a)はインラッシュ発生時のCT4の一次側電流、(b)はインラッシュ発生時のCT4の二次側電流を示している。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の直流分が直流分導出器101で導出され(f)、直流分導出器101の出力Iddが直流分積分手段102により積分される。この積分量が所定値に達する、インラッシュ電流印加から時間tOP102後に直流分積分手段102が出力して(g)、可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波の比率感度(すなわちインラッシュかどうかを判定する第2高調波の基本波に対する含有比率、以下同じ)を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCTが飽和して(b)差動電流Id中の第2高調波含有率が低下しても、インラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない(e)。このため、論理積手段17からインラッシュ時に不要に変圧器を遮断する信号が出力されることはなくなる。
【0025】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、103は直流分Iddの大きさが所定値以上のとき出力する直流分レベル検出手段、104は直流レベル検出手段103の出力が所定時間以上継続したとき出力するタイマである。その他の構成は図1と同様である。
【0026】
次に動作を説明する。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の直流分が直流分導出器101で導出され、直流分導出器101の出力Iddの大きさが所定値(例えば定格電流の10%)以上あれば、直流分レベル検出器103が出力し、タイマ104が付勢される。所定時間後(例えばT1=1秒後)にタイマ104がカウントアップすると、可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCT4が飽和して差動電流Id中の第2高調波含有率が低下してもインラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない。従って、インラッシュ時に論理積手段17から不要に変圧器1を遮断する信号が出力されることはない。
【0027】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、105は差動電流Id中の基本波に対する直流分Iddの比率が所定値(例えば40%)以上のとき出力する直流分含有率検出手段、106は直流分含有率検出手段105の出力が所定時間継続したとき出力するタイマである。
【0028】
次に、図5の波形図により動作を説明する。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の直流分が直流分導出器101で導出され(f)、直流分Iddの大きさが基本波フィルタ14の基本波分出力Id0に比べて所定比率以上の大きさであれば、直流分含有率検出手段105が検出時間tOP105後に出力し(g)、タイマ106が付勢される。所定時間後(例えばT2=1秒後)にタイマ106がカウントアップすると(h)、可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCT4が飽和して差動電流Id中の第2高調波含有率が低下しても、インラッシュ判定器100は出力しない(e)。従って、インラッシュ時に論理積手段17から不要に変圧器1を遮断する信号が出力されることはない。
【0029】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、107は差動電流Id中の基本波電流Id0に対する第2高調波分電流Id2の比率が所定比率(例えば12%)以上のとき出力する第2高調波含有率検出手段、108は第2高調波含有率検出手段107の出力が所定時間継続したとき出力するタイマである。
【0030】
次に、図7の波形図により動作を説明する。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の第2高調波分電流Id2が第2高調波フィルタ15で導出され、第2高調波分電流Id2の大きさが基本波フィルタ14の基本波分電流Id0の大きさに対して所定比率以上であれば、第2高調波含有率検出手段107が検出時間tOP107後に出力し(f)、タイマ108が付勢される。所定時間後(例えばT3=1秒後)にタイマ108がカウントアップすると(g)、可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCT4が飽和して(b)差動電流Id中の第2高調波含有率が低下しても、インラッシュ判定器100は出力しない(e)。従って、インラッシュ時に論理積回路17から不要に変圧器1を遮断する信号が出力されることはない。
【0031】
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、109は差動電流Id中の基本波電流Id0に対する第2高調波分電流Id2の比率が所定比率(例えば−2%/サイクル)以上減少傾向のとき出力する第2高調波減少検出手段である。その他の構成は図1と同様のものである。
【0032】
一般にインラッシュ電流中の第2高調波含有率は時間の経過と共にやや増加するのが普通であるが、この実施の形態5は、CT飽和の開始で第2高調波電流が減少する傾向をとらえ、可変インラッシュ判定器100の感度を変更するものである。次に、図9の波形図により動作を説明する。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の第2高調波分電流Id2が第2高調波フィルタ15から導出され、第2高調波分電流Id2の大きさの基本波フィルタ14の基本波電流Id0の大きさに対する比率が所定比率以上の減少傾向であれば、第2高調波減少検出手段109が検出時間tOP109後に出力し(f)、可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCT4が飽和して差動電流Id中の第2高調波含有率が低下してもインラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない(e)。従って、インラッシュ時に論理積回路17から不要に変圧器1を遮断する信号が出力されることはない。
【0033】
