JP2009210613A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】露光部と感光体との位置関係、及び、現像カートリッジの着脱性を確保しつつ、現像カートリッジに設けられたメモリに格納された情報の読み取り精度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置１は、感光体２８と、感光体に対向配置される複数の発光部７０を有し、感光体を露光する露光部１８と、第１メモリ５０を有し、画像形成装置本体２に対して着脱可能に設けられる現像カートリッジ２２と、露光部に設けられ、現像カートリッジの第１メモリに格納されたカートリッジ情報を読み取る読取部１５と、を備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、画像形成装置に関する。

電子写真方式の画像形成装置として、レーザ光源からのレーザ光をポリゴンミラー等で反射させて感光体上に照射し、静電潜像を形成するレーザプリンタがよく知られている。従来より、このレーザプリンタには、メモリ（ＩＣチップ）を有する現像カートリッジを交換可能に備え、このメモリに格納された情報をプリンタ本体側で読み取って印刷制御に反映させるものがある（特許文献１参照）。具体的には、現像カートリッジのメモリには、当該現像カートリッジが新品か否かどうかを示す現像カートリッジ情報が格納されている。一方、画像形成装置本体側には、上記メモリ内の現像カートリッジ情報を読み取るアンテナが設けられ、この現像カートリッジ情報に応じて現像ローラの回転速度を変えるようにしている。
特開２００７−５２０５５公報

ところで、電子写真方式の画像形成装置には、上記レーザタイプの画像形成装置以外に、レーザ光ではなく、ＬＥＤなどからの光を用いて感光体を露光する露光部を有する画像形成装置（以下、非レーザタイプの画像形成装置という）がある。この非レーザタイプの画像形成装置では、光強度の関係から、露光部を感光体に近接配置する必要があり、露光部と感光体との位置関係に高い精度が求められる。現像カートリッジには、感光体と共に一体的に着脱される構成や、感光体を画像形成装置本体側に残して着脱される構成があり、いずれの構成であっても露光部と感光体との位置関係に影響がないように現像カートリッジを着脱できるようにする必要がある。

このような非レーザタイプの画像形成装置において、上述のメモリ及びアンテナを設ける場合、メモリに格納された情報の読み取り精度を考慮してメモリ及びアンテナを配置する必要があるばかりでなく、露光部と感光体との位置関係及び着脱性を考慮せざるを得ない。

本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、露光部と感光体との位置関係、及び、現像カートリッジの着脱性を確保しつつ、現像カートリッジに設けられたメモリに格納された情報の読み取り精度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供するところにある。

上記の目的を達成するための手段として、第１の発明に係る画像形成装置は、感光体と、前記感光体に対向配置される複数の発光部を有し、前記感光体を露光する露光部と、第１メモリを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられる現像カートリッジと、前記露光部に設けられ、前記現像カートリッジの前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を読み取る読取部と、を備える。
本来、電子写真方式の画像形成装置では、感光体上の静電潜像を正常に現像するために、感光体と現像カートリッジとの位置関係が高い精度で設定されている。更に、非レーザタイプの画像形成装置では、発光部による露光を実現するために、発光部を有する露光部と感光体との位置関係が高い精度で設定されている。従って、現像カートリッジと露光部との位置関係も互い精度で設定されることになる。また、現像カートリッジは、上記各位置関係に影響を与えないように画像形成装置本体に対して着脱可能とされている。
そこで、本発明は、上記露光部に、現像カートリッジの第１メモリに格納されたカートリッジ情報を読み取る読取部を設けた構成とした。このような構成であれば、非レーザタイプの画像形成装置に本来的に高い精度が求められる各部の位置関係を利用して、露光部と感光体との位置関係、及び、現像カートリッジの着脱性を確保しつつ、第１メモリに格納されたカートリッジ情報の読み取り精度の低下を抑制することができる。

第２の発明は、第１の発明の画像形成装置であって、前記画像形成装置本体は、開口部、及び、当該開口部を開閉可能に設けられるカバーを有し、当該開口部を介して前記現像カートリッジが着脱される構成とされ、前記露光部は前記カバーに支持されている。
露光部がカバーに設けられた構成では、本来、カバーを開閉する前後で露光部と感光体とを所定の位置関係にさせる機構が設けられている。従って、このような構成においても、読取部を露光部に設けることが有効である。また、カバーを開くとそれに伴って露光部が現像カートリッジから離間した位置に移動するため、現像カートリッジを円滑に着脱できる。

