JP2680042B2 - 紡機におけるボビン搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はリング精紡機、リング撚糸機等の紡機におい
て玉揚げされた満ボビンをワインダ工程に搬送し、ワイ
ンダ工程で糸が巻返された後の空ボビンを紡機へ供給す
るための紡機におけるボビン搬送装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 一般に精紡機特にリング精紡機によって生産された糸
は、ワインダにより後工程に適した大きさ、形状のパッ
ケージに巻返される。そして、省力化及び生産性向上を
目的として精紡機とワインダとをボビン搬送路で直結
し、精紡機揚がりの管糸（満ボビン）をワインダへ、ワ
インダで使用された後の空ボビンを精紡機へそれぞれ搬
送供給する精紡ワインダが種々提案されている。精紡ワ
インダとして特開昭60−52475号公報には第11図に示す
ように、並設された複数のワインダ81及び精紡機82の側
方に閉ループをなすメイン搬送路83を設けるとともに、
各ワインダ81及び精紡機82とメイン搬送路83とを選別装
置84,85及び搬送路86a,86b,87a,87bを介して連結した装
置が開示されている。この装置においては、各精紡機82
から玉揚げされた満ボビンは搬送路87b、メイン搬送路8
3上を搬送され、選別装置84、搬送路86aを経てワインダ
81に供給される。又、ワインダ81で糸が巻返された後の
空ボビンは搬送路86b、メイン搬送路83上を搬送され、
選別装置85、搬送路87aを経て各精紡機82に返送され
る。

一方、特開昭62−180881号公報には第12図に示すよう
に、精紡機82群の一端上方位置に精紡機82で玉揚げされ
た満ボビンＦをワインダ工程へ搬送する満ボビン搬送ラ
イン88と、ワインダ工程で使用された後の空ボビンＥを
精紡工程へ搬送する空ボビン搬送ライン89とを上下２段
に天井に架設し、各精紡機82と両搬送ライン88,89とを
移動式の垂直コンベヤ90で連結して精紡機で玉揚げされ
た満ボビンＦを満ボビン搬送ライン88へ送り込み、空ボ
ビン搬送ライン89上の空ボビンＥを精紡機82に供給する
装置が開示されている。

又、特開昭62−180882号公報には、従来の垂直コンベ
ヤでは第13図に示すようにコンベヤフレーム94の下方弯
曲部94aの曲率半径Ｒが小さい場合には満ボビンＦが干
渉するため、曲率半径Ｒをあまり小さくすることができ
ず、コンベヤの設置スペースが大きくなる等の不都合が
あるのでその不都合を解消する目的で、無端状の伝動ベ
ルト91をベルトガイド及びガイドプーリを介して所望の
通路に沿って駆動可能に張設し、ペッグトレイ92の上面
と摺接する２条のガイド93を伝動ベルト91に沿って設
け、伝動ベルト91とガイド93とでペッグトレイ92を弾性
的に挾圧した状態でペッグトレイ92を伝動ベルト91とと
もに移動させるボビン搬送装置が提案されている。この
装置では第14図に示すようにガイド93を伝動ベルト91に
対してねじれた状態に配置することにより、ペッグ92a
に装着された空ボビンＥ又は満ボビンの姿勢を自由に変
更することができる。

［発明が解決しようとする課題］ 前記特開昭60−52475号公報に開示された装置では搬
送路が床上に設置されるため、作業者の通行あるいは自
動機等の走行に支障を来たすという不都合がある。又、
特開昭62−180881号公報に開示された装置では垂直コン
ベヤ90が各精紡機82の左右両側に配設されたボビン搬送
路と対応する位置で停止し、精紡機で玉揚げされた満ボ
ビンＦの搬出を行った後、空ボビン搬送ライン89から空
ボビンＥを精紡機82に供給するため、精紡機と搬送ライ
ン88,89間での満ボビンＦ及び空ボビンＥの搬出、搬入
に時間がかかるという問題がある。又、ワインダ工程と
精紡工程とを連結するための搬送路を天井に架設すると
ともに各紡機機台の左右両端部に搬送路と接続された垂
直コンベヤを設けることも考えられるが、精紡機の左右
両側にそれぞれ独立した垂直コンベヤを配設した場合に
は設備費が高くなるという問題がある。

