JP2012180798A - 車両の吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でシリンダ内に渦流を発生させることができる車両の吸気装置を提供する。
【解決手段】エンジンEの吸気量を制御するスロットルバルブ42は、その回動軸42Aが吸気通路KTの中心軸B1からオフセットして配置される。
【選択図】図2
【解決手段】エンジンEの吸気量を制御するスロットルバルブ42は、その回動軸42Aが吸気通路KTの中心軸B1からオフセットして配置される。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンの吸気通路にスロットルバルブを有する車両の吸気装置に関する。
吸気通路に連続して吸気バルブを介してシリンダに吸気する吸気ポートを有するエンジンと、エンジンの吸気通路を横断する軸周りに回動し、吸気量を制御するスロットルバルブとを備える車両が知られている。
この種の車両には、スロットルバルブを2つ具備し、上流側のスロットルバルブの回動軸心を下流側のスロットルバルブの回動軸心に対して、吸気通路長さ方向に見て交差するように配置したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、一方の吸気ポートからシリンダ内に供給される吸気にスワールを発生させ、燃焼状態を向上させることができる。
この種の車両には、スロットルバルブを2つ具備し、上流側のスロットルバルブの回動軸心を下流側のスロットルバルブの回動軸心に対して、吸気通路長さ方向に見て交差するように配置したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、一方の吸気ポートからシリンダ内に供給される吸気にスワールを発生させ、燃焼状態を向上させることができる。
しかしながら、従来の構成では、2つのスロットルバルブを含む吸気系が必要となるため、吸気系のレイアウトに要する広いスペースが必要になり、部品点数が増えてしまう。また、2つのスロットルバルブを制御するため、制御が複雑になるという課題もある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、簡易な構成でシリンダ内に渦流を発生させることができる車両の吸気装置を提供することを目的としている。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、簡易な構成でシリンダ内に渦流を発生させることができる車両の吸気装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、吸気通路(KT)に連続して吸気バルブ(32)を介してシリンダ(12A)に吸気する吸気ポート(31)を有するエンジン(E)と、エンジン(E)の吸気通路(KT)を横断する軸周りに回動し、吸気量を制御するスロットルバルブ(42)とを備える車両の吸気装置において、前記スロットルバルブ(42)は、その回動軸(42A)が前記吸気通路(KT)の中心軸(B1)からオフセットして配置されることを特徴とする。
この構成によれば、吸気量を制御するスロットルバルブは、その回動軸が吸気通路の中心軸からオフセットして配置されるので、スロットルバルブの回動軸の位置を偏芯させる、という簡易な構成で、シリンダ内に渦流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
この構成によれば、吸気量を制御するスロットルバルブは、その回動軸が吸気通路の中心軸からオフセットして配置されるので、スロットルバルブの回動軸の位置を偏芯させる、という簡易な構成で、シリンダ内に渦流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
上記構成において、前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、前記シリンダ(12A)に直交する方向に配置され、前記吸気通路(KT)の中心軸(B1)に対し、シリンダ軸(A1)に沿ってオフセットされるようにしてもよい。この構成によれば、シリンダ軸に沿った断面視でスロットルバルブの両端を通る吸気量に差をつけることができ、シリンダ内にタンブル流を発生し易くすることができる。
この場合、スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、前記シリンダ軸(A1)に沿って前記吸気ポート(31)から前記シリンダ(12A)の天井中心近傍に供給される吸気を増やす側にオフセットされるようにしてもよい。この構成によれば、よりシリンダ内に渦流を発生しやすくすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
