JP3173284B2 - 高耐候性シーリング材組成物 - Google Patents
高耐候性シーリング材組成物Info
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- JP3173284B2 JP3173284B2 JP12300194A JP12300194A JP3173284B2 JP 3173284 B2 JP3173284 B2 JP 3173284B2 JP 12300194 A JP12300194 A JP 12300194A JP 12300194 A JP12300194 A JP 12300194A JP 3173284 B2 JP3173284 B2 JP 3173284B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温硬化が可能な含フ
ッ素共重合体を必須成分とする耐候性に優れたシーリン
グ材組成物に関する。
ッ素共重合体を必須成分とする耐候性に優れたシーリン
グ材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素系樹脂は、従来から優れた耐熱
性、耐薬品性、耐候性、撥水性、潤滑性および電気的特
性を保有することが知られており、この特性を利用して
近年では高耐候性の塗料やオーバーレイフィルムなど建
築外装分野向に汎用されている。一方、シーリング材の
分野では、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、シリ
コーン系、変成シリコーン系などの樹脂類が使用されて
いるが、ポリサルファイド系やポリウレタン系のシーリ
ング材は柔軟性や耐候性が不足し、シリコーン系は低分
子量体のブリードによる汚染が問題となり、また変成シ
リコーン系は耐候性が不十分となる欠点がある。
性、耐薬品性、耐候性、撥水性、潤滑性および電気的特
性を保有することが知られており、この特性を利用して
近年では高耐候性の塗料やオーバーレイフィルムなど建
築外装分野向に汎用されている。一方、シーリング材の
分野では、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、シリ
コーン系、変成シリコーン系などの樹脂類が使用されて
いるが、ポリサルファイド系やポリウレタン系のシーリ
ング材は柔軟性や耐候性が不足し、シリコーン系は低分
子量体のブリードによる汚染が問題となり、また変成シ
リコーン系は耐候性が不十分となる欠点がある。
【0003】このような問題の解消を図り、伸縮性を有
しながら耐候性と耐汚染性の両面に優れた硬化物を与え
る室温硬化性組成物およびシーラントとして、(a) 繰り
返し単位が10〜50のポリエーテル側鎖を有する重合
単位およびフルオロオレフインに基づく重合単位を含
み、硬化性部位を有する数平均分子量1,000〜5
0,000の含フッ素共重合体と (b)前記(a) の含フッ
素共重合体と共架橋し得る官能基およびポリフルオロア
ルキル基を有する共重合体とを有効成分として含有する
組成のものが提案されている(特開平3−122152号公
報)。
しながら耐候性と耐汚染性の両面に優れた硬化物を与え
る室温硬化性組成物およびシーラントとして、(a) 繰り
返し単位が10〜50のポリエーテル側鎖を有する重合
単位およびフルオロオレフインに基づく重合単位を含
み、硬化性部位を有する数平均分子量1,000〜5
0,000の含フッ素共重合体と (b)前記(a) の含フッ
素共重合体と共架橋し得る官能基およびポリフルオロア
ルキル基を有する共重合体とを有効成分として含有する
組成のものが提案されている(特開平3−122152号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記の
先行技術とは異なる含フッ素系共重合組成を有する高耐
候性のシーラント材につき多面的に研究を重ねた結果、
フルオロオレフィンと特定の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルおよび反応性基を有する単量体を主成分とす
る含フッ素共重合体は、常温硬化が可能であり、かつ長
期に亘り優れた耐候性、柔軟性、耐汚染性を発現するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
先行技術とは異なる含フッ素系共重合組成を有する高耐
候性のシーラント材につき多面的に研究を重ねた結果、
フルオロオレフィンと特定の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルおよび反応性基を有する単量体を主成分とす
る含フッ素共重合体は、常温硬化が可能であり、かつ長
期に亘り優れた耐候性、柔軟性、耐汚染性を発現するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】したがって、本発明の目的は、常温硬化が
可能な含フッ素共重合体を必須成分とし、優れた耐候
性、柔軟性、耐汚染性を発揮する高耐候性シーリング材
組成物を提供することにある。
可能な含フッ素共重合体を必須成分とし、優れた耐候
性、柔軟性、耐汚染性を発揮する高耐候性シーリング材
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による高耐候性シーリング材組成物は、(a)
フルオロオレフイン5〜60モル%、一般式CH2 =C
XCOOR(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、
シクロアルキル基またはハロゲン含有アルキル基、Xは
水素またはメチル基を表す)で示される(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル30〜95モル%、反応性基を有
する単量体0.5〜10モル%からなりガラス転移温度
が10℃以下の含フッ素共重合体と、(b) 硬化剤および
/または硬化促進剤と、(c) 充填剤、を主要成分とする
ことを構成上の特徴とする。
めの本発明による高耐候性シーリング材組成物は、(a)
フルオロオレフイン5〜60モル%、一般式CH2 =C
XCOOR(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、
シクロアルキル基またはハロゲン含有アルキル基、Xは
水素またはメチル基を表す)で示される(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル30〜95モル%、反応性基を有
する単量体0.5〜10モル%からなりガラス転移温度
が10℃以下の含フッ素共重合体と、(b) 硬化剤および
/または硬化促進剤と、(c) 充填剤、を主要成分とする
ことを構成上の特徴とする。
【0007】本発明の (a)含フッ素共重合体を構成する
フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