本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は上面にペッグが突設されたペッグトレイ
を使用して空ボビン及び満ボビンの搬送を行う搬送装置
が機台の長手方向左右両側に延設された紡機の両搬送装
置と、天井に架設されワインダ工程に連なる満ボビン搬
送コンベヤ及び空ボビン搬送コンベヤとを接続して満ボ
ビン及び空ボビンの搬出搬入を紡機の左右両側で同時に
行うことができしかも装置の設備費を安くすることがで
きるボビン搬送装置を提供することにある。又、第２の
目的は紡機機台の左右両側に設けられた搬送装置と前記
ワインダ工程に連なる満ボビン搬送コンベヤ及び空ボビ
ン搬送コンベヤとを接続するボビン搬送装置を各紡機毎
に設ける必要のない紡機におけるボビン搬送装置を提供
することにある。

［課題を解決するための手段］ 前記の目的を達成するため本発明においては、上面に
ペックが突設されたペッグトレイを使用して空ボビン及
び満ボビンの搬送を行う搬送装置を紡機の長手方向左右
両側に延設するとともに、該両側の搬送装置を紡機の一
端で連結して一方向走行を可能とし、ワインダ工程に連
なる満ボビン搬送コンベヤ及び空ボビン搬送コンベヤを
前記紡機の搬送装置に対して天井側に配設し、前記搬送
装置と前記搬送コンベヤとの間でボビンの受渡しを行う
ための無端状のベルト及び該ベルトに沿ったペッグトレ
イのガイド部材を備えたボビン搬送装置を配設し、前記
ベルトを前記左右両側の搬送装置の各端部近傍にそれぞ
れ配設されたガイドプーリに巻掛けるとともに、該ベル
トが前記満ボビン搬送コンベヤに沿った近傍位置と、前
記空ボビン搬送コンベヤに沿った近傍位置とを通過する
ように配置し、満ボビン搬送コンベヤには前記ガイド部
材と対応する箇所に満ボビン導入部を設け、空ボビン搬
送コンベヤにはガイド部材と対応する箇所に空ボビン排
出部を設けるとともに、該排出部にはペッグトレイと係
合可能な作用位置と係合不能な待機位置とに移動されて
ペッグトレイの移動方向を規制する規制部材を設けた。

又、第２請求項に記載の発明では上面にペッグが突設
されたペッグトレイを使用して空ボビン及び満ボビンの
搬送を行う搬送装置を機台の長手方向左右両側に延設す
るとともに、該両側の搬送装置を機台の一端で連結して
一方向走行を可能とした紡機を複数台並設し、ワインダ
工程に連なる満ボビン搬送コンベヤ及び空ボビン搬送コ
ンベヤを前記各紡機の搬送装置に対して天井側に配設す
るとともに、両搬送コンベヤには各紡機機台の端部と対
応する所定位置に満ボビン導入部及び空ボビン排出部を
それぞれ配設し、各紡機機台の一側には機台長手方向と
直交する方向に延びるレールを敷設し、該レール上を移
動する車体に前記各搬送装置と前記搬送コンベヤとの間
でボビンの受渡しを行うための無端状のベルト及び該ベ
ルトに沿ったペッグトレイのガイド部材を備えたボビン
搬送装置を搭載し、前記ベルトを前記左右両側の搬送装
置の各端部近傍にそれぞれ配設されたガイドプーリに巻
掛けるとともに、該ベルトが前記満ボビン搬送コンベヤ
に沿った近傍位置と、前記空ボビン搬送コンベヤに沿っ
た近傍位置とを通過するように配置し、前記両搬送コン
ベヤの満ボビン導入部及び空ボビン排出部と対応可能な
箇所に満ボビン排出部及び空ボビン導入部を配設した。

