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JP2009111406A - 試料の処理システム - Google Patents

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JP2009111406A JP2008320216A JP2008320216A JP2009111406A JP 2009111406 A JP2009111406 A JP 2009111406A JP 2008320216 A JP2008320216 A JP 2008320216A JP 2008320216 A JP2008320216 A JP 2008320216A JP 2009111406 A JP2009111406 A JP 2009111406A
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一隆 柳田
Kiyofumi Sakaguchi
清文 坂口
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Abstract

【課題】SOI基板の製造に好適な処理システムを提供する。
【解決手段】この処理システム3000は、ロボットハンド3152により貼り合わせ基板を保持して搬送するスカラーロボット3150と、スカラーロボット3150の駆動軸3151から略等距離の位置に夫々配置された芯出し装置3070、分離装置3020、反転装置3130と、洗浄/乾燥装置3120とを備え、駆動軸3152を中心としてロボットハンド3152を水平面内で回動させると共に該ロボットハンド3152を駆動軸3151から遠ざけたり近づけたりすることにより、各処理装置の間で貼り合わせ基板又は分離後の基板を搬送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料の処理システムに係り、特に、複数の処理装置を含み、該複数の処理装置により試料を処理する処理システムに関する。
絶縁層上に単結晶Si層を有する基板として、SOI(siliconon insulator)構造を有する基板(SOI基板)が知られている。このSOI基板を採用したデバイスは、通常のSi基板では達成し得ない数々の優位点を有する。この優位点としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)誘電体分離が容易で高集積化に適している。
(2)放射線耐性に優れている。
(3)浮遊容量が小さく、素子の動作速度の高速化が可能である。
(4)ウェル工程が不要である。
(5)ラッチアップを防止できる。
(6)薄膜化による完全な空乏型電解効果トランジスタの形成が可能である。
SOI構造は、上記のような様々な優位点を有するため、ここ数十年、その形成方法に関する研究が進められてきた。
SOI技術としては、古くは、単結晶サファイア基板上にSiをCVD(化学気層成長)法でヘテロエピタキシ成長させて形成するSOS(silicon on sapphire)技術が知られている。このSOS技術は、最も成熟したSOI技術として一応の評価を得た。しかし、Si層と下地のサファイア基板との界面における格子不整合による大量の結晶欠陥の発生、サファイア基板を構成するアルミニウムのSi層への混入、基板の価格、大面積化への遅れ等の理由により実用化が進んでいない。
SOS技術に次いで各種SOI技術が登場した。このSOI技術に関して、結晶欠陥の低減や製造コストの低減等を目指して様々な方法が試みられてきた。この方法としては、基板に酸素イオンを注入して埋め込み酸化層を形成する方法、酸化膜を挟んで2枚のウェハを貼り合わせて一方のウェハを研磨又はエッチングして、薄い単結晶Si層を酸化膜上に残す方法を挙げることができる。更には、酸化膜が形成されたSi基板の表面から所定の深さに水素イオンを打ち込み、他方の基板と貼り合わせた後に、加熱処理等により該酸化膜上に薄い単結晶Si層を残して、貼り合わせた基板(他方の基板)を剥離する方法等を挙ることもできる。
本出願人は、特開平5−21338号において、新たなSOI技術を開示した。この技術は、多孔質層が形成された単結晶半導体基板上に非多孔質単結晶層(単結晶Si層を含む)を形成した第1の基板を、絶縁層を介して第2の基板に貼り合わせ、その後、多孔質層で両基板を分離し、第2の基板に非多孔質単結晶層を移し取るものである。
この技術は、
SOI層の膜厚均一性が優れていること、
SOI層の結晶欠陥密度を低減し得ること、
SOI層の表面平坦性が良好であること、
高価な特殊仕様の製造装置が不要であること、数100Å〜10μm程度の範囲のSOI膜を有するSOI基板を同一の製造装置で製造可能なこと、
等の点で優れている。
