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JP2024505259A - リチウム二次電池用非水電解液およびそれを含むリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用非水電解液およびそれを含むリチウム二次電池 Download PDF

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JP2024505259A
JP2024505259A JP2023546515A JP2023546515A JP2024505259A JP 2024505259 A JP2024505259 A JP 2024505259A JP 2023546515 A JP2023546515 A JP 2023546515A JP 2023546515 A JP2023546515 A JP 2023546515A JP 2024505259 A JP2024505259 A JP 2024505259A
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Abstract

本発明は、リチウム二次電池用非水電解液およびそれを含むリチウム二次電池を提供する。具体的に、前記リチウム二次電池用非水電解液は、リチウム塩と、有機溶媒と、化学式1で表される化合物と、を含むことで、強固なSEI被膜を形成し、電池性能を改善することができる。

Description

本出願は、2021年10月12日付の韓国特許出願第10-2021-0135188号および2022年10月5日付の韓国特許出願第10-2022-0127418号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、強固なSEI膜を形成可能な添加剤を含むリチウム二次電池用非水電解液と、それを含むことで、初期抵抗の増加を抑え、出力特性を改善することができるリチウム二次電池に関する。
情報社会の発達により、個人ITデバイスとコンピュータネットワークが発達しており、これに伴い、電気エネルギーに対する社会全体の依存度が高くなっている。そのため、電気エネルギーを効率的に貯蔵して活用するための技術の開発が求められている。
二次電池は、開発されている技術の中でも様々な用途に最も好適な技術であって、かかる二次電池の中でも、個人ITデバイスなどに適用できる程度に小型化が可能であるだけでなく、エネルギー密度が最も高いリチウムイオン電池に対する関心が高まっている。
リチウムイオン電池は、リチウムを含有している遷移金属酸化物からなる正極と、リチウムを貯蔵可能な黒鉛などの炭素系素材からなる負極と、リチウムイオンを伝達する媒体となる電解液と、セパレータと、から構成されており、電池の電気化学的特性を改善するためには、これらの構成要素に適したものを選定することが重要である。
一方、高温条件下でリチウム二次電池が駆動される場合、電解液に含まれているLiPFなどのリチウム塩からPF アニオンが熱分解され、PFなどのルイス酸を形成し、これは、水分と反応してHFを生成する。かかるPFまたはHFなどの物質は、電極の表面に形成されている被膜を破壊するだけでなく、有機溶媒の分解反応を起こす恐れがある。その結果、露出した正極表面と電解液の副反応により、正極から遷移金属イオンの溶出を誘発する。このように、正極の遷移金属イオンが溶出されて正極の格子構造が不安定となり、これにより、正極で活性酸素が発生して電解質溶媒の分解をさらに促進させ、ガスの発生が加速化する。さらに、溶出された遷移金属イオンが電解液を介して負極に移動した後に負極の表面に電着されて、SEI(solid electrolyte interphase)膜の破壊、および再生反応による追加的なリチウムイオンの消費などを引き起こし、抵抗増加および容量低下を引き起こす原因となる。
そこで、高温条件でもSEI膜の不動態特性を維持し、優れた性能を実現することができる二次電池を開発するための多様な研究が行われている。
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであって、SEI強化効果を付与することができる添加剤を含むリチウム二次電池用非水電解液と、それを含むことで、出力特性が向上し、且つ電池抵抗の増加が抑制されたリチウム二次電池を提供することを課題とする。
一実施形態によると、本発明は、リチウム塩と、非水性有機溶媒と、下記化学式1で表される化合物と、を含むリチウム二次電池用非水電解液を提供する。
前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキレン基であり、
は、1つ以上のフッ素が置換された炭素数1~20のアルキル基である。
他の実施形態によると、本発明は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記負極と正極との間に介在されるセパレータと、本発明のリチウム二次電池用非水電解液と、を含むリチウム二次電池を提供する。
本発明のリチウム二次電池用非水電解液に含まれる化学式1で表される化合物は、構造内にプロパルギル基(-C≡C-)と、1つ以上のフッ素元素が置換されたフルオロカーボン官能基を含むため、有機溶媒よりも先に還元され、電極の表面にフルオロカーボン成分を含む低抵抗のSEI被膜を形成することができるので、非水電解液の追加還元分解反応を抑えることができる。
したがって、かかるリチウム二次電池用非水電解液を含むと、負極の自己放電反応を防止し、初期抵抗の増加が抑えられ、常温および低温出力特性が向上したリチウム二次電池を実現することができる。
先ず、本発明を述べる前に、本明細書および特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
一方、本明細書で用いられる用語は、ただ例示的な実施形態を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
本明細書において、「含む」、「備える」、または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、ステップ、構成要素、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、構成要素、またはこれらを組み合わせの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
本明細書において、「%」は、明示的に別に表示されない限り、重量%を意味する。
本発明を説明するに先立ち、明細書内における「炭素数a~b」の記載において、「a」および「b」は、具体的な官能基に含まれる炭素原子の個数を意味する。すなわち、前記官能基は、「a」~「b」個の炭素原子を含み得る。