ピレン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)などが例示されるが、重
合性の面よりテトラフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンが好ましく、
クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
ピレン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)などが例示されるが、重
合性の面よりテトラフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンが好ましく、
クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
【0008】一般式CH2 =CXCOOR(但し、Rは
炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基または
ハロゲン含有アルキル基、Xは水素またはメチル基を表
す)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
しては、エステル鎖として炭素数1〜20のアルキル
基、シクロアルキル基、ハロゲン含有アルキル基を含む
ものであるが、物性を損なわない範囲でエステル鎖に酸
素、窒素、硫黄などの原子を含んでもよい。しかし、前
記原子の割合が多くなると耐候性、耐汚染性などが低下
するため、エステル鎖中に5個以下であることが好まし
い。
炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基または
ハロゲン含有アルキル基、Xは水素またはメチル基を表
す)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
しては、エステル鎖として炭素数1〜20のアルキル
基、シクロアルキル基、ハロゲン含有アルキル基を含む
ものであるが、物性を損なわない範囲でエステル鎖に酸
素、窒素、硫黄などの原子を含んでもよい。しかし、前
記原子の割合が多くなると耐候性、耐汚染性などが低下
するため、エステル鎖中に5個以下であることが好まし
い。
【0009】これらアクリル酸アルキルエステル系化合
物を具体的に例示すると、アクリル酸メチルエステル、
アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステ
ル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸イソブチル
エステル、アクリル酸ターシャリブチルエステル、アク
リル酸ネオペンチルエステル、アクリル酸エチルヘキシ
ルエステル、アクリル酸イソデシルエステル、アクリル
酸ラウリルエステル、アクリル酸トリデシルエステル、
アクリル酸ステアリルエステル、アクリル酸シクロヘキ
シルエステル、アクリル酸イソボルニルエステル、アク
リル酸トリシクロデシニルエステル、アクリル酸テトラ
ヒドロフルフリルエステル、アクリル酸メトキシエチル
エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、
アクリル酸クロロエチルエステル、アクリル酸トリフル
オロエチルエステルなどのアクリル酸アルキルエステル
類、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル
酸ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエステル、
メタクリル酸ターシャリブチルエステル、メタクリル酸
ネオペンチルエステル、メタクリル酸エチルヘキシルエ
ステル、メタクリル酸イソデシルエステル、メタクリル
酸ラウリルエステル、メタクリル酸トリデシルエステ
ル、メタクリル酸ステアリルエステル、メタクリル酸シ
クロヘキシルエステル、メタクリル酸イソボルニルエス
テル、メタクリル酸トリシクロデシニルエステル、メタ
クリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、メタクリル
酸メトキシエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチルエステル、メタクリル酸クロロエチルエステ
ル、メタクリル酸トリフルオロエチルエステルなどのメ
タクリル酸アルキルエステル類を挙げることができ、こ
れらは単独または数種類混合して使用される。これらの
うち、フルオロオレフィンとの重合性、共重合体の柔軟
性などを考慮すると、アクリル酸アルキルエステル類の
適用が特に好ましい。
物を具体的に例示すると、アクリル酸メチルエステル、
アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステ
ル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸イソブチル
エステル、アクリル酸ターシャリブチルエステル、アク
リル酸ネオペンチルエステル、アクリル酸エチルヘキシ
ルエステル、アクリル酸イソデシルエステル、アクリル
酸ラウリルエステル、アクリル酸トリデシルエステル、
アクリル酸ステアリルエステル、アクリル酸シクロヘキ
シルエステル、アクリル酸イソボルニルエステル、アク
リル酸トリシクロデシニルエステル、アクリル酸テトラ
ヒドロフルフリルエステル、アクリル酸メトキシエチル
エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、
アクリル酸クロロエチルエステル、アクリル酸トリフル
オロエチルエステルなどのアクリル酸アルキルエステル
類、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル
酸ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエステル、
メタクリル酸ターシャリブチルエステル、メタクリル酸
ネオペンチルエステル、メタクリル酸エチルヘキシルエ
ステル、メタクリル酸イソデシルエステル、メタクリル
酸ラウリルエステル、メタクリル酸トリデシルエステ
ル、メタクリル酸ステアリルエステル、メタクリル酸シ
クロヘキシルエステル、メタクリル酸イソボルニルエス
テル、メタクリル酸トリシクロデシニルエステル、メタ
クリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、メタクリル
酸メトキシエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチルエステル、メタクリル酸クロロエチルエステ
ル、メタクリル酸トリフルオロエチルエステルなどのメ
タクリル酸アルキルエステル類を挙げることができ、こ
