JP3576868B2 - 作業機連結装置の防振構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタと作業機とを動力伝達系を含めて簡単連結可能にした作業機連結装置の防振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トップリンクと左右のロワーリンクとを定型化する連結枠(クイックカプラー又はオートヒッチと称される)を用いて、動力伝達系を連結しながら作業機を連結するようにしたトラクタの作業機連結装置は、特開平10ー286005号公報等で公知である。
この従来技術は、トラクタ車体にトップリンク及び左右一対のロワーリンクを有する三点リンク機構を介して連結枠を連結し、この連結枠に上連結部と左右一対の下連結部とを形成し、また、トラクタ車体のPTO軸と作業機のPIC軸とを連動連結するジョイント軸を保持する保持具を設け、前記連結枠の上連結部と下連結部とに作業機の上係合部及び左右一対の下係合部をそれぞれ係合しながら、保持具に保持されたジョイント軸にPIC軸を結合していくことにより、三点リンク仕様の作業機をトラクタ車体に自動連結できるようにしている。
【0003】
前記保持具は、作業機が上連結部を中心に揺動運動しながらPIC軸が挿入されるため、連結枠に横軸を介して揺動自在に支持されており、前後方向、左右方向、上下方向等にすきま公差を有する支持構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、保持具はすきま公差を有する支持構造であるが故に、ジョイント軸の回転が伝達されると、エンジンの回転変動による入力回転変動、ジョイント軸の入出力角によるトルク変動、ロータリ耕耘機の爪軸回転変動(ロータリ振動)等の影響により、保持具が振動し、作業機側のギヤ伝動機構に衝撃を与えたり、たおれ等の悪影響を及ぼすことがあり、ギヤ音等の騒音を発生したり、作業機を振動させたりする原因になっている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした作業機連結装置の防振構造を提供することを目的とする。
本発明は、作業機を連結した状態で、保持具に前後方向、左右方向又は上下方向の少なくともいずれか一方向への偏力を付与する弾性体を、連結枠と保持具との間に設けることにより、振動・騒音を防止できるようにした作業機連結装置の防振構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための作用機連結構造の第1の具体的手段は、トラクタ車体2に三点リンク機構5を介して連結枠6を連結し、この連結枠6に上連結部7と左右一対の下連結部8とを形成して作業機9の上係合部10及び左右一対の下係合部11をそれぞれ係脱自在に係合し、トラクタ車体2のPTO軸12と作業機9のPIC軸13とをジョイント軸14で連結し、前記連結枠6にジョイント軸14のPIC軸側ヨーク60を保持する保持具15を設け、この保持具15を軸部65を介して連結枠6に横軸回り揺動可能に支持した作業機連結装置において、
前記作業機9を分離状態から前記PIC軸13をヨーク60に連結しながら連結枠6に連結することにより、保持具15に前後方向、左右方向又は上下方向の少なくともいずれか一方向への偏力を付与する弾性体18を、連結枠6と保持具15との間に設けていることである。
【0007】
これによって、作業機9を連結枠6に連結しかつPIC軸13をヨーク60に連結した状態で、連結枠6に対して保持具15を弾性体18が前後方向、左右方向又は上下方向の少なくともいずれか一方向へ偏力を与え、押し付けて、両者の間の振動・騒音を防止する。
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記保持具15に位置決め部材66を設け、連結枠6に作業機分離状態で前記位置決め部材66を受持しかつ前記PIC軸13をヨーク60に連結するときに保持具15の横軸回り揺動に伴う位置決め部材66の移動を許容するストッパ部67を設けており、このストッパ部67にPIC軸13がヨーク60に連結するときに保持具15の横軸回り揺動に伴って位置決め部材66によって圧縮される揺動方向弾性体18Aを設けていることである。
【0008】
これによって、PIC軸13をヨーク60に適正に連結するために保持具15の位置決めをする位置決め部材66及びストッパ部67を使って、揺動方向弾性体18Aを簡単かつ適正に設けておくことが可能になる。