また、本明細書において、「置換」とは、別に定義しない限り、炭素に結合された少なくとも1つの水素が、水素以外の元素で置換されることを意味し、例えば、炭素数1~5のアルキル基またはフッ素元素で置換されることを意味する。
以下、本発明をより詳細に説明する。
一般に、リチウム二次電池は、初期充放電時に、非水電解液が分解されながら正極および負極の表面に不動態特性を有する被膜が形成され、高温貯蔵特性を確保することができる。しかしながら、前記被膜は、リチウムイオン電池に広く用いられるリチウム塩(LiPFなど)の熱分解により生成されるHFとPFのようなルイス酸物質によって劣化する。すなわち、ルイス酸物質の攻撃により正極から遷移金属元素の溶出が発生すると、表面の構造の変化により電極の表面抵抗が増加し、レドックスセンターである金属元素が消失しながら理論容量が減少して、発現容量が減少し得る。また、このように溶出された遷移金属イオンは、強い還元電位帯で反応する負極に電着され、電子が消費されるだけでなく、電着時に被膜が破壊される。これにより、負極の表面が露出するため、追加的な非水電解液分解反応が引き起こされることで負極の抵抗と不可逆容量が増加し、セル出力特性が持続的に低下する。
そこで、本発明は、安定な被膜を形成するために、分子構造内にプロパルギル基(-C≡C-)と、1つ以上のフッ素元素が置換されたフルオロカーボン官能基を含む化合物を添加剤として含むことで、低抵抗のSEI被膜を形成できるリチウム二次電池用非水電解液と、それを含むリチウム二次電池を提供することを目的とする。
リチウム二次電池用非水電解液
本発明は、リチウム塩と、非水性有機溶媒と、下記化学式1で表される化合物と、を含むリチウム二次電池用非水電解液を提供する。
前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキレン基であり、
は、1つ以上のフッ素が置換された炭素数1~20のアルキル基である。
(1)リチウム塩
先ず、リチウム塩について説明すると、次のとおりである。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液において、前記リチウム塩としては、リチウム二次電池用電解液に通常用いられるものなどが制限されずに使用可能であり、例えば、カチオンとしてLiを含み、アニオンとして、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、AlO 、AlCl 、PF 、SbF 、AsF 、B10Cl10 、BF 、BC 、PF 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、CHSO 、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、および(CFCFSOからなる群から選択される少なくとも何れか1つが挙げられる。具体的に、前記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiBF、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiPF、LiSbF、LiAsF、LiB10Cl10、LiBOB(LiB(C)、LiCFSO、LiTFSI(LiN(SOCF)、LiFSI(LiN(SOF))、LiCHSO、LiCFCO、LiCHCO、およびLiBETI(LiN(SOCFCF)からなる群から選択される少なくとも何れか1つが挙げられる。前記リチウム塩は、具体的に、LiBF、LiClO、LiPF、LiBOB(LiB(C)、LiCFSO、LiTFSI(LiN(SOCF)、LiFSI(LiN(SOF))、およびLiBETI(LiN(SOCFCF)からなる群から選択される単一物または2種以上の混合物を含んでもよく、より具体的に、LiPFを含んでもよい。
前記リチウム塩は、通常使用可能な範囲内で適宜変更し得るが、最適の電極表面の腐食防止用被膜の形成効果を得るために、電解液中に0.8M~3.0Mの濃度、具体的には1.0M~3.0Mの濃度で含まれてもよい。
前記リチウム塩の濃度が上記の範囲を満たす場合、最適の含浸性を実現するように非水電解液の粘度を制御することができ、リチウムイオンの移動性を向上させることで、リチウム二次電池の容量特性およびサイクル特性の改善効果を得ることができる。
(2)非水性有機溶媒
また、非水性有機溶媒についての説明は、次のとおりである。
前記非水性有機溶媒は、環状カーボネート化合物、直鎖状カーボネート化合物、および直鎖状エステル化合物の少なくとも1つを含んでもよい。
前記環状カーボネート化合物は、誘電率が高くて非水電解液中のリチウム塩を解離させやすい高粘度の有機溶媒であって、その具体的な例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、およびビニレンカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒を含んでもよく、中でも、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネート(PC)の少なくとも1つを含んでもよい。
また、前記直鎖状カーボネート化合物は、低粘度および低誘電率を有する有機溶媒であって、その代表例として、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート、およびエチルプロピルカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒が使用でき、具体的に、エチルメチルカーボネート(EMC)を含んでもよい。
また、前記直鎖状エステル化合物の具体的な例としては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、およびブチルプロピオネートからなる群から選択される少なくとも1つが挙げられ、代表的に、エチルプロピオネートおよびプロピルプロピオネートの少なくとも1つを含んでもよい。
本発明では、高いイオン伝導率を有する電解液を製造するために、非水性有機溶媒として、環状カーボネート化合物と、直鎖状カーボネート化合物および直鎖状エステル化合物の混合溶媒を用いてもよい。一方、本発明の非水性有機溶媒の全含量中における前記環状カーボネート化合物の含量は、体積で、50体積%以下、具体的に40体積%以下、好ましくは30体積%以下で含まれてもよい。
また、前記非水性有機溶媒は、環状エステル化合物、エーテル系化合物、アミド系化合物、およびニトリル系化合物の少なくとも1つをさらに含んでもよい。
前記環状エステル化合物としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、およびε-カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。
