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JP2011203460A - 画像表示装置および画像表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動画像がぼける、暗くなる等の動画像の画質劣化を防止しつつ、静止画像の表示解像度を向上できる画像表示装置および画像表示方法を提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクター1は、光源7と、光源7からの光を変調する液晶ライトバルブ3R,3G,3B(光変調素子)と、光変調素子によって変調された光をスクリーン28(被投射面)上に投射する投射光学系と、スクリーン28面上に投射される光変調素子の画素像の位置を移動可能なウォブリングデバイス29(画素像移動部)と、光変調素子と画素像移動部とを制御する制御部32と、を備え、制御部32は、表示すべき画像が静止画像である場合に被投射面上における画素像の位置を時間的に移動させ、動画像である場合には被投射面上における画素像の位置を時間的に移動させないように、画素像移動部を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置および画像表示方法に関する。
プロジェクター等の投射型の画像表示装置において、その画像表示装置が液晶ライトバルブ等の光変調素子を備えている場合、スクリーン上に投射した画像の解像度は光変調素子の解像度(水平画素数、垂直画素数)に一致するのが通常である。なお、以下の説明では、「スクリーン上に投射した画像の解像度」のことを、「表示解像度」と称する。ここで、光変調素子の解像度を変えることなく表示解像度を向上させる方法として、光変調素子の数を増やし、スクリーン上で各光変調素子が形成する各画素の像の位置をずらして投射する方法がある。ところが、この方法では、光変調素子の数を増やす必要があるため、著しいコストの増大を招くという課題がある。
上記の課題を解決する方法として、各画素の像の位置を空間的にずらすのではなく、時間軸でずらす方法が提案されている(例えば、下記の特許文献1、2参照)。この方法によれば、光変調素子の数を増やす必要がない。特許文献1では、一つの具体例として、光変調素子と投射レンズとの間に平行平板を光軸の法線に対して傾けて装入し、平行平板の傾き角度を変化させることでフィールド毎に光軸をシフトさせ、画素の位置を時間的にずらす構成が開示されている。他の具体例として、屈折率もしくは屈折量が異なる2つの領域を有する回転板を光変調素子と投射レンズとの間に斜めに装入し、この回転板を回転させることで光軸をシフトさせ、画素の像の位置を時間的にずらす構成が開示されている。
なお、以下の説明では、被投射面における各画素の像の位置を時間的に(時間軸で)ずらすことを、便宜上、「時間軸画素ずらし」と称することもある。
特開平11−298829号公報 特開2005−91519号公報
ところが、上記特許文献1、2のように、時間軸画素ずらし技術を採用した従来の画像表示装置は、外部から入力された画像のコンテンツに関わらず、常に各画素の像の位置を時間軸でずらしつつ表示を行っている。時間軸画素ずらし技術は、例えば、画素ずらしのための2フレームを費やして1フレームの画像をずらした位置に表示し、表示解像度を向上させるものである。言い換えると、時間軸画素ずらし技術とは、時間分解能を犠牲にして空間分解能を向上させる技術である。したがって、時間周波数成分を持たない静止画像には適しているが、時間周波数成分を持つ動画像には適しておらず、例えば高速で動いている画像がぼける等、画質の劣化を招く恐れがある。
また、特許文献2の装置では、画像のぼけを低減する手段として、画像を表示する複数のフレーム間に黒表示を行うフレームを挿入する技術が開示されている。しかしながら、この技術を用いる場合、黒表示が挿入される分、表示の明るさが損なわれるという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、動画像がぼける、暗くなる等の動画像の画質劣化を防止しつつ、静止画像の表示解像度を向上できる画像表示装置および画像表示方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、光を射出する光源と、複数の画素がマトリクス状に配置され、前記光源からの光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光を被投射面上に投射する投射光学系と、前記被投射面上に投射される前記光変調素子の前記画素の像の位置を移動可能な画素像移動部と、前記光変調素子と前記画素像移動部とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記画素像移動部が前記画素の像の位置を時間的に移動させるか否かを切替可能であることを特徴とする。
