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JP2010037205A - フッ素アルカン化合物、その製造方法及びパーフルオロアルキン化合物の製造方法 - Google Patents

フッ素アルカン化合物、その製造方法及びパーフルオロアルキン化合物の製造方法 Download PDF

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JP2010037205A JP2008197976A JP2008197976A JP2010037205A JP 2010037205 A JP2010037205 A JP 2010037205A JP 2008197976 A JP2008197976 A JP 2008197976A JP 2008197976 A JP2008197976 A JP 2008197976A JP 2010037205 A JP2010037205 A JP 2010037205A
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茂正 中杉
Takayuki Ishimura
隆行 石村
Tatsuya Sugimoto
達也 杉本
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Abstract

【課題】 パーフルオロアルキン化合物を効率的に合成するために有用な前駆体である新規フッ素アルカン化合物と、当該新規フッ素アルカン化合物を用いたパーフルオロアルキン化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 新規フッ素アルカン化合物CFCHXCHX(CFCFを脱ハロゲン化水素反応させてパーフルオロアルキン化合物を製造する。
【選択図】 なし

Description

半導体製造分野で用いるドライエッチングガスやCVDガスとして有用であり、また、含フッ素ポリマーの原料としても有用なパーフルオロアルキン化合物の前駆体である新規フッ素アルカン化合物とその製造方法に関し、また当該新規化合物を用いたパーフルオロアルキン化合物の製造方法に関する。
パーフルオロアルキン化合物は、水素原子が完全にフッ素原子に置換された、炭素−炭素三重結合を有する炭化水素化合物であり、含フッ素ポリマーや医農薬の製造原料、及び半導体製造工程で使用されるプラズマ反応用ガスなどとして有用である。特に、パーフルオロ−2−ペンチンなどの比較的低分子量のパーフルオロアルキン化合物は適度な沸点を有し、取り扱い易いので利用価値が高く、その工業的な製造方法の確立が求められている。
特許文献1においては、2,3−ジヒドロデカフルオロペンタンを出発原料に、アルカリ存在下、200℃で脱フッ化水素反応を行うことにより、目的物であるパーフルオロ−2−ペンチンを得ている。しかしながら、出発原料に用いた2,3−ジヒドロデカフルオロペンタンは大気中の寿命が17年、地球温暖化係数GWPが1300(100年積算)と高く、地球環境に及ぼす影響を指摘する声が大きくなってきており、将来に渡って使用できるものか不安を抱えている物質である。また、高温を要する反応であるため副生成物が多く、結果としてパーフルオロ−2−ペンチンの収率は30%程度であるのが現状である。
特開2003−146917号公報
本発明の目的は、上記のパーフルオロアルキン化合物を効率的に合成するために有用な前駆体である新規なフッ素アルカン化合物とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ある種の含水素フッ素アルケン化合物にハロゲンを反応させることにより新規フッ素アルカン化合物が得られることを見出した。
この新規フッ素アルカン化合物はアルカリ水溶液と反応させるなどの方法で脱ハロゲン化水素反応をすることにより生産性良く、高収率でパーフルオロアルキン化合物を得ることが可能である。
かくして本発明によれば、まず、一般式Aで表されるフッ素アルカン化合物が提供される。
一般式A:CFCHXCHX(CFCF
(一般式A中、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、nは0〜5である。)
また、本発明によれば、前記一般式Aで表されるフッ素アルカン化合物を製造する、次の方法が提供される。
下記一般式Bの含水素フッ素アルケン化合物にハロゲン化剤を反応させる。
一般式B:CFCH=CH(CFCF
(一般式B中、nは0〜5である。)
更に本発明によれば、前記一般式Aで表されるフッ素アルカン化合物を脱ハロゲン化水素反応させてパーフルオロアルキン化合物を製造する方法が提供される。
本発明の新規なフッ素アルカン化合物はアルカリ水溶液と反応させるなどの方法で脱ハロゲン化水素反応をすることにより、生産性良く、高収率でパーフルオロアルキン化合物を得ることが可能である。
まず、本発明の一般式Aで表される化合物とその製造方法について説明する。
前記一般式Aで表される化合物はフッ素アルカン化合物であり、一般式A中、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、nは0〜5である。入手容易さと操作性の観点から、好ましくはXが塩素原子であり、さらに好ましくはXが塩素原子であり、nは1である。
具体的なフッ素アルカン化合物としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタン、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロヘキサン、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロヘプタン、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロオクタン、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロノナンなどの含塩素フッ素アルカン化合物;
