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JP3372669B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JP3372669B2
JP3372669B2 JP21024494A JP21024494A JP3372669B2 JP 3372669 B2 JP3372669 B2 JP 3372669B2 JP 21024494 A JP21024494 A JP 21024494A JP 21024494 A JP21024494 A JP 21024494A JP 3372669 B2 JP3372669 B2 JP 3372669B2
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JP
Japan
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ink
recording
head
treatment liquid
ink jet
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JP21024494A
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敏之 大西
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
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Priority to US08/511,230 priority patent/US6412934B1/en
Priority to CA002155505A priority patent/CA2155505C/en
Priority to SG1995001075A priority patent/SG40018A1/en
Priority to EP02079145A priority patent/EP1273452B1/en
Priority to AT95305504T priority patent/ATE240212T1/de
Priority to DE69530733T priority patent/DE69530733T2/de
Priority to DE69535443T priority patent/DE69535443T2/de
Priority to EP95305504A priority patent/EP0703087B1/en
Priority to AT02079145T priority patent/ATE358022T1/de
Priority to AU28478/95A priority patent/AU2847895A/en
Priority to KR1019950024657A priority patent/KR100189511B1/ko
Priority to CN95115392A priority patent/CN1072114C/zh
Publication of JPH0872230A publication Critical patent/JPH0872230A/ja
Priority to AU53874/98A priority patent/AU5387498A/en
Priority to HK98113093A priority patent/HK1011951A1/xx
Priority to CN99121514A priority patent/CN1091413C/zh
Priority to US10/076,424 priority patent/US6834947B2/en
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被記録材上に高品位の画
像を得ることができるインクジェット記録装置に関し、
より詳しくは、インクの吐出に先立って被記録材上にイ
ンクを不溶化させる液体を吐出させるインクジェット記
録装置に関するものである。
【0002】なお、記録とは、布、糸、紙、シート材等
のインク付与を受けるインク支持体全てへのインク付与
等(プリント)を含むものであり、本発明は紙や布、不
織布、OHP用紙等の被記録材を用いる機器すべてに適
用でき、具体的な適用機器は、プリンタ、複写機、ファ
クシミリなど事務機器や大量生産機器等を挙げることが
できる。
【0003】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、低騒音、低
ランニングコスト、装置の小型化やカラー化が容易であ
る等の利点からプリンタや複写機等に広く利用されてい
る。
【0004】このようなインクジェット記録方法によれ
ば、いわゆる普通紙と呼ばれる被記録材上に画像を得る
ことも可能である。しかしながら、画像の耐水性が不十
分なために、特に、カラー画像を得る場合に、フェザリ
ングの生じない高濃度の画像と色間のにじみの生じない
良質の画像とを両立させることができず、カラー画像品
位を著しく低下させていた。
【0005】画像の耐水性を向上させるため、インク中
に含まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年では実
用化されている。しかしながら、そのようなインクで
も、その耐水性はまだまだ不十分であるとともに、原理
的に乾燥後、水に溶解しにくいインクであるために、記
録ヘッドのノズルが詰まり易く、これを防止するには記
録装置の構成を複雑にせざるを得ないなどの欠点があっ
た。
【0006】また、特開昭56−84992号公報は、
被記録材としての記録紙に予め染料を定着するための材
料を塗工しておく方法を開示する。しかしながら、この
方法によれば、特定の記録紙を用いる必要があり、また
