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JP4985137B2 - 体積ホログラム転写箔、体積ホログラム積層体およびこれらの製造方法 - Google Patents

体積ホログラム転写箔、体積ホログラム積層体およびこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は体積ホログラム層を被転写体に転写するために用いられる体積ホログラム層転写箔、および、これを用いた体積ホログラム積層体の製造方法等に関するものである。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させることによって、物体光の波面が干渉縞として感光材料に記録されたものであり、干渉縞記録時の参照光と同一波長の光が当てられると干渉縞によって回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生できるものである。ホログラムは、外観が美しく、複製が比較的困難である等の利点を有することからセキュリティ用途等に多く使用されている。なかでもクレジットカードや、キャッシュカード等に代表されるプラスチックカードにおいては、主として複製防止および意匠性付与の観点からホログラム付カードが広く用いられるに至っている。
このようなホログラムは、干渉縞の記録形態によっていくつかの種類に分類することができるが、代表的には表面レリーフ型ホログラムと体積型ホログラムとに分けることができる。ここで、上記表面レリーフ型ホログラムは、ホログラム層の表面に微細な凹凸パターンが賦型されることによりホログラムが記録されたものである。一方、上記体積型ホログラムは光の干渉によって生じる干渉縞が、屈折率の異なる縞として厚み方向に三次元的に描画されることによってホログラムが記録されたものである。なかでも、上記体積型ホログラムは材料の屈折率差によってホログラム像が記録されたものであるため、上記レリーフ型ホログラムに比べて複製することが困難であるという利点を有することから、有価証券やカード類の偽造防止手段としての用途が期待されている。
また、意匠性の付与や偽造防止手段等としてホログラムを用いる場合において、ホログラムを有価証券やカード等に付与する方法としては、例えば、スリット状のホログラムを編み込む方法や、ホログラムを外部から視認可能なように媒体中に埋め込む方法が知られているが、一般的にはホログラムを所定の位置に貼付する方法が用いられている。なかでも簡便な方法として、任意の基材上にホログラムが形成されたホログラム転写箔から、ホログラムを転写することによってホログラムを所定の位置に貼付する方法が広く用いられるに至っている。
ここで、上記ホログラム転写箔は、基材上にホログラムが記録されたホログラム層、および、熱接着性を有するヒートシール層とがこの順で積層された構成を有するものであり、上記ヒートシール層を介して被転写体上にホログラム層を転写させる機能を有するものである。このようなホログラム転写箔については、例えば、特許文献1,2に開示されている。
ところで、従来、上記ホログラムは複製することが困難であったことから、偽造防止手段として各種用途に用いられてきたが、近年においてはホログラムを簡易的に複製する技術が普及し始めており、単にホログラムを用いるのみでは偽造防止手段としては不十分であることが指摘されている。このため、上記ホログラム転写箔についても、より偽造防止機能が高く、セキュリティ性に優れたホログラムを転写可能なものが求められるようになっている。
特開2003−316239号公報 特開2005−3809号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、偽造防止機能の高い体積ホログラム積層体を作製することが可能な、体積ホログラム転写箔を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、画像が形成された画像形成層および熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有し、光を反射させる機能を有する反射層を有しないことを特徴とする体積ホログラム転写箔を提供する。
本発明の体積ホログラム転写箔によれば、上記体積ホログラム層に加えて、上記画像形成層が用いられていることにより、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を作製する際に、上記体積ホログラム層を上記画像形成層と共に転写することが可能になるため、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
また、本発明においては上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されていることから、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を作製した際に、体積ホログラム積層体の表面に、上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が形成されることを低減できる。このため、本発明の体積ホログラム転写箔によれば、上記画像形成層に形成された画像を偽造することが困難となるため、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
さらに、本発明においてはホログラムが記録された層として、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層が用いられているため、レリーフ型ホログラムを用いた際に通常用いられる反射層を要しない。したがって、本発明によれば上記画像形成層に形成された画像の視認性が損なわれることがないため、意匠性に優れた体積ホログラム積層体を作製することも可能になる。また、上記反射層は通常、蒸着法等によって形成されていたため、工程上のコストが増加してしまう欠点があったが、本発明によればこのような反射層を要しないため、工程上のコスト削減することもできる。さらに、例えば体積ホログラム層を用いた転写箔を被転写物に適用した場合、視点に対してホログラム層の裏側に画像等を形成した場合にも視認性よく画像を表示できる。
このようなことから、本発明によれば偽造防止機能の高い体積ホログラム積層体を作製することが可能な、体積ホログラム転写箔を提供することができる。
本発明においては、上記画像形成層が、紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光材料によって画像が形成された蛍光画像形成層であることが好ましい。上記画像形成層としてこのような蛍光画像形成層が用いられていることにより、紫外線等が照射されない限りは、上記画像形成層の存在を外部から容易に視認できないようにすることができるため、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができるからである。
また、本発明においては上記画像形成層が、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成された光学可変画像形成層であることが好ましい。上記画像形成層として、このような光学可変画像形成層が用いられていることにより、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて、さらに偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができるようになるからである。
また、本発明においては上記体積ホログラム層と上記基材との間に剥離性保護層が形成されていることが好ましい。上記剥離性保護層が形成されていることにより、上記基材と上記体積ホログラム層との密着性を調整することができる結果、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム層を転写させて体積ホログラム積層体を作製する際に、体積ホログラム層の剥離性を向上させることができるからである。また、本発明の体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を作製する際に、上記剥離性保護層が体積ホログラム層と共に転写されることになるため、転写された体積ホログラム層を剥離性保護層によって保護することができるからである。
本発明は、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層および熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、上記画像形成層および上記ヒートシール層上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、を有することを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。
本発明によれば、上記体積ホログラム層に加えて上記画像形成層が用いられていることにより、偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を得ることができる。
また、本発明においては上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されていることから、本発明の体積ホログラム積層体の表面に、上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が形成されることを低減することができる。このため、本発明によれば上記画像形成層に形成された画像を偽造されにくくすることができるため、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を得ることができる。
また本発明は、基材を用い、上記基材上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を形成する体積ホログラム層形成工程と、上記体積ホログラム層上に、画像形成層および熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層を積層する積層工程と、を有することを特徴とする体積ホログラム転写箔の製造方法を提供する。
本発明によれば画像形成層を有する体積ホログラム転写箔を製造することができるため、偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製可能な、体積ホログラム転写箔を製造することができる。
また、本発明は上記本発明に係る体積ホログラム転写箔を用い、上記体積ホログラム転写箔のヒートシール層上に被転写体を接着させる被転写体接着工程と、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と、を有することを特徴とする体積ホログラム積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る体積ホログラム転写箔が用いられることにより、偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を製造することができる。
また、本発明は基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有する転写用ホログラム積層体、および、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有する転写用積層体を用い、上記転写用ホログラム積層体のヒートシール層と、上記転写用積層体の画像形成層とが接するように上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる接着工程と、上記転写用ホログラム積層体の基材を剥離する、基材剥離工程とを有することを特徴とする、体積ホログラム積層体の製造方法を提供する。
さらに本発明は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層とを有する、転写用ホログラム積層体、および、被転写体と、上記被転写体上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像が形成された画像形成層を有する転写用積層体を用い、上記転写用ホログラム積層体の体積ホログラム層と、上記転写用積層体の画像形成層またはヒートシール層とが接するように、上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる接着工程と、上記転写用ホログラム積層体の基材を剥離する、基材剥離工程とを有することを特徴とする、体積ホログラム積層体の製造方法を提供する。
本発明において製造される体積ホログラム積層体は、上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されることから、表面に上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が現れることを低減することができる。このため本発明によれば、上記画像形成層に形成された画像を偽造されにくくすることができるため、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を製造することができる。
本発明は、偽造防止機能の高い体積ホログラム積層体を作製することが可能な、体積ホログラム転写箔を提供することができるという効果を奏する。