れらは単独または数種類混合して使用される。これらの
うち、フルオロオレフィンとの重合性、共重合体の柔軟
性などを考慮すると、アクリル酸アルキルエステル類の
適用が特に好ましい。
【0010】反応性基を有する単量体としては、水酸
基、カルボン酸基、エポキシ基、アルコキシシリル基を
含有する単量体が用いられるが、常温硬化性を付与でき
る水酸基含有単量体やアルコキシシリル基含有単量体を
選択することが好ましい。このうち、水酸基含有単量体
には、例えばヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロ
キシブチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニル
エーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類、
ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルア
リルエーテルのようなヒドロキシル基含有アリルエーテ
ル類、ヒドロキシエチルクロトネート、ヒドロキシプロ
ピルクロトネートなどヒドロキシアルキルクロトネート
類、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチル
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートとい
ったヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類がある
が、フルオロオレフィンや(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとの共重合性や共重合体の柔軟性の面からヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートの使用が好まし
い。一方、アルコキシシリル基含有単量体には、トリメ
トキシビニルシラン、メチルトリエトキシビニルシラン
などのビニルシラン類、トリメトキシシリルプロピルメ
タクリレート、トリエトキシシリルプロピルメタクリレ
ート、ジメチルジメトキシシリルプロピルアタクリレー
トなどのシリル基含有(メタ)アクリレート類が挙げら
れるが、好ましくはシリル基含有(メタ)アクリレート
類である。
基、カルボン酸基、エポキシ基、アルコキシシリル基を
含有する単量体が用いられるが、常温硬化性を付与でき
る水酸基含有単量体やアルコキシシリル基含有単量体を
選択することが好ましい。このうち、水酸基含有単量体
には、例えばヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロ
キシブチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニル
エーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類、
ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルア
リルエーテルのようなヒドロキシル基含有アリルエーテ
ル類、ヒドロキシエチルクロトネート、ヒドロキシプロ
ピルクロトネートなどヒドロキシアルキルクロトネート
類、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチル
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートとい
ったヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類がある
が、フルオロオレフィンや(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとの共重合性や共重合体の柔軟性の面からヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートの使用が好まし
い。一方、アルコキシシリル基含有単量体には、トリメ
トキシビニルシラン、メチルトリエトキシビニルシラン
などのビニルシラン類、トリメトキシシリルプロピルメ
タクリレート、トリエトキシシリルプロピルメタクリレ
ート、ジメチルジメトキシシリルプロピルアタクリレー
トなどのシリル基含有(メタ)アクリレート類が挙げら
れるが、好ましくはシリル基含有(メタ)アクリレート
類である。
【0011】本発明の含フッ素共重合体(a) には、物性
を損なわない範囲でその他の単量体を共重合してもよ
い。かかる共重合体としては、エチレン、プロピレン、
イソブチレンのようなαオレフィン類、塩化ビニル、塩
化ビニリデンなどのクロロエチレン類、エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテルといったアルキルビニル
エーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロ
ン酸ビニルといったビニルエステル類が例示されるが、
これらに限定されるものではない。
を損なわない範囲でその他の単量体を共重合してもよ
い。かかる共重合体としては、エチレン、プロピレン、
イソブチレンのようなαオレフィン類、塩化ビニル、塩
化ビニリデンなどのクロロエチレン類、エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテルといったアルキルビニル
エーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロ
ン酸ビニルといったビニルエステル類が例示されるが、
これらに限定されるものではない。
【0012】しかし、含フッ素共重合体のガラス転移温
度は10℃以下、好ましくは−10℃以下でなければな
らない。ガラス転移点が10℃を上廻るとシーリング材
としての機能性が失われる。
度は10℃以下、好ましくは−10℃以下でなければな
らない。ガラス転移点が10℃を上廻るとシーリング材
としての機能性が失われる。
【0013】含フッ素共重合体における各単量体の組成
範囲は前記のとおりであり、フルオロオレフィンが5モ
ル%を下廻ると耐候性が低下し、60モル%を越えると
結晶性共重合体となって柔軟性が減退する。(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルが30モル%未満であると柔
軟性が低下し、95モル%を越えると樹脂の耐汚染性が
保持できなくなる。また、反応性基を有する単量体が
0.5モル%を下廻ると強度を損ねるようになり、10
モル%を越えて多くなると共重合体の架橋密度が高くな
り柔軟性が低下する。その他の単量体は、共重合体のコ
ストを下げる効果があるが、30モル%を上廻ると耐候
性が減退する結果を招く。各単量体の好ましい組成範囲
