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JP2951842B2 - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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Publication number
JP2951842B2
JP2951842B2 JP6123436A JP12343694A JP2951842B2 JP 2951842 B2 JP2951842 B2 JP 2951842B2 JP 6123436 A JP6123436 A JP 6123436A JP 12343694 A JP12343694 A JP 12343694A JP 2951842 B2 JP2951842 B2 JP 2951842B2
Authority
JP
Japan
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lens
optical
scanning device
mirror
optical scanning
Prior art date
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JP6123436A
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JPH07168115A (ja
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和則 村上
智則 伊久美
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
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Priority to KR1019940019123A priority patent/KR0136840B1/ko
Priority to DE69428950T priority patent/DE69428950T2/de
Priority to US08/289,203 priority patent/US5506719A/en
Priority to EP94305986A priority patent/EP0638830B1/en
Priority to CN94109425A priority patent/CN1033877C/zh
Publication of JPH07168115A publication Critical patent/JPH07168115A/ja
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/12Scanning systems using multifaceted mirrors

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザプリンタ、レー
ザファクシミリ、デジタル複写機等に利用するレーザ光
を使用した光走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、簡易で高品質な印刷方法として電
子写真法が開発され、これを実現するものとしては光走
査装置が知られている。例えば、ポストオブジェクティ
ブ型の光走査装置は、半導体レーザ発振器の出射光路上
にコリメータレンズと結像レンズとシリンドリカルレン
ズとを順次配置し、このシリンドリカルレンズの透過光
路上に駆動モータで回転自在に軸支したポリゴンミラー
の反射面を位置させ、このポリゴンミラーの主走査光路
上に補正レンズを配置し、この補正レンズの透過光路上
に回転自在な感光ドラムの副走査方向に移動自在な被走
査面を位置させた構造となっている。
【0003】そして、このような光走査装置では、その
光学特性を向上させるためには各種の光学部品を高精度
に位置決め保持する必要があるので、例えば、特開昭63
−210807号公報に開示された光走査装置では、半導体レ
ーザ発振器にコリメータレンズ等を一体化した光出射ユ
ニットや、ポリゴンミラーを回転自在に軸支する駆動モ
ータや、反射ミラーや、補正レンズなどを、扁平なボッ
クス状の一個のハウジングに共通に装着する構造となっ
ている。
【0004】なお、この光走査装置では、ポリゴンミラ
ーの主走査光路に光出射ユニットが干渉することを防止
するため、この光出射ユニットをポリゴンミラーの側方
に配置するようになっている。さらに、この光走査装置
では、ポリゴンミラーの主走査光路を反射ミラーで下方
に偏向してハウジングの外方に出射するので、このハウ
ジングの下方に感光ドラムなどの被走査面を位置させる
ようになっている。
【0005】また、このような光走査装置では、ポリゴ
ンミラーの面倒れを補正レンズなどで補正するようにな
っているが、この面倒れを補正するためにはポリゴンミ
ラーの反射面上でレーザ光を副走査方向に結像する必要
があるので、この結像をシリンドリカルレンズで実現し
ている。しかし、このような光走査装置は、実際には半
導体レーザ発振器の非点収差やコリメータレンズの光学
特性などの部品格差のため、実際にはシリンドリカルレ
ンズの焦点位置がポリゴンミラーの反射面から変動する
ことがある。
【0006】上述のような誤差を解消してポリゴンミラ
ーの反射面にシリンドリカルレンズでレーザ光を結像す
るため、例えば、特平 4-75015号公報に開示された光
走査装置では、ベースの上面に形成したV溝に、下面が
円筒状のレンズホルダをスライド自在に装着し、このレ
ンズホルダの上面に光軸方向がスライド方向と一致する
ようにシリンドリカルレンズを立設している。このよう
にすることで、この光走査装置では、シリンドリカルレ
ンズをレンズホルダと共に光軸方向にスライド自在に支
持して位置決めするようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−210807号公
報に開示された光走査装置は、一個のハウジングに各種
の光学部品を共通に装着することで、各種の光学部品を
高精度に配置して光学特性を向上させるようになってい
る。
【0008】しかし、この光走査装置では、実際には各
種の光学部品を扁平なボックス状で平面面積が過大なハ
ウジングに装着するようになっているので、製造誤差や
経年変化や温度伸縮などによるハウジングの変形が多大
であり、光学部品の位置精度が低下して光学特性を阻害
している。
【0009】さらに、この光走査装置では、主走査光路
に干渉することを防止するために光出射ユニットをポリ
ゴンミラーの側方に配置しているが、これでは光学系が
主走査光路の中心軸に対して左右非対称となるので、光
