JP2012078542A - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜、半導体装置、および表示体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、下記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)と、を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。該ポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。該硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置および表示体装置。
【選択図】図1
Description
この感光性樹脂組成物は、未露光部においてジアゾキノン化合物のポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂への溶解抑止効果によってアルカリ水溶液に難溶となる。一方、露光部においては、ジアゾキノン化合物が化学変化を起こし、感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、アルカリ水溶液で露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となる。
この様に、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度でありながら、低温で硬化しても高環化率であるという、加工性と信頼性の両方の特性を満足するポジ型感光性樹脂組成物の開発が最近強く望まれている。つまり、従来のポジ型感光性樹脂組成物では、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体を用いて、高感度と、低温で硬化した際の高環化率を両立させることが困難であった。
[1] アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、一般式(1)で示される含窒素化合物(C)と、を含むポジ型感光性樹脂組成物。
(Rは有機基を表す。Aは電子吸引性基を表す。)
[2] 前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂である、前記[1]項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(式中、X、Yは有機基である。R1は水酸基、−O−R3、アルキル基、アシルオキシ基、シクロアルキル基であり、同一でも異なっても良い。R2は水酸基、カルボキシル基、−O−R3、−COO−R3のいずれかであり、同一でも異なっても良い。mは0〜8の整数、nは0〜8の整数である。R3は炭素数1〜15の有機基である。ここで、R1が複数ある場合は、それぞれ異なっていても同じでもよい。R1として水酸基がない場合は、R2は少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。また、R2としてカルボキシル基がない場合、R1は少なくとも1つは水酸基でなければならない。)
[3] 前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂のXが、下記式(3)からなる群より選択される1種以上を含む、前記[2]項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(ここで*はNH基に結合することを示す。式(3)中のDは、−CH2−、−CH(C
H3)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、または単結合でありである。R4は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。s=0〜3の整数である。)
[4] 前記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂のYが、下記式(4)からなる群より選択される1種以上を含む、前記[2]または[3]項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(ここで*はC=O基に結合することを示す。式(4)中のEは−SO2−、−CO−、−O−、である。R5 は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ベ
ンジルエーテル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。t=0〜4の整数である。)
[5] 前記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)のAが、スルホニル基である前記[1]ないし[4]項のいずれか1項に記載のポジ型感光性組成物。
[6] 前記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)のAが、カルボニル基である前記[1]ないし[4]項のいずれか1項に記載のポジ型感光性組成物。
[7] 前記アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して、一般式(1)で示される含窒素化合物(C)を1〜30重量部含むものである、前記[1]ないし[6]項のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8] 前記感光剤(B)が、感光性ジアゾキノン化合物である、前記[1]ないし[7]項のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[9] 前記[1]ないし[8]項のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
[10] 前記[9]項に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
[11] 前記[9]項に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
[12] 前記[9]項に記載の硬化膜を有している半導体装置。
[13] 前記[9]項に記載の硬化膜を有している表示体装置。
以下、本発明を詳細に説明する。
ィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも耐熱性に優れ、機械特性が良いという点からポリアミド系樹脂が好ましく、具体的にはポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド樹脂前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等が挙げられる。このようなポリアミド系樹脂としては、例えば上記一般式(2)で示されるポリアミド系樹脂を挙げることができる。
上記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂は、例えば、Xを含むジアミンあるいはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物と、Yを含むテトラカルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
(ここで、*はNH基に結合することを示す。式中Bは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、または単結合である。R6はアルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、R7はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。u=0〜4の整数であ
る。)
(ここで*はNH基に結合することを示す。R8〜R11は有機基である。)
上記一般式(2)で示すように、XにはR1が0〜8個結合される(式(5)において、R1は省略)。
(式中、*はNH基に結合することを示す。式(6)中のDは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、または単結合であり、Fは、−SO2−、−O−、−CH2−、−C(CH3)2−、または単結合である。R4は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R6はアルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。s=0〜3、u=0〜4の整数である。)
(式中、*はNH基に結合することを示す。)
(ここで*はC=O基に結合することを示す。式中(7)のBは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、または単結合である。R12はアルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同一でも異なっても良い。また、R13は水素原子、アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子から選ばれた1つを示す。
r=0〜4の整数である。)
式(7)の中で好ましいものとしては、耐熱性、機械特性が優れる下記式(8)で示されるものが挙げられる。
下記式(8)中のテトラカルボン酸二無水物由来の構造については、C=O基に結合する位置が両方メタ位であるもの、両方パラ位であるものを挙げているが、メタ位とパラ位をそれぞれ含む構造でもよい。
