JP3221943B2 - 伸線加工性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法 - Google Patents
伸線加工性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法Info
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- JP3221943B2 JP3221943B2 JP31341592A JP31341592A JP3221943B2 JP 3221943 B2 JP3221943 B2 JP 3221943B2 JP 31341592 A JP31341592 A JP 31341592A JP 31341592 A JP31341592 A JP 31341592A JP 3221943 B2 JP3221943 B2 JP 3221943B2
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は伸線加工性の良好な高強
度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法に関するも
のである。従来は低合金鋼線材を極細線に適用する場
合、最初に熱間圧延線材をオフラインで鉛パテンティン
グをする必要があった。しかし、本発明を利用すること
により最初のオフライン鉛パテンティングを行わなくて
も伸線加工できるので、高強度極細線の低コスト化が図
れる。
度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法に関するも
のである。従来は低合金鋼線材を極細線に適用する場
合、最初に熱間圧延線材をオフラインで鉛パテンティン
グをする必要があった。しかし、本発明を利用すること
により最初のオフライン鉛パテンティングを行わなくて
も伸線加工できるので、高強度極細線の低コスト化が図
れる。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延された低合金鋼線材の最初のオ
フライン鉛パテンティング省略についてはいくつかの製
造法が提案されているが、いずれも最終製品径が1mm以
上の太径線に関するものであり、本発明が対象としてい
る0.50mm以下の高強度極細線に関する提案は見られ
ない。
フライン鉛パテンティング省略についてはいくつかの製
造法が提案されているが、いずれも最終製品径が1mm以
上の太径線に関するものであり、本発明が対象としてい
る0.50mm以下の高強度極細線に関する提案は見られ
ない。
【0003】例えば特開昭50-92216号公報ではMnある
いはMn,Crを添加することにより熱間線材圧延後の
冷速が遅くても引張強さを1128MPa(115kgf /mm
2 )以上にできる製造法を開示している。これはPC鋼
線用熱間圧延線材の調整冷却法であり、オフラインで最
初の鉛パテンティングをしなくてもPC鋼線の到達強度
を高くできる製造方法である。極細線の場合には伸線加
工限界(伸線加工限界=1n(do /dn )2 、do :
熱間圧延線材径、dn :絞りが30%に低下する伸線
径)を2.5以上に大きくし、最初のオフライン鉛パテ
ンティングを省略することが課題なのでこの方法は利用
できない。なぜなら、PC鋼線の場合、要求される伸線
加工限界が約1程度と小さいためである。また、特開平
3−79719号公報ではSi−Cr系ばね用線材に関し加
熱温度、仕上げ圧延温度とも1000℃以下とし、65
0〜750℃まで強制冷却後1〜10℃/sで600℃
まで冷却することを開示している。加熱温度から熱間線
材圧延温度までの温度制御が必要であることまた対象が
太径線であるばねであることより要求される伸線加工対
数歪が小さいので高強度極細線用低合金鋼線材には適用
できない。そこで伸線加工性の優れた高強度極細線用低
合金鋼線材およびその製造法の開発が望まれていた。
いはMn,Crを添加することにより熱間線材圧延後の
冷速が遅くても引張強さを1128MPa(115kgf /mm
2 )以上にできる製造法を開示している。これはPC鋼
線用熱間圧延線材の調整冷却法であり、オフラインで最
初の鉛パテンティングをしなくてもPC鋼線の到達強度
を高くできる製造方法である。極細線の場合には伸線加
工限界(伸線加工限界=1n(do /dn )2 、do :
熱間圧延線材径、dn :絞りが30%に低下する伸線
径)を2.5以上に大きくし、最初のオフライン鉛パテ
ンティングを省略することが課題なのでこの方法は利用
できない。なぜなら、PC鋼線の場合、要求される伸線
加工限界が約1程度と小さいためである。また、特開平
3−79719号公報ではSi−Cr系ばね用線材に関し加
熱温度、仕上げ圧延温度とも1000℃以下とし、65
0〜750℃まで強制冷却後1〜10℃/sで600℃
まで冷却することを開示している。加熱温度から熱間線
材圧延温度までの温度制御が必要であることまた対象が
太径線であるばねであることより要求される伸線加工対
数歪が小さいので高強度極細線用低合金鋼線材には適用
できない。そこで伸線加工性の優れた高強度極細線用低
合金鋼線材およびその製造法の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に着目して行われたものであり、熱間圧延線材のミク
ロ組織を制御し、オフラインで鉛パテンティングをしな
くても伸線加工限界が2.5の高強度極細線用低合金鋼
線材およびその製造法を提供するものである。伸線加工
限界が2.5以上であれば従来の炭素鋼線材と同等であ
り、低合金鋼線材の極細線への工業的な応用が促進され
る。
情に着目して行われたものであり、熱間圧延線材のミク
ロ組織を制御し、オフラインで鉛パテンティングをしな
くても伸線加工限界が2.5の高強度極細線用低合金鋼
線材およびその製造法を提供するものである。伸線加工
限界が2.5以上であれば従来の炭素鋼線材と同等であ
り、低合金鋼線材の極細線への工業的な応用が促進され
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は以下の通りである。 (1)C:0.80〜1.10%、Si:0.10〜
1.00%、Mn:0.10〜0.60%、Cr:0.
