JP2013068960A - ホログラム転写箔およびホログラム積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材1と、基材上に形成され、画像が形成された画像形成層2と、画像形成層上に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層3と、ホログラム層3上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4とを有するホログラム転写箔。
【選択図】図1
Description
また本発明によれば、上記画像形成層が上記ホログラム層と上記基材との間に形成されていることから、本発明のホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を作製した際に、画像形成層と被転写体とが接することを防止することができる。このため、例えば、被転写体に使用されている化合物の作用により上記画像形成層の画像が劣化されることがなく、上記画像形成層の耐久性に優れたホログラム積層体を作製することができる。
このようなことから、本発明によれば偽造防止機能の高いホログラム積層体を作製することが可能な、ホログラム転写箔を提供することができる。
また本発明によれば、上記画像形成層が上記ホログラム層上に形成されていることから、画像形成層と被転写体とが接することを防止することができる。このため、例えば、被転写体に使用されている化合物の作用により上記画像形成層の画像が劣化されることがなく、上記画像形成層の耐久性に優れたホログラム積層体を得ることができる。
以下、本発明のホログラム転写箔およびホログラム積層体について順に説明する。
まず、本発明のホログラム転写箔について説明する。本発明のホログラム転写箔は、基材と、上記基材上に形成され、画像が形成された画像形成層と、上記画像形成層上に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層と、上記ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有することを特徴とするものである。
また本発明によれば、上記画像形成層が上記ホログラム層と上記基材との間に形成されていることから、本発明のホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を作製した際に、画像形成層と被転写体とが接することを防止することができる。このため、例えば、被転写体に使用されている化合物の作用により上記画像形成層の画像が劣化されることがなく、上記画像形成層の耐久性に優れたホログラム積層体を作製することができる。
このようなことから、本発明によれば偽造防止機能の高いホログラム積層体を作製することが可能な、ホログラム転写箔を提供することができる。
以下、本発明のホログラム転写箔に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられる画像形成層について説明する。本発明に用いられる画像形成層は、画像が形成されたものであり、少なくともホログラム層と上記基材との間に形成されるものである。
ここで、本発明に用いられる画像形成層に形成される画像は、本発明のホログラム転写箔を用いて作製するホログラム積層体の用途に応じて、所望の画像とすることができる。なお、本発明における「画像」とは、パターン、線画、文字、図形、記号等のみならず、単に全面が着色された態様も含むものである。
すなわち、上記蛍光画像形成層が用いられることにより、上記画像形成層の存在を外部から容易に視認できないようにすることができるため、本発明のホログラム転写箔を用いて、より偽造防止機能に優れたホログラム積層体を作製することができるようになるからである。
また、上記光学可変材料で作製された画像は、通常のインキでは複製することが不可能であるため、上記光学可変画像形成層が用いられていることにより、さらに偽造防止機能に優れたホログラム積層体を作製することができるようになるからである。
以下、本発明に用いられる光学可変画像形成層および蛍光画像形成層について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる光学可変画像形成層について説明する。本発明に用いられる光学可変画像形成層は、光学可変材料によって画像が形成されたものである。本発明に用いられる光学可変材料としては、所望の色を発現できるものであれば特に限定されるものではない。このような光学可変材料としては、例えば、パール顔料、偏光インキ、液晶インキ、および再帰反射性インキ等を挙げることができる。本発明においてはこれらの光学可変材料を1種類のみ用いてもよく、あるいは、2種類以上を用いてもよい。
また、本発明に用いられるパール顔料は、それをさらに顔料、染料等で着色したものであってもよい。
次に、本発明に用いられる蛍光画像形成層について説明する。本発明に用いられる蛍光画像形成層は、紫外線を吸収することにより蛍光を発する蛍光材料によって画像が形成されたものである。本発明に用いられる蛍光材料としては、所望の波長の紫外線を吸収することにより蛍光を発することができるものであれば特に限定されるものではない。
上記有機蛍光色素としては、例えば、有機蛍光色素としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などが挙げられる。具体的には可視光で無色の蛍光染料としては、EB−501(三井化学(株)製、発光色:青色)、EG−302(三井化学(株)製、発光色:黄緑色)、EG−307(三井化学(株)製、発光色:緑色)、ER−120(三井化学(株)製、発光色:赤色)、ER−122(三井化学(株)製、発光色:赤色)、蛍光増白剤と呼ばれるユビテックスOB(チバスペシャルティケミカルズ社製、発光色:青色)、ユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート(シンロイヒ(株)、赤橙色)等を挙げることができる。
また、上記無機蛍光色素としては、無機蛍光色素としては、Ca、Ba、Mg、Sr、などの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩のなどの結晶を主成分とし、Eu、Mn、Pb、Fe、Mn、Zn、Ag、Cuなどの金属元素または希土類元素をドープ剤として添加した顔料を用いることができる。具体的には可視光下では無色から白色のG−300シリーズ(SrAl2O4:Eu,Dy 根本特殊化学製 発光色:緑)やV−300シリーズ(CaAl2O4:Eu,Nd 根本特殊化学製 発光色:紫)等を挙げることができる。