この場合、スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、前記シリンダ軸(A1)に沿って前記吸気ポート(31)から前記シリンダ(12A)の天井中心近傍に供給される吸気を増やす側にオフセットされるようにしてもよい。この構成によれば、よりシリンダ内に渦流を発生しやすくすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、上記構成において、前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)を、前記シリンダ軸(A1)に直交する軸(C1)に対して傾けるようにしてもよい。この構成によれば、スロットルバルブの回動軸の位置を偏芯及び回転させる、という簡易な構成で、シリンダ内にスワール流を含む渦流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
この場合、前記吸気ポート(31)は2つ形成され、前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、一方の前記吸気ポート(31)に供給される吸気を、他方の前記吸気ポート(31)よりも増やすように前記シリンダ軸(A1)に直交する軸(C1)に対して傾けられるようにしてもよい。この構成によれば、スワール流をより発生し易くできる。
この場合、前記吸気ポート(31)は2つ形成され、前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、一方の前記吸気ポート(31)に供給される吸気を、他方の前記吸気ポート(31)よりも増やすように前記シリンダ軸(A1)に直交する軸(C1)に対して傾けられるようにしてもよい。この構成によれば、スワール流をより発生し易くできる。
また、上記構成において、前記スロットルバルブ(42)は、前記エンジン(E)の吸気ポート(31)に近接して配置されるようにしてもよい。この構成によれば、スロットルバルブの開閉に応じてシリンダの吸気量を迅速に可変できると共に、スロットルバルブでバランスを変えた吸気をそのままシリンダへ送ることができる。このため、エンジンの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることができる。
本発明では、吸気量を制御するスロットルバルブは、その回動軸が吸気通路の中心軸からオフセットして配置されるので、スロットルバルブの回動軸の位置を偏芯させる、という簡易な構成で、シリンダ内に渦流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、スロットルバルブの回動軸が、シリンダに直交する方向に配置され、吸気通路の中心軸に対し、シリンダ軸に沿ってオフセットされるようにすれば、シリンダ軸に沿った断面視でスロットルバルブの両端を通る吸気量に差をつけてタンブル流を発生し易くすることができる。
また、スロットルバルブの回動軸は、シリンダ軸に沿って吸気ポートからシリンダの天井中心近傍に供給される吸気を増やす側にオフセットされるようにすれば、よりシリンダ内に渦流を発生しやすくすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、スロットルバルブの回動軸が、シリンダに直交する方向に配置され、吸気通路の中心軸に対し、シリンダ軸に沿ってオフセットされるようにすれば、シリンダ軸に沿った断面視でスロットルバルブの両端を通る吸気量に差をつけてタンブル流を発生し易くすることができる。
また、スロットルバルブの回動軸は、シリンダ軸に沿って吸気ポートからシリンダの天井中心近傍に供給される吸気を増やす側にオフセットされるようにすれば、よりシリンダ内に渦流を発生しやすくすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、スロットルバルブの回動軸を、シリンダ軸に直交する軸に対して傾けるようにすれば、スロットルバルブの回動軸の位置を偏芯及び回転させる、という簡易な構成で、シリンダ内にスワール流を含む渦流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、吸気ポートは2つ形成され、スロットルバルブの回動軸は、一方の吸気ポートに供給される吸気を、他方の吸気ポートよりも増やすようにシリンダ軸に直交する軸に対して傾けられるようにすれば、スワール流をより発生し易くできる。
また、スロットルバルブは、エンジンの吸気ポートに近接して配置されるようにすれば、スロットルバルブの開閉に応じてシリンダの吸気量を迅速に可変できると共に、スロットルバルブでバランスを変えた吸気をそのままシリンダへ送ることができ、エンジンの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることができる。