10〜0.60%、残部鉄及び不可避的不純物からなる
鋼をラメラ−間隔0.08〜0.12μmの完全パーラ
イト組織とすることを特徴とする伸線加工性の良好な高
強度極細線用低合金鋼線材。
は以下の通りである。 (1)C:0.80〜1.10%、Si:0.10〜
1.00%、Mn:0.10〜0.60%、Cr:0.
10〜0.60%、残部鉄及び不可避的不純物からなる
鋼をラメラ−間隔0.08〜0.12μmの完全パーラ
イト組織とすることを特徴とする伸線加工性の良好な高
強度極細線用低合金鋼線材。
【0006】(2)C:0.80〜1.10%、Si:
0.10〜1.00%、Mn:0.10〜0.60%、
Cr:0.10〜0.60%、残部鉄及び不可避的に入
る不純物からなる鋼を熱間圧延後0.4〜4.0℃/s
で冷却することを特徴とする伸線加工性の良好な高強度
極細線用低合金鋼線材の製造方法。本発明者等は長年の
研究によりパーライト組織のラメラ−間隔と伸線加工限
界の間には対応関係があり、最適なラメラ−間隔が存在
することを見い出した。この現象を利用すれば伸線加工
性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材が経済的に製造
できる。第1図にラメラ−間隔と伸線加工限界の関係を
示す。5.5mm線材を伸線加工した際の引張強さ、絞り
の変化を測定し、絞りが30%に低下する対数歪を伸線
加工限界とした。絞りが30%以下になると鋼線の延性
不足により高速伸線加工時断線が発生するようになる。
第1図よりラメラ−間隔が0.08〜0.12μmであ
れば伸線加工限界が2.5以上になることがわかる。炭
素鋼の場合、工業的には5.5mmから1.6mm(伸線加
工限界2.5)程度まで伸線加工される場合が多い。そ
のため、伸線加工限界2.5が伸線加工性良好な線材の
ひとつの指標となる。ラメラ−間隔が粗くなるとパーラ
イト構成因子のセメンタイト厚さが厚くなり加工性が劣
化するので伸線加工限界が低くなる。また、ラメラ−間
隔を狭くするには変態開始温度を低くする必要があるの
でパーライト組織が乱れてくるため伸線加工限界が低下
するものと推定される。第2図には冷速とラメラ−間隔
の関係を示す。冷速は850〜650℃の間の平均冷速
をとった。冷速0.4〜4.0℃/sであればラメラ−
間隔が0.08〜0.12μmとなる。Si−Cr系の
低合金鋼線材の場合、炭素鋼と比較して冷速を小さくす
ることにより伸線加工性が向上する。冷速を0.4〜
4.0℃/sに小さくしてもCが0.80から1.10
%であれば初析セメンタイトの出現は防止できる。
0.10〜1.00%、Mn:0.10〜0.60%、
Cr:0.10〜0.60%、残部鉄及び不可避的に入
る不純物からなる鋼を熱間圧延後0.4〜4.0℃/s
で冷却することを特徴とする伸線加工性の良好な高強度
極細線用低合金鋼線材の製造方法。本発明者等は長年の
研究によりパーライト組織のラメラ−間隔と伸線加工限
界の間には対応関係があり、最適なラメラ−間隔が存在
することを見い出した。この現象を利用すれば伸線加工
性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材が経済的に製造
できる。第1図にラメラ−間隔と伸線加工限界の関係を
示す。5.5mm線材を伸線加工した際の引張強さ、絞り
の変化を測定し、絞りが30%に低下する対数歪を伸線
加工限界とした。絞りが30%以下になると鋼線の延性
不足により高速伸線加工時断線が発生するようになる。
第1図よりラメラ−間隔が0.08〜0.12μmであ
れば伸線加工限界が2.5以上になることがわかる。炭
素鋼の場合、工業的には5.5mmから1.6mm(伸線加
工限界2.5)程度まで伸線加工される場合が多い。そ
のため、伸線加工限界2.5が伸線加工性良好な線材の
ひとつの指標となる。ラメラ−間隔が粗くなるとパーラ
イト構成因子のセメンタイト厚さが厚くなり加工性が劣