また、前記制御部は、表示すべき画像が静止画像である場合に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させ、表示すべき画像が動画像である場合には前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させないように、前記画素像移動部を制御することが望ましい。
本発明の画像表示装置は、表示する画像が静止画像であるか動画像であるかに応じて、時間軸画素ずらし技術を使うか否かを切り替えるというものである。すなわち、本発明の画像表示装置によれば、制御部は、画素像移動部が前記画素の像の位置を時間的に移動させるか否かを切り替えることができる。より具体的には、制御部は、表示すべき画像が静止画像である場合に被投射面上における画素の像の位置を時間的に移動させるように画素像移動部を制御するので、静止画像の表示解像度を向上させることができる。その一方、表示すべき画像が動画像である場合には被投射面上における画素の像の位置を時間的に移動させないように画素像移動部を制御するので、動画像のぼけ等の画質劣化を抑制し、滑らかな動画像を表現することができる。また、黒表示のフレームを挿入することなく、滑らかな動画像を表現できるため、表示が暗くなることがない。
本発明の画像表示装置において、前記制御部として、表示すべき画像が動画像であると判断したとき以外は常に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させるように、前記画素像移動部を制御する構成を採用できる。
この構成によれば、基本的には時間軸画素ずらし機能が働いており、画像が動画像であると制御部が判断したときのみ、時間軸画素ずらし機能が停止するので、時間軸画素ずらし機能を最大限に発揮でき、表示解像度を十分に向上させることができる。
本発明の画像表示装置において、前記制御部は、複数のフレームにおいて入力された各画像データを比較し、表示すべき画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別する画像判別部を備え、前記画像判別部が、自身の判別結果に基づいて前記画素像移動部に制御信号を出力する構成としても良い。
この構成によれば、通常の画像データを用いて画像判別部が時間軸画素ずらし機能の使用、不使用を判断することができる。特別な画像データを準備する必要がない。
あるいは、本発明の画像表示装置において、前記制御部は、入力された画像データに予め含まれている静止画像/動画像情報を取得し、前記静止画像/動画像情報から、表示すべき画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別する画像判別部を備え、前記画像判別部が、自身の判別結果に基づいて前記画素像移動部に制御信号を出力する構成としても良い。
この構成によれば、静止画像/動画像情報を予め含んだ画像データを準備する必要があるが、複数フレームの画像データを比較し、静止画像であるか、動画像であるかを判別する手段(例えばフレームメモリー、演算部)が不要になるため、装置の負担が軽減し、制御部の構成を簡素化できる。
本発明の画像表示装置において、前記制御部は、表示すべき画像の解像度が前記光変調素子の解像度よりも高い場合に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させ、表示すべき画像の解像度が前記光変調素子の解像度以下である場合には前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させないように、前記画素像移動部を制御する構成としても良い。
この構成によれば、表示すべき画像の解像度と光変調素子の解像度とを比較し、画像の解像度が光変調素子の解像度よりも高い場合にのみ、時間軸画素ずらし機能が有効であると判断し、機能を働かせることができる。
本発明の画像表示方法は、光を射出する光源と、複数の画素がマトリクス状に配置され、前記光源からの光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光を被投射面上に投射する投射光学系と、前記被投射面上に投射される前記光変調素子の前記画素の像の位置を移動させる画素像移動部と、を備えた画像表示装置を用いた画像表示方法であって、前記画素像移動部を制御することにより、表示すべき画像が静止画像である場合に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させ、表示すべき画像が動画像である場合には前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させないことを特徴とする。