本発明は、体積ホログラム転写箔、体積ホログラム積層体、および、これらの製造方法に関するものである。
以下、本発明の体積ホログラム転写箔、体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔の製造方法、および、体積ホログラム積層体の製造方法についてこの順で説明する。
A.体積ホログラム転写箔
まず、本発明の体積ホログラム転写箔について説明する。本発明の体積ホログラム転写箔は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、画像が形成された画像形成層および熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有するものであり、かつ、光を反射させる機能を有する反射層を有しないことを特徴とするものである。
このような本発明の体積ホログラム転写箔について図を参照しながら説明する。図1は本発明の体積ホログラム転写箔の一例について説明する概略断面図である。図1に例示するように、本発明の体積ホログラム転写箔10は、基材1と、上記基材1上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2と、上記体積ホログラム層2上に形成され、画像が形成された画像形成層3と、上記画像形成層3上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4とを有するものである。また、本発明の体積ホログラム転写箔10は、光を反射させる機能を有する反射層を有しないことを特徴とするものである。
本発明の体積ホログラム転写箔によれば、上記体積ホログラム層に加えて、上記画像形成層が用いられていることにより、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を作製する際に、上記体積ホログラム層を上記画像形成層と共に転写することが可能になるため、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
また、本発明においては上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されていることから、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を作製した際に、体積ホログラム積層体の表面に、上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が形成されることを低減できる。このため、本発明の体積ホログラム転写箔によれば、上記画像形成層に形成された画像を偽造することが困難となるため、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
さらに、本発明においてはホログラムが記録された層として、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層が用いられているため、レリーフ型ホログラムを用いた際に通常用いられる反射層を要しない。したがって、本発明によれば上記画像形成層に形成された画像の視認性が損なわれることがないため、意匠性に優れた体積ホログラム積層体を作製することも可能になる。また、上記反射層は通常、蒸着法等によって形成されていたため、工程上のコストが増加してしまう欠点があったが、本発明によればこのような反射層を要しないため、工程上のコスト削減することもできる。さらに、例えば体積ホログラム層を用いた転写箔を被転写物に適用した場合、視点に対してホログラム層の裏側に画像等を形成した場合にも視認性よく画像を表示できる。
このようなことから、本発明によれば偽造防止機能の高い体積ホログラム積層体を作製することが可能な、体積ホログラム転写箔を提供することができる。
なお、上記図1においては、本発明の体積ホログラム転写箔の一例として、上記体積ホログラム層上に上記画像形成層と上記ヒートシール層とがこの順で積層された例について説明したが、本発明において上記体積ホログラム層上に上記画像形成層および上記ヒートシール層とが積層された順としては、このような例に限定されるものではない。したがって、例えば図2に例示するように、本発明の体積ホログラム転写箔10は、体積ホログラム層2上に、上記ヒートシール層4と、上記画像形成層3とがこの順で積層された構成を有するものであってもよい。
本発明の体積ホログラム転写箔は、少なくとも基材と、体積ホログラム層と、画像形成層と、ヒートシール層とを有するものであり、反射層を有しないものである。
なお、本発明における反射層とは、反射型レリーフ型ホログラムで用いられる金属層等をいい、光学可変材料であるパール顔料等を含むセキュリティ層は含まないものとする。
以下、本発明の体積ホログラム転写箔に用いられる各構成について順に説明する。
1.画像形成層
まず、本発明に用いられる画像形成層について説明する。本発明に用いられる画像形成層は、画像が形成されたものであり、少なくとも後述する体積ホログラム層上に形成されるものである。
本発明に用いられる画像形成層としては、所望の画像が形成されたものであれば特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて作製される体積ホログラム積層体の用途に応じて、任意の材料によって画像が形成されたものを用いることができる。
ここで、本発明に用いられる画像形成層に形成される画像は、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて作製する体積ホログラム積層体の用途に応じて、所望の画像とすることができる。なお、本発明における「画像」とは、パターン、線画、文字、図形、記号等のみならず、単に全面が着色された態様も含むものである。
また、本発明に用いられる画像形成層は厚みが0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、0.5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。厚みが上記範囲よりも厚いと、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて作製された体積ホログラム積層体の表面に、画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が形成されてしまう可能性があるからである。また、上記範囲よりも薄いと、画像形成層に形成された画像の保存安定性等が損なわれるおそれがあるからである。
本発明に用いられる画像形成層の例としては、例えば、紫外線を吸収することにより蛍光を発する蛍光材料によって画像が形成された蛍光画像形成層、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成された光学可変画像形成層を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの画像形成層であっても好適に用いることができるが、なかでも上記蛍光画像形成層および光学可変画像形成層を用いることが好ましい。その理由は以下の通りである。
すなわち、上記蛍光画像形成層が用いられることにより、上記画像形成層の存在を外部から容易に視認できないようにすることができるため、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができるようになるからである。
また、上記光学可変材料で作製された画像は、通常のインキでは複製することが不可能であるため、上記光学可変画像形成層が用いられていることにより、さらに偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができるようになるからである。
以下、本発明に用いられる光学可変画像形成層および蛍光画像形成層について詳細に説明する。
(1)光学可変画像形成層
まず、本発明に用いられる光学可変画像形成層について説明する。本発明に用いられる光学可変画像形成層は、光学可変材料によって画像が形成されたものである。本発明に用いられる光学可変材料としては、所望の色を発現できるものであれば特に限定されるものではないが、なかでも所定の角度から観た際に、後述する体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの像と同一色の色を発現できるものであることが好ましい。このような光学可変材料が用いられることにより、所定の角度から視認した際に、画像形成層の画像と、体積ホログラム層の体積ホログラム像とを同一色の画像にすることができるため、たとえば上記体積ホログラム層における体積ホログラムと、光学可変画像形成層における画像とが重なるように形成することにより、特定の角度において体積ホログラムが視認されないようにすることが可能になり、さらにセキュリティ性を向上させることができるからである。
本発明に用いられる光学可変材料としては、例えば、パール顔料、偏光インキ、液晶インキ、および再帰反射性インキ等を挙げることができる。本発明においてはこれらの光学可変材料を1種類のみ用いてもよく、あるいは、2種類以上を用いてもよい。
上記パール顔料としては、魚介類から抽出したパールエッセンス、塩基性炭酸鉛、酸性ヒ酸鉛、酸塩化ビスマス、雲母を金属酸化物で被覆したもの等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれパール顔料であっても好適に用いることができるが、なかでも安全性の見地から雲母を金属酸化物で被覆したものが好ましい。ここで、金属酸化物としては、その光沢性および屈折率から酸化チタン、酸化鉄が好ましくは利用される。
また、本発明に用いられるパール顔料は、それをさらに顔料、染料等で着色したものであってもよい。
上記偏光インキおよび液晶インキとは、偏光コレステリック高分子液晶顔料とバインダーおよび分散剤等を混合したインキを意味するものである。上記偏光コレステリック高分子液晶顔料は、支持体に架橋性液晶ポリオルガノシロキサンと重合開始剤の混合溶液を剪断力などにより配向させながら塗布し、その後紫外線照射や加熱により架橋させ、架橋した液晶層を支持体から剥離し、ミル等で粉砕することによって得ることができる。
上記再帰反射性インキとは、ガラスビーズなど反射鏡となる粒子をバインダーに分散させたインキである。このようなインキとしては、雲母やアルミニウム粉体、着色パール顔料などその他の顔料素材と混ぜて使用してもよい。
(2)蛍光画像形成層
次に、本発明に用いられる蛍光画像形成層について説明する。本発明に用いられる蛍光画像形成層は、紫外線を吸収することにより、蛍光を発する蛍光材料によって画像が形成されたものである。本発明に用いられる蛍光材料としては、紫外線を吸収することにより所望の波長の蛍光を発することができるものであれば特に限定されるものではない。
本発明に用いられる蛍光材料は少なくとも1種類が用いられるものであるが、本工程においては発光する蛍光の波長が異なる複数の蛍光材料が用いられることが好ましく、特に赤、緑、青の各色を発色する蛍光材料が用いられることが好ましい。これにより本発明に用いられる画像形成層に蛍光でフルカラーの画像を形成することが可能になるからである。
本発明に用いられる蛍光材料としては、例えば、有機蛍光色素および無機蛍光色素を挙げることができる。
上記有機蛍光色素としては、例えば、有機蛍光色素としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などが挙げられる。具体的には可視光で無色の蛍光染料としては、EB−501(三井化学(株)製、発光色:青色)、EG−302(三井化学(株)製、発光色:黄緑色)、EG−307(三井化学(株)製、発光色:緑色)、ER−120(三井化学(株)製、発光色:赤色)、ER−122(三井化学(株)製、発光色:赤色)、蛍光増白剤と呼ばれるユビテックスOB(チバスペシャルティケミカルズ社製、発光色:青色)、ユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート(シンロイヒ(株)、赤橙色)等を挙げることができる。
また、上記無機蛍光色素としては、無機蛍光色素としては、Ca、Ba、Mg、Sr、などの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩のなどの結晶を主成分とし、Eu、Mn、Pb、Fe、Mn、Zn、Ag、Cuなどの金属元素または希土類元素をドープ剤として添加した顔料を用いることができる。具体的には可視光下では無色から白色のG−300シリーズ(SrAl:Eu,Dy 根本特殊化学製 発光色:緑)やV−300シリーズ(CaAl4:Eu,Nd 根本特殊化学製 発光色:紫)等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる蛍光材料としては、たとえば、チオフェン系蛍光色素、β−キノフタロン系蛍光色素、クマリン系蛍光色素、ビススチリルベンゼン系蛍光色素、オキサゾール系蛍光色素、およびユーロピウム錯体系蛍光色素等を挙げることができる。これらの蛍光色素の具体例としては、例えば特開2004−122690号公報に記載されたものを例示することができる。
なお、本発明に用いられる蛍光画像形成層には上記蛍光材料以外に、通常、バインダー樹脂が含まれることが好ましい。本発明に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、これらの樹脂の混合物等が挙げられる。本発明においてはこれらのいずれの樹脂であっても好適に用いることができる。