本出願人は、特開平7−302889号において、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後に第1の基板を破壊することなく第2の基板から分離し、その後、分離した第1の基板の表面を平滑にして再度多孔質層を形成しこれを再利用する技術を開示した。この技術は、第1の基板を無駄なく使用できるため、製造コストを大幅に低減することができ、製造工程も単純であるという優れた利点を有する。
上記の本出願人の提案に係るSOI基板の製造方法によれば、良質のSOI基板を製造することが可能である。しかしながら、SOI基板を量産するためには、例えば、一連の処理を高速化する必要がある。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、例えばSOI基板の製造等に好適な処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る処理システムは、試料を処理する複数の処理装置と、前記複数の処理装置の間で試料を搬送する搬送機構とを備え、前記複数の処理装置には、試料を水平に保持した状態で分離する分離装置と、前記分離装置により分離して得られる2枚の板状試料のうち上方の板状試料を反転させる反転装置が含まれることを特徴とする。
好適な実施形態の処理システムは、試料を保持する保持部を有し、該保持部により試料を保持して搬送する搬送機構と、前記搬送機構の駆動軸から略等距離の位置に夫々配置された複数の処理装置とを備え、前記搬送機構は、前記駆動軸を中心として前記保持部を実質的に水平面内で回動させると共に前記保持部を前記駆動軸から遠ざけたり近づけたりすることにより、前記複数の処理装置の間で試料を搬送する。
上記の処理システムにおいて、例えば、処理対象の試料は板状試料であって、前記保持部は、板状試料を略水平に保持して搬送することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、例えば、前記複数の処理装置の夫々は、前記搬送機構の保持部との間で、試料を略水平な状態で受け渡しすることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記複数の処理装置には、例えば、試料を分離する分離装置が含まれることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、例えば、処理対象の板状試料は内部に分離用の層を有し、前記複数の処理装置には、該分離用の層で該板状試料を分離する分離装置が含まれることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、板状試料を水平に保持した状態で分離することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、板状試料を水平に保持した状態で前記分離用の層に向けて束状の流体を噴射することにより、該板状試料を該分離用の層で分離することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、板状試料を水平に保持した状態で回転させながら前記分離用の層に向けて束状の流体を噴射することにより、該板状試料を該分離用の層で分離することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、板状試料を上下から挟むようにして保持しながら分離することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、板状試料を保持する保持機構としてベルヌーイチャックを有することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、板状試料の前記分離用の層の少なくとも一部に対して実質的に静止した流体により圧力を印加することにより、該板状試料を該分離用の層で分離することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離装置は、例えば、密閉容器を有し、板状試料を密閉容器内に収容して前記密閉容器内を高圧にし、これにより該板状試料を前記分離用の層で分離することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記複数の処理装置には、例えば、板状試料を前記分離装置に引き渡す前に該板状試料の芯出しを行う芯出し装置が含まれることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記複数の処理装置には、例えば、前記分離装置により分離して得られる板状試料の各部を洗浄する洗浄装置が含まれることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記洗浄装置は、例えば、前記分離装置により分離して得られる板状試料