は、フルオロオレフィン15〜50モル%、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル40〜80モル%、反応性基
を有する単量体1〜7モル%であり、またその他の共重
合可能な単量体は0〜30モル%の範囲である。但し、
これらの組成範囲は、全単量体を100モル%とした際
の値である。
範囲は前記のとおりであり、フルオロオレフィンが5モ
ル%を下廻ると耐候性が低下し、60モル%を越えると
結晶性共重合体となって柔軟性が減退する。(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルが30モル%未満であると柔
軟性が低下し、95モル%を越えると樹脂の耐汚染性が
保持できなくなる。また、反応性基を有する単量体が
0.5モル%を下廻ると強度を損ねるようになり、10
モル%を越えて多くなると共重合体の架橋密度が高くな
り柔軟性が低下する。その他の単量体は、共重合体のコ
ストを下げる効果があるが、30モル%を上廻ると耐候
性が減退する結果を招く。各単量体の好ましい組成範囲
は、フルオロオレフィン15〜50モル%、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル40〜80モル%、反応性基
を有する単量体1〜7モル%であり、またその他の共重
合可能な単量体は0〜30モル%の範囲である。但し、
これらの組成範囲は、全単量体を100モル%とした際
の値である。
【0014】本発明の (a)含フッ素共重合体は、ラジカ
ル発生型重合開始剤の存在下で共重合させる方法で製造
される。重合方法は、水性媒体中での懸濁重合や乳化重
合、有機溶剤中での溶液重合など通常の方法が採用する
ことができる。この場合の有機溶媒としては、有機炭化
水素系化合物またはフッ素系有機溶媒などが適当であ
り、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エ
ーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、1,1,2−トリクロロ1,2,2−ト
リフルオロエチレン等のフロン類等の1種または2種以
上を用いることができる。
ル発生型重合開始剤の存在下で共重合させる方法で製造
される。重合方法は、水性媒体中での懸濁重合や乳化重
合、有機溶剤中での溶液重合など通常の方法が採用する
ことができる。この場合の有機溶媒としては、有機炭化
水素系化合物またはフッ素系有機溶媒などが適当であ
り、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エ
ーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、1,1,2−トリクロロ1,2,2−ト
リフルオロエチレン等のフロン類等の1種または2種以
上を用いることができる。
【0015】ラジカル発生型重合開始剤としては、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブ
チルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、またはア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリ
ル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム等の無機過酸化物が使用できる。乳化重合を行う場合
の乳化剤としては、パーフルオロオクタノイックアシド
カリウム塩やアンモニウム塩、パーフルオロオクタンス
ルホン酸アンモニウム塩、高級アルコール硫酸エステル
ナトリウム塩、ポリエチレングリコールエーテル等が例
示される。
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブ
チルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、またはア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリ
ル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム等の無機過酸化物が使用できる。乳化重合を行う場合
の乳化剤としては、パーフルオロオクタノイックアシド
カリウム塩やアンモニウム塩、パーフルオロオクタンス
ルホン酸アンモニウム塩、高級アルコール硫酸エステル
ナトリウム塩、ポリエチレングリコールエーテル等が例
示される。
【0016】重合は、耐圧オートクレーブを用い、重合
温度20〜100℃、圧力1〜200kg/cm2、反応時間
3〜40時間の条件で行うことができる。重合に際して
は、全単量体を初期段階でバッチ仕込みしてもよいし、
重合の進行と共に一部の単量体を逐次添加してもよい。
更に、必要に応じて炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ハイドロタルサイト、陰イオン交換樹脂等のPH調
整剤を添加してもよい。
温度20〜100℃、圧力1〜200kg/cm2、反応時間
3〜40時間の条件で行うことができる。重合に際して
は、全単量体を初期段階でバッチ仕込みしてもよいし、
重合の進行と共に一部の単量体を逐次添加してもよい。
更に、必要に応じて炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ハイドロタルサイト、陰イオン交換樹脂等のPH調
整剤を添加してもよい。
【0017】含フッ素共重合体における分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による
数平均分子量(ポリスチレン換算)で2000〜200
万が好ましく、1万〜100万の範囲がより好ましい。
分子量が余りに高いと作業性が悪くなり、低すぎると機
械的物性が低下する。
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による
数平均分子量(ポリスチレン換算)で2000〜200
万が好ましく、1万〜100万の範囲がより好ましい。
分子量が余りに高いと作業性が悪くなり、低すぎると機
械的物性が低下する。
【0018】上記の (a)含フッ素共重合体には、それが
有する反応性基の種類に対応して下記の (b)硬化剤およ
び/または硬化促進剤が配合され、さらに (c)充填剤を
配合してシーリング材組成物とする。
有する反応性基の種類に対応して下記の (b)硬化剤およ
び/または硬化促進剤が配合され、さらに (c)充填剤を
配合してシーリング材組成物とする。
【0019】(b)の硬化剤は、含フッ素共重合体中の反
応性基と反応して架橋を形成し得る化合物であることが
必要で、例えば多価イソシアネート化合物、多価ブロッ
クイソシアネート化合物、アミノプラスト樹脂、多価カ
ルボン酸、酸無水物、ジグリシジル化合物等が挙げられ