また、前記エーテル系化合物としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、およびエチルプロピルエーテルからなる群から選択される何れか1つ、またはこれらの2種以上の混合物が使用できる。
また、前記ニトリル系化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、カプリロニトリル、ヘプタンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、2-フルオロベンゾニトリル、4-フルオロベンゾニトリル、ジフルオロベンゾニトリル、トリフルオロベンゾニトリル、フェニルアセトニトリル、2-フルオロフェニルアセトニトリル、4-フルオロフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。
一方、前記本発明のリチウム二次電池用非水電解液中において、リチウム塩と添加剤を除いた残部は、別に断らない限り、全て非水性有機溶媒である。
(3)電解液添加剤
本発明のリチウム二次電池用非水電解液は、電解液添加剤として、下記化学式1で表される化合物を含んでもよい。
前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキレン基であり、
は、1つ以上のフッ素が置換された炭素数1~20のアルキル基である。
具体的に、前記化学式1で表される化合物は、構造内にプロパルギル官能基を含むことで、負極の表面で容易に還元分解されて、抵抗が低く、且つ不動態能力が高いSEI膜を形成することができ、これにより、負極自体の耐久性を改善するだけでなく、負極の表面に遷移金属が電着されることを防止することができるため、SEI膜の不安定性(instability)により発生する電解液の追加的な還元分解反応による黒鉛系、シリコン系負極の自己放電反応を防止することができる。
また、前記化学式1で表される化合物は、構造の末端に、1つ以上のフッ素元素が置換されたフルオロカーボン官能基を含むことで、正極の表面に耐酸化性が確保された被膜を形成することにより、正極からの金属性不純物の溶出を抑え、溶出された金属イオンが負極に電着および析出されることを抑制して、内部短絡を防止することができる。
このように、本発明の非水電解液は、難燃性および不燃性に優れたフッ素元素が1つ以上置換されたフルオロカーボン官能基とプロパルギル基を含む化学式1で表される化合物を添加剤として含むことで、低抵抗を有し、且つ強固なSEI被膜を形成することにより、電解液の追加還元分解反応を抑えるだけでなく、負極の自己放電反応を防止することができるため、初期抵抗の増加を抑え、常温および低温出力特性は向上したリチウム二次電池を製造することができる。
一方、前記化学式1で表される化合物において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基であり、Rは、1つ以上のフッ素が置換された炭素数3~20のアルキル基であってもよい。
また、前記化学式1で表される化合物において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基であり、Rは、1つ以上のフッ素が置換された炭素数3~15のアルキル基であってもよい。
具体的に、前記化学式1で表される化合物において、Rは、1つ以上のフッ素が置換された炭素数3~10のアルキル基であってもよい。
好ましく、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式1a~1cで表される化合物の少なくとも1つであってもよい。
一方、前記化学式1で表される化合物は、リチウム二次電池用非水電解液の全重量を基準として、0.01重量%~10.0重量%で含まれてもよい。
前記化学式1で表される化合物の含量が上記の範囲で含まれる場合、添加剤による副反応、容量低下、および抵抗増加などの欠点を最小に抑制するとともに、負極の表面に低抵抗のSEI被膜を形成することで、被膜におけるリチウム移動効果を向上させることができ、電解液の追加還元分解反応を抑え、負極の自己放電反応を防止することができる。
具体的に、前記化学式1で表される化合物の含量が0.01重量%以上であると、電池の駆動時間中に安定な被膜を形成し、負極の表面に低抵抗のSEI被膜を形成することで、電池出力性能を向上させることができる。また、前記化学式1で表される化合物の含量が10.0重量%以下であると、最適の含浸性を実現するように非水電解液の粘度を制御することができ、添加剤の分解による電池抵抗の増加を効果的に抑えることができ、電池内のイオン伝導度をさらに高め、出力特性の低下を防止することができる。
具体的に、前記化学式1で表される化合物は、非水電解液中に0.1重量%~6.0重量%、具体的には0.5重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%で含まれてもよい。
(4)その他の添加剤
一方、本発明の非水電解液は、高出力の環境で非水電解液が分解されて負極の崩壊が引き起こされることを防止するか、低温高率放電特性、高温安定性、過充電防止、高温での電池膨張抑制効果などをより向上させるために、必要に応じて、前記化学式1で表される化合物以外に、その他の添加剤をさらに含んでもよい。
かかるその他の添加剤の例としては、環状カーボネート系化合物、ハロゲン置換のカーボネート系化合物、スルトン系化合物、サルフェート系化合物、ホスフェート系またはホスファイト系化合物、ボレート系化合物、ニトリル系化合物、ベンゼン系化合物、アミン系化合物、シラン系化合物、およびリチウム塩系化合物からなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。
前記環状カーボネート系化合物は、例えば、ビニレンカーボネート(VC)またはビニルエチレンカーボネート(VEC)などであってもよい。
前記ハロゲン置換のカーボネート系化合物は、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などであってもよい。
前記スルトン系化合物は、例えば、1,3-プロパンスルトン(PS)、1,4-ブタンスルトン、エテンスルトン、1,3-プロペンスルトン(PRS)、1,4-ブテンスルトン、および1-メチル-1,3-プロペンスルトンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物であってもよい。
前記サルフェート系化合物は、例えば、エチレンサルフェート(Ethylene Sulfate;Esa)、トリメチレンサルフェート(Trimethylene sulfate;TMS)、またはメチルトリメチレンサルフェート(Methyl trimethylene sulfate;MTMS)などであってもよい。