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、第2の具体的手段に加えて、前記連結枠6の上連結部7を下連結部8から上下距離を異ならせて複数形成し、前記保持具15の軸部65の支持位置及び連結枠6のストッパ部67を上下に複数形成し、前記揺動方向弾性体18Aを位置決め部材66又は上下ストッパ部67に設けていることである。
【0009】
これによって、連結枠6を複数種類の作業機を連結可能な構成にしていても、位置決め部材66及びストッパ部67を使って、揺動方向弾性体18Aを簡単かつ適正に設けておくことが可能になる。
本発明における課題解決のための第4の具体的手段は、第1〜3のいずれかの具体的手段に加えて、前記作業機9はギヤケース33からPIC軸13を突出しており、このギヤケース33と保持具15との間に、PIC軸13がヨーク60に連結したときに圧縮される前後方向弾性体18Cを設けていることである。
【0010】
これによって、ギヤケース33と保持具15とに前後方向弾性体18Cの反発力を与えて、保持具15等の前後方向の振動を防止する。
本発明における課題解決のための第5の具体的手段は、第1〜4のいずれかの具体的手段に加えて、前記保持具15の軸部65と連結枠6との間に、PIC軸13がヨーク60に連結するときに圧縮される又はプレストレスを有する左右方向弾性体18Bを設けていることである。
これによって、保持具15の軸部65と連結枠6とに左右方向弾性体18Bの反発力を与えて、保持具15等の左右方向の振動を防止する。
【0011】
本発明における課題解決のための第6の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記保持具15に位置決め部材66を設け、連結枠6に左右軸部65を支持するガイド体61を設け、このガイド体61に作業機分離状態で前記位置決め部材66を受持しかつ前記PIC軸13をヨーク60に連結するときに保持具15の横軸回り揺動に伴う位置決め部材66の移動を許容するストッパ部67を設け、前記保持具15と左右ガイド体61との間に弾性体79を配置し、この弾性体79に軸部65とガイド体61との間に介在する筒部81と、位置決め部材66とストッパ部67との間に介在してPIC軸13がヨーク60に連結するときに圧縮される突起部82とを設けていることである。
【0012】
これによって、作業機9を連結枠6に連結しかつPIC軸13をヨーク60に連結した状態で、連結枠6に対して保持具15を弾性体79が前後方向、左右方向及び/又は上下方向へ偏力を与え、押し付けて、両者の間の振動・騒音を防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、トラクタ車体2に装着の連結装置1に、ロータリ耕耘機で例示した作業機9を特殊状態(特殊三点リンク仕様の装着状態)で装着しており、連結装置1のトップリンク3及びトップリンクブラケット26を標準三点リンク仕様のものに変更することにより、標準三点リンク仕様装着状態に変更することが可能になっている。
【0014】
トラクタ車体2は、背面上部にトップリンクブラケット26を装着し、後部上面に油圧シリンダを有する作業機昇降装置27を搭載し、トラクタ車体2の後下部にロワーリンクピン30を有し、PTO軸12が背面略中央から後方に突出されている。
三点リンク機構5はトップリンク3と左右一対のロワーリンク4とを有し、トップリンク3の前連結部3Rはトップリンクブラケット26にピンを介して連結され、左右ロワーリンク4の前連結部4Fはロワーリンクピン30に連結されており、このロワーリンク4は作業機昇降装置27のリフトアーム28とリフトロッド29を介して連結され、昇降自在になっている。
【0015】
三点リンク機構5の後端すなわち、トップリンク3と左右のロワーリンク4の後端には連結枠6を連結しており、この連結枠6に特殊三点リンク仕様(又は標準三点リンク仕様)の作業機9が、着脱自在にかつ昇降装置27の昇降によって昇降自在に連結されていると共に、PTO軸12とPIC軸13がジョイント軸14を介して連動連結されている。
前記作業機9は、PIC軸13を前方突出したギヤケース33から左右にサポートアーム34を突出し、左右サポートアーム34の外端に伝動ケース及びサイドフレームを固定して機枠(ロータリ機枠)9Aを構成し、伝動ケース及びサイドフレームの下部で爪軸を回転自在に支持し、その爪軸に多数本の耕耘爪を取り付けている。