予め染料を定着するための材料を塗工するためには装置
の大型化、コストアップが避けられず、さらには記録紙
上に安定して定着材料を所定の膜厚で塗工することは困
難であるといった欠点がある。
【0007】また、特開昭64−63185号公報は、
染料を不溶化する無色のインク(処理液)をインクジェ
ット記録ヘッドによって記録紙上に付着させる技術を開
示する。このように、染料を不溶化する溶液(処理液)
をインクジェット記録ヘッドで吐出する場合には、OH
Pシートやいわゆるコート紙等のベース材上に既にイン
ク受容層が塗布されてなる記録紙に対し処理液を塗布す
ることにより画像が悪化してしまう欠点がある。
【0008】また、記録する際にインク中の染料を定着
する必要がない場合あるいは試し的な印字を行う場合に
は、染料を不溶化する無色のインクをインクジェット記
録ヘッドによって記録紙上に付着させてしまうと、染料
を不溶化する無色のインクを不必要に消費してしまう欠
点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
技術的課題を解消し、適宜必要に応じて処理液を選択的
に吐出できる機構を備えたインクジェット記録装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出
して被記録材に画像記録を行うインク吐出ヘッドと、前
記インクを不溶化する処理液を被記録材に吐出する処理
液吐出ヘッドとを用い、前記被記録材に画像を記録する
インクジェット記録装置において、前記処理液吐出ヘッ
ドから処理液を吐出するか否かを制御する制御手段を備
え、ドラフト印字を行う場合、前記制御手段は、前記処
理液吐出ヘッドから処理液を吐出しないように制御する
ことを特徴とする。
【0011】ここで、インターフェースを介して前記記
録装置と接続されるホスト装置において前記ドラフト印
字の選択を行うことができる。また、前記ドラフト印字
とは、間引き印字であってもよい。さらに、前記被記録
材として普通紙が使用され、前記ドラフト印字を行う場
合、前記処理液吐出ヘッドから処理液を吐出せず、前記
インク吐出ヘッドからインクを吐出して前記普通紙に対
して記録を行い、前記ドラフト印字を行わない場合、前
記処理液吐出ヘッドから処理液を吐出すると共に、前記
インク吐出ヘッドからインクを吐出して前記普通紙に対
して記録を行うことができる。
【0012】また、本発明のインクジェット記録方法
は、インクを吐出して被記録材に画像記録を行うインク
吐出ヘッドと、前記インクを不溶化する処理液を被記録
材に吐出する処理液吐出ヘッドとを用い、前記被記録材
に画像を記録するインクジェット記録方法において、前
記処理液吐出ヘッドから前記処理液を吐出するか否かを
制御する制御工程を有し、ドラフト印字を行う場合、前
記制御工程では、前記処理液吐出用ヘッドから処理液を
吐出しないように制御することを特徴とする。
【0013】ここで、前記インクジェット記録方法を実
行する記録装置とインターフェースを介して接続される
ホスト装置において前記ドラフト印字の選択を行うこと
ができる。また、前記ドラフト印字とは、間引き印字で
あってもよい。さらに、前記被記録材として普通紙が使
用され、前記ドラフト印字を行う場合、前記処理液吐出
ヘッドから処理液を吐出せず、前記インク吐出ヘッドか
らインクを吐出して前記普通紙に対して記録を行い、前
記ドラフト印字を行わない場合、前記処理液吐出ヘッド
から処理液を吐出すると共に、前記インク吐出ヘッドか
らインクを吐出して前記普通紙に対して記録を行うこと
ができる。以上において、前記処理液の表面張力が前記
インクの表面張力よりも低くてもよい。また、前記処理
液は低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含み、
前記インクはアニオン性染料を含んでもよい。さらに、
前記処理液は低分子成分と高分子成分のカチオン性物質
を含み、前記インクはアニオン性化合物と顔料とを含有
してもよい。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明においては、制御手段により、染料を不
溶化する無色のインクを不必要に消費しないように、処
理液の吐出をユーザーが自ら選択することができる。ま
た、本発明においては、染料を不溶化する無色のインク
を必要としない被記録材に対しては使用しないように予
め装置自体に設定し、あるいは試し印字を行う場合には
染料を不溶化する無色のインクを不必要に消費しないよ
うに装置自体に設定することによって、それぞれ印刷時
にかかる費用を削減できる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0019】(実施例1)図1〜図13は、本発明のイ
ンクジェット記録装置の一実施例を示すものであって、
図1は本発明のインクジェット記録装置の一実施例にお
けるプリンタ部の構成を示す概略斜視図であり、図2は
図1に示したプリンタ部のキャリッジを示す概略斜視図
であり、図3は図2に示したキャリッジの構成を拡大し
て示す分解斜視図であり、図4は図2および図3に示し
たキャリッジ上に搭載可能な記録ヘッドおよびこの記録
ヘッドに着脱自在に装着可能なインクタンクを示す概略
斜視図であり、図5は記録ヘッド部のコンタクト部と本
体側との電気的接続のための固定部材を示す分解斜視図
であり、図6はプリンタ部のキャリッジおよびその位置
検出手段を示す分解斜視図であり、図7はプリンタ部の
キャリッジと記録ヘッド部のヘッドベースとの位置決め
構造を示す概略斜視図であり、図8は図7に示した位置
決め構造を確実なものとするための固定手段を示す概略
側面図であり、図9は記録ヘッド部のコンタクト部と本
体側との電気的接続のための固定部材を示す概略断面図
であり、図10はFPCホルダと記録ヘッド部との嵌合
状態を示す概略断面図であり、図11はキャリッジ部に