前記ホスフェート系またはホスファイト系化合物は、例えば、リチウムジフルオロ(ビスオキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロホスフェート、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト、トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)ホスフェート、およびトリス(トリフルオロエチル)ホスファイトからなる群から選択される1種以上の化合物であってもよい。
前記ボレート系化合物としては、テトラフェニルボレート、リチウムオキサリルジフルオロボレート(LiODFB)、またはリチウムビスオキサラトボレート(LiB(C、LiBOB)などが挙げられる。
前記ニトリル系化合物は、例えば、スクシノニトリル(SN)、アジポニトリル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、カプリロニトリル、ヘプタンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、2-フルオロベンゾニトリル、4-フルオロベンゾニトリル、ジフルオロベンゾニトリル、トリフルオロベンゾニトリル、フェニルアセトニトリル、2-フルオロフェニルアセトニトリル、および4-フルオロフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物であってもよい。
前記ベンゼン系化合物は、例えば、フルオロベンゼンなどであってもよく、前記アミン系化合物は、トリエタノールアミンまたはエチレンジアミンなどであってもよく、前記シラン系化合物は、テトラビニルシランなどであってもよい。
前記リチウム塩系化合物は、前記非水電解液に含まれるリチウム塩と異なる化合物であって、リチウムジフルオロホスフェート(LiPO)またはLiBFなどが挙げられる。
このような付加添加剤のうち、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、またはスクシノニトリルを含む場合、二次電池の初期活性化工程時に、負極の表面により強固なSEI被膜を形成することができる。また、前記LiBFを含む場合、高温貯蔵時に電解液の分解により生成され得るガスの発生を抑え、二次電池の高温安定性を向上させることができる。
前記その他の添加剤は2種以上の化合物を混用して用いてもよく、前記化学式1で表される化合物とその他の添加剤の全含量は、非水電解液の全重量を基準として50重量%以下、具体的には0.05~20重量%、具体的には0.05~10重量%で含まれてもよい。前記添加剤の全含量が上記の範囲を満たす場合、電池の低温出力特性を改善することができ、高温貯蔵特性および高温寿命特性をさらに効果的に改善することができ、反応後に残留する添加剤による電池の副反応の発生を防止することができる。
リチウム二次電池
また、本発明の他の実施形態は、本発明のリチウム二次電池用非水電解液を含むリチウム二次電池を提供する。
具体的に、前記リチウム二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、前述の本発明のリチウム二次電池用非水電解液と、を含んでもよい。
一方、本発明のリチウム二次電池は、正極、セパレータ、および負極が順に積層されている電極組立体を形成して電池ケースに収納した後、前述の本発明の非水電解液を投入して製造することができる。
かかる本発明のリチウム二次電池を製造する方法は、当技術分野で知られている通常の方法により製造されて適用可能であり、具体的には、後述のとおりである。
(1)正極
本発明に係る正極は、正極活物質を含む正極活物質層を含み、必要に応じて、前記正極活物質層は、導電材および/またはバインダーをさらに含んでもよい。
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物であって、コバルト、マンガン、ニッケル、またはアルミニウムから選択される1種以上の金属とリチウムを含むリチウム遷移金属酸化物を含んでもよく、具体的には、電池の容量特性および安全性が高いリチウム-マンガン系酸化物、リン酸鉄リチウム(lithium iron phosphate)およびリチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、Li(NiCoMnr1)O(ここで、0<p<1、0<q<1、0<r1<1、p+q+r1=1)の少なくとも1つを含んでもよい。
具体的に、前記リチウム-マンガン系酸化物としてはLiMnOまたはLiMnが挙げられ、前記リン酸鉄リチウムとしてはLiFePOが挙げられる。
また、前記リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物は、Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)O、およびLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oの少なくとも1つを含んでもよく、中でも、遷移金属中のニッケルの含有量が60atm%以上であるリチウム遷移金属酸化物を含むことが好ましい。すなわち、遷移金属中のニッケルの含量が高いほど、より高い容量を実現することができるため、ニッケルの含量が60atm%以上であるものを用いることが、高容量を実現するにおいて有利である。かかるリチウム複合金属酸化物としては、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)O、およびLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oからなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。
一方、本発明の正極活物質は、前記リチウム遷移金属酸化物の他にも、リチウム-コバルト系酸化物(例えば、LiCoOなど)、リチウム-ニッケル系酸化物(例えば、LiNiOなど)、リチウム-ニッケル-マンガン系酸化物(例えば、LiNi1-YMn(0<Y<1)、LiMn2-ZNi(0<Z<2)、リチウム-ニッケル-コバルト系酸化物(例えば、LiNi1-Y1CoY1(0<Y1<1)、リチウム-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、LiCo1-Y2MnY2(0<Y2<1)、LiMn2-Z1CoZ1(0<Z1<2)、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、Li(Nip1Coq1Mnr2)O(0<p1<2、0<q1<2、0<r2<2、p1+q1+r2=2)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-遷移金属(M)酸化物(例えば、Li(Nip2Coq2Mnr3S2)O(Mは、Al、Fe、V、Cr、Ti、Ta、Mg、およびMoからなる群から選択され、p2、q2、r3、およびs2は、それぞれ独立の元素の原子分率であって、0<p2<1、0<q2<1、0<r3<1、0<s2<1、p2+q2+r3+s2=1である)などが挙げられ、これらのうち何れか1つまたは2つ以上の化合物がさらに含まれてもよい。
