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JP2013013243A - 電動機 - Google Patents

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JP2013013243A
JP2013013243A JP2011144331A JP2011144331A JP2013013243A JP 2013013243 A JP2013013243 A JP 2013013243A JP 2011144331 A JP2011144331 A JP 2011144331A JP 2011144331 A JP2011144331 A JP 2011144331A JP 2013013243 A JP2013013243 A JP 2013013243A
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rotor
rotor yoke
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JP2011144331A
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Takuya Furuichi
卓也 古市
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】運転効率を高めつつ、小型化可能な電動機を提供する。
【解決手段】ロータヨーク11とロータカップ14との対向部には、隣り合う磁極部12、12間を含む領域に空隙部15が形成されるとともに、周方向で隣り合う空隙部15、15間にロータヨーク11とロータカップ14とを固定する凸部11b及び凹部40bから構成される嵌合部17が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機、特にアウターロータ型電動機及びインナーロータ型電動機の両方に適用可能なロータヨークの保持構造に関する。
従来から、電動機として、例えば複数の永久磁石をロータヨークの内周側(または外周側)に配置し、ロータの内周(または外周)に対向配置したステータのコイルに通電して、コイルに発生する回転磁界によってロータを回転させるように構成したアウターロータ型(またはインナーロータ型)電動機が知られている。
特許文献1に記載の電動機では、ロータヨークを保持するインペラの内周面に径方向に突出する複数のリブが形成され、ロータヨークがリブに圧入されることで、インペラの内周面とロータヨークの外周面との間に隙間を形成しながらロータヨークを保持している。
また、特許文献2に記載の電動機では、ロータヨークを保持するカップ型ロータハブの内周面に軸方向に離間して熱膨張率の異なる材料からなる2つの周壁部が形成され、ロータヨークが周壁部に圧着されることで、カップ型ロータハブの内周面とロータヨークの外周面との間に隙間を形成しながらロータヨークを保持している。
ところで、永久磁石を保持するロータヨークを持つ電動機では、ロータヨークに応力が発生するとその応力によって磁界の向きが変化し難くなる。これによって駆動するための磁界変化に要するエネルギーが増加することに起因してヒステリシス損が発生するが、特許文献1、2に記載の電動機のように、一部分で嵌合圧を発生させることで、ヒステリシス損を抑制できる。
特開2009‐243381号公報 特許第2990304号公報
しかしながら、ロータヨークと、ロータヨークを保持する保持部材(特許文献1では、インペラ、特許文献2ではカップ型ロータハブに対応する。)との間では、特に隣り合う磁極部間で磁束漏れが発生しやすく、磁束漏れが発生すると一般的にロータヨークで発生する渦電流損失より保持部材で発生する渦電流損失の方が大きいため電動機の運転効率が低下するという問題があった。特許文献1、2に記載の電動機では、嵌合部と磁極部間の位置関係について何ら考慮がなされていない。
また、特許文献1、2に記載の電動機では、ロータヨークと保持部材間に発生する面圧のみでロータヨークを保持する構造のため、使用環境の温度変化や経年劣化等によりスリップトルクが発生するおそれがある。スリップトルクの発生を抑えるためには圧入応力や遠心力に耐えうるようにロータヨークや保持部材を大型化する必要があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転効率を高めつつ、小型化可能な電動機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