を水平な状態で洗浄することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記複数の処理装置には、例えば、前記分離装置により分離して得られる板状試料を洗浄し乾燥させる洗浄/乾燥装置が含まれることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記洗浄/乾燥装置は、例えば、前記分離装置により分離して得られる板状試料を水平な状態で洗浄し乾燥させることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記複数の処理装置には、例えば、前記分離装置により分離して得られる2枚の板状試料のうち上方の板状試料を180度回動させてる反転装置が含まれることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、例えば、前記複数の処理装置の夫々による処理を並行して実行することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記搬送機構は、例えばスカラーロボットであることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記分離用の層は、例えば脆弱な構造の層であることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記脆弱な構造の層は、例えば多孔質層であることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、前記脆弱な構造の層は、例えば微小気泡層であることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、処理対象の板状試料は、半導体基板であることが好ましい。
上記の処理システムにおいて、処理対象の板状試料は、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせてなり、分離用の層として脆弱な構造の層を有することが好ましい。
上記の処理システムにおいて、処理対象の板状試料は、第1の半導体基板の表面を多孔質化した後にその上に非多孔質層を形成し、該非多孔質層に第2の基板を貼り合わせてなることが好ましい。
本発明によれば、例えば、処理対象の試料を複数の処理装置の間で効率的に搬送することができるため、一連の処理を高速化することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を工程順に説明する図である。
図1(a)に示す工程では、単結晶Si基板11を準備して、その表面に陽極化成等により多孔質Si層12を形成する。次いで、図1(b)に示す工程では、多孔質Si層12上に非多孔質単結晶Si層13をエピタキシャル成長法により形成し、その上に絶縁層(例えば、SiO2層)15を形成する。これにより、第1の基板10が形成される。
図1(c)に示す工程では、第2の基板20を準備し、絶縁層15が面するようにして第1の基板10と第2の基板20とを室温で密着させる。その後、陽極接合、加圧若しくは熱処理又はこれらを組合わせた処理により第1の基板10と第2の基板20とを貼り合わせる。この処理により、絶縁層15と第2の基板20とが強固に結合される。なお、絶縁層15は、上記のように非多孔質単結晶Si層13の上に形成しても良いが、第2の基板20の上に形成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、第1の基板と第2の基板を密着させた際に、図1(c)に示す状態になれば良い。
図1(d)に示す工程では、貼り合わせた2枚の基板を、多孔質Si層12の部分で分離する。これにより、第2の基板側(10''+20)は、多孔質Si層12''/単結晶Si層13/絶縁層15/単結晶Si基板20の積層構造となる。一方、第1の基板側(10')は、単結晶Si基板11上に多孔質Si層12’を有する構造となる。
分離後の基板(10’)は、残留した多孔質Si層12’を除去し、必要に応じて、その表面を平坦化することにより、再び第1の基板(10)を形成するための単結晶Si基板11として使用される。
貼り合わせた基板を分離した後、図1(e)に示す工程では、第2の基板側(10''+20)の表面の多孔質層12''を選択的に除去する。これにより、単結晶Si層13/絶縁層15/単結晶Si基板20の積層構造、すなわち、SOI構造を有する基板が得られる。
第2の基板としては、例えば、単結晶Si基板の他、絶縁性基板(例えば、石英基板)や光透過性基板(例えば、石英基板)等が好適である。
なお、上記の製造工程では、2枚の基板を貼り合わせた後にこれを分離する処理(図1(d))を容易にするために、分離用の領域に脆弱な構造の多孔質層12を形成するが、この多孔質層の代わりに、例えば、微小気泡層を形成してもよい。微小気泡層は、例えば、半導体基板にイオンを注入することにより形成することができる。