前記正極活物質は、正極活物質層中の固形分の全重量を基準として、90重量%~99重量%、具体的には93重量%~98重量%で含まれてもよい。
前記導電材は、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、またはサーマルブラックなどの炭素粉末;結晶構造が非常に発達した天然黒鉛、人造黒鉛、またはグラファイトなどの黒鉛粉末;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン粉末、アルミニウム粉末、またはニッケル粉末などの導電性粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられてもよい。
前記導電材は、通常、正極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~30重量%で添加される。
前記バインダーは、正極活物質粒子間の付着、および正極活物質と集電体との接着力を向上させる役割を果たす成分であって、通常、正極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~30重量%で添加される。かかるバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride、PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)を含むフッ素樹脂系バインダー;スチレン-ブタジエンゴム(styrene butadiene rubber、SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴムを含むゴム系バインダー;カルボキシメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose、CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロースを含むセルロース系バインダー;ポリビニルアルコールを含むポリアルコール系バインダー;ポリエチレン、ポリプロピレンを含むポリオレフィン系バインダー;ポリイミド系バインダー;ポリエステル系バインダー;およびシラン系バインダーなどが挙げられる。
上記の本発明の正極は、当技術分野において公知されている正極の製造方法により製造されることができる。例えば、前記正極は、正極活物質、バインダー、および/または導電材を溶媒中に溶解または分散させて製造した正極スラリーを正極集電体上に塗布した後、乾燥および圧延することで正極活物質層を形成する方法、または、前記正極活物質層を別の支持体上にキャストした後、支持体を剥離して得られたフィルムを正極集電体上にラミネートする方法などにより製造されることができる。
前記正極集電体としては、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレス鋼の表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものが用いられてもよい。
前記溶媒は、NMP(N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone))などの有機溶媒を含んでもよく、前記正極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材などを含んだ際に好適な粘度となる量で用いられてもよい。例えば、正極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材を含む活物質スラリー中の固形分の濃度が10重量%~70重量%、好ましくは20重量%~60重量%となるように含まれてもよい。
(2)負極
次に、負極について説明する。
本発明に係る負極は、負極活物質を含む負極活物質層を含み、前記負極活物質層は、必要に応じて、導電材および/またはバインダーをさらに含んでもよい。
前記負極活物質は、リチウム金属、リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーション可能な炭素物質、金属またはこれらの金属とリチウムの合金、金属複合酸化物、リチウムをドープおよび脱ドープできる物質、および遷移金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つを含んでもよい。
前記リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーション可能な炭素物質としては、リチウムイオン二次電池で一般に用いられる炭素系負極活物質であれば特に制限されずに使用可能であり、その代表例としては、結晶質炭素、非晶質炭素、またはこれらをともに用いてもよい。前記結晶質炭素の例としては、無定形、板状、鱗片状(flake)、球状、または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛などの黒鉛が挙げられ、前記非晶質炭素の例としては、ソフトカーボン(soft carbon:低温焼成炭素)またはハードカーボン(hard carbon)、メソフェーズピッチ炭化物、焼成されたコークスなどが挙げられる。
前記金属またはこれらの金属とリチウムの合金としては、Cu、Ni、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Si、Sb、Pb、In、Zn、Ba、Ra、Ge、Al、およびSnからなる群から選択される金属またはこれらの金属とリチウムの合金が使用できる。
前記金属複合酸化物としては、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Bi、LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、およびSnxMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族の元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)からなる群から選択されるものが使用できる。