学系の構造が複雑化して生産性が低下している。
【0010】また、このような光走査装置では、被走査
面に入射する主走査光の光学特性を向上させるために
は、ハウジングに順次組付ける多数の光学部品の位置を
組立工程中で適宜調節することが望ましい。しかし、上
記公報の光走査装置では、多数の光学部品を扁平なボッ
クス状の一個のハウジングの内部に組付ける構造となっ
ているので、このハウジングの内部に調整用の光学機器
を配置することが困難な場合があり、その作業能率が低
下して生産性を阻害している。
【0011】さらに、このような光走査装置は、実際に
は電子写真装置に組込んで使用することになるが、この
電子写真装置に別体として組込んだ感光ドラムと光走査
装置との相対位置に誤差が発生することがある。このよ
うな場合、周囲に現像器や帯電器などを配置している感
光ドラムの位置は調節困難であるので、光走査装置の位
置を調節することになるが、この光走査装置は大形のユ
ニットで電子写真装置のフレームとの接合箇所も複数で
あるので、これは作業が極めて煩雑で電子写真装置の生
産性を阻害することになる。
【0012】また、特願平 4-75015号に開示された光走
査装置などは、半導体レーザ発振器の非点収差やコリメ
ータレンズの光学特性などに部品格差が発生しても、ス
ライド自在で位置決めできるシリンドリカルレンズでレ
ーザ光をポリゴンミラーの反射面上に結像できるように
なっている。
【0013】しかし、上述のようにシリンドリカルレン
ズを立設したレンズホルダを円筒状に形成してベースの
上面に形成したV溝にスライド自在に装着する機構は、
その構造が複雑で光走査装置の生産性を阻害することに
なる。
【0014】また、上述のようにシリンドリカルレンズ
を光軸方向にスライド自在に支持する機構は、その精度
を良好に確保するためにはスライドする部分を光軸方向
に長く形成する必要がある。このため、上述のような光
走査装置では、シリンドリカルレンズを光軸方向にスラ
イド自在に支持する機構が大形化して小形軽量化を阻害
しており、その前後にコリメータレンズなどを近接配置
することも困難となっている。
【0015】本発明は、ポリゴンミラーの主走査光路に
半導体レーザ発振器などが干渉することなく光学系を主
走査光路の中心軸に対して左右対称に形成することがで
きるので、小形軽量で光学特性と生産性とが共に良好な
光走査装置を得るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
半導体レーザ発振器の出射光路上に少なくともコリメー
タレンズと結像レンズとシリンドリカルレンズとを介し
て回転自在なポリゴンミラーの反射面を位置させ、この
ポリゴンミラーの主走査光路上に少なくとも補正レンズ
を介して副走査方向に移動自在な被走査面を位置させた
光走査装置において、前記ポリゴンミラーをスキャナモ
ータで回転自在に軸支し、このポリゴンミラーを包囲す
るハウジングに、前記ポリゴンミラーの回転軸を含む平
面内に前記半導体レーザ発振器と前記コリメータレンズ
と折返しミラーと前記補正レンズとの各々の光軸中心を
位置させて装着し、かつ、前記スキャナモータの上面よ
り上方に前記半導体レーザ発振器と前記コリメータレン
ズと前記シリンドリカルレンズとを配置した。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、ポリゴンミラーを駆動モータで回転自在に
軸支し、この駆動モータのベースに装着して前記ポリゴ
ンミラーを包囲するハウジングに半導体レーザ発振器と
コリメータレンズとシリンドリカルレンズと折返しミラ
ーと補正レンズとを装着し、この補正レンズの透過光路
を被走査面に偏向する少なくとも一個の外部反射ミラー
を前記ハウジングの外面に装着する外部フレームに装着
した。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、被走査面に直接的に対向する一個の外部反
射ミラーを変位自在に支持して位置決め保持するミラー
調整機構を外部フレームに設けた。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、シリンドリカルレンズを光軸と
直交する平面上で移動自在に支持して位置決めするレン
ズ支持機構を設けた。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、レンズ支持機構に連通する開口穴をハウジ
ングに形成した。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明は、ポリゴンミラーの主走
査光路に半導体レーザ発振器などが干渉することなく光
学系を主走査光路の中心軸に対して左右対称に形成する
ことができる。
【0022】請求項2記載の発明は、各種部品を組付け
たハウジングをベースに装着しない状態や、このベース
に装着したハウジングに外部フレームを装着しない状態
などで、測定機器をハウジングの内部や外部に配置して
光学系の調整作業を簡易かつ高精度に行うことができ
る。
【0023】請求項3記載の発明は、電子写真装置に組
込んだ場合などに光走査装置と被走査面との相対位置の
誤差を外部反射ミラーの位置調整で簡易に補正すること
ができる。
【0024】請求項4記載の発明は、レンズ支持機構で
シリンドリカルレンズを光軸と直交する平面上で位置調
整して各種の光学収差を補正することができる。
【0025】請求項5記載の発明は、ハウジングに形成
した開口穴からレンズ支持機構を操作してシリンドリカ
ルレンズを位置調整することができる。
【0026】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1ないし図5に基
づいて説明する。まず、このポストオブジェクティブ型
の光走査装置1では、図1ないし図3に例示するよう
に、平板状のベース2上に三個のネジ3でハウジング4
を装着し、このハウジング4の上部に光出射ユニット5
を下方に傾斜させて装着している。ここで、この光出射
ユニット5は、基板6に実装した半導体レーザ発振器7
を金属製のヒートシンク8に固定し、このヒートシンク
8にスライド自在に装着してから接着等で固定した円筒
形のコリメータ鏡筒9にコリメータレンズ10を固定し
た構造となっている。
【0027】この光走査装置1では、上面に二つの凸部
11と二つのネジ孔12とを形成した内部フレーム13
の下部にシリンドリカルレンズ14と結像レンズである
平凸レンズ15と折返しミラー16とを下方に傾斜させ
て固定し、前記内部フレーム13を前記ハウジング4の
上部下面の二つの凹部17の位置に二個のネジ18で装
着することで、前記光出射ユニット5の光軸上に前記シ
リンドリカルレンズ14と前記平凸レンズ15と前記折
返しミラー16とを順次配置している。