本発明の画像表示方法によれば、表示すべき画像が静止画像である場合に被投射面上における画素の像の位置を時間的に移動させるので、静止画像の表示解像度を向上させることができる。その一方、表示すべき画像が動画像である場合には被投射面上における画素の像の位置を時間的に移動させないので、動画像のぼけ等の画質劣化を抑制し、滑らかな動画像を表現することができる。また、黒表示のフレームを挿入する必要がないため、表示が暗くなることもない。
本発明の第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 光透過板を駆動したときの光軸シフトの様子を示す図である。 画素像の位置をずらしたイメージを示す図である。 同、プロジェクターの制御部の概略構成を示すブロック図である。 同、制御部内の判別部の概略構成を示すブロック図である。 同、制御部の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態のプロジェクターの制御部内の判別部の概略構成を示すブロック図である。 同、制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図6を用いて説明する。
本実施形態の画像表示装置は、3枚の液晶ライトバルブを備えた、いわゆる3板式のプロジェクターの構成例である。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。図2は、光透過板を駆動したときの光軸シフトの様子を示す図である。図3は、画素像の位置をずらしたイメージを示す図である。図4は、制御部の概略構成を示すブロック図である。図5は、制御部内の判別部の概略構成を示すブロック図である。図6は、制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
なお、以下の各図面においては、構成要素を見やすくするため、構成要素に応じて寸法の比率や縮尺を異ならせることがある。
本実施形態のプロジェクター1(画像表示装置)は、図1に示すように、照明光学系2、液晶ライトバルブ3R,3G,3B(光変調素子)、クロスダイクロイックプリズム4(色合成光学系)、投射レンズ5(投射光学系)等を備えている。本実施形態の照明光学系2は、光源7、光源7の後段に順に配置された一対のフライアイレンズアレイ8、偏光変換素子9、ダイクロイックミラー10,11等から構成されている。光源7は、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の白色ランプ12と、白色ランプ12の光を反射させて前方に射出するリフレクター13とから構成されている。したがって、白色ランプ12からは、赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)、すなわち異なる色の複数の色光を含む白色光が射出される。
一対のフライアイレンズアレイ8は、光源7から射出された光の光強度の分布を均一化するものである。これにより、被照明領域である液晶ライトバルブ3R,3G,3Bに照射される光の照度分布が均一化される。
偏光変換素子9は、その詳細な構造を図示しないが、偏光ビームスプリッターアレイ(PBSアレイ)と1/2波長板アレイとを有している。フライアイレンズアレイ8からPBSアレイに入射した光のうち、第1の偏光方向の直線偏光がPBSアレイ内の偏光分離膜(PBS膜)を透過するとともに、第2の偏光方向の直線偏光がPBSアレイ内のPBS膜で反射する。反射した偏光は、1/2波長板アレイによって偏光方向が第1の偏光方向に変化して射出される。このように偏光変換素子9は、光源光の光量を損なうことなく光源光の偏光方向を一方向に揃えるように構成されている。
ダイクロイックミラー10,11は、例えばガラス表面に誘電体多層膜を積層したものである。これにより、所定の波長帯域の色光が選択的に反射し、それ以外の波長帯域の色光が透過するようになっている。具体的には、光源7から射出された光源光のうち、赤色光LRがダイクロイックミラー10を透過するとともに、緑色光LGおよび青色光LBがダイクロイックミラー10で反射する。また、ダイクロイックミラー10で反射した緑色光LGおよび青色光LBのうち、青色光LBがダイクロイックミラー11を透過し、緑色光LGがダイクロイックミラー11で反射する。
ダイクロイックミラー10を透過した赤色光LRは、反射ミラー15で反射し、平行化レンズ16を経て赤色光用の液晶ライトバルブ3Rに入射する。ダイクロイックミラー11で反射した緑色光LGは、平行化レンズ16を経て緑色光用の液晶ライトバルブ3Gに入射する。ダイクロイックミラー11を透過した青色光LBは、リレー光学系17を経て青色光用の液晶ライトバルブ3Bに入射する。リレー光学系17は、ダイクロイックミラー11側から順に配置されたリレーレンズ18、反射ミラー19、リレーレンズ20、反射ミラー21、リレーレンズ22等からなっている。リレーレンズ22は、平行化レンズとしても機能する。青色光の場合、他の色光に比べて光源7から液晶ライトバルブ3Bまでの光路が長く、光路が長いことによる光損失を防ぐため、このようなリレー光学系17を設けている。
