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JPH075992B2 - 高強度鋼線の製造方法 - Google Patents

高強度鋼線の製造方法

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Publication number
JPH075992B2
JPH075992B2 JP2072564A JP7256490A JPH075992B2 JP H075992 B2 JPH075992 B2 JP H075992B2 JP 2072564 A JP2072564 A JP 2072564A JP 7256490 A JP7256490 A JP 7256490A JP H075992 B2 JPH075992 B2 JP H075992B2
Authority
JP
Japan
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steel
wire
steel wire
strength
pro
Prior art date
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JP2072564A
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JPH03271329A (ja
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征雄 落合
浩 大羽
世紀 西田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
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Publication of JPH03271329A publication Critical patent/JPH03271329A/ja
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  • Metal Extraction Processes (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、スチールコード、Znめっき鋼撚線、PC鋼線、
つり橋用ケーブルなどに使用される高強度鋼線の製造方
法に関するものである。
(従来の技術) 高強度鋼線の強度を上げる方策として、C含有率を上げ
ることは、安価で高い効果が得られるため工業的には最
も望ましい方法である。しかし、過共析領域、すなわ
ち、通常Cが0.9%を超える領域では、パテンティング
時に旧オーステナイト粒界に沿って脆い初析セメンタイ
トがネットワーク状に生成する。このため、伸線加工
時、初析セメンタイトに沿った粒界割れが発生しやすく
なり、高減面率の伸線加工は不可能となる。
従来、過共析鋼の伸線加工性を向上させる方法として、
熱処理ないしは合金元素の添加により初析セメンタイト
の生成を抑制する方法、あるいは伸線方法を工夫するこ
とにより、初析セメンタイト起因の延性劣化を防止する
方法が開発されている。
たとえば、特公昭56-8893号公報には、熱処理により組
織を粒状セメンタイトが分散したパーライト組織に変え
る方法が開示されている。これは、過共析鋼線をオース
テナイト化し、油焼き入れ処理してマルテンサイト組織
とした後、770〜930℃の温度領域に急速加熱して粒状セ
メンタイトを析出せしめ、目標加熱温度に到達後直ちに
535〜660℃の温度でパテンティング処理する方法であ
る。
この方法は、伸線加工限界を高める方法としては優れて
いるが、粒状化したセメンタイトは層状に発達したセメ
ンタイトと異なり、強化への寄与が小さい(パテンティ
ング後の強度が低く、伸線時の加工硬化も小さい)た
め、C含有率を高めた効果を生かすことができない。
本発明者らは、これまでに、合金元素の添加効果を利用
して初析セメンタイトの発生を抑制する方法を研究し、
特願平1-281825号および特願平1-76825号として出願し
ている。これらはいずれも、0.1〜0.3%のCrを添加する
ことを特徴としているが、これらによっても小量の初析
セメンタイトの生成は防止できない。
また、特開昭63-186852号公報には、5〜50ppmのREMお
よびCa,Mg,Ba,Srのうちの1種類以上を合計で5〜50ppm
添加する方法が開示されている。これらの元素はいずれ