装着された記録ヘッド部とインクタンク部を示す側断面
図であり、図12は本発明のインクジェット記録装置の
一実施例の外観を示す斜視図であり、図13は本発明の
インクジェット記録装置の一実施例における制御系を説
明するためのブロック図である。
【0020】先ず、図1を参照してインクジェット記録
装置の全体構成について概略説明する。
【0021】図1に示すプリンタ部は、紙送り部1とキ
ャリッジ部2とパージ部3と匡体部4と記録ヘッド部8
とインクタンク部9から概略構成されている。
【0022】紙送り部1は、プラテンローラ106と、
このプラテンローラ106上に搬送されてきた被記録材
を押圧して被記録材の浮き等を防止して確実に被記録材
をキャリッジ部2側に搬送するためのピンチローラ10
7とから概略構成されている。プラテンローラ106は
搬送ローラギア108および搬送ローラアイドラギア
(不図示)の伝導機構を介して紙送りモータ(不図示)
につながっており、そのモータの駆動力の伝達を受けて
回転する。
【0023】キャリッジ部2は、記録ヘッド部8とイン
クタンク部9とを搭載するキャリッジベース201と、
このキャリッジベース201上に搭載された記録ヘッド
部8を保持するヘッドレバー202とから概略構成され
ている。キャリッジベース201は、略コ字状のシャー
シ101の両側壁間に軸支され、かつ、互いに平行に配
設されたガイドシャフト102およびサポートシャフト
103にその長手方向(以下、主走査方向ともいう)に
沿って移動自在に支持され、また両シャフト102およ
び103に同時に軸支されることからキャリッジベース
201の回転が規制される。キャリッジモータ104
は、シャーシ101の中央背板の一端部に固定されてお
り、一対のプーリ1041および両プーリ1041間に
張設されたタイミングベルト105を介してつながって
いる。キャリッジモータ104が正逆回転することによ
りプーリ1041およびタイミングベルト105を介し
てキャリッジベース201を往復移動させることができ
る。また、シャーシ101に固定されたHPセンサ(不
図示)によってキャリッジ部2の主走査方向における位
置を確認することができる。たとえば、非記録時等にお
ける記録領域外の所定位置であるホームポジションにキ
ャリッジ部2が停止しているか否かを確認することがで
きる。
【0024】パージ部3は、上記ホームポジションの下
側の匡体部4上に搭載され、かつ、記録ヘッド部8の吐
出口がゴミ等により、閉塞してインク吐出が不良または
不能となった場合に、上記ホームポジションに停止した
記録ヘッド部8から廃インクを吸引することによって吐
出口の閉塞を解消させ良好なインク吐出状況に復帰させ
るための機構を備えたユニットである。
【0025】匡体部4には、上記パージ部3において吸
引された廃インクを蓄積するための廃インクタンク40
1が備えられている。
【0026】次に、図4を参照して記録ヘッド部8の構
成を概略説明する。
【0027】本実施例における記録ヘッド部8は主にカ
ラー印字を行うために、ブラック(Bk),シアン
(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)および染料を
不溶化する無色のインク(CL)(以下処理液と称す)
を吐出する5つのインクジェット記録ヘッドを一体化し
てなるマルチヘッドである。記録ヘッド部8は図1〜図
3に示すキャリッジ部2上に着脱自在に装着されるもの
であり、インクジェット記録ヘッドの寿命あるいは何ら
かの原因で不良となった時点で、新たなインクジェット
記録ヘッドと交換することができる。
【0028】記録ヘッド部8は、匡体状のヘッドベース
801と、ヘッドベース801の上面に形成された記録
装置本体側の配線部との電気的接触をとるためのコンタ
クト部802と、ヘッドベース801の一側面に形成さ
れたインクタンク部9内のインク供給を受けるためのイ
ンク供給部803とから概略構成されている。このイン
ク供給部803は、各インクジェット記録ヘッドに対応
して設けられている。また、インクタンク部9は、記録
ヘッド部8の5つのインクジェット記録ヘッドにインク
や処理液を各々供給するためのものであって、キャリッ
ジ部2に着脱自在に装着されている。
【0029】本実施例においては、記録ヘッド部8やイ
ンクタンク部9が装着されたキャリッジ部2がキャリッ
ジモータ104の駆動力を伝達するタイミングベルト1
05の一部に連結されていて、互いに平行に配設された
ガイドシャフト102およびサポートシャフト103に
対して摺動し、主走査方向に往復移動する。キャリッジ
部2の駆動力により、記録ヘッド部8は記録ヘッド部8
の吐出形成面に対向して配置されたプラテンローラ10
6上に不図示の媒体給送装置から給送される記録紙(被
記録材)の全幅にわたって往復運動して記録紙へインク
を吐出して記録を行う構成となっている。
【0030】次に、本実施例におけるキャリッジの構造
について詳細に説明する。
【0031】図2,図3および図4に示すように、キャ
リッジ部2内にはブラック(Bk),シアン(C),マ
ゼンタ(M),イエロー(Y)および染料を不溶化する
無色のインク(CL)(以下処理液と称す)をそれぞれ
吐出することができる5つのインクジェット記録ヘッド
と、各インクジェット記録ヘッドに各インクおよび処理
液を供給する5つのインクタンク部9とが装着可能であ
る。
【0032】図3に示すように、略コ字状のヘッドレバ
ー202の両側壁の下部に設けられた一対のヘッドレバ
ー軸2023a(一方のみ図示する)と、略L字状のキ
ャリッジベース201の上端部に設けられた一対のヘッ
ドレバー軸受部2017aおよび2017bとは嵌合さ
れ、ヘッドレバー202がヘッドレバー軸2023a回
りに回動可能となっている。図2に示すように、矢印a
方向にヘッドレバー202を回動させて開放することに
より、記録ヘッド部8を着脱しやすくする。この開放