第３の発明は、第１または第２の発明の画像形成装置であって、前記読取部は、アンテナを有して前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を受信する非接触型読取部であって、前記発光部の駆動信号路が形成された回路基板上に前記アンテナを設けた構成である。
本発明によれば、発光部の駆動信号路が形成された既存の回路基板上にアンテナを設けるため、読取部のために専用の回路基板を設ける必要がない。

第４の発明は、第１または第２の発明の画像形成装置であって、前記読取部は、アンテナを有して前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を受信する非接触型読取部であって、前記発光部が搭載された回路基板上に前記アンテナを設けた構成である。
本発明によれば、発光部が搭載された回路基板上にアンテナを設けるため、読取部のために専用の回路基板を設ける必要がない。

第５の発明は、第１または第２の発明の画像形成装置であって、前記読取部は、前記第１メモリに接続される接続端子を有し、当該接続端子を介して、前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を受信する接触型読取部であって、前記露光部は、当該発光部に関する発光部情報が格納された第２メモリを有し、且つ、前記接続端子が前記第２メモリからの情報信号路に接続され、前記第１メモリのカートリッジ情報と前記第２メモリの発光部情報とを前記情報信号路を介して出力する構成である。
本発明によれば、発光部情報を露光部の外部に出力するための情報信号路を利用して、第１メモリに格納されたカートリッジ情報を露光部の外部に出力する。従って、信号路の配線を簡略化できる。

第６の発明は、第５の発明の画像形成装置であって、前記接触端子を前記現像カートリッジに接触させて、当該現像カートリッジと前記露光部との位置決めをさせる構成である。
本発明によれば、接続端子を利用して現像カートリッジと露光部との位置決めを行うことができる。

第７の発明は、第１〜第６のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記現像カートリッジ、前記感光体及び前記露光部は各色に対応して複数設けられている。
本発明によれば、各色ごとに、露光部と感光体との位置関係、及び、現像カートリッジの着脱性を確保しつつ、カートリッジ情報の読み取り精度の低下を抑制することができる。

第８の発明は、第１〜第７のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記第１メモリと前記読取部とは互いに対向する位置に設けられている。
第１メモリと読取部とを互いに対向配置することで、第１メモリと読取部との距離を短くして読み取り精度を向上させることができる。

第９の発明は、第１〜第８のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記読取部により前記カートリッジ情報が読み取りできたか否かに基づいて、前記カバーの開閉及び前記現像カートリッジの装着状態を少なくとも一方を判断する判断手段を備える。
本発明によれば、カバー開閉や現像カートリッジの装着状態を検知するために専用のセンサを設ける必要がない。

本発明によれば、露光部と感光体との位置関係、及び、現像カートリッジの着脱性を確保しつつ、現像カートリッジに設けられたメモリに格納された情報の読み取り精度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供する。

＜実施形態１＞
本発明の実施形態１について図１〜図６を参照して説明する。
１．プリンタの全体構成
図１，２は、本実施形態のプリンタ１（画像形成装置の一例）の概略構成を示す側断面図である。なお、以下の説明においては、図１，２の紙面左方向がプリンタ１の前方向であり、各図中ではＦ方向として示してある。また、プリンタ１は４色（ブラックＫ、イエローＹ、マゼンタＭ、シアンＣ）のトナーによりカラー画像を形成するカラープリンタであり、以下、各構成部品を色ごとに区別する場合には、その構成部品の符号末尾に各色を意味するＫ（ブラック）、Ｙ（イエロー）、Ｍ（マゼンタ）、Ｃ（シアン）を付すものとする。

プリンタ１は、本体ケーシング２（画像形成装置本体の一例）を備えており、本体ケーシング２の上面には開口部２Ｂが形成され、その開口部２Ｂを塞ぐようにカバー２Ａが開閉可能に設けられている。本体ケーシング２の底部には、被記録媒体としての用紙３が積載される供給トレイ４が設けられている。供給トレイ４の前端上方には給紙ローラ５が設けられており、この給紙ローラ５の回転に伴って供給トレイ４内の最上位に積載された用紙３がレジストローラ６へ送り出される。レジストローラ６は、用紙３の斜行補正を行った後、その用紙３を画像形成部１０のベルトユニット１１上へ搬送する。

画像形成部１０は、ベルトユニット１１、露光部１８、プロセス部２０、定着部３１などを備えている。

ベルトユニット１１は、前後一対のベルト支持ローラ１２間に、ポリカーボネート等からなる環状のベルト１３を張架した構成となっている。そして、後側のベルト支持ローラ１２が回転駆動されることにより、ベルト１３が図示時計周り方向に循環移動し、ベルト１３上面の用紙３が後方へ搬送される。また、ベルト１３の内側には、後述するプロセス部２０の各感光体２８とベルト１３を挟んで対向する位置にそれぞれ転写ローラ１４が設けられている。