【0016】
また、ギヤケース33上にトップマスト36を固着し、左右サポートアーム34には前後に突出した連結ブラケット37を固定している。
前記作業機9のトップマスト36の前上端のピンは、連結枠6の上連結部7と係合される上係合部10を形成し、左右各連結ブラケット37に設けたピンは、連結枠6の左右下連結部8と係合される下係合部11を形成している。
図1〜7の第1の実施の形態において、前記連結装置1として組み込まれる連結枠6は角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)で背面視略A字形状に形成された主枠41を有し、この主枠41の中央上部に上部体42を固着し、左右下部に下部体43を固着し、主枠41の左右中途部を主枠41と同一材料の上補強材44で繋ぎ、上補強材44の中途部左右と左右下部体43とを左右一対の略L字状の支持部材45で繋いで構成している。
【0017】
前記上部体42は、前上部にピンを貫通してトップリンク3の後連結部3Rと連結され、後部には上下一対の凹状の上連結部7A、7Bが形成されている。この上連結部7A、7Bは下連結部8から異なる距離にあり、特殊仕様又は標準仕様の作業機9の上係合部10と択一的に係合するものである。
前記下部体43は2枚の板材又はU字状に折り曲げた部材で形成され、その前部から突出した板材から外側方へピンを突出してロワーリンク4の後連結部4Rと連結される後部連結点16を形成している。
【0018】
この下部体43の後部には後方開放凹状の下連結部8を形成している。この下連結部8は、下部体43を形成する2枚の板状部分に側面視略U字状(又はJ字状)の板材46を固着している。
また、前記下部体43には、図5、7に示すように、横軸47を介してロック部材48が回動可能に支持されており、略U字状板材46の孔46aから突出可能になっている。前記ロック部材48は孔46aから突出することにより、下連結部8に係合した下係合部11と係合可能であり、係合することにより下連結部8から下係合部11が離脱するのを阻止する。
【0019】
ロック部材48はコイルバネによって下係合部11に係合する方向に付勢されており、その前部は解除手段50の山形状のリンク51に連結されている。解除手段50は上補強材44に固定のブラケット52にアーム53が枢支され、このアーム53にリンク51の中央が相対回転自在に貫通され、またアーム53に操作レバー54が固着されており、操作レバー54を回動操作することにより、リンク51がアーム53を越えて移動し、ロック部材48が回動して下係合部11との係合が解除されるようになっている。
【0020】
前記略U字状板材46は、2枚の板状部材よりも下係合部11に広い面積で当接するので、面圧が低くなり、摩耗が少なく、安定的な係合ができ、ロック部材48の突出上限も略U字状板材46で行えるようになってる。
なお、前記ロック部材48等によって構成されるロック手段は、前記構成に限定されるものではなく、種々の従来技術のものが利用できる。
図1、3において、作業機9の動力伝達系を構成するPTO軸12とPIC軸13とはジョイント軸14で連動連結されており、ジョイント軸14は中途部が伸縮自在軸となっていて、PTO軸12に連結される側には2組のフック式継ぎ手からなる等角自在継ぎ手(等速自在継ぎ手)58を有し、PIC軸13に連結される側には1組のフック式継ぎ手からなる自在継ぎ手59を有している。なお、このPIC軸13側にも等角自在継ぎ手58を採用してもよい。
【0021】
ジョイント軸14の後端部にはPIC軸13に嵌合連結されるヨーク60を有し、このヨーク60は保持具15に支持されている。
保持具15は連結枠6の左右支持部材45に固定のガイド体61に支持されている。この保持具15は軸受を介してヨーク60を軸心廻りで回転自在に支持する円筒体63と、平面視略コ字状でその前面に円筒体63を固着した保持体64と、この保持体64の左右側部にピンを固着して形成された左右一対の軸部65とを有している。
【0022】
前記軸部65は円筒体63より後方に変位して配置されており、保持具15はこの軸部65を介してガイド体61に横軸回り揺動自在に枢支されている。保持体64には径外方向に突出した位置決め部材66が設けられ、この位置決め部材66はピン又はパイプで形成され、ガイド体61に設けた上下一対のストッパ部67a、67bの一方と受持可能になっている。