【0028】さらに、この光走査装置1では、前記ベー
ス2上にスペーサ19を介して四個のネジ20で装着し
た基板21を一部として駆動モータであるスキャナモー
タ22を形成し、このスキャナモータ22の垂直な回転
軸23にポリゴンミラー24を水平方向に回転自在に軸
支している。つまり、前記ベース2は実際には前記スキ
ャナモータ22の一部であり、これを外方に拡張するこ
とで前記ハウジング4を装着できるようにしている。
【0029】なお、この光走査装置1では、前記ポリゴ
ンミラー24の四つの反射面25には、前記折返しミラ
ー16の反射光路が水平より微小に上方から入射するよ
うになっているので、これは回転する反射面25に対し
て入射光と出射光との光軸が傾斜したスキュー光学系と
なっている。また、このポリゴンミラー24は、四つの
反射面25の各々が断面形状が楕円形となる楕円筒面と
なっている。前記平凸レンズ15は、入射するビーム光
を前記ポリゴンミラー24の前記反射面25より後方の
仮想収束点上に収束し、前記シリンドリカルレンズ14
は、副走査方向のみ前記反射面25へ収束するようにな
っている。
【0030】この光走査装置1では、前記ハウジング4
の前面に形成した長方形の貫通孔26に二個のネジ27
で補正レンズ28を下方に傾斜させて装着することで、
図1に例示するように、この補正レンズ28を前記ポリ
ゴンミラー24の反射面25から斜め下方に位置する走
査光路上に配置している。なお、この光走査装置1の前
記補正レンズ28は、各種の光学特性を改善するために
極めて特殊な形状となっているので詳細には後述する。
【0031】この光走査装置1では、上述のような構造
とすることで、前記ポリゴンミラー24の回転軸を含む
平面内に、前記半導体レーザ発振器7と前記コリメータ
レンズ10と前記シリンドリカルレンズ14と前記平凸
レンズ15と前記折返しミラー16と前記補正レンズ2
8との各々の光軸中心が位置し、かつ、前記ポリゴンミ
ラー24の上面より上方に、前記半導体レーザ発振器7
と前記コリメータレンズ10と前記シリンドリカルレン
ズ14と前記平凸レンズ15とが位置していることにな
る。
【0032】より詳細には、この光走査装置1では、前
記半導体レーザ発振器7と前記コリメータレンズ10と
が、前記ポリゴンミラー24の上面の上方に位置してお
り、前記シリンドリカルレンズ14と前記平凸レンズ1
5とは、前記ポリゴンミラー24の上面の上方より微少
に外方に位置しているが、前記スキャナモータ22の上
面の上方には位置している。
【0033】なお、ここで云うポリゴンミラー24の回
転軸とは、その概念的な回転の中心軸であり、ポリゴン
ミラー24を軸支する部品である回転軸23を意味する
ものではない。
【0034】この光走査装置1では、図1ないし図3に
例示したように、外部フレーム29の前面両側に形成し
た開口凹部30に、主走査方向に細長い第一の外部反射
ミラー31を両端部で弾発的に装着している。さらに、
前記外部フレーム29の下部に形成した円形の貫通孔3
2に、主走査方向に細長い第二の外部反射ミラー33
を、その両端に予め固定したミラー調整機構である円筒
部材34で副走査方向に回動自在に支持してから接着等
で位置決め保持している。この円筒部材34は前記第二
の外部反射ミラー33の両端に別体として固定してお
り、その外側面にはマイナスドライバ(図示せず)での
調節作業用の角度調整溝35を形成してある。また、前
記外部フレーム29には、前記第一の外部反射ミラー3
1の一方の側方に小形の反射ミラー36を固定し、この
反射ミラー36と対向する前記第一の外部反射ミラー3
1の他方の側方には書出し位置検知用光センサ37を装
着している。
【0035】この光走査装置1では、前記外部フレーム
29を前記ハウジング4の前面に二個のネジ38で装着
することで、前記ポリゴンミラー24の反射面25から
斜め下方に位置する反射光路上に前記補正レンズ28を
介して前記反射ミラー31,36が位置し、この反射ミ
ラー36の反射光路上に前記書出し位置検知用光センサ
37が位置すると共に前記第一の外部反射ミラー31の
反射光路上に前記第二の外部反射ミラー33が位置する
ようになっている。さらに、この第二の外部反射ミラー
33の反射光路上には、副走査方向に回転自在に軸支し
た感光ドラム39の被走査面が位置している。
【0036】また、この光走査装置1では、図4に例示
するように、前記補正レンズ28の光入射面40は、主
走査方向に平行な回転軸41が主走査光路の中央から副
走査方向に変位して包絡線が偶数次の高次曲線となる回
転対称曲面で形成し、前記補正レンズ28の光出射面4
2は、主走査方向と副走査方向とに直交する回転軸43
が主走査光路の中央に位置して包絡線が偶数次の高次曲
線となる回転対称曲面で形成している。
【0037】より詳細には、この光走査装置1では、図
5に例示するように、前記補正レンズ28の光入射面4
0の中央点から副走査方向に変位量△だけ変位した原点
1上に主走査方向と平行な基準軸X1 を設定すると共
に主走査方向と副走査方向とに直交する基準軸Y1 を設
定すると、この光入射面40の副走査方向と直交する断
面形状をY111 座標上で形成する八次の高次曲線
の多項式は、 Y1 =α21 2+α41 4+α61 6+α81 8−e1 となっている。
【0038】また、この光走査装置1では、前記補正レ
ンズ28の光出射面42の中央点O2 上に主走査方向と
副走査方向とに直交する基準軸Y2 を設定すると共に距
離e2 の位置に主走査方向と平行な基準軸X2 を設定す
ると、この光出射面42の副走査方向と直交する断面形
状を形成する八次の高次曲線の多項式は、 Y2 =β22 2+β42 4+β62 6+β82 8−e2 となっている。
【0039】このような構成において、この光走査装置
1では、半導体レーザ発振器7が出射するレーザ光をコ
リメータレンズ10で平行光束化してからシリンドリカ
ルレンズ14と平凸レンズ15とで収束して回転するポ
リゴンミラー24の反射面25で主走査方向に偏向走査
し、この主走査光を補正レンズ28で光学補正して回転
する感光ドラム39の副走査移動する被走査面に入射さ
せる。
【0040】このようにすることで、この感光ドラム3
9の被走査面には、光走査による主走査線を副走査方向
に順次形成するので、例えば、この感光ドラム39の被
走査面に帯電器や現像器を対向配置し、帯電器の放電で
帯電した感光ドラム39の被走査面に光走査で静電潜像
を形成し、この静電潜像を現像器から供給するトナーで
現像して記録媒体に転写することで、電子写真法による
画像形成を実行することができる。なお、この光走査装
置1では、ポリゴンミラー24の走査光を反射ミラー3
6で反射して書出し位置検知用光センサ37で受光する
ことで、この書出し位置検知用光センサ37の検知タイ
