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JP2012013047A - 燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタ - Google Patents

燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタ Download PDF

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JP2012013047A JP2010152359A JP2010152359A JP2012013047A JP 2012013047 A JP2012013047 A JP 2012013047A JP 2010152359 A JP2010152359 A JP 2010152359A JP 2010152359 A JP2010152359 A JP 2010152359A JP 2012013047 A JP2012013047 A JP 2012013047A
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Abstract

【課題】製造コストを抑えると共に、燃料噴射弁内にコンタミが入り込むことを防止し、成形時のウェルドラインに影響されずに、燃料供給口に強固に装着できる、燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタを提供することにある。
【解決手段】このフィルタ10は、樹脂成形品の支持部材20と、それに支持された筒状のメッシュ部材40とを備え、支持部材20は、本体部22と、フランジ部24と、複数の柱部26と、底部28とを有し、フランジ部24は、壁部32と、壁部32内周に形成された抜き孔34と、この抜き孔34に対して軸方向にほぼ整合して壁部32の内側に形成された係合爪36とを有し、支持部材20の射出成形時に形成されるウェルドラインが、抜き孔34の周縁部には存在しないように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料噴射弁の燃料供給口に配置され、燃料噴射弁に流入してくる燃料をろ過するための、燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタに関する。
燃料を噴射する燃料噴射弁(「インジェクター」とも言う)には、燃料中の異物等を取り除くためのフィルタが取付けられている。このフィルタは、通常、燃料噴射弁の燃料供給口に配置され、燃料噴射弁に流入する燃料をろ過するようになっている。
下記特許文献1には電磁式燃料噴射弁が記載されており、その燃料供給口には筒状のフィルタが取付けられている。前記フィルタは合成樹脂製のフィルタ本体を有し、このフィルタ本体によりメッシュ部材(濾網)が支持されている。また、フィルタ本体の基端からは、外径方向に向けて外側フランジ部が形成されている。
更に、小円筒部及びその基端外周から広がる内側フランジ部からなる金属性補強カラーが、前記フィルタ本体にインサート成形により結合されている。このカラーの小円筒部は前記フィルタ本体の基部外周に配置され、内側フランジ部は前記外側フランジ部の裏面側に配置されるようになっている。
そして、燃料噴射弁の燃料供給口に前記フィルタ本体を挿入し、燃料噴射弁の筒体内周に金属製補強カラーの小円筒部を圧入すると共に、燃料供給口の端面に、金属製補強カラーの内側フランジ部を突き当てることにより、燃料供給口にフィルタが装着されるようになっている。
また、次のようにしてフィルタを燃料供給口に装着することも行われている。すなわち、フィルタとして、メッシュを支持する合成樹脂製の筒状部と、燃料供給口端面に当接するフランジ部とを設けると共に、フランジ部から壁部を立設させて、この壁部の内側に係合爪を突設させる。そして、燃料供給口内にフィルタの筒状部を挿入し、燃料供給口端面にフランジ部を当接させると共に、前記係合爪を燃料供給口外周に形成された係合部に係合させることにより、フィルタを燃料供給口に装着するようになっている。フィルタは、例えば、金型内に筒状のメッシュをセットした後、キャビティ内に樹脂を射出することで製造することができる。
特開2010−31674号公報
上記特許文献1記載の燃料噴射弁では、フィルタ本体の金属製補強カラーを燃料噴射弁の筒体内周に圧入することで、フィルタを燃料供給口に装着している。しかしながら、上記燃料噴射弁では、金属製補強カラーを別途用意する必要があるうえ、同金属製補強カラーは合成樹脂製のフィルタ本体に比べて高価であるため、フィルタ全体の製造コストが高くなるという不都合が生じる。