保持具15は軸部65を中心に揺動可能であり、位置決め部材66がストッパ67の下側面に当接した姿勢に保持可能になっており、位置決め部材66及びストッパ67はヨーク15を姿勢制御する姿勢制御手段となっている。
【0023】
すなわち、前記保持具15はPIC軸13に嵌合する前の状態のとき、位置決め部材66はストッパ部67に受持され、ヨーク60の軸芯とPIC軸13の軸芯とを略同芯にさせる役目をしており、ヨーク60がPIC軸13に嵌合した状態では、位置決め部材66はストッパ部67から離れる。
この上下各ストッパ部67の後側面には揺動方向弾性体18Aが取り付けられている。この揺動方向弾性体18Aはゴム、合成樹脂等の弾性材料で形成されており、前記ヨーク60がPIC軸13に嵌合して位置決め部材66がストッパ部67から離れたときに、その位置決め部材66によって圧縮変形されて、その弾性復元力が位置決め部材66に偏力(バイアス力)を付与するようになっている。
【0024】
位置決め部材66に加わる偏力は保持具15をPIC軸13に嵌合する前の状態へ弾圧する力となり、すなわち、保持具15及びPIC軸13をこじるような力となり、保持具15と連結枠6との間のすきま公差をなくし、PIC軸13と作業機9内のギヤ伝動系との間のガタも吸収する。
前記揺動方向弾性体18Aはストッパ部67側に設けられているが、図8に示す変形例のように、接着剤等で位置決め部材66に設けてもよく、この場合は、揺動方向弾性体18Aを円弧形状又は筒形状に形成することも可能である。
【0025】
前記ガイド体61には略逆J字状の溝68が形成されていて、この溝68の下端68aと上端68bとに軸部65を係合保持可能になっている。この軸部65には筒形状の左右方向弾性体18Bが嵌合されており、軸部65を溝68に係合した状態で、左右方向弾性体18Bはガイド体61の側面に圧縮された状態で当接し保持具15に左右方向のプレストレス(偏力)を付与する。
前記左右方向弾性体18Bは、保持具15が左右下連結部8の中央に位置しているとき、左右は略均等のプレストレスとなるが、保持具15が左右に偏っていると、偏っている側の弾性体18Bの方がより多く圧縮され、保持具15を中央側に弾圧するように作用する。
【0026】
そして、上下連結部7、8には左右方向に大きな遊びがあり、作業機連結状態の多くの場合、左右方向において連結枠6の中心とPIC軸13の中心とが一致することがなく、保持具15は微少寸法で左右に偏らされることになり、左右方向弾性体18Bを左右に一対設けていても、その弾性力が拮抗することは希であり、一方のみが作用して、保持具15に左右方向の偏力を付与する。
前記保持具15は、図1、2に示すように、軸部65が溝68の下端68aに保持され、かつ位置決め部材66がストッパ部67aに係合している状態が主に特殊三点リンク用作業機1の連結に使用され、図4に示すように、軸部65が溝68の上端68bに保持され、かつ位置決め部材66がストッパ部67bに係合している状態が主に標準三点リンク用作業機1の連結に使用される。
【0027】
この連結枠6では、溝68の下端68aと上端68bとを選択することにより、保持具15を連結枠6に対して上下方向及び/又は前後方向に位置変更可能に設けており、ジョイント軸14と下連結部8及びロワーリンク連結点16との位置関係を変更することができ、連結する作業機9に応じて、上下上連結部7A、7Bのどちらに係合するか、その係合を変更することによって、PIC軸13の上下方向及び/又は前後方向の位置が変わっても、ジョイント軸14との連結が確保されるようになる。
【0028】
作業機9の前記ギヤケース33の前面には、筒形状の前後方向弾性体18Cが固定又はPIC軸13に遊嵌するように設けられており、作業機9を連結枠6に連結して、PIC軸13がジョイント軸14に連結した状態で、前後方向弾性体18Cはギヤケース33と保持具15とに挟まれて圧縮され、ギヤケース33と保持具15とを前後方向に押し離すような偏力を発生する。
前記左右方向弾性体18Bは、保持具15を理論適正位置側に付勢するようなプレストレスを与えているのに対して、揺動方向弾性体18A及び前後方向弾性体18Cは、保持具15を理論適正位置から離脱する方向に弾力的な負荷をかけるようになっている。しかし、それらの弾性体18は総て、保持具15を実際連結位置から弾力的に押しのける偏力を与えている。
【0029】