2,3−ジブロモ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン、2,3−ジブロモ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタン、2,3−ジブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロヘキサン、2,3−ジブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロヘプタン、2,3−ジブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロオクタン、2,3−ジブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロノナンなどの含臭素フッ素アルカン化合物;
1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ジヨードブタン、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2,3−ジヨードペンタン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2,3−ジヨードヘキサン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロ−2,3−ジヨードヘプタン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロ−2,3−ジヨードオクタン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロ−2,3−ジヨードノナンなどの含ヨウ素フッ素アルカン化合物;などが挙げられる。
これらの中で、好ましいのは含塩素フッ素アルカン化合物であり、特に、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタンが好ましい。
前記一般式Aで表されるフッ素アルカン化合物は、例えば、前記一般式Bで表される化合物にハロゲン化剤を反応させることにより得られる。
前記一般式Bで表される化合物は含水素フッ素アルケン化合物であり、一般式B中、nは0〜5であり、好ましくは1である。具体的な含水素フッ素アルケン化合物としては、例えば、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヘキセン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロ−2−ヘプテン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロ−2−オクテン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロ−2−ノネンが挙げられ、特に好ましいのは1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンである。
含水素フッ素アルケン化合物の入手方法は特に限定されず、市販のものを用いても良いし、例えば、WO2008/057513に記載のように1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンはテトラフルオロエチレンと1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを五フッ化アンチモン存在下で反応を行うことにより容易に製造することもできる。
ハロゲン化剤としては、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンガスや塩化スルフリル、臭化スルフリル、ヨウ化スルフリルなどのハロゲン化スルフリルが用いられ、好ましいのは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンガスであり、特に好ましいのは反応性や製造コストの観点から塩素を用いるのがよい。塩素の入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いることができる。
ハロゲン化剤の使用量は前記一般式Bで表される含水素フッ素アルケン化合物のモル数に対し、通常0.2〜3.0当量、好ましくは0.5〜1.5当量である。
一般式Bで表される含水素フッ素アルケン化合物にハロゲン化剤を反応させる時の反応温度は、通常−50〜150℃であり、好ましくは−30〜40℃である。反応温度が低すぎると、反応速度が遅すぎて実用的ではない。また、反応温度が高すぎると、望ましくない副生成物が生成する傾向がある。
一般式Bで表される含水素フッ素アルケン化合物と、ハロゲン化剤との反応は、溶媒の存在下で行っても、無溶媒で行ってもよいが、反応収率向上とその後の精製のしやすさの観点から無溶媒で行うことが好ましい。
反応溶媒を用いる場合は、ハロゲン化反応に悪影響を及ぼすものでなければ特に限定されない。塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン系溶媒が好ましく、四塩化炭素が特に好ましい。また、その使用量は、反応速度及び反応収率の観点から、前記一般式Bで表される含水素フッ素アルケン化合物に対して通常0.5〜20倍(体積比)、好ましくは1〜10倍(体積比)、より好ましくは1.5〜5倍(体積比)が好ましい。