る。硬化促進剤としては、ジブチル錫ジアセテート、ジ
ブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫ジマレートのような錫系化合物、p−トルエンス
ルホン酸、トリクロル酢酸、燐酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸のような酸性化合物、ジブチルアミン、トリエ
チルアミン、ジエタノールアミン、DBU(ジアザビシ
クロウンデセン)のような塩基性化合物などを挙げるこ
とができる。
応性基と反応して架橋を形成し得る化合物であることが
必要で、例えば多価イソシアネート化合物、多価ブロッ
クイソシアネート化合物、アミノプラスト樹脂、多価カ
ルボン酸、酸無水物、ジグリシジル化合物等が挙げられ
る。硬化促進剤としては、ジブチル錫ジアセテート、ジ
ブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫ジマレートのような錫系化合物、p−トルエンス
ルホン酸、トリクロル酢酸、燐酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸のような酸性化合物、ジブチルアミン、トリエ
チルアミン、ジエタノールアミン、DBU(ジアザビシ
クロウンデセン)のような塩基性化合物などを挙げるこ
とができる。
【0020】上述したとおり含フッ素共重合体中の反応
性基は常温硬化性を付与できる点で水酸基もしくはアル
コキシシリル基を選択することが好ましいが、このうち
反応性基として例えば水酸基を使用する場合には硬化剤
が配合され、さらにこれと硬化促進剤を併用することが
好適である。この際の硬化剤には、イソシアヌレート
系、ビウレット系、トリメチロールプロパン変性系等の
イソシアネート化合物が好ましく使用され、その配合量
はイソシアネート化合物のNCO基と含フッ素共重合体
中のOH基の比が0.5〜2モル当量となる量に設定す
ることが望ましい。併用する硬化促進剤は、硬化速度の
点で錫系化合物が好適であり、配合量は含フッ素共重合
体の重量に対して10ppm 〜5重量%に設定することが
好ましい。一方、反応性基として例えばアルコキシシリ
ル基を用いる場合には、アルコキシシリル基の加水分解
および縮合反応を促進する硬化促進剤を使用する。この
場合の硬化促進剤は、硬化速度の点から錫系化合物が好
ましく用いられ、配合量は含フッ素共重合体の重量に対
し10ppm 〜5重量%の範囲に設定することが望まし
い。
性基は常温硬化性を付与できる点で水酸基もしくはアル
コキシシリル基を選択することが好ましいが、このうち
反応性基として例えば水酸基を使用する場合には硬化剤
が配合され、さらにこれと硬化促進剤を併用することが
好適である。この際の硬化剤には、イソシアヌレート
系、ビウレット系、トリメチロールプロパン変性系等の
イソシアネート化合物が好ましく使用され、その配合量
はイソシアネート化合物のNCO基と含フッ素共重合体
中のOH基の比が0.5〜2モル当量となる量に設定す
ることが望ましい。併用する硬化促進剤は、硬化速度の
点で錫系化合物が好適であり、配合量は含フッ素共重合
体の重量に対して10ppm 〜5重量%に設定することが
好ましい。一方、反応性基として例えばアルコキシシリ
ル基を用いる場合には、アルコキシシリル基の加水分解
および縮合反応を促進する硬化促進剤を使用する。この
場合の硬化促進剤は、硬化速度の点から錫系化合物が好
ましく用いられ、配合量は含フッ素共重合体の重量に対
し10ppm 〜5重量%の範囲に設定することが望まし
い。
【0021】(c) の充填剤しては、シリカ、珪酸類、ケ
イソウ土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボ
ンブラック、クレー、タルク、ベントナイト、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、亜鉛華、シラスバルーン、ガラ
ス繊維などが例示される。このうちシリカ、珪酸類、ク
レー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛などはシーリング材の強度または伸
びを向上させる機能があるため好ましく用いられる。充
填剤の好ましい使用量は、共重合体100重量部当たり
1〜200重量部である。
イソウ土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボ
ンブラック、クレー、タルク、ベントナイト、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、亜鉛華、シラスバルーン、ガラ
ス繊維などが例示される。このうちシリカ、珪酸類、ク
レー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛などはシーリング材の強度または伸
びを向上させる機能があるため好ましく用いられる。充
填剤の好ましい使用量は、共重合体100重量部当たり
1〜200重量部である。
【0022】本発明のシーリング材組成物には、上記の
成分以外にベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、蓚酸アニリド系化合物などの紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤、可塑剤
または溶剤を配合してもよい。
成分以外にベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、蓚酸アニリド系化合物などの紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤、可塑剤
または溶剤を配合してもよい。
【0023】
【作用】本発明のシーリング材組成物によれば、含フッ
素共重合体を構成する特定比率で配合されたフルオロオ
レフイン、一般式CH2 =CXCOOR(但し、Rは炭
素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基またはハ
ロゲン含有アルキル基、Xは水素またはメチル基を表
す)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルお
よび反応性基を有する単量体の各成分が、常温硬化性と
優れた耐候性、柔軟性ならびに耐汚染性を付与する作用
を営み、シーリング材に要求される諸性能を発揮するた
めに有効に機能し、これに硬化剤および/または硬化促
進剤および充填剤が配合されていることにより、長期間
に亘り高度かつ安定したシーリング性能を発揮する。
素共重合体を構成する特定比率で配合されたフルオロオ
レフイン、一般式CH2 =CXCOOR(但し、Rは炭
素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基またはハ