液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの各々は、透過型液晶セル24と、その入射側、射出側にそれぞれ設けられた偏光板25,26とから構成されている。透過型液晶セル24は、例えばアクティブマトリクス型のものであり、一対の電極間に挟持された液晶層を有している。また、液晶ライトバルブ3R,3G,3Bは、画像信号を供給する信号源に電気的に接続されている。信号源から画像信号が供給されると、透過型液晶セル24の電極間に電圧が印加され、この印加電圧に応じて液晶分子の配向方向が制御される。これにより、光を変調することが可能になっている。各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bで変調された赤色光LR、緑色光LG、青色光LBは、クロスダイクロイックプリズム4に入射する。
クロスダイクロイックプリズム4は、三角柱プリズムが貼り合わされた構造となっており、その内面に赤色光LRが反射して緑色光LGおよび青色光LBが透過する選択反射面と、青色光LBが反射して赤色光LRおよび緑色光LGが透過する選択反射面とが互いに直交して形成されている。赤色光LRおよび青色光LBはこれらの選択反射面で選択的に反射し、緑色光LGはこれらの選択反射面を選択的に透過し、3つの色光は同じ側に射出される。これにより、3つの色光が重ね合わされて合成光Lとなる。
クロスダイクロイックプリズム4を射出した合成光Lは、複数のレンズ群からなる投射レンズ5によりスクリーン28(被投射面)上に拡大投射される。そして、本実施形態においては、クロスダイクロイックプリズム4と投射レンズ5との間に、ウォブリングデバイス29(画素像移動部)が設置されている。ウォブリングデバイス29は、スクリーン28上に投射される液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの各画素の像の位置を時間的に移動させるものである。本実施形態では、ウォブリングデバイス29の一例として、光透過板30が用いられている。
光透過板30は、光を透過させる際に内部で屈折を生じさせ、透過光の光軸を移動させるものであり、例えばガラス等の光透過性を有する材料から形成された平行平板で構成されている。そして、矢印Aの方向に光透過板30の傾きを変化させるように光透過板30を駆動する駆動部31が設けられている。駆動部31は、光透過板30の光入射面と投射レンズ5の光軸に垂直な面とのなす角度が時間的に変化するように光透過板30を駆動する。具体的には、駆動部31は、光透過板30の光入射面と投射レンズ5の光軸に垂直な面とのなす角度を第1の角度θ1と第2の角度θ2との間で120Hzで切り換えるように構成されている。駆動部31には、例えば圧電素子を用いることができる。また、各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bと駆動部31とを制御する制御部32が設けられている。
光透過板30の傾きが変化したときの作用を図2に示す。なお、図2では、図面を簡略化するため、投射レンズ5を1枚のレンズとして示す。まず、実線で示すように光透過板30の光入射面30aが投射レンズ5の光軸Gに垂直であったとすると、クロスダイクロイックプリズム4から射出された光Lが光透過板30の光入射面30aに対して垂直に入射し、光射出面30bから垂直に射出されるので、光Lは光透過板30で屈折することなく、透過光の光軸の位置が光透過板30の前後で移動しない。次に、2点鎖線で示すように光透過板30の光入射面30aが投射レンズ5の光軸に対して傾くと、クロスダイクロイックプリズム4から射出された光が光透過板30の光入射面30aに対して垂直以外の角度で入射するので、屈折が生じ、さらに、光は光射出面30bに対して垂直以外の角度で入射するので、屈折して射出される。このため、透過光の光軸の位置が光透過板30の前後で傾き角度に応じた距離ΔXだけ移動する。
スクリーン28上に投射された画素の像が移動する様子を図3に示す。本実施形態では、画像は60Hz毎に書き換えられる1フレーム(すなわち、1フレーム=1/60秒)の画像で構成され、光透過板30は上述の第1の角度θ1と第2の角度θ2との間を120Hzで切り換わるものとする。このとき、図3に示すように、任意の1/120秒(これを第1フィールドと称する)で実線の位置にある複数の画素像からなる格子は、次の1/120秒(これを第2フィールドと称する)では破線で示す位置に移動する。複数の画素像はスクリーン28の水平方向および垂直方向に配列されているが、移動方向は画素像の配列方向に対して斜め方向とすることが望ましい。また、移動距離ΔX1は、1つの格子の対角線の長さの1/2に設定することが望ましい。このようにして、第1フィールドの位置にある画像は60Hz毎に書き換えられ、第1フィールドの位置からずれた第2フィールドの位置にある画像も60Hz毎に書き換えられることになる。このとき、観察者の目は120Hzの画素像の微小な位置変化を認識できないので、観察者は表示解像度の向上感を得ることができる。