また、吸気ポートは2つ形成され、スロットルバルブの回動軸は、一方の吸気ポートに供給される吸気を、他方の吸気ポートよりも増やすようにシリンダ軸に直交する軸に対して傾けられるようにすれば、スワール流をより発生し易くできる。
また、スロットルバルブは、エンジンの吸気ポートに近接して配置されるようにすれば、スロットルバルブの開閉に応じてシリンダの吸気量を迅速に可変できると共に、スロットルバルブでバランスを変えた吸気をそのままシリンダへ送ることができ、エンジンの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る吸気装置を備えたパワーユニットPを示す。
このパワーユニットPは、自動二輪車に搭載されるパワーユニットであり、エンジン(内燃機関)Eと、エンジンEのクランクケースに設けられる変速機Mを一体に備えている。なお、図中、符号FRは、このパワーユニットPを自動二輪車に搭載した場合の前方向を示し、符号UPは上方向を示しており、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る吸気装置を備えたパワーユニットPを示す。
このパワーユニットPは、自動二輪車に搭載されるパワーユニットであり、エンジン(内燃機関)Eと、エンジンEのクランクケースに設けられる変速機Mを一体に備えている。なお、図中、符号FRは、このパワーユニットPを自動二輪車に搭載した場合の前方向を示し、符号UPは上方向を示しており、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。
エンジンEは、クランクケース11と、シリンダ部12とを備え、シリンダ部12に単一のシリンダ(シリンダボアとも言う)12Aを備えた4サイクル単気筒エンジンである。
シリンダ部12は、シリンダブロック13と、シリンダヘッド14と、ヘッドカバー15とを備え、シリンダブロック13のシリンダ12Aには、ピストン21が摺動自在に収容され、クランクケース11には、ピストン21にコンロッド22を介して連結されたクランクシャフト23が回転自在に支持される。
シリンダ部12は、シリンダブロック13と、シリンダヘッド14と、ヘッドカバー15とを備え、シリンダブロック13のシリンダ12Aには、ピストン21が摺動自在に収容され、クランクケース11には、ピストン21にコンロッド22を介して連結されたクランクシャフト23が回転自在に支持される。
クランクケース11には、クランクシャフト23と平行にメインシャフト24及びカウンタシャフト25が回転自在に支持され、このメインシャフト24とカウンタシャフト25とに互いに噛み合って複数の変速段を構成するギア列が設けられ、これらによって変速機Mが構成されている。この変速機Mは、シフトドラム26の回転によって作動する一対のシフトフォーク27,28によって、いずれか一つの変速段が選択される。
これによって、エンジンEの回転(クランクシャフト23の回転)がメインシャフト24に伝達された後、所定の変速比でカウンタシャフト25に伝達される。このカウンタシャフト25の回転は、自動二輪車の駆動輪(後輪)に伝達される。なお、このパワーユニットPでは、カウンタシャフト25がパワーユニットPの出力軸を兼用しているが、これに限らず、カウンタシャフト25とは独立した出力軸を設けてもよい。
これによって、エンジンEの回転(クランクシャフト23の回転)がメインシャフト24に伝達された後、所定の変速比でカウンタシャフト25に伝達される。このカウンタシャフト25の回転は、自動二輪車の駆動輪(後輪)に伝達される。なお、このパワーユニットPでは、カウンタシャフト25がパワーユニットPの出力軸を兼用しているが、これに限らず、カウンタシャフト25とは独立した出力軸を設けてもよい。
シリンダヘッド14は、シリンダ12Aの開口を閉塞してピストン21と共に燃焼室Rを形成する。このエンジンEは、4バルブであり、シリンダヘッド14には、燃焼室Rに開口する吸気ポート31及び排気ポート(不図示)が2つずつ形成されると共に、吸気ポート31を開閉する吸気バルブ32と、排気ポートを開閉する排気バルブ(不図示)とが設けられる。また、シリンダヘッド14とヘッドカバー15との間には、各バルブを駆動する動弁機構33が配置される。
図2は、エンジンEの吸気通路を周辺構成と共に示す図である。
図1及び図2に示すように、吸気ポート31は、燃焼室Rに開口する開口端(出口開口端)31Aからシリンダ12Aの軸線(シリンダ軸)A1に略沿って上方に延びた後に、このシリンダ軸A1から徐々に離れるように屈曲して後方に延びる屈曲吸気経路に形成されており、シリンダヘッド14の背面に、エンジンEの吸気口となる入口開口端31B(図2参照)が設けられる。
2つの吸気ポート31の入口開口端31Bには、吸気管35を介して単一のスロットルボディ(吸気装置)41が連結され、このスロットルボディ41を介して不図示のエアクリーナで清浄化された空気がエンジンEに供給される。つまり、スロットルボディ41は、エアクリーナとエンジンEとの間の吸気通路を形成している。