［作用］ 本発明の装置においては、上面にペッグが突設された
ペッグトレイを使用して空ボビン及び満ボビンの搬送が
行われる。第１請求項に記載の発明では、紡機機台の左
右両側に延設されるとともに、紡機の一端で連結されて
一方向走行を可能とした搬送装置上に玉揚げ後の満ボビ
ンが配置された状態でボビン搬送装置及び紡機機台に装
備された搬送装置が作動される。そして、一方の搬送装
置上の満ボビンが順次ボビン搬送装置のベルト上に移動
され、ガイド部材とベルトに挾持されながら満ボビン搬
送コンベヤの満ボビン導入部へ搬送されて満ボビン搬送
コンベヤ上に受渡される。又、他方の搬送装置上の満ボ
ビンは連結部を経て一方の搬送装置へ送られた後ボビン
搬送装置を経て満ボビン搬送コンベヤへと受渡される。
一方、空ボビン搬送コンベヤ上の空ボビンは作用位置に
配置された規制部材の作用により空ボビン搬送コンベヤ
の空ボビン排出部からボビン搬送装置に受渡され、ボビ
ン搬送装置を経て紡機機台の他方の搬送装置上に順次送
り込まれる。他方の搬送装置上に送り込まれた空ボビン
は連結部を経て一方の搬送装置上に送り込まれる。すな
わち、紡機機台に設けられた搬送装置上からの満ボビン
の搬出と搬送装置上への空ボビンの搬入とが平行して行
われる。

又、第２請求項に記載の発明では紡機機台の左右両側
に延設された搬送装置と、ワインダ工程に連なるボビン
搬送コンベヤとを接続するボビン搬送装置を搭載した車
体が紡機機台の一側に敷設されたレール上を移動して玉
揚げされた満ボビンの搬出及び空ボビンの供給を必要と
する紡機機台と対応する位置で停止する。そして、その
状態でボビン搬送装置及び紡機機台の搬送装置が作動さ
れて前記と同様に搬送装置上の満ボビンの搬出と空ボビ
ン搬送コンベヤ上からの空ボビンの搬入が行われる。

［実施例１］ 以下本発明を具体化いた第１の実施例を第１〜６図に
従って説明する。第２図に示すように複数台平行に設置
された精紡機機台１の長手方向左右両側には搬送装置2
a,2bが精紡機機台１に沿って延設されている。搬送装置
2a,2bは上面にペッグ3aが突設されたペッグトレイ３を
使用して空ボビンＥ及び満ボビンＦの搬送を行うため、
ペッグトレイ３を案内するガイドレール４（第３図
（ａ），（ｂ）に図示）と、前記ペッグトレイ３を搬送
するベルトコンベヤ５とから構成されている。又、両搬
送装置2a,2bは精紡機機台１のギヤエンドGE側において
接続レール６により互いに連結され、一方の搬送装置2a
側へ他方の搬送装置2b側からペッグトレイ３が送り込ま
れるようになっている。又、第1,2図に示すように精紡
機機台１のアウトエンドOE側上方には搬送装置2a,2bの
端部と対応する位置にワインダ工程に連なる満ボビン搬
送コンベヤ７及び空ボビン搬送コンベヤ８が精紡機機台
１の長手方向とほぼ直交する状態で上下に平行に架設さ
れている。両ボビン搬送コンベヤ7,8は第１図に矢印で
示すようにそのボビン搬送方向が互いに逆方向となって
いる。