も、硫化物と酸化物を同時に生成させる元素である。こ
れらの添加により生成したREM,Ca,Mg,Ba,Srを含む微細
な硫化物酸化物を核としてパーライト変態を促進させ、
マルテンサイトや初析セメンタイトの生成を抑制しよう
とする方法である。
しかし、この方法はこれらの微量元素の添加のみなら
ず、微細な硫化物酸化物を出現させるために、S,O,Alの
含有率も制御せねばならず、製造管理はきわめて複雑な
ものとなる。
一方、初析セメンタイトが存在しても伸線加工性が低下
せぬように、塑性加工面からの改善を行なった例として
は、伸線前にローラーダイス加工ないしは冷間圧延を行
なう方法が特開昭63-4016号公報に、また、ダイスのア
プローチ角を10度前後に下げて伸線する方法が、前記特
願平1-281825号に記載されている。
これらは、いずれも伸線加工時に鋼線中心部にかかる引
張り応力を軽減させることにより、初析セメンタイト起
因の内部クラックの発生を抑制しようとしたものであ
る。しかし、この方法が、効果を有するのは、生成した
初析セメンタイトの量が少なく、かつ、粒界に薄く存在
している場合、すなわち、Cが1%以下の場合や小量の
Cr添加により、初析セメンタイトの生成が抑制されてい
る場合に限られる。
一方、これらの方法は伸線機とは別に新たにローラーダ
イスや圧延機を装備せねばならないこと、また、ダイス
の管理を厳しくせねばならないことなど製造上の問題も
少なくない。
(発明が解決しようとする課題) 以上述べたように、従来技術では、過共析鋼における粒
界初析セメンタイトの発生を完全に阻止することはでき
ない。
本発明の目的は、過共析鋼における粒界初析セメンタイ
トの生成を完全に阻止することにより、高減面率の伸線
加工を可能ならしめ、C含有率を高めた効果を十分生か
した高強度鋼線の製造技術を提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明は、C:0.90〜1.25%、Si:0.15〜1.5%、Mn:0.3〜
1.0%、必要に応じて、Cr:0.1〜1.0%、およびV:0.02〜
0.30%の1種ないし2種、さらにAl,Ti,Nb,Zr,Bの1種
ないし2種以上をそれぞれ0.1%以下含有し、残余をFe
および不可避的不純物からなる鋼線を加熱してオーステ
ナイト化したのち、(1)式で規定される範囲の冷却速
度で400〜650℃に保持された冷媒中に焼き入れ、引き続
き該冷媒中で恒温変態を完了させることにより初析セメ
ンタイトを含まない微細パーライト組織とすることを特
徴とする高強度鋼線の製造方法である。
Y≦0.16logX+0.82 (1) ただし、Yは鋼のC含有率(%)、Xは冷却速度(℃/s
ec)を示す。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、過共析鋼の伸線加工性を改善すべく多く
の実験を行ない、以下に示すように、オーステナイト化
温度からの冷却条件を選ぶことにより、初析セメンタイ
トの生成を阻止できるという新たな知見を得た。
すなわち、本発明者らは、第1表に示す組成の真空溶解
鋼を熱間圧延した線材より、直径3mm、高さ10mmの円柱
状試料を製作し、これをArガス中で950〜1000℃に誘導
加熱してオーステナイト化したのち、種々の冷却速度で
連続冷却した。
冷却後の試料を研磨し、JIS G0551に規定された方法で
エッチングしたのち、光学顕微鏡により初析セメンタイ
トの生成状況を調べた。
また、粒界の薄いフィルム状セメンタイトの生成状況
は、研磨後の試料をピクラールでエッチングしたのち、
走査型電子顕微鏡をもちいて観察した。
第1図に、初析セメンタイトの発生限界とC含有率なら
びに冷却速度の関係を示す。
このように、初析セメンタイトの生成はC含有率以外に
冷却速度にも依存し、同一C含有率でも冷却速度を上げ
ることによりその生成を防ぐことができる。
第1図より、初析セメンタイトの発生しない条件を鋼の
C含有率とオーステナイト域からの冷却速度で表すと、
次式(1)のようになる。
Y≦0.16logX+0.82 (1) ただし、Yは鋼のC含有率(%)、Xは冷却速度(℃/s
ec)を示す。
高強度鋼線の実際のパテンティングにおいては、連続冷
却ではパーライト変態時間が不足するため、鉛パテンテ
ィングないしは流動層パテンティング処理を行ない、微
細パーライトに恒温変態させる必要がある。
その際、冷媒である溶融鉛や流動層の温度を制御して、
鋼線の冷却速度を(1)式を満足する範囲に選択すれ
