JP3578841B2 - α‐オレフィン重合用触媒成分およびそれを用いたα‐オレフィン重合体の製造法 - Google Patents
α‐オレフィン重合用触媒成分およびそれを用いたα‐オレフィン重合体の製造法 Download PDFInfo
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Description
〔発明の背景〕
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なα‐オレフィン重合用の触媒成分に関する。さらに詳しくは、本発明は、工業的に有用なα‐オレフィン重合体の製造を可能にする重合用触媒成分、およびこの触媒成分を使用するα‐オレフィン重合用触媒、並びにその触媒を用いるα‐オレフィン重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
α‐オレフィン重合用の均一系触媒としては、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触媒は非常に活性が高く、分子量分布が狭く、また、共重合では、モノマー組成分布の狭い重合体が得られるという特徴がある。
【0003】
カミンスキー触媒によるα‐オレフィン重合体の製造において使用する遷移金属化合物は、配位子が架橋していないタイプと架橋したタイプとに大別することができる。
【0004】
非架橋型錯体の代表例としてはビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(特開昭58−19309号公報)が知られているが、エチレン‐1‐ヘキセン共重合体を実用レベルの重合温度において製造した時、ヘキセン含量を上げると分子量の低下のために、製造可能な重合体種が制限されるという問題点があるようである。
【0005】
架橋型錯体の代表例としてはエチレン‐1,2‐ビス(1‐インデニル)ジルコニウムジクロリドやエチレン‐1,2‐ビス(1‐(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル))ジルコニウムジクロリド(特開昭61−130314号公報)が知られているが、非架橋型錯体と同様の理由の問題点があるようである。架橋型錯体は、その置換基構造を変化させることにより、高分子量α‐オレフィン重合体の製造に適するようにする提案もされている(特開平4−268307号、同4−268308号各公報)。しかしながら、経済的に有利な、重合温度を上げた重合条件下の性能はいまだ不十分であるようである。
【0006】
以上の架橋型錯体の構造はいずれも5員環に架橋基が直接結合した構造であり、架橋基が5員環以外に結合した錯体の合成例は本発明者らが知る限りではいまだ知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的に有用なα‐オレフィン重合体を高収率で得ることを可能にする新規なα‐オレフィン重合用触媒成分、およびα‐オレフィン重合用触媒、ならびにα‐オレフィン重合体の製造法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕
<要旨>
本発明は、上記の問題点を解消すべく検討を行なった結果なされたものである。
【0009】
すなわち、本発明による新規なα‐オレフィン重合用触媒成分は、下記の一般式〔IA 〕または〔IB 〕で表わされるメタロセン化合物からなること、を特徴とするものである。
【0010】
【化3】
(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属である。Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素残基、ハロゲンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基またはケイ素を含む炭素数1〜20の炭化水素残基である(ただし、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上に複数存在するときは、それらはそのω‐端で相互に結合して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と共に環を形成してもよい)。aは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数であり、bは、それぞれ独立して、0以上7以下の整数である。Qは、炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基である。XおよびYは、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の炭化水素残基または窒素、酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭化水素残基である。)
また、本発明による、α‐オレフィン重合用触媒は、上記のα‐オレフィン重合用触媒成分(成分(A))および下記の成分(B)を組合せてなること、を特徴とするものである。
成分(B)
(イ)アルミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸あるいは(ハ)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物。
【0011】
本発明は、さらにまた、上記の触媒を使用するα‐オレフィン重合体の製造法に関する。
【0012】
すなわち、本発明によるα‐オレフィン重合体の製造法は、上記の成分(A)および成分(B)を組合せてなる触媒にα‐オレフィンを接触させて重合させること、を特徴とするものである。
<効果>
本発明の触媒成分を用いると、工業的に有用なα‐オレフィン重合体を高収率で製造することが可能である。また架橋基(Q)や置換基の構造及び/又は位置を変えることにより経済性の高い高温重合条件下においても高分子量の、或いは高立体規則性のα‐オレフィン重合体を製造することが可能になる。
【0013】
本発明の効果の発現の理由は明らかでないが、先行技術から公知の非架橋型錯体や五員環側架橋錯体に比較して、本発明の成分(A)のように副環側が架橋基と結合していると、副環部が固定されるために前記公知の錯体とは異なる立体位置となり、それが高温重合条件下で構造変化を受けにくくするために分子量低下を抑制したり、立体特異性能を発現する、と推定される。
【0014】
このような本発明の構成及び効果は、従来の技術からは全く予見され得ないものであると考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔発明の具体的説明〕
本発明は、下記の成分(A)に示す化合物からなる重合触媒成分に関するものである。さらには、本発明は、下記の成分(A)および成分(B)を組合せてなるα‐オレフィン重合用触媒、並びにこの触媒にα‐オレフィンを接触させて重合させることからなるα‐オレフィン重合体の製造法に関するものである。ここで、「からなる」および「組合せてなる」とは、本発明の効果を損わない限りにおいては、挙示の化合物または成分以外の化合物、成分をも組合せて使用することが可能であることを意味する。
<成分(A)>
本発明の触媒成分(A)をなすのは、下記の一般式〔IA 〕または〔IB 〕で表わされる遷移金属化合物である。
【0016】
【化4】
(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属である。Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素残基、ハロゲンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基またはケイ素を含む炭素数1〜20の炭化水素残基である(ただし、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上に複数存在するときは、それらはそのω‐端で相互に結合して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と共に環を形成してもよい)。aは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数であり、bは、それぞれ独立して、0以上7以下の整数である。Qは、炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基である。XおよびYは、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭化水素残基である。)
Rは、上記したように、それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数1〜20の、好ましくは1〜14の、炭化水素残基、ハロゲンを含む炭素数1〜20の、好ましくは1〜14の、炭化水素残基、またはケイ素を含む炭素数1〜20の、好ましくは1〜14の、炭化水素残基である。さらに詳しくは、Rは、(イ)フッ素、塩素、臭素等、(ロ)飽和炭化水素基、例えばアルキル、シクロアルキル等、(ハ)不飽和炭化水素基、例えばビニル、アルケニル、(ニ)芳香族炭化水素基、例えばアリール基等、(ホ)ハロゲン化飽和炭化水素基、例えば塩素化アルキル、フッ素化アルキル等、(ヘ)ハロゲン化芳香族炭化水素基、例えば塩素化アリール基等、(ト)ハロゲン化不飽和炭化水素基、例えば塩素化ビニル、フッ素化ビニル等、または(チ)ケイ素含有炭化水素基、例えば、アルキルシリル等である。
【0017】
式〔IA 〕〜〔IB 〕から明らかなように、この遷移金属化合物は、先ず、インデニルまたはヒドロインデニル(インデニルの六員環部分が水素化されたもの)を配位子とするメタロセン化合物である。このメタロセン化合物は、インデニルまたはヒドロインデニルの五員環および(または)六員環上に置換基R(Rが複数存在するときはそれらは同一でも異なってもよいことはRの定義から明らかである)を有する。
【0018】
そして、このメタロセン化合物は、その配位子間で架橋されているところ、架橋基Qがインデニルまたはヒドロインデニルの六員環間にあるという点で、従来のこの種の化合物と区別される。
【0019】
さて、インデニルまたはヒドロインデニルを配位子とし、遷移金属Mを金属成分とし、金属Mに基XおよびY(M、XおよびYの定義は前記の通り)の結合したメタロセン化合物の基本骨格は公知である。
【0020】
インデニルまたはヒドロインデニル基は置換基Rを有しているが、好ましいRの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、i‐プロピル、n‐ブチル、i‐ブチル、t‐ブチル、n‐アミル、i‐アミル、n‐ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、アリル、フェニル、ベンジル、1‐ナフチル、2‐ナフチル、トリメチルシリル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニルなどがある。
【0021】
また、Rが複数存在するときに、それらが、具体的には2個(またはその整数倍)がそれぞれのω‐端で相互に結合してもよいことは前記したところであるが、そのようなω‐端で結合した2つのRからなる2価の基の具体例としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1‐メチルテトラメチレン、2‐メチルテトラメチレン、1,2‐ジメチルテトラメチレン、1‐トリメチルシリルテトラメチレン、2‐トリメチルシリルテトラメチレン、1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイル、1,3‐ペンタジエン‐1,4‐ジイル、2‐メチル‐1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイル、1‐フェニル‐1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイル、2‐フェニル‐1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイルなどがある。
【0022】