ハロゲン化反応を促進させるために、水銀ランプにより紫外光を照射させてもよい。水銀ランプは高圧水銀ランプでもよいし、低圧水銀ランプでもよい。
また、ハロゲン化反応を促進させるために、ルイス酸等の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化アンチモン、塩化亜鉛、塩化スズ、臭化アルミニウム、臭化鉄、臭化アンチモン、臭化亜鉛、臭化スズを使用することができる。それらの添加量は通常前記一般式Bで表される含水素フッ素アルケン化合物のモルに対して通常0.001〜0.3当量、好ましくは0.01〜0.2当量である。
反応終了後、通常の有機合成で使用されている手法によって反応液から目的物を分離、精製することができる。例えば、溶解しているハロゲンガスもしくはハロゲン化水素を取り除くために、反応液に水もしくは炭酸ナトリウム水溶液もしくはチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてよく撹拌し、分取した有機層を水で洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム等の乾燥剤で乾燥した後、減圧下で蒸留することにより、目的物を得ることができる。また、抽出操作をせずに直接蒸留により目的物を得ることもできる。
このようにして得られる前記一般式Aで表されるフッ素アルカン化合物を通常、塩基性化合物(好ましくはアルカリ化合物)存在下、脱ハロゲン化水素反応させることにより、パーフルオロアルキン化合物が得られる。
塩基性化合物としては、特に制限されるものは無いが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムまたは水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物;酸化ナトリウムまたは酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物;水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムまたは水酸化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムまたは酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシラジドなどの有機アルカリ金属;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミドまたはフェニルマグネシウムブロミドなどの有機アルカリ土類金属化合物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシドまたはカリウムt−ブトキシドなどのアルコキシ化合物;水素化ナトリウム、水素化カリウムまたは水素化カルシウムなどの金属水素化物;テトラメチルアンモニウムハイドロキシドまたはテトラブチルアンモニウムハイドロキシドなどの水酸化テトラアルキルアンモニウム;などが挙げられるが、これらの中でもアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物などの無機塩基性化合物が好ましく、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムまたは水酸化セシウムが特に好ましく、水酸化カリウムがさらに好ましい。なお、水酸化カリウムは市販のものを入手して使用することができる。
塩基性化合物の使用量はフッ素アルカン化合物のモル数に対し、通常2〜20当量、好ましくは6〜12当量である。この反応は、通常、化合物を水に溶解した後、加温条件下で進行させる。反応温度は、通常100〜250℃であり、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃である。反応温度が低すぎると、反応速度が遅すぎて実用的ではない。また、反応温度が高すぎると、望ましくない副生成物が生成する傾向がある。水の使用量は、反応速度及び反応収率の観点から、塩基性化合物の重量に対して通常0.5〜2倍、好ましくは0.7〜1.3倍、より好ましくは0.9〜1.1倍が好ましい。
本発明の方法により得られたパーフルオロアルキン化合物は、公知の方法で精製することができる。精製方法は限定されないが、例えば、必要に応じて生成物を水やアルカリ性溶液で洗浄し次いで乾燥の後、蒸留に付して有機不純物を除くことで行うことができる。
以下に、実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りが無い限り、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
反応生成物の分析は、ガスクロマトグラフィー(GC)法及びガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)法及び核磁気共鳴分光(NMR)法で行った。
<GC測定条件>
装置:ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフ質量分析計「HP6890」
カラム:Inert Cap1(登録商標;ジーエルサイエンス社製)、長さ60m、内径250μm、膜厚1.50μm
インジェクション温度:150℃
ディテクター温度:250℃
キャリアーガス:窒素(53.0mL/分)
メイクアップガス:窒素(30mL/分)、水素(50mL/分)、空気(400mL/分)
スプリット比:100/1
昇温プログラム:(1)100℃で10分保持、(2)40℃/分で昇温、(3)250℃で26.25分保持。
<GC−MS測定条件>