各精紡機機台１のアウトエンドOE側端部には搬送装置
2a,2bと両ボビン搬送コンベヤ7,8間で満ボビンＦ及び空
ボビンＥの受渡しを行うためのボビン搬送装置９が配設
されている。ボビン搬送装置９はペッグトレイ３を移送
するベルト10の走行経路が、両搬送装置2a,2bの端部と
対応する近傍位置において搬送装置2a,2bとほぼ同一高
さで直交する方向に水平に走行する部分と、両搬送装置
2a,2bの内側において満ボビン搬送コンベヤ７とほぼ同
一高さまで垂直に走行する部分と、満ボビン搬送コンベ
ヤ７に沿った近傍位置をほぼ同一高さで平行に走行する
部分と、空ボビン搬送コンベヤ８に沿った近傍位置をほ
ぼ同一高さで平行に走行する部分と、空ボビン搬送コン
ベヤ８とほぼ同一高さから搬送装置2a,2bと同一高さま
で垂直に走行する部分とを有するように駆動プーリ11と
多数のガイドプーリ12間に巻掛けられ、モータ13により
満ボビン搬送コンベヤ７及び空ボビン搬送コンベヤ８と
平行に走行する部分が両ボビン搬送コンベヤ7,8の搬送
方向と同一方向に走行するように駆動される。

第4,5図に示すように満ボビン搬送コンベヤ７にはベ
ルト10が平行に走行する部分と対応する箇所に満ボビン
導入部14が、空ボビン搬送コンベヤ８にはベルト10が平
行に走行する部分と対応する箇所に空ボビン排出部10が
それぞれ配設されている。前記一方の搬送装置2aの端部
と対応する位置から前記満ボビン搬送コンベヤ７の満ボ
ビン導入部14と対応する位置に至るベルト10の走行経路
に沿って一対の線状のガイド部材16がペッグトレイ３の
ペッグ3aを挾む状態でかつベルト10と共同してペッグト
レイ３を弾性的に挾圧するように配置されている。又、
他方の搬送装置2bの端部と対応する位置から空ボビン搬
送コンベヤ８の空ボビン排出部15と対応する位置に至る
ベルト10の走行経路に沿って一対の線状のガイド部材17
が前記と同様にペッグトレイ３をベルト10と共同して弾
性的に挾圧するように配置されている。

ベルト10を構成する平ベルトは第６図（ａ），（ｂ）
に示すように、低摩擦性の摺接芯帯10aと高摩擦性のゴ
ム層10bとからなり、摺接芯帯10aの一端がゴム層10bか
ら突出する状態に積層構成されており、ペッグトレイ３
はその底面がベルト10のゴム層10bに圧接された状態で
ベルト10とともに移動する。ベルト10が垂直方向に走行
する箇所ではペッグトレイ３は摺接芯帯10aと反対側に
おいてベルト10のゴム層10bに接触した状態で移動し、
同箇所には所定間隔でベルト10の両面を挾んだ状態で案
内するガイド片18が所定間隔で配置されるとともに、摺
接芯帯10aに接触してベルト10をその幅方向すなわちガ
イド部材16,17方向へ押圧付勢する板ばね19が所定間隔
で配設されている。板ばね19は直接摺接芯帯10aに接触
するのではなく、セラミックスなどの耐摩耗性部材で形
成された接触部19aにおいて摺接芯帯10aと接触するよう
になっている。なお、板ばね19による押圧付勢方向はベ
ルト10の幅方向であるが、ガイドプーリ12の幅がベルト
10の幅より大きく形成されているので、ベルト10がガイ
ドプーリ12から外れるおそれはない。