Qは、二つのインデニルまたはヒドロインデニル誘導体をその六員環部分で架橋する2価の基であって、(イ)炭素数1〜30、好ましくは1〜6、の2価の炭化水素基、さらに詳しくは、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水素残基、(ロ)シリレン基、(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有するシリレン基、(ニ)ゲルミレン基、または(ホ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有するゲルミレン基、を表わす。これらの中でも好ましいものはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基である。なお、2価のQ基の両結合手間の距離は、その合計炭素数の如何にかかわらず、Qが鎖状の場合に4原子程度以下、就中3原子以下、であることが、Qが環状基を有するものである場合は当該環状基+2原子程度以下、就中当該環状基のみであることが、それぞれ好ましい。従って、アルキレンの場合はエチレンおよびイソプロピリデン(結合手間の距離はそれぞれ2原子および1原子)が、シクロアルキレン基の場合はシクロヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキシレン基のみ原子)が、アルキルシリレンの場合はヘプタメチルテトラシリレン、ヘキサメチルトリシリレン、テトラメチルジシリレン、およびジメチルシリレン(結合手間の距離は、それぞれ4、3、2および1原子)が、それぞれ好ましい。
【0023】
XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好ましくは塩素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素数1〜20の含酸素炭化水素基、(ホ)炭素数1〜20の含窒素炭化水素基、(ヘ)炭素数1〜20の含ケイ素炭化水素基、(ト)炭素数1〜20の含ケイ素含酸素炭化水素基、(チ)炭素数1〜20の含リン炭化水素基、である。含酸素炭化水素基の酸素原子はアルコキシ結合、エーテル結合、ケトン結合およびエステル結合のいずれであってもよく、またその数は1個でも複数個でもよいが、好ましいものは酸素原子を1個有するもの、特にアルコキシ結合のもの、のアルコキシ基である。
【0024】
含窒素炭化水素基の窒素原子は、アミノ結合、ニトリル結合のいずれであってもよく、またその数は1個でも複数個でもよいが、好ましいものは窒素原子を1個有するもの、特にアミノ結合のもの、のアルキルアミノ基である。含ケイ素炭化水素基のケイ素は、1個でも複数個でもよいが、好ましいものはケイ素原子を1個有するもの、特にアルキルシリル基である。含ケイ素含酸素炭化水素基のケイ素および酸素原子は、1個でも複数個でもよいが、好ましいものはケイ素原子および酸素原子を各1個有するもの、特にアルキルシロキシ基、である。含リン炭化水素基のリンは、1個でも複数個でもよいが、好ましいものは、リン原子1個有するもの、特にアルキルホスフィド基である。
経済性の高い高温重合条件下において高分子量の、或いは高立体規則性のα‐オレフィン重合体を製造するのに有利な置換基Rの位置は、一般式[IA ]または[IB ]で表される化合物における五員環上の1位、1′位、2位、2′位、3位、または3′位、或いはこれらの任意の組合わせ、である。
【0025】
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウム、好ましくはチタンまたはジルコニウム、である。
【0026】
本発明の化合物〔IA 〕または〔IB 〕は、置換基ないし結合の形成に関して合目的的な任意の方法によって合成することができる。代表的な合成経路は、下記の通りである。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
A法における化合物(A1)は市販されているか、または例えばOrganic Synthesis Coll Vol I p78記載の方法と同様の方法で得られたエノンを還元することにより得ることができる。化合物(A1)に対して例えばヨーロッパ特許EP−0545304A1記載の方法と同様な方法でビスインダノン誘導体を得て、カルボニル基を還元後、脱水すると化合物(A2)が得られる(式1)。この化合物(A2)は、例えば特開平5−43616号公報記載の方法と同等な方法でリチオ化し、次いでハロゲン化金属(例えば、MXYCl2)と反応させることにより、化合物(IA )に導くことができる(式2)。
【0030】
B法における化合物(A3)は例えばSynthesis 1980 (3) p222 記載の方法と同様な方法により得ることができ、化合物(A3)のカルボニル基を例えばOrganic Synthesis Coll Vol V p303 記載の方法と同様な方法でエチレンケタールとした後、例えばJ. Amer. Chem. Soc., 80, p1883 (1958) 記載の方法と同様な方法でビスインダン化合物とし、酸で処理後、還元および脱水することにより、化合物(A4)を得ることができる(式3)。この化合物(A4)は式(2)と同様な方法により化合物(IA )とすることができる(式4)。
【0031】
C法における化合物(B1)もB法と同様な方法で化合物(IB )とすることができる(式5、式6)。
D法においては、上記A法またはB法により製造することができる化合物(IA )を、例えば、J. Organometallic Chem. 332巻(1980年)245および246ページ記載の方法と同様な方法で水素化することによって化合物(IB )とすることができる。
【0032】
上記遷移金属化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。なお、4,5,6,7−テトラヒドロインデン型の化合物のうち、置換基Rにより不斉炭素が生じる場合は、特に記載がない場合、立体異性体のうちの一つ、またはそれらの混合物を指し示すものとする。また、置換基Rを有する2個のインデンないしヒドロインデン誘導体配位子が、基Qを介しての相対位置の観点において特に記載がない場合は、M、XおよびYを含む平面に関して対称および非対称である立体異性体のうちの一つ、またはそれらの混合物を指し示すものとする。
【0033】
以下に一般式〔IA 〕および〔IB 〕で表わされるメタロセン化合物の具体例を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】
【表14】
また、これらの化合物のクロリドの一方あるいは両方が、XおよびYとして前記した他の置換基、例えば臭素、ヨウ素、水素、メチル、フェニル、ベンジル、アルコキシアミド、アルキルシリル、アルキルホスフィン基等にかわった化合物も例示することができる。また、上記のジルコニウムのかわりに、チタンまたはハフニウムにかわった化合物も例示することができる。これらのうちで好ましい化合物はMがチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである化合物である。さらに好ましいMはチタンまたはジルコニウムである。
【0048】
これらのメタロセン化合物のうち好ましい化合物は、各置換基がそれぞれ下記のものである。
【0049】
R:それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数1〜14の炭素水素残基、ハロゲンを含む炭素数1〜14の炭素水素残基またはケイ素を含む炭素数1〜14の炭化水素残基(ただし、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上に複数存在するときは、それらはそのω‐端で相互に結合して、該インデニル基の6員環の一部と共にベンゼン環以外の環もしくは飽和5員環以外の環を形成していてもよく、あるいは該インヒドロインデニル基の一部と共に環を形成してもよい)。
【0050】
a:それぞれ独立して、0または1〜3の整数。
b:それぞれ独立して、0または1〜7の整数。
Q:炭素数1〜6の2価の炭化水素残基または炭素数1〜12の炭化水素を有する、シリレン基もしくはゲルミレン基。
X、Y:それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の1価の、炭化水素残基または窒素、酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基。
【0051】
これらのうちでも代表的な化合物は、式〔IA 〕の化合物である。
また、立体規則性重合のためには、少なくとも1あるいは2の位置に置換基Rを有する錯体が特に好ましい。
【0052】
<成分(B)>
成分(B)は、(イ)アルミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸あるいは(ハ)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物である。
【0053】
ルイス酸のあるものは、「成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物」として捉えることもできる。従って、「ルイス酸」および「成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物」の両者に属する化合物は、いずれか一方に属するものと解することとする。
【0054】
アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には下記の一般式〔II〕、〔III 〕または〔IV〕であらわされる化合物がある。
【0055】
【化8】
【0056】
(ここで、pは0〜40、好ましくは2〜30、の数であり、R1は、それぞれ独立して、水素または炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6、のもの、を示す。)
【0057】
一般式〔II〕および〔III 〕の化合物は、アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、一種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。具体的には、(イ)一種類のトリアルキルアルミニウムと水から得られるメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン等、(ロ)二種類のトリアルキルアルミニウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。これらの中で、特に好ましいのはメチルアルモキサンおよびメチルイソブチルアルモキサンである。
【0058】
これらのアルモキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能であり、また、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可能である。
【0059】
これらのアルモキサンは公知の様々な条件下に調製することができる。具体的には以下の様な方法が例示できる。
(イ) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(ロ) トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、
(ハ) トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反応させる方法、
(ニ) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(ホ) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムと水和物、と加熱反応させる方法、
(ヘ) シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウムで追加処理する方法、
(ト) メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、
(チ) ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5水塩などの結晶水を有する塩を入れ、−40〜40℃位の温度条件下トリメチルアルミニウムと反応させる方法。この場合、使用される水の量は、トリメチルアルミニウムに対してモル比で通常0.5〜1.5である。このようにして得られたメチルアルモキサンは、線状または環状の有機アルミニウムの重合体である。