前記リチウムをドープおよび脱ドープできる物質としては、Si、SiO(0<x<2)、Si-Y合金(前記Yは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、Siではない)、Sn、SnO、Sn-Y(前記Yは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、Snではない)などが挙げられ、また、これらの少なくとも1つとSiOを混合して用いてもよい。前記元素Yは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
前記遷移金属酸化物としては、リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などが挙げられる。
前記負極活物質は、負極活物質層中の固形分の全重量を基準として80重量%~99重量%で含まれてもよい。
前記導電材は、負極活物質の導電性をさらに向上させるための成分であって、負極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~20重量%で添加されてもよい。このような導電材としては、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン粉末、アルミニウム粉末、またはニッケル粉末などの導電性粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材が用いられてもよい。
前記バインダーは、導電材、活物質、および集電体の間の結合を補助する成分であって、通常、負極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~30重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むフッ素樹脂系バインダー;スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴムを含むゴム系バインダー;カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロースを含むセルロース系バインダー;ポリビニルアルコールを含むポリアルコール系バインダー;ポリエチレン、ポリプロピレンを含むポリオレフィン系バインダー;ポリイミド系バインダー;ポリエステル系バインダー;およびシラン系バインダーなどが挙げられる。
前記負極は、当技術分野において公知されている負極の製造方法により製造されることができる。例えば、前記負極は、負極活物質と、選択的にバインダーおよび導電材を溶媒中に溶解または分散させて製造した負極活物質スラリーを負極集電体上に塗布して圧延および乾燥することで負極活物質層を形成する方法、または、前記負極活物質層を別の支持体上にキャストした後、支持体を剥離させて得たフィルムを負極集電体上にラミネートする方法により製造されることができる。
前記負極集電体は、一般に、3~500μmの厚さを有する。かかる負極集電体は、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ高い導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられてもよい。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成することで負極活物質の結合力を強化させてもよく、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態で用いられてもよい。
前記溶媒は、水またはNMP、アルコールなどの有機溶媒を含んでもよく、前記負極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材などを含んだ際に好適な粘度となる量で用いられてもよい。例えば、負極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材を含む活物質スラリー中の固形分の濃度が50重量%~75重量%、好ましくは50重量%~65重量%となるように含まれてもよい。
(3)セパレータ
本発明に係るリチウム二次電池は、前記正極と負極との間にセパレータを含む。
前記セパレータは、負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであって、リチウム二次電池でセパレータとして通常用いられるものであれば特に制限されずに使用可能であり、特に、電解質のイオンの移動に対して低抵抗であって、電解質含湿能力に優れたものが好ましい。
具体的には、セパレータとして、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルム、またはこれらの2層以上の積層構造体が使用可能である。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が用いられてもよい。また、耐熱性または機械的強度を確保するために、セラミック成分または高分子物質が含まれた、コーティングされたセパレータが用いられてもよく、選択的に、単層または多層構造として用いられてもよい。
上記のような本発明に係るリチウム二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラなどの携帯用機器、およびハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)などの電気自動車分野などに有用に用いられることができる。
これにより、本発明の他の実施形態によると、前記リチウム二次電池を単位セルとして含む電池モジュール、およびそれを含む電池パックが提供される。
前記電池モジュールまたは電池パックは、パワーツール(Power Tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車、およびプラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;および電力貯蔵用システムの何れか1つ以上の中大型デバイスの電源として利用されることができる。
本発明のリチウム二次電池の外形は特に制限されないが、缶を用いた円筒形、角形、パウチ(pouch)形、またはコイン(coin)形などであってもよい。
本発明に係るリチウム二次電池は、小型デバイスの電源として用いられる電池セルに使用可能であるだけでなく、多数の電池セルを含む中大型電池モジュールにおける単位電池としても好適に使用可能である。
以下、具体的な実施例により本発明を具体的に説明する。
この際、本発明に係る実施例は、様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下で詳述する実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
以下、具体的な実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例
実施例1.