ガイド部材16,17の搬送装置2a,2bと対応する側の端部
は第３図（ａ），（ｂ）に示すようにそれぞれ搬送装置
2a,2bのガイドレール４の上方まで延出形成され、搬送
装置2a,2bとボビン搬送装置９間でのペッグトレイ３の
授受が円滑に行われるようになっている。又、第４図に
示すように満ボビン導入部14と対応する箇所では、満ボ
ビン搬送コンベヤ７のガイドレール7aはボビン搬送装置
９と対応する側がベルト10上から満ボビン搬送コンベヤ
７内へペッグトレイ３が進入可能にかつ満ボビン搬送コ
ンベヤ７の上面より若干高くなるように切り欠かれてい
る。満ボビン導入部14と対応する位置ではベルト10はそ
の上面が満ボビン搬送コンベヤ７の上面より若干高くな
るように配置され、ベルト10上から満ボビン搬送コンベ
ヤ７上へのペッグトレイ３の移動が円滑に行われ、満ボ
ビン搬送コンベヤ７上のペッグトレイ３が満ボビン導入
部14から外側へ移動するのを防止している。一方、第５
図（ａ），（ｂ）に示すように空ボビン搬送コンベヤ８
は空ボビン排出部15と対応する位置において、ガイドレ
ール8aのボビン搬送装置９と対応する側が切り欠かれて
側方に開放されている。切欠部と対応する位置には規制
片20が上下に摺動可能に取付けられ、ガイドレール8aに
固定された板ばね21にその下端が当接した状態で常には
第５図（ｂ）に鎖線で示す位置に配置されてペッグトレ
イ３が切欠部から外側へ移動するのを防止している。切
欠部と対応する箇所のガイドレール8a上にはロータリソ
レノイド22が固定され、その駆動軸には空ボビン搬送コ
ンベヤ８の移動方向と交差する面内において回動され、
ペッグトレイ３の外周面と係合可能な作用位置と係合不
能な待機位置とに移動されてペッグトレイ３の移動方向
を規制する規制部材23が嵌着固定され、第５図（ｂ）に
実線で示す作用位置に配置された際には前記規制片20を
下方へ押し下げるように形成されている。

次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
さて、精紡機機台１が満管停止し、予め搬送装置2a,2b
上に準備されたペッグトレイ３上の空ボビンＥとスピン
ドル上の満ボビンＦとが管替装置（図示せず）により交
換される管替作業が完了すると、満ボビンＦの搬出及び
空ボビンＥの搬入が可能な状態となる。そして、この状
態で搬送装置2a,2b及びボビン搬送装置９が作動されて
精紡機機台１からの満ボビンＦの搬出及び空ボビンＥの
搬入作業が開始される。ボビン搬送装置９の作動に先立
ってまずロータリソレノイド22が作動されて規制部材23
が空ボビン搬送コンベヤ８上のペッグトレイ３と係合可
能な作用位置に配置される。これにより規制片20が第５
図（ｂ）に実線で示す作用位置に配置されるとともに、
規制部材23により空ボビン搬送コンベヤ８上を移動する
ペッグトレイ３の移動方向が規制部材23により規制され
て空ボビン排出部15からボビン搬送装置９側へ排出され
るようになる。一方の搬送装置2aはペッグトレイ３をア
ウトエンドOE側へ搬送する方向に駆動され、他方の搬送
装置2bはペッグトレイ３をギヤエンドGE側へ搬送する方
向に駆動される。従って、他方の搬送装置2b上のペッグ
トレイ３は接続レール６を経て一方の搬送装置2a上へと
送り込まれる。搬送装置2a上の満ボビンＦが装着された
ペッグトレイ３はガイド部材16に案内されて順次ボビン
搬送装置９のベルト10上へ移行され、ガイド部材16の作
用によりその姿勢が垂直状態からほぼ水平状態へと変更
され、ベルト10が垂直方向に走行する位置では満ボビン
Ｆが水平に保持された状態で移動し、ベルト10が満ボビ
ン搬送コンベヤ７と平行に走行する部分では再び満ボビ
ンＦが垂直状態となるようにその姿勢が変更される。ガ
イド部材16の端部が第４図に示すように満ボビン搬送コ
ンベヤ７の上方まで延出形成されているので、ベルト10
とともに満ボビン搬送コンベヤ７と平行に移動していた
ペッグトレイ３は満ボビン導入部14と対応する位置でそ
の移動方向が変更されて満ボビン搬送コンベヤ７上へ円
滑に受渡される。