は、図3に示すように、ヘッドレバー202を位置決め
固定するための一対のヘッドレバー位置決めボス(不図
示)をキャリッジベース201の一対のヘッドレバー位
置決め穴2018に嵌合することによって維持できるよ
うになっている。
【0033】ヘッドレバー202の両側壁の一対の凹部
208にはヘッドテンションバネ209およびヘッドテ
ンション210が装着されており、ヘッドテンション2
10は、図8に示すように凹部208の爪によりヘッド
テンションバネ209の付勢力に抗して係止されてい
る。このため、記録ヘッド部8をキャリッジベース20
1に装填し、ヘッドレバー202を回動させると、ヘッ
ドテンション210がヘッドテンションバネ209の付
勢力によりヘッドベース201の一対のヘッドテンショ
ン受部8010a(一方のみ図示する)の斜面部を矢印
D方向に押す。また、一対のヘッドレバー固定ボス20
24a(一方のみを図示する)が一対のヘッドレバー固
定部2012a(一方のみを図示する)にそれぞれ係合
する。このようにして記録ヘッド部8は、キャリッジベ
ース201およびヘッドレバー202に固定される。
【0034】逆に、ヘッドレバー202を回動させてキ
ャリッジベース201から記録ヘッド部を外す場合に
は、図3に示すように、一対のヘッドレバーリリース部
2027a(一方のみを図示する)を押すことによって
一対のヘッドレバー固定ボス2024a(一方のみを図
示する)を外側に開け、一対のヘッドレバー固定部20
12a(一方のみを図示する)との係合を解く。これに
よりヘッドレバー2020の回動が可能となる。
【0035】図3に示すように、キャリッジベース20
1の内面には、インクタンク部9を装着する際にインク
タンクの下面を案内し保持するための複数のキャリッジ
インクタンクガイドリブ部2011が設けられており、
またヘッドレバー202の内面には、インクタンク部9
を装着する際にインクタンクの上面を案内し保持するた
めの複数のヘッドレバーインクタンクガイドリブ部20
21が設けられている。
【0036】図1および図5に示すように、キャリッジ
フレキシブルケーブル207は記録ヘッド部8に画像信
号や駆動信号を供給するためのものである。キャリッジ
フレキシブルケーブル207のコンタクト部aはFPC
ホルダ203の一対のコンタクト位置決めボス2031
aおよび2031bがゴムパッド206により位置決め
され、FPCホルダ203にゴムパッド206と共に、
FPC押え208により係止(クリップ)されている。
【0037】ヘッドフック205はFPCホルダ203
の両側にそれぞれ設けられた一対の軸2032a(一方
のみを図示する)に嵌合されて回動可能である。ヘッド
フック205は、FPCバネ204によってFPCホル
ダ203の内側に押圧されるが、FPCホルダ軸受部2
033a(一方のみを図示する)とヘッドレバー202
のFPCホルダ軸2022a(一方のみを図示する)に
嵌合されて回動可能である。キャリッジフレキシブルケ
ーブル207を通じて供給される画像信号や駆動信号は
コンタクト部802を介して記録ヘッド部8に供給され
て、印字が行われる。
【0038】図6に示すように、タイミングベルト10
5の一部はキャリッジベース201に固定されたベルト
ストッパ211に固定されている。キャリッジフレキシ
ブルケーブル207はキャリッジPCB213およびC
R PCBカバー214によってキャリッジベース20
1に固定されている。リニアエンコーダ212はキャリ
ッジ部2の位置を制御するための位置検出センサであ
り、キャリッジベース201に固定されている。
【0039】記録ヘッド部8およびインクタンク部9を
キャリッジ部2に装着する作業方法の内容を明記したヘ
ッドレバーラベル220をヘッドレバー202に貼り付
けることにより、ユーザーの利用に供することができ
る。あるいは、前記の作業方法の内容をヘッドレバー2
02に刻印してもよい。
【0040】図7に示すように、キャリッジベース20
1上に記録ヘッド部8を位置決めするための5つのボス
が設けられている。矢印A方向の位置決めは、キャリッ
ジベース201上の台形状のボス2013a,2013
bおよび2013cに、ヘッドベース801上の円柱状
のボス8011a,8011bおよび8011cをそれ
ぞれ当接させることによって行われる。矢印B方向の位
置決めは、キャリッジベース201上のボス2013d
および2013eをヘッドベース801の溝8011d
および8011eに嵌合させて行われる。ボス2013
dおよび2013eの幅aは溝8011dおよび801
1eの幅a´を考慮して決められる。矢印C方向の位置
決めは、キャリッジベース201上のボス2013dお
よび2013eの曲面部分の上部をヘッドベース801
の溝8011dおよび8011eの上部にそれぞれ当接
させることによって行われる。
【0041】図8は、ヘッドレバー202による記録ヘ
ッド部8のキャリッジベース201への固定状態を示す
概略側面図である。図8に示すように、記録ヘッド部8
を位置決めするため、ヘッドレバー202の両側壁に取
り付けられた一対のヘッドテンションバネ209により
矢印D方向に付勢されたヘッドテンション210が記録
ヘッド部8のヘッドテンション受部8010aが押圧さ
れ、これにより記録ヘッド部8がキャリッジベース20
1の所定位置に位置決めされる。
【0042】図9は、ヘッドレバー202により固定さ
れた状態の記録ヘッド部8を示す概略断面図である。
【0043】FPCホルダ202のコンタクト位置決め
ボス2031aおよび2031bが記録ヘッド部8のコ
ンタクト位置決め穴8021aおよび8021bにそれ
ぞれ嵌合することによって位置決めされる。コンタクト
位置決めボス2031aおよび2031bによる嵌合は
ゴムパッド206およびキャリッジフレキシブルケーブ
ル207の位置決めも兼ねている。ヘッドフック205