図1及び図2に示すように、吸気ポート31は、燃焼室Rに開口する開口端(出口開口端)31Aからシリンダ12Aの軸線(シリンダ軸)A1に略沿って上方に延びた後に、このシリンダ軸A1から徐々に離れるように屈曲して後方に延びる屈曲吸気経路に形成されており、シリンダヘッド14の背面に、エンジンEの吸気口となる入口開口端31B(図2参照)が設けられる。
2つの吸気ポート31の入口開口端31Bには、吸気管35を介して単一のスロットルボディ(吸気装置)41が連結され、このスロットルボディ41を介して不図示のエアクリーナで清浄化された空気がエンジンEに供給される。つまり、スロットルボディ41は、エアクリーナとエンジンEとの間の吸気通路を形成している。
このスロットルボディ41或いはスロットルボディ41の下流には、燃焼室R(シリンダ12A)に向けて燃料を供給する不図示の燃料噴射装置が取り付けられ、燃料と空気とがエンジンEに供給される。
また、シリンダヘッド14には、点火プラグ36(図2参照)がその先端を燃焼室Rの中心(シリンダ軸A1が通る位置)に臨ませて取り付けられ、この点火プラグ36が図示せぬ点火装置を介して点火制御されるようになっている。
また、シリンダヘッド14には、点火プラグ36(図2参照)がその先端を燃焼室Rの中心(シリンダ軸A1が通る位置)に臨ませて取り付けられ、この点火プラグ36が図示せぬ点火装置を介して点火制御されるようになっている。
図2に示すように、スロットルボディ41は、その内部にバタフライ式のスロットルバルブ(吸気絞り弁)42を備え、このスロットルバルブ42が、吸気通路KTを横断する回動軸42Aを支点にして回動することによって、吸気通路KTを略全閉の状態から略全開の状態まで開閉し、エンジンEに供給される吸入空気量つまり、吸気量を可変する。
同図に示すように、このスロットルボディ41は、エンジンEの吸気口となる入口開口端31Bに近接配置され、エンジンEの吸気口近傍で吸気量を可変する。このため、スロットルバルブ42の開閉に応じてエンジンEの吸気量を迅速に可変でき、乗員(運転者)のスロットル操作に応じて迅速にエンジン出力を可変できる。
同図に示すように、このスロットルボディ41は、エンジンEの吸気口となる入口開口端31Bに近接配置され、エンジンEの吸気口近傍で吸気量を可変する。このため、スロットルバルブ42の開閉に応じてエンジンEの吸気量を迅速に可変でき、乗員(運転者)のスロットル操作に応じて迅速にエンジン出力を可変できる。
また、本実施形態では、このエンジンE近傍に配置されるスロットルバルブ42の回動軸42Aが、スロットルボディ41によって形成される吸気通路KTの中心軸B1からオフセットして配置されている。
図3(A)は、オフセットされた回動軸42Aでスロットルバルブ42を開いた状態を示し、図3(B)は、オフセットされていない回動軸42Aでスロットルバルブ42を開いた状態を示している。
スロットルバルブ42は回動軸42Aを支点に回動するため、図3(A)に示すように、オフセットされている場合には、スロットルバルブ42を開くと、回動軸42Aに直交する断面視でスロットルバルブ42の両端に形成される開口量(開口面積)K1,K2に差ができる。従って、開口量が大きい方(開口量K1)が、開口量が小さい方(開口量K2)よりも多く空気が通過し、スロットルバルブ42両端の空気量が偏ることになる。
一方、図3(B)に示すように、オフセットされていない場合には、スロットルバルブ42を開くと、回動軸42Aに直交する断面視でスロットルバルブ42の両端に形成される開口量(開口面積)K1,K2は常に同じであり、スロットルバルブ42両端の空気量は偏らない。
図3(A)は、オフセットされた回動軸42Aでスロットルバルブ42を開いた状態を示し、図3(B)は、オフセットされていない回動軸42Aでスロットルバルブ42を開いた状態を示している。
スロットルバルブ42は回動軸42Aを支点に回動するため、図3(A)に示すように、オフセットされている場合には、スロットルバルブ42を開くと、回動軸42Aに直交する断面視でスロットルバルブ42の両端に形成される開口量(開口面積)K1,K2に差ができる。従って、開口量が大きい方(開口量K1)が、開口量が小さい方(開口量K2)よりも多く空気が通過し、スロットルバルブ42両端の空気量が偏ることになる。
一方、図3(B)に示すように、オフセットされていない場合には、スロットルバルブ42を開くと、回動軸42Aに直交する断面視でスロットルバルブ42の両端に形成される開口量(開口面積)K1,K2は常に同じであり、スロットルバルブ42両端の空気量は偏らない。
すなわち、スロットルバルブ42の回動軸42Aを吸気通路KTの中心軸B1からオフセットすれば、回動軸42Aに直交する断面視で、吸気通路KTの中心軸B1を境にしたスロットルバルブ42の両端で空気量に差をつけることができる。しかも、このスロットルバルブ42は、エンジンEの吸気ポート31に近接して配置されるので、その空気量に差をつけた状態のままエンジンEに吸気することができる。このため、燃料と混合した吸気(混合気)は、燃焼室R内で特定方向の流れが強くなり、渦を発生させることができる。