ミングに従って上述のような画像形成を行うようになっ
ている。
【0041】ここで、この光走査装置1では、上述のよ
うに半導体レーザ発振器7やコリメータレンズ10やシ
リンドリカルレンズ14などの出射光路を折返しミラー
16で偏向することで、半導体レーザ発振器7やコリメ
ータレンズ10やシリンドリカルレンズ14などの光学
部品をポリゴンミラー24の回転軸が位置する平面内で
上方に配置している。
【0042】このようにすることで、この光走査装置1
では、ポリゴンミラー24の主走査光路に半導体レーザ
発振器7などが干渉することなく光学系を主走査光路の
中心軸に対して左右対称に形成することができ、その光
学系の構造が簡易なので生産性の向上に寄与することが
できる。
【0043】さらに、この光走査装置1では、上述のよ
うにすることでハウジング4を平面面積がスキャナモー
タ22と同等になるほど小形化しているので、このハウ
ジング4は製造誤差や経年変化や温度伸縮などによる変
形が微小である。そこで、この光走査装置1では、ハウ
ジング4に装着した半導体レーザ発振器7やポリゴンミ
ラー24や補正レンズ28などの光学部品の相対位置が
高精度なので、その光学特性が極めて良好である。
【0044】また、この光走査装置1では、上述のよう
にポリゴンミラー24を回転自在に軸支するスキャナモ
ータ22のベース2を外方に拡張し、このベース2に装
着した一個のハウジング4に半導体レーザ発振器7やコ
リメータレンズ10や補正レンズ28等の光学部品を装
着し、このように各種の光学部品を装着したハウジング
4の外面に、補正レンズ28の透過光路を感光ドラム3
9の被走査面に偏向する第一・第二の外部反射ミラー3
1,33を装着している。
【0045】このようにすることで、この光走査装置1
では、詳細には後述するように、光出射ユニット5やシ
リンドリカルレンズ14や平凸レンズ15などを組付け
たハウジング4をスキャナモータ22のベース2に装着
しない状態で、ポリゴンミラー24の反射面25の位置
に二次元エリアセンサ(図示せず)を配置するなどして
光出射ユニット5の一次元調整やシリンドリカルレンズ
14の位置調整などを行うことができる。さらに、スキ
ャナモータ22のベース2に装着したハウジング4の前
面に外部フレーム29を装着しない状態で、補正レンズ
28の焦点位置にビーム径評価装置(図示せず)などを
配置して主走査光のビーム径を評価することで、光出射
ユニット5の一次元調整などを行うこともできるので、
この光走査装置1は、良好な生産性で光学部品を高精度
に配置して光学特性の向上に寄与することができる。
【0046】さらに、この光走査装置1では、第二の外
部反射ミラー33を両端の円筒部材34で副走査方向に
回動自在に支持して接着等で位置決め保持している。
【0047】このようにすることで、この光走査装置1
では、例えば、製造誤差や経年変化等のために電子写真
装置に組込んだ光走査装置1と感光ドラム39との相対
位置に誤差が発生しても、第二の外部反射ミラー33の
位置調整で光走査装置1の主走査光を感光ドラム39の
被走査面に適正に照射することができる。このようにす
ることで、大形で移動が困難な光走査装置1と感光ドラ
ム39との位置を調節することなく簡易な作業で光学系
を良好に調整することができるので、この光走査装置1
は、電子写真装置の印刷品質や生産性の向上に寄与する
ことができる。
【0048】なお、この光走査装置1では、補正レンズ
28の光入射面40の形状中心を副走査方向に変位量△
だけ変位させることで、この補正レンズ28のコマ収差
によるスポット形状の変形や、補正レンズ28の内部反
射による迷光などの影響を軽減し、その画像品質の向上
に寄与するようになっている。そこで、このような光走
査装置1に関して、本出願人が具体的なパラメータを設
定したシミュレーションで各種の光学特性を算定したと
ころ、これは何れも極めて良好であることが確認でき
た。
【0049】また、この光走査装置1に関して、本出願
人が補正レンズ28の二度の内部反射で光出射面42か
ら出射する迷光の光学特性を調査したところ、これは本
来の走査光に比較して副走査方向の変位が大きいことを
確認できた。つまり、この光走査装置1では、上述のよ
うな迷光を本来の走査光に対して副走査方向に大きく変
位した位置に出射できるので、これが感光ドラム39に
入射しないように対策を施すことが極めて簡易であり、
迷光によるノイズ成分を低減して画像品質の向上に寄与
することができる。
【0050】ここで、この光走査装置1の光学系の調整
方法の具体例を組立工程と共に以下に詳述する。まず、
基板6に実装した半導体レーザ発振器7を金属製のヒー
トシンク8に固定し、コリメータレンズ10をコリメー
タ鏡筒9に固定し、このコリメータ鏡筒9にヒートシン
ク8をスライド自在に装着して光出射ユニット5を仮組
する。そこで、この光出射ユニット5のコリメータレン
ズ10と半導体レーザ発振器7との芯出し調整をオート
コリメータ(図示せず)で行い、コリメータ鏡筒9とヒ
ートシンク8とを接着等で固定して光出射ユニット5の
組立てを完成する。
【0051】つぎに、上述のようにして形成した光出射
ユニット5をハウジング4にスライド自在に仮組し、予
めシリンドリカルレンズ14や平凸レンズ15や折返し
ミラー16を装着した内部フレーム13をハウジング4
にネジ18で組付ける。そして、この状態でポリゴンミ
ラー24の反射面25の位置に二次元エリアセンサを配
置し、光出射ユニット5の一次元調整やシリンドリカル
レンズ14の副走査方向の位置調整などを概略的に行
う。
【0052】上述のような調整の終了後にハウジング4
から二次元エリアセンサを取外し、予めポリゴンミラー
24やスキャナモータ22を組付けたベース2にハウジ
ング4をネジ3で固定し、このハウジング4に補正レン
ズ28をネジ27で組付ける。この時、ハウジング4の
前面に外部フレーム29は装着していないので、補正レ
ンズ28の焦点位置にビーム径評価装置を配置し、この
ビーム径評価装置でビーム径を評価しながら光出射ユニ
ット5の一次元調整を高精度に行う。
【0053】上述のようにして一次元調整を完了した光
出射ユニット5をハウジング4に固定し、このハウジン
グ4に予め第一・第二の外部反射ミラー31,33を装
着した外部フレーム29をネジ38で固定する。そこ
で、この状態で外部フレーム29に仮止めした反射ミラ
ー36の角度を調節して書出し位置検知用光センサ37
の入射光路を調整し、この調整の完了後に反射ミラー3
6を接着等で外部フレーム29に固定する。
【0054】上述のようにして組立てた光走査装置1を
電子写真装置の装置本体(図示せず)に組付けてマイナ
スドライバで円筒部材34を回動操作し、第二の外部反
射ミラー33の角度調整で走査光を感光ドラム39の所
定位置に照射できるようにしてから円筒部材34を接着