ロゲン含有アルキル基、Xは水素またはメチル基を表
す)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルお
よび反応性基を有する単量体の各成分が、常温硬化性と
優れた耐候性、柔軟性ならびに耐汚染性を付与する作用
を営み、シーリング材に要求される諸性能を発揮するた
めに有効に機能し、これに硬化剤および/または硬化促
進剤および充填剤が配合されていることにより、長期間
に亘り高度かつ安定したシーリング性能を発揮する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明するが、各実施例では下記の合成例1〜6で
調製した含フッ素共重合体を用いた。
体的に説明するが、各実施例では下記の合成例1〜6で
調製した含フッ素共重合体を用いた。
【0025】〔合成例1〕撹拌機を備えた1.75リッ
トルのオートクレーブに、酢酸エチル350g、アクリ
ル酸ブチルエステル(以下「BA」という)130g、
ヒドロキシブチルアクリレート(以下「HBA」とい
う)12gを仕込み、脱気と窒素置換を3回繰り返した
のち脱気し、クロロトリフルオロエチレン(以下「CT
FE」という)300gを仕込んだ。70℃まで昇温
後、アゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と
いう)1.5gを酢酸エチル50gに溶解して調製した
重合開始剤溶液をオートクレーブに圧入して重合を開始
した。24時間重合を行い、未反応のCTFEをパージ
し、オートクレーブを開放して共重合体溶液を得た。得
られた溶液をメタノール中に投入し、洗浄乾燥し190
gの含フッ素共重合体を得た。得られた共重合体のGP
Cで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は350
00であり、ガラス転移温度(以下「Tg」という)は
−35℃であった。得られた含フッ素共重合体のフッ素
分析をおこなったところ13.5重量%であり、水酸基
価は24(mg−KOH/g−レジン)であった。 1H
−NMR、13C−NMRによる共重合体の組成は、CT
FE/BA/HBA=29.7/64.9/5.4(モ
ル%)であった。
トルのオートクレーブに、酢酸エチル350g、アクリ
ル酸ブチルエステル(以下「BA」という)130g、
ヒドロキシブチルアクリレート(以下「HBA」とい
う)12gを仕込み、脱気と窒素置換を3回繰り返した
のち脱気し、クロロトリフルオロエチレン(以下「CT
FE」という)300gを仕込んだ。70℃まで昇温
後、アゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と
いう)1.5gを酢酸エチル50gに溶解して調製した
重合開始剤溶液をオートクレーブに圧入して重合を開始
した。24時間重合を行い、未反応のCTFEをパージ
し、オートクレーブを開放して共重合体溶液を得た。得
られた溶液をメタノール中に投入し、洗浄乾燥し190
gの含フッ素共重合体を得た。得られた共重合体のGP
Cで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は350
00であり、ガラス転移温度(以下「Tg」という)は
−35℃であった。得られた含フッ素共重合体のフッ素
分析をおこなったところ13.5重量%であり、水酸基
価は24(mg−KOH/g−レジン)であった。 1H
−NMR、13C−NMRによる共重合体の組成は、CT
FE/BA/HBA=29.7/64.9/5.4(モ
ル%)であった。
【0026】〔合成例2〕合成例1のモノマー組成を、
CTFE300g、2エチルヘキシルアクリレート(以
下「HA」という)130g、HBA10gに変更し、
溶媒をキシレンに変更した。そのほかは合成例1と同一
条件で重合を行い、乾燥後に190gの含フッ素共重合
体を得た。得られた共重合体の数平均分子量は2400
0であり、Tgは−48℃であった。また、該共重合体
のフッ素分析値は11.9%、水酸基価は18であっ
た。合成例1と同様に分析したところCTFE/HA/
HBA=33.3/61.6/5.1(モル%)である
ことが認められた。
CTFE300g、2エチルヘキシルアクリレート(以
下「HA」という)130g、HBA10gに変更し、
溶媒をキシレンに変更した。そのほかは合成例1と同一
条件で重合を行い、乾燥後に190gの含フッ素共重合
体を得た。得られた共重合体の数平均分子量は2400
0であり、Tgは−48℃であった。また、該共重合体
のフッ素分析値は11.9%、水酸基価は18であっ
た。合成例1と同様に分析したところCTFE/HA/
HBA=33.3/61.6/5.1(モル%)である
ことが認められた。
【0027】〔合成例3〕合成例1のモノマー組成を、
CTFE250g、エチルアクリレート(以下「EA」
という)175g、メトキシエチルメタクリレート(以
下「MEMA」という)25g、ヒドロキシエチルアク
リレート(以下「MEA」という)20gに変更した。
そのほかは合成例1と同一条件で重合を行い、乾燥後に
250gの含フッ素共重合体を得た。得られた共重合体
の数平均分子量は14000であり、Tgは−15℃で
あった。また、該共重合体のフッ素分析値は8.9%、
水酸基価は34であった。合成例1と同様に分析したと
ころCTFE/EA/MEMA/HEA=16.5/7
2.8/4.3/6.4(モル%)であることが認めら
れた。
CTFE250g、エチルアクリレート(以下「EA」
という)175g、メトキシエチルメタクリレート(以
下「MEMA」という)25g、ヒドロキシエチルアク
リレート(以下「MEA」という)20gに変更した。
そのほかは合成例1と同一条件で重合を行い、乾燥後に
250gの含フッ素共重合体を得た。得られた共重合体
の数平均分子量は14000であり、Tgは−15℃で
あった。また、該共重合体のフッ素分析値は8.9%、
水酸基価は34であった。合成例1と同様に分析したと
ころCTFE/EA/MEMA/HEA=16.5/7
2.8/4.3/6.4(モル%)であることが認めら
れた。
【0028】〔合成例4〕合成例1のモノマー組成を、
CTFE200g、BA195g、トリメトキシシリル
プロピルアクリレート(以下「TRIMSPA」とい
う)6gに変更し、溶媒を酢酸エチル370g、イソプ
ロパノール30gに変更した。そのほかは合成例1と同
一条件で重合を行い、乾燥後に220gの含フッ素共重
合体を得た。得られた共重合体の数平均分子量は340
00で、Tgは−39℃であった。また、該共重合体の
フッ素分析値は8.7%、ケイ素分析値は0.3%であ
った。合成例1と同様に分析したところCTFE/BA
/TRIMSPA=19.4/79.3/1.2(モル
%)であることが認められた。
CTFE200g、BA195g、トリメトキシシリル
プロピルアクリレート(以下「TRIMSPA」とい
う)6gに変更し、溶媒を酢酸エチル370g、イソプ