【0060】
一般式〔IV〕であらわされる化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミニウムと
【0061】
【化9】
であらわされるアルキルボロン酸(ここで、R2は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、のものを示す)との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。具体的には、(イ)トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物、(ロ)トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、(ハ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、(ニ)トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反応物、および(ホ)トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物等が例示される。これらの一般式〔IV〕の化合物は、複数種用いることも可能であり、また一般式〔II〕または〔III 〕であらわされるアルモキサンや、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可能である。
【0062】
また、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物としては、一般式〔V〕であらわされるものがある。
【0063】
〔K〕e+〔Z〕e− 〔V〕
ここで、Kはイオン性のカチオン成分であって、例えばカルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙げられる。また、それ自身が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。これらのカチオンの具体例としては、(イ)トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N‐ジメチルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリリウム、および銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等がある。
【0064】
上記の一般式〔V〕におけるZはイオン性のアニオン成分であり、成分(A)が変換されたカチオン種に対して対アニオンとなる成分(一般には非配位の)であって、例えば、有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ひ素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオンなどが挙げられる。具体的には、(イ)テトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,5‐トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5‐ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(3,5‐ジ(t‐ブチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、(ロ)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5‐トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5‐ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5‐ジ(t‐ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、(ハ)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5‐トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス(3,5‐ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5‐ジ(t‐ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、(ニ)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン、(ホ)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、(ヘ)テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン、(ト)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート等がある。
【0065】
また、ルイス酸、特に成分(A)をカチオンに変換可能なルイス酸、としては、種々の有機ホウ素化合物、金属ハロゲン化合物、あるいは固体酸等が例示される。具体的には、(イ)トリフェニルホウ素、トリス(3,5‐ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物、(ロ)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の金属ハロゲン化合物、および(ハ)シリカ‐アルミナ、アルミナ等の固体酸がある。
【0066】
これらのイオン性化合物やルイス酸は、成分(B)として単独で用いることもできるし、一般式〔II〕、〔III 〕あるいは〔IV〕のアルミニウムオキシ化合物と併用することができる。また、トリ低級アルキルアルミニウム、ジ低級アルキルアルミニウムモノハライド、モノ低級アルキルアルミニウムジハライドおよび低級アルキルアルミニウムセスキハライド、ならびにこれらの低級アルキル基の一部がフェノキシ基と替ったもの、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジメチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化合物と併用することも可能である。
<触媒の形成>
本発明の触媒は、上記の成分(A)および成分(B)を、重合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマーの存在下あるいは非存在下に接触させることにより得ることができる。
【0067】
本発明で使用する成分(A)および成分(B)の使用量は任意である。例えば溶媒重合の場合、成分(A)の使用量は遷移金属原子として10−7〜102ミリモル/リットル、さらには10−4〜1ミリモル/リットルの範囲内が好ましい。アルミニウムオキシ化合物の場合Al/遷移金属のモル比は通常10以上、100,000以下、さらに100以上、20,000以下、特に100以上、10,000以下の範囲が好んで用いられる。一方、成分(B)としてイオン性化合物あるいはルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比で0.1〜1,000、好ましくは0.5〜100、さらに好ましくは1〜50、の範囲で使用される。
【0068】
本発明の触媒は、成分(A)および(B)以外に、他の成分を含みうるものであることは前記した通りであるが、成分(A)および(B)に加えることが可能な第三成分(任意成分)としては、例えばH2O、メタノール、エタノール、ブタノール等の活性水素含有化合物、エーテル、エステル、アミン等の電子供与性化合物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキシアルミニウム、亜リン酸フェニル、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシ含有化合物を例示することができる。
【0069】
オレフィンの重合にこれらの触媒系を使用するときには、成分(A)および(B)は反応槽に別々に導入してもよいし、成分(A)および(B)を予め接触させたものを反応槽に導入してもよい。成分(A)および(B)を予め接触させる際に、重合させるべきモノマーの存在下でこれを行ってオレフィンを一部重合させる(いわゆる予備重合する)ことも可能である。
【0070】
また、任意の順に成分(A)および成分(B)および多孔質担体(シリカ、アルミナ、塩化マグネシウム等の無機多孔質担体、モンモリナイト、雲母等の層状化合物、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン等の有機多孔質担体等)を接触させ担持触媒として使用することも可能である。
<触媒の使用/オレフィンの重合>
本発明の触媒は、溶媒を用いる溶媒重合に適用されるのはもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合にも適用される。また連続重合、回分式重合に適用される。
【0071】
溶媒重合の場合の溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。
【0072】
重合温度は−78〜200℃程度、好ましくは−20〜100℃、である。反応系のオレフィン圧には特に制限がないが、好ましくは常圧〜50Kg/cm2 ・Gの範囲である。
【0073】
また、重合に際しては公知の手段、例えば温度、圧力の選定あるいは水素の導入、により分子量調節を行なうことができる。
【0074】
本発明の触媒により重合するα‐オレフィン、即ち本発明の方法において重合反応に用いられるα‐オレフィン(エチレンも包含する)は、炭素数2〜20、好ましくは2〜10、のα‐オレフィンである。具体的には、例えばプロピレン、1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デセン、1‐ドデセン、1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、1‐オクタデセン、1‐エイコセンなどがある。本発明の触媒は、立体特異性重合を目的とする炭素数3〜10のα‐オレフィンの重合に好ましく、特にプロピレンの重合に好ましく用いられる。これらのα‐オレフィン類は、二種以上混合して重合に供することができる。
【0075】
また、本発明の触媒は、上記α‐オレフィン類とエチレンとの共重合も可能である。さらには、上記α‐オレフィンと共重合可能な他の単量体、例えばブタジエン、1,4‐ヘキサジエン、7‐メチル‐1,6‐オクタジエン、1,8‐ノナジエン、1,9‐デカジエンなどのような共役および非共役ジエン類、または、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの様な環状オレフィンの共重合にも有効である。
【0076】
【実施例】
次の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。
<実施例1>
〔エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロライド(化合物番号18)の合成〕
(1)1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチル‐1‐オキソインダニル)〕エタンの合成
塩化アルミニウム53.34gを塩化メチレン150mlに溶解し、1,2‐ビス(p‐トリル)エタン16.83gおよび2‐ブロモイソブチリルブロミド36.79gを塩化メチレン150mlに溶解した溶液を室温にて滴下した。室温で一昼夜撹拌後、反応液を氷水に注ぎ、濃塩酸約100mlを加えた。塩化メチレンで抽出し、有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣31.3gをエタノール300mlに溶解し、活性炭約1gを加え、5分間程還流下撹拌した。セライトを用いて濾過後、濾液の濃縮残渣27.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=8:1〜6:1)し、目的物を含むフラクションを得た。濃縮残渣に酢酸エチルを加え濾別し、粉状物質をさらにヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(6:1)で洗浄することにより標記化合物2.0gを得た。