2.体積ホログラム層
次に本発明に用いられる体積ホログラム層について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム層は、体積ホログラムが記録されたものであり、本発明の体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、被転写体へ転写されるものである。
以下、このような体積ホログラム層について詳細に説明する。
(1)構成材料
本発明に用いられる体積ホログラム層を構成する材料としては、体積ホログラムを記録することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に体積ホログラムに用いられる材料を任意に用いることができる。このような材料としては、例えば、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が挙げることできるが、なかでも本発明においては、(i)バインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する第1の感光材料、または、(ii)カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系および光カチオン重合開始剤系を含有するからなる第2の感光材料を好適に用いることができる。
以下、このような第1の感光材料および第2の感光材料について順に説明する。
(i)第1の感光材料
まず、上記第1の感光材料について説明する。上述したように第1の感光材料はバインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有するものである。
(バインダー樹脂)
上記バインダー樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、またはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、アクリル酸、アクリル酸エステル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体、またはそれらの混合物や、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物等を挙げることができる。ここで、体積ホログラム層を形成する際には、記録された体積ホログラムを安定化するために、加熱してモノマーを移動させる工程が実施される場合がある。このため、本発明に用いられるバインダー樹脂はガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動が容易に移動できるものであることが好ましい。
(光重合可能な化合物)
上記光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマーおよびそれらの混合物を用いることができる。具体例としては、不飽和カルボン酸およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド化合物等を挙げることができる。
ここで、上記不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等を挙げることができる。また上記脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート等を挙げることができる。
上記メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等を挙げることができる。また、上記イタコン酸エステルとしてはエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート等を挙げることができる。また、上記クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等を挙げることができる。さらに上記イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等を挙げることができる。さらにまた、上記マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリスリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエート等を挙げることができる。
上記ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
また、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド等を挙げることができる。
(光重合開始剤)
本発明に用いられる光重合開始剤としては、例えば、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等を挙げることができる。なかでも本発明に用いられる光重合開始剤は、記録された体積ホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるものが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
(増感色素)
本発明に用いられる増感色素としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等を挙げることができる。
(ii)第2の感光材料
次に、本発明に用いられる第2の感光材料について説明する。上述したように第2の感光材料は、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系、および、カチオン重合開始剤系を含有するものである。
ここで、このような第2感光材料が用いられる場合、体積ホログラム層に体積ホログラムを記録する方法としては、光ラジカル重合開始剤系が感光するレーザー光等の光を照射し、次いで、光カチオン重合開始剤系が感光する上記レーザー光とは別の波長の光を照射する方法が用いられることになる。
(カチオン重合性化合物)
上記カチオン重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物の重合が比較的低粘度の組成物中で行われることが好ましいという点から、室温で液状のものが好適に用いられる。このようなカチオン重合性化合物としては、例えば、ジグリセロールジエーテル、ペンタエリスリトールポリジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
(ラジカル重合性化合物)
上記ラジカル重合性化合物としては、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。また、本発明に用いられるラジカル重合性化合物の平均屈折率は、上記カチオン重合性化合物の平均屈折率より大きいことが好ましく、なかでも0.02以上大きいことが好ましい。これは、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物との屈折率の差によって、体積ホログラムが形成されることによるものである。したがって、平均屈折率の差が上記値以下である場合には、屈折率変調が不十分となるからである。本発明に用いられるラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、2−ブロモスチレン、フェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート等を挙げることができる。
(光ラジカル重合開始剤系)
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤系としては、体積ホログラムを記録する際に、第1露光によって活性ラジカルを生成し、該活性ラジカルがラジカル重合性化合物を重合させることができるものであれば特に限定されるものではない。また、一般に光を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合物や酸発生化合物を組み合わせて用いてもよい。このような光ラジカル重合開始剤系における増感剤は可視レーザー光を吸収するために色素のような有色化合物が用いられる場合が多いが、無色透明ホログラムとする場合には、シアニン系色素の使用が好ましい。シアニン系色素は一般に光によって分解しやすいため、本発明における後露光、または室内光や太陽光の下に数時間から数日放置することでホログラム中の色素が分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色透明な体積ホログラムを得ることができるからである。
上記シアニン系色素の具体例としては、アンヒドロ−3,3´−ジカルボキシメチル−9−エチル−2,2´チアカルボシアニンベタイン、アンヒドロ−3−カルボキシメチル−3´,9´−ジエチル−2,2´チアカルボシアニンベタイン、3,3´,9−トリエチル−2,2´−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,9−ジエチル−3´−カルボキシメチル−2,2´−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3´,9−トリエチル−2,2´−(4,5,4´,5´−ジベンゾ)チアカルボシアニン・ヨウ素塩、2−[3−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)−1−プロペニル]−6−[2−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]−3−エチル−1,3,5−チアジアゾリウム・ヨウ素塩、2−[[3−アリル−4−オキソ−5−(3−n−プロピル−5,6−ジメチル−2−ベンゾチアゾリリデン)−エチリデン−2−チアゾリニリデン]メチル]3−エチル−4,5−ジフェニルチアゾリニウム・ヨウ素塩、1,1´,3,3,3´,3´−ヘキサメチル−2,2´−インドトリカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3´−ジエチル−2,2´−チアトリカルボシアニン・過塩素酸塩、アンヒドロ−1−エチル−4−メトキシ−3´−カルボキシメチル−5´−クロロ−2,2´−キノチアシアニンベタイン、アンヒドロ−5,5´−ジフェニル−9−エチル−3,3´−ジスルホプロピルオキサカルボシアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記活性ラジカル発生化合物としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、あるいは2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類が挙げられる。高い感光性が必要なときは、ジアリールヨードニウム塩類の使用が特に好ましい。上記ジアリールヨードニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4´−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4´−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4´−ジターシャリーブチルジフェニルヨードニウム、3,3´−ジニトロジフェニルヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホン酸塩、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸塩などが例示される。又2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)ー1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4´−メトキシ−1´−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
(光カチオン重合開始剤系)
本発明に用いられる光カチオン重合開始剤系としは、体積ホログラムが記録される際の第1露光に対しては低感光性で、第1露光と異なる波長の光を照射する後露光に感光してブレンステッド酸あるいはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物を重合させるような開始剤系であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては第1露光の間はカチオン重合性化合物を重合させないものが用いられることが特に好ましい。このような光カチオン重合開始剤系としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、鉄アレン錯体類等が挙げられる。ジアリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては上述した光ラジカル重合開始剤系で示したヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類で好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム等が挙げられる。