以下、制御部32の構成について説明する。
制御部32は、図4に示すように、時間軸画素ずらしオン・オフ機能判別部33(以下、単に「判別部」と称する、画像判別部)と、第1表示画像データ生成部34と、第2表示画像データ生成部35と、を有している。判別部33は、入力された画像信号に基づいて、表示すべき画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別するものである。そして、判別部33は、自身の判別結果に基づいて、後述する第1表示画像データ生成部34、第2表示画像データ生成部35のいずれかに画像データ(変調用信号)を生成させる制御信号を出力する。制御部32は、表示すべき画像が動画像であると判断したとき以外は常に時間軸画素ずらしを行うように、ウォブリングデバイス29の駆動部31を制御している。
なお、図4のブロック図では、図面を簡略化するために、図1における光源7からクロスダイクロイックプリズム4までの光学系の部分をまとめてライトバルブ部36(L/V部)と示した。
第1表示画像データ生成部34は、時間軸画素ずらしを行わずに表示を行う際の画像データ、すなわち変調用信号を生成するものである。したがって、第1表示画像データ生成部34は、画素ずらし機能を持たない既存のプロジェクターが持っている表示画像データ生成部と同様、入力された画像信号に基づいて、各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bに供給する変調用信号を生成する。
第2表示画像データ生成部35は、時間軸画素ずらしを行って表示を行う際の画像データ、すなわち変調用信号を生成するものである。第2表示画像データ生成部35は、図示しないタイミング生成回路や画像処理回路を有している。タイミング生成回路は、第1フィールドの開始時刻と第2フィールドの開始時刻とを示すタイミング信号を生成し、駆動部31および画像処理回路に出力する。画像処理回路は、画像信号に基づいて、第1フィールド用の第1変調用信号および第2フィールド用の第2変調用信号を生成する。画像処理回路は、タイミング信号により定まる第1フィールドの画像の表示タイミングに同期させて第1変調用信号を各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bに供給し、第2フィールドの画像の表示タイミングに同期させて第2変調用信号を各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bに供給する。
本実施形態の判別部33は、図5に示すように、表示画像サイズ取得部38と、時間軸画素ずらしオン・オフ機能第1判別演算部39(以下、単に「第1判別演算部」と称する)と、複数フレーム確保部40と、時間軸画素ずらしオン・オフ機能第2判別演算部41(以下、単に「第2判別演算部」と称する)と、を有している。表示画像サイズ取得部38は、入力された画像信号に基づいて、表示すべき画像のサイズを取得するものである。第1判別演算部39は、予め決まっている液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの解像度と入力された画像信号の解像度との差分を演算し、比較するものである。複数フレーム確保部40は、例えばフレームメモリー等を含んで構成され、複数のフレームの画像信号を確保するものである。第2判別演算部41は、複数フレーム確保部40が確保した時間的に隣接する2フレームの画像信号間の色差を演算するものである。
ここで、制御部32の処理の流れについて図6を参照して説明する。
最初に、表示画像サイズ取得部38は、入力された画像信号に基づいて、表示すべき画像のサイズを取得し、画像サイズの取得結果を第1判別演算部39に出力する(図6のステップS1)。
次いで、第1判別演算部39は、表示画像サイズ取得部38から入力された画像のサイズ、すなわち画像の解像度と、予め記憶されている液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの解像度との差分を演算し、比較する(図6のステップS2)。