さらに、ベルトユニット１１の下側には、ベルト１３表面に付着したトナーや紙粉等を回収するクリーニング装置１７が設けられている。

露光部１８は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応した４つのＬＥＤユニット１８Ｋ，１８Ｙ，１８Ｍ，１８Ｃを備えている。各ＬＥＤユニット１８は、支持手段５３（後述する図４参照）によりカバー２Ａ下面に支持されており、その下端部にＬＥＤヘッド１９Ｋ，１９Ｙ，１９Ｍ，１９Ｃを有している。ＬＥＤヘッド１９Ｋ，１９Ｙ，１９Ｍ，１９Ｃは、ＬＥＤ７０（発光部の一例）からなる複数の発光素子が左右方向に一列に並んで配置されたものである。各発光素子は、形成すべき画像データに基づいて発光制御され、各発光素子から出射された光が感光体２８の表面に照射され、その表面が露光される。

プロセス部２０は、上記４色に対応した４つのプロセスカートリッジ２０Ｋ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｃを備えている。各プロセスカートリッジ２０Ｋ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｃは、カートリッジフレーム２１と、このカートリッジフレーム２１に対し着脱可能に装着される現像カートリッジ２２Ｋ，２２Ｙ，２２Ｍ，２２Ｃとを備えている。図２に示すように、カバー２Ａを開放すると、各ＬＥＤユニット１８Ｋ，１８Ｙ，１８Ｍ，１８Ｃがカバー２Ａと共に退避して、各プロセスカートリッジ２０Ｋ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｃは、本体ケーシング２に対して着脱可能になる。なお、本実施形態では、上記ＬＥＤユニット１８Ｋ，１８Ｙ，１８Ｍ，１８Ｃ、プロセスカートリッジ２０Ｋ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｃ及び各転写ローラ１４により４組の形成手段が構成される。

各現像カートリッジ２２は、現像剤である各色のトナーを収容するトナー収容室２３を備え、その下側に供給ローラ２４、現像ローラ２５、層厚規制ブレード２６、アジテータ２７等を備えている。トナー収容室２３から放出されたトナーは、供給ローラ２４の回転により現像ローラ２５に供給され、供給ローラ２４と現像ローラ２５との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ２５上に供給されたトナーは、現像ローラ２５の回転に伴って、層厚規制ブレード２６と現像ローラ２５との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ２５上に担持される。

カートリッジフレーム２１の下部には、表面が正帯電性の感光層によって覆われた感光体２８と、スコロトロン型の帯電器２９とが設けられている。画像形成時には、感光体２８が回転駆動され、それに伴って感光体２８の表面が帯電器２９により一様に正帯電される。そして、その正帯電された部分が露光部１８により露光されて、感光体２８の表面に用紙３に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。

次いで、現像ローラ２５の回転により、現像ローラ２５上に担持され正帯電されているトナーが、感光体２８に対向して接触するときに、感光体２８の表面上に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体２８の静電潜像が可視像化され、感光体２８の表面には露光部分にのみトナーが付着したトナー像が担持される。

その後、各感光体２８の表面上に担持されたトナー像は、ベルト１３によって搬送される用紙３が、感光体２８と転写ローラ１４との間の各転写位置を通る間に、転写ローラ１４に印加される負極性の転写電圧によって、用紙３に順次転写される。こうしてトナー像が転写された用紙３は、次いで定着器３１に搬送される。

定着器３１は、熱源を有する加熱ローラ３１Ａと、用紙３を加熱ローラ３１Ａ側へ押圧する加圧ローラ３１Ｂとを備えており、用紙３上に転写されたトナー像を紙面に熱定着させる。そして、定着器３１により熱定着された用紙３は、上方へ搬送され、カバー２Ａの上面に排出される。

２．電気的構成
図３は、プリンタ１の電気的構成を示すブロック図である。

プリンタ１は、同図に示すように、ＣＰＵ４０（判断手段の一例）、ＲＯＭ４１、ＲＡＭ４２、ＮＶＲＡＭ（不揮発性メモリ）４３、ネットワークインターフェイス４４を備え、これらに既述の画像形成部１０、ＩＣリーダ１５（読取部の一例）や、表示部４５、操作部４６などが接続されている。