化するので伸線加工限界が低くなる。また、ラメラ−間
隔を狭くするには変態開始温度を低くする必要があるの
でパーライト組織が乱れてくるため伸線加工限界が低下
するものと推定される。第2図には冷速とラメラ−間隔
の関係を示す。冷速は850〜650℃の間の平均冷速
をとった。冷速0.4〜4.0℃/sであればラメラ−
間隔が0.08〜0.12μmとなる。Si−Cr系の
低合金鋼線材の場合、炭素鋼と比較して冷速を小さくす
ることにより伸線加工性が向上する。冷速を0.4〜
4.0℃/sに小さくしてもCが0.80から1.10
%であれば初析セメンタイトの出現は防止できる。
【0007】本発明は線径が0.5mm以下、引張強さ3
200MPa 以上の高強度極細線を対象としている。その
ため、Cが0.80%以下であるとSi,Crを添加し
ても3200MPa 以上とすることができない。そこで
0.80%以上とした。また、Cが1.10%以上にな
るとラメラ−間隔を0.08〜0.12μmにした場合
初析セメンタイトの出現を抑えることができないので
1.10%以下とした。次にSiであるが0.10%以
下であると脱酸不足により極細線表面に非常に小さな表
面疵が発生する。そのためSiは0.10%以上とし
た。Siが1.00%以上になるとフェライトの硬化作
用が大きくなりラメラ−間隔を制御しても伸線加工限界
2.5以上は不可能となるのでSiを1.00%以下と
した。Mnについては0.10%以下であるとSによる
熱間脆性を防止できないので0.10%以上とした。
0.60%以上となると最終パテンティング時に中心偏
析部に乱れたパーライト組織が発生し、極細線の延性を
劣化させる。そのため0.60%以下とした。Crにつ
いては極細線の高強度化に必要な0.10%以上とし
た。しかし、0.60%以上となると最終パテンティン
グ時未溶解炭化物がでやすくなることと製品の到達強度
が飽和することを考慮し、高強度化に最も有効な0.6
0%以下とした。
200MPa 以上の高強度極細線を対象としている。その
ため、Cが0.80%以下であるとSi,Crを添加し
ても3200MPa 以上とすることができない。そこで
0.80%以上とした。また、Cが1.10%以上にな
るとラメラ−間隔を0.08〜0.12μmにした場合
初析セメンタイトの出現を抑えることができないので
1.10%以下とした。次にSiであるが0.10%以
下であると脱酸不足により極細線表面に非常に小さな表
面疵が発生する。そのためSiは0.10%以上とし
た。Siが1.00%以上になるとフェライトの硬化作
用が大きくなりラメラ−間隔を制御しても伸線加工限界
2.5以上は不可能となるのでSiを1.00%以下と
した。Mnについては0.10%以下であるとSによる
熱間脆性を防止できないので0.10%以上とした。
0.60%以上となると最終パテンティング時に中心偏
析部に乱れたパーライト組織が発生し、極細線の延性を
劣化させる。そのため0.60%以下とした。Crにつ
いては極細線の高強度化に必要な0.10%以上とし
た。しかし、0.60%以上となると最終パテンティン
グ時未溶解炭化物がでやすくなることと製品の到達強度
が飽和することを考慮し、高強度化に最も有効な0.6
0%以下とした。
【0008】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0009】
【実施例】表1に示す低合金鋼線材を真空溶解後5.5
mm熱間圧延線材とした。この際、熱間圧延後の冷速を変
化させた。この5.5mm線材を用いて伸線加工性と最終
製品の0.20mm極細線の特性を調べた。5.5mm線材
から直接1.4mmまで伸線できないものは3.2mmで中
間鉛パテンティングを行った。また、いずれも1.4mm
で最終鉛パテンティングを行った後極細伸線加工を行っ
た。
mm熱間圧延線材とした。この際、熱間圧延後の冷速を変