は記録ヘッド部8のヘッドフック受部8012aおよび
8012bに係合するようになっている。この係合時に
おいてゴムパッド206は圧縮されており、キャリッジ
フレキシブルケーブル207を押圧することによって、
キャリッジフレキシブルケーブル207と記録ヘッド部
8が電気的に接続可能となる。ヘッドレバー202を回
動させるとヘッドレバー202のリリース爪2026a
および2026bがヘッドフック205を図中矢印F方
向に回動され、記録ヘッド部8のヘッドフック受部80
12aおよび8012bから外れ、係合が解かれる。ま
た、キャリッジフレキシブルケーブル207と記録ヘッ
ド部8の接点を外すことによって本体側から記録ヘッド
部8へ供給する電源を遮断することができる。
【0044】図10は、FPCホルダ203と嵌合する
記録ヘッド部8を示す概略断面図である。
【0045】FPCホルダ203は、そのFPCホルダ
軸受部2033と嵌合するヘッドレバー202のFPC
ホルダ軸2022回りに回動可能となっており、その嵌
合部分はある程度のガタを持っている。FPCホルダ2
03のコンタクト位置決めボス2031の先端部は図1
0に示すように円筒形を斜めに切断した形状となってお
り、FPCホルダ203がFPCホルダ軸2022回り
に回動してコンタクト位置決め穴8021に円滑に嵌合
できるようになっている。
【0046】本実施例では、FPCホルダ203をヘッ
ドレバー202とは別部材とし、前述したようにガタを
持たせることによって、記録ヘッド部8が本体側と電気
的に接続されていても記録ヘッド部8をキャリッジベー
ス201に位置決めすることを邪魔しないような構造と
なっている。
【0047】図11は、キャリッジ部2に装着された記
録ヘッド部8とインクタンク部9を示す側断面図であ
る。
【0048】インクタンク部9は、その内部に2室を有
しており、供給口9011から見て前室に配設された吸
収体902と、後室に収容された生インク903を有す
る、いわゆる半生タイプと呼ばれるインクタンクであ
る。インクタンク部9を記録ヘッド部8に装着すると、
記録ヘッド部8のインク供給部803がインクタンク部
9の吸収体902の一部を押し潰すことによって矢印I
方向にインクタンク部9が押圧されるが、キャリッジベ
ース201のストッパ2015aによって矢印I方向の
移動が阻止されてキャリッジベース201上に固定され
る構造となっている。吸収体902内に吸収されたイン
ク903は、インク供給部803を介してインクジェッ
ト記録ヘッドに供給される。
【0049】インクタンク部9はキャリッジベース20
1の断面四分の一円形状のガイド部2015bの曲面部
分を滑ってスムーズに記録ヘッド部8に装着されるよう
になっている。インクタンク部9を取外すには、矢印J
方向に把手9015を押し上げることによって容易に着
脱できる。記録ヘッド部8のインク供給部803および
インクタンク部9の供給口9011からの廃インクはキ
ャリッジベース201の廃インク部2016を通って下
方のパージ部3等に供給される。
【0050】図12は、本発明のインクジェット記録装
置の一実施例の外観を示す斜視図である。
【0051】本発明のインクジェット記録装置の上面に
電源キー等を含んだパネル操作部7が設けられており、
さらにインクジェット記録装置における様々な機能を選
択するためのキー701が設けられている。
【0052】図13は、本発明のインクジェット記録装
置の一実施例における制御系を説明するためのブロック
図である。
【0053】このインクジェット記録装置における記録
動作は記録装置の各部と信号の授受を行いながら装置全
体の制御をするMPU601と、記録にかかる動作や処
理の手順等を格納したROM602と、記録データのバ
ッファやMPU601による処理のワークエリア等とし
て用いられるRAM603および入出力ポート604と
からなる制御部6による制御により行われる。すなわ
ち、制御部6からの信号は入出力ポート604を介して
駆動回路606,607および608に供給され、駆動
回路606,607および608はそれぞれキャリッジ
モータ104、紙送りモータ100、記録ヘッド部8を
駆動する。また、インターフェース回路605を介して
ホスト装置としてのコンピュータから記録データを受信
する。パネル操作部7に設けられたキー類701を操作
することにより記録装置の制御操作を行う。位置検出セ
ンサとしてのリニアエンコーダ212は前述したように
キャリッジ部2の位置検出手段である。
【0054】処理液を吐出してから、その直後に染料の
カラーインクを吐出することによって、耐水性を確保す
ることが可能となる。しかし、耐水性を必要としない場
合、例えば印字終了後にPET(ポリエチレンテレフタ
レート)等の透明シートを張り付けたり、ユーザーがデ
ータ(テキスト、画像)作成後の確認のための印字(た
めし印字)、OHPシートやいわゆるコート紙等のベー
ス材上に既にインク受容層が塗布されている被記録材へ
の印字等を行う場合にユーザーがパネル操作部7に設け
られた「耐水性を必要としない」キー701を選択する
ことにより、制御部6の入出力ポート604を介してM
PU601とROM602による処理で記録ヘッド部8
内の処理液を吐出するインクジェット記録ヘッドを制御
して、処理液を吐出しないようにする。
【0055】上述の例では、ユーザー自身が選択して処
理液を吐出しないようにしたが、ユーザーの代わりに、
ホスト装置としてのコンピュータのドライバに「耐水性
を必要としない」ことを選択する手段を設けることによ
って、インターフェース回路605および制御部6の入
出力ポート604を介してMPU601とROM602
による処理で記録ヘッド部8内の処理液を吐出するイン
クジェット記録ヘッドを制御して、処理液を吐出しない
ようにすることもできる。
【0056】(実施例2)先の実施例1ではユーザーが
パネル操作部7に設けられた耐水性を必要としないキー