(式中、*はC=O基に結合することを示す。式(8)中のEとGは、−SO2−、−CO−、−O−、である。R5は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。R18は、水素原子または、炭素数1〜15の有機基から選ばれた1つを示し、一部が置換されていても良い。t=0〜4の整数である。)
(式中、*はC=O基に結合することを示す。)
さらに、式(8)の中でも、上記式(4)で示されるものが特に好ましい。一般式(2)で示されるポリアミド系樹脂のYが上記式(4)である場合、一般式(1)で示される含窒素化合物(C)との組み合わせにより、感度がより優れる。
10)で示される基等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
アミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば1−(5−1H−トリアゾイル)メチルアミン、3−(1H−ピラゾイル)アミン、4−(1H−ピラゾイル)アミン、5−(1H−ピラゾイル)アミン、1−(3−1H−ピラゾイル)メチルアミン、1−(4−1H−ピラゾイル)メチルアミン、1−(5−1H−ピラゾイル)メチルアミン、(1H−テトラゾル−5−イル)アミン、1−(1H−テトラゾル−5−イル)メチル−アミン、3−(1H−テトラゾル−5−イル)ベンズ−アミン等が挙げられる。これらの中でも式(12)で選ばれる化合物が好ましい。これにより、特に銅および銅合金の金属配線との密着性をより向上することができる。
光により酸を発生する化合物としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩等のオニウム塩類、2−ニトロベンジルエステル類、N−イミノスルホネート類、アリールスルホン酸エステル類、塩素等のハロゲンを有する複素環式化合物類、感光性ジアゾキノン化合物類が挙げられる。
これらの化合物の中でも露光の際に主に用いられる化学線の波長域で最も感度と解像度に優れる点から感光性ジアゾキノン化合物が好ましい。感光性ジアゾキノン化合物は、例えば、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。具体的には、式(13)〜式(17)に示すエステル化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
上記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)の電子吸引性基としては、スルホニル基、スルフィニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、イミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基等が挙げられる。電子吸引性基がNH基の両側に存在することで、NH基が非常に強く活性化される。この作用により分子の酸性度が高くなり、高感度かつ高解像度、さらに低温で硬化した場合の高環化率でといった効果が発揮されるのではないかと考えられる。
電子吸引性基の中でも、スルホニル基、カルボニル基が高感度かつ高解像度であり、さらに低温で硬化した際にも高環化率となる点で優れている。
上記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)を用いた場合、従来に比べて、現像液に対する露光部の溶解速度が速くなり感度が向上し、スカムの発生も抑えられる。さらに、低温で硬化した際にも高環化率となる。本発明の一般式(1)で示される含窒素化合物(C)は、例えば、電子吸引性基がスルホニル基のものなら、下記式(20)、(21)に示す化合物などが挙げられる。
(密着助剤)
本発明の感光性樹脂組成物中には、密着助剤が含まれていてもよい。
密着助剤は、感光性樹脂組成物を硬化させた塗膜と、当該塗膜が形成された基板との結合強度を向上させる機能を有する成分である。
このような密着助剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、アミノ基を有するケイ素化合物と酸二無水物または酸無水物とを反応することにより得られるケイ素化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記酸二無水物または酸無水物としては、特に制限されるわけではないが、例えば、無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、シアノ無水マレイン酸、シトコン酸、無水フタル酸等が挙げられる。また、使用にあたっては単独、または2種類以上を併用して使用することができる。
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜(保護膜、絶縁膜)の形成方法について説明する。
まず、本発明の感光性樹脂組成物を適当な支持体(基板)、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、シリコンウエハー(半導体素子)上に塗布する場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。膜厚が下限値を下回ると、半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難と
なり、上限値を越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスループットが低下する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりパターンを得る(現像工程)。
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3級アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、およびこれにメタノール、エタノール等アルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に加熱処理を行うことにより、ベンゾオキサゾール前駆体構造、イミド前駆体構造を閉環反応させ、ベンゾオキサゾール環、イミド環を形成させ、耐熱性に富む最終パターン(硬化膜、保護膜、絶縁膜)を得る(熱処理工程)。
加熱処理温度は、180℃〜380℃が好ましく、より好ましくは200℃〜350℃である。
半導体装置用途の例としては、半導体素子上に上述のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるパッシベーション膜、パッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるバッファーコート膜等の保護膜、また、半導体素子上に形成された回路上に上述のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる層間絶縁膜等の絶縁膜、また、α線遮断膜、平坦化膜、突起(樹脂ポスト)、隔壁等を挙げることができる。
表示体装置用途の例としては、表示体素子上に本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる保護膜、TFT素子やカラーフィルター用等の絶縁膜または平坦化膜、MVA(Multi−domein Vertical Alignment)型液晶表示装置用等の突起、有機EL素子陰極用等の隔壁等を挙げることができる。
以上、本発明の感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜および半導体装置について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の感光性樹脂組成物が適用される半導体装置は、上記のような構成のものに限定されない。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、上述したような半導体素子の保護膜や絶縁膜の形成用として用いるだけでなく、例えば、半導体素子のスペーサ等の形成にも用いることができる。
<実施例1>
[アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸232.4(0.9モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール243.2(1.8モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)443.2g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3200gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的の式(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂を得た。
式(P−1)で示されるフェノール11.04g(0.026モル)と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド17.20g(0.064モル)とアセトン160gとを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて撹拌、溶解させた。次に反応溶液の温度が35℃以上にならないようウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.08g(0.07モル)とアセトン5.5gの混合溶液を、ゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸0.96g(0.016モル)を添加し、更に30分反応させた。反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(900ml/9ml)の混合溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(B−1)で示される感光剤を得た。