画像の解像度と液晶ライトバルブの解像度とを比較した結果、画像の解像度が液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの解像度以下である場合には、時間軸画素ずらし機能を停止すると判断し、第1表示画像データ生成部34は、時間軸画素ずらしを行わずに表示を行う際の変調用信号を生成する(図6のステップS9)。
また、第1表示画像データ生成部34は、ウォブリングデバイス29の動作を停止する停止命令信号を生成し、停止命令信号をウォブリングデバイス29の駆動部31に出力する(図6のステップS10)。
一方、画像の解像度と液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの解像度とを比較した結果、画像の解像度が液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの解像度よりも高い場合には、複数フレーム確保部40が、複数のフレームの画像信号を確保する(図6のステップS3)。
次いで、第2判別演算部41は、複数フレーム確保部40が得た時間的に隣接する2フレームの画像信号間の色差を演算する(図6のステップS4)。
また、第2判別演算部41には、画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別するための色差の閾値が予め設定されており、第2判別演算部41は、色差の演算値と閾値とを比較する(図6のステップS5)。
色差の演算値と閾値とを比較した結果、演算値が閾値以下であった場合、第2判別演算部41は、表示画像が静止画像であるから時間軸画素ずらしを続行すると判別し、第2表示画像データ生成部35は、時間軸画素ずらしを行って表示を行う際の第1フィールド用の第1変調用信号、第2フィールド用の第2変調用信号をそれぞれ生成する(図6のステップS6)。
次いで、各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bは、第2表示画像データ生成部35から入力された第1変調用信号および第2変調用信号に基づいて、入射光の変調を行って画像を形成する(図6のステップS7)。
また、液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの後段のウォブリングデバイス29では、光透過板30の駆動による透過光軸の移動が行われ、スクリーン28上での画素像の位置が移動して時間軸画素ずらしが行われる(図6のステップS8)。
一方、色差の演算値と閾値とを比較した結果、演算値が閾値を超えた場合、第2判別演算部41は、表示画像が動画像であるから時間軸画素ずらしを停止すると判別し、第1表示画像データ生成部34は、時間軸画素ずらしを行なわずに表示を行う際の変調用信号を生成する(図6のステップS9)。
また、第1表示画像データ生成部34は、ウォブリングデバイス29の動作を停止する停止命令信号を生成し、停止命令信号をウォブリングデバイス29の駆動部31に出力する(図6のステップS10)。
本実施形態のプロジェクター1によれば、制御部32は、基本的に時間軸画素ずらしを常に実行するように設定されており、表示すべき画像が静止画像であると判別したときに時間軸画素ずらしを続行するので、静止画像の表示解像度を向上させることができる。その一方、制御部32は、表示すべき画像が動画像であると判別したときには時間軸画素ずらしを停止するようにウォブリングデバイス29の駆動部31を制御するので、動画像のぼけ等の画質劣化を抑制し、滑らかな動画像を表現することができる。また、黒表示のフレームを挿入することなく、滑らかな動画像を表現できるため、表示が暗くなることがない。本実施形態のプロジェクター1の使用により、静止画像における表示解像度の向上と動画像における表示の滑らかさ、明るさを両立することができる。
また、制御部32が、複数のフレームにおける画像信号を比較して、表示すべき画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別し、ウォブリングデバイス29の駆動部31を制御する構成であるから、通常の画像データを用いて時間軸画素ずらし機能の使用、不使用を判断することができる。これにより、特別な画像データを準備する必要がない。また、閾値を基準として、画像が静止画像であるか、動画像であるかの判別を行っているので、閾値を適宜変更することによって時間軸画素ずらし機能の使用、不使用の切り替えレベルを調節することができる。例えば閾値を高めに設定した場合、多少の動画像であれば、時間軸画素ずらしを実行して表示解像度の向上を図ることができる。逆に、閾値を低めに設定した場合、僅かに動くような静止画像であっても、時間軸画素ずらしを停止して滑らかな動きを表現することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図7、図8を用いて説明する。