透磁可能な材料からなる円環状のロータヨーク(例えば、後述の実施形態におけるロータヨーク11、51)と、
前記ロータヨークの径方向内側又は径方向外側に配置され、前記ロータヨークを保持する保持部材(例えば、後述の実施形態におけるロータカップ14、14A、ロータホルダ54)と、
前記ロータヨークに周方向に所定の間隔で設けられ、隣り合う磁極が異極となるように配置される複数の磁極部(例えば、後述の実施形態における磁極部12、52)と、を備えるロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ10、50)と、
前記ロータと径方向で対向するように配置され、複数のコイル(例えば、後述の実施形態におけるコイル22)を備えるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ20A、20B)と、を備えた電動機(例えば、後述の実施形態におけるアウターロータ型電動機1A、インナーロータ型電動機1B)であって、
前記ロータヨークと前記保持部材との対向部には、前記隣り合う磁極部間を含む領域に空隙部(例えば、後述の実施形態における空隙部15、55)が形成されるとともに、周方向で隣り合う前記空隙部間に前記ロータヨークと前記保持部材とを固定する凸部(例えば、後述の実施形態における凸部11b、51b)及び凹部(例えば、後述の実施形態における凹部40b、54b)から構成される嵌合部(例えば、後述の実施形態における嵌合部17、57)が形成されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、
前記嵌合部は、前記磁極部の周方向中央に設けられることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2の構成に加えて、
前記ロータヨークと前記保持部材の一方に形成された凸部と、前記ロータヨークと前記保持部材の他方に形成された凹部とは、前記嵌合部で圧入固定されることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に係る発明は、
透磁可能な材料からなる円環状のロータヨーク(例えば、後述の実施形態におけるロータヨーク11)と、
前記ロータヨークの径方向外側に配置され、前記ロータヨークを保持する保持部材(例えば、後述の実施形態におけるロータカップ14B)と、
前記ロータヨークに周方向に所定の間隔で設けられ、隣り合う磁極が異極となるように配置される複数の磁極部(例えば、後述の実施形態における磁極部12)と、を備えるロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ10)と、
前記ロータと径方向で対向するように配置され、複数のコイル(例えば、後述の実施形態におけるコイル22)を備えるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ20A)と、を備えた電動機(例えば、後述の実施形態におけるアウターロータ型電動機1A)であって、
前記隣り合う磁極部間を含む領域は、前記ロータヨークの外周面が前記保持部材から露出しており、
前記磁極部の一部と周方向でオーバラップする領域には、選択的に前記ロータヨークと前記保持部材とを固定する凸部(例えば、後述の実施形態における凸部11b)及び凹部(例えば、後述の実施形態における凸部40b)から構成される嵌合部(例えば、後述の実施形態における嵌合部17)が形成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4の構成に加えて、
前記嵌合部は、前記磁極部の周方向中央に設けられることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5の構成に加えて、
前記ロータヨークと前記保持部材の一方に形成された凸部と、前記ロータヨークと前記保持部材の他方に形成された凹部とは、前記嵌合部で圧入固定されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ロータヨークと保持部材との対向部において、特に磁束の回り込みの大きい磁極部間に空隙部を形成することにより、磁束のロータカップへの回り込みが抑制され、ロータヨークの径方向幅を厚くしなくても、渦電流損失を抑制しモータ効率を向上させることができ、電動機を小型化することができる。また、周方向で隣り合う空隙部間にロータヨークと保持部材とを固定する凸部及び凹部から構成される嵌合部を形成することで、ロータヨークを全周に亘って圧入させる必要がなく、他の部分での応力発生を防ぎ、残留応力に起因するヒステリシス損を低減することができる。