ＲＯＭ４１には、印刷処理や後述するカバー・カートリッジに関する判断処理など、このプリンタ１の各種の動作を実行するためのプログラムが記憶されており、ＣＰＵ４０は、ＲＯＭ４１から読み出したプログラムに従って、その処理結果をＲＡＭ４２またはＮＶＲＡＭ４３に記憶させながら各部の制御を行う。ネットワークインターフェイス４４は、通信回線４７を介して図示しない外部のコンピュータ等に接続され、これにより相互のデータ通信が可能となっている。

ＩＣリーダ１５は、上記４色の現像カートリッジ２２Ｋ，２２Ｙ，２２Ｍ，２２Ｃに対応して４つ設けられている。各現像カートリッジ２２は、カートリッジ情報が格納されたＩＣチップ５０（例えばＥＥＰＲＯＭ 第１メモリの一例）を有しており、ＩＣリーダ１５はそのカートリッジ情報をＩＣチップ５０から読み取る。「カートリッジ情報」は、例えば各現像カートリッジ２２Ｋ，２２Ｙ，２２Ｍ，２２Ｃに収容されたトナーの色情報や、新品か否かの情報である。なお、ＩＣリーダ１５は、ＩＣチップ５０から情報を読み取るだけでなく、ＩＣチップ５０に情報を書き込む機能を備えたものであっても勿論よい。この場合、「カートリッジ情報」は、現像カートリッジ２２の稼動量情報（例えば印刷枚数や、アジテータ２７の回転数など）であってもよい。

３．ＬＥＤユニットのガイド機構
さて、本実施形態のプリンタ１は、レーザ光よりも光強度が低いＬＥＤ７０からの出射光を用いて感光体２８を露光する、非レーザタイプである。このため、各ＬＥＤユニット１８のＬＥＤヘッド１９を感光体２８に近接させる必要がある。また、精度の高い露光を行うために、各ＬＥＤユニット１８と各感光体２８との位置関係に高い精度が求められる。

ここで、前述したようにプリンタ１は、各ＬＥＤユニット１８はカバー２Ａ下面に支持されており、このカバー２Ａを開放すると、各ＬＥＤユニット１８がカバー２Ａと共に移動するようになっている。そこで、プリンタ１には、カバー２Ａを閉めたときに、各ＬＥＤユニット１８と各感光体２８とが正規の位置関係になるように、各ＬＥＤユニット１８をガイドするガイド機構５２が設けられている。

図４はガイド機構５２の側面図であり、図５は前方から見たガイド機構５２の斜視図である。なお、図１，２では省略されている。なお、各ＬＥＤユニット１８Ｋ，１８Ｙ，１８Ｍ，１８Ｃに対するガイド機構５２はいずれも同一構造であるため、ブラックのＬＥＤユニット１８Ｋに対するガイド機構５２を例に挙げて説明する。

ＬＥＤユニット１８Ｋは、ＬＥＤヘッド１９Ｋとホルダ５３とを備える。ホルダ５３は、左右に長い連結部５３Ａと、当該連結部５３Ａの左右端に１つずつ設けられたアーム部５３Ｂ、５３Ｂ（図５では左側のアーム部５３Ｂのみ図示）を有し、それらのアーム部５３Ｂ、５３ＢによってＬＥＤヘッド１９Ｋの両端を保持する。また、図４に示すように、ホルダ５３は上端部が支持手段５６によりカバー２Ａ下面に対して回動可能に支持されることで、下端部側が揺動可能になっている。

なお、各アーム部５３Ｂは、ＬＥＤユニット１８Ｋを上下動させるスライド機構５３Ｃと、ＬＥＤユニット１８Ｋを感光体２８側に付勢するバネ５４を有する。また、各アーム部５３Ｂの下端には回転体５５（ころ）が回転可能に設けられており、この回転体５５が回転駆動される感光体２８の端部に当接しつつ連れ回ることで、ＬＥＤヘッド１９Ｋと感光体２８との離間距離が一定に保たれるようになっている。

一方、本体ケーシング２内において感光体２８の両端近傍には、１対のガイド機構５２が各プロセスカートリッジ２０に設けられている。各ガイド機構５２は、１対のガイド部材５７，５９を有し、これらの１対のガイド部材５７，５９でＬＥＤユニット１８Ｋを前後から挟むようになっている。このうち一方のガイド部材５７は、現像カートリッジ２２に固定配置されると共に、その後端側に回転体５８（ころ）を回転可能に備え、この回転体５８がＬＥＤユニット１８Ｋの前面に当接する。他方のガイド部材５９は、前後に移動可能な揺動部材６０と、その揺動部材６０をＬＥＤユニット１８Ｋ側に付勢するバネ６１とを備える。揺動部材６０には回転体６２（ころ）が回転可能に設けられており、この回転体６２がＬＥＤユニット１８Ｋの後面に押し付けられる。