また、金属製補強カラーを圧入する際に、燃料噴射弁の材質によっては、その内周が削られてしまうことがある。その結果、削り屑がいわゆるコンタミとして、燃料噴射弁内に入り込んでしまうこととなり問題となる。
また、上述の係合爪を設けたフィルタの場合、フィルタ成形時に生じるウェルドラインによっては、係合爪を燃料供給口外周の係合部に係合させるときに、フランジ部が破損してしまうことがある。
例えば、フランジ部の係合爪に整合した位置にウェルドラインが存在していると、係合爪を設けた壁部が撓み変形するときに、フランジ部の係合爪に整合した部分にウェルドラインを起因とする割れが生じ、フランジ部が破損することがあった。この場合、燃料供給口にフィルタを強固に装着できないというデメリットが生じる。
したがって、本発明の目的は、製造コストを抑えることができると共に、燃料噴射弁内にコンタミが入り込むことを防止でき、更に成形時に生じるウェルドラインに影響されることなく、燃料供給口に強固に装着することができる、燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、燃料噴射弁の燃料供給口に配置され、前記燃料供給口を通過する燃料をろ過するフィルタであって、樹脂の射出成形品からなる支持部材と、該支持部材に支持された筒状のメッシュ部材とを備え、前記支持部材は、筒状の本体部と、該本体部の一端面から外方に延出され、前記燃料供給口の端面に当接するフランジ部と、前記本体部の他端面から延出された複数の柱部と、該柱部を連結する底部とを有し、前記フランジ部は、その裏面側から前記底部に向けて延出した壁部と、この壁部の基部内周に形成された、前記フランジ部を貫通する抜き孔と、この抜き孔に対して軸方向にほぼ整合して前記壁部の内側に形成され、前記燃料供給口外周に設けられた係合部に係合する係合爪とを有しており、前記メッシュ部材は、一端を前記本体部に連結され、他端を前記底部に連結されて、前記支持部材に支持されており、前記支持部材の射出成形時に形成されるウェルドラインが、前記フランジ部の前記抜き孔の周縁部には存在しないことを特徴とする。
なお、本発明において、「抜き孔の周縁部」とは、抜き孔を囲む壁部を意味する。
本発明においては、前記本体部の周方向に対向する2箇所から前記柱部がそれぞれ延出されており、前記抜き孔は、前記本体部の中心に対して前記柱部から周方向に40〜50°の範囲でずれて形成されていることが好ましい。
本発明によれば、フィルタのメッシュ部材の支持部分を、燃料噴射弁の燃料供給口内に挿入して、フランジ部を燃料供給口の端面に当接させると共に、係合爪を燃料供給口外周の係合部に係合させることにより、燃料供給口にフィルタを装着させることができる。このように、別体の金属製カラーを用いることなく、フィルタを燃料供給口に装着させることができるので、フィルタの製造コストを低減することができる。また、金属製カラーを燃料供給口の筒体内に圧入させる必要もないので、削り屑が生じることがなく、いわゆるコンタミが燃料噴射弁内に入り込むことを防止できる。
更に、支持部材の成形時に生じるウェルドラインが、前記フランジ部の抜き孔の周縁部には存在しないようになっているので、燃料供給口外周の係合部に係合爪を係合させるべく、係合爪を設けた壁部が撓み変形するときに、フランジ部にウェルドラインを起因とする割れが生じにくくなり、フランジ部の剛性を保持して、燃料供給口にフィルタを強固に装着することができる。
また、係合爪がフランジ部の抜き孔に対して軸方向に整合する位置に形成されているので、支持部材の成形時に、前記抜き孔を利用して係合爪の形状を成形するための型をスライドさせて抜型することができ、従来行われていたような型の無理抜きを防止して、金型の摩耗を抑制できると共に、係合爪を確実に成形することができ、更に、燃料供給口外周に設けた係合部に対する係合爪の係合しろを大きくとることができる。
更に、フランジ部の平面部に、係合爪に対応した抜き孔を設けたことにより、抜き孔の近傍に位置する壁部を撓みやすくさせることができるので、燃料供給口周縁の係合部に係合爪を係合させやすくなる。