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、110は高圧側の相電流I1A、相電流I1B、相電流I1Cおよび零相電流I1Nを加算する第1の加算手段、112は第1の加算手段110の出力が所定値以上の大きさのとき出力する第1のレベル検出手段、111は低圧側の相電流I2A、相電流I2B、相電流I2Cおよび零相電流I2Nを加算する第2の加算手段、113は第2の加算手段111の出力が所定値以上の大きさのとき出力する第2のレベル検出手段、114は論理和手段である。
【0034】
次に動作を説明する。第1の加算手段110、第2の加算手段111の出力は各CTの飽和がなければ健全時、外部故障時、内部故障時、インラッシュ時のいずれでも零であるが 少なくともA相、B相、C相、いずれかのCTが飽和すれば零でなくなる。例えば高圧側から直流分を多く含むインラッシュ電流が印加された場合、いずれかのCT飽和により第1の加算回路110から出力があり、その値が所定値以上であるとき第1のレベル検出手段112が出力し、論理和手段114を経由して可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCT4が飽和して高圧側電流I1中の第2高調波含有率が低下してもインラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない。従って、論理積回路17が不要に出力することはない。低圧側についても同様の動作をする。
【0035】
図16にこの実施の形態の適用が有効であるような電力系統図を示す。図16において、201は母線、203は変圧器、202は遮断器である。図16の系統で変圧器1が運転中(遮断器2、遮断器3共に閉)、遮断器202を閉にすると、インラッシュ電流がCT4、CT5を貫通する形となり比率差動継電装置6の差動回路には差動電流は発生しない(差動電流導出器12の出力はない)が、実施の形態6によれば上記のように差動電流からでなく、高圧側または低圧側の電流からインラッシュ電流によるCTの飽和を検出する方法をとるので、このような系統に適用しても誤動作を防ぐことができる。
【0036】
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、115は第1の加算手段110の出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき出力する第1の直流分合有率検出手段、116は第2の加算手段111の出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき出力する第2の直流分合有率検出手段、117は論理和手段である。その他の構成は図10と同様である。
【0037】
次に動作を説明する。第1の加算手段110、第2の加算手段111の出力は各CTの飽和がなければ健全時、外部故障時、内部故障時、インラッシュ時のいずれも零であるが、少なくともA相、B相、C相、いずれかのCTが飽和すれば零でなくなる。例えば高圧側から直流分を多く含むインラッシュ電流が印加された場合、いずれかのCT飽和により第1の加算手段110から出力があり、その出力中に所定比率以上の直流分が含まれる場合は、第1の直流分合有率検出手段115が出力し、論理和手段117を経由し、可変比率インラッシュ判定器100の検出感度を、例えば12%から8%に変更する。
【0038】
この感度の低減により、インラッシュ電流によりCTが飽和して高圧側電流I1中の第2高調波含有率が低下しても、インラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない。従って、インラッシュ時に論理積回路17が不要に出力することはない。実施の形態7によれば、上記のように、差動電流からでなく高圧側または低圧側の電流からインラッシュ電流によるCTの飽和を検出する方法をとっているので、実施の形態6と同様に図16のような系統に適用するときに特に有効である。
【0039】
実施の形態8.
図12はこの発明の実施の形態8に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、118は直流分積分手段102から一度出力があると所定時間幅のパルスを出力するワンショットタイマである。ここでワンショットタイマ118のパルス時間幅はインラッシュ電流の直流分によるCTの飽和継続時間を考慮して例えば1秒に設定する。119はインヒビット回路である。
【0040】
次に動作を説明する。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の直流分が直流分導出器101で導出され、直流分導出器101の出力電流Iddが直流分積分手段102により積分される。積分量が所定値に達すると、直流分積分手段102が出力してワンショットタイマ118を付勢し、所定時間幅のパルスが出力される。このため、インラッシュ判定器100から非ロック信号が出ても、インヒビット手段119はCTが飽和している間、ワンショットタイマ118の出力によりロックされているので、CTが飽和しても不要に出力することはない。
【0041】
実施の形態9.
図13はこの発明の実施の形態9に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、120は直流分導出器101の出力Iddを積分して、積分量が直流分積分手段102の検出レベルより大きい第2の所定値以上になったとき出力する第2の直流分積分手段である。その他の構成は図1と同様である。
【0042】
次に、図14の波形図により動作を説明する。インラッシュ電流が印加される差動電流導出器12の出力差動電流Id中の直流分が直流分導出器101で導出され、直流分導出器101の出力Iddが直流分積分手段102により積分される。時間tOP102後に積分量が所定値に達すると直流分積分手段102が出力して(g)、可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。さらにインラッシュ電流が継続して、動作時間tOP120後に第2の直流分積分手段120の検出レベルに達すると第2の直流分積分手段120が出力して(h)、可変インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を今度は、例えば8%から6%に変更する。この2段の感度の低減により、インラッシュ電流によりCTが飽和して差動電流Id中の第2高調波含有率が低下してもインラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない。従って、インラッシュ時に論理積回路17から不要に変圧器を遮断する信号が出力される
ことはない。
【0043】
実施の形態10.