以上の構成により、カバー２Ａを閉じる際、ＬＥＤユニット１８Ｋは、１対のガイド部材５７，５９に挟まれつつ、両回転体５８，６２によって所定の姿勢で感光体２８に向かってガイドされる。そして、カバー２Ａを完全に閉じると、ＬＥＤユニット１８Ｋ先端の回転体５５が感光体２８に弾性力をもって接触し、これにより、ＬＥＤユニット１８Ｋと感光体２８とを正規の位置関係にさせることができる。また、感光体２８の回転中も回転体５５，５８，６２の協働により、ＬＥＤユニット１８Ｋと感光体２８とが正規の位置関係を維持する。

４．ＩＣチップ・ＩＣリーダ
本実施形態では、図１に示すように、各現像カートリッジ２２Ｋ，２２Ｙ，２２Ｍ，２２Ｃに設けられたＩＣチップ５０Ｋ，５０Ｙ，５０Ｍ，５０Ｃと、各ＩＣリーダ１５Ｋ，１５Ｙ，１５Ｍ，１５Ｃとは互いに対向する位置に設けられている。

具体的には、ＩＣリーダ１５は、ＬＥＤユニット１８の例えば一方のアーム部５３Ｂの前面側に設けられている。図６に示すように、ＬＥＤヘッド１９には複数のＬＥＤ７０が左右方向に配列されたＬＥＤ実装基板７１が設けられており、このＬＥＤ実装基板７１からＦＰＣ７２(フレキシブルプリント基板 回路基板の一例）が導出されて図示しない制御回路に接続されている。このＦＰＣ７２にはＬＥＤ７０を発光制御するための駆動信号路７３が形成されている。

そして、このＦＰＣ７２上にＩＣリーダ１５のアンテナ７４が設けられている。ＦＰＣ７２には貫通孔７５が形成されており、アンテナ７４はこの貫通孔７５を囲む環状形状を有している。アンテナ７４は、上記制御回路から高周波信号を受けて高周波磁界を誘起しつつ、ＩＣチップ５０からカートリッジ情報を無線で受信する。

一方、各ＩＣチップ５０は、上記アンテナ７４に対向する現像カートリッジ２２の後面側に設けられている。

５．カバーの開閉状態・現像カートリッジの装着状態の判断処理
ＣＰＵ４０は、例えば操作部４６でのユーザの操作により印刷指令を受けると、ＩＣリーダ１５Ｋ，１５Ｙ，１５Ｍ，１５Ｃを起動させて、ＩＣチップ５０Ｋ，５０Ｙ，５０Ｍ，５０Ｃからカートリッジ情報を読み取ることを試みる。無事、全色の現像カートリッジ２２Ｋ，２２Ｙ，２２Ｍ，２２Ｃについてカートリッジ情報を読み取ることができれば、この各色のカートリッジ情報を印刷処理等に反映させる。

一方、ＣＰＵ４０は、例えば現像カートリッジ２２Ｋ，２２Ｙ，２２Ｍ，２２Ｃのうち少なくとも１つについてカートリッジ情報の読み取りができたか否かに基づいてカバーの開閉状態や現像カートリッジの装着状態を判断する。例えば、隣り合う所定数以上の現像カートリッジ２２についてカートリッジ情報の読み取りができなかったときはカバー２Ａが開いていると判断し、特定の１つの現像カートリッジ２２についてだけカートリッジ情報の読み取りができなかったときは、その読み取りができなかった現像カートリッジが無かったり、傾いて装着されていたりするなど、現像カートリッジ２２が正常に装着されていないと判断する。このような構成であれば、カバー２Ａの開閉や現像カートリッジ２２の装着状態を検知するために専用のセンサを設ける必要がない。

６．本実施形態の効果
（１）本来、電子写真方式のプリンタ１は、感光体２８上の静電潜像を正常に現像するために、感光体２８と現像カートリッジ２２との位置関係が高い精度で設定されている。更に、プリンタ１は、非レーザタイプであるから、光強度が比較的に弱いＬＥＤ７０による露光を実現するために、上記ガイド機構５２によりＬＥＤ７０を有するＬＥＤユニット１８と感光体２８との位置関係が高い精度で設定されている。従って、現像カートリッジ２２とＬＥＤユニット１８との位置関係も互い精度で設定されることになる。また、現像カートリッジ２２は、上記各位置関係に影響を与えないように本体ケーシング２に対して着脱可能とされている。