次に本発明に用いられるホログラム層について説明する。本発明に用いられるホログラム層は、ホログラムが記録されたものであり、本発明のホログラム層転写箔を用いてホログラム積層体を製造する際に、被転写体へ転写されるものである。
以下、このようなホログラム層について詳細に説明する。
したがって、以下本発明に用いられる体積ホログラム層およびレリーフホログラム層について順に説明する。
(1)構成材料
本発明に用いられる体積ホログラム層を構成する材料としては、体積ホログラムを記録することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に体積ホログラムに用いられる材料を任意に用いることができる。このような材料としては、例えば、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料を挙げることできるが、なかでも本発明においては、(i)バインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する第1の感光材料、または、(ii)カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系および光カチオン重合開始剤系を含有するからなる第2の感光材料を好適に用いることができる。
以下、このような第1の感光材料および第2の感光材料について順に説明する。
まず、上記第1の感光材料について説明する。上述したように第1の感光材料はバインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有するものである。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、またはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、アクリル酸、アクリル酸エステル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体、またはそれらの混合物や、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物等を挙げることができる。ここで、体積ホログラム層を形成する際には、記録された体積ホログラムを安定化するために、加熱してモノマーを移動させる工程が実施される場合がある。このため、本発明に用いられるバインダー樹脂はガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動が容易に移動できるものであることが好ましい。
上記光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマーおよびそれらの混合物を用いることができる。具体例としては、不飽和カルボン酸およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド化合物等を挙げることができる。
また、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド等を挙げることができる。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、例えば、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等を挙げることができる。なかでも本発明に用いられる光重合開始剤は、記録された体積ホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるものが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
本発明に用いられる増感色素としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等を挙げることができる。
次に、本発明に用いられる第2の感光材料について説明する。上述したように第2の感光材料は、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系、および、カチオン重合開始剤系を含有するものである。
上記カチオン重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物の重合が比較的低粘度の組成物中で行われることが好ましいという点から、室温で液状のものが好適に用いられる。このようなカチオン重合性化合物としては、例えば、ジグリセロールジエーテル、ペンタエリスリトールポリジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記ラジカル重合性化合物としては、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。また、本発明に用いられるラジカル重合性化合物の平均屈折率は、上記カチオン重合性化合物の平均屈折率より大きいことが好ましく、なかでも0.02以上大きいことが好ましい。これは、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物との屈折率の差によって、体積ホログラムが形成されることによるものである。したがって、平均屈折率の差が上記値以下である場合には、屈折率変調が不十分となるからである。本発明に用いられるラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、2−ブロモスチレン、フェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート等を挙げることができる。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤系としては、体積ホログラムを記録する際に、第1露光によって活性ラジカルを生成し、該活性ラジカルがラジカル重合性化合物を重合させることができるものであれば特に限定されるものではない。また、一般に光を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合物や酸発生化合物を組み合わせて用いてもよい。このような光ラジカル重合開始剤系における増感剤は可視レーザー光を吸収するために色素のような有色化合物が用いられる場合が多いが、無色透明ホログラムとする場合には、シアニン系色素の使用が好ましい。シアニン系色素は一般に光によって分解しやすいため、本発明における後露光、または室内光や太陽光の下に数時間から数日放置することでホログラム中の色素が分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色透明な体積ホログラムを得ることができるからである。