図15はこの発明の実施の形態10に係る比率差動継電装置を示すブロック構成図であり、図において、121は高圧側の端子電流I1中の直流分を導出する直流分導出器、123は直流分導出器121の出力を積分して積分量が所定値以上のとき出力する第1の直流分積分手段、122は低圧側の端子電流I2中の直流分を導出する直流分導出器、124は直流分導出器122の出力を積分して積分量が所定値以上のとき出力する第2の直流分積分手段、125は出力によりインラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を変更する論理和回路である。
【0044】
次に動作を説明する。例えば高圧側からインラッシュ電流が印加されると、高圧側電流I1中の直流分が第1の直流分導出器121で導出され、第1の直流分導出器121の出力が第1の直流分積分手段123により積分される。積分量が所定値以上になると第1の直流分積分手段123が出力して可変比率インラッシュ判定器100の第2高調波比率感度を、例えば12%から8%に変更する。この感度の低減により、インラッシュ電流によりCT4が飽和して端子電流中の第2高調波含有率が低下してもインラッシュ判定器100は非ロック信号を出力しない。従って、インラッシュ時に論理積回路17から不要に変圧器を遮断する信号が出力されることはない。低圧側についても同様に動作する。実施の形態10によれば、上記のように差動電流からでなく高圧側または低圧側の電流からインラッシュ電流によるCTの飽和を検出するものであるので、実施の形態6、実施の形態7と同様に図16のような系統にも適用できる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、差動電流中の直流分を抽出し、その直流分を積分して積分量が所定値以上のときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0046】
また、差動電流中の直流分を抽出し、その直流分が所定値を超える期間が所定時間以上継続したときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0047】
また、差動電流中の直流分を抽出し、差動電流中の基本波に対する直流分の大きさ比率が所定値を超える期間が所定時間以上継続したときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0048】
また、差動電流中の第2高調波分を抽出し、差動電流中の基本波に対する第2高調波の大きさ比率が所定値を超える期間が所定値時間以上継続したときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0049】
また、差動電流中の第2高調波分を抽出し、第2高調波分が減少傾向にあればCT飽和の恐れがありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0050】
また、高圧側または低圧側端子の各相電流と零相電流を加算した出力が所定値以上のとき、CT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0051】
また、差動電流からでなく高圧側または低圧側の電流からインラッシュ電流によるCTの飽和を検出するものであるので、インラッシュ電流が貫通する系統においても有効に適用できる。
【0052】
また、高圧側または低圧側端子の各相電流と零相電流を加算した出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき、高圧側CT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0053】
また、差動電流中の直流分を抽出し、その直流分を積分して積分量が所定値以上のときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行して、所定時間幅のパルスを発生し、パルス出力の継続期間中トリップ手段をロックするように構成したので、インラッシュ電流のためCTが飽和しても不要に動作しない信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0054】
また、差動電流中の直流分を抽出し、その直流分を積分して積分量が所定値以上のときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更し、積分量が第2の所定値以上を超えるときはインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を更に変更するよう構成したのでインラッシュ電流のためCTが飽和しても不要に動作しない信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【0055】
また、高圧側または低圧側端子電流中の直流分を抽出し、その直流分を積分して積分量が所定値以上のときCT飽和の恐れありと判断し、CT飽和による第2高調波成分含有率減少により非インラッシュ検出手段が不要に出力しないよう、CT飽和より先行してインラッシュ判定器の第2高調波比率感度を変更するように構成したので、インラッシュ電流のためCTが飽和しても不要に動作しない信頼度の高い比率差動継電装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図2】実施の形態1の動作を説明する波形図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図5】実施の形態3の動作を説明する波形図である。
【図6】この発明の実施の形態4に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図7】実施の形態4の動作を説明する波形図である。
【図8】この発明の実施の形態5に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図9】実施の形態4の動作を説明する波形図である。
【図10】この発明の実施の形態6に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態7に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態8に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態9係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図14】実施の形態9の動作を説明する波形図である。
【図15】この発明の実施の形態10に係る比率差動継電装置のブロック図である。
【図16】実施の形態6、実施の形態7、実施の形態10が適用される電力系統を示す系統図である。
【図17】従来の比率差動継電装置が適用される電力系統を示す系統図である。
【図18】従来の比率差動継電装置を示すブロック図である。
【図19】CTが飽和しないときの従来の比率差動継電装置の動作を説明する波形図である。
【図20】CTが飽和したときの従来の比率差動継電装置の動作を説明する波形図である。
【符号の説明】
11 抑制電流導出器、12 差動電流導出器、13 比率差動器、