そこで、本実施形態のプリンタ１は、上記ＬＥＤユニット１８にＩＣリーダ１５を設けた構成とした。このような構成であれば、非レーザタイプのプリンタ１に本来的に高い精度が求められる各部の位置関係を利用して、ＬＥＤユニット１８と感光体２８との位置関係、及び、現像カートリッジ２２の着脱性を確保しつつ、ＩＣチップ５０に格納されたカートリッジ情報の読み取り精度の低下を抑制することができる。

（２）また、プリンタ１は、各ＬＥＤユニット１８はカバー２Ａ下面に支持された構成であり、カバー２Ａを開閉する前後で各ＬＥＤユニット１８と各感光体２８とを正規の位置関係にさせる上記ガイド機構５２が設けられている。従って、ＩＣリーダ１５を各ＬＥＤユニット１８に設けることが有効である。また、カバー２Ａを開くとそれに伴って各ＬＥＤユニット１８が現像カートリッジ２２から離間した位置に移動するため、ＩＣリーダ１５及びＩＣチップ５０の配置によって現像カートリッジ２２を円滑に着脱できなくなることを抑制できる。

（３）更に、非接触式のＩＣリーダ１５のアンテナ７４を既存のＦＰＣ７２に設けるため、ＩＣリーダ１５専用の回路基板を設ける必要がない。

（４）プリンタ１は、現像カートリッジ２２、感光体２８及びＬＥＤユニット１８を各色に対応して複数組設けたカラープリンタである。従って、各色ごとに、ＬＥＤユニット１８と感光体２８との位置関係、及び、現像カートリッジ２２の着脱性を確保しつつ、カートリッジ情報の読み取り精度の低下を抑制することができる。

（５）ＩＣチップ５０とＬＥＤユニット１８のＩＣリーダ１５とを互いに対向配置することで、ＩＣチップ５０とＬＥＤユニット１８との距離を短くして読み取り精度を向上させることができる。

＜実施形態２＞
図７は実施形態２を示す。前記実施形態１との相違は、読取部の配置構成にあり、その他の点は前記実施形態１と同様である。従って、実施形態１と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。

図７に示すように、ＬＥＤ実装基板７１上にアンテナ７４が設けられている。ＬＥＤ実装基板７１の一端部に貫通孔８０が形成されており、アンテナ７４はこの貫通孔８０を囲む環状形状を有している。アンテナ７４は、ＬＥＤ実装基板７１上の回路パターンを介して上記制御回路から高周波信号を受けて高周波磁界を誘起しつつ、ＩＣチップ５０からカートリッジ情報を無線で受信する。
この構成によれば、ＬＥＤ実装基板７１上にアンテナ７４を設けるため、アンテナ７４のために専用の回路基板を設ける必要がない。なお、ＩＣチップ５０を現像カートリッジ２２の一端部側に設けて、上記アンテナ７４に極力、近づけることが好ましい。

＜実施形態３＞
図８、図９は実施形態３を示す。前記実施形態１との相違は、読取部の配置構成にあり、その他の点は前記実施形態１と同様である。従って、実施形態１と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。なお、図８ではＬＥＤ７０は省略してある。図９は、既述のガイド機構５２を上方から見た斜視図である。

一般に、ＬＥＤ実装基板７１には、ＬＥＤ情報（発光部情報の一例）が記憶されたメモリ８５（例えばＥＥＰＲＯＭ 第２メモリの一例）が備えられ、このメモリ８５はＬＥＤ実装基板７１上に形成された情報信号路８６を介してＣＰＵ４０に接続されている。「ＬＥＤ情報」には、各ＬＥＤ７０の発光量情報や位置情報などである。そして、ＣＰＵ４０は、ＬＥＤ情報をメモリ８５から読み取って、各ＬＥＤ７０間の発光量ばらつきや位置ばらつきを是正するように各ＬＥＤ７０の発光量や発光タイミングを補正しつつ発光制御を行う。

ここで、本実施形態のＩＣリーダ（読取部）は接触式である。図８に示すように、ＬＥＤユニット１８には、金属製の１対の接触端子８７，８７が外部に突出するように設けられている。この一対の接触端子８７，８７は、ＬＥＤヘッド１９の左右端において、上記回転体５５，５８，６２の外側にそれぞれ設けられている。また、一対の接触端子８７，８７は上記情報信号路８６に接続されている。