(非水電解液の製造)
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、エチルプロピオネート(EP)、およびプロピルプロピオネート(PP)を20:10:20:50の体積比で混合した非水性有機溶媒に、LiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式1aで表される化合物0.1重量%と、その他の添加剤としてビニルエチレンカーボネート(以下、「VEC」という)0.5重量%、1,3-プロパンスルトン(以下、「PS」という)1.0重量%、フルオロエチレンカーボネート(以下、「FEC」という)5.0重量%、スクシノニトリル(以下、「SN」という)1.0重量%、およびリチウムオキサリルジフルオロボレート(以下、「LiODFB」という)0.5重量%を添加し、非水電解液を製造した(下記表1参照)。
(二次電池の製造)
正極活物質(LiCoO)、導電材としてのカーボンブラック、およびバインダーとしてのポリビニリデンフルオライドを97.5:1:1.5の重量比で、溶剤であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に添加して正極スラリー(固形分の含量50重量%)を製造した。前記正極スラリーを厚さ15μmの正極集電体(Al薄膜)に塗布および乾燥した後、ロールプレス(roll press)を行って正極を製造した。
負極活物質(グラファイト)、バインダー(SBR-CMC)、および導電材(カーボンブラック)を95:3.5:1.5の重量比で、溶媒である水に添加して負極スラリー(固形分の含量:60重量%)を製造した。前記負極スラリーを厚さ6μmの負極集電体である銅(Cu)薄膜に塗布および乾燥した後、ロールプレスを行って負極を製造した。
前記正極、無機物粒子(Al)が塗布されたポリオレフィン系多孔性セパレータ、および負極を順に積層して電極組立体を製造した。
電池ケース内に上記で組み立てられた電極組立体を収納した後、製造された非水電解液6mLを注液してリチウム二次電池を製造した。
実施例2.
非水性有機溶媒にLiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式1aで表される化合物1.0重量%と、その他の添加剤としてVEC0.5重量%、PS1.0重量%、FEC5.0重量%、SN1.0重量%、およびLiODFB0.5重量%を添加して非水電解液を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例3.
非水性有機溶媒にLiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式1aで表される化合物5.0重量%と、その他の添加剤としてVEC0.5重量%、PS1.0重量%、FEC5.0重量%、SN1.0重量%、およびLiODFB0.5重量%を添加して非水電解液を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例4.
非水性有機溶媒にLiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式1aで表される化合物11.0重量%と、その他の添加剤としてVEC0.5重量%、PS1.0重量%、FEC5.0重量%、SN1.0重量%、およびLiODFB0.5重量%を添加して非水電解液を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例5.
非水性有機溶媒にLiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式1bで表される化合物1.0重量%と、その他の添加剤としてVEC0.5重量%、PS1.0重量%、FEC5.0重量%、SN1.0重量%、およびLiODFB0.5重量%を添加して非水電解液を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例6.
非水性有機溶媒にLiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式1cで表される化合物1.0重量%と、その他の添加剤としてVEC0.5重量%、PS1.0重量%、FEC5.0重量%、SN1.0重量%、およびLiODFB0.5重量%を添加して非水電解液を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例1.
非水性有機溶媒にLiPFが1.0Mとなるように溶解した後、その他の添加剤としてVEC0.5重量%、PS1.0重量%、FEC5.0重量%、SN1.0重量%、およびLiODFB0.5重量%を添加して非水電解液を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例2.
化学式1aで表される化合物に代えて、下記化学式2で表される化合物を添加して非水電解液を製造した点(下記表1参照)を除き、前記実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した。
比較例3.
化学式1aで表される化合物に代えて、前記化学式2で表される化合物を添加して非水電解液を製造した点(下記表1参照)を除き、前記実施例2と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した。
一方、前記表1中、化合物の略称はそれぞれ以下を意味する。
EC:エチレンカーボネート
PC:プロピレンカーボネート
EP:エチルプロピオネート
PP:プロピルプロピオネート
実験例
実験例1:界面抵抗の評価
実施例1~6で製造されたリチウム二次電池と比較例1~3で製造されたリチウム二次電池を、常温(25℃)で、SOC50%まで5Cで10秒間放電させた後、VMP3(biologics社製)を利用して、その時に現れる電圧降下量から初期界面抵抗を計算し、その結果を比較例1の二次電池に対する対比率(%)として下記表2に示した。
実験例2:常温放電容量
実施例1~3、5、および6で製造されたリチウム二次電池と比較例1~3で製造されたリチウム二次電池のそれぞれを、常温(25℃)で0.2Cの速度で、CC-CV(constant current-constant voltage)方式により4.45Vまで定電流を印加した後、4.45Vで定電圧で電流を制御した。放電時に、0.2Cの速度で、CC(constant current)方式により3.0Vでcut-offさせて得られた容量(PNE-0506充放電器(製造社:(株)PNEソリューション、5V、6A))を下記表2に記載した。
実験例3.常温容量維持率