14、15 フィルタ、16 インラッシュ判定器、17 論理積回路、
20 非インラッシュ検出手段、100 可変比率インラッシュ判定器、
101、121、122 直流分導出器、
102、120、123、125 直流分積分手段、
103、112、113 レベル検出手段、
104、106、108 タイマ、
105、115、116 直流分含有率検出手段、
107 第2高調波含有率検出手段、109 第2高調波減少検出手段、
110、111 加算手段、114、117、124 論理和回路、
118 ワンショトタイマ、119 インヒビット回路。

Claims (12)

  1. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が所定値以上のとき出力する直流分積分手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたことを特徴とする比率差動継電装置。
  2. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、直流分の大きさが所定値以上のとき出力する直流分レベル検出手段と、直流分レベル検出手段の出力が所定時間継続したとき出力するタイマ手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたことを特徴とする比率差動継電装置。
  3. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、差動電流中の基本波に対する直流分の大きさ比率が所定値以上のとき出力する直流分含有率検出手段と、直流分含有率検出手段の出力が所定時間継続したとき出力するタイマ手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたことを特徴とする比率差動継電装置。
  4. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分との割合に応じて出力する第2高調波検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記第2高調波検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたことを特徴とする比率差動継電装置。
  5. 第2高調波検出手段は、差動電流中の基本波分に対する第2高調波分の比率が所定値以上のとき出力する第2高調波含有率検出手段と、この第2高調波含有率検出手段の出力が所定時間継続したとき出力するタイマ手段とを備えたことを特徴とする請求項記載の比率差動継電装置。
  6. 第2高調波検出手段は、差動電流中の基本波分に対する第2高調波分の比率が所定値以上減少傾向にあるとき出力する第2高調波減少検出手段を備えたことを特徴とする請求項記載の比率差動継電装置。
  7. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、および高圧側端子の各相電流および零相電流の加算値または低圧側端子の各相電流および零相電流の加算値のいずれかに応じて出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理積回路への非ロック信号を出さないようにしたことを特徴とする比率差動継電装置。
  8. 直流分検出手段は、高圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力が所定値以上のとき出力する出力レベル検出手段と、低圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力が所定値以上のとき出力する出力レベル検出手段と、上記両出力レベル検出手段の出力の論理和を出力する論理和回路とを備えたことを特徴とする請求項記載の比率差動継電装置。
  9. 直流分検出手段は、高圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき出力する直流分合有率検出手段と、低圧側端子の各相電流および零相電流の加算手段と、この加算手段の出力中の基本波に対する直流分の比率が所定値以上のとき出力する直流分含有率検出手段と、上記両直流分含有率検出手段の出力の論理和を出力する論理和手段とを備えたことを特徴とする請求項記載の比率差動継電装置。
  10. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が一定値以上のとき出力する直流分積分手段、この直流分積分手段から一度出力があると所定時間幅のパルスを出力するワンショットタイマ、上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路、および上記ワンショトタイマの出力により上記論理積回路の出力をロックするインヒビット回路を備えたことを特徴とする比率差動継電装置。
  11. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波成分と第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、差動電流中の直流分が所定値以上のとき出力する直流分検出手段、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記直流分検出手段を、差動電流中の直流成分を導出する直流分導出手段と、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が第1の所定値以上のとき出力する第1の直流分積分手段と、上記直流分導出手段の出力を積分し、積分量が第2の所定値以上のとき出力する第2の直流分積分手段とで構成すると共に、上記直流分検出手段の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理回路への非ロック信号を出さないように したことを特徴とする比率差動継電装置。
  12. 被保護装置の各端子電流から抑制電流を導出する抑制電流導出手段、上記各端子電流から差動電流を導出する差動電流導出手段、上記抑制電流と差動電流が所定の関係のとき出力する比率差動手段、差動電流中の基本波電流に対する第2高調波電流の比率が所定値以下のとき出力する非インラッシュ検出手段、高圧側端子電流中の直流成分を導出する直流分導出手段、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が所定値以上のとき出力する直流分積分手段、低圧側端子電流中の直流成分を導出する直流分導出手段、この直流分導出手段の出力を積分し、積分量が所定値以上のとき出力する直流分積分手段、上記両直流分積分手段の出力の論理和を出力する論理和回路、および上記比率差動手段と非インラッシュ検出手段から共に出力ありのとき、被保護装置を系統から遮断する信号を出す論理積回路を備え、上記論理和回路の出力により上記非インラッシュ検出手段における第2高調波の比率感度を下げて上記非インラッシュ検出手段から上記論理回路への非ロック信号を出さないようにしたことを特徴とする比率差動継電装置。
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