(屈折率の測定方法)
ここで、上記カチオン重合性化合物に光カチオン重合開始剤を加えることによって得られる樹脂の屈折率は次のようにして測定することができる。すなわち、表面離型処理PETフィルム(例えば、商品名「SP−PET」50μm、トーセロ(株)製)へ上記カチオン重合性化合物に光カチオン重合開始剤を加えることによって得られる樹脂を、アプリケータを用いて20μm程度塗工し、熱乾燥させた後、紫外線照射をして硬化させる。次に、カチオン重合性化合物+光カチオン重合開始剤/表面離型処理PETフィルムの層から表面離型処理PETフィルムを剥離して、カチオン重合性化合物+光カチオン重合開始剤の単層を作製する。上記のように作製したカチオン重合性化合物+光カチオン重合開始剤の単層を、屈折率測定装置(アタゴ社製、多波長アッベ屈折計DR-M4)を用い、屈折率補償液としてモノブロモナフタレンを使用して、測定波長589nmにおける屈折率を測定する。
なお、ラジカル重合性化合物に光ラジカル重合開始剤を加えることによって得られる樹脂についても、上記と同様の方法により屈折率を測定することができる。
(その他)
第2の感光材料には、必要に応じてバインダー樹脂、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色料等を併用してもよい。バインダー樹脂は、ホログラム形成前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場合や、レーザー光等の光の照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、安定に存在させるために使用される。バインダー樹脂は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物と相溶性のよいものであればよく、例えば塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。バインダー樹脂は、その側鎖又は主鎖にカチオン重合性基等の反応性を有していてもよい。
(2)その他
本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、所定の体積ホログラムを形成することができる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上述した構成材料の種類に応じて適宜調整することができる。なかでも本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
3.ヒートシール層
次に本発明に用いられるヒートシール層について説明する。本発明に用いられるヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有するものであり、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層と被転写体とを接着させる機能を有するものである。
以下、本発明に用いられるヒートシール層について詳細に説明する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム層が転写される被転写体の種類に応じて、体積ホログラム層と被転写体とを接着できるものであれば特に限定されるものではない。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、マレイン酸変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの熱可塑性樹脂であっても好適に用いることができる。
なお、本発明に用いられる熱可塑性樹脂は1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられるヒートシール層には、上記熱可塑性樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。本発明に用いられる添加剤としては、例えば、分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
本発明に用いられるヒートシール層の厚みは特に限定されるものではなく、体積ホログラム層箔の種類や、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム層が転写される被転写体の種類等によって適宜選択されるものであるが、通常、0.3μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.5μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも薄いと被転写体との接着性が不十分になってしまう可能性があるからである。また上記範囲よりも厚いと、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム層を転写する際に、ヒートシール層を加熱する温度が高くなりすぎてしまい、基材等に損傷が生じてしまう可能性があるからである。
4.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、上述した画像形成層、体積ホログラム層およびヒートシール層を支持する機能を有するものである。
本発明に用いられる基材としては、上記体積ホログラム層およびヒートシール層を支持できるものであれば特に限定されるものではない。このような基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルム等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる基材の厚みは、本発明によって製造される体積ホログラム積層体の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、通常2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
5.任意の構成
本発明の体積ホログラム転写箔は少なくとも上記基材、画像形成層、体積ホログラム層、および、ヒートシール層を有し、反射層を有さないものであるが、本発明には必要に応じてこれら以外の他の任意の構成を用いることができる。本発明に用いられる任意の構成は特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて製造する体積ホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、上記基材と上記体積ホログラム層との間に形成される剥離性保護層を挙げることができる。
本発明の体積ホログラム転写箔に剥離性保護層が用いられる場合について図を参照しながら説明する。図3は本発明の体積ホログラム転写箔に剥離性保護層が用いられている場合の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、本発明の体積ホログラム転写箔10’は、基材1と、体積ホログラム層2との間に剥離性保護層5が形成されていてもよい。
本発明の体積ホログラム転写箔に剥離性保護層が用いられることにより、次の2つの点において有利な効果が得られる。
まず第1に、上記剥離性保護層が用いられることにより、基材と体積ホログラム層とを接着力を任意の範囲に調整することができるため、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム層を転写させる際に、体積ホログラム層の基材からの剥離性を向上させることができる。
第2に、上記剥離性保護層が用いられることにより、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて被転写体に体積ホログラム層を転写した際に、体積ホログラム層の表面を剥離性保護層によって覆うことができるため、転写された体積ホログラム層を剥離性保護層によって保護することができる。
本発明に用いられる剥離性保護層に用いられる材料としては、例えばポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等の1種または2種以上混合したもの等を挙げることができる。
上記剥離性保護層以外に、本発明に用いられる任意の構成としては、例えば、体積ホログラム層とヒートシール層との接着性、あるいは、体積ホログラム層と、上記剥離性保護層との接着性を向上させるために用いられるプライマー層を挙げることができる。このようなプライマー層としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルあるいはアクリル酸等との共重合体、エポキシ樹脂等が用いられたものを挙げることができる。
また本発明においては上記任意の構成として、上記体積ホログラム層とヒートシール層との間にバリア層が形成されてもよい。体積ホログラム層に用いられる感光材料やヒートシール層に用いられる熱可塑樹脂の組み合わせによっては、経時的に体積ホログラム層から他の層への低分子量成分の移行が起こり、これに起因して体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの再生波長が青側(短波長側)に移行してしまう場合があるが、バリア層を設けることによって、このような問題を解消することができるからである。
バリア層に用いられる材料としては、所望のバリア性を発現できる材料であれば特に限定されるものではないが、通常、透明性有機樹脂材料が用いられる。本発明に用いられる透明性有機樹脂材料としては、例えば、無溶剤系の3官能以上、好ましくは6官能以上の、紫外線や電子線等の電離放射線に反応する電離放射線硬化性エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
6.体積ホログラム転写箔の製造方法
本発明の体積ホログラム転写箔は、長尺の基材上に体積ホログラム層、ヒートシール層および画像形成層を順次積層することによって製造することができる。ここで、上記画像形成層を形成する方法は、画像形成層に用いられる材料によって適宜選択することができるものであり、例えば、印刷法や転写法などが用いられる。なお、本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法としては、後述する「C.体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明する方法を好適に用いることができる。
B.体積ホログラム積層体
次に、本発明の体積ホログラム積層体について説明する。本発明の体積ホログラム積層体は、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層および熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、上記画像形成層および上記ヒートシール層上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の体積ホログラム積層体について図を参照しながら説明する。図4は本発明の体積ホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように本発明の体積ホログラム積層体20は、被転写体21と、上記被転写体21上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4と、上記ヒートシール層4上に形成され、画像が形成された画像形成層3と、上記画像形成層3上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2とを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記体積ホログラム層に加えて上記画像形成層が用いられていることにより、偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を得ることができる。
また、本発明においては上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されていることから、本発明の体積ホログラム積層体の表面に、上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が形成されることを低減することができる。このため、本発明によれば上記画像形成層に形成された画像を偽造されにくくすることができるためより偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を得ることができる。
なお、上記図4においては、本発明の体積ホログラム積層体の一例として、上記被転写体上に上記ヒートシール層と上記画像形成層とがこの順で積層された例について説明したが、本発明において上記被転写体上に上記画像形成層および上記ヒートシール層が積層された順としては、このような例に限定されるものではない。したがって、例えば図5に例示するように、本発明の体積ホログラム積層体20は、被転写体21上に、上記画像形成層3と、上記ヒートシール層4と、がこの順で積層された構成を有するものであってもよい。
本発明の体積ホログラム積層体は、少なくとも上記被転写体、ヒートシール層、画像形成層、および、体積ホログラム層を有するものであり、必要に応じて他の任意の構成が用いられてもよいものである。