ば、初析セメンタイトの発生を完全に防止することが可
能である。しかし、冷媒温度が400℃未満では、鋼線表
層にベイナイトが生成し、伸線可能限界が低下する。ま
た、650℃を超えると、パーライトの層状構造が崩れ、
このため、強度、伸線加工限界ともに低下する。したが
って、冷媒温度は400〜650℃とする。
なお、冷却槽内の温度は均一である必要はない。すなわ
ち、(1)式の冷却速度を得るために、赤熱した鋼線が
進入する側の冷媒温度は低く設定し、その他の部分の温
度は、鋼組成に応じて微細な層状パーライトが得られる
温度に保持すべきである。このような目的のためには、
冷却槽は傾斜加熱できるような構造が望ましく、さらに
は、複数の冷却帯に分割された冷却槽を採用すればなお
良い。
次に、本発明の成分限定理由について説明する。
Cは強度を上げるための有効かつ経済的な元素であり、
本発明の最も重要な元素の一つである。C含有率を上げ
るに伴ない、パテンティング後の強度ならびに伸線時の
加工硬化量が増大する。したがって、伸線加工により高
強度鋼線を得るためには、C含有量は高い方が有利であ
り、本発明では、0.90%以上とする。一方、C含有率が
1.25%を超えた場合、(1)式が示すように、初析セメ
ンタイトの発生を防止するために必要な冷却速度は480
℃/secを超えるため、工業的に実現が困難となる。した
がって、C含有率の上限は1.30%とする。
Siは脱酸剤として0.15%以上添加する。一方、Siは合金
元素として、フェライトに固溶して顕著な固溶強化作用
を示す。また、フェライト中のSiは伸線後の溶融亜鉛め
っきやブルーイング時の強度低下を低減させる効果を有
するため、高強度鋼線の製造には不可欠な元素である。
しかし、1.5%を超えると、伸線後の鋼線の延性が低下
するため、1.5%を上限とする。
Mnも脱酸剤として0.3%以上添加する。また、Mnは焼入
れ性向上効果が大きいため、線径が大きい場合には、Mn
含有率を上げることにより断面内の均一性を高めること
が可能であり、伸線後の鋼線の延性向上に有効である。
しかし、1.0%を超えると、中心偏析部にマルテンサイ
トが生成し、伸線加工性が劣化するため、1.0%を上限
とする。
Crはパーライトのラメラー間隔を低減し、鋼線の強度と
伸線加工性を向上させるため、必要に応じて0.1%以上
添加する。0.1%未満ではその効果が十分でなく、一
方、1.0%を超えると変態に要する時間が長くなり、生
産性が著しく低下するため、1.0%を上限とする。
VはMnと同様、焼入れ性を向上させるが、一方、炭化物
を形成して析出硬化によりパーライトを強化する。この
目的のため、必要に応じて0.02%以上添加する。しか
し、V添加によりパーライト変態が遅れ、マルテンサイ
トやベイナイトが生成し易くなるため、さらには、V炭
化物の析出硬化作用が飽和するため0.3%を上限とす
る。
以上の強化元素に加えて、必要に応じてAl,Ti,Nb,Zr,B
の1種ないし2種以上を0.1%以下添加する。これらの
元素はいずれも窒化物や炭化物を生成しやすく、このた
め、オーステナイト粒を細粒化する傾向が強い。パテン
ティング後の鋼線の絞り値を高め、伸線加工性を向上さ
せるためにはオーステナイト粒の微細化が効果的であ
る。
従って、つり橋用ケーブルワイヤなどを製造する場合に
は、これら窒化物、炭化物形成元素を添加することによ
り好ましい結果が得られる。しかし、0.1%を超えて添
加しても、その効果は飽和するばかりか、非金属介在物
が増加するため、0.1%を上限とする。
(実施例−1) 以下、400kgf/mm2以上の引張強さを有する細線の製造結
果について説明する。
第2表に示す化学成分の直径2.4mmの鋼線を、鉛パテン
ティング後伸線して0.4mmの細線を製造した。
第3表にパテンティング条件、パテンティング後の特
性、および伸線後の細線の特性を示す。
C含有率が0.86%(A-1鋼)では、目標強度が得られ
ず、一方、1.35%(A-4鋼)では、冷却速度不足のため
初析セメンタイトが生成し、伸線できなかった。同様
に、C含有率が1.20%(A-3鋼)でも、第3表に示すよ
うに、冷却速度が20℃/secと(1)式を満足しない場
合、初析セメンタイトが生成し、伸線後の捻回値が低下
したため、目標とする細線の製造はできなかった。B添
加鋼(A-3鋼)は、非添加鋼(A-2鋼)にくらべて、パテ
ンティング後の絞り値が高く、また、伸線後の捻回値も
高い。従来法は、特願平1-281825号に記載された方法で
ある。