より具体的には、本構成では、図2に示すように、スロットルバルブ42の回動軸42Aを、シリンダ軸A1に対して直交する方向(パワーユニットPの幅方向と一致)に延びる軸にすると共に、シリンダ軸A1に沿った一方側(下側)にオフセットしている。
この構成によれば、シリンダ軸A1に沿った断面視で、吸気通路KTの中心軸B1を境にした一方側(下側)と他方側(上側)とで空気量に差ができ、吸気ポート31から燃焼室Rの天井中心近傍に供給される吸気(「ポート上側吸気(第1吸気)W1」という)が、吸気ポート31から燃焼室Rの天井中心から離れた領域に供給される吸気(「ポート下側吸気(第2吸気)W2」という)よりも多くなる。
この構成によれば、シリンダ軸A1に沿った断面視で、吸気通路KTの中心軸B1を境にした一方側(下側)と他方側(上側)とで空気量に差ができ、吸気ポート31から燃焼室Rの天井中心近傍に供給される吸気(「ポート上側吸気(第1吸気)W1」という)が、吸気ポート31から燃焼室Rの天井中心から離れた領域に供給される吸気(「ポート下側吸気(第2吸気)W2」という)よりも多くなる。
従って、燃焼室R内では、ポート上側吸気W1の流れが支配的となり、燃料と混合した吸気(混合気)は、燃焼室Rの天井中心から天井面12Bに案内されて燃焼室Rの壁面12Cへと流れ、壁面12Cに案内されて底面(ピストン21)へ向かって流れ、底面(ピストン21)にて天井面12Bに向かう流れへと向きを変える。これにより、燃焼室R内に、縦旋回流れであるタンブル流の渦を生成でき、この筒内流によって燃焼を促進させることができ、燃焼状態が向上する。
また、スロットルバルブ42の回動軸42Aのオフセット量L1を変更すれば、ポート上側吸気W1とポート下側吸気W2との風量差を変えることができ、このオフセット量L1の調整によって燃料促進に有利な渦流に調整することが可能である。
ここで、図2では、スロットルバルブ開度を20度にした場合を示しているが、スロットルバルブ開度が零度〜90度の間で吸気を偏らせることができる。特に、スロットルバルブ開度が低開度であるほど、空気量のバランスが変わるので、エンジン低出力時に効率よくタンブル流を発生させることができ、エンジン低出力時の燃焼状態を効率よく向上させることが可能である。
ここで、図2では、スロットルバルブ開度を20度にした場合を示しているが、スロットルバルブ開度が零度〜90度の間で吸気を偏らせることができる。特に、スロットルバルブ開度が低開度であるほど、空気量のバランスが変わるので、エンジン低出力時に効率よくタンブル流を発生させることができ、エンジン低出力時の燃焼状態を効率よく向上させることが可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、スロットルバルブ42の回動軸42Aが、吸気通路KTの中心軸B1からオフセットして配置されるので、スロットルバルブ42の回動軸42Aの位置を偏芯させるだけの簡易な構成で、シリンダ12A内に渦流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、このスロットルバルブ42の回動軸42Aを、シリンダ12Aに直交する方向に配置し、吸気通路KTの中心軸B1に対し、シリンダ軸A1に沿ってオフセットしたので、シリンダ軸A1に沿った断面視でスロットルバルブ42の両端を通る吸気量に差をつけることができ、シリンダ12A内にタンブル流を発生し易くすることができる。
また、このスロットルバルブ42の回動軸42Aを、シリンダ12Aに直交する方向に配置し、吸気通路KTの中心軸B1に対し、シリンダ軸A1に沿ってオフセットしたので、シリンダ軸A1に沿った断面視でスロットルバルブ42の両端を通る吸気量に差をつけることができ、シリンダ12A内にタンブル流を発生し易くすることができる。
しかも、この回動軸42Aを、シリンダ軸A1に沿って吸気ポート31からシリンダ12Aの天井中心近傍に供給される吸気(ポート上側吸気W1)を増やす側にオフセットしたので、よりシリンダ12A内に渦流を発生しやすくすることができ、燃焼状態を向上させることができる。この場合、シリンダ12Aの天井中心に点火プラグ36を配置することで点火プラグ36に向けて混合気を集約して流すことができ、これによっても燃焼状態を向上させることができる。
また、本構成のエンジンEでは、スロットルバルブ42が吸気ポート31に近接して配置されるので、スロットルバルブ42の開閉に応じてシリンダ12Aの吸気量を迅速に可変でき、かつ、スロットルバルブ42でバランスを変えた吸気をそのままシリンダ12A内へ送ることができる。従って、エンジンEの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることができる。