請求項2の発明によれば、磁束密度変化の少ない磁極部の周方向中央に嵌合部を設けることにより、ヒステリシス損をより抑制することができる。
請求項3の発明によれば、嵌合部で圧入固定することにより、ノイズや振動の発生を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、隣り合う磁極部間を含む領域は、ロータヨークの外周面が保持部材から露出して形成されるので、磁束の回り込みの大きい磁極部間における保持部材への磁束の回り込みが抑制され、ロータヨークの径方向幅を厚くしなくても、渦電流損失を抑制しモータ効率を向上させることができ、電動機を小型化することができる。また、磁極部の一部と周方向でオーバラップする領域には、選択的にロータヨークと保持部材とを固定する凸部及び凹部から構成される嵌合部が形成されるので、ロータヨークを全周に亘って圧入させる必要がなく、他の部分での応力発生を防ぎ、残留応力に起因するヒステリシス損を低減することができる。
請求項5の発明によれば、磁束密度変化の少ない磁極部の周方向中央に嵌合部を設けることにより、ヒステリシス損をより抑制することができる。
請求項6の発明によれば、嵌合部で圧入固定することにより、ノイズや振動の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態のアウターロータ型電動機の断面図である。 図1に示すアウターロータの正面図である。 図2の部分拡大図である。 第1変形例のアウターロータの正面図である。 第2変形例のアウターロータの斜視図である。 本発明の第2実施形態のインナーロータ型電動機の断面図である。
以下、本発明の各実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
<第1実施形態>
図1〜図3に示すように、本実施形態のアウターロータ型電動機1Aは、ステータ20Aと、ステータ20Aの径方向外側に僅かな隙間を介して対向配置される円環状のロータ10と、を備えて構成される。
ステータ20Aは、複数のティースが径方向外側に向かって放射状に突出形成されたステータコア21と、各ティースにインシュレータを介して巻回されることで全体として略環状に配置された複数のコイル22とを備える。
ロータ10は、略円環状のロータヨーク11と、ロータヨーク11の内周面に固定される永久磁石12aからなる複数の磁極部12と、ロータヨーク11を径方向内側に保持すると共に回転軸(図示せず)に固定される縁付円盤状のロータカップ14と、を備える。回転軸は、軸受(図示せず)により、モータハウジングに対して回転自在に支承されており、ステータ20Aに発生させる回転磁界によってロータ10が軸心Oを中心に回転駆動される。
ロータヨーク11は、透磁可能な材料からなる複数の円環状の電磁鋼板を軸方向に積層することにより構成され、外周面11aには、径方向外側に突出する複数(本実施形態では4つ)の凸部11bが周方向に所定の間隔で形成される。
複数の磁極部12は、周方向で隣り合う磁極が異極となるように周方向で交互に設けられており、各磁極部12は、2つの永久磁石12aから構成される。なお、各磁極部12は、1つの永久磁石12aで構成されていてもよい。
ロータカップ14は、鋼材から構成され、ステータ20Aの径方向外側に配置される円環部40の軸方向一端側に、回転軸に連結された軸連結部41が一体に形成され、軸方向他端側が開口している。円環部内周面40aには、径方向外側に窪んだ空隙部15が周方向で所定の間隔に配置されている。空隙部15は、周方向で隣り合う磁極部12、12間に設けられると共に、周方向で隣り合う両磁極部12、12と周方向でオーバーラップするように設けられている。また、空隙部15は、軸方向の長さが、ロータヨーク11の軸方向長さと略等しいか、若しくはロータヨーク11の軸方向長さ以上に設定されている。
ここで空隙部15を設ける理由について説明する。
本発明者らの鋭意検討の結果、ロータカップ14を鋼材とした場合に、特に周方向で隣り合う磁極部12、12間(以下、磁極部間領域とも呼ぶ)でロータカップ14への磁束の回り込みが発生することが分かった。この回り込みは、ロータヨーク11の径方向の厚さである径方向幅(以下、ロータヨーク幅とも呼ぶ。)を十分厚くすることで回避されるが、車両への搭載性の制約からロータヨーク幅はロータカップ14への磁束の回り込みとは無関係に設定される。
この回り込みは、磁極部間領域を越えて発生するため、周方向で隣り合う両磁極部12、12と周方向でオーバーラップするように空隙部15を設けることで、空隙部15がフラックスバリアとして機能しロータカップ14への磁束の回りこみを効果的に抑制することができる。一方で、磁極部間領域から離れるに従って、磁束の量も少なくなるため必要なロータヨーク幅も小さくなり、空隙部15がなくてもロータカップ14への磁束の回りこみが少ないことが分かっている。