以下、本発明の体積ホログラム積層体に用いられる各構成について順に説明する。
なお、本発明に用いられるヒートシール層、画像形成層および体積ホログラム層については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
1.被転写体
まず、本発明に用いられる被転写体について説明する。本発明に用いられる被転写体としては、上記ヒートシール層を介して体積ホログラム層と接着させることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて任意に選択して用いることができる。このような被転写体としては、例えば、パスポート、冊子や商品券などに使われる紙やIDカードなどの各種カード、フィルム、布、金属、ガラス等を挙げることができる。
2.任意の構成
本発明の体積ホログラム積層体は少なくとも上記被転写体、画像形成層、体積ホログラム層およびヒートシール層を有するものであるが、本発明には必要に応じてこれら以外の他の任意の構成を用いることができる。本発明に用いられる任意の構成は特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、上記体積ホログラム層上に形成される剥離性保護層を挙げることができる。
本発明の体積ホログラム転写箔に剥離性保護層が用いられる場合について図を参照しながら説明する。図6は本発明の体積ホログラム積層体に剥離性保護層が用いられている場合の一例を示す概略断面図である。図6に例示するように、本発明の体積ホログラム積層体20’は、上記体積ホログラム層2上に剥離性保護層5が形成されていてもよい。
また、本発明に用いられる任意の構成としては、上記剥離性保護層以外に上述したプライマー層やバリア層なども用いることができる。
ここで、本発明に用いられる剥離性保護層、プライマー層およびバリア層については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.体積ホログラム積層体
本発明の体積ホログラム積層体は、上記被転写体、ヒートシール層、体積ホログラム層、および画像形成層を有するものであることから、上記被転写体に予め記録されていた諸情報に加え、体積ホログラムおよび画像形成層に基づく画像等の情報がさらに追加されたものになる。
このような本発明の体積ホログラム積層体について、図を参照しながら具体的に説明する。図14は本発明の体積ホログラム積層体および本発明に用いられる被転写体の具体例を示す概略図である。図14(a)に例示するように、本発明に用いられる被転写体としては、予め顔画像情報、文字情報、および図画情報等のあらゆる情報が記録されたものを用いることができる。そして、図14(b)に例示するように、本発明の体積ホログラム積層体は、上記図14(a)に例示した被転写体に、体積ホログラム層、光学可変画像形成層、および蛍光画像形成層が転写されることによってさらに情報が記録されたものになる。
4.体積ホログラム積層体の製造方法
本発明の体積ホログラム積層体は、一般的に公知の方法によって製造することができる。本発明の体積ホログラム積層体の製造方法の具体例としては、例えば、後述する「D.体積ホログラム積層体の製造方法」の項において説明する方法を挙げることができる。
C.体積ホログラム転写箔の製造方法
次に、本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法について説明する。本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材を用い、上記基材上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を形成する体積ホログラム層形成工程と、上記体積ホログラム層上に、画像形成層および熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層を積層する積層工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば画像形成層を有する体積ホログラム転写箔を製造することができるため、偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製可能な、体積ホログラム転写箔を製造することができる。
本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法は、その態様により4態様に分類することができる。したがって、以下各態様に分けて本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法について説明する。
C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法
まず、本発明の第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、上記積層工程が上記体積ホログラム層上に、画像形成層を形成する画像形成層形成工程と、上記画像形成層上に熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層を形成するヒートシール層形成工程とからなる態様である。
このような本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について図を参照しながら説明する。図7は本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す概略図である。図7に例示するように本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材1を用い(図7(a))、上記基材1上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2を形成する体積ホログラム層形成工程(図7(b))と、上記体積ホログラム層2上に、画像形成層3を形成する画像形成層形成工程と(図7(c))、上記画像形成層3上に熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4を形成するヒートシール層形成工程と(図7(d))を有するものである。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。
1.体積ホログラム層形成工程
まず、本態様に用いられる体積ホログラム層形成工程について説明する。本工程は、基材を用い、上記基材上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を形成する工程である。
本工程において、基板上に体積ホログラム層を形成する方法としては、所望の体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、未露光の体積ホログラム層形成用層を形成した後、当該体積ホログラム層形成用層に体積ホログラムを記録する方法や、予め別工程において体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を形成し、これを上記基板上に貼り合わせる方法を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの方法であっても好適に用いることができるが、なかでも前者の方法を用いることが好ましい。
本工程において、未露光の体積ホログラム層形成用層を形成した後、当該体積ホログラム層形成用層に体積ホログラムを記録する方法が用いられる場合、体積ホログラム層形成用層を形成する方法としては、体積ホログラム層に用いられる材料等に応じて、厚みが均一な体積ホログラム層形成用層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、体積ホログラム層を形成する材料として光重合性材料を用いる場合は、光重合性材料を溶媒に溶解させた塗工液を上記基材上に塗工する方法や、光重合性材料を含有するフィルムを上記樹脂層上に貼り合わせる方法を挙げることができる。
なお、これらの方法については一般的に体積ホログラム層を形成する方法として公知の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記体積ホログラム層形成用層に体積ホログラムを記録する方法としては、本態様によってされる体積ホログラム転写箔を用いて作製される体積ホログラム積層体の用途等に応じて、所望の体積ホログラムを記録できる方法であれば特に限定されるものではない。ここで、体積ホログラムは、通常、光の干渉によって生じる干渉縞を屈折率の異なる縞として光重合性材料を固定化することによってホログラム像を記録するものである。このため、本工程において体積ホログラムを記録する方法としても、体積ホログラム層形成用層に所定の干渉縞を記録できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記基材側から参照光を入射し、体積ホログラム層形成用層側から物体光を入射し、上記体積ホログラム層形成用層内においてこれらの光を干渉させる方法や、体積ホログラム層形成用層上にホログラム原版を配置し、上記基材側から光を入射することによって、当該入射光と上記ホログラム原版によって反射された反射光とを上記体積ホログラム層形成用層内において干渉させる方法等を挙げることができる。
なお、本工程に用いられる基材については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.積層工程
次に、本態様に用いられる積層工程について説明する。上述したように、本態様に用いられる積層工程は、画像形成層形成工程とヒートシール層形成工程とからなるものである。
以下、これらの各工程について順に説明する。
(1)画像形成層形成工程
まず、本工程に用いられる画像形成層形成工程について説明する。本工程は、上記体積ホログラム層形成工程によって形成された体積ホログラム層上に、画像形成層を形成する工程である。
本工程において画像を形成するために用いられる方法としては、本工程によって形成される画像形成層の種類に応じて、所望の画像を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等種々の方法を用いることができる。
また、本工程において画像を形成するために用いられる方法としては、転写法を用いることも可能である。このような転写法を用いることにより、被転写体に検知マークを設ければ位置あわせが容易であること、あるいは、溶剤を使用しないため、体積ホログラム層へのダメージが少ない等の利点がある。
(2)ヒートシール層形成工程
次に、本工程に用いられるヒートシール層形成工程について説明する。本工程は、上記画像形成層形成工程によって形成された画像形成層上にヒートシール層を形成する工程である。
本工程においてヒートシール層を形成する方法としては、使用される熱可塑性樹脂の種類等に応じて所定の厚みのヒートシール層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記画像形成層上に、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層形成用組成物を塗工する方法や、熱可塑性樹脂を含有するフィルムを上記画像形成層上に貼り合わせる方法等を挙げることができる。
なお、本工程に用いられる熱可塑性樹脂については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
C−2:第2態様の体積ホログラム転写箔の製造方法
次に、本発明の2態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、上記積層工程が、上記体積ホログラム層上に、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層を形成するヒートシール層形成工程と、上記ヒートシール層上に画像形成層を形成する画像形成層形成工程と、からなる態様である。
このような本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について図を参照しながら説明する。図8は本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す概略図である。図8に例示するように本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材1を用い(図8(a))、上記基材1上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2を形成する体積ホログラム層形成工程と(図8(b))、上記体積ホログラム層2上に熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4を形成するヒートシール層形成工程(図8(c))と、上記ヒートシール層4上に、画像形成層3を形成する画像形成層形成工程(図8(d))と、を有するものである。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。
なお、本態様に用いられる体積ホログラム層形成工程については、上記「C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.積層工程
本態様に用いられる積層工程は、上記ヒートシール層形成工程と、上記画像形成層形成工程とからなるものである。