装置:ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフ質量分析計「HP6890」
カラム:フロンティア・ラボ社製Ultra ALLOY(登録商標)−1(s)、長さ30m、内径250μm、膜厚1.50μm
インジェクション温度:150℃
キャリアーガス:ヘリウム(282mL/分)
スプリット比:170/1
昇温プログラム:(1)40℃で20分保持、次いで(2)40℃/分で昇温、その後(3)250℃で15分保持
<NMR測定条件>
装置:日本電子社製核磁気共鳴装置「JNM−ECA400型」
(実施例1)塩素を使った2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタンの製造
攪拌子、温度計、デュワー瓶型トラップ(ドライアイス−エタノール:−78℃)1つ、水トラップ3つ、10%水酸化ナトリウム水溶液トラップを備えた反応器に純度82%の1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(118部)を入れた。反応溶液を20〜30℃に保ちながら、100Wの水銀ランプで紫外光を照射下、流速2ml/minで塩素(22.4部、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンに対して0.7モル当量)導入した。反応終了後、窒素パージを行い、過剰の塩素ガスを除去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200部)を加えた。反応溶液を中和後、無水硫酸ナトリウムを20部加え、反応溶液を乾燥した。
得られた粗生成物131.24部をGCおよびGC−MSで分析したところ、目的物であり光学異性体である2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタン(ピーク面積比:74.23%)及びその他フッ素が塩素に置換された不純物(ピーク面積比:25.77%)の混合物であった。
粗生成物を常圧蒸留することにより、純度96.5%の2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタンを収率70%で90部得た。
2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタンのスペクトルデータ
H−NMR(TMS、CDCl):δ4.78−4.70(m,2H,CHClCHCl)
19F−NMR(CDCl):−72.12(s,3F),−81.24(s,3F),−115.18(d,1F,J=147.5Hz,CFCF),123.18(d,1F,J=150.3Hz,CFCF
13C−NMR(CDCl):126.19,123.37,120.59,120.05,119.70,119.35,117.79,117.18,116.83,116.49,114,70,114.32,112.11,112.02,111.74,111.64,109.43,109.06,55.54,55.20,54.84,54.52,54.22,54.00,53.72
GC/MS:m/e 284,286,288(CCl);229,231(CHClF);215,217,219(CCl);179,181(CHClF);165,167,169(CCl);69(CF
(実施例2)パーフルオロ−2−ペンチンの製造
攪拌子、温度計、ジムロート型コンデンサーを備えた反応器に水酸化カリウム(230部、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタンに対して10モル当量)及び水(230部、水酸化カリウムに対して1重量倍)を仕込む。コンデンサーには−20℃の冷媒を循環させる。反応溶液を攪拌しながら150℃に加熱し、反応溶液が150℃に到達した後、実施例1で得られた2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタン(100部)をゆっくりと滴下しながら同温度を維持し、30時間反応を継続した。得られた生成物はドライアイス−アセトン浴で−78℃に冷却したガラストラップに捕集する。ガラストラップに捕集した生成物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、目的物であるパーフルオロ−2−ペンチンが67.4部、収率79%で得られる。得られたパーフルオロ−2−ペンチンのNMR分析とGC−MS分析を行った。以下にデータを示す。
パーフルオロ−2−ペンチンのスペクトルデータ
19F−NMR(CDCl):−54.1(s,3F,C C≡C)、−86.0(m,3F,CF )、−106.4(m,2F,C CF
13C−NMR(CDCl):72.18、77.31、105.4、113.9、118.4
GC/MS:m/e 193(C)、143(C)、124(C)、105(C)、93(C)、74(C)、69(CF)55(CF)、31(CF)

Claims (3)

  1. 下記一般式Aで表されるフッ素アルカン化合物。
    一般式A:CFCHXCHX(CFCF
    (一般式A中、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、nは0〜5である。)
  2. 下記一般式Bの含水素フッ素アルケン化合物にハロゲン化剤を反応させる請求項1記載のフッ素アルカン化合物を製造する方法。
    一般式B:CFCH=CH(CFCF
    (一般式B中、nは0〜5である。)
  3. 請求項1記載のフッ素アルカン化合物を脱ハロゲン化水素反応させてパーフルオロアルキン化合物を製造する方法。
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