本発明に係る燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタの一実施形態を示す斜視図である。 同フィルタを、図1とは異なる方向から見たときの斜視図である。 同フィルタの要部拡大斜視図である。 図1のA−A矢示線における断面図である。 (A)は同フィルタの平面図、(B)は(A)のB−B矢示線における断面図である。 同フィルタ成形用の金型を示す説明図である。 同フィルタを燃料噴射弁の燃料供給口に装着した状態の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタの一実施形態について説明する。
図1及び図7に示すように、この燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタ10(以下、「フィルタ10」という)は、燃料噴射弁1の燃料供給口3(図7参照)に配置され、同燃料供給口3を通過する燃料をろ過するためのものであって、樹脂の射出成型品からなる支持部材20と、該支持部材20に支持された筒状のメッシュ部材40とを備えている。前記燃料噴射弁1は周知であるので詳細な説明は省略するが、円筒状の燃料管2の基端側開口が前記燃料供給口3をなしており、同燃料供給口3の外周に環状突起形をなした係合部5が形成されている。また、前記燃料管2の外周には、筒状カバー6が配置されており、その先端がOリング8を支持する部分をなしている。更に、筒状カバー6の外周には、図示しない燃料供給管への接続管7が外装されている。
図2〜5及び図7を併せて参照すると、前記支持部材20は、円筒状をなすと共に前記燃料供給口3内に挿入される本体部22(図2,7参照)と、該本体部22の一端面から外方に延出され、前記燃料供給口3の端面に当接する環状のフランジ部24と、前記本体部22の他端面から延出された複数の柱部26と、該柱部26を連結する円板状の底部28とを有している。前記メッシュ部材40は、その一端を本体部22に連結され、他端を底部28に連結されて、支持部材20に支持されている。
この実施形態における柱部26は、前記本体部22の他端面であって、周方向に対向する2箇所からそれぞれ延出された一対のものからなる(図2参照)。
図2〜5に示すように、前記フランジ部24は、その裏面側から前記底部28に向けて壁部32が延出している。この実施形態では、前記フランジ部24の周方向に沿って均等な間隔を設けて、かつ、フランジ部24の径方向ほぼ中央から、突片状をなした複数(ここでは4つ)の壁部32が所定幅で延出している。なお、壁部32は、互いに連結されて全体として筒状をなしていてもよい。
図1〜3及び図5(A),(B)に示すように、前記フランジ部24の、壁部32の基部内周には、フランジ部24を貫通する抜き孔34が形成されている。この実施形態における抜き孔34は、前述した4つの壁部32に対応して、フランジ部24の周方向に沿って均等な間隔で、かつ、壁部32よりも若干小さい幅で形成されている(図5(A)参照)。各抜き孔34の幅方向両端部は、円弧状に丸みを帯びた形状をなしている(図1及び図5(A)参照)。
図5(A)に示すように、抜き孔34は、本体部22の中心Cに対して、柱部26から周方向に所定角度θの範囲でずれて形成されている。この角度θは、40〜50°の範囲であることが好ましく、43〜47°の範囲であることがより好ましい。この実施形態での抜き孔34は、本体部22の中心Cに対して柱部26から周方向に45°の角度でずれて形成されており、前述したように、フランジ部24の周方向に均等な間隔をあけて合計で4つ形成されている。また、各抜き孔34の周縁部には、支持部材20の射出成形時に生じるウェルドラインW(図5(A)参照)が存在しないように構成されている。
図2及び図5(A)に示すように、前記抜き孔34に対して軸方向にほぼ整合した位置であって、前記壁部32の内側には、燃料供給口3外周の係合部5に係合する係合爪36が形成されている。この実施形態では、フランジ部24に4つ形成された抜き孔34に対応して、4つの壁部32の内側に係合爪36がそれぞれ形成されている。図2及び図3に示すように、各係合爪36は、前記抜き孔34の周方向に沿った幅にほぼ対応した幅で、各壁部32の内周に沿ってやや湾曲した形状をなしている。
また、図4に示すように、係合爪36の内面(フランジ部24側)は、フランジ部24の半径方向内方に向けて次第に傾斜した形状の係合段部36aをなしており、この係合段部36aが前記燃料噴射弁1の係合部5に係合する部分となっている(図7参照)。更に、係合爪36の外面(底部28側)は、前記フランジ部24の半径方向内方に向けて次第に傾斜したテーパ面36bをなしており、燃料噴射弁1の燃料供給口3内への挿入性が高められている。
なお、この実施形態では、柱部26を2つ設けると共に、壁部32、抜き孔34及びそれに整合する係合爪36をそれぞれ4つずつ設けたが、これらの数に限定されるものではなく、適宜設けることができる。また、前記壁部32は、フランジ部24裏面から延出した円筒状のものとしてもよい。