(1)ヒートシール層形成工程
本態様に用いられるヒートシール層形成工程は、上記体積ホログラム層形成工程によって形成された体積ホログラム層上に、熱可塑組成樹脂を含有するヒートシール層を形成する工程である。本工程においてヒートシール層を形成する方法としては、上記体積ホログラム層上に形成すること以外は、上記「C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)画像形成層形成工程
本態様に用いられる画像形成層形成工程は、上記ヒートシール層形成工程によって形成されたヒートシール層上に画像形成層を形成する工程である。本工程において画像形成層を形成する方法としては、本工程によって形成される画像形成層の種類に応じて、所望の画像を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、上記ヒートシール層上に画像形成層を形成すること以外は、上記「C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
C−3:第3態様の体積ホログラム転写箔の製造方法
次に、本発明の第3態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、上記積層工程が、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像形成層が積層された積層体を、ヒートシール層が上記体積ホログラム層に接するように、上記体積ホログラム層上に積層するものである態様である。
このような本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について図を参照しながら説明する。図9は本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す概略図である。図9に例示するように本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材1を用い(図9(a))、上記基材1上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2を形成する体積ホログラム層形成工程(図9(b))と、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4および画像形成層3が積層された積層体30を、ヒートシール層4が上記体積ホログラム層2に接するように、上記体積ホログラム層2上に積層するものである態様である(図9(c)(d))。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。なお、本態様に用いられる体積ホログラム層形成工程については、上記「C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる積層工程は、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像形成層が積層された積層体を、ヒートシール層が上記体積ホログラム層に接するように、上記体積ホログラム層上に積層する工程である。
本工程において、上記積層体を上記体積ホログラム層上に積層する方法としては特に限定されるものではないが、通常、任意の基板上に、上記画像形成層と上記ヒートシール層とがこの順で積層された構成を有する転写媒体を作製し、当該転写媒体から、上記ヒートシール層および画像形成層の積層体を、上記体積ホログラム層上へ転写する方法が好適に用いられる。
ここで、本工程に用いられる転写媒体は、上記任意の基板上に上記画像形成層およびヒートシール層を順次積層することによって作製することができるが、ここで、上記任意の基板上に画像形成層およびヒートシール層を形成する方法については、上記「C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
C−4:第4態様の体積ホログラム転写箔の製造方法
次に、本発明の第4態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、上記積層工程が、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像形成層が積層された積層体を、上記画像形成層が上記体積ホログラム層に接するように、上記体積ホログラム層上に積層するものである態様である。
このような本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法について図を参照しながら説明する。図10は本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す概略図である。図10に例示するように本態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材1を用い(図10(a))、上記基材1上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2を形成する体積ホログラム層形成工程と(図10(b))、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像形成層が積層された積層体30を、上記ヒートシール層4が上記体積ホログラム層2に接するように、上記体積ホログラム層2上に積層するものである態様である(図10(c)(d))。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。なお、本態様に用いられる体積ホログラム層形成工程については、上記「C−1:第1態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる積層工程は、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像形成層が積層された積層体を、ヒートシール層が上記体積ホログラム層に接するように、上記体積ホログラム層上に積層する工程である。
本工程において、上記積層体を上記体積ホログラム層上に積層する方法としては特に限定されるものではないが、通常、任意の基板上に、上記ヒートシールと上記画像形成層とがこの順で積層された構成を有する転写媒体を作製し、当該転写媒体から、上記ヒートシール層および画像形成層の積層体を、上記体積ホログラム層上へ転写する方法が好適に用いられる。
ここで、本工程に用いられる転写媒体の作製方法については、上記「C−3:第3態様の体積ホログラム転写箔の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
D.体積ホログラム積層体の製造方法
次に、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、その態様により3態様に分けることができる。したがって、以下各態様に分けて、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。
D−1:第1態様の体積ホログラム積層体の製造方法
まず、本発明の第1態様の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム積層体の製造方法は、上記本発明に係る体積ホログラム転写箔を用い、上記体積ホログラム転写箔のヒートシール層上に被転写体を接着させる被転写体接着工程と、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様の体積ホログラム積層体について図を参照しながら説明する。図11は本態様の体積ホログラム積層体の製造方法について、その一例を示す概略図である。図11に例示するように、本態様の体積ホログラム積層体の製造方法は、上記本発明に係る体積ホログラム転写箔10を用い(図11(a))、上記体積ホログラム転写箔11のヒートシール層4上に被転写体21を接着させる被転写体接着工程(図11(b))と、上記体積ホログラム転写箔10の基材1を剥離する基材剥離工程と(図11(c))、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記本発明に係る体積ホログラム転写箔が用いられることにより、偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を製造することができる。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。
1.被転写体接着工程
まず、本態様に用いられる被転写体接着工程について説明する。本工程は、上記本発明に係る体積ホログラム転写箔を用い、上記体積ホログラム転写箔のヒートシール層上に被転写体を接着させる工程である。
本工程において、上記ヒートシール層上に被転写体を接着する方法としては、被転写体の所定の位置にヒートシール層を接着できる方法であれば特に限定されるものではないが、通常はヒートシール層を加熱することにより上記被転写体を接着する方法が用いられる。本工程においてヒートシール層を加熱する手段としては、所望の領域のみを所定の温度に過熱できる方法であれば特に限定されるものではない。このようは方法としては、加熱ローラーを用いる方法や、熱プレス、ホットスタンプ等を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの加熱手段であっても好適に用いることができる。
ここで、本工程に用いられる体積ホログラム転写箔については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものであり、また本工程に用いられる被転写体については、上記「B.体積ホログラム積層体」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.基材剥離工程
次に、本発明に用いられる基材剥離工程について説明する。本工程は、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する工程である。本工程において基材を剥離する方法としては、上記被転写体と接着された領域のみの基材を剥離することができる方法であれば特に限定されるものではない。通常は、体積ホログラム転写箔を被転写体から物理的に引き離すことによって剥離する方法が用いられる。
D−2:第2態様の体積ホログラム積層体の製造方法
次に、本発明の第2態様の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム積層体の製造方法は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有する転写用ホログラム積層体、および、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有する転写用積層体を用い、上記転写用ホログラム積層体のヒートシール層と、上記転写用積層体の画像形成層とが接するように上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる接着工程と、上記転写用ホログラム積層体の基材を剥離する、基材剥離工程とを有することを特徴とするものである。
このような本態様の体積ホログラム積層体の製造方法について図を参照しながら説明する。図12は本態様の体積ホログラム積層体の製造方法について、その一例を示す概略図である。図12に例示するように本態様の体積ホログラム積層体の製造方法は、基材1と、上記基材1上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2と、上記体積ホログラム層2上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4とを有する転写用ホログラム積層体41、および、被転写体21と、上記被転写体21上に形成され、画像が形成された画像形成層と3を有する転写用積層体42を用い(図12(a))、上記転写用ホログラム積層体41のヒートシール層4と、上記転写用積層体42の画像形成層3とが接するように上記転写用ホログラム積層体41と、上記転写用積層体42とを接着させる接着工程と(図12(b))、上記転写用ホログラム積層体41の基材1を剥離する、基材剥離工程と(図12(c))を有することを特徴とするものである。
本態様においては、上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されていることから、本態様により製造される体積ホログラム積層体の表面に、上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が現れることを低減することができるため、上記画像形成層に形成された画像を偽造されにくくすることができる。このため本態様によれば、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。
1.接着工程
まず、本態様に用いられる接着工程について説明する。本工程は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有する転写用ホログラム積層体、および、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有する転写用積層体を用い、上記転写用ホログラム積層体のヒートシール層と、上記転写用積層体の画像形成層とが接するように上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる工程である。