701を選択することにより、処理液を吐出しないよう
にしたが、本実施例ではパネル操作部7に設けられたド
ラフト印字(間引き印字等のスピード優先印字方法)等
の試し印字を行うキー701を選択することにより、処
理液を吐出しないようにする。
【0057】また、上述の例では、ユーザーがパネル操
作部7に設けられた試し印字キー701を選択すること
により、処理液を吐出しないようにしたが、ホスト装置
としてのコンピュータのドライバに試し印字を選択する
手段を設けることによって、インターフェース回路60
5および制御部6の入出力ポート604を介してMPU
601とROM602による処理で記録ヘッド部8内の
処理液を吐出するインクジェット記録ヘッドを制御し
て、処理液を吐出しないようにすることもできる。
【0058】(実施例3)本実施例では、OHPシート
やコート紙等のベース材上に既にインク受容層が塗布さ
れている被記録材に対し処理液を塗布することにより画
像が悪化してしまう不都合を解消するため、ユーザーが
被記録材の選択を行うことができる機能、または、被記
録材を検出する機能を備えたインクジェット記録装置に
おいて、被記録材の選択手段であり、かつ、制御部6の
印字制御手段を格納したROM602とMPU601に
より、選択された被記録材によって処理液を吐出するか
否かの制御を行うことによって、ユーザーによる直接的
な選択の手間をなくすことができる。
【0059】本発明のインクジェット記録装置に好適に
用いられるインクの染料を不溶化する処理液は、一例と
して以下のようにして得ることができる。すなわち、下
記の成分を混合溶解した後、さらにポアサイズが0.2
2μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィ
ルタ、住友電工製)にて加圧濾過した後、NaOHでp
Hを4.8に調製し、処理液Alを得ることができる。
【0060】 [Alの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名;エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名;PAS−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0061】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:クロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過し
てイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY
1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0062】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH 0.05部 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド−289;2.5部に代えた以外はY1 と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ 組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液とインクとの混合において、
本発明では、上述した処理液とインクが被記録材上ある
いは被記録材に浸透した位置で混合する結果、反応の第
1段階として処理液中に含まれているカチオン性物質の
内、低分子量の成分とインクに使用しているアニオン性
基を有する水溶性染料とがイオン的相互作用により会合
を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0063】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質との会合体が処理液中に含ま
れる高分子成分により吸着されるために、会合で生じた
染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、被記録材の
繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果として固
液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむことによ
り、プリント品位と定着性との両立が達成される。同時
に上述したようなメカニズムにより生成したカチオン物
質の低分子成分とアニオン性染料とカチオン性物質とで
形成される凝集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きと
ともに移動することがないので、フルカラーの画像形成
時のように隣接したインクドットが異色のインクで形成
されていたとしても互いに混じり合うようなことはな
く、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝集体は
本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性は完全
なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により形成さ
れた画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有する。
【0064】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0065】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被記録材については特に制限されるものではなく、従
来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆ
る普通紙を好適に用いることができる。もちろんインク
ジェットプリント用に特別に作製したコート紙やOHP
用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の上質紙
や光沢紙も好適に使用可能である。
【0066】また、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した処理液A1と混合して凝集を引き起こ
す顔料インクの一例として以下のものを挙げることがで
きる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ顔
料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,シ
アン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2および
K2を得ることができる。
【0067】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0068】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0069】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0070】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0071】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0072】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコーリモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0073】マゼンタインクM2ブラックインクK2の
作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤と
して用い、以下に示す材料を用いて、前記したカーボン
ブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平
均粒径115nmのマゼンタ色分散体を作製した。
【0074】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0075】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0076】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0077】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0078】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0079】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0080】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0081】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0082】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0083】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクおよび処理液を被記録材に吐出して画像を形成す
るインクジェット記録装置において、処理液を不必要に
消費しないように、ユーザーが自ら選択できたり、処理
液を必要としない被記録材には使用しないようあらかじ
め装置自体に設定したり、試し印字を行う場合には処理
液を不必要に消費しないように装置自体に設定すること
によって、印刷時にかかる費用を少なくでき、ランニン
グコストの少ないインクジェット記録装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明インクジェット記録装置の一実施例にお
けるプリンタ部を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示したプリンタ部のキャリッジを示す概
略斜視図である。
【図3】図2に示したキャリッジの構成を拡大して示す
分解斜視図である。
【図4】図2および図3に示したキャリッジ上に搭載可
能な記録ヘッドおよびこの記録ヘッドに着脱自在に装着
可能なインクタンクを示す概略斜視図である。
【図5】記録ヘッド部のコンタクト部と本体側との電気
的接続のための固定部材を示す分解斜視図である。
【図6】プリンタ部のキャリッジおよびその位置検出手
段を示す分解斜視図である。
【図7】プリンタ部のキャリッジと記録ヘッド部のヘッ
ドベースとの位置決め構造を示す概略斜視図である。
【図8】図7に示した位置決め構造を確実なものとする
ための固定手段を示す概略側面図である。
【図9】記録ヘッド部のコンタクト部と本体側との電気
的接続のための固定部材を示す概略断面図である。
【図10】FPCホルダと記録ヘッド部との嵌合状態を
示す概略断面図である。
【図11】キャリッジ部に装着された記録ヘッド部とイ
ンクタンク部を示す側断面図である。
【図12】本発明のインクジェット記録装置の一実施例
の外観を示す斜視図である。
【図13】本発明のインクジェット記録装置の一実施例