本実施形態の画像表示装置も3板式のプロジェクターの構成例であって、その基本構成は第1実施形態と同様であるため、プロジェクターの基本構成の説明は省略し、制御部の構成についてのみ説明する。
図7は、本実施形態のプロジェクターにおける制御部内の判別部の構成を示すブロック図である。図8は、制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
第1実施形態では、時間的に隣接する2フレームの画像信号の差分演算を基に、時間軸画素ずらしの使用、不使用を制御部が自動的に判別する構成であったのに対し、本実施形態では、時間軸画素ずらしの使用、不使用を決定する情報を入力する画像信号に予め付加しておき、その情報を制御部が読み取って時間軸画素ずらしの使用、不使用を決定するという構成を採用している。
本実施形態の判別部43は、図7に示すように、時間軸画素ずらしオン・オフ情報取得部44(以下、単に「情報取得部」と称する)と、時間軸画素ずらしオン・オフ機能判別部45(以下、単に「機能判別部」と称する)と、を有している。情報取得部44は、入力する画像信号に予め含まれていた静止画像/動画像情報を取得するものである。静止画像/動画像情報とは、画像信号自身が静止画像であるか、動画像であるか、ひいては、時間軸画素ずらしを実行するか、停止するかを示す情報のことである。判別部43は、情報取得部44が得た静止画像/動画像情報に基づいて、画像が動画像である場合に時間軸画素ずらしを停止する停止命令信号を生成する。
次に、制御部の処理の流れについて図8を参照して説明する。
最初に、情報取得部44は、入力された画像信号から静止画像/動画像情報を取得する(図8のステップS101)。
次いで、機能判別部45は、情報取得部44から入力された静止画像/動画像情報を読み取り、画像が動画像である、すなわち時間軸画素ずらしを停止する情報が含まれているか否かを判別する(図8のステップS102)。
ここで、画像が動画像である、すなわち時間軸画素ずらしを停止する情報が含まれていなかった場合、機能判別部45は、表示画像が静止画像であるから時間軸画素ずらしを続行すると判別し、第2表示画像データ生成部35は、時間軸画素ずらしを行って表示を行う際の第1フィールド用の第1変調用信号、第2フィールド用の第2変調用信号をそれぞれ生成する(図8のステップS103)。
次いで、各液晶ライトバルブ3R,3G,3Bは、第2表示画像データ生成部35から入力された第1変調用信号および第2変調用信号に基づいて、入射光の変調を行って画像を形成する(図8のステップS104)。
また、液晶ライトバルブ3R,3G,3Bの後段のウォブリングデバイス29では、光透過板30の駆動による透過光軸の移動が行われ、スクリーン28上での画素像の位置が移動して時間軸画素ずらしが行われる(図8のステップS105)。
一方、画像が動画像である、すなわち時間軸画素ずらしを停止する情報が含まれていた場合、機能判別部45は、表示画像が動画像であるから時間軸画素ずらしを停止すると判別し、第1表示画像データ生成部34は、時間軸画素ずらしを行なわずに表示を行う際の変調用信号を生成する(図8のステップS106)。
また、第1表示画像データ生成部34は、ウォブリングデバイス29の動作を停止する停止命令信号を生成し、停止命令信号をウォブリングデバイス29の駆動部31に出力する(図8のステップS107)。
本実施形態のプロジェクターにおいても、静止画像における表示解像度の向上と動画像における表示の滑らかさ、明るさを両立することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態の場合、静止画像/動画像情報が予め含まれた画像信号を準備する必要があるが、複数フレームの画像データを比較し、静止画像であるか、動画像であるかを判別する手段(例えば第1実施形態の複数フレーム確保部、第2判別演算部など)が不要になるため、装置の負担が軽減し、制御部の構成を簡素化できる。本実施形態は、表示すべき画像コンテンツが予め決まっているデジタルサイネージ、プレゼンテーション資料等の表示を用途とする場合に好適である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記第1実施形態では、時間軸画素ずらしの使用、不使用を制御部が自動的に判別する構成、第2実施形態では、入力する画像信号に時間軸画素ずらしの使用、不使用を決定する情報を予め付加しておき、制御部がこの情報を読み取る構成、の2つの構成を例示した。これらの構成に代えて、プロジェクターの使用者が画像コンテンツに応じて時間軸画素ずらしの使用、不使用を適宜判断し、例えばプロジェクターに備えられたスイッチ等を手動で操作して切り替える構成を採用しても良い。