等で外部フレーム29に固定する。
【0055】なお、この光走査装置1では、上述のよう
な光学特性の補正レンズ28をポリゴンミラー24に極
めて近接した位置に配置することで、補正レンズ28を
主走査方向などに短縮できるので、装置全体の小形軽量
化にも寄与することができるようになっている。
【0056】また、本実施例の光走査装置1では、補正
レンズ28を透過した走査光を二個の第一・第二の外部
反射ミラー31,33で感光ドラム39に偏向すること
を例示したが、本発明は上記実施例に限定するものでは
なく、補正レンズ28を透過した走査光を一個の外部反
射ミラー(図示せず)で感光ドラム39に偏向すること
も可能である。
【0057】つぎに、本発明の第二の実施例を図6ない
し図13に基づいて以下に説明する。なお、この第二の
実施例で例示する光走査装置44に関し、第一の実施例
として上述した光走査装置1と同一の部分は、同一の名
称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
【0058】まず、この光走査装置44では、図6ない
し図7に例示するように、ベース2上にハウジング4を
装着し、この上部に光出射ユニット5を装着している。
この光出射ユニット5は、基板6に実装した半導体レー
ザ発振器7をヒートシンク8に固定し、このヒートシン
ク8に装着したコリメータ鏡筒9にコリメータレンズ1
0を固定した構造となっている。
【0059】この光走査装置44では、内部フレーム1
3の下部にシリンドリカルレンズ14と結像レンズであ
る平凸レンズ15と折返しミラー16とを固定し、内部
フレーム13をハウジング4の上部下面に装着すること
で、光出射ユニット5の光軸上にシリンドリカルレンズ
14と平凸レンズ15と折返しミラー16とを順次配置
している。
【0060】この光走査装置44では、詳細には後述す
る組立工程で開示するように、シリンドリカルレンズ1
4をレンズ支持機構である平板状のシリンドリカルレン
ズプレート45に固定し、このシリンドリカルレンズプ
レート45を内部フレーム13にスライド自在に装着し
て固定している。なお、前記シリンドリカルレンズプレ
ート45は、矩形の開口穴46を形成することで、レー
ザ光のビーム形状を成形するアパーチャを兼用してい
る。そして、この光走査装置44のハウジング4には、
前記シリンドリカルレンズプレート45に上方から連通
する位置に矩形の開口穴47を形成している。
【0061】さらに、この光走査装置44では、ハウジ
ング4を装着したベース2を一部としてスキャナモータ
22を形成し、このスキャナモータ22の回転軸23で
ポリゴンミラー24を回転自在に軸支している。また、
このポリゴンミラー24は、四つの反射面25の各々が
断面形状が楕円形となる楕円筒面となっている。シリン
ドリカルレンズ14は、入射するビーム光をポリゴンミ
ラー24の反射面25より後方の仮想収束点上に収束
し、平凸レンズ15は副走査方向のみ反射面25に収束
するようになっている。そこで、ハウジング4の前面の
貫通孔26に補正レンズ28を装着することで、図6に
例示するように、この補正レンズ28をポリゴンミラー
24の走査光路上に配置している。
【0062】この光走査装置44では、図6ないし図7
に例示したように、外部フレーム29の前面両側の開口
凹部30に第一の外部反射ミラー31を装着し、外部フ
レーム29の下部の貫通孔32に第二の外部反射ミラー
33を円筒部材34で回動自在に装着して接着等で固定
している。また、外部フレーム29には、第一の外部反
射ミラー31の一方の側方に小形の反射ミラー36を固
定し、この反射ミラー36と対向する第一の外部反射ミ
ラー31の他方の側方には書出し位置検知用光センサ3
7を装着している。
【0063】この光走査装置44では、外部フレーム2
9をハウジング4の前面に装着することで、ポリゴンミ
ラー24の反射光路上に補正レンズ28を介して第一の
外部反射ミラー31等が位置し、この第一の外部反射ミ
ラー31の反射光路上に第二の外部反射ミラー33を介
して感光ドラム39の被走査面が位置している。
【0064】このような構成において、この光走査装置
44では、半導体レーザ発振器7が出射するレーザ光を
コリメータレンズ10で平行光束化してからシリンドリ
カルレンズ14や平凸レンズ15で収束して回転するポ
リゴンミラー24の反射面25で主走査方向に偏向走査
し、この主走査光を補正レンズ28で光学補正して回転
する感光ドラム39の副走査移動する被走査面に入射さ
せる。
【0065】このようにすることで、この感光ドラム3
9の被走査面には、光走査による主走査線を副走査方向
に順次形成するので、例えば、この感光ドラム39の被
走査面に帯電器や現像器を対向配置し、帯電器の放電で
帯電した感光ドラム39の被走査面に光走査で静電潜像
を形成し、この静電潜像を現像器から供給するトナーで
現像して記録媒体に転写することで、電子写真法による
画像形成を実行することができる。なお、この光走査装
置44では、ポリゴンミラー24の走査光を反射ミラー
36で反射して書出し位置検知用光センサ37で受光す
ることで、この書出し位置検知用光センサ37の検知タ
イミングに従って上述のような画像形成を行うようにな
っている。
【0066】この光走査装置44では、従来例で前述し
たように、面倒れ補正などを実現するためにシリンドリ
カルレンズ14でレーザ光をポリゴンミラー24の反射
面25上に副走査方向で結像する必要があるが、これを
半導体レーザ発振器7の非点収差やコリメータレンズ1
0の光学特性などの部品格差が阻害することになる。そ
こで、このような部品格差による光学誤差が発生した場
合、この光走査装置44では、シリンドリカルレンズ1
4を固定したシリンドリカルレンズプレート45を光軸
と直交する平面上で副走査方向に変位させて位置調整す
ることで、シリンドリカルレンズ14を上下移動させて
補正レンズ28の入射面にレーザ光が入射する位置を変
更し、その球面収差により副走査方向の焦点位置を可変
することができる。
【0067】このようにすることで、この光走査装置4
4のシリンドリカルレンズプレート45は、単純な平板
状でシリンドリカルレンズ14を平坦な光出射面で装着
しているので、その構造が極めて簡易で光走査装置44
の生産性の向上に寄与することができる。さらに、この
光走査装置44のシリンドリカルレンズプレート45
は、全体が平板状で平面方向とスライド方向とが一致し
ているので、スライドする部分を光軸方向に長く形成す
る必要がなく、その前後に平凸レンズ15や折返しミラ
ー16などを近接配置することができるので、光走査装
置44の小形軽量化にも寄与することができる。
【0068】なお、この光走査装置44では、上述のよ
うにレーザ光をポリゴンミラー24の反射面25上に結