【0077】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.23(3H,d,J=4.9Hz)、1.25(3H,d,J=4.9Hz)、2.35(1H,dd,J=4.1Hz,J=14.6Hz)、2.41(1H,dd,J=4.1Hz,J=14.6Hz)、2.61(6H,s)、2.5〜2.7(2H,m)、2.92(4H,s)、3.14(1H,dd,J=4.1Hz,J=8.0Hz)、3.19(1H,dd,J=4.2Hz,J=8.0Hz)、7.05(2H,d,J=7.7Hz)、7.20(1H,d,J=7.4Hz)、7.21(1H,d,J=7.7Hz)。
(2)1,2‐ビス{4‐(1‐ヒドロキシ‐2,7‐ジメチルインダニル)}エタンの合成
上記反応(1)で得られた粉状の物質2.0gをテトラヒドロフラン20ml、メタノール10mlの混合溶媒に懸濁し、ソディウムボロハイドライド0.655gを少量ずつ加えた。室温で一晩撹拌後、反応液を水に注ぎ、食塩で飽和後、エーテル、塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩で飽和した希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた濃縮残渣(粉状)2.03gはこれ以上精製せずに次の反応に用いた。
(3)1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}エタンの合成
上記反応(2)で得られた粉状の(4)2.03gをトルエン50mlに懸濁し、p‐トルエンスルホン酸0.08gを加えた。反応溶液を80〜85℃とし、内容物が完全に溶解してから6分後に加熱を終了した。放冷後、反応液を水にあけトルエンで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、トルエンを留去し、濃縮残渣1.52gをヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(20:1)で洗浄することにより標記化合物1.4gを得た。
【0078】
融点 164〜167.5℃
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:2.17(6H,s)、2.37(6H,s)、2.92(4H,s)、3.20(4H,s)、6.59(2H,q,J=1.5Hz)、6.91(2H,d,J=7.7Hz)、7.00(2H,d,J=7.7Hz)。
(4)エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成
上記反応(3)で得られた化合物0.80g(2.55ミリモル)を30mlの乾燥ジエチルエーテルに懸濁し、これに窒素下、−78℃で3.22mlのn‐ブチルリチウム(1.66Mヘキサン溶液)を3分間をかけて滴下した。滴下終了後、反応混合物をゆっくりと室温まで昇温させた。
【0079】
四塩化ジルコニウム/ジエチルエーテル錯化合物(ジルコニウム1原子に付き、2分子のジエチルエーテルを含むもの)0.92gを、前記の反応混合物を−78℃まで冷却した後に、5分間かけて添加した。添加終了後、徐々に室温まで昇温し、20時間撹拌を続けた。
【0080】
反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた黄白色残渣に100mlの乾燥塩化メチレンを加え、不溶分を濾別した。濾液を濃縮して淡黄褐色固体0.61gを得た。
【0081】
1H−NMRにより、この生成物を、エチレン‐1,2‐ビス(4‐(2,7‐ジメチルインデニル))ジルコニウムジクロリドと帰属した。
〔エチレン‐プロピレンの共重合〕
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ内をエチレンとプロピレンの混合ガス(モル比1:1)で充分置換した後、充分に脱水および脱酸素したトルエン500ml、東ソーアクゾ社製メチルアルモキサン(重合度16)をAl原子換算で3.4ミリモル(0.19g)導入し、上記で合成したエチレン‐1,2‐ビス(4‐(2,7‐ジメチルインデニル))ジルコニウムジクロリドを0.47ミリグラム(1μmol )を導入し、70℃で、エチレン300ml/分、プロピレン300ml/分の流速で導入し、1時間重合操作を行なった。重合終了後、ストリッピングにより溶媒を除去した後に乾燥して50.2gのポリマーを得た。触媒活性は105000g/g−成分(A)、数平均分子量(Mn)はポリエチレン換算で6.10×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.28であり、共重合体中のエチレン含量は73.0モル%であった。
<実施例2>
実施例1のエチレンとプロピレンのモル比を3.0、流量をエチレン300ml/分、プロピレン100ml/分で行なう以外は全て実施例1に従ってエチレン‐プロピレンの共重合を実施した。その結果、触媒活性は118000g/g−成分(A)で、数平均分子量(Mn)は8.52×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.20のエラストマーが得られた。
<実施例3>
〔エチレン‐1‐ヘキセンの重合〕
オートクレーブ内の置換をエチレンで行ない、トルエンを加えた後に1‐ヘキセンを30ml導入し、エチレン圧力7kg/cm2 −Gで重合を行なう以外は、すべて実施例1に従ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0082】
触媒活性は164,000g/g−成分(A)、数平均分子量(Mn)は17.2×104 、分子量分布(Mw/Mn)は3.12、融点は112℃であった。
<実施例4>
重合温度を95℃で行なう以外は全て実施例3に従ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。その結果、触媒活性は95000g/g−成分(A)、数平均分子量(Mn)は13.8×104 、分子量分布(Mw/Mn)は3.23、融点は96.8℃であった。
<実施例5>
メチルアルモキサンの代わりにトリイソブチルアルミニウム150ミリグラム(0.76ミリモル)、N,N‐ジメチルアニリニウム〔テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〕0.80ミリグラム(1マイクロモル)を使用する以外は全て実施例3に従ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0083】
触媒活性は151,000g/g−成分(A)、数平均分子量(Mn)は12.9×104 、分子量分布(Mw/Mn)は3.06、融点は114℃であった。
<実施例6>
〔エチレン重合〕
実施例3の1‐ヘキセン30mlを使用しない以外は、すべて実施例3に従ってエチレン共重合を実施した。
【0084】
触媒活性は84300g/g−成分(A)、数平均分子量15.6×104 、分子量分布(Mw/Mn)は、2.91であった。
<比較例1>
実施例3のエチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わりに、エチレン‐1,2‐ビス(1‐インデニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、1‐ヘキセンを30ml導入する以外は全て実施例3に従ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0085】
触媒活性は48700g/g−成分(A)、数平均分子量3.46×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.37、融点は115℃であった。
<比較例2>
実施例3のエチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わりに、ビス(n‐ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、65℃で重合を実施する以外は全て実施例3に従ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0086】
触媒活性は51800g/g−成分(A)、数平均分子量7.24×104 、分子量分布(Mw/Mn)は、2.85、融点は119℃であった。
<実施例7>
〔トリメチレン‐1,3‐ビス{(4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロライド(化合物番号48)の合成〕
(5)1,3‐ビス(p‐トリル)プロパンの合成
水酸化ナトリウム0.97gを水9.7mlに溶解し、エタノール27.1mlを加えた。その溶液に、p‐メチルアセトフェノン2.563gをエタノール4mlに溶解した溶液を室温にて滴下し、つづいてp‐メチルベンズアルデヒド2.30gをエタノール4mlに溶解した溶液を滴下した。室温で3時間45分攪拌後、固形分をろ過し、冷水及びエタノールで洗浄し、よく乾燥することにより4,4′‐ジメチルカルコン4.16gを得た。
【0087】
4,4′‐ジメチルカルコン2.14gを酢酸40mlに懸濁し、濃塩酸5滴と5%パラジウム/炭素0.2gを加えた。反応容器内部を水素ガスで置換し、室温にて8.5時間激しく攪拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、ろ液を濃縮し標記化合物2.02gを得た。
【0088】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.8〜2.0(2H,m)、2.31(6H,s)、2.60(4H,t,J=7.9Hz)、7.08(8H,s)
(6)1,3‐ビス{4−(2,7‐ジメチル‐1‐オキソインダニル)}プロパンの合成
塩化メチレン10mlに塩化アルミニウム5.33gを溶解した。この溶解に4,4′‐ジメチルカルコン1.80gと2‐ブロモイソブチリルブロミド3.87gを塩化メチレン20mlに溶解した溶液を室温にて滴下した。室温で一昼夜攪拌後、反応液を氷水に注ぎ、濃塩酸約10mlを加えた。反応液を塩化メチレンで抽出し、有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣3.4gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=8:1〜7:1)し、標記化合物0.521gを得た。
【0089】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.30(6H,d,J=7.4Hz)、1.8〜2.2(2H,m)、2.5〜2.8(8H,m)、2.61(6H,s)、3.25(2H,dd,J=7.8Hz,J=17.0Hz)、7.07(2H,d,J=7.6Hz)、7.27(2H,d,J=7.6Hz)
(7)1,3‐ビス{4‐(1‐ヒドロキシ‐2,7‐ジメチルインダニル)}プロパンの合成
上記反応(6)で得られた化合物0.515gをテトラヒドロフラン5.2ml、メタノール2.6mlの混合溶媒に懸濁し、ソディウムボロハイドライド0.162gを少量ずつ加えた。室温で一晩攪拌後、反応液を希塩酸に注ぎ食塩で飽和後、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた濃縮残渣0.505gはこれ以上精製せずに次の反応に用いた。
(8)1,3‐ビス{4‐(2.7‐ジメチルインデニル)}プロパンの合成
上記反応(7)で得られた化合物0.505gをトルエン12.6mlに懸濁し、p‐トルエンスルホン酸0.013gを加えた。反応溶液50〜55℃とし、内容物が完全に溶解してから30分後に加熱を終了した。放冷後、反応液を水にあけトルエンで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、トルエンを留去し、濃縮残渣0.51gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物0.327gを得た。
【0090】
融点112〜115.5℃