本発明法で製造された細線は、いずれも400kgf/mm2以上
の強度を有し、従来法で製造されたものにくらべて、強
度が高く、延性、特に捻回値に優れている。
(実施例−2) 以下、つり橋や斜張橋を支持する高強度亜鉛めっき鋼線
の製造結果について説明する。
第4表に鋼線の化学成分を示す。
B-1からB-4の各鋼は、直径7mm、引張強さ200kgf/mm2
上の鋼線の製造を目的とし、また、C-1からC-4の各鋼
は、直径5mm、引張強さ220kgf/mm2以上の鋼線の製造を
目的としている。また、従来法は、いずれも特願平1-76
825号に記載された方法である。
第5表に示すように、直径13mmおよび11mmの鋼線を鉛パ
テンティングした後、目標とする線径まで伸線後溶融亜
鉛めっきを施した。Si含有率の増加により強度は増大す
るが、1.61%(B-3鋼)では延性不足となり、めっき鋼
線の捻回値は低下した。一方、Mnが1.08%(C-3鋼)の
場合も、中心偏析部に生成したマルテンサイトにより、
めっき鋼線の捻回値は著しく低下した。また、第5表
で、B-1鋼を用い、鉛浴温度375℃でパテンティングした
ものは変態時間が不足し、マルテンサイトが生成したた
め、めっき鋼線の捻回値は大幅に低下した。
以上のように、本発明法により溶融亜鉛めっき鋼線を製
造すれば、従来法では得られなかった高強度鋼線、すな
わち、強度が約20kgf/mm2高く、かつ、一段と捻回特性
の優れた鋼線を得ることができる。
(実施例−3) 以下、高強度亜鉛めっき鋼撚線(ACSR用鋼線)の製造結
果について説明する。
第6表に鋼線の化学成分を示す。
D-1からD-5までの各鋼は直径2.8mm、また、E-1からE-5
までの各鋼は直径2.0mmの、それぞれ引張強さ240kgf/mm
2以上の高強度鋼線の製造を目的としている。10mmおよ
び7mmの鋼線を流動層パテンティング後、目標線径まで
伸線し、その後、溶融亜鉛めっきを行なった。
第7表に結果を示す。
Cr含有量は0.06%(D-1鋼)では、その効果が小さく、
目標強度が得られない。一方、1.11%(D-4鋼)では、
変態時間不足のためパテンティング組織にマルテンサイ
トが発生したため、断線が頻発し、伸線は不可能であっ
た。従来法(D-5鋼)は、特開昭63-4016号公報に開示さ
れた方法であり、ローラーダイス伸線後、通常の伸線を
行なったものである。また、従来法(E-5鋼)は、特開
昭63-186852号公報に開示された方法である。
第7表にみるように、従来法で達成できる強度は220kgf
/mm2級であるが、本発明法によれば240kgf/mm2級の製造
が可能であり、さらに、初析セメンタイトの生成が完全
に抑制されているために、高強度化されているにもかか
わらず、捻回特性は逆に向上している。
(発明の効果) 以上に説明したように、本発明法によれば、従来より強
度が高く、かつ、捻回特性に優れたスチールコード、AC
SR用鋼線、つり橋用ケーブル、PC鋼線などの高強度鋼線
を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は初析セメンタイトの発生限界とC含有率ならび
に冷却速度の関係を示す図表である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で C :0.90〜1.25%、 Si:0.15〜1.5%、 Mn:0.3〜1.0%、 残余をFeおよび不可避的不純物からなる鋼線を加熱して
    オーステナイト化したのち、(1)式で規定される範囲
    の冷却速度で400〜650℃に保持された冷媒中に焼き入
    れ、引き続き該冷媒中で恒温変態を完了させることによ
    り初析セメンタイトを含まない微細パーライト組織とす
    ることを特徴とする高強度鋼線の製造方法。 Y≦0.16logX+0.82 (1) ただし、Yは鋼のC含有率(%)、Xは冷却速度(℃/s
    ec)を示す。
  2. 【請求項2】重量比で Cr:0.1〜1.0%、 V :0.02〜0.30% の1種ないし2種、 さらにAl,Ti,Nb,Zr,Bの1種ないし2種以上をそれぞれ
    0.1%以下含有する請求項1記載の高強度鋼線の製造方
    法。
JP2072564A 1990-03-22 1990-03-22 高強度鋼線の製造方法 Expired - Lifetime JPH075992B2 (ja)

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