像するシリンドリカルレンズ14を副走査方向にスライ
ドさせるようになっているので、このスライド移動によ
って光路が副走査方向に変位する懸念がある。しかし、
この光走査装置44では、最終的に走査光を感光ドラム
39に偏向する第二の外部反射ミラー33が副走査方向
に回動自在となっているので、この第二の外部反射ミラ
ー33の回動でシリンドリカルレンズ14のスライド移
動による光路の副走査方向の変動を容易に補正できるよ
うになっている。
【0069】この光走査装置44の光学系の調整方法の
具体例を組立工程と共に以下に説明する。まず、予め組
立てた光出射ユニット5をハウジング4にスライド自在
に仮組し、予め平凸レンズ15や折返しミラー16を装
着した内部フレーム13をハウジング4にネジ18で組
付ける。そして、図8に例示するように、シリンドリカ
ルレンズ14を予め固定したシリンドリカルレンズプレ
ート45を内部フレーム13の凹部48に装着し、この
内部フレーム13の凸部49を半田ゴテ(図示せず)な
どによる加熱で溶融させてシリンドリカルレンズプレー
ト45の両側部を保持させる。そこで、この内部フレー
ム13が冷却するとシリンドリカルレンズプレート45
は副走査方向にスライド自在となるので、この状態でハ
ウジング4の開口穴47に挿入した治具50でシリンド
リカルレンズプレート45と共にシリンドリカルレンズ
14の位置を調整する。
【0070】なお、この光走査装置44では、内部フレ
ーム13の凹部48の内幅をシリンドリカルレンズプレ
ート45の外幅と同等にすることで、スライド移動する
シリンドリカルレンズプレート45の回動を防止するよ
うになっている。このように傾斜することなくスライド
するシリンドリカルレンズプレート45は、治具50一
個の凸部51が嵌合する一つの開口穴52を上部に形成
している。
【0071】この時、実際にはポリゴンミラー24の反
射面25の位置に二次元エリアセンサ(図示せず)を配
置し、この二次元エリアセンサを利用してシリンドリカ
ルレンズ14の副走査方向の位置を治具50で調整す
る。そこで、このシリンドリカルレンズ14の位置調整
の完了後にシリンドリカルレンズプレート45を内部フ
レーム13に接着で固定し、さらに、二次元エリアセン
サを利用して光出射ユニット5の一次元調整も概略的に
実施する。
【0072】上述のような調整の終了後にハウジング4
から二次元エリアセンサを取外し、予めポリゴンミラー
24やスキャナモータ22を組付けたベース2にハウジ
ング4を固定し、このハウジング4に補正レンズ28を
組付ける。この時、ハウジング4の前面に外部フレーム
29は装着していないので、補正レンズ28の焦点位置
にビーム径評価装置を配置し、このビーム径評価装置で
ビーム径を評価しながら光出射ユニット5の一次元調整
を高精度に行う。
【0073】上述のようにして一次元調整を完了した光
出射ユニット5をハウジング4に固定し、このハウジン
グ4に予め第一・第二の外部反射ミラー31,33を装
着した外部フレーム29を固定する。そこで、この状態
で外部フレーム29に仮止めした反射ミラー36の角度
を調節して書出し位置検知用光センサ37の入射光路を
調整し、この調整の完了後に反射ミラー36を接着等で
外部フレーム29に固定する。
【0074】上述のようにして組立てた光走査装置44
を電子写真装置の装置本体(図示せず)に組付けてマイ
ナスドライバで円筒部材34を回動操作し、第二の外部
反射ミラー33の角度調整で走査光を感光ドラム39の
所定位置に照射できるようにしてから円筒部材34を接
着等で外部フレーム29に固定することになる。
【0075】なお、この光走査装置44では、ハウジン
グ4を平面面積がスキャナモータ22と同等になるほど
小形化しているので、このハウジング4は製造誤差や経
年変化や温度伸縮などによる変形が微小である。この光
走査装置44では、ハウジング4に装着した半導体レー
ザ発振器7やポリゴンミラー24や補正レンズ28など
の光学部品の相対位置が高精度なので、その光学特性が
極めて良好である。
【0076】また、この光走査装置44では、上述のよ
うにポリゴンミラー24を回転自在に軸支するスキャナ
モータ22のベース2を外方に拡張し、このベース2に
装着した一個のハウジング4に半導体レーザ発振器7や
コリメータレンズ10や補正レンズ28等の光学部品を
装着し、このように各種の光学部品を装着したハウジン
グ4の外面に、補正レンズ28の透過光路を感光ドラム
39の被走査面に偏向する第一・第二の外部反射ミラー
31,33を装着している。
【0077】このようにすることで、この光走査装置4
4では、前述のように組立工程において二次元エリアセ
ンサやビーム径評価装置などを所定位置に配置して光学
調整を高精度に実施することができるので、良好な生産
性で光学特性の向上に寄与することができる。
【0078】また、この光走査装置44では、第二の外
部反射ミラー33を両端の円筒部材34で副走査方向に
回動自在に支持して接着等で位置決め保持しているの
で、例えば、製造誤差や経年変化等のために電子写真装
置に組込んだ光走査装置44と感光ドラム39との相対
位置に誤差が発生しても、第二の外部反射ミラー33の
位置調整で光走査装置44の主走査光を感光ドラム39
の被走査面に適正に照射することができる。
【0079】なお、この光走査装置44では、補正レン
ズ28の光入射面40の形状中心を副走査方向に変位量
△だけ変位させることで、この補正レンズ28のコマ収
差によるスポット形状の変形や、補正レンズ28の内部
反射による迷光などの影響を軽減し、その画像品質の向
上に寄与するようになっている。このような光走査装置
44に関して、本出願人が具体的なパラメータを設定し
たシミュレーションで各種の光学特性を算定したとこ
ろ、これは何れも極めて良好であることを確認できた。
【0080】また、この光走査装置44に関して、本出
願人が補正レンズ28の二度の内部反射で光出射面42
から出射する迷光の光学特性を調査したところ、これは
本来の走査光に比較して副走査方向の変位が大きいこと
を確認できた。つまり、この光走査装置44では、上述
のような迷光を本来の走査光に対して副走査方向に大き
く変位した位置に出射できるので、これが感光ドラム3
9に入射しないように対策を施すことが極めて容易であ
り、迷光によるノイズ成分を低減して画像品質の向上に
寄与することができる。
【0081】本出願人が実際に設計した光走査装置44
の諸元とシミュレーションで検出した光学特性とを以下
に例示して説明する。まず、この光走査装置44の全体
的な諸元を、 有効走査長 220(mm) 使用波長 780(nm) ポリゴンミラー24の回転中心から感光ドラム39の外周面に至る光路長 173.53(mm) と設定した。