一方、図９に示すように、現像カートリッジ２２は、その左右端それぞれにおいて、回転体５８，６２よりも外側に位置する平坦部８８を有し、その平坦部８８に、ＬＥＤユニット１８の接触端子８７と嵌合する挿入孔８９が形成されている。そして、各挿入孔８９内に、図８に示す接点９０，９０が設けられ、これらの接点９０，９０の間にＩＣチップ５０が接続されている。

以上の構成により、ＬＥＤユニット１８の接触端子８７が、現像カートリッジ２２の挿入孔８９に嵌合されると、接触端子８７と接点９０とが電気的に接続されるため、ＣＰＵ４０は、この接触端子８７及び接点９０を介してカートリッジ情報を読み取ることが可能になる。つまり、ＣＰＵ４０は、共通の情報信号路８６を介してカートリッジ情報とＬＥＤ情報とを読み取ることができる。ＣＰＵ４０は、カートリッジ情報とＬＥＤ情報にそれぞれ付された識別データに基づき両情報を識別する。しかも、接触端子８７は、挿入孔８９との嵌合によりＬＥＤユニット１８を現像カートリッジ２２に対して位置決めさせる位置決めピンとしての役割をも果たす。

本構成によれば、ＬＥＤ情報をＬＥＤユニット１８の外部に出力するための情報信号路８６を利用して、ＩＣチップ５０に格納されたカートリッジ情報をＬＥＤユニット１８の外部に出力する。従って、信号路の配線を簡略化できる。また、接続端子８７を利用して現像カートリッジ２２とＬＥＤユニット１８との位置決めを行うことができる。

＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
（１）上記実施形態では、現像カートリッジ２２は現像ローラ２５を一体的に備えた構成であったが、これに限らず、現像ローラが現像カートリッジから独立した構成であってもよい。例えばトナー収容室２３だけを備える現像カートリッジであってもよい。このような構成であっても、正常な現像を行うために、当該現像カートリッジと現像ローラとの位置関係は本来的に高い精度で設定され、その結果、現像カートリッジと露光部とは、現像ローラ及び感光体を介して位置関係が高い精度で設定されることになる。従って、現像カートリッジに上記ＩＣチップ５０を設ける一方で、露光部にＩＣリーダ１５を設けることで上記実施形態と同様の効果を得ることができる。

（２）上記実施形態では、現像カートリッジ２２と感光体２８とがプロセスカートリッジ２０として本体ケーシング２から一体的に着脱される構成であった。このため、現像カートリッジ２２と感光体２８とは高い精度で位置決めされる。しかし、この構成に限らず、現像カートリッジと感光体とが互いに独立的に着脱される構成であってもよい。或いは、感光体２８は本体ケーシング２内に固定され、現像カートリッジ２２だけが着脱できる構成であってもよい。このような構成であっても、現像カートリッジは、感光体に対して精度よく位置決めされるため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。

（３）上記実施形態では、カバー２Ａを開放すると各ＬＥＤユニット１８がカバー２Ａと共に退避して、各プロセスカートリッジ２０（現像カートリッジ２２）は本体ケーシング２から上方に着脱できる構成であったが、これに限らず、各ＬＥＤユニット１８を本体ケーシング２に固定配置し、各プロセスカートリッジ２０（或いは現像カートリッジ２２だけ）を左右方向に抜き出し可能とした構成であってもよい。この場合でも、ＬＥＤユニット１８と感光体２８との位置関係は高い精度で設定される必要があり、現像カートリッジにＩＣチップ５０を設ける一方で、ＬＥＤユニット１８にＩＣリーダ１５を設けることで上記実施形態と同様の効果を得ることができる。但し、上記実施形態では、ＬＥＤユニット１８が上記ガイド機構５２によって精度よくガイドされる構成を備え、そのＬＥＤユニット１８にＩＣリーダ１５を設けている。このため、ＩＣリーダ１５やＩＣチップ５０の存在に邪魔されることなく、ＬＥＤユニット１８やプロセスカートリッジ２０の円滑な着脱を確保できるため、本発明を適用する意義が大きい。

（４）上記実施形態のプリンタ１は、現像カートリッジ２２、感光体２８及びＬＥＤユニット１８が各色に対応して複数組設けたカラープリンタであったが、これに限らず、感光体２８及びＬＥＤユニット１８を１組だけ備える単色（モノクロ）プリンタであってもよい。