従って、本実施形態では、円環部内周面40aの磁極部間領域とその近傍には空隙部15を設けてロータカップ14への磁束の回り込みを回避するとともに、円環部内周面40aの磁極部間領域から離れたところには空隙部15を設けずに、選択的にロータヨーク11の凸部11bと嵌合する凹部40bを設けている。
また、凹部40bは、周方向で隣り合う空隙部15間に、且つ、ロータカップ14の円環部内周面40aから径方向外側に窪むように形成され、ロータヨーク11の凸部11bとともに嵌合部17を構成する。ロータヨーク11の凸部11bをロータカップ14の凹部40bに嵌め込むことで、嵌合圧力が相対的に高められてロータヨーク11がロータカップ14に固定される。従って、ロータヨーク11からの回転動力が嵌合部17を介してロータカップ14に伝達され、不図示の回転軸を回転させる。逆に、回転軸の回転は、ロータカップ14から嵌合部17を介してロータヨーク11に伝達される。
嵌合部17において、凸部11bの外周面と凹部40bの内周面とが、圧入により固定されることが好ましい。これにより、ロータヨーク11がロータカップ14に確実に固定される。このとき、凸部11bの周方向両端面と、凹部40bの周方向両端面とは軽圧入により固定されることが好ましい。これにより、ノイズや振動の発生が抑制される。
また、この嵌合部17は、各磁極部12の周方向中央に設けられていることが好ましい。各磁極部12の周方向中央は、ロータカップ14への磁束の回り込みが少ないため、各磁極部12の周方向中央に嵌合部17を形成しても、ヒステリシス損は少ない。
なお、本実施形態では、嵌合部17を周方向に等間隔で4つ形成したが、嵌合部17の数、凸部11bの周方向の幅、高さ、軸方向長さは、電動機の最大トルクに基づいて必要強度を満たすように適宜設定される。必要強度をあげるためには、嵌合部17の数を増やしたり、凸部11bの周方向の幅及び軸方向長さを長くしたり、凸部11bの高さを低くすることが有効であり、凸部11bの形状に応じて凹部40bの形状も調整され得る。
以上説明したように、本実施形態のアウターロータ型電動機1Aでは、ロータカップ14の円環部内周面40aとロータヨーク11の外周面11aとが径方向で対向して対向部をなし、対向部には、周方向で隣り合う磁極部12、12間を含む領域に空隙部15が形成され、周方向で隣り合う空隙部15、15間に、嵌合部17が形成される。従って、本実施形態によれば、空隙部15により、磁束のロータカップ14への回り込みが抑制され、ロータヨーク11の径方向幅を厚くしなくても、渦電流損失を抑制しモータ効率を向上させることができ、電動機を小型化することができる。
また、嵌合部17は、円環部内周面40aに形成された凹部40bとロータヨーク11に形成された凸部11bとから構成されるので、ロータヨーク11を全周に亘って圧入させる必要がなく、残留応力に起因するヒステリシス損を低減することができる。
また、嵌合部17は、磁束密度変化の少ない磁極部12の周方向中央に設けられることにより、ヒステリシス損をより抑制することができる。
また、アウターロータ型電動機1Aの場合、ロータカップ14の発生応力でロータヨーク11の圧入による引張応力が下げられるため、要求される必要強度を落とすことができ、薄肉化によるコスト削減、レイアウトの自由度を向上できる。
図4は、本実施形態の第1変形例を示すものである。
本変形例では、ロータカップ14Aに形成される空隙部15Aが、周方向で隣り合う嵌合部17間で連続して1つの空隙部をなしている。これにより、ロータカップ14Aを軽量化することができる。このように、空隙部は、磁極部間領域に設けられていればよく、上記実施形態のように磁極部12の一部とオーバラップするように形成してもよく、本変形例のように複数の磁極部12に跨って形成してもよい。
図5は、本実施形態の第2変形例を示すものである。
本変形例では、ロータカップ14Bが、嵌合部17が形成される部分にのみ縁部43が形成された複数本(本実施形態では4本)の軸連結部41により構成され、ロータヨーク11を径方向内側に保持すると共に回転軸に固定される。嵌合部17が形成されない部分は、ロータカップ14Bの縁部43が存在せずにロータヨーク11の外周面11aがロータカップ14Bからモータハウジング内に露出している。