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.9〜2.1(2H,m)、2.15(6H,s)、2.36(6H,s)、2.68(4H,t,J=7.7Hz)、3.16(4H,s)、6.57(2H,q,J=1.5Hz)、6.86(2H,d,J=7.7Hz)、6.98(2H,d,J=7.7Hz)
(9)トリメチレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成
実施例1の“(4)エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成”において、1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}エタンの代りに上記で得た1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}プロパン0.50g(1.5mmol)を用いた以外は同様に実験を行い、淡黄色固体0.23gを得た。
【0091】
1H−NMRにより、この生成物がトリメチレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドであることを確認した。
<エチレン‐プロピレンの共重合>
エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わりに、トリメチレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを使用する以外は実施例1に従って実施した。触媒活性は169,000g/g−成分(A)であり、共重合体中のエレチン含率は63.7モル%であった。
<実施例8>
エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わりに、トリメチレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを使用する以外は全て実施例3と同様に重合を実施した。触媒活性は75,600g/g−成分(A)、数平均分子量は、108,000、分子量分布は3.20、融点は126℃あった。
<実施例9>
〔ジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド(化合物番号27)の合成〕
(10)2‐メチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノンエチレンケタールの合成
2‐ブロモベンジルブロミドとメチルマロン酸ジエチルから導かれる2‐メチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノン4.88gをエチレングリコール12mlに溶解し、オルトギ酸エチル5.4mlを加えた。p‐トルエンスルホン酸一水和物を触媒量加えた後、室温で一晩攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物4.08gを得た。
【0092】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.13(3H,d,J=6.7Hz)、2.49〜2.59(2H,m)、3.07(1H,dd,J=10.2H、J=18.8Hz)、4.05〜4.23(4H,m)、7.11(1H,dd,J=7.1Hz、J=7.1Hz)、7.26(1H,d,J=7.1Hz)、7.45(1H,d,J=7.1Hz)
(11)ビス{4−(2‐メチル‐1‐オキソインダニル)}ジメチルシランの合成
上記反応(10)で得られた化合物5.42gをアルゴン雰囲気下、エーテル50mlに溶解した。−5℃でノルマルブチルリチウム‐ヘキサン溶液(1.65M)12.8mlを滴下し、−8〜−4℃で1時間40分攪拌した。ジメチルジクロロシラン1.25gをヘキサン5mlに溶解した溶液を−4〜−1℃の温度で滴下し、ヘキサン3mlで洗い込んだ。−3℃で30分間攪拌した後、室温で一晩攪拌した。飽和食塩水に反応液を注ぎ、エーテルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。濃縮残渣4.88gをこれ以上精製すること無く、アセトン70mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物0.106gを加え、室温で4時間攪拌した。大部分のアセトンを減圧下留去後、飽和重曹水にあけ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。濃縮残渣約4.0gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物2.87gを得た。
【0093】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.71(6H,s)、1.21(6H,d,J=7.4Hz)、2.44、2.46(2H,dd,J=17.2Hz、J=7.2Hz)、2.54〜2.67(2H,m)、3.13、3.15(2H,dd,J=17.6Hz、J=7.9Hz)、7.41(2H,dd,J=7.6Hz、J=7.5Hz)、7.74〜7.80(2H,m)、7.81(2H,d,J=7.7Hz)
(12)ビス{7‐(2‐メチル‐1H‐インデニル)}ジメチルシランの合成
上記反応(11)で得られた化合物3.096gをテトラヒドロフラン31mlとメタノール15.5mlの混合溶媒に溶解し、0℃でソディウムボロハイドライド1.01gを少しずつ加えた。全てを加え終わった後、0℃で1時間攪拌し、その後室温で一晩攪拌した。反応溶液を希塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた濃縮残渣3.23gはこれ以上精製すること無く、トルエン81mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物0.084gを加え、80℃で1時間攪拌した。反応液を冷却後、飽和重曹水にあけ、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、濃縮残渣2.9gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物2.258gを得た。
【0094】
融点91〜93℃
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.65(6H,s)、2.04(6H,s)、3.02(4H,s)、6.44(2H,q,J=1.5Hz)、7.19〜7.29(6H,m)
(13)ジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成
実施例1の“(4)エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成”において、1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}エタンの代りに上記で得たビス{7‐(2‐メチル‐1H‐インデニル)}ジメチルシラン0.50g(1.6mmol)を用いた以外は同様に実験を行い、黄橙色固体0.35gを得た。
【0095】
1H−NMRにより、この生成物がジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドであることを確認した。
<エチレン‐1‐ヘキセンの重合>
エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わりに上記で合成したジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを使用する以外は全て実施例2に従ってエチレン‐1‐ヘキセンの共重合を実施した。その結果、79,200g/g−成分(A)、数平均分子量20.5×104 、分子量分布は3.18、融点は106.5℃であった。
<実施例10>
内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸素したトルエン500ml、東ソーアクゾ社製メチルイソブチルアルモキサンをAl原子換算で10ミリモル導入し、上記で合成したジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド0.48ミリグラム(1μmol)を導入し、40℃でプロピレン圧力7kg/cm2 −Gで2時間重合を実施した。重合終了後、得られたポリマースラリーをろ過により分離し、ポリマーを乾燥した。
【0096】
この結果、10.1gのポリマーが得られた。触媒活性は21,000g/g−成分(A)、数平均分子量は6.77×104 分子量分布は2.12であった。又、13CNMRによるメチルトライアッド分率(mm)は76.0であり、アイソタクチックポリマーであった。
<実施例11>
〔ジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成〕
イ)エチル=α‐エトキシカルボニル‐o‐ブロモシンナメートの合成
2‐ブロモベンズアルデヒド(74.5g,402.6mmol)をベンゼン(200mL)に溶かし、マロン酸ジメチル(53.2g,402.6mmol)を加えた。この溶液にピペリジン(2.6mL)を加え、ディーンスタークを付け脱水して水を除きながら10時間加熱還流した。ベンゼンを減圧下で除いた後、蒸留精製するとエチル=α‐エトキシカルボニル‐o‐ブロモシンナメート(109.1g,91%)が得られた。
【0097】
mp42‐43℃;1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.73(s,3H,CO2CH3),3.88(s,3H,CO2CH3),7.21‐7.40(m,3H,arom),7.63(d,3J=7Hz,1H,arom),8.01(s,1H,CH=);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 52.49(OCH3),52.71(OCH3),124.57,127.42,127.88,129.08,131.28,133.04,133.64,142.25,163.89(CO),166.05(CO);
ロ)エチル =3−(2− ブロモフェニル )−2− エトキシカルボニル −3− メチルプロピオネートの合成
エチル=α‐エトキシカルボニル‐o‐ブロモシンナメート(50.98g,1705mmol)と臭化銅(1.0g)をエーテル(500mL)に溶かし、−20℃でメチルマグネシウムブロミドのエーテル溶液(56.7mL,175.6mmol)を滴下した。この後、室温で一夜撹拌し、これに塩化アンモニウム水溶液を加えた後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去するとエチル=3−(2−ブロモフェニル)−2−エトキシカルボニル−3− メチルプロピオネートが得られた。
【0098】
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.31(d,3J=7Hz,3H,CH3),3.57(s,3H,CO2CH3),3.75(s,3H,CO2CH3),3.83(d,3J=10Hz,1H,CH(CO2Me)2)),4.05‐4.16(m,1H,MeCH),7.04‐7.10(m,1H,arom),7.20‐7.30(m,2H,arom),7.51(d,3J=8Hz,1H,arom);
ハ)エチル =3−(2− ブロモフェニル )−3− メチルプロピオネートの合成
未精製のエチル=3−(2−ブロモフェニル)−2−エトキシカルボニル−3− メチルプロピオネート(52.96g,168.13mmol)をジメチルスルホキシド(250mL)と水(3mL)に溶かし、これにリチウムクロリド(14g)を加えて、150℃で2.5時間加熱した。冷却後、ジメチルスルホキシドを減圧下で除き、塩化ナトリウム水溶液を入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩化アンモニウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。さらに濃縮残渣を残留精製するとエチル=3−(2−ブロモフェニル)−3−メチルプロピオネート(28.04g,65%)が得られた。
【0099】