【0082】つぎに、ポリゴンミラー24の諸元を、 内接円半径 14.0(mm) 反射面形状 長軸が主走査方向に平行な楕円筒面 長軸91.0(mm) 短軸68.838(mm) と設定した。
【0083】つぎに、補正レンズ28の諸元を、 屈折率 1.48609 中心厚 5.0(mm) その光入射面40の頂点とポリゴンミラー24の回転中
心との距離 38.2(mm) 変位量△ 1.434(mm) 中心半径 12.137(mm) 光入射面40の二次係数α2 7.361×10~3 光入射面40の四次係数α4 6.732×10~7 光入射面40の六次係数α6 −6.848×10 ̄10 光入射面40の八次係数α 4.383×10~13 光出射面42の二次係数β2 8.121×10~3 光出射面42の四次係数β4 1.410×10~6 光出射面42の六次係数β6 −4.243×10~10 光出射面42の八次係数β8 4.044×10~14 と設定した。
【0084】つぎに、平凸レンズ15の諸元を、 と設定した。
【0085】そして、シリンドリカルレンズ14の諸元
を、 と設定した。
【0086】なお、本出願人が上述のように設計した光
走査装置44は、平凸レンズ15とシリンドリカルレン
ズ14との距離が 4.2(mm)と極めて小さいが、これは前
述のようにシリンドリカルレンズ14を副走査方向に変
位させるシリンドリカルレンズプレート45が光軸方向
に扁平であることに起因している。
【0087】上述のような光走査装置44の設計値に基
づいてシミュレーションで検出した光学特性として、こ
こでは主走査方向と副走査方向との像面湾曲の特性曲線
を図9ないし図13に例示して以下に説明する。
【0088】なお、ここで図9ないし図13に例示する
特性図は、(a)が主走査方向の像面湾曲で、(b)が
副走査方向の像面湾曲となっている。また、これらの特
性図は、縦軸は被走査面での走査中心からの距離を意味
してA4判の有効走査長の半分に相当する 110(mm)とな
っており、横軸は像面湾曲の発生量を意味して負方向が
補正レンズ28に近接する方向となっている。さらに、
これらの特性図では、各方向の像面湾曲を実線で例示
し、破線で逆方向の微分光線による像面の評価結果を例
示している。
【0089】前述のような光走査装置44の設計値に基
づいてシミュレーションで像面湾曲を検出したところ、
図9(a)に例示するように、主走査方向の最大値が
1.8(mm)程度で、同図(b)に例示するように、副走査
方向の最大値が 0.8(mm)程度となり、その光学特性が極
めて良好であることが判明した。
【0090】つぎに、補正レンズ28を副走査方向に
0.1(mm)だけ変位させた状態の像面湾曲を検出したとこ
ろ、図9に例示した設計値に対する変化は、図10
(a)に例示するように、主走査方向では微小である
が、同図(b)に例示するように、副走査方向では実線
が 3.1(mm)で破線が 5.0(mm)となった。これは光走査装
置44で主走査線を形成した場合、副走査方向に像面湾
曲が多大に発生することを意味する。
【0091】上述のような状態でシリンドリカルレンズ
14を副走査方向に 0.1(mm)だけ変位させた状態の像面
湾曲を検出したところ、図11(a),(b)に例示する
ように、各方向とも図9に例示した設計値に近似した結
果となることが判明した。これは補正レンズ28の組立
誤差などで発生する光学収差をシリンドリカルレンズ1
4の位置調整で補正できることを意味する。
【0092】つぎに、ポリゴンミラー24の反射面25
に 0.1°だけ面倒れが発生した状態の像面湾曲を検出し
たところ、図9に例示した設計値に対する変化は、図1
2(a)に例示するように、主走査方向では微小である
が、同図(b)に例示するように、副走査方向では多大
に発生した。
【0093】上述のような状態でシリンドリカルレンズ
14を副走査方向に 0.1(mm)だけ変位させた状態の像面
湾曲を検出したところ、図13(a),(b)に例示する
ように、各方向とも図9に例示した設計値に近似した結
果となることが判明した。これはポリゴンミラー24の
反射面25の面倒れで発生する光学収差もシリンドリカ
ルレンズ14の位置調整で補正できることを意味する。
【0094】なお、本実施例の光走査装置44では、図
8に例示したように、シリンドリカルレンズプレート4
5の外幅を内部フレーム13の凹部48の内幅と同等に
してスライド移動するシリンドリカルレンズ14の回動
を防止し、治具50一個の凸部51が嵌合する一つの開
口穴52をシリンドリカルレンズプレート45の上部に
形成することを例示した。しかし、本発明は上記実施例
に限定するものではなく、図14に例示するように、内
部フレーム13の凹部48の内幅よりシリンドリカルレ
ンズプレート53の外幅を小形にしてシリンドリカルレ
ンズ14をスライド自在で微小に回動自在とし、治具5
4の二個の凸部55が嵌合する二つの開口穴56をシリ
ンドリカルレンズプレート53の上部に形成することも
可能である。
【0095】このようにすることで、シリンドリカルレ
ンズ14を副走査方向にスライド移動させて位置調整す
る際に、その光軸中心の回動角度も調整することができ
るので、より良好な光学特性を得ることができる。な
お、このような場合には、内部フレーム13の凹部48
を省略することも可能である。
【0096】さらに、図8に例示したように、シリンド
リカルレンズ14を予め固定したシリンドリカルレンズ
プレート45が内部フレーム13の凹部48に精緻に嵌
合してスライド移動する光走査装置44において、シリ
ンドリカルレンズプレート45にシリンドリカルレンズ
14を固定する際に、その光軸中心の回動角度を調整し
ておくことも可能である。
【0097】なお、本発明で云う上下などの方向は、説
明を簡略化するために便宜的に定義するものであり、こ
れは実際の装置の設置や使用の方向を限定するものでは
ない。
【0098】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、ポリゴンミラー
をスキャナモータで回転自在に軸支し、このポリゴンミ
ラーを包囲するハウジングに、前記ポリゴンミラーの回
転軸を含む平面内に前記半導体レーザ発振器と前記コリ
メータレンズと折返しミラーと前記補正レンズとの各々
の光軸中心を位置させて装着し、かつ、前記スキャナモ
ータの上面より上方に前記半導体レーザ発振器と前記コ
リメータレンズと前記シリンドリカルレンズとを配置し
たことにより、ポリゴンミラーの主走査光路に半導体レ
ーザ発振器などが干渉することなく光学系を主走査光路
の中心軸に対して左右対称に形成することができるの
で、小形軽量で光学特性と生産性とが共に良好な光走査
装置を得ることができる等の効果を有するものである。
【0099】請求項2記載の発明は、ポリゴンミラーを
駆動モータで回転自在に軸支し、この駆動モータのベー