本発明に用いられる光カチオン重合開始剤系としては、体積ホログラムが記録される際の第1露光に対しては低感光性で、第1露光と異なる波長の光を照射する後露光に感光してブレンステッド酸あるいはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物を重合させるような開始剤系であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては第1露光の間はカチオン重合性化合物を重合させないものが用いられることが特に好ましい。このような光カチオン重合開始剤系としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、鉄アレン錯体類等が挙げられる。ジアリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては上述した光ラジカル重合開始剤系で示したヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類で好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム等が挙げられる。
ここで、上記カチオン重合性化合物に光カチオン重合開始剤を加えることによって得られる樹脂の屈折率は次のようにして測定することができる。すなわち、表面離型処理PETフィルム(例えば、商品名「SP−PET」50μm、トーセロ(株)製)へ上記カチオン重合性化合物に光カチオン重合開始剤を加えることによって得られる樹脂を、アプリケータを用いて20μm程度塗工し、熱乾燥させた後、紫外線照射をして硬化させる。次に、カチオン重合性化合物+光カチオン重合開始剤/表面離型処理PETフィルムの層から表面離型処理PETフィルムを剥離して、カチオン重合性化合物+光カチオン重合開始剤の単層を作製する。上記のように作製したカチオン重合性化合物+光カチオン重合開始剤の単層を、屈折率測定装置(アタゴ社製、多波長アッベ屈折計DR-M4)を用い、屈折率補償液としてモノブロモナフタレンを使用して、測定波長589nmにおける屈折率を測定する。
なお、ラジカル重合性化合物に光ラジカル重合開始剤を加えることによって得られる樹脂についても、上記と同様の方法により屈折率を測定することができる。
第2の感光材料には、必要に応じてバインダー樹脂、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色料等を併用してもよい。バインダー樹脂は、ホログラム形成前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場合や、レーザー光等の光の照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、安定に存在させるために使用される。バインダー樹脂は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物と相溶性のよいものであればよく、例えば塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。バインダー樹脂は、その側鎖又は主鎖にカチオン重合性基等の反応性を有していてもよい。
本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、所定の体積ホログラムを形成することができる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上述した構成材料の種類に応じて適宜調整することができる。なかでも本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられるレリーフホログラム層としては、一般的にレリーフ型ホログラムが記録されたホログラム層として公知のものを用いることができる。このようなレリーフホログラム層としては、例えば、フォトレジストにホログラム原画を露光して凹凸状のレリーフ面を作製し、これを原版として、このレリーフ面にニッケルメッキを施して得られた金型を合成樹脂などからなるホログラム形成層に合わせ加熱加圧により、凹凸状のホログラム画像を成形したもの等を挙げることができる。
次に本発明に用いられるヒートシール層について説明する。本発明に用いられるヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有するものであり、本発明のホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を製造する際に、ホログラム層と被転写体とを接着させる機能を有するものである。
以下、本発明に用いられるヒートシール層について詳細に説明する。
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、上述した画像形成層、ホログラム層およびヒートシール層を支持する機能を有するものである。
本発明のホログラム転写箔は少なくとも上記基材、画像形成層、ホログラム層、および、ヒートシール層を有するものであるが、必要に応じてこれら以外の他の任意の構成を用いることができる。本発明に用いられる任意の構成は特に限定されるものではなく、本発明のホログラム転写箔を用いて製造するホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、上記基材と上記ホログラム層との間に形成される剥離性保護層を挙げることができる。
ここで、上記剥離性保護層5が形成されている態様としては、図2(a)に例示するようにホログラム層3と、画像形成層2との間に形成されている態様であってもよく、あるいは、図2(b)に例示するように画像形成層2と基材1との間に形成されている態様であってもよい。
まず第1に、上記剥離性保護層が用いられることにより、基材とホログラム層とを接着力を任意の範囲に調整することができるため、本発明のホログラム転写箔からホログラム層を転写させる際に、ホログラム層の基材からの剥離性を向上させることができる。
第2に、上記剥離性保護層が用いられることにより、本発明のホログラム転写箔を用いて被転写体にホログラム層を転写した際に、ホログラム層の表面を剥離性保護層によって覆うことができるため、転写されたホログラム層を剥離性保護層によって保護することができる。