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.29(d,3J=7Hz,3H,CH3),2.51(dd,2J=5Hz,3J=9Hz,1H,CHH′),2.71(dd,2J=5Hz,3J=9Hz,1H,CHH′),3.65(s,3H,CO2CH3),3.70‐3.82(m,1H,MeCH),7.04‐7.09(m,1H,arom),7.22‐7.31(m,2H,arom),7.55(d,3J=8Hz,1H,arom),13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 20.44(CH3),34.95(CHCH3),41.20(CH2),51.55(CO2CH3),124.24(q),126.95,127.66,127.79,133.02,144.27(q),172.32(CO);
ニ) 3−(2− ブロモフェニル )−3− メチルプロピオン酸の合成
エチル=3−(2−ブロモフェニル)−3−メチルプロピオネート(28.04g,109.1mmol)をエタノール(200mL)と水(100mL)に溶かし、水酸化カリウム(12.2g,218.2mmol)を加えた。この溶液を5時間加熱還流した。そのまま室温で一夜放置した後、溶媒を半量くらい除き希塩酸を加えた。ここにジクロロメタンを加え、これに塩化アンモニウム水溶液を加えた後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去すると 3−(2−ブロモフェニル)−3−メチルプロピオン酸(27.97g,quant.)が得られた。
【0100】
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.32(d,3J=7Hz,3H,CH3),2.54(dd,2J=6Hz,3J=9Hz,1H,CHH′),2.77(dd,2J=6Hz,3J=9Hz,1H,CHH′),3.70‐3.83(m,1H,MeCH),7.05‐7.11(m,1H,arom),7.23‐7.29(m,2H,arom),7.56(d,3J=8Hz,1H,arom);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 20.36(CH3),34.72(CHCH3),41.09(CH2),124.25(q),126.92,127.74,127.91,133.10,144.00(q),178.45(CO)。
ホ)4− ブロモ −3− メチル −1− インダノンの合成
3−(2−ブロモフェニル)−3−メチルプロピオン酸(10.36g,42.63mmol)に塩化チオニル(30mL)を加え1.5時間加熱還流した。次に、過剰の塩化チオニルを除き、四塩化炭素を少し加えこれも除いた。得られた酸クロライドの粗製物を四塩化炭素に溶かし、塩化アルミニウム(7.4g,55.42mmol)の四塩化炭素(60mL)懸濁液に0℃で滴下した。この溶液を0℃で30分、室温で一夜撹拌した後、濃塩酸とジクロロメタンを加え、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると4−ブロモ−3− メチル−1− インダノン(7.71g,80%)が得られた。
【0101】
mp39‐40℃;1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.43(d,3J=7Hz,3H,CH3),2.40(dd,2J=9Hz,3J=2Hz,1H,CHH′),2.98(dd,2J=9Hz,3J=7Hz,1H,CHH′),3.54(quintet,3J=6Hz,1H,MeCH),7.27(t,3J=8Hz,1H,arom),7.68(d,3J=8Hz,1H,arom),7.75(dd,3J=8Hz,4J=1Hz,1H,arom);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 20.64(CH3),34.01(CHCH3),45.63(CH2),121.40,122.64,129.27,138.25,158.26,205.40(CO);
ヘ)ジメチルビス {4−(3− メチル −1− オキソインダニル )} シランの合成
4−ブロモ−3− メチル−1− インダノン(6.918g,30.75mmol)にパラトルエンスルホン酸(175mg,3mmol%)、オルトぎ酸エチル(7.6mL,46.12mmol)、エチレングリコール(17.1mL,307.5mmol)を加え、室温で一夜撹拌した。これに、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、エーテルで抽出し、さらに数回炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った。エーテル層を分液し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。このようにして粗製のケタール(8.374g,quant.)が得られた。これをエーテル(100mL)に溶かし、−5℃でノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(20.4mL,32.69mmol)を滴下した。これを−5℃で2.5時間撹拌し、ジメチルジクロロシラン(1.89mL,15.56mmol)を加え、さらに0℃で1時間、室温で2時間、還流1時間を行った後、一夜放置した。これに、塩化アンモニウム水溶液を加えた後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた濃縮残渣にアセトンとパラトルエンスルホン酸を加え、室温で2.5時間撹拌した。これに炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製するとジメチルビス{4−(3−メチル−1− オキソインダニル)}シラン(4.05g,75%)が得られた。
【0102】
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ major 0.75(s,3H,SiCH3),0.79(s,3H,SiCH3),1.12(d,3J=7Hz,6H,CH3),2.25(dd,2J=19Hz,3J=1Hz,2H,CHH′),2.79(dd,2J=19Hz,3J=7Hz,2H,CHH′),3.26(quintet,3J=7Hz,2H,MeCH),7.37‐7.43(m,2H,arom),7.77‐7.83(m,4H,arom);minor 0.75(s,3H,SiCH3),0.79(s,3H,SiCH3),1.04(d,3J=7Hz,6H,CH3),2.27(dd,2J=19Hz,3J=1Hz,2H,CHH′),2.86(dd,2J=19Hz,3J=8Hz,2H,CHH′),3.46(quintet,3J=7Hz,2H,MeCH),7.37‐7.43(m,2H,arom),7.77‐7.83(m,4H,arom),13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 0.02(SiCH3),0.20(SiCH3),1.16(SiCH3),24.24(CH3),33.92(CHCH3),34.08(CHCH3),45.77(CH2),45.93(CH2),125.12,125.15,127.12,127.20,135.54(q),135.58(q),141.77,141.92,165.92(q),206.52(CO);
ト)ジメチルビス {4−(1− フェニル −3− メチルインデニル )} シランの合成
ジメチルビス{4−(3−メチル−1− オキソインダニル)}シラン(1.54g,4.425mmol)をエーテル(90mL)とテトラヒドロフラン(9mL)に溶かし、0℃でフェニルマグネシウムブロミドのエーテル溶液(7.8mL,13.28mmol)を加えた。これを室温で一夜撹拌し、さらに2時間加熱還流した。この後、塩化アンモニウム水溶液を加えた後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。さらに、トルエン(70mL)とパラトルエンスルホン酸(45mg,5mmol%)を加え、70℃で20分撹拌した。これに炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製するとジメチルビス{4−(1−フェニル−3− メチルインデニル)}シラン(998mg,48%)が得られた。
【0103】
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ major 0.77(s,3H,SiCH3),0.81(s,3H,SiCH3),1.12(d,3J=7Hz,6H,CH3),3.37‐3.48(m,2H,MeCH),6.38(d,3J=2Hz,2H,CH=),7.15‐7.65(m,16H,arom);minor 0.80(s,6H,SiCH3),1.11(d,3J=7Hz,6H,CH3),3.55‐3.58(m,2H,MeCH),6.42(d,3J=2Hz,2H,CH=),7.15‐7.65(m,16H,arom);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 0.24(SiCH3),0.52(SiCH3),1.31(SiCH3),17.31(CH3),44.79(CHCH3),44.89(CHCH3),121.73,125.77,125.86,127.46,127.78,128.48,132.23,133.37,136.03(q),138.82,138.86,142.30(q),142.55(q),155.70(q),156.09(q);
チ)ジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成
以下の操作はすべて窒素雰囲気下で実施し、又使用した溶媒は十分に脱水・脱酸素したものを使用した。
【0104】
上記のようにして合成したジメチルビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}シラン0.67g(1.43mmol)のトルエン30ml溶液に、0℃でノルマルブチルリウチム‐ヘキサン溶液1.74ml(2.85mmol)をゆっくりと滴下した。0℃で15分撹拌した後、室温で4時間、45℃で2時間撹拌した。反応液の溶媒を留去した後、得られた赤色固体を、ジエチルエーテル30mlに溶解させた。その溶液を−78℃に冷却し、四塩化ジルコニウム・ジエチルエーテル錯体をゆっくりと加えた。−78℃で1時間撹拌後、そのまま撹拌しながら2時間かけて徐々に室温まで昇温し、さらに室温で15時間撹拌した。
【0105】
その後、反応液の溶媒を留去し、得られた固体に塩化メチレン40mlを加え、可溶部を抽出し、溶媒を留去した。塩化メチレン・ヘキサンから再結晶することによりジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの濃紫色の固体を得た(収率55%)。
<実施例12>
〔プロピレン重合〕
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後、十分に脱水および脱酸素したトルエン500ミリリットルを導入し、次いで東ソーアクゾ社製メチルアルモキサン(重合度16)をAl原子換算で10mmol(0.58g)を導入した。系を40℃に昇温した後、ジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド3.1mg(5.0mmol)を導入し、次いでプロピレンを導入し、7kg/cm2 Gで1.5時間重合操作を行った。溶媒を全量留去することにより、3.01gのポリマーを得た。そのうちヘプタン可溶部は0.2gであった。
【0106】
触媒活性は970gポリマー/g錯体で、得られたポリマーのうちヘプタン可溶部を除去したポリマーの数平均分子量(Mn)は13.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=2.13、融点は158.6℃であった。
<実施例13>
〔プロピレン重合〕
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後、十分に脱水および脱酸素したトルエン50ミリリットルを導入し、次いで東ソーアクゾ社製メチルアルモキサン(重合度16)をAl原子換算で10mmol(0.58g)を導入した。
【0107】
プロピレンを液量で500ml導入した後、70℃に昇温し、15分撹拌した後、ジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド3.1mg(5.0mmol)を導入し、1.5時間重合操作を行って、得られたポリマーを乾燥させた。その結果、ポリマー14.2gを得た。