前記左右方向弾性体18Bは、保持具15の左右両側に配置されているのを左右一方のみに配置するか、プレストレスの大きさを異ならせて左右一対設けるかしてもよく、そのようにすることにより、PIC軸13と連結後の保持具15を弾圧する偏力を、積極的にかつ確実に作用させることができるようになる。
図9〜11は本発明の第2の実施の形態を示しており、連結枠6の上連結部7は1箇所のみ有し、保持具15は軸部65回りに揺動可能であるが、上下位置変更できない構成となっている。前後方向弾性体18Cはコイルばねで形成され、保持具15又はギヤケース33に取り付けられている。
【0030】
支持部材45に固定のガイド体61にはJ字状の溝はなく、軸部65を支持する孔70が形成され、保持具15と左右ガイド体61との間に配置された弾性体79には、板状部80と、板状部80から側方に突出した筒部81及び突起部82が、ゴム又は合成樹脂等の弾性材料で一体成形されている。
前記筒部81は軸部65に嵌合してガイド体61の孔70に挿入されており、保持具15から連結枠6への振動を吸収しており、前記板状部80及び筒部81は、プレストレス状態にしておくことにより、保持具15に前後方向、左右方向及び上下方向の偏力を与えて、振動を減少させることができる。
【0031】
従って、板状部80は左右方向弾性体18Bとして機能し、筒部81は前後方向弾性体18C及び/又は上下方向弾性体として機能する。
前記突起部82は、位置決め部材66とストッパ部67の上位面との間に配置されており、PIC軸13がヨーク60に連結するときの揺動により、位置決め部材66によって圧縮されるようになっている。
板状部80には位置決め部材66が貫通する孔80aが突起部82の上下に一対設けられており、ガイド体61は左右兼用形状であり、保持具15の左右どちらに配置してもよい。この突起部82が揺動方向弾性体18Aとなっている。
【0032】
図12は揺動方向弾性体18Aの変形例を示しており、保持具15の円筒体63又は保持体64に板ばね84の一端を固定し、板ばね84の他端を取り付け体76又は上補強材44に連結している。前記板ばね84の代わりに圧縮コイルばねを使用してもよい。
前記板ばね84は姿勢制御手段も兼ねており、保持具15がPIC軸13に嵌合する前は伸張されていて、ヨーク60をPIC軸13の挿入に適する姿勢に保持し、保持具15がPIC軸13に嵌合するにつれて圧縮され、嵌合状態では保持具15を嵌合前姿勢側に付勢する偏力を与えるようになる。
【0033】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、位置決め部材66をゴム等の弾性材料又はばねで棒状に形成し、その一端を保持具15に固定し、他端をガイド体61に係合させ、位置決め部材66に揺動方向弾性体18Aと姿勢制御手段の機能を持たせ、ヨーク60にPIC軸13を挿入して保持具15を揺動させるにつれて、位置決め部材66が弾性変形して保持具15に偏力を与えるようにしてもよい。前後方向弾性体18Cは、円筒形状でなくともよく、板ばね等でもよい。弾性体18に金属シム等を付加して、加重してもよい。揺動方向弾性体18Aは保持具15を下向きに弾圧するので、上下方向弾性体と認識してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、連結枠6に作業機9を連結した状態で、弾性体18が弾性変形されて、その復元力により保持具15に前後方向、左右方向又は上下方向の少なくともいずれか一方向への偏力を付与することができ、連結枠6に対して保持具15のガタつきを規制し、保持具15及び動力伝達系の振動・騒音を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面側面図である。
【図2】要部を示す拡大断面側面図である。
【図3】連結枠の分解斜視図である。
【図4】連結枠の一部断面側面図である。
【図5】連結枠の側面図である。
【図6】連結枠の正面図である。
【図7】連結枠の下部の斜視図である。
【図8】揺動方向弾性体の変形例を示す断面側面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図10】保持具及び弾性体の側面図である。
【図11】図10のX−X線断面図である。
【図12】揺動方向弾性体の変形例を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 連結装置