本発明のホログラム転写箔は、ホログラム層と画像形成層とを併有することにより、偽造防止機能に優れたホログラム積層体を作製することができるものであるが、本発明においては上記ホログラム層に記録されたホログラムの画像と、上記画像形成層に形成された画像とが一部重なっていることが好ましい。これにより、本発明のホログラム転写箔を用いて作製したホログラム積層体において、上記ホログラム層のホログラムを、上記画像形成層に形成された画像によって一部覆うようにすることができる。このため、コピーを行おうとしても画像形成層の画像があるために、ホログラムの複製ができないという(画像もホログラムとして記録される)割印効果によって、偽造防止効果を向上させることができるからである。
本発明のホログラム転写箔の製造方法としては、基材上に画像形成層、ホログラム層およびヒートシール層を順次積層する方法を用いることもできるが、なかでも次のような製造方法が好適に用いられる。
すなわち、本発明のホログラム転写箔を製造する方法としては、任意の基板上にホログラム層が形成された第1積層体と、上記基材上に画像形成層が形成された第2積層体とを用い、上記ホログラム層と、上記画像形成層とが接するように第1積層体および第2積層体を接着させる接着工程と、上記第1積層体の基板を剥離した後にヒートシール層を形成するヒートシール層形成工程とからなる製造方法が好適に用いられる。
次に、本発明のホログラム積層体について説明する。本発明のホログラム積層体は、被転写体と、上記被転写体上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、上記ヒートシール層上に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層と、上記ホログラム層上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有することを特徴とするものである。
また本発明によれば、上記画像形成層が上記ホログラム層上に形成されていることから、画像形成層と被転写体とが接することを防止することができる。このため、例えば、被転写体に使用されている化合物の作用により上記画像形成層の画像が劣化されることがなく、上記画像形成層の耐久性に優れたホログラム積層体を得ることができる。
以下、本発明のホログラム積層体に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられる被転写体について説明する。本発明に用いられる被転写体としては、上記ヒートシール層を介してホログラム層と接着させることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明のホログラム積層体の用途等に応じて任意に選択して用いることができる。このような被転写体としては、例えば、例えば、パスポート、冊子や商品券などに使われる紙やIDカードなどの各種カード、フィルム、布、金属、ガラス等を挙げることができる。
本発明のホログラム積層体は少なくとも上記被転写体、画像形成層、ホログラム層およびヒートシール層を有するものであるが、本発明には必要に応じてこれら以外の他の任意の構成を用いることができる。本発明に用いられる任意の構成は特に限定されるものではなく、本発明のホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、上記ホログラム層上に形成される剥離性保護層を挙げることができる。
ここで、上記剥離性保護層5が形成されている態様としては、図5(a)に例示するように、上記画像形成層2とホログラム層3との間に形成されている態様であってもよく、あるいは、図5(b)に例示するように、上記画像形成層2上に形成されている態様であってもよい。
本発明のホログラム積層体は、ホログラム層と画像形成層とを併有することにより、偽造防止機能に優れるものであるが、本発明においては上記ホログラム層に記録されたホログラムの画像と、上記画像形成層に形成された画像とが一部重なっていることが好ましい。これにより上記ホログラム層のホログラムを上記画像形成層に形成された画像によって一部覆うようにすることができる。このため、コピーを行おうとしても画像形成層の画像があるために、ホログラムの複製ができないという(画像もホログラムとして記録される)割印効果によって、偽造防止効果を向上させることができるからである。
このような本発明の体積ホログラム積層体について、図を参照しながら具体的に説明する。図9は本発明の体積ホログラム積層体および本発明に用いられる被転写体の具体例を示す概略図である。図9(a)に例示するように、本発明に用いられる被転写体としては、予め顔画像情報、文字情報、および図画情報等のあらゆる情報が記録されたものを用いることができる。そして、図9(b)に例示するように、本発明の体積ホログラム積層体は、上記図9(a)に例示した被転写体に、体積ホログラム層、光学可変画像形成層、および蛍光画像形成層が転写されることによってさらに情報が記録されたものになる。
本発明のホログラム積層体は、一般的に公知の方法によって製造することができる。本発明のホログラム積層体の製造方法の具体例としては、例えば、上記本発明に係るホログラム転写箔を用い、上記ホログラム転写箔のヒートシール層上に被転写体を接着させる被転写体接着工程と、上記ホログラム転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と、からなる方法を挙げることができる。
(第1積層体)
第1のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、ホログラム形成材料として、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm) トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン
80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・フッ素系微粒子 8重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比)
200重量部
第2のフィルムとして表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET 50μm、トーセロ(株)製)を準備し、上記表面離型処理PETフィルムに帝国インキ製造(株)製13−BLインキ BLブルーを印刷し、60℃30分で乾燥を行なった。次にBLグリーンを印刷し、60℃30分で乾燥し、さらにBLレッドを印刷し、60℃30分で乾燥した。いずれも乾燥膜厚5μmとなるようにスクリーン印刷にて印刷した。