【0108】
触媒活性は3,100gポリマー/g錯体、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は4.62×104、分子量分布(Mw/Mn)=1.94、融点は155.7℃であった。
<実施例14>
〔プロピレン重合〕
重合温度を70℃、錯体を6.2mg(10.0μmol )を用いる以外は実施例12と同一条件でプロピレンを重合させた。
【0109】
触媒活性は1,600gポリマー/g錯体、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は2.18×104、分子量分布(Mw/Mn)=2.38、融点は149.2℃であった。
<実施例15>
〔エチレンヘキセン共重合〕
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ内をエチレンで十分置換した後、十分に脱水・脱酸素したトルエン500ミリリットルを導入した後、十分に脱水・脱酸素した1‐ヘキセン30mlを導入した。次いでシェリング社製メチルアルモキサンをAl原子換算で1.1mmolを導入した後、エチレンを導入し、エチレン圧を7kg/cm2 Gにして、100℃に昇温して15分撹拌した。系内にジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド(0.5μmol )を導入し、70分重合操作を行った。
【0110】
得られたポリマースラリーにエタノール500mlを入れ、撹拌後濾過により分離し、ポリマーを乾燥させた。13.2gのポリマーを得た。
【0111】
触媒活性は36,000gポリマー/g錯体、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は4.42×104、分子量分布(Mw/Mn)=2.63、融点は120.8℃であった。
<実施例16>
〔ジメチルシリレンビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成〕
1)ジメチル=2‐(2‐ブロモベンジル)マロネートの合成
乾燥したメタノール240mlにナトリウム片4.9gを5〜20℃で加え、16℃で15分間撹拌した。マロン酸ジメチル66.06gをメタノール20mlに溶解させた溶液を滴下し、メタノール10mlで洗い込んだ。20℃で20分間撹拌後、o‐ブロモベンジルブロミド50gをメタノール20mlに溶解させた溶液を水浴で冷却しながら滴下した。メタノール10mlで洗い込んだ後、室温で1.5時間撹拌し、その後1.5時間還流した。放冷後、減圧下でメタノールを留去し、氷−塩酸に残渣を注いだ。水層を食塩で飽和後、エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を留去し、濃縮残渣約92gを減圧蒸留(125〜128℃/0.2〜0.25mmHg)することにより標記化合物54.25gを得た。
【0112】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:3.35(2H,d,J=7.9Hz),3.70(6H,s),3.89(1H,t,J=7.9Hz)、7.07〜7.13(1H,m),7.19〜7.26(2H,m),7.54(1H,d,J=7.7Hz)
2)メチル=3‐(2‐ブロモフェニル)プロピオネートの合成
ジメチル=2‐(2‐ブロモベンジル)マロネート54.25gをジメチルスルホキシド220mlと水3.24mlの混合溶媒に溶解させ、リチウムクロリド15.27gを加えた。バス温160℃で7.5時間撹拌し、放冷後溶媒を減圧下で留去した。濃縮残渣を水にあけ、トルエンで抽出し、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、濃縮残渣を減圧蒸留(96〜98℃/0.5mmHg)することにより、標記化合物30.05gを得た。
【0113】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:2.65(2H,t,J=7.5Hz),3.07(2H,t,J=7.6Hz),3.68(3H,s),7.05〜7.10(1H,m),7.20〜7.27(2H,m),7.53(1H,d,J=7.6Hz)
3)3‐(2‐ブロモフェニル)プロピオン酸の合成
メチル=3‐(2‐ブロモフェニル)プロピオネート35.77gをエタノール80.7mlに溶解させ、その溶液に水酸化ナトリウム11.77gを水40mlに溶解させた溶液を室温で滴下した。還流下で2.5時間撹拌し、放冷後、メタノールを留去し、残渣を氷−塩酸にあけ、20分間撹拌した。析出した結晶を濾過し、水でよく洗浄後、減圧下で乾燥させて標記化合物32.4gを得た。
【0114】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:2.72(2H,t,J=7.6Hz),3.08(2H,t,J=7.6Hz),7.06〜7.12(1H,m),7.22〜7.28(2H,m),7.55(1H,d,J=7.7Hz)
4)4‐ブロモ‐1‐インダノンの合成
3‐(2‐ブロモフェニル)プロピオン酸16.88gにチオニルクロリド85mlを加え、還流下2時間撹拌した。放冷後、減圧下で過剰のチオニルクロリドを留去し、トルエンで1回、四塩化炭素で1回共沸した。濃縮残渣を四塩化炭素30mlに溶解させ、塩化アルミニウム14.74gを四塩化炭素100mlに懸濁したものに5〜10℃で滴下した。その温度で40分間撹拌後、室温で30分間撹拌し、さらに還流下1時間撹拌した。内容物を放冷後、氷−塩酸にあけ、塩化メチレンで抽出した。有機層を希塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を留去し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合物13.2gを得た。
【0115】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:2.74(2H,t,J=6.9Hz),3.09(2H,t,J=6.1Hz),7.29(1H,dd,J=6.9Hz,8.3Hz),7.71(1H,d,J=7.7Hz),7.77(1H,d,J=7.7Hz)
5)4‐ブロモ‐1‐インダノールの合成
4‐ブロモ‐1‐インダノン1.0gをエタノール6ml、テトラハイドロフラン3mlの混合溶媒に溶解させ、氷温下ソディウムボロハイドライド0.09gを加えた。その温度で一晩撹拌し、反応液を希塩酸にあけ、水層を食塩で飽和後、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた濃縮残渣1.02gはこれ以上精製せず、次の反応に用いた。
【0116】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.80(1H,d,J=6.9Hz),1.90〜2.02(1H,m),2.47〜2.58(1H,m),2.82(1H,dt,J=16.8Hz,6.8Hz),3.08(1H,ddd,J=4.7Hz,8.8Hz,16.7Hz),5.31(1H,dt,J=6.0Hz,6.6Hz),7.13(1H,dd,J=7.1Hz,7.1Hz),7.35(1H,d,J=7.4Hz),7.43(1H,d,J=7.8Hz)
6)4‐ブロモ‐1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダンの合成
4‐ブロモ‐1‐インダノールの未精製物1.02gをジメチルホルムアミド10mlに溶解させ、イミダゾール0.645gおよびt‐ブチルジメチルシリルクロライド0.857gを氷温で加えた。その温度で一晩撹拌し、反応液を飽和食塩水にあけ、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を留去し、濃縮残渣1.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合物1.51gを得た。
【0117】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.94(9H,s),1.86〜1.99(1H,m),2.39〜2.49(1H,m),2.74(1H,dt,J=16.5Hz,8.2Hz),3.02(1H,ddd,J=3.0Hz,9.1Hz,16.4Hz),5.30(1H,t,J=7.1Hz),7.09(1H,dd,J=7.5Hz,7.5Hz),7.23(1H,d,J=7.4Hz),7.37(1H,d,J=7.8Hz)
7)ビス〔4‐{1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダニル}〕ジメチルシランの合成
4‐ブロモ‐1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダン1.51gをエーテル15mlに溶解させ、−72℃に冷却した。n‐ブチルリチウムヘキサン溶液(1.64M)2.82mlを滴下し、6.5時間かけて、−20℃まで温度を上昇させた。再び−40℃まで温度を下げた後、ジメチルジクロロシラン0.278mlを滴下し、そのまま一晩撹拌した。反応液を飽和食塩水に注ぎ、エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濃縮残渣1.55gは、同様の操作で得られた濃縮残渣と合わせ(合計2.70g)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物が主成分である未精製物1.777gを得た。この未精製物はこれ以上精製せずに次の反応に用いた。
【0118】
8)ビス{7‐(1H‐インデニル)}ジメチルシランの合成
ビス〔4‐{1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダニル}〕ジメチルシランの未精製物1.777gをトルエン53.5mlに溶解させ、p‐トルエンスルホン酸一水和物0.533gを加え、バス温80℃で4時間撹拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。濃縮残渣1gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(200:1)で再結晶することにより標記化合物0.47gを得た。
【0119】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.68(6H,s),3.08(4H,dd,J=1.5Hz,1.5Hz),6.43(2H,dt,J=5.6Hz,2.0Hz),6.84(2H,dt,J=5.6Hz,1.9Hz),7.29(2H,dd,J=7.4Hz,7.4Hz),7.40(2H,dd,J=7.4Hz,1.2Hz),7.44(2H,dd,J=7.4Hz,1.2Hz)
融点 81〜83℃
9)ジメチルシリレンビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
以下の操作はすべて窒素雰囲気下実施し、又、使用した溶媒は十分に脱水・脱酸素したものを使用した。
【0120】
上記で合成したビス{7‐(1H‐インデニル)}ジメチルシラン0.273g(0.95mmol)のトルエン15ml溶液に、0℃でノルマルブチルリチウム‐ノルマルヘキサン溶液(M=1.64)1.4ml(2.3mmol)をゆっくりと滴下した。0℃で5分撹拌後、室温で12時間撹拌した後、トルエンを留去し、ノルマルヘキサンで洗浄することにより配位子のリチウム塩を得た。
【0121】
配位子のリチウム塩0.505g(1.68mmol)に塩化メチレン30mlを加えた。−78℃に冷却し、四塩化ジルコニウムをゆっくりと加えた。1.5時間かけて徐々に室温まで昇温した後、室温で12時間撹拌した反応液を濾過した後、濾液にヘキサンを加え析出させることにより、ジメチルシリレンビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリドの薄黄色固体を得た。(収量160mg、収率21%)
<実施例17>
〔エチレンヘキセン共重合〕
触媒として、ジメチルシリレンビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリド0.22mg(0.5μmol )を用いる以外は実施例15と同一条件で46分間エチレンヘキセン共重合を行った。