また、画素像を第1フィールド、第2フィールドの2つの位置に移動させる例を示したが、画素像を3つ以上の位置に移動させる構成を採用しても良い。また、光変調素子として透過型の液晶ライトバルブを用いた例を挙げたが、その他、反射型の液晶ライトバルブ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device,登録商標)等を用いることもできる。DMDを用いた場合、画面全体ではなく、部分的に時間軸画素ずらしの使用、不使用を切り替えても良く、例えば静止画像の中に動画像が部分的に組み込まれている場合等に対応可能である。また、上記実施形態で述べたプロジェクターの各部の具体的な構成は適宜変更が可能である。
1…プロジェクター、2…照明光学系、3R,3G,3B…液晶ライトバルブ(光変調素子)、5…投射レンズ(投射光学系)、7…光源、28…スクリーン(被投射面)、29…ウォブリングデバイス(画素像移動部)、30…光透過板(画素像移動部)、31…駆動部、32…制御部、33,43…時間軸画素ずらしオン・オフ機能判別部(画像判別部)。

Claims (7)

  1. 光を射出する光源と、
    複数の画素がマトリクス状に配置され、前記光源からの光を変調する光変調素子と、
    前記光変調素子によって変調された光を被投射面上に投射する投射光学系と、
    前記被投射面上に投射される前記光変調素子の前記画素の像の位置を移動可能な画素像移動部と、
    前記光変調素子と前記画素像移動部とを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記画素像移動部が前記画素の像の位置を時間的に移動させるか否かを切替可能であることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記制御部は、表示すべき画像が静止画像である場合に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させ、表示すべき画像が動画像である場合には前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させないように、前記画素像移動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記制御部は、表示すべき画像が動画像であると判断したとき以外は常に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させるように、前記画素像移動部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記制御部は、複数のフレームにおいて入力された各画像データを比較し、表示すべき画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別する画像判別部を備え、
    前記画像判別部が、自身の判別結果に基づいて前記画素像移動部に制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  5. 前記制御部は、入力された画像データに予め含まれている静止画像/動画像情報を取得し、前記静止画像/動画像情報から、表示すべき画像が静止画像であるか、動画像であるかを判別する画像判別部を備え、
    前記画像判別部が、自身の判別結果に基づいて前記画素像移動部に制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  6. 前記制御部は、表示すべき画像の解像度が前記光変調素子の解像度よりも高い場合に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させ、表示すべき画像の解像度が前記光変調素子の解像度以下である場合には前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させないように、前記画素像移動部を制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  7. 光を射出する光源と、複数の画素がマトリクス状に配置され、前記光源からの光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光を被投射面上に投射する投射光学系と、前記被投射面上に投射される前記光変調素子の前記画素の像の位置を移動させる画素像移動部と、を備えた画像表示装置を用いた画像表示方法であって、
    前記画素像移動部を制御することによって、表示すべき画像が静止画像である場合に前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させ、表示すべき画像が動画像である場合には前記被投射面上における前記画素の像の位置を時間的に移動させないことを特徴とする画像表示方法。
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