第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/表面離型処理PETフィルムの積層体に波長;532nmのレーザー光を用いて体積型ホログラムを撮影し記録した。記録後、この積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/画像形成層の画像形成面側が接するようにして重ね、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cm2の紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った。
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムから、第1フィルムを剥離して露出させた体積ホログラムの層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
(第1積層体)
第1のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、ホログラム形成材料として、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン
80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・フッ素系微粒子 8重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比)
200重量部
第2のフィルムとして表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm)、トーセロ(株)製)を準備し、上記表面離型処理PETフィルムに帝国インキ製造(株)製 UV PAL BLインキを乾燥膜厚5μmになるように印刷し、80W/cm2メタルハライドランプにおいて、約250mJ/cm2でUV照射を行なった。
第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/表面離型処理PETフィルムの積層体に波長;532nmのレーザー光を用いて体積型ホログラムを撮影し記録した。記録後、この積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/画像形成層の画像形成面側が接するようにして重ね、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cm2の紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った。
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムから、第1のフィルムを剥離して露出させた体積ホログラムの層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm) トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
(第1積層体)
第1のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、ホログラム形成材料として、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm) トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン
80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・フッ素系微粒子 8重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比)
200重量部
第2のフィルムとして表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm)トーセロ(株)製)を準備し、上記表面離型処理PETフィルム上にACT(N)偏光パールインキをスクリーン印刷にて乾燥膜厚5μmになるように印刷した。20℃にて10分間自然乾燥の後、ACT(N)710墨をスクリーン印刷にて乾燥膜厚5μmになるように印刷した。次いで20℃にて10分間自然乾燥を行なった。
第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/表面離型処理PETフィルムの積層体に波長;532nmのレーザー光を用いて体積型ホログラムを撮影し記録した。記録後、この積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/画像形成層の画像形成面側が接するようにして重ね、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cm2の紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った。
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムから、第1フィルムを剥離して露出させた体積ホログラムの層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
(基材/剥離性保護層の第2積層体)
第2のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、剥離性保護層として、下記組成からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量;1000,000) 97重量部
・ポリエチレンワックス(分子量;10000、平均粒径;5μm) 3重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 400重量部
上記第2のフィルム/剥離性保護層上に帝国インキ製造(株)製13−BLインキ BLブルーを印刷し、60℃30分で乾燥を行なった。次にBLグリーンを印刷し、60℃30分で乾燥し、さらにBLレッドを印刷し、60℃30分で乾燥した。いずれも乾燥膜厚5μmとなるようにスクリーン印刷にて印刷した。
第1のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、ホログラム形成材料として、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm) トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン 80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・フッ素系微粒子 8重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比)
200重量部