一方、空ボビン搬送コンベヤ８上を移動するペッグト
レイ３は空ボビン排出部15において規制部材23によりそ
の移動方向が規制されてボビン搬送装置９のベルト10上
へと移行される。空ボビンＥの姿勢が垂直状態でベルト
10上に移行されたペッグトレイ３はガイド部材17の作用
によりその姿勢が水平状態に変更され、ベルト10が垂直
方向に走行する位置をベルト10とともに移動した後、搬
送装置2bと対応する位置に到達する前にガイド部材17の
作用により再び空ボビンＥの姿勢が垂直状態となるよう
に姿勢が変更されて搬送装置2b上へと送り込まれる。

空ボビン排出部15には空ボビン搬送コンベヤ８からボ
ビン搬送装置９へと送り込まれる空ボビンＥの数を検知
するセンサ（図示せず）が配設され、該センサの検知信
号に基づいてカウントされた空ボビンＥの数が所定の本
数に達した時点でロータリソレノイド22が作動されて規
制部材23がペッグトレイ３と係合不能な待機位置に移動
される。これにより規制片20が第５図（ｂ）に鎖線で示
す位置に復帰し、空ボビン搬送コンベヤ８の外側へのペ
ッグトレイ３の移動が規制されてボビン搬送装置９には
必要本数以上の空ボビンＥが送り込まれることはない。
又、ボビン搬送装置９を経て搬送装置2bに送り込まれた
空ボビンＥを備えたペッグトレイ３は接続レール６を経
て一方の搬送装置2a上へ送り込まれる。先頭のペッグト
レイ３が搬送装置2aのアウトエンドOE側の所定位置まで
到達すると、該ペッグトレイ３は図示しないストッパの
作用によりその移動が規制され、後続のペッグトレイ３
が同位置から順次互いに当接した状態でスピンドルレー
ルの前方位置に配置される。又、搬送装置2bのギヤエン
ドGE側には空ボビンＥの数を計数するカウンタが配設さ
れ、一方の搬送装置2aへ送り込まれる空ボビンＥの数が
所定の値に達した時点で、搬送装置2bのギヤエンドGE側
端部の所定位置に配置されたストッパが作動されてペッ
グトレイ３の移動が規制され、該ストッパと対応する位
置から空ボビンＥが装着されたペッグトレイ３が順次ス
ピンドル列に対応して配置される。

一方の搬送装置2aの端部には満ボビン検知装置（図示
せず）が配設され、ボビン搬送装置９に送り込まれた満
ボビンＦの数を計数し、その値が所定の値に達するとと
もに前記空ボビン排出部15からの所定本数の空ボビンＥ
の排出が完了後、所定時間経過した後モータ13の駆動が
停止されて満ボビンＦの搬出及び空ボビンＥの搬入が完
了する。前記のように満ボビンの搬出及び空ボビンの搬
入が平行して行われるため作業時間が短くなる。

［実施例２］ 次に第２の実施例を第７〜９図に従って説明する。こ
の実施例では精紡機機台１に配設された搬送装置2a,2b
と満ボビン搬送コンベヤ７及び空ボビン搬送コンベヤ８
間で満ボビン及び空ボビンの受渡しを行うボビン搬送装
置９を各精紡機機台１毎に配設する代わりに、１個のボ
ビン搬送装置９を複数台の精紡機機台１で共用するよう
にした点が前記実施例の装置と大きく異なっている。第
７図に示すように複数台平行に設置された精紡機機台１
の一側には機台長手方向と直交する方向に延びるレール
24が敷設され、該レール上を移動する車体25に前記ボビ
ン搬送装置９とほぼ同様な構成のボビン搬送装置９が搭
載されている。ボビン搬送装置９を支持するフレーム
（図示せず）には空ボビン搬送コンベヤ８近傍に空ボビ
ン搬送コンベヤ８と平行に架設されたガイドレール27に
沿って移動する係合ローラ28が装備され、ボビン搬送装
置９が満ボビン搬送コンベヤ７及び空ボビン搬送コンベ
ヤ８と一定間隔を保って両ボビン搬送コンベヤ7,8に沿
って移動可能に構成されている。空ボビン搬送コンベヤ
８の空ボビン排出部15は前記実施例の装置と同様に構成
されている。第8,9図に示すように満ボビン搬送コンベ
ヤ７は満ボビン導入部14においてガイドレール7aのボビ
ン搬送装置９と対応する側が切欠かれて側方に開放され
ている。切欠部と対応する位置には規制片29が上下に摺
動可能に取付けられ、ガイドレール7aに固定された板ば
ね30にその下面が当接した状態で常には第９図に鎖線で
示す位置に配置され、ペッグトレイ３が切欠部から外側
へ移動するのを防止している。又、ボビン搬送装置９の
満ボビン排出部としてのガイド部材16上端と対応する位
置にはロータリソレノイド31が固定され、該ソレノイド
31の駆動軸にはベルト10上を走行するペッグトレイ３及
び前記規制片29に係合可能な作用位置と係合不能な退避
位置とに配置される規制部材32が一体回動可能に固定さ
れている。