次に上記構造をなしたフィルタ10の成形方法について説明する。上記フィルタ10は、例えば、図6に示すような金型を用いて射出成形することができる。
この金型50は、壁部32、係合爪36、本体部22、柱部26、底部28等の外側形状を主として成形する第1型52と、フランジ部24の外側形状や、抜き孔34、本体部22、柱部26、底部28等の内側形状を主として成形する第2型54とを有している。これらの型52,54は、互いに近接離反可能となっている。前記第2型54には抜き孔34を成形するための4つの突片54aが形成されている。また、前記第1型52には、前記本体部22と前記壁部32との間に配置され、前記係合爪36の外側形状を成形すると共に、前記突片54aを支持する突部52aが設けられている。
そして、第1型52内に筒状のメッシュ部材40をセットした後、両型52,54を閉じ、形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出する。この実施形態では、底部28成形用のキャビティ中央に射出ゲートが配置され、この底部28に一対の柱部26,26が対向して連結しているので、図2の矢印M1に示すように、ゲートから底部28成形用のキャビティ内に溶融樹脂が流れると共に、その溶融樹脂が分岐して柱部26,26成形用のキャビティにそれぞれ流入し(矢印M2,M2参照)、本体部22成形用のキャビティへと流れていく。
本体部22成形用のキャビティを通過した溶融樹脂は、図5の矢印M3,M4に示すように、フランジ部24成形用のキャビティ内を流動すると共に、壁部32や係合爪36成形用のキャビティへと行き渡る。このとき、対向配置された柱部26,26成形用のキャビティを通り分岐した溶融樹脂は、フランジ部24成形用のキャビティの周方向に沿って流動し、図5(A)に示すように、抜き孔34,34の間であって、柱部26,26に対してほぼ90°離れた部分で再び合流し、その状態で樹脂が固化すると、前記合流部分に不定形なウェルドラインWが生じる(図5(B)想像線参照)。
そして、溶融樹脂が冷却固化されると、メッシュ部材40が柱部26の外側に固着すると共に、その一端が本体部22に連結され、他端が底部28に連結されて、支持部材20に支持される。こうして、支持部材20とメッシュ部材40とが一体化された状態で、フィルタ10が射出成形される。その後、両型52,54を互いに離れる方向にスライドさせて開き、第1型52及び第2型54を抜型することにより、金型50からフィルタ10を取出すことができる。
このとき、このフィルタ10においては、その係合爪36がフランジ部24の抜き孔34に対して軸方向に整合する位置に形成されているので、抜き孔34成形用の突片54aを利用して、係合爪36上端の係合段部36aを成形することができると共に、同係合爪36の外側形状を第1型52に設けた突部52aにより成形することができる。
すなわち、本体部22及び壁部32間に入り込む突部52aのみで、係合爪36を成形するという構造を採用せず、突部52a及び突片54aの両者で係合爪36を成形するようにしたので、係合爪36を削るような無理抜きを行うことなく、両型52,54をスムーズに抜型することができ、係合爪36を寸法精度よく確実に成形することができる。
また、突部52a及び突片54aの寸法を調整するだけで、係合爪36の係合段部36aの大きさを適宜設定することができるので、係合爪36の係合しろを大きく確保することもできる。更に、第1型52及び第2型54を無理抜きすることがないので、例えば、溶融樹脂にガラス繊維等が添加されている場合であっても、金型50の摩耗を効果的に抑制して、その寿命を長く維持することができる。
燃料噴射弁1の燃料供給口3にフィルタ10を装着する際には、次のように行う。すなわち、フィルタ10のメッシュ部材40の支持部分を、燃料噴射弁1の燃料供給口3内に挿入して、燃料供給口3の端面にフランジ部24が突き当たるまで押し込んでいく。すると、燃料供給口3外周の係合部5に係合爪36のテーパ面36bが押圧されて、壁部32が外方に撓み、係合爪36が係合部5を乗り越えると、壁部32が弾性復帰して、係合爪36の係合段部36aが係合部5に係合すると共に、燃料供給口3の端面にフランジ部24が当接して、図7に示すように、燃料供給口3にフィルタ10を装着することができる。
その後、フランジ部24下端、壁部32外周及び筒状カバー6上端により画成された溝部に、Oリング8を嵌め込むと共に、燃料噴射弁1の外周に図示しない燃料供給管の接続管7を装着することにより、Oリング8が適宜圧縮されて、接続管7と燃料噴射弁1とのシール性が維持されるようになっている(図7参照)。