における制御系を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 紙送り部 2 キャリッジ部 3 パージ部 4 下ケース 6 制御部 7 パネル部 8 記録ヘッド 9 インクタンク 101 シャーシ 102 ガイドシャフト 103 サポートシャフト 104 キャリッジモータ 105 タイミングベルト 110 紙送りモータ 201 キャリッジベース 202 ヘッドレバー 203 FPCホルダ 204 FPCバネ 205 ヘッドフック 206 ゴムパッド 207 キャリッジフレキ 208 FPC押え 209 ヘッドテンションバネ 210 ヘッドテンション 211 ベルトストッパ 212 リニアエンコーダ 213 キャリッジPCB 214 CR PCBカバー 215 吸収体 216 吸収体 217 切り替えレバー 218 サポートシャフト 219 ガイドバネ 220 ヘッドレバーレベル 221 キャリッジラベル 701 キー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−63185(JP,A) 特開 平6−206364(JP,A) 特開 平4−189168(JP,A) 特開 平1−317780(JP,A) 特開 平4−44877(JP,A) 特開 昭64−85766(JP,A) 特開 昭63−299971(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/175

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出して被記録材に画像記録を
    行うインク吐出ヘッドと、前記インクを不溶化する処理
    液を被記録材に吐出する処理液吐出ヘッドとを用い、前
    記被記録材に画像を記録するインクジェット記録装置に
    おいて、 前記処理液吐出ヘッドから処理液を吐出するか否かを制
    御する制御手段を備え、ドラフト印字を行う場合、前記
    制御手段は、前記処理液吐出ヘッドから処理液を吐出し
    ないように制御することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  2. 【請求項2】 インターフェースを介して前記記録装置
    と接続されるホスト装置において前記ドラフト印字の選
    択を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記ドラフト印字とは、間引き印字であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記被記録材として普通紙が使用され、 前記ドラフト印字を行う場合、前記処理液吐出ヘッドか
    ら処理液を吐出せず、前記インク吐出ヘッドからインク
    を吐出して前記普通紙に対して記録を行い、 前記ドラフト印字を行わない場合、前記処理液吐出ヘッ
    ドから処理液を吐出すると共に、前記インク吐出ヘッド
    からインクを吐出して前記普通紙に対して記録を行うこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インクを吐出して被記録材に画像記録を
    行うインク吐出ヘッドと、前記インクを不溶化する処理
    液を被記録材に吐出する処理液吐出ヘッドとを用い、前
    記被記録材に画像を記録するインクジェット記録方法に
    おいて、 前記処理液吐出ヘッドから前記処理液を吐出するか否か
    を制御する制御工程を有し、ドラフト 印字を行う場合、前記制御工程では、前記処理
    液吐出用ヘッドから処理液を吐出しないように制御する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録方法を実行する
    記録装置とインターフェースを介して接続されるホスト
    装置において前記ドラフト印字の選択を行うことを特徴
    とする請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記ドラフト印字とは、間引き印字であ
    ることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジ
    ェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記被記録材として普通紙が使用され、 前記ドラフト印字を行う場合、前記処理液吐出ヘッドか
    ら処理液を吐出せず、前記インク吐出ヘッドからインク
    を吐出して前記普通紙に対して記録を行い、 前記ドラフト印字を行わない場合、前記処理液吐出ヘッ
    ドから処理液を吐出すると共に、前記インク吐出ヘッド
    からインクを吐出して前記普通紙に対して記録を行うこ
    とを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 前記処理液の表面張力が前記インクの表
    面張力よりも低いことを特徴とする請求項乃至のい
    ずれかに記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 前記処理液は低分子成分と高分子成分
    のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料
    を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記
    載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 前記処理液は低分子成分と高分子成分
    のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性化合
    物と顔料とを含有することを特徴とする請求項乃至
    のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
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