次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
満管停止後管替作業が完了して満ボビンＦの搬出及び空
ボビンＥの搬入を必要とする精紡機からの作業要求信号
により、精紡機機台１と対応する位置に車体25が移動
し、車体25に搭載されたボビン搬送装置９の満ボビン排
出部及び空ボビン導入部が満ボビン搬送コンベヤ７の満
ボビン導入部及び空ボビン搬送コンベヤ８の空ボビン排
出部15とそれぞれ対応する状態に配置される。次にロー
タリソレノイド22,31が作動されて規制部材23,32が作用
位置に配置された後前記と同様にして搬送装置2a,2b及
びボビン搬送装置９が作動される。そして前記と同様に
搬送装置2a,2b上の満ボビンＦがボビン搬送装置９によ
り満ボビン搬送コンベヤ７上に搬出され、空ボビン搬送
コンベヤ８上の空ボビンＥがボビン搬送装置９を介して
搬送装置2a,2b上に搬入される。この実施例では１個の
ボビン搬送装置９を複数台の精紡機機台１で共用できる
ので設備費を低減できる。

なお、本発明は前記両実施例に限定されるものではな
く、例えば、第10図に示すようにボビン搬送装置９の搬
送装置2a,2bと対応する箇所のベルト10の走行状態を搬
送装置2a,2bと直交する平面内を走行するように配置し
たり、第２実施例の装置において空ボビン排出部15と対
応する位置に配置される規制部材23をボビン搬送装置９
側に配置する構成としてもよい。この場合には規制部材
23を各空ボビン排出部15毎に設ける必要がなくなる。さ
らには、精紡機機台１の左右両側に設けられた搬送装置
2a,2bがそのギヤエンドGE側で接続レール６により互い
に接続されていない構成の搬送装置2a,2bを備えた精紡
機機台１において搬送装置2a,2bのベルトコンベヤ５を
正逆回転可能に構成して適用したり、精紡機以外にリン
グ撚糸機に適用してもよい。

［発明の効果］ 以上詳述したように第１請求項に記載の発明によれ
ば、紡機機台の左右両側に延設された搬送装置からの満
ボビンの搬出及び空ボビンの搬入がボビン搬送装置で行
えるため設備費が低減されるとともに、満ボビンの搬出
と空ボビンの搬入が平行して行われるので作業時間が短
くなる。

又、第２請求項に記載の発明によれば、１台のボビン
搬送装置を複数台の精紡機機台で共用することにより設
備費がより低減されるとともに、各精紡機機台において
満ボビンの搬入と空ボビンの搬出が平行して行われるの
で作業時間が短くなる。