また、本構成のエンジンEでは、スロットルバルブ42が吸気ポート31に近接して配置されるので、スロットルバルブ42の開閉に応じてシリンダ12Aの吸気量を迅速に可変でき、かつ、スロットルバルブ42でバランスを変えた吸気をそのままシリンダ12A内へ送ることができる。従って、エンジンEの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることができる。
<第2実施形態>
図4(A)(B)及び図5は、第2実施形態を示している。具体的には、図4(A)は、エンジンEの吸気通路KTを周辺構成と共に示す図であり、図4(B)は、スロットルバルブ42を車体後側から見た図であり、図5は、吸気通路KTを周辺構成と共に斜め上方から見た斜視図である。
第2実施形態では、スロットルバルブ42の回動軸42Aを、シリンダ軸A1に直交する軸である水平軸C1に対して、角度θ1だけ傾けている点が、第1実施形態と異なる。ここで、この角度θ1は、鋭角の範囲内(0°<θ1<90°)に設定され、本実施形態では30°である。
このように、スロットルバルブ42の回動軸42Aをシリンダ軸A1に沿ってオフセットし、水平軸C1に対して角度θ1だけ傾けた場合には、図4(B)に示すように、回動軸42Aに直交する断面視でスロットルバルブ42の左右の開口量(開口面積)K1,K2に差ができることになり(K1>K2)、吸気ポート31の上下かつ左右で空気量を偏らせることができる。
図4(A)(B)及び図5は、第2実施形態を示している。具体的には、図4(A)は、エンジンEの吸気通路KTを周辺構成と共に示す図であり、図4(B)は、スロットルバルブ42を車体後側から見た図であり、図5は、吸気通路KTを周辺構成と共に斜め上方から見た斜視図である。
第2実施形態では、スロットルバルブ42の回動軸42Aを、シリンダ軸A1に直交する軸である水平軸C1に対して、角度θ1だけ傾けている点が、第1実施形態と異なる。ここで、この角度θ1は、鋭角の範囲内(0°<θ1<90°)に設定され、本実施形態では30°である。
このように、スロットルバルブ42の回動軸42Aをシリンダ軸A1に沿ってオフセットし、水平軸C1に対して角度θ1だけ傾けた場合には、図4(B)に示すように、回動軸42Aに直交する断面視でスロットルバルブ42の左右の開口量(開口面積)K1,K2に差ができることになり(K1>K2)、吸気ポート31の上下かつ左右で空気量を偏らせることができる。
より具体的には、本実施形態では、スロットルバルブ42の回動軸42Aを、シリンダ軸A1に沿った一方側(下側)にオフセットし、かつ、水平軸C1に対して、角度θ1だけ傾けることによって、吸気ポート31の上側かつ左右一方側を流れる第1吸気W1を、他の吸気(吸気ポート31の下側かつ左右他方を流れる第2吸気W2等)よりも多くしている。
従って、上記第1吸気W1の流れが支配的となり、図5に示すように、2つの吸気ポート31のうちの片側の吸気ポート31に多く吸気を供給することができる。このため、図4及び図5に示すように、燃焼室R内に、縦旋回流れであるタンブル流とシリンダ軸A1回りに旋回するスワール流を含む渦を生成することができ、より一層、筒内流を形成し易くでき、燃焼状態をより向上させることができる。
従って、上記第1吸気W1の流れが支配的となり、図5に示すように、2つの吸気ポート31のうちの片側の吸気ポート31に多く吸気を供給することができる。このため、図4及び図5に示すように、燃焼室R内に、縦旋回流れであるタンブル流とシリンダ軸A1回りに旋回するスワール流を含む渦を生成することができ、より一層、筒内流を形成し易くでき、燃焼状態をより向上させることができる。
このように、本実施形態では、スロットルバルブ42の回動軸42Aの位置を偏芯及び回転させるという簡易な構成で、シリンダ12A内にスワール流を発生し易くすることができ、燃焼状態を向上させることができる。
また、このスロットルバルブ42の回動軸42Aを、一方の吸気ポート31に供給される吸気を他方の吸気ポート31よりも増やすように傾けるので、スワール流をより発生し易くできる。
また、本実施形態では、上記角度θ1を変更すれば、スワール流に影響する空気量のバランスを変えることができ、この角度θ1の調整によって燃焼促進に有利な渦流に調整することが可能である。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、スロットルバルブ42が吸気ポート31に近接して配置されるので、スロットルバルブ42の開閉に応じてシリンダ12Aの吸気量を迅速に可変でき、かつ、スロットルバルブ42でバランスを変えた吸気をそのままシリンダ12A内へ送ることができる。従って、エンジンEの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることが可能である。