合成した式(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂100g、式(B−1)の感光性ジアゾキノン化合物15g、下記式(C−1)で示される含窒素含有化合物10gを、γ―ブチロラクトン130gに溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、以下の評価を行った。
上記ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約8.0μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターンおよび抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、100mJ/cm2から780mJ/cm2まで10mJ/cm2刻みで露光量を変化させて照射した。
次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、プリベーク後と現像後の未露光部の膜厚差が1μmになるように現像時間を調節してパドル現像を行った。その後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量320mJ/cm2で照射
した部分よりパターンが形成されていることが確認できた(感度は320mJ/cm2)
。この時の解像度は、4μmと高い値を示した。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約10μmの塗膜を得た。次にオーブンを用いて塗膜付きシリコンウエハーの1枚を320℃30分で加熱を行った後、2%フッ酸水溶液に浸け、フィルムを得た。このフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計(日本分光製)を用いて測定し、1050cm−1のオキサゾール環と
1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。この時、320℃30
分で加熱した時の環化率を100%と換算する。次に、オーブンで250℃30分で加熱を行った後、同様に硬化フィルムを得て、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光製)による測定から1050cm−1のオキサゾール環と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(B/A)に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は90%であった。
実施例1における(C−1)で示される含窒素含有化合物の添加量を30gに増やした以外は、実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物を作製し、感光特性(感度と解像度)評価、環化率評価を行った。
<実施例3>
実施例1における(C−1)で示される含窒素含有化合物の添加量を1gに減らした以外は、実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物を作製し、感光特性(感度と解像度)評価、環化率評価を行った。
<実施例4>
実施例1における(C−1)で示される含窒素含有化合物を下記式(C−2)に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物を作製し、感光特性(感度と解像度)評価、環化率評価を行った。
<実施例5>
実施例1における(C−1)で示される含窒素含有化合物を下記式(C−3)に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物を作製し、感光特性(感度と解像度)評価、環化率評価を行った。
[アルカリ可溶性樹脂(A−2)の合成]
テレフタル酸149.5(0.9モル)とイソフタル酸16.6(0.1モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール270.3(2モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)360.2g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3000gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン500gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(A−2)のポリアミド樹脂を得た。
合成した式(A−2)のポリアミド樹脂100g、上記式(B−1)の感光性ジアゾキノン化合物15g、上記式(C−1)で示される含窒素含有化合物10gをγ−ブチロラクトン130gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
[感光性ジアゾキノン化合物の合成]
式(P−2)で示されるフェノール14.4g(0.025モル)と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド22.3g(0.083モル)とアセトン160gとを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて撹拌、溶解させた。次に反応溶液の温度が35℃以上にならないようウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン8.4g(0.083モル)とアセトン5.5gの混合溶液を、ゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸0.96g(0.016モル)を添加し、更に30分反応させた。反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(900ml/9ml)の混合溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(B−2)の感光剤を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
[ポジ型感光性樹脂組成物の作製]
上記合成した式(A−1)のポリアミド樹脂100g、上記式(B−2)の感光性ジアゾキノン化合物15g、上記式(C−1)で示される含窒素含有化化合物10gをγ−ブチロラクトン130gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
[半導体装置の作製と評価]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いてバンプを有する半導体装置を作製し評価した。
図1に本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図を示した。図1に示すように、表面に半導体素子および配線の設けられたシリコン基板1の上部に、入出力用のAlパッド2を設け、さらにその上にパッシベーション膜3を形成し、そのパッシベーション膜3にビアホールを形成した。この上に、上記作製したポジ型感光性組成物を塗布、乾燥し、ポジ型感光性樹脂(バッファコート膜)4を形成し、金属(Cr、Ti等)膜5がAlパッド2と接続されるように形成し、その金属膜5はハンダバンプ9の周辺をエッチングして、各パッド間を絶縁した。絶縁されたパッドにはバリアメタル8とハンダバンプ9を形成し、半導体装置とした。
以上のようにして得られた半導体装置は、歩留まりが良好であり、高い信頼性を示した。
実施例1における式(C−1)で示される含窒素含有化合物を除いた以外は実施例1と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、評価を行った。
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ
Claims (13)
- 前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)のAが、スルホニル基である請求項1ないし4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(1)で示される含窒素化合物(C)のAが、カルボニル基である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポジ型感光性組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して、一般式(1)で示される含窒素化合物(C)を1〜30重量部含むものである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記感光剤(B)が、感光性ジアゾキノン化合物である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
- 請求項9に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
- 請求項9に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
- 請求項9に記載の硬化膜を有している半導体装置。
- 請求項9に記載の硬化膜を有している表示体装置。
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