【図面の簡単な説明】

第１〜６図は本発明を具体化した第１の実施例を示すも
のであって第１図は概略斜視図、第２図は概略平面図、
第３図（ａ），（ｂ）及び第４図は部分斜視図、第５図
（ａ）は空ボビン排出部の平面図、第５図（ｂ）は第５
図（ａ）のＡ−Ａ線断面図、第６図（ａ）はガイド部材
及びベルトの支承状態を示す部分側面図、第６図（ｂ）
は第６図（ａ）のＢ−Ｂ線拡大断面図、第７〜９図は第
２の実施例を示すものであって第７図は概略平面図、第
８図は部分平面図、第９図は第８図のＣ−Ｃ線断面図、
第10図は変更例の部分斜視図、第11図は従来装置の概略
平面図、第12図は別の従来装置の概略斜視図、第13図は
側面図、第14図は別の従来装置の斜視図である。 搬送装置2a,2b、ペッグトレイ３、ペッグ3a、満ボビン
搬送コンベヤ７、空ボビン搬送コンベヤ８、ボビン搬送
装置９、ベルト10、駆動プーリ11、ガイドプーリ12、満
ボビン導入部14、空ボビン排出部15、ガイド部材16,1
7、規制部材23,32、レール24、車体25。

フロントページの続き (72)発明者 中村 晴佳 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 大橋 憲吾 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 宮崎 勉 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式 会社豊田自動織機製作所内

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面にペッグが突設されたペッグトレイを
   使用して空ボビン及び満ボビンの搬送を行う搬送装置を
   紡機の長手方向左右両側に延設するとともに、該両側の
   搬送装置を紡機の一端で連結して一方向走行を可能と
   し、ワインダ工程に連なる満ボビン搬送コンベヤ及び空
   ボビン搬送コンベヤを前記紡機の搬送装置に対して天井
   側に配設し、前記搬送装置と前記搬送コンベヤとの間で
   ボビンの受渡しを行う一つの無端状のベルト及び該ベル
   トに沿ったペッグトレイのガイド部材を備えたボビン搬
   送装置を配設し、前記ベルトを前記左右両側の搬送装置
   の各端部近傍にそれぞれ配設されたガイドプーリに巻掛
   けるとともに、該ベルトが前記満ボビン搬送コンベヤに
   沿った近傍位置と、前記空ボビン搬送コンベヤに沿った
   近傍位置とを通過するように配置し、満ボビン搬送コン
   ベヤには前記ガイド部材と対応する箇所に満ボビン導入
   部を設け、空ボビン搬送コンベヤにはガイド部材と対応
   する箇所に空ボビン排出部を設けるとともに、該排出部
   にはペッグトレイと係合可能な作用位置と係合不能な待
   機位置とに移動されてペッグトレイの移動方向を規制す
   る規制部材を設けた紡機におけるボビン搬送装置。
2. 【請求項２】上面にペッグが突設されたペッグトレイを
   使用して空ボビン及び満ボビンの搬送を行う搬送装置を
   機台の長手方向左右両側に延設するとともに、該両側の
   搬送装置を機台の一端で連結して一方向走行を可能とし
   た紡機を複数台並設し、ワインダ工程に連なる満ボビン
   搬送コンベヤ及び空ボビン搬送コンベヤを前記各紡機の
   搬送装置に対して天井側に配設するとともに、両搬送コ
   ンベヤには各紡機機台の端部と対応する所定位置に満ボ
   ビン導入部及び空ボビン排出部をそれぞれ配設し、各紡
   機機台の一側には機台長手方向と直交する方向に延びる
   レールを敷設し、該レール上を移動する車体に前記各搬
   送装置と前記搬送コンベヤとの間でボビンの受渡しを行
   うための無端状のベルト及び該ベルトに沿ったペッグト
   レイのガイド部材を備えたボビン搬送装置を搭載し、前
   記ベルトを前記左右両側の搬送装置の各端部近傍にそれ
   ぞれ配設されたガイドプーリに巻掛けるとともに、該ベ
   ルトが前記満ボビン搬送コンベヤに沿った近傍位置と、
   前記空ボビン搬送コンベヤに沿った近傍位置とを通過す
   るように配置し、前記両搬送コンベヤの満ボビン導入部
   及び空ボビン排出部と対応可能な箇所に満ボビン排出部
   及び空ボビン導入部を配設した紡機におけるボビン搬送
   装置。