以下、上記のSOI基板等の製造工程における貼り合わせ基板の分離工程(図1(d))に好適な処理システムに関して説明する。
図2は、本発明の好適な実施の形態に係る処理システムの概略的な構成を示す平面図である。この処理システム3000は、貼り合わせ基板の搬送機構として、支持台3200上の所定位置(例えば、中心)にスカラーロボット3150を有する。また、この処理システム3000は、該スカラーロボット3150の駆動軸3151から略等距離の位置に、貼り合わせ基板を取り扱い又は処理するための各種の処理装置を有する。具体的には、駆動軸3151から略等距離の位置に、ローダ3080、芯出し装置3070、分離装置3020、反転装置3130、洗浄/乾燥装置3120、第3アンローダ3110、第2アンローダ3100及び第1アンローダ3090を有する。
ローダ3080には、処理に先立って、1又は複数枚の貼り合わせ基板を収容した第1カセット3081が載置される。また、処理に先立って、第1アンローダ3090には空の第2カセット3091が載置され、第2アンローダ3100には空の第3カセット3101が載置され、第3アンローダ3110には空の第4カセット3111が載置される。
スカラーロボット3150は、貼り合わせ基板を吸着して保持するロボットハンド3152を有する。スカラーロボット3150は、駆動軸3151を中心としてロボットハンド3152を水平面内で回動させると共にロボットハンド3152を駆動軸3151から遠ざけたり近づけたりすることにより、上記の各装置の間で貼り合わせ基板を搬送する。
芯出し装置3070は、スカラーロボット3150により提供される貼り合わせ基板を受け取って、該貼り合わせ基板の中心を所定位置に一致させる処理(芯出し)を実行した後に、スカラーロボット3150に引き渡す。
図2に示す実施の形態では、分離装置3020は、周辺部にジェット構成媒体(例えば、水)が飛散することを防止するためにチャンバ3010内に配置されている。このチャンバ3010には、スカラーロボット3150のロボットハンド3152を出し入れするためのシャッタ3060が設けられている。また、分離装置3020は、ジェットを噴射するノズル3040を有する。このノズル3040の位置は、直交ロボット3050により制御される。なお、分離装置3020としては、後述のように、他の方式の分離装置を採用することもできる。
反転装置3130は、分離された2枚の基板のうち上側の基板を180度回転させて上下を逆にする(分離面を上方に向ける)。なお、スカラーロボット3150に、基板を180度回転させて該基板の上下を逆にする機能を備え、反転装置3130を省略することもできる。
洗浄/乾燥装置3120は、分離された各基板を洗浄し乾燥させる。ここで、洗浄/乾燥装置3120の代わりに、別体をなす洗浄装置と乾燥装置を採用することもできる。
この分離システム3000は、操作パネル3140からの指示に基づいて貼り合わせ基板の分離処理を実行する。
以下、この処理システムによる処理の手順を説明する。まず、手動又は自動で、処理対象の貼り合わせ基板を収容した第1カセット3081をローダ3080上の所定位置に載置する。また、空の第2カセット3091、第3カセット3101、第4カセット3111を第1アンローダ3090、第2アンローダ3100、第3アンローダ3110上に夫々載置する。この実施の形態では、第2カセット3091は、分離された後の下側の基板を収容するために使用され、第3カセット3101は、分離された後の上側の基板を収容するために使用される。また、第4カセット3111は、分離に失敗した貼り合わせ基板(又は分離後の基板)が収容される。ここで、第1カセット3081は、収容された貼り合わせ基板が水平になるようにローダ3080上に載置される。また、第2カセット3091、第3カセット3101、第4カセット3111は、各基板を水平に収容できるように第1アンローダ3090、第2アンローダ3100、第3アンローダ3110上に夫々載置される。
図3は、1枚の貼り合わせ基板に着目した場合の処理システム3000による処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS101において、スカラーロボット3150により、ローダ2080上の第1カセット3081内の貼り合わせ基板を下方から吸着して水平な状態で取り出し、水平な状態を維持したまま芯出し装置3070に引き渡す。ステップS102では、芯出し装置3070により、貼り合わせ基板の芯出しを行って、スカラーロボット3150に引き渡す。