【0122】
触媒活性は70,000gポリマー/g錯体、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は5.92×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.56、融点は117.3℃であった。
<実施例18>
〔エチレンヘキセン共重合〕
触媒をとして、ジメチルシリレンビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリド0.22mg(0.5μmol )を用い、重合温度を65℃にし、エチレン導入前に水素30ml導入する以外は実施例15と同一条件で90分間エチレンヘキセン共重合を行った。
【0123】
触媒活性は50,000gポリマー/g錯体、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は1.84×104、分子量分布(Mw/Mn)=6.32、融点は122.6℃であった。
<実施例19>
〔エチレンヘキセン共重合〕
触媒として、ジメチルシリレンビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリド0.31mg(0.7μmol )を用い、1‐ヘキセン60mlを用いる以外は、実施例14と同一条件で25分間エチレンヘキセン共重合を行った。
【0124】
触媒活性は134,000gポリマー/g錯体、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は2.86×104、分子量分布(Mw/Mn)=7.69、融点は108.2℃であった。
<実施例20>
〔ジメチルシリレンビス{4‐(2‐ターシャリーブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成〕
1)2‐ターシャリーブチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノールの合成
2‐ターシャリーブチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノンをメタノール100ml、テトラヒドロフラン200mlに溶解させ、室温下ソディウムボロハイドライド1.58gを加えた。その温度で一晩撹拌し、反応液を希塩酸にあけ、水層を食塩で飽和後、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた濃縮残渣7.49gはこれ以上精製せずに次の反応に用いた。
【0125】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:1.16(9H,s),2.02−2.09(1H,m),2.90−3.01(2H,m),5.20(1H,dd,J=5.4Hz,6.5Hz),7.09(1H,t,J=8.1Hz),7.31(1H,d,J=7.3Hz),7.42(1H,d,J=8.6Hz)
2)2‐ターシャリーブチル‐4‐ブロモ‐1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダンの合成
粗2‐ターシャリーブチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノールをジメチルホルムアミド30mlに溶解させ、イミダゾール1.43gおよびターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメチルスルホネート2.65mlを氷温で加えた。1時間後、40℃に昇温し、10時間撹拌した。反応液を飽和食塩水にあけ、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を留去し、濃縮残渣4.2gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合物1.97gを得た。
【0126】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.08(3H,s),0.13(3H,s),0.78(9H,s),1.11(9H,s),1.86−1.94(1H,m),2.74−2.82(1H,dd,J=6.5Hz,15.4Hz),3.01−3.11(1H,dd,J=10.5Hz,15.4Hz),5.21(1H,d,J=4.3Hz),7.00(1H,t,J=7.3Hz),7.21(1H,d,J=6.8Hz),7.36(1H,d,J=8.01Hz)
3)ビス〔4‐{2‐ターシャリーブチル‐1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダニル}〕ジメチルシランの合成
2‐ターシャリーブチル‐4‐ブロモ‐1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダン1.97gをジエチルエーテル20mlに溶解させ、−10℃でノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.64M)3.29ml滴下し、1時間その温度を維持した後、昇温し、3−5℃で2時間撹拌した。その温度で、さらにジメチルジクロロシラン0.303mlをゆっくりと滴下した。1時間後に室温に戻し一晩撹拌した。反応液を飽和食塩水にあけ、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。1.66gの濃縮残渣は標記化合物が主成分である混合物であり、これ以上精製せずに次の反応に用いた。
4)ビス{4‐(2‐ターシャリーブチルインデニル)}ジメチルシランの合成
ビス〔4‐{2‐ターシャリーブチル‐1‐(ターシャリーブチルジメチルシロキシ)インダニル}〕ジメチルシランの未精製物1.66gをトルエン80mlに溶解させ、パラトルエンスルホン酸一水和物0.346gを加え、バス温80℃で30分間撹拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮残渣0.99gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合物0.56gを得た。
【0127】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.69(6H,s),1.15(18H,s),3.12(4H,s),6.48(2H,s),7.19−7.32(6H,m)
5) ジメチルシリレンビス{4‐(2‐ターシャリーブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成
ジエチルエーテル10mlに上記合成のビス{4‐(2‐ターシャリーブチルインデニル)}ジメチルシラン0.48g(1.19mmol)を溶解させ、−70℃でノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.64M)1.52mlを滴下した。1時間温度を保った後に、1時間で室温まで昇温し、さらに2時間撹拌した。再び−70℃に冷却し、四塩化ジルコニウム‐ジエチルエーテル錯体0.44gを含むジエチルエーテルスラリー10mlを一度に加えた。1時間温度を保った後に、1時間で室温まで昇温し、さらに20時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後に、塩化メチレンで抽出し、溶媒を減圧留去した。ノルマルヘキサンで洗浄し、乾燥させて淡黄色固体0.33gを得た。1H NMR分析により、ラセミ構造を成すジメチルシリレンビス{4‐(2‐ターシャリーブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドであることを確認した。
【0128】
1H−NMR(δ,CDCl3);ppm:0.56(6H,s),1.18(18H,s),4.49(2H,s),6.52(2H,s),6.97(2H,dd,J=6.6,8.4Hz),7.43(2H,d,J=6.6Hz),7.70(2H,d,J=8.8Hz)
<実施例21>
〔プロピレン重合〕
ジメチルシリレンビス{4‐(1‐フェニル‐3‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わりに、ジメチルシリレンビス{4‐(2‐ターシャリーブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド2.8mg(5.0μmol )を使用した以外は、実施例12と同様に重合操作を実施した。その結果、1.5gのポリマーが得られた。触媒活性は540g‐ポリマー/g‐錯体、数平均分子量1.09×104、分子量分布1.80、融点は120.6℃であった。
【0129】
【発明の効果】
本発明の触媒成分を用いると、経済性の高い高温重合条件下においても高分子量のα‐オレフィン重合体を高収率で製造することが可能になることは「発明の概要」の項において前記したところである。
Claims (8)
- 下記の一般式〔IA 〕または〔IB 〕で表わされるメタロセン化合物からなることを特徴とする、α‐オレフィン重合用触媒成分。
- 下記の一般式〔IA 〕または〔IB 〕で表わされるメタロセン化合物からなることを特徴とする、α‐オレフィン重合用触媒成分。
- 式〔IA 〕または〔IB 〕のメタロセン化合物の各置換基が下記の通りのものである、請求項1または2に記載のα‐オレフィン重合用触媒成分。
R:それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数1〜14の炭素水素残基、ハロゲンを含む炭素数1〜14の炭素水素残基またはケイ素を含む炭素数1〜14の炭化水素残基(ただし、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上に複数存在するときは、それらはそのω‐端で相互に結合して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と共に環を形成してもよい)。
a:それぞれ独立して、0または1〜3の整数。
b:それぞれ独立して、0または1〜7の整数。
Q:炭素数1〜6の2価の炭化水素残基または炭素数1〜12の炭化水素を有する、シリレン基もしくはゲルミレン基。
X、Y:それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、又は炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基。 - メタロセン化合物が式〔IA 〕の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のα‐オレフィン重合用触媒成分。
- 下記の成分(A)および成分(B)を組合わせてなることを特徴とする、α‐オレフィン重合用触媒。
成分(A)
請求項1〜4のいずれか一項のα‐オレフィン重合用触媒成分。
成分(B)
(イ)アルミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸あるいは(ハ)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物。 - 成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物(ハ)が、式〔V〕で表わされる化合物である、請求項5に記載のα‐オレフィン重合用触媒。
〔K〕e+〔Z〕e− 〔V〕
(ここで、Kはイオン性のカチオン成分であって、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオンまたはそれ自身が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオンであり、Zはイオン性のアニオン成分で、成分(A)が変換されたカチオン種に対して対アニオンとなる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ひ素化合物アニオンまたは有機アンチモン化合物アニオンである。) - 請求項5〜7のいずれか一項の成分(A)および成分(B)を組合せてなる触媒にα‐オレフィンを接触させて重合させることを特徴とする、α‐オレフィン重合体の製造法。
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