実施例1~6で製造されたリチウム二次電池と比較例1~3で製造されたリチウム二次電池のそれぞれを、25℃で、定電流/定電圧条件下で2Cレート(rate)で4.45Vまで充電した後、1Cレート(rate)で定電流条件下で3.0Vまで放電することを1サイクルとして行った後、PNE-0506充放電器(製造社:(株)PNEソリューション、5V、6A)を用いて、1サイクル後の放電容量および抵抗を測定した。
その後、上記と同様のサイクル条件で200サイクルの充放電を実施した後、下記式1により容量維持率(%)を算出し、その結果を下記表2に記載した。
[式1]
容量維持率(%)=(200サイクル後の放電容量/1サイクル後の放電容量)×100
上記の表2を参照すると、本発明の実施例1~3、5および6の二次電池は、比較例1~3の二次電池と比べて常温(25℃)での界面抵抗(%)、放電容量(mAh)、および200サイクル後の容量維持率(%)が何れも改善されていることが分かる。
一方、添加剤がやや多く含まれている実施例4の二次電池は、電池内部で添加剤による抵抗および副反応が増加したため、実施例1~3、5および6の二次電池と比べて、界面抵抗(%)が増加し、容量維持率(%)が相対的に低下していることが認められる。
実験例4:低温放電容量
実施例1~6で製造されたリチウム二次電池と比較例1~3で製造されたリチウム二次電池のそれぞれを、低温(10℃)で0.2Cの速度で、CC-CV(constant current-constant voltage)方式により4.45Vまで定電流を印加した後、4.45Vで定電圧で電流を制御した。放電時には、0.2Cの速度で、CC(constant current)方式により3.0Vでcut-offさせて得られた放電容量をPNE-0506充放電器(製造社:(株)PNEソリューション、5V、6A)を利用して測定した後、その結果を下記表3に記載した。
前記表3を参照すると、本発明の実施例1~6の二次電池は、低温での放電容量(mAh)が4235mAh以上であって、比較例1~3の二次電池に比べて向上していることが分かる。
実験例5.2C充電電位
実施例1~3、5および6で製造されたリチウム二次電池と比較例1~3で製造されたリチウム二次電池のそれぞれを、低温(10℃)で2Cの速度でCC-CV充電中に、PNE-0506充放電器(製造社:(株)PNEソリューション、5V、6A)を用いて充電初期(~SOC20%)の容量を測定し、下記式2により充電初期の2C充電電位(平均電圧)を算出した後、その結果を下記表4に示した。
[式2]
2C充電電位(平均電圧)(V)=SOC20%までの充電エネルギー(mWh)/(SOC20%での容量(mAh))
前記表4を参照すると、実施例1~3、5、および6の二次電池の低温での2C充電電位は4.10V以下であって、比較例1~3の二次電池と比べて低い電位で充電が可能であることが分かる。
一方、実施例2の二次電池は、実施例1の二次電池に比べて2C充電電位が低いが、これは、過電位が減少したことを意味する。この結果から、抵抗減少の効果が、添加剤の含量が0.1重量%である場合に比べて1.0重量%である場合にさらに向上したことが分かる。
一方、添加剤の含量が5.0重量%である実施例3の二次電池は、実施例1および実施例2の二次電池に比べて被膜の厚さが増加し、抵抗が相対的に高くなって電位がやや高くなったと認められる。
一方、前記表4を参照すると、添加剤の含量が0.1重量%である実施例1の二次電池は、SEI構成成分中にフルオロカーボン成分が相対的に少ないため、添加剤の含量が1.0重量%である実施例2の二次電池に比べて、抵抗減少の効果が相対的にやや減少したことが分かる。すなわち、SEI膜の形成時に表面エネルギーが低く、Li拡散(diffusion)に有利なフルオロカーボン成分の含量が増加したことにより、SEI被膜の抵抗が減少することが確認できる。

Claims (9)

  1. リチウム塩と、非水性有機溶媒と、下記化学式1で表される化合物と、を含む、リチウム二次電池用非水電解液:
    (前記化学式1中、
    およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキレン基であり、
    は、1つ以上のフッ素が置換された炭素数1~20のアルキル基である。)
  2. 前記化学式1で表される化合物において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基であり、Rは、1つ以上のフッ素が置換された炭素数3~20のアルキル基である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  3. 前記化学式1で表される化合物において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基であり、Rは、1つ以上のフッ素が置換された炭素数3~15のアルキル基である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  4. 前記化学式1で表される化合物において、Rは、1つ以上のフッ素が置換された炭素数3~10のアルキル基である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  5. 前記化学式1で表される化合物は、下記化学式1a~1cで表される化合物の少なくとも1つである、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  6. 前記化学式1で表される化合物は、リチウム二次電池用非水電解液の全重量を基準として0.01重量%~10.0重量%で含まれる、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  7. 前記化学式1で表される化合物は、リチウム二次電池用非水電解液の全重量を基準として0.1重量%~6.0重量%で含まれる、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  8. ハロゲン置換または非置換のカーボネート系化合物、スルトン系化合物、サルフェート系化合物、ホスフェート系またはホスファイト系化合物、ボレート系化合物、ニトリル系化合物、アミン系化合物、シラン系化合物、およびリチウム塩系化合物からなる群から選択される少なくとも1つのその他の添加剤をさらに含む、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  9. 正極活物質を含む正極と、
    負極活物質を含む負極と、
    前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、
    請求項1から8のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液と、を含む、リチウム二次電池。
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