ステップS103では、チャンバ3010のシャッタ3060を開いて、スカラーロボット3150により芯出し後の貼り合わせ基板を分離装置3020に引き渡す。ここで、スカラーロボット3150は、芯出し後の貼り合わせ基板を水平な状態を維持したまま下方から支持して分離装置3020に引き渡すことが好ましい。これにより、貼り合わせ基板の落下を防止することができる。分離装置3020に引き渡される貼り合わせ基板は、既に芯出しを終えている。よって、スカラーロボット3150のロボットハンド3152を所定位置に移動させて分離装置3020に引き渡すことにより、該貼り合わせ基板を分離装置3020に位置合わせすることができる。
ステップS104では、チャンバ3010のシャッタ3060を閉じて、分離装置3020による分離処理を実行する。この実施の形態では、分離装置3020は、貼り合わせ基板を水平に保持しつつ回転させながら、該貼り合わせ基板の多孔質層付近に向けてノズル3040からジェットを噴射し、このジェットにより該貼り合わせ基板を多孔質層の部分で2枚の基板に分離する。
ステップS105では、チャンバ3010のシャッタ3060を開いて、スカラーロボット3150により、分離装置3020から、分離された下側の基板を受け取って洗浄/乾燥装置3120に引き渡す。ここで、スカラーロボット3150は、基板を水平な状態で下方から支持して分離装置3020から受け取って洗浄/乾燥装置3120に引き渡すことが好ましい。これにより基板の落下を防止することができる。
ステップS106では、洗浄/乾燥装置3120により、分離された下側の基板を洗浄し乾燥させる処理を開始する。
この洗浄/乾燥処理と並行して、ステップS107では、スカラーロボット3150により、分離装置3020から、分離された上側の基板を受け取って反転装置3130に引き渡す。ここで、スカラーロボット3150は、基板を水平な状態で上方から支持して分離装置3020から受け取って反転装置3130に引き渡すことが好ましい。これにより、分離面に付着した切削屑等がスカラーロボット3150のロボットハンドに付着する可能性を低減することができる。
ステップS108では、反転装置3130により、受け取った基板を180度回転させる。ここで、洗浄/乾燥装置3120による下側の基板の洗浄/乾燥処理が完了するまで待つ。
ステップS109では、スカラーロボット3150により、洗浄/乾燥装置3120から下側の基板を受け取って第1アンローダ3090上の第2カセット3091に収容する。ここで、スカラーロボット3150は、基板を水平な状態で下方から支持して分離装置3020から受け取って第2カセット3091に収容することが好ましい。これにより基板の落下を防止することができる。
ステップS110では、スカラーロボット3150により、反転装置3130から上側の基板を受け取って洗浄/乾燥装置3120に引き渡す。ここで、スカラーロボット3150は、基板を水平な状態で下方から支持して反転装置3130から受け取って洗浄/乾燥装置3120に引き渡すことが好ましい。これにより基板の落下を防止することができる。
ステップS111では、洗浄/乾燥装置3120により、上側の基板を洗浄し乾燥させる。ステップS1112では、スカラーロボット3150により、洗浄/乾燥装置3130から上側の基板を受け取って第2アンローダ3100上の第3カセット3101に収容する。ここで、スカラーロボット3150は、基板を水平な状態で下方から支持して分離装置3020から受け取って第3カセット3101に収容することが好ましい。これにより基板の落下を防止することができる。
なお、図3に示す処理では、分離後の下側の基板に対して先に洗浄/乾燥処理を施すが、これとは逆に分離後の上側の基板に対して先に洗浄/乾燥処理を施してもよい。この場合の処理は、例えば、S101、S102、S103、S104、S107、S108、S110、S111、S112、S105、S106、S109の順になる。
この分離システム3000では、例えば、操作パネル3140を介してオペレータから与えられる指示に従って、分離に失敗した基板をスカラーロボット3150により第3アンローダ3110上の第4カセット3111内に収容する。ここで、分離の失敗の発生をオペレータからの指示に従って認識するのではなく、分離状況の監視装置を設けて、該監視装置により分離の失敗を検知してもよい。
以上の説明は、1枚の貼り合わせ基板に着目した場合の分離システム3000の動作である。この分離システム3000では、複数枚の貼り合わせ基板を並行して処理することができる。
図4は、複数枚の貼り合わせ基板を並行して処理する場合の処理手順の一例を示す図である。同図において、「芯出し」は、芯出し装置3070による芯出し処理、「分離」は、分離装置3020による分離処理、「反転」は、反転装置3130による反転処理、「洗浄/乾燥」は、洗浄/乾燥装置3120による洗浄/乾燥処理を示す。また、T1〜T6は、1つの装置により1枚の貼り合わせ基板(分離後は、上下の2枚の基板)を処理する期間を夫々示している。また、符号「#1」〜「#6」は、貼り合わせ基板の番号、「#1」〜「#6」の末尾に「a]を付した符号は、分離後の上側の基板を示し、「#1」〜「#6」の末尾に「b」を付した符号は、分離後の下側の基板を示している。