(1)転写用ホログラム積層体
本工程に用いられる転写用ホログラム積層体は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有するものである。ここで、上記基材、体積ホログラム層およびヒートシール層については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本工程に用いられる転写用積層体は、上記基材、体積ホログラム層およびヒートシール層以外の他の構成が用いられてもよいものである。このような他の構成としては、例えば、剥離性保護層、プライマー層およびバリア層等を挙げることができるが、これらについては上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)転写用積層体
本工程に用いられる転写用積層体は、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有するものである。ここで、上記画像形成層については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であり、上記被転写体については、上記「B.体積ホログラム積層体」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)接着方法
本工程において、上記転写用ホログラム積層体のヒートシール層と、上記転写用積層体の画像形成層とが接するように上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる方法としては、特に限定されるものではないが、通常はヒートシール層を加熱することにより上記転写用積層体と、上記転写用ホログラムとを接着する方法が用いられる。本工程においてヒートシール層を加熱する手段としては、所望の領域のみを所定の温度に過熱できる方法であれば特に限定されるものではない。このようは方法としては、加熱ローラーを用いる方法や、熱プレス、ホットスタンプ等を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの加熱手段であっても好適に用いることができる。
2.基材剥離工程
次に、本態様に用いられる基材剥離工程について説明する。本工程は、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する工程である。本工程において基材を剥離する方法としては、上記被転写体と接着された領域のみの基材を剥離することができる方法であれば特に限定されるものではない。通常は、体積ホログラム転写箔を被転写体から物理的に引き離すことによって剥離する方法が用いられる。
D−3:第3態様の体積ホログラム積層体の製造方法
次に、本発明の第3態様の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。本態様の体積ホログラム積層体の製造方法は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層とを有する、転写用ホログラム積層体、および、被転写体と、上記被転写体上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像が形成された画像形成層を有する転写用積層体を用い、上記転写用ホログラム積層体の体積ホログラム層と、上記転写用積層体の画像形成層またはヒートシール層とが接するように、上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる接着工程と、上記転写用ホログラム積層体の基材を剥離する基材剥離工程とを有することを特徴とするものである。
このような本態様の体積ホログラム積層体の製造方法について図を参照しながら説明する。図13は本態様の体積ホログラム積層体の製造方法について、その一例を示す概略図である。図13に例示するように、本態様の体積ホログラム積層体の製造方法は、基材1と、上記基材1上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層2とを有する転写用ホログラム積層体43、および、被転写体21と、上記被転写体21上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4と、上記ヒートシール層4上に形成され、画像が形成された画像形成層3とを有する転写用積層体44を用い(図13(a))、上記転写用ホログラム積層体43の体積ホログラム層2と、上記転写用積層体44の画像形成層3とが接するように、上記転写用ホログラム積層体43と、上記転写用積層体44とを接着させる接着工程(図13(b))と、上記転写用ホログラム積層体43の基材1を剥離する、基材剥離工程(図13(c))とを有することを特徴とするものである。
本態様においては、上記画像形成層が、上記体積ホログラム層よりもヒートシール層側に形成されていることから、本態様により製造される体積ホログラム積層体の表面に、上記画像形成層が形成されていることに起因する凹凸形状が現れることを低減することができるため、上記画像形成層に形成された画像を偽造されにくくすることができる。このため本態様によれば、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
以下、本態様に用いられる各工程について順に説明する。
1.接着工程
まず、本態様に用いられる接着工程について説明する。本工程は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有する転写用ホログラム積層体、および、被転写体と、上記被転写体上に形成され、画像が形成された画像形成層とを有する転写用積層体を用い、上記転写用ホログラム積層体のヒートシール層と、上記転写用積層体の画像形成層とが接するように上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる工程である。
(1)転写用ホログラム積層体
本工程に用いられる転写用ホログラム積層体は、基材と、上記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層とを有するものである。ここで、上記基材および体積ホログラム層については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本工程に用いられる転写用積層体は、上記基材、体積ホログラム層およびヒートシール層以外の他の構成が用いられてもよいものである。このような他の構成としては、例えば、剥離性保護層、プライマー層およびバリア層等を挙げることができるが、これらについては上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)転写用積層体
本工程に用いられる転写用積層体は、被転写体と、上記被転写体上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層および画像が形成された画像形成層と、を有するものである。ここで、本工程に用いられる転写用積層体において、上記引転写体上にヒートシール層および画像形成層が積層されている順は特に限定されるものではなく、被転写体上に画像形成層およびヒートシール層がこの順で積層されていてもよく、あるいは、その逆順に積層されていてもよい。
なお、上記画像形成層およびヒートシール層については、上記「A.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であり、上記「被転写体」については、上記「B.体積ホログラム積層体」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)接着方法
本工程において、上記転写用ホログラム積層体のヒートシール層と、上記転写用積層体の画像形成層とが接するように上記転写用ホログラム積層体と、上記転写用積層体とを接着させる方法としては、特に限定されるものではないが、通常はヒートシール層を加熱することにより上記転写用積層体と、上記転写用ホログラムとを接着する方法が用いられる。本工程においてヒートシール層を加熱する手段としては、所望の領域のみを所定の温度に過熱できる方法であれば特に限定されるものではない。このようは方法としては、加熱ローラーを用いる方法や、熱プレス、ホットスタンプ等を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの加熱手段であっても好適に用いることができる。
2.基材剥離工程
次に、本態様に用いられる基材剥離工程について説明する。本工程は、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する工程である。本工程において基材を剥離する方法としては、上記被転写体と接着された領域のみの基材を剥離することができる方法であれば特に限定されるものではない。通常は、体積ホログラム転写箔を被転写体から物理的に引き離すことによって剥離する方法が用いられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1.実施例1
(第1積層体)
第1のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、ホログラム形成材料として、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(商品名 SP−PET(50μm)トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
<体積ホログラム記録材料の組成>
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩
0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン
80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・フッ素系微粒子 8重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比))
200重量部
(基材/剥離性保護層の第2積層体)
第2のフィルムとしてPETフィルム(商品名 ルミラーT60(50μm):東レ(株)製)を準備し、剥離性保護層として、下記組成からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
<剥離性保護層形成用材料の組成>
・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量;1000,000) 97重量部
・ポリエチレンワックス(分子量10000、平均粒径;5μm) 3重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 400重量部
(体積ホログラムの記録)
第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/表面離型処理PETフィルムの積層体に波長532nmのレーザー光を用いて体積型ホログラムを撮影し記録した。記録後、この積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、加熱後表面離型処理済PETフィルムを剥離して露出させた体積ホログラム記録用材料の層に、第2のフィルム/剥離性保護層の積層体の剥離性保護層側が接するようにして重ね、ニップした80℃の熱ローラー対の間を通過させて、第1のフィルム/体積ホログラム層/剥離性保護層/第2のフィルムの積層体を得た後、高圧水銀灯を用いて、全面に照射線量;2500mJ/cmの紫外線を照射して、体積ホログラム記録用材料の層の定着を行った。
(画像形成層の形成)
上記第1のフィルム/ホログラム/剥離性保護層/第2のフィルムの積層体の第1のフィルムを剥離し、体積ホログラム層上に帝国インキ製造(株)製13−BLインキ BLブルーを印刷し、60℃30分で乾燥を行なった。次にBLグリーンを印刷し、60℃30分で乾燥し、さらにBLレッドを印刷し、60℃30分で乾燥した。いずれも乾燥膜厚5μmとなるようにスクリーン印刷にて印刷した。
(ヒートシール層の塗工)
上記で作製した蛍光画像形成層/体積ホログラム層/剥離性保護層/第2のフィルムの蛍光画像形成層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
<ヒートシール層形成用材料の組成>
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000)
20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
2.実施例2
画像形成層の形成を以下の工程で行なった以外は実施例1と同様の方法により体積ホログラム転写箔を作製した。
(画像形成層の形成)
上記第1のフィルム/ホログラム/剥離性保護層/第2のフィルム積層体の第1のフィルムを剥離し、体積ホログラム層上に帝国インキ製造(株)製 UV PAL BLインキを乾燥膜厚5μmになるように印刷し、80W/cmメタルハライドランプにおいて、約250mJ/cmでUV照射を行なった。
3.実施例3
画像形成層の形成を以下の工程で行なった以外は実施例1と同様の方法により体積ホログラム転写箔を作製した。
(画像形成層の形成)