即ち、本変形例では、隣り合う磁極部12、12間を含む領域は、ロータヨーク11の外周面11aがロータカップ14Bから露出して形成されるので、磁束の回り込みの大きい磁極部12、12間におけるロータカップ14Bへの磁束の回り込みが抑制され、ロータヨーク11の径方向幅を厚くしなくても、渦電流損失を抑制しモータ効率を向上させることができ、電動機を小型化することができる。また、磁極部12の一部と周方向でオーバラップする領域には、選択的にロータヨーク11とロータカップ14Bとの嵌合圧力を相対的に高めて固定する凸部11b及び凹部40bから構成される嵌合部17が形成されるので、ロータヨーク11を全周に亘って圧入させる必要がなく、他の部分での応力発生を防ぎ、残留応力に起因するヒステリシス損を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のインナーロータ型電動機について説明する。
図6に示すように、本実施形態のインナーロータ型電動機1Bは、ステータ20Bと、ステータ20Bの径方向内側に僅かな隙間を介して対向配置される円環状のロータ50と、を備えて構成される。
ステータ20Bは、複数のティースが径方向内側に向かって放射状に突出形成されたステータコア21と、各ティースにインシュレータを介して巻回されることで全体として略環状に配置された複数のコイル22とを備える。
ロータ50は、略円環状のロータヨーク51と、ロータヨーク51の径方向外側に埋め込まれる永久磁石52aからなる複数の磁極部52と、回転軸30のフランジ部31に固定されロータヨーク51を径方向外側に保持するロータホルダ54と、を備える。回転軸30は、軸受(図示せず)により、モータハウジングに対して回転自在に支承されており、ステータ20Bに発生させる回転磁界によってロータ50が軸心Oを中心に回転駆動される。
ロータヨーク51は、透磁可能な材料からなる複数の円環状の電磁鋼板を軸方向に積層することにより構成され、内周面51aには、径方向内側に突出する複数(本実施形態では4つ)の凸部51bが周方向に所定の間隔で形成される。
複数の磁極部52は、周方向で隣り合う磁極が異極となるように周方向で交互に設けられており、各磁極部52は、2つの永久磁石52aから構成される。なお、各磁極部52は、1つの永久磁石52aで構成されていてもよい。
ロータホルダ54は、鋼材から構成され、ホルダ外周面54aには、径方向内側に窪んだ複数(本実施形態では4つ)の空隙部55が周方向で等間隔に配置されている。複数の空隙部55は、周方向で隣り合う磁極部52、52間の全ての領域をカバーするように形成されている。また、空隙部55は、軸方向の長さが、ロータヨーク51の軸方向長さと略等しいか、若しくはロータヨーク51の軸方向長さ以上に設定されている。
空隙部55を設ける理由は、上記第1実施形態と同様にフラックスバリアとして機能させるためであり、空隙部55を設けることで、ロータホルダ54とロータヨーク51との対向部におけるロータヨーク51からロータホルダ54への磁束の回りこみ、特に周方向で隣り合う磁極部52、52間におけるロータヨーク51からロータホルダ54への磁束の回りこみを効果的に抑制することができる。
また、ロータホルダ54のホルダ外周面54aには、周方向で隣り合う空隙部55間であって、磁極部52の一部と周方向でオーバラップするようにロータヨーク51の凸部51bと嵌合する凹部54bが、ロータホルダ54のホルダ外周面54aから径方向内側に窪むように形成される。凹部54bは、ロータヨーク51の凸部51bとともに嵌合部57を構成する。ロータヨーク51の凸部51bをロータホルダ54の凹部54bに嵌め込むことで、嵌合圧力が相対的に高められてロータヨーク51がロータホルダ54に固定される。従って、ロータヨーク51からの回転動力が嵌合部57を介してロータホルダ54に伝達され、回転軸を回転させる。逆に、回転軸の回転は、ロータホルダ54から嵌合部57を介してロータヨーク51に伝達される。
嵌合部57において、凸部51bの外周面と凹部54bの内周面とが、圧入により固定されることが好ましい。これにより、ロータヨーク51がロータホルダ54に確実に固定される。このとき、凸部51bの周方向両端面と、凹部54bの周方向両端面とは軽圧入により固定されることが好ましい。これにより、ノイズや振動の発生が抑制される。
また、この嵌合部57は、各磁極部52の周方向中央に設けられていることが好ましい。各磁極部52の周方向中央は、ロータホルダ54への磁束の回り込みが少ないため、各磁極部52の周方向中央に嵌合部57を形成しても、ヒステリシス損は少ない。
なお、本実施形態においても、電動機の最大トルクに基づいて必要強度を満たすように適宜、嵌合部57の数、凸部51bの周方向の幅、高さ、軸方向長さが調整される。