図4に示す例では、期間T1では、貼り合わせ基板#1の芯出し処理のみを実行する。また、期間T2では、貼り合わせ基板#1の分離処理と、続く貼り合わせ基板#2の芯出し処理とを並行して実行する。
また、期間T3では、
貼り合わせ基板#2の分離処理と、
続く貼り合わせ基板#3の芯出し処理と、
貼り合わせ基板#1を分離し得られる上側の基板#1aの反転処理と、
貼り合わせ基板#1を分離して得られる2枚の基板#1a及び#1bの洗浄/乾燥処理と、
を並行して実行する。図示の例では、期間T3の前半では、上側の基板#1aの反転処理と下側の基板#1bの洗浄/乾燥処理を芯出し処理及び分離処理と並行して実行し、期間T3の後半では、反転後の上側の基板#1aの洗浄/乾燥処理を芯出し処理及び分離処理と並行して実行する。
図5は、スカラーロボットによる貼り合わせ基板又は分離後の各基板の搬送処理及び各装置による処理の実行手順の一例を示す図である。図5において、横方向の線は、各装置における処理を示しており、斜め線は、スカラーロボット3150による基板の搬送処理を示している。
この実施の形態に係る処理システム3000では、貼り合わせ基板又は分離後の基板を搬送するためのロボットとして、1つのスカラーロボット3150のみを採用している。よって、複数の貼り合わせ基板又は分離後の基板の搬送を同時に実行することはできない。
しかしながら、スカラーロボット3150による搬送処理に要する時間は、通常は、例えば分離装置3020による分離処理の時間に比して十分に短いため、貼り合わせ基板又は分離後の基板を搬送するロボットは1つで十分である。ただし、複数の貼り合わせ基板又は分離後の基板の搬送を同時に行う必要がある場合、例えば、ロボットが1つのみでは処理効率が低くなる場合は、複数のロボット(例えば、スカラーロボット)を設ければよい。
以上のように、この処理システムによれば、複数の貼り合わせ基板を並行して処理することができるため、高いスループットを得ることができる。
また、この実施の形態によれば、貼り合わせ基板又は分離後の基板を水平な状態で搬送するため、搬送機構として比較的簡単な構成のロボット(例えば、スカラーロボット)を採用することができる。
また、この実施の形態によれば、所定位置(スカラーロボットの駆動軸)から略等距離の位置に各装置を配置している。よって、駆動軸3151を中心としてロボットハンド3152を水平面内で回動させると共にロボットハンド3152を駆動軸3151から遠ざけたり近づけたりすることにより、上記の各処理装置の間で貼り合わせ基板又は分離後の基板を搬送することができる。従って、例えば、スカラーロボット3150を水平面内で移動させるための駆動機構を設ける必要がない。
次に、分離装置3020の構成例を挙げる。
[分離装置の第1の構成例]
この構成例に係る分離装置は、ウォータージェット法を適用したものである。一般に、ウォータジェット法は、水を高速、高圧の束状の流れにして対象物に対して噴射して、セラミックス、金属、コンクリート、樹脂、ゴム、木材等の切断、加工、表面の塗膜の除去、表面の洗浄等を行う方法である。(「ウォータージェット」第1巻1号(1984年)第4ページ参照)。
この分離装置は、脆弱な構造部分である貼り合わせ基板の多孔質層(分離用の層)に対して、基板の面方向に、高速、高圧の流体を束状の流れにして噴射して、多孔質層を選択的に崩壊させることにより、多孔質層の部分で基板を分離するものである。以下では、この束状の流れを「ジェット」という。また、ジェットを構成する流体を「ジェット構成媒体」という。ジェット構成媒体としては、水、アルコール等の有機溶媒、弗酸、硝酸その他の酸、水酸化カリウムその他のアルカリ、空気、窒素ガス、炭酸ガス、希ガス、エッチングガスその他の気体、或いはプラズマ等であってもよい。
この分離装置を半導体装置の製造工程、例えば、貼り合わせ基板の分離工程に適用する場合、ジェット構成媒体としては、不純物金属やパーティクル等を極力除去した純水を使用することが好ましい。
ジェットの噴射条件は、例えば、分離領域(例えば、多孔質層)の種類、貼り合わせ基板の外周部の形状等に応じて決定すればよい。ジェットの噴射条件として、例えば、ジェット構成媒体に加える圧力、ジェットの走査速度、ノズルの幅又は径(ジェットの径と略同一)、ノズル形状、ノズルと分離領域との距離、ジェット構成媒体の流量等は、重要なパラメータとなる。
以上のようなウォータージェット法を応用した分離方法によれば、貼り合わせ基板に特段の損傷を与えることなく、該貼り合わせ基板を2枚の基板に分離することができる。
この分離装置は、貼り合わせ基板等の板状試料をその試料面が実質的に水平になるようにして保持し、その状態で該試料を脆弱な構造部(例えば、多孔質層)で分離する。このように、試料面が水平になるような状態で試料を保持することにより、例えば、