化させた。この5.5mm線材を用いて伸線加工性と最終
製品の0.20mm極細線の特性を調べた。5.5mm線材
から直接1.4mmまで伸線できないものは3.2mmで中
間鉛パテンティングを行った。また、いずれも1.4mm
で最終鉛パテンティングを行った後極細伸線加工を行っ
た。
【0010】
【表1】
【0011】表1においてCRは冷速(℃/s)、PS
はラメラ−間隔(μm)、TSは熱間圧延線材の引張強
さ(MPa )、線材の組織においてPは完全パーライト組
織、C+Pは初析セメンタイトを含むパーライト組織、
PSは線材のラメラ−間隔(μm)、DLは伸線加工限
界(mmは伸線加工限界での線径、対数歪は伸線加工限界
の1n(dO /dn )2 )である。0.20mm鋼線の特
性としては引張強さと撚り加工特性を調べた。撚り加工
特性は撚り加工速度18000rpm で2本撚り線を試作
した場合の断線の発生の有無で良否を判定した。
はラメラ−間隔(μm)、TSは熱間圧延線材の引張強
さ(MPa )、線材の組織においてPは完全パーライト組
織、C+Pは初析セメンタイトを含むパーライト組織、
PSは線材のラメラ−間隔(μm)、DLは伸線加工限
界(mmは伸線加工限界での線径、対数歪は伸線加工限界
の1n(dO /dn )2 )である。0.20mm鋼線の特
性としては引張強さと撚り加工特性を調べた。撚り加工
特性は撚り加工速度18000rpm で2本撚り線を試作
した場合の断線の発生の有無で良否を判定した。
【0012】鋼種A,BはC量が0.8%以下なので伸
線加工限界は2.5以上であるが、0.20mm鋼線の引
張強さが3200MPa 以下と低くなった。鋼種CはC量
が1.12%と高いので伸線加工限界は2.5以下であ
る。また、1.4mmから0.20mmまでの極細伸線加工
ができなかった。鋼種DはSiが1.09%と高いの
で、ラメラ−間隔は0.09μmであるが、Siによる
固溶硬化により伸線加工限界が2.5以下であった。
線加工限界は2.5以上であるが、0.20mm鋼線の引
張強さが3200MPa 以下と低くなった。鋼種CはC量
が1.12%と高いので伸線加工限界は2.5以下であ
る。また、1.4mmから0.20mmまでの極細伸線加工
ができなかった。鋼種DはSiが1.09%と高いの
で、ラメラ−間隔は0.09μmであるが、Siによる
固溶硬化により伸線加工限界が2.5以下であった。
【0013】鋼種Eは伸線加工限界は2.5以上になっ
たが、Mnが0.70%と高いので最終極細伸線加工で
0.20mmまで引けなかった。鋼種FはCrが0.63
%と高いので伸線加工限界は2.5以下であった。ま
た、最終極細伸線加工時0.20mmまで引けなかった。
鋼種Gは伸線加工限界2.5以上であるが、Crが0.
05%と低いので、0.20mm鋼線の引張強さが320
0MPa 以下となった。
たが、Mnが0.70%と高いので最終極細伸線加工で
0.20mmまで引けなかった。鋼種FはCrが0.63
%と高いので伸線加工限界は2.5以下であった。ま
た、最終極細伸線加工時0.20mmまで引けなかった。
鋼種Gは伸線加工限界2.5以上であるが、Crが0.
05%と低いので、0.20mm鋼線の引張強さが320
0MPa 以下となった。
【0014】鋼種H,Iは化学成分は本発明鋼の範囲内
であるが、冷速が0.4〜4.0℃/sの範囲に入って
いないためラメラ−間隔が0.08〜0.12μmにな
らず、伸線加工限界が2.5以下となった。但し、3.
2mmで中間鉛パテンティングを行って1.4mmまで伸線
加工し、1.4mmで最終鉛パテンティングを行ったもの
は0.20mmまで極細伸線加工できた。0.20mm鋼線
の引張強さは3200MPa 以上であり、撚り加工性も良
好であった。
であるが、冷速が0.4〜4.0℃/sの範囲に入って
いないためラメラ−間隔が0.08〜0.12μmにな
らず、伸線加工限界が2.5以下となった。但し、3.