第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/表面離型処理PETフィルムの積層体に波長;532nmのレーザー光を用いて体積型ホログラムを撮影し記録した。記録後、この積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/剥離性保護層/画像形成層の画像形成面側が接するようにして重ね、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/剥離性保護層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cm2の紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った。
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/剥離性保護層/第2のフィルムから、第1フィルムを剥離して露出させた体積ホログラムの層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
(画像形成層の形成)
第2のフィルム(表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm) トーセロ(株)製))上に帝国インキ製造(株)製13−BLインキ BLブルーを印刷し、60℃30分で乾燥を行なった。次にBLグリーンを印刷し、60℃30分で乾燥し、さらにBLレッドを印刷し、60℃30分で乾燥した。いずれも乾燥膜厚5μmとなるようにスクリーン印刷にて印刷した。
上記、第2のフィルム/画像形成層上の画像形成面上に、紫外線吸収剤入り剥離性保護層として、下記組成からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量;1000,000) 97重量部
・ポリエチレンワックス(分子量;10000、平均粒径;5μm) 3重量部
・ベンゾフェノン変性ポリメチルメタクリレート 15重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 400重量部
第1のフィルムとしてPETフィルム(ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、ホログラム形成材料として、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン
80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・フッ素系微粒子 8重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比)
200重量部
第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/表面離型処理PETフィルムの積層体に波長;532nmのレーザー光を用いて体積型ホログラムを撮影し記録した。記録後、この積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/画像形成層/剥離性保護層の剥離性保護層側が接するようにして重ね、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/剥離性保護層/画像形成層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cm2の紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った。
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/剥離性保護層/画像形成層/第2のフィルムから、第1フィルムを剥離して露出させた体積ホログラムの層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
(画像形成層と体積ホログラム層とのラミネート)
体積ホログラムの記録までは実施例1と同様の方法を実施した。次に、体積ホログラムが記録された積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/画像形成層の画像形成面側が接し、かつ画像形成層の画像と体積ホログラムの画像とが部分的に、もしくは全面重なるようにして、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cm2の紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った(図7(a)、(b))。
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/画像形成層/第2のフィルムから、第1フィルムを剥離して露出させた体積ホログラムの層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm) トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
(レリーフ型ホログラム原版の作製)
本実施例では、特開平11−24539号公報に基づき、レリーフ型ホログラムとして、計算機ホログラムを作製した。
計算機により干渉縞データを計算し、その干渉縞データに基づいて描画用矩形データを生成し、その描画用矩形データによって、ガラス基板上に電子線描画にて、微細矩形パターンを描画してレリーフ型ホログラム用原版を作製した。
第2のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、剥離性保護層として、下記組成からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量;1000,000) 97重量部
・ポリエチレンワックス(分子量;10000、平均粒径;5μm)
3重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比))
400重量部
上記、第2のフィルム/剥離性保護層上に帝国インキ製造(株)製13−BLインキ BLブルーを印刷し、60℃30分で乾燥を行なった。次にBLグリーンを印刷し、60℃30分で乾燥し、さらにBLレッドを印刷し、60℃30分で乾燥した。いずれも乾燥膜厚5μmとなるようにスクリーン印刷にて印刷した。