スに装着してポリゴンミラーを包囲するハウジングに半
導体レーザ発振器とコリメータレンズとシリンドリカル
レンズと折返しミラーと補正レンズとを装着し、この補
正レンズの透過光路を被走査面に偏向する少なくとも一
個の外部反射ミラーをハウジングの外面に装着する外部
フレームに装着したことにより、各種部品を組付けたハ
ウジングをベースに装着しない状態や、このベースに装
着したハウジングに外部フレームを装着しない状態など
で、測定機器をハウジングの内部や外部に配置して光学
系の調整作業を簡易かつ高精度に行うことができるの
で、光学特性と生産性とが共に良好な光走査装置を得る
ことができる等の効果を有するものである。
【0100】請求項3記載の発明は、被走査面に直接的
に対向する一個の外部反射ミラーを変位自在に支持して
位置決め保持するミラー調整機構を外部フレームに設け
たことにより、例えば、電子写真装置に組込んだ光走査
装置と被走査面との相対位置の誤差を外部反射ミラーの
位置調整で簡易に補正することができるので、光学特性
と生産性とが共に良好な光走査装置を得ることができる
等の効果を有するものである。
【0101】請求項4記載の発明は、シリンドリカルレ
ンズを光軸と直交する平面上で移動自在に支持して位置
決めするレンズ支持機構を設けたことにより、このレン
ズ支持機構をシリンドリカルレンズの光軸方向に扁平に
形成してコリメータレンズや結像レンズなどを近接配置
することができるので、光学特性と生産性とが共に良好
な光走査装置を得ることができる等の効果を有するもの
である。
【0102】請求項5記載の発明は、レンズ支持機構に
連通する開口穴をハウジングに形成したことにより、こ
のハウジングの開口穴からレンズ支持機構を操作してシ
リンドリカルレンズを位置調整することができるので、
光学特性と生産性とが共に良好な光走査装置を得ること
ができる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の光走査装置の内部構造
を示す縦断側面図である。
【図2】光走査装置のハウジングを一部破断した状態を
示す横断平面図である。
【図3】光走査装置の要部の組立構造を示す分解斜視図
である。
【図4】補正レンズの形状を示す縦断側面図である。
【図5】補正レンズの形状を示し、(a)は平面図、
(b)は縦断側面図である。
【図6】本発明の第二の実施例の光走査装置の内部構造
を示す縦断側面図である。
【図7】光走査装置の要部の組立構造を示す分解斜視図
である。
【図8】レンズ支持機構であるシリンドリカルレンズプ
レートを内部フレームに装着する状態を示す分解斜視図
である。
【図9】光走査装置の設計値における像面湾曲を示し、
(a)は主走査方向の像面湾曲を示す特性図、(b)は
副走査方向の像面湾曲を示す特性図である。
【図10】補正レンズが副走査方向に変位した場合の像
面湾曲を示し、(a)は主走査方向の像面湾曲を示す特
性図、(b)は副走査方向の像面湾曲を示す特性図であ
る。
【図11】補正レンズが副走査方向に変位した状態でシ
リンドリカルレンズを位置調整した場合の像面湾曲を示
し、(a)は主走査方向の像面湾曲を示す特性図、
(b)は副走査方向の像面湾曲を示す特性図である。
【図12】ポリゴンミラーに面倒れが発生した場合の像
面湾曲を示し、(a)は主走査方向の像面湾曲を示す特
性図、(b)は副走査方向の像面湾曲を示す特性図であ
る。
【図13】ポリゴンミラーに面倒れが発生した状態でシ
リンドリカルレンズを位置調整した場合の像面湾曲を示
し、(a)は主走査方向の像面湾曲を示す特性図、
(b)は副走査方向の像面湾曲を示す特性図である。
【図14】レンズ支持機構であるシリンドリカルレンズ
プレートなどの変形例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,44 光走査装置 2 ベース 4 ハウジング 7 半導体レーザ発振器 10 コリメータレンズ 14 シリンドリカルレンズ 15 結像レンズ 16 折返しミラー 22 スキャナモータ 24 ポリゴンミラー 25 反射面 28 補正レンズ 29 外部フレーム 31,33 外部反射ミラー 34 ミラー調整機構 45,53 レンズ支持機構 47 開口孔

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ発振器の出射光路上に少な
    くともコリメータレンズと結像レンズとシリンドリカル
    レンズとを介して回転自在なポリゴンミラーの反射面を
    位置させ、このポリゴンミラーの主走査光路上に少なく
    とも補正レンズを介して副走査方向に移動自在な被走査
    面を位置させた光走査装置において、前記ポリゴンミラ
    ーをスキャナモータで回転自在に軸支し、このポリゴン
    ミラーを包囲するハウジングに、前記ポリゴンミラーの
    回転軸を含む平面内に前記半導体レーザ発振器と前記コ
    リメータレンズと折返しミラーと前記補正レンズとの各
    々の光軸中心を位置させて装着し、かつ、前記スキャナ
    モータの上面より上方に前記半導体レーザ発振器と前記
    コリメータレンズと前記シリンドリカルレンズとを配置
    したことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 ポリゴンミラーを駆動モータで回転自在
    に軸支し、この駆動モータのベースに装着して前記ポリ
    ゴンミラーを包囲するハウジングに半導体レーザ発振器
    とコリメータレンズとシリンドリカルレンズと折返しミ
    ラーと補正レンズとを装着し、この補正レンズの透過光
    路を被走査面に偏向する少なくとも一個の外部反射ミラ
    ーを前記ハウジングの外面に装着する外部フレームに装
    着したことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 被走査面に直接的に対向する一個の外部
    反射ミラーを変位自在に支持して位置決め保持するミラ
    ー調整機構を外部フレームに設けたことを特徴とする請
    求項2記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 シリンドリカルレンズを光軸と直交する
    平面上で移動自在に支持して位置決めするレンズ支持機
    構を設けたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の
    光走査装置。
  5. 【請求項5】 レンズ支持機構に連通する開口穴をハウ
    ジングに形成したことを特徴とする請求項4記載の光走
    査装置。
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