以上説明したように、本実施形態のインナーロータ型電動機1Bでは、ロータホルダ54のホルダ内周面54aとロータヨーク51の外周面51aとが径方向で対向して対向部をなし、対向部には、周方向で隣り合う磁極部52、52間を含む領域に空隙部55が形成され、周方向で隣り合う空隙部55、55間に、嵌合部57が形成される。従って、本実施形態によっても、空隙部55により、磁束のロータホルダ54への回り込みが抑制され、ロータヨーク51の径方向幅を厚くしなくても、渦電流損失を抑制しモータ効率を向上させることができ、電動機を小型化することができる。
嵌合部57は、ホルダ内周面54aに形成された凹部54bとロータヨーク51に形成された凸部51bとから構成されるので、ロータヨーク51を全周に亘って圧入させる必要がなく、残留応力に起因するヒステリシス損を低減することができる。
さらに、嵌合部57においては、凸部51bと凹部54bとの嵌合によりロータヨーク11とロータホルダ54とが固定されるので、嵌合部57を比較的小さく形成でき、インナーロータ型電動機1Bを小型化することができる。
また、嵌合部57は、磁束密度変化の少ない磁極部52の周方向中央に設けられることにより、ヒステリシス損をより抑制することができる。
また、インナーロータ型電動機1Bの場合、ロータヨーク51の発生応力が遠心力のみになるため、要求される必要強度を落とすことができ、高強度の電磁鋼板の使用を廃止することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、嵌合部として、ロータヨーク11に形成した凸部11bと、ロータカップ14に形成した凹部40bからなる嵌合部17と、ロータヨーク51に形成した凸部51bと、ロータホルダ54に形成した凹部54bとからなる嵌合部57を例示したが、凸部と凹部の関係は反対でもよい。即ち、ロータヨークに凹部を形成し、ロータカップやロータホルダ等の保持部材に凸部を形成して嵌合部を構成してもよい。
また、ロータホルダ54は、回転軸30のフランジ部31と一体に形成されていてもよい。
1A アウターロータ型電動機
1B インナーロータ型電動機
10、50 ロータ
11、51 ロータヨーク
11b、51b 凸部
12、52 磁極部
14、14A、14B ロータカップ
15、55 空隙部
17、57 嵌合部
20A、20B ステータ
22 コイル
40b、54b 凹部
54 ロータホルダ

Claims (6)

  1. 透磁可能な材料からなる円環状のロータヨークと、
    前記ロータヨークの径方向内側又は径方向外側に配置され、前記ロータヨークを保持する保持部材と、
    前記ロータヨークに周方向に所定の間隔で設けられ、隣り合う磁極が異極となるように配置される複数の磁極部と、を備えるロータと、
    前記ロータと径方向で対向するように配置され、複数のコイルを備えるステータと、を備えた電動機であって、
    前記ロータヨークと前記保持部材との対向部には、前記隣り合う磁極部間を含む領域に空隙部が形成されるとともに、周方向で隣り合う前記空隙部間に前記ロータヨークと前記保持部材とを固定する凸部及び凹部から構成される嵌合部が形成されることを特徴とする電動機。
  2. 前記嵌合部は、前記磁極部の周方向中央に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記ロータヨークと前記保持部材の一方に形成された凸部と、前記ロータヨークと前記保持部材の他方に形成された凹部とは、前記嵌合部で圧入固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動機。
  4. 透磁可能な材料からなる円環状のロータヨークと、
    前記ロータヨークの径方向外側に配置され、前記ロータヨークを保持する保持部材と、
    前記ロータヨークに周方向に所定の間隔で設けられ、隣り合う磁極が異極となるように配置される複数の磁極部と、を備えるロータと、
    前記ロータと径方向で対向するように配置され、複数のコイルを備えるステータと、を備えた電動機であって、
    前記隣り合う磁極部間を含む領域は、前記ロータヨークの外周面が前記保持部材から露出しており、
    前記磁極部の一部と周方向でオーバラップする領域には、選択的に前記ロータヨークと前記保持部材とを固定する凸部及び凹部から構成される嵌合部が形成されることを特徴とする電動機。
  5. 前記嵌合部は、前記磁極部の周方向中央に設けられることを特徴とする請求項4に記載の電動機。
  6. 前記ロータヨークと前記保持部材の一方に形成された凸部と、前記ロータヨークと前記保持部材の他方に形成された凹部とは、前記嵌合部で圧入固定されることを特徴とする請求項4又は5に記載の電動機。
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