上記、第2のフィルム/剥離性保護層/画像形成層上に、下記組成から成る紫外線硬化組成物を滴下し、これに、上記レリーフホログラム原版を重ね合わせた後、高圧水銀灯を用いて600mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して、紫外線硬化組成物を硬化させた。その後、レリーフ型ホログラム原版を剥離した。引き続き、真空蒸着法によりアルミニウム層を、上記紫外線硬化組成物面上へ蒸着して反射型のレリーフ型ホログラムを形成した。
・ゴーセラックUV−7500B(日本合成化学) 35重量部
・1,6ヘキサンジオールジアクリレート(東亞合成化学) 35重量部
ジペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成化学) 10重量部
・ビニルピロリドン(東亞合成化学) 15重量部
・1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー) 2重量部
・ベンゾフェノン(日本化薬) 2重量部
・TSF4440(GE東芝シリコーン) 1重量部
上記で作製した第2のフィルム/剥離性保護層/画像形成層/レリーフホログラム層/蒸着層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(「SP-PET」50μm、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった(図8)。
・ポリエステル樹脂(バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
画像形成層の形成を以下の工程で行った以外は実施例4と同様の方法により体積ホログラム転写箔を作製した。
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートの透明基材の表面に下記の耐熱滑性層材料を0.5μmとなるようにグラビア印刷で全面塗工し、基材の反対面に下記の剥離層形成用材料を1.0μm、その上に蛍光画像形成層1.5μmとなるようにグラビア印刷で全面塗工し、蛍光画像形成層用転写フィルムを得た。
・ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製 商品名 エスレックBX−1) 3.6重量部
・ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業社製 商品名 バーノックD750) 8.6重量部
・リン酸エステル系界面活性剤(第一製薬工業社製 商品名 プライサーフA208S) 2.8重量部
・タルク(日本タルク工業社製 商品名 ミクロエースP−3)
0.7重量部
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1 64重量部
・アクリル樹脂(商品名 BR−87 三菱レイヨン製) 20重量部
・ポリエステル樹脂(商品名 V−200 東洋紡製) 0.1重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1) 100重量部
・有機系ブルー蛍光剤(商品名 ユビテックスOB チバスペシャルティケミカルズ製、紫外線吸収波長約366nm、蛍光発光波長約420nm)
1重量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(商品名 ソルバインCNL 日信化学工業製) 100重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1) 100重量部
第2積層体の剥離性保護層上に蛍光画像形成層用転写フィルムの蛍光発光層形成用材料層側を重ね合わせ、剥離性保護層上にサーマルヘッドを使用して0.5J/mm2で画像情報を印画し、剥離性保護層上に画像形成層を作製した。
実施例1〜8の体積ホログラム積層体を商品券にナビタス(株)製ホットスタンプ機を用いて転写温度150℃、圧力0.8Mpaで転写を行ない、第2のフィルムを剥離して体積ホログラム積層体を得た。
実施例1〜8のホログラム積層体を予め昇華転写で顔情報及び文字情報が転写されたポリ塩化ビニルカード上にナビタス(株)製ホットスタンプ機を用いて転写温度150℃、圧力0.8Mpaで転写を行ない、第2のフィルムを剥離して体積ホログラム積層体を得た。
2 … 画像形成層
3 … ホログラム層
3’ … レリーフホログラム層
4 … ヒートシール層
5 … 剥離性保護層
6 … 反射層
10,10’ … ホログラム転写箔
11 … 基板
21 … 第1積層体
22 … 第2積層体
30,30’ … ホログラム積層体
31 … 被転写体
Claims (7)
- 基材と、前記基材上に形成され、画像が形成された画像形成層と、前記画像形成層上に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層と、前記ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有することを特徴とする、ホログラム転写箔。
- 前記画像形成層に形成された画像と、前記ホログラム層に記録されたホログラムの画像とが、少なくとも一部重なっていることを特徴とする、請求項1に記載のホログラム転写箔。
- 前記画像形成層が、紫外線を吸収することにより蛍光を発する蛍光材料によって画像が形成された蛍光画像形成層であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のホログラム転写箔。
- 前記画像形成層が、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成された光学可変画像形成層であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のホログラム転写箔。
- 前記ホログラム層と前記基材との間に剥離性保護層が形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のホログラム転写箔。
- 前記剥離性保護層が、前記ホログラム層と前記画像形成層との間に形成されており、かつ、前記剥離性保護層に紫外線吸収剤が含まれていることを特徴とする、請求項5に記載のホログラム転写箔。
- 被転写体と、前記被転写体上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、前記ヒートシール層上に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層と、前記ホログラム層上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有することを特徴とする、ホログラム積層体。
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