ロパノール30gに変更した。そのほかは合成例1と同
一条件で重合を行い、乾燥後に220gの含フッ素共重
合体を得た。得られた共重合体の数平均分子量は340
00で、Tgは−39℃であった。また、該共重合体の
フッ素分析値は8.7%、ケイ素分析値は0.3%であ
った。合成例1と同様に分析したところCTFE/BA
/TRIMSPA=19.4/79.3/1.2(モル
%)であることが認められた。
【0029】〔合成例5〕合成例1のモノマー組成を、
CTFE540g、HA130g、トリエトキシビニル
シラン(以下「TRIEVS」という)10gに変更
し、溶媒を酢酸エチル350g、イソプロパノール50
gに変更した。そのほかは合成例1と同一条件で重合を
行い、乾燥後に150gの含フッ素共重合体を得た。得
られた共重合体の数平均分子量は11000であり、T
gは−41℃であった。また、該共重合体のフッ素分析
値は14.7%、ケイ素分析値は0.9%であった。合
成例1と同様に分析したところCTFE/HA/TRI
EVS=40.6/54.6/4.8(モル%)である
ことが認められた。
CTFE540g、HA130g、トリエトキシビニル
シラン(以下「TRIEVS」という)10gに変更
し、溶媒を酢酸エチル350g、イソプロパノール50
gに変更した。そのほかは合成例1と同一条件で重合を
行い、乾燥後に150gの含フッ素共重合体を得た。得
られた共重合体の数平均分子量は11000であり、T
gは−41℃であった。また、該共重合体のフッ素分析
値は14.7%、ケイ素分析値は0.9%であった。合
成例1と同様に分析したところCTFE/HA/TRI
EVS=40.6/54.6/4.8(モル%)である
ことが認められた。
【0030】〔合成例6〕合成例1のモノマー組成を、
ヘキサフルオロプロピレン(以下「HFP」という)2
80g、BA130g、HBA15gに変更した。その
ほかは合成例1と同一条件で重合を行い、乾燥後に14
0gの含フッ素共重合体を得た。得られた共重合体の数
平均分子量は34000であり、Tgは−38℃であっ
た。また、該共重合体のフッ素分析値は4.6%、水酸
基価は39であった。合成例1と同様に分析したところ
HFP/BA/HBA=5.3/85.7/9.1(モ
ル%)であることが認められた。
ヘキサフルオロプロピレン(以下「HFP」という)2
80g、BA130g、HBA15gに変更した。その
ほかは合成例1と同一条件で重合を行い、乾燥後に14
0gの含フッ素共重合体を得た。得られた共重合体の数
平均分子量は34000であり、Tgは−38℃であっ
た。また、該共重合体のフッ素分析値は4.6%、水酸
基価は39であった。合成例1と同様に分析したところ
HFP/BA/HBA=5.3/85.7/9.1(モ
ル%)であることが認められた。
【0031】実施例1〜6 合成例1〜6の含フッ素共重合体100重量部に、硬化
剤〔大日本インキ化学工業(株)製“バーノック95
5”〕、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウレート試薬)、
炭酸カルシウム〔白石工業(株)製“CCR”〕、酸化
チタン〔石原産業(株)製“R820”〕を表1に示す
重量部割合で配合した。
剤〔大日本インキ化学工業(株)製“バーノック95
5”〕、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウレート試薬)、
炭酸カルシウム〔白石工業(株)製“CCR”〕、酸化
チタン〔石原産業(株)製“R820”〕を表1に示す
重量部割合で配合した。
【0032】ついで、硬化処理(常温で2週間)したの
ち、各種の評価試験をおこない、結果を表3に示した。
なお、各試験は下記の方法によった。 (1)タックフリー試験、引っ張り接着性試験(被着体は
アルミ)および耐久性試験は、JIS A5758(建
築用シーリング材)および区分記号9030に準じた。 (2)耐水性試験は、JIS A5758に準拠して試験
体を作成し、50℃の温水に一ヶ月静置後の温水の濁り
の有無を観測した。 (3)促進耐候性試験は、試料をJIS A5758に記
載のホルダーに取り付け蛍光紫外線ウェザーメータ(Q
パネル社、QUV試験機)で2000時間経過後の表面
状態と伸度保持率を観測した。表面状態の判定基準と伸
度保持率の算定は次によった。 表面状態判定基準 ○:変化なし △:変色 ×:クラ
ック発生 伸度保持率=(促進耐候性試験後の伸度/初期の伸度)
×100 (4)屋外汚染性試験は、7cm×15cmのガラス板の上面
1/2に、試料をへらで泡が入らないように塗って厚み
1mmの試験板を作成した。名古屋市船見町で6ヶ月屋外
暴露し、汚れ具合を目視により次の判定基準で評価し
た。 ○:塵埃の付着が殆どない △:塵埃が少し付着する ×:塵埃がかなり付着する
ち、各種の評価試験をおこない、結果を表3に示した。
なお、各試験は下記の方法によった。 (1)タックフリー試験、引っ張り接着性試験(被着体は
アルミ)および耐久性試験は、JIS A5758(建
築用シーリング材)および区分記号9030に準じた。 (2)耐水性試験は、JIS A5758に準拠して試験
体を作成し、50℃の温水に一ヶ月静置後の温水の濁り
の有無を観測した。 (3)促進耐候性試験は、試料をJIS A5758に記
載のホルダーに取り付け蛍光紫外線ウェザーメータ(Q
パネル社、QUV試験機)で2000時間経過後の表面
状態と伸度保持率を観測した。表面状態の判定基準と伸
度保持率の算定は次によった。 表面状態判定基準 ○:変化なし △:変色 ×:クラ
ック発生 伸度保持率=(促進耐候性試験後の伸度/初期の伸度)
×100 (4)屋外汚染性試験は、7cm×15cmのガラス板の上面
1/2に、試料をへらで泡が入らないように塗って厚み
1mmの試験板を作成した。名古屋市船見町で6ヶ月屋外
暴露し、汚れ具合を目視により次の判定基準で評価し
た。 ○:塵埃の付着が殆どない △:塵埃が少し付着する ×:塵埃がかなり付着する
【0033】
【表1】
【0034】比較例1 両末端メトキシシリル基を有するポリプロピレンオキサ
イド〔カネカ製“MSポリマー20A”〕を表2に示す
組成で配合し、変成シリコーン系シーラントを作成し
た。硬化後、実施例と同様の評価試験を行い、結果を表
3に併載した。
イド〔カネカ製“MSポリマー20A”〕を表2に示す
組成で配合し、変成シリコーン系シーラントを作成し
た。硬化後、実施例と同様の評価試験を行い、結果を表
3に併載した。
【0035】比較例2 ウレタン変成ポリサルファイド〔日本触媒製“パーマポ
ールP965”〕を表2に示す組成で配合しポリサルフ
ァイド系シーラントを作成した。硬化後、実施例と同様
の評価試験をおこない、その結果を表3に併載した。
ールP965”〕を表2に示す組成で配合しポリサルフ
ァイド系シーラントを作成した。硬化後、実施例と同様
の評価試験をおこない、その結果を表3に併載した。