2mmで中間鉛パテンティングを行って1.4mmまで伸線
加工し、1.4mmで最終鉛パテンティングを行ったもの
は0.20mmまで極細伸線加工できた。0.20mm鋼線
の引張強さは3200MPa 以上であり、撚り加工性も良
好であった。
【0015】鋼種J,Kが本発明鋼である。いずれも
5.5mmから1.4mm以下まで伸線加工でき、伸線加工
限界は2.5以上である。5.5mm線材から1.4mmま
で直接伸線加工を行い、最終鉛パテンティング後0.2
0mmまで極細伸線加工を行った。0.20mmで4000
MPa 以上の引張強さを得た。以上述べたように本発明に
より伸線加工性が良好で、かつ3200MPa 以上の高強
度化が可能である低合金鋼線材が得られる。
5.5mmから1.4mm以下まで伸線加工でき、伸線加工
限界は2.5以上である。5.5mm線材から1.4mmま
で直接伸線加工を行い、最終鉛パテンティング後0.2
0mmまで極細伸線加工を行った。0.20mmで4000
MPa 以上の引張強さを得た。以上述べたように本発明に
より伸線加工性が良好で、かつ3200MPa 以上の高強
度化が可能である低合金鋼線材が得られる。
【0016】
【発明の効果】熱間線材圧延後0.4〜4.0℃/sの
冷速で調整冷却しラメラ−間隔を0.08〜0.12μ
mの完全パーライト組織に制御することによりオフライ
ンで最初の鉛パテンティングをしなくても伸線加工限界
2.5以上が可能である。これにより低合金鋼線材も炭
素鋼線材と同様な伸線加工性が得られ、高強度極細線用
低合金鋼線材の低コスト化が図れる。低合金鋼線材も炭
素鋼線材と同様に熱間圧延線材をオフラインで最初の鉛
パテンティング無しに伸線加工できることによる低コス
ト化効果が大きいので本発明の工業的な意味は大きい。
冷速で調整冷却しラメラ−間隔を0.08〜0.12μ
mの完全パーライト組織に制御することによりオフライ
ンで最初の鉛パテンティングをしなくても伸線加工限界
2.5以上が可能である。これにより低合金鋼線材も炭
素鋼線材と同様な伸線加工性が得られ、高強度極細線用
低合金鋼線材の低コスト化が図れる。低合金鋼線材も炭
素鋼線材と同様に熱間圧延線材をオフラインで最初の鉛
パテンティング無しに伸線加工できることによる低コス
ト化効果が大きいので本発明の工業的な意味は大きい。
【図1】パーライト組織のラメラ−間隔と伸線加工限界
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図2】熱間線材圧延後の冷速とラメラ−間隔の関係を
示す図である。
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/06 C21D 9/52
Claims (2)
- 【請求項1】 C:0.80〜1.10%、Si:0.
10〜1.00%、Mn:0.10〜0.60%、C
r:0.10〜0.60%、残部鉄及び不可避的不純物
からなる鋼をラメラ−間隔0.08〜0.12μmの完
全パーライト組織であることを特徴とする伸線加工性の
良好な高強度極細線用低合金鋼線材。 - 【請求項2】 C:0.80〜1.10%、Si:0.
10〜1.00%、Mn:0.10〜0.60%、C
r:0.10〜0.60%、残部鉄及び不可避的に入る
不純物からなる鋼を熱間圧延後0.4〜4.0℃/sで
冷却することを特徴とする伸線加工性の良好な高強度極
細線用低合金鋼線材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31341592A JP3221943B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 伸線加工性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31341592A JP3221943B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 伸線加工性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06158223A JPH06158223A (ja) | 1994-06-07 |
JP3221943B2 true JP3221943B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=18041016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31341592A Expired - Fee Related JP3221943B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 伸線加工性の良好な高強度極細線用低合金鋼線材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3221943B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100979006B1 (ko) * | 2007-12-27 | 2010-08-30 | 주식회사 포스코 | 강도와 연성이 우수한 신선용 선재 및 그 제조방법 |
JP6264462B2 (ja) | 2014-08-15 | 2018-01-24 | 新日鐵住金株式会社 | 伸線加工用鋼線 |
KR101758477B1 (ko) * | 2015-12-11 | 2017-07-27 | 주식회사 포스코 | 강도 및 내식성이 우수한 고탄소강 선재, 강선 및 이들의 제조방법 |
KR102355675B1 (ko) * | 2019-07-12 | 2022-01-27 | 주식회사 포스코 | 고강도 스프링용 선재, 강선 및 그 제조방법 |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP31341592A patent/JP3221943B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06158223A (ja) | 1994-06-07 |
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