上記第1のフィルム/ホログラム/剥離性保護層/第2のフィルムの積層体の第1のフィルムを剥離し、体積ホログラム層上に ACT(N)偏光パールインキをスクリーン印刷にて乾燥膜厚5μmになるように印刷した。20℃にて10分間自然乾燥の後、ACT(N)710墨をスクリーン印刷にて乾燥膜厚5μmになるように印刷した。次いで20℃にて10分間自然乾燥を行なった。
4.実施例4
体積ホログラムの記録までは実施例1と同じように実施した後、ホログラムの記録を行なった後、以下の工程を実施することにより、体積ホログラム転写箔を作製した。
(ヒートシール層の塗工)
上記で作製した第1のフィルム/体積ホログラム層/剥離性保護層/第2のフィルムの第1のフィルムを剥離し体積ホログラム層上に、上記実施例1と同様の組成を有するヒートシール層形成用材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
(画像形成層の形成)
上記ヒートシール層/ホログラム/剥離性保護層/第2のフィルムの作製のヒートシール層上に、実施例1と同様の方法により、実施例1と同一の材料を印刷し画像形成層を形成した。その後、画像形成面側に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
5.実施例5
体積ホログラムの記録までは実施例1と同じように実施した後、以下の工程を実施することにより、体積ホログラム転写箔を作製した。
(ヒートシール層の形成)
第3のフィルムとして厚みが50μmの離形処理PET(商品名 SP-PET(50μm)トーセロ(株)製)を準備し、その離形処理面に下記組成のヒートシール層形成用材料を乾燥後の膜厚が4μmになるようにグラビアコートにて塗工、乾燥し、ヒートシール層を形成した。
<ヒートシール層形成用材料の組成>
エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂(東洋モートン(株)製 商品名;AD1790−15、固形分15%の溶剤溶液)
(画像形成層の形成)
上記ヒートシール層面に実施例1と同様に、実施例1と同様の材料で画像形成層を形成した。
(体積ホログラム層とのラミネート)
第1のフィルム/体積ホログラム層/剥離性保護層/第2のフィルムの第1のフィルムを剥離し、体積ホログラム面と、上記画像形成層/ヒートシール層/第3のフィルムの画像形成層面とをラミネートして積層し転写箔を得た。
6.実施例6
実施例5と同様に画像形成層までを形成し、形成した画像形成層面に第4のフィルム(表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製))をラミネートした。
(体積ホログラム層とのラミネート)
第1のフィルム/体積ホログラム層/剥離性保護層/第2のフィルムの第1のフィルムを剥離し体積ホログラム面と、上記第4のフィルム/画像形成層/ヒートシール層/第3のフィルムの、第3のフィルムを剥離したヒートシール面とをラミネートして積層し転写箔を得た。
7.実施例7
実施例1の体積ホログラム積層体を商品券にナビタス(株)製ホットスタンプ機を用いて転写温度150℃、圧力0.8Mpaで転写を行ない、第2のフィルムを剥離して体積ホログラム積層体を得た。
8.実施例8
実施例4と同様にヒートシール層まで形成した。商品券に実施例1で用いた画像形成材料を実施例1と同様な方法にて印刷した。画像形成層印刷面とヒートシール面をラミネートし体積ホログラム積層体を得た。
9.実施例9
体積ホログラムの記録までは実施例1と同様に行なった。また、商品券に実施例1で用いた画像形成材料を実施例1と同様な方法にて印刷した。次いで以下の要領でヒートシール層を形成した。
(ヒートシール層の塗工)
上記で作製した蛍光画像形成層/商品券の蛍光画像形成層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
<ヒートシール層形成用材料の組成>
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
得られたヒートシール層/蛍光画像形成層/商品券のヒートシール層と体積ホログラムとをラミネートして体積ホログラム積層体を得た。
10.実施例10
実施例1の体積ホログラム積層体を予め昇華転写で顔情報及び文字情報が転写されたポリ塩化ビニルカード上にナビタス(株)製ホットスタンプ機を用いて転写温度150℃、圧力0.8Mpaで転写を行ない、第2のフィルムを剥離して体積ホログラム積層体を得た。
11.実施例11
画像形成層の形成を以下の工程で行ったこと以外は実施例1と同様の方法により体積ホログラム転写箔を作製した。
(蛍光画像形成層用転写フィルムの作製)
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートの透明基材の表面に下記の耐熱滑性層材料を0.5μmとなるようにグラビア印刷で全面塗工し、基材の反対面に下記の剥離層形成用材料を1.0μm、その上に蛍光画像形成層1.5μmとなるようにグラビア印刷で全面塗工し、蛍光画像形成層用点転写フィルムを得た。
<耐熱滑性層材料の組成>
・ポリビニルブチラール樹脂( 積水化学工業社製 商品名 エスレックBX−1) 3.6重量部
・ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業社製 商品名 バーノックD750) 8.6重量部
・リン酸エステル系界面活性剤(第一製薬工業社製 商品名 プライサーフA208S) 2.8重量部
・タルク(日本タルク工業社製 商品名 ミクロエースP−3)
0.7重量部
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1 64重量部
<剥離層形成用材料の組成>
・アクリル樹脂(商品名 BR−87 三菱レイヨン製) 20重量部
・ポリエステル樹脂(商品名 V−200 東洋紡製) 0.1重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1) 100重量部
<蛍光画像形成層形成用材料の組成>
・有機系ブルー蛍光剤(商品名 ユビテックスOB チバスペシャルティケミカルズ製 紫外線吸収波長約366nm、蛍光発光波長約420nm)
1重量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(商品名 ソルバインCNL 日信化学工業製)
100重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1) 100重量部
(画像形成層の作製)
上記第1のフィルム/ホログラム/剥離性保護層/第2のフィルムの積層体の第1のフィルムを剥離し、ホログラムと蛍光画像形成層用転写フィルムの蛍光が層形成層形成用材料層側を重ね合わせ、ホログラム上に、サーマルヘッドを使用して0.5J/mmで画像情報を印画した。
12.実施例12
実施例4と同様の方法によりヒートシール層まで形成した。塩化ビニル性カードに実施例11で用いた画像形成材料を実施例11と同様な方法で印画した。画像形成層印画面とヒートシール面をラミネートし体積ホログラム積層体を得た。
13.実施例13
体積ホログラムの記録までは実施例1と同様に行った。また、塩化ビニル性カードに実施例11で用いた画像形成材料を実施例11と同様な方法で印画した。次いで以下の要領でヒートシール層を形成した。
(ヒートシール層の塗工)
上記で作製した蛍光画像形成層/塩化ビニル性カードの蛍光画像形成層上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離形処理PETフィルム(商品名 SP-PET(50μm)、トーセロ(株)製)をラミネートし、転写箔の作製を行なった。
<ヒートシール層形成用材料の組成>
・ポリエステル樹脂(商品名 バイロン550 TOYOBO製 Tg:−15℃ 分子量28000) 20重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 80重量部
得られたヒートシール層/蛍光画像形成層/塩化ビニル性カードのヒートシール層と体積ホログラム層とをラミネートして体積ホログラム積層体を得た。
本発明の体積ホログラム転写箔の一例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の他の例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の他の例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法の他の例を示す概略図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法の他の例を示す概略図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法の他の例を示す概略図である。 本発明の体積ホログラム積層体の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の体積ホログラム積層体の製造方法の他の例を示す概略図である。 本発明の体積ホログラム積層体の製造方法の他の例を示す概略図である。 本発明に用いられる被転写体および本発明の体積ホログラム積層体の具体例を示す概略図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 体積ホログラム層
3 … 画像形成層
4 … ヒートシール層
5 … 剥離性保護層
10,10’ … 体積ホログラム転写箔
20,20’ … 体積ホログラム積層体
21 … 被転写体
30 … 積層体
41,43 … 転写用ホログラム積層体
42,44 … 転写用積層体

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、前記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、前記ヒートシール層上に部分的に形成され、画像が形成された画像形成層とを有し、光を反射させる機能を有する反射層を有しない体積ホログラム転写箔であって、
    前記画像形成層、前記体積ホログラム転写箔の最上面に形成され、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成された光学可変画像形成層であり、
    前記光学可変画像形成層が、所定の角度から観た際に、前記体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの像と同一色の色を発現できることを特徴とする体積ホログラム転写箔。
  2. 前記体積ホログラム層と前記基材との間に剥離性保護層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の体積ホログラム転写箔。
  3. 被転写体と、前記被転写体上に直に、かつ、部分的に形成され、画像が形成された画像形成層と、前記画像形成層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、前記ヒートシール層上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、を有し、光を反射させる機能を有する反射層を有しない体積ホログラム積層体であって、
    前記画像形成層が、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成された光学可変画像形成層であり、
    前記光学可変画像形成層が、所定の角度から観た際に、前記体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの像と同一色の色を発現できることを特徴とする、体積ホログラム積層体。
  4. 基材を用い、前記基材上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を形成する体積ホログラム層形成工程と、
    前記体積ホログラム層上に、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層を積層し、前記ヒートシール層上に部分的に画像形成層を積層する積層工程と、を有する体積ホログラム転写箔の製造方法であって、
    前記画像形成層、前記体積ホログラム転写箔の最上面に形成され、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成された光学可変画像形成層であり、
    前記光学可変画像形成層が、所定の角度から観た際に、前記体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの像と同一色の色を発現でき、
    前記体積ホログラム転写箔が、光を反射させる機能を有する反射層を有しないことを特徴とする体積ホログラム転写箔の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の体積ホログラム転写箔を用い、前記体積ホログラム転写箔のヒートシール層上に被転写体を接着させる被転写体接着工程と、
    前記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と、を有することを特徴とする、体積ホログラム積層体の製造方法。
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