また、このスロットルバルブ42の回動軸42Aを、一方の吸気ポート31に供給される吸気を他方の吸気ポート31よりも増やすように傾けるので、スワール流をより発生し易くできる。
また、本実施形態では、上記角度θ1を変更すれば、スワール流に影響する空気量のバランスを変えることができ、この角度θ1の調整によって燃焼促進に有利な渦流に調整することが可能である。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、スロットルバルブ42が吸気ポート31に近接して配置されるので、スロットルバルブ42の開閉に応じてシリンダ12Aの吸気量を迅速に可変でき、かつ、スロットルバルブ42でバランスを変えた吸気をそのままシリンダ12A内へ送ることができる。従って、エンジンEの操作性向上と燃焼状態の向上とを図ることが可能である。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、4サイクル単気筒のエンジンEの吸気装置に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、様々なエンジンの吸気装置に本発明を広く適用可能である。
また、自動二輪車の吸気装置に本発明を適用する場合に限らず、鞍乗り型車両の吸気装置に本発明を広く適用することができる。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
例えば、上記実施形態では、4サイクル単気筒のエンジンEの吸気装置に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、様々なエンジンの吸気装置に本発明を広く適用可能である。
また、自動二輪車の吸気装置に本発明を適用する場合に限らず、鞍乗り型車両の吸気装置に本発明を広く適用することができる。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
12 シリンダ部
12A シリンダ(シリンダボア)
21 ピストン
31 吸気ポート
32 吸気バルブ
41 スロットルボディ(吸気装置)
42 スロットルバルブ
42A 回動軸
P パワーユニット
E エンジン
M 変速機
A1 シリンダ軸
B1 吸気通路の中心軸
C1 シリンダ軸に直交する水平軸
KT 吸気通路
12A シリンダ(シリンダボア)
21 ピストン
31 吸気ポート
32 吸気バルブ
41 スロットルボディ(吸気装置)
42 スロットルバルブ
42A 回動軸
P パワーユニット
E エンジン
M 変速機
A1 シリンダ軸
B1 吸気通路の中心軸
C1 シリンダ軸に直交する水平軸
KT 吸気通路
Claims (6)
- 吸気通路(KT)に連続して吸気バルブ(32)を介してシリンダ(12A)に吸気する吸気ポート(31)を有するエンジン(E)と、エンジン(E)の吸気通路(KT)を横断する軸周りに回動し、吸気量を制御するスロットルバルブ(42)とを備える車両の吸気装置において、
前記スロットルバルブ(42)は、その回動軸(42A)が前記吸気通路(KT)の中心軸(B1)からオフセットして配置されることを特徴とする車両の吸気装置。 - 前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、前記シリンダ(12A)に直交する方向に配置され、前記吸気通路(KT)の中心軸(B1)に対し、シリンダ軸(A1)に沿ってオフセットされることを特徴とする請求項1に記載の車両の吸気装置。
- 前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、前記シリンダ軸(A1)に沿って前記吸気ポート(31)から前記シリンダ(12A)の天井中心近傍に供給される吸気を増やす側にオフセットされることを特徴とする請求項2に記載の車両の吸気装置。
- 前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)を、前記シリンダ軸(A1)に直交する軸(C1)に対して傾けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両の吸気装置。
- 前記吸気ポート(31)は2つ形成され、
前記スロットルバルブ(42)の回動軸(42A)は、一方の前記吸気ポート(31)に供給される吸気を、他方の前記吸気ポート(31)よりも増やすように前記シリンダ軸(A1)に直交する軸(C1)に対して傾けられることを特徴とする請求項4に記載の車両の吸気装置。 - 前記スロットルバルブ(42)は、前記エンジン(E)の吸気ポート(31)に近接して配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両の吸気装置。
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