そして、このフィルタ10によれば、メッシュ部材40の支持部分を、燃料供給口3内に挿入し、フランジ部24を燃料供給口3の端面に当接させると共に、係合爪36を燃料供給口外周の係合部5に係合させるという比較的簡単な構造で、燃料供給口3にフィルタ10を装着させることができる。
すなわち、上記特許文献1記載の電磁式燃料噴射弁のように、別体の金属製カラーを用いることなく、フィルタ10を燃料供給口3に装着させることができるので、フィルタ10の製造コストを低減することができる。また、金属製カラーを燃料供給口の筒体内に圧入させる必要もないので、削り屑が生じることがなく、いわゆるコンタミが燃料噴射弁内に入り込むことを確実に防止することができる。
また、上記の燃料供給口3へのフィルタ装着時に、このフィルタ10においては、フランジ部24には係合爪36に対応した抜き孔34が形成されているので、抜き孔34の外周縁から延出した壁部32が撓みやすくなり、燃料供給口3周縁の係合部5に、係合爪36を容易に係合させることができる。
更に、このフィルタ10においては、射出成形時に生じるウェルドラインWが、フランジ部24の抜き孔34の周縁部には存在しないように形成されているので(図5(A)参照)、上記のように燃料供給口3外周の係合部5に係合爪36を係合させる際に、フランジ部24から延出し、その内側に係合爪36を設けた壁部32が撓み変形するときに、壁部34からの曲げ応力がフランジ部24に作用しても、フランジ部24にウェルドラインWを起因とする割れが生じにくくなる。その結果、フランジ部24の剛性を保持して、燃料供給口3にフィルタ10を強固に装着することができる。
更に、図5(A)に示すように、本体部22の周方向に対向する2箇所から柱部26,26がそれぞれ延出していることにより、射出成形時のウェルドラインWが柱部に対してしてほぼ90°離れた箇所にできるようになっている。この実施形態においては、抜き孔34が柱部26に対して周方向に40〜50°の範囲でずらして形成されているので、抜き孔34の周縁にウェルドラインWが形成されることをより確実に防止することができる。
また、フィルタ10の射出成形時に、柱部26成形用のキャビティを通ってフランジ部24成形用のキャビティ内に、溶融樹脂がスムーズに流れ込むと共に(図5:矢印M3参照)、抜き孔34成形用の突片54aの周囲にも、図5の矢印M4に示すように、スムーズに回り込むようになっている。その結果、温度の高い状態で溶融樹脂どうしが合流し、樹脂どうしの接合性を向上させることができると共に、割れをより生じにくくさせることができる。
1 燃料噴射弁
3 燃料供給口
5 係合部
10 燃料供給口用フィルタ(フィルタ)
20 支持部材
22 本体部
24 フランジ部
26 柱部
28 底部
32 壁部
34 抜き孔
36 係合爪
40 メッシュ部材
W ウェルドライン

Claims (2)

  1. 燃料噴射弁の燃料供給口に配置され、前記燃料供給口を通過する燃料をろ過するフィルタであって、
    樹脂の射出成形品からなる支持部材と、該支持部材に支持された筒状のメッシュ部材とを備え、
    前記支持部材は、筒状の本体部と、該本体部の一端面から外方に延出され、前記燃料供給口の端面に当接するフランジ部と、前記本体部の他端面から延出された複数の柱部と、該柱部を連結する底部とを有し、
    前記フランジ部は、その裏面側から前記底部に向けて延出した壁部と、この壁部の基部内周に形成された、前記フランジ部を貫通する抜き孔と、この抜き孔に対して軸方向にほぼ整合して前記壁部の内側に形成され、前記燃料供給口外周に設けられた係合部に係合する係合爪とを有しており、
    前記メッシュ部材は、一端を前記本体部に連結され、他端を前記底部に連結されて、前記支持部材に支持されており、
    前記支持部材の射出成形時に形成されるウェルドラインが、前記フランジ部の前記抜き孔の周縁部には存在しないことを特徴とする燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタ。
  2. 前記本体部の周方向に対向する2箇所から前記柱部がそれぞれ延出されており、
    前記抜き孔は、前記本体部の中心に対して前記柱部から周方向に40〜50°の範囲でずれて形成されている請求項1記載の燃料噴射弁の燃料供給口用フィルタ。
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