2 トラクタ車体
3 トップリンク
4 ロワーリンク
5 三点リンク機構
6 連結枠
7 上連結部
8 下連結部
9 作業機
9A 機枠
10 上係合部
11 下係合部
12 PTO軸
13 PIC軸
14 ジョイント軸
15 保持具
18 弾性体
18A 揺動方向弾性体
18B 左右方向弾性体
19C 前後方向弾性体
60 ヨーク
65 軸部
66 位置決め部材
67 ストッパ部
Claims (6)
- トラクタ車体(2)に三点リンク機構(5)を介して連結枠(6)を連結し、この連結枠(6)に上連結部(7)と左右一対の下連結部(8)とを形成して作業機(9)の上係合部(10)及び左右一対の下係合部(11)をそれぞれ係脱自在に係合し、トラクタ車体(2)のPTO軸(12)と作業機(9)のPIC軸(13)とをジョイント軸(14)で連結し、前記連結枠(6)にジョイント軸(14)のPIC軸側ヨーク(60)を保持する保持具(15)を設け、この保持具(15)を軸部(65)を介して連結枠(6)に横軸回り揺動可能に支持した作業機連結装置において、
前記作業機(9)を分離状態から前記PIC軸(13)をヨーク(60)に連結しながら連結枠(6)に連結することにより、保持具(15)に前後方向、左右方向又は上下方向の少なくともいずれか一方向への偏力を付与する弾性体(18)を、連結枠(6)と保持具(15)との間に設けていることを特徴とする作業機連結装置の防振構造。 - 前記保持具(15)に位置決め部材(66)を設け、連結枠(6)に作業機分離状態で前記位置決め部材(66)を受持しかつ前記PIC軸(13)をヨーク(60)に連結するときに保持具(15)の横軸回り揺動に伴う位置決め部材(66)の移動を許容するストッパ部(67)を設けており、このストッパ部(67)にPIC軸(13)がヨーク(60)に連結するときに保持具(15)の横軸回り揺動に伴って位置決め部材(66)によって圧縮される揺動方向弾性体(18A)を設けていることを特徴とする請求項1に記載の作業機連結装置の防振構造。
- 前記連結枠(6)の上連結部(7)を下連結部(8)から上下距離を異ならせて複数形成し、前記保持具(15)の軸部(65)の支持位置及び連結枠(6)のストッパ部(67)を上下に複数形成し、前記揺動方向弾性体(18A)を位置決め部材(66)又は上下ストッパ部(67)に設けていることを特徴とする請求項2に記載の作業機連結装置の防振構造。
- 前記作業機(9)はギヤケース(33)からPIC軸(13)を突出しており、このギヤケース(33)と保持具(15)との間に、PIC軸(13)がヨーク(60)に連結したときに圧縮される前後方向弾性体(18C)を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作業機連結装置の防振構造。
- 前記保持具(15)の軸部(65)と連結枠(6)との間に、PIC軸(13)がヨーク(60)に連結するときに圧縮される又はプレストレスを有する左右方向弾性体(18B)を設けていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の作業機連結装置の防振構造。
- 前記保持具(15)に位置決め部材(66)を設け、連結枠(6)に左右軸部(65)を支持するガイド体(61)を設け、このガイド体(61)に作業機分離状態で前記位置決め部材(66)を受持しかつ前記PIC軸(13)をヨーク(60)に連結するときに保持具(15)の横軸回り揺動に伴う位置決め部材(66)の移動を許容するストッパ部(67)を設け、前記保持具(15)と左右ガイド体(61)との間に弾性体(79)を配置し、この弾性体(79)に軸部(65)とガイド体(61)との間に介在する筒部(81)と、位置決め部材(66)とストッパ部(67)との間に介在してPIC軸(13)がヨーク(60)に連結するときに圧縮される突起部(82)とを設けていることを特徴とする請求項1に記載の作業機連結装置の防振構造。
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JP13441499A JP3576868B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 作業機連結装置の防振構造 |
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