【0036】
【表2】
【0037】比較例3 市販の1成分シリコーン系シーリング材〔東芝シリコー
ン(株)製“トスシール381”〕を使用し、実施例1
〜6と同様の評価試験をおこない比較した。その結果を
表3に併載した。
ン(株)製“トスシール381”〕を使用し、実施例1
〜6と同様の評価試験をおこない比較した。その結果を
表3に併載した。
【0038】比較例4 合成例1で使用したモノマーをCTFE/メチルメタク
リレート(以下「MMA」という)/HBAが300g
/130g/10gになるように変更し、溶媒をキシレ
ンに変更した。その他は同様の方法で重合をおこない、
乾燥後に共重合体160gを得た。得られた共重合体の
数平均分子量は9000であり、Tgは93℃であっ
た。この共重合体のフッ素分析値は6.1%であり、水
酸基価は22であった。合成例1と同様に分析したとこ
ろ、CTFE/MMA/HBA=11.2/84.7/
4.2(モル%)であることが判った。得られたTg9
3℃の共重合体を100重量部使用し、また硬化剤の量
を27重量部とした以外は実施例1と同様に組成物を調
製し、各種の評価試験をおこなった。その結果を表3に
併載した。
リレート(以下「MMA」という)/HBAが300g
/130g/10gになるように変更し、溶媒をキシレ
ンに変更した。その他は同様の方法で重合をおこない、
乾燥後に共重合体160gを得た。得られた共重合体の
数平均分子量は9000であり、Tgは93℃であっ
た。この共重合体のフッ素分析値は6.1%であり、水
酸基価は22であった。合成例1と同様に分析したとこ
ろ、CTFE/MMA/HBA=11.2/84.7/
4.2(モル%)であることが判った。得られたTg9
3℃の共重合体を100重量部使用し、また硬化剤の量
を27重量部とした以外は実施例1と同様に組成物を調
製し、各種の評価試験をおこなった。その結果を表3に
併載した。
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果から、本発明の含フッ素共重合
体を使用した実施例1〜6によるシーリング材組成物
は、耐候性と耐汚染性に優れ、かつ十分な耐久性および
柔軟性を有することが認められた。これに対し、変成シ
リコーン系(比較例1)やポリサルファイド系(比較例
2)のシーラントは分子中に存在するポリオキシエチレ
ン鎖や硫黄原子に起因して耐候性が低下し、また1成分
シリコーン系シーラント(比較例3)は低分子量シリコ
ーンのため耐汚染性が悪くなる。
体を使用した実施例1〜6によるシーリング材組成物
は、耐候性と耐汚染性に優れ、かつ十分な耐久性および
柔軟性を有することが認められた。これに対し、変成シ
リコーン系(比較例1)やポリサルファイド系(比較例
2)のシーラントは分子中に存在するポリオキシエチレ
ン鎖や硫黄原子に起因して耐候性が低下し、また1成分
シリコーン系シーラント(比較例3)は低分子量シリコ
ーンのため耐汚染性が悪くなる。
【0041】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば常温硬化
が可能な新規組成の含フッ素共重合体を必須成分とし、
優れた耐候性、柔軟性、耐汚染性などの効果を発揮する
シーリング材組成物を提供することができる。したがっ
て、高品質な屋外用シーラントとして有用性が期待され
る。
が可能な新規組成の含フッ素共重合体を必須成分とし、
優れた耐候性、柔軟性、耐汚染性などの効果を発揮する
シーリング材組成物を提供することができる。したがっ
て、高品質な屋外用シーラントとして有用性が期待され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 竜生 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−137471(JP,A) 特開 平1−103670(JP,A) 特開 平2−70706(JP,A) 特開 平3−33112(JP,A) 特開 平4−45177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/12 C08K 3/00 C08L 27/12 C09K 3/10
Claims (1)
- 【請求項1】 (a) フルオロオレフイン5〜60モル
%、一般式CH2 =CXCOOR(但し、Rは炭素数1
〜20のアルキル基、シクロアルキル基またはハロゲン
含有アルキル基、Xは水素またはメチル基を表す)で示
される(メタ)アクリル酸アルキルエステル30〜95
モル%、反応性基を有する単量体0.5〜10モル%か
らなりガラス転移温度が10℃以下の含フッ素共重合体
と、(b)硬化剤および/または硬化促進剤と、(c) 充填
剤、を主要成分とすることを特徴とする高耐候性シーリ
ング材組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12300194A JP3173284B2 (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 高耐候性シーリング材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12300194A JP3173284B2 (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 高耐候性シーリング材組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07305018A JPH07305018A (ja) | 1995-11-21 |
JP3173284B2 true JP3173284B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=14849815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12300194A Expired - Fee Related JP3173284B2 (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 高耐候性シーリング材組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3173284B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5973090A (en) * | 1997-10-31 | 1999-10-26 | Toagosei Co., Ltd. | Cold-setting coating composition |
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1994
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