(1)試料の落下を防止し、
(2)試料の保持を容易にし、
(3)試料の搬送を容易にし、
(4)分離装置と他の装置とにおける試料の受け渡しを効率化し、また、
(5)各構成要素を上下方向に配置することができるため、分離装置の投影面積(占有面積)を小さくすることができる。
図6は、第1の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す図である。この分離装置1000は、一対の基板保持部270及び1010を有する。
上側の基板保持部270は、回転軸140の一端に連結されている。回転軸140の他端は、カップリング130を介してモータ110の回転軸に連結されている。なお、モータ110と回転軸130とは、カップリング130ではなく、例えばベルトを介して連結することもできるし、他の機構を介して連結することもできる。モータ110は、上段テーブル170に固定された支持部材120に固定されている。モータは、制御部(不図示)により制御される。
回転軸140の内部には、貼り合わせ基板50を基板保持部270に真空吸着するための真空ライン141が設けられており、この真空ライン141は、リング150を介して外部の真空ラインに連結されている。この外部の真空ラインには、電磁弁(不図示)が設けられており、制御部(不図示)により必要に応じて該電磁弁の開閉が制御される。基板保持部270には、貼り合わせ基板50を真空吸着するための吸引孔271が設けられており、この吸引孔271は、真空ライン141に連結されている。この吸引孔271、真空ライン141及び電磁弁は、基板保持部270の真空吸着機構を構成する。また、回転軸140は、ベアリング160を介して上段テーブル170により支持されている。
下側の基板保持部1010は、ベルヌーイチャック1013を有する。ベルヌーイチャック1013は、傘型のチャックの中心から気体を傘に沿って放射状に吹き出すことにより、チャックの中心部が負圧になることを利用して貼り合わせ基板等の試料を吸着するチャックである。
ベルヌーイチャック1013を有する基板保持部1010は、昇降軸1020の一端に連結されており、ベルヌーイチャック1013の気体の導入部1011は、昇降軸1020の内部の圧力ライン1021に連結されている。この圧力ライン1021は、リング1022を介して外部の圧力ラインに連結されている。この外部の圧力ラインには、電磁弁(不図示)が設けられており、制御部(不図示)により必要に応じて該電磁弁の開閉が制御される。
昇降軸1020の他端は、カップリング330を介してエアシリンダ320のピストンロッドに連結されている。昇降軸1020は、往復/回転ガイド1030を介して下段テーブル240により支持されている。
ノズル3040は、前述の直交ロボット3050により制御される。ノズル3040と基板保持部270及び1010との間には、シャッタ3030が設けられており、このシャッタ3030は、モータ250により開閉される。シャッタ3030を開いた状態でノズル3040からジェットを噴射することにより、貼り合わせ基板50に対してジェットを打ち込むことができる。一方、このシャッタ3030を閉じることにより、貼り合わせ基板50に対するジェットの打ち込みを遮断することができる。
以下、この分離装置1000による分離処理の手順を説明する。まず、エアシリンダ320にそのピストンロッドを収容させることにより、基板保持部270と基板保持部1010との間に相応の間隔を設ける。そして、この状態で、スカラーロボット3150のロボットハンド3152により貼り合わせ基板50を下方から水平に支持して、基板保持部270と基板保持部1010との間の所定位置に挿入し、基板保持部1010の上に載置する。
図7は、基板保持部270及び1010の外観を模式的に示す図である。基板保持部270、1010は、貼り合わせ基板の分離中に該貼り合わせ基板が位置ずれを起したり、基板保持部から飛び出したりすることを防止するための複数のガイド部材270a、1010aを夫々外周部に有する。
スカラーロボット3150のロボットハンド3152が貼り合わせ基板50を下方から支持した状態で該貼り合わせ基板50を基板保持部270又は基板保持部1010に引き渡すること、及び、
該ロボットハンドが分離後の各基板の裏面(分離面を表面とする)を吸着して基板保持部270及び1010から受け取ること、
を可能にするためには、例えば、図7に示すように、該ロボットハンドの出し入れが可能なように、相応の間隔を設けて複数のガイド部材270a、1010aを夫々配置することが好ましい。例えば、夫々3つのガイド部材270a、1010aを中心角120度の角度で配置する如きである。
次いで、エアシリンダ320にそのピストンロッドを押し出させることにより、貼り合わせ基板50の上面と上側の基板保持部270の支持部との間隔が所定の間隔になるまで、上側の基板保持部1010を上方に移動させる。