（５）上記実施形態では、ＩＣチップ５０とＬＥＤユニット１８のＩＣリーダ１５とを互いに対向配置する構成であったが、例えば非接触式の読取部であれば対向配置せずにある程度離れた位置であってもよい。但し、上記実施形態のように非接触式であってもの第１メモリと読取部とを近接配置することが好ましい。なぜなら、両者の距離が長いと、その分だけ読取範囲が広い読取部を用いる必要があるが、そうすると当該読取部はそれと対応しない別の色の現像カートリッジの第１メモリからもカートリッジ情報を読み取ってしまうおそれがあり、各色ごとのカートリッジ情報に識別情報を付加しないといけなくなる。従って、非接触式であってもの第１メモリと読取部とを近接配置すれば、読取範囲が狭い読取部を用いることができると共に、各色ごとのカートリッジ情報に識別情報を付加しなくてもよくなる。

（６）上記実施形態では、露光部はＬＥＤ（発光ダイオード）を備えた構成であったが、これに限らず、ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）素子、蛍光体などの発光素子を多数配列しこれら発光素子を画像データに応じて選択的に発光させるもの、あるいは、液晶素子、ＰＬＺＴなどからなる光シャッタを多数配列し、これら光シャッタの開閉時間を画像データに応じて選択的に制御することにより、光源からの光を制御するものなどであってもよい。

本発明の実施形態１に係るプリンタの概略構成を示す側断面図（カバーを閉めたとき） プリンタの概略構成を示す側断面図（カバーを開けたとき） プリンタの電気的構成を示すブロック図 ガイド機構の側面図 前方から見たガイド機構の斜視図 ＬＥＤ実装基板を示す模式図 実施形態２のＬＥＤ実装基板を示す模式図 実施形態３のＬＥＤ実装基板を示す模式図 ガイド機構５２を上方から見た斜視図

符号の説明

１…プリンタ（画像形成装置）
２Ａ…カバー
２…本体ケーシング（画像形成装置本体）
２Ｂ…開口部
１５…ＩＣリーダ（読取部）
１８…ＬＥＤユニット（露光部）
２２…現像カートリッジ
２８…感光体
４０…ＣＰＵ（判断手段）
５０…ＩＣチップ（第１メモリ）
７０…ＬＥＤ（発光部）
７２…ＦＰＣ(回路基板）
７３…駆動信号路
７４…アンテナ

Claims (9)

1. 感光体と、
   前記感光体に対向配置される複数の発光部を有し、前記感光体を露光する露光部と、
   第１メモリを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられる現像カートリッジと、
   前記露光部に設けられ、前記現像カートリッジの前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を読み取る読取部と、を備える画像形成装置。
2. 請求項１記載の画像形成装置であって、
   前記画像形成装置本体は、開口部、及び、当該開口部を開閉可能に設けられるカバーを有し、当該開口部を介して前記現像カートリッジが着脱される構成とされ、
   前記露光部は前記カバーに支持されている。
3. 請求項１または請求項２記載の画像形成装置であって、
   前記読取部は、アンテナを有して前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を受信する非接触型読取部であって、
   前記発光部の駆動信号路が形成された回路基板上に前記アンテナを設けた構成である。
4. 請求項１または請求項２記載の画像形成装置であって、
   前記読取部は、アンテナを有して前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を受信する非接触型読取部であって、
   前記発光部が搭載された回路基板上に前記アンテナを設けた構成である。
5. 請求項１または請求項２記載の画像形成装置であって、
   前記読取部は、前記第１メモリに接続される接続端子を有し、当該接続端子を介して、前記第１メモリに格納されたカートリッジ情報を受信する接触型読取部であって、
   前記露光部は、当該発光部に関する発光部情報が格納された第２メモリを有し、且つ、前記接続端子が前記第２メモリからの情報信号路に接続され、前記第１メモリのカートリッジ情報と前記第２メモリの発光部情報とを前記情報信号路を介して出力する構成である。
6. 請求項５に記載の画像形成装置であって、
   前記接触端子を前記現像カートリッジに接触させて、当該現像カートリッジと前記露光部との位置決めをさせる構成である。
7. 請求項１〜請求項６のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
   前記現像カートリッジ、前記感光体及び前記露光部は各色に対応して複数設けられている。
8. 請求項１〜請求項７のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
   前記第１メモリと前記読取部とは互いに対向する位置に設けられている。
9. 請求項１〜請求項８のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
   前記読取部により前記カートリッジ情報が読み取りできたか否かに基づいて、前記カバーの開閉及び前記現像カートリッジの装着状態を少なくとも一方を判断する判断手段を備える。

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