次いで、外部の圧力ラインに設けられた電磁弁を開いて、基板保持部1010のベルヌーイチャック1013の中心から気体を放射状に吹き出させることにより、貼り合わせ基板50を吸着させる。
次いで、モータ110を動作させて回転軸140に回転力を伝達させる。これにより、回転軸140、基板保持部270、貼り合わせ基板50、基板保持部1010及び回転軸1020は、一体的に回転する。
次いで、シャッタ3030が閉じた状態で、ノズル3040に連結されたポンプ(不図示)を動作させて、ノズル3040に高圧のジェット構成媒体(例えば、水)を送り込む。これにより、ノズル260から高圧のジェットが噴射される。そして、ジェットが安定したら、シャッタ3030を開く。これにより、ノズル3040から噴射したジェットが貼り合わせ基板50の多孔質層に連続的に打ち込まれ、貼り合わせ基板50の分離が開始される。
貼り合わせ基板50の分離が完了したら、シャッタ3030を閉じると共にノズル3040に連結されたポンプを停止させて、貼り合わせ基板50に対するジェットの打ち込みを停止させる。また、モータ110の動作を停止させる。
次いで、基板保持部1010のベルヌーイチャック1013を動作させたまま、基板保持部270の真空吸着機構を動作させる。これにより、分離された上側の基板を基板保持部270に真空吸着させると共に、分離された下側の基板を基板保持部1010のベルヌーイチャックに吸着させる。
次いで、エアシリンダ320にそのピストンロッドを収容させることにより、基板保持部270と基板保持部1010との間に相応の距離を設ける。これにより、分離された2枚の基板は互いに引き離される。
次いで、基板保持部1010のベルヌーイチャック1013と基板との間にスカラーロボット3150のロボットハンド3152を挿入し、該ロボットハンド3152により基板を吸着する。その後、基板保持部1010のベルヌーイチャック1013による吸着を解除し、基板保持部1010からロボットハンド3152に基板を引き渡す。
次いで、基板保持部270と基板との間にスカラーロボット3150のロボットハンド3152を挿入し、該ロボットハンド3152により基板を吸着する。そして、その後、基板保持部270による真空吸着を解除し、基板保持部270からロボットハンド3152に基板を引き渡す。
ここで、貼り合わせ基板50が2枚に分離された後において、2枚の基板の間にはジェット構成媒体が存在するため、これが液体(例えば、水)の場合には、表面張力が相当に大きい。従って、分離された2枚の基板を小さな力で引き離すためには、2枚の基板間にノズル3040からジェットを供給することが好ましい。この場合、2枚の基板を引き離した後に、ノズル3040からのジェットを停止させることになる。なお、その代わりに、2枚の基板を引き離すために使用するジェットを噴射する機構を別個に設けてもよい。
[分離装置の第2の構成例]
この構成例も、第1の構成例と同様に、ジェットにより貼り合わせ基板を分離する分離装置に関する。
図8は、第2の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す図である。また、図9は、図8に示す分離装置の一部を示す図である。この分離装置1900は、一対の基板保持部1909及び1901を備え、該基板保持部1909及び1901により貼り合わせ基板50を上下から挟むようにして水平に保持する。そして、ノズル3040からジェットを噴射し、そのジェットを貼り合わせ基板50の多孔質層付近に打ち込むことにより、貼り合わせ基板50をその多孔質層の部分で2枚の基板に分離する。
下側の基板保持部1901は、貼り合わせ基板50と基板保持部1901の表面との間にスカラーロボット3150のロボットハンド3152を挿入するための間隙を形成するための凸状の支持部1903を有する。この支持部1903には、貼り合わせ基板50を真空吸着するための吸引孔1902が設けられている。また、この基板保持部1901は、支持部1903の外周に、ずれ防止部材1911を有する。ずれ防止部材1911は、例えばゴムや樹脂等で構成され、貼り合わせ基板50が面方向に移動することを防止する。このずれ防止部材1911を設けることにより、小さな押圧力又は吸引力で貼り合わせ基板50を保持することが可能になる。
また、基板保持部1901は、回転軸1904の一端に連結されている。回転軸1904は、ベアリング1906を介して支持台1920により支持されている。ベアリング1906の上部には、回転軸1904を通すために支持台1920に設けられた開口部をシールするためのシール部材1905が設けられている。回転軸1804の内部には真空ライン1907が設けられており、この真空ライン1907は、基板保持部1901の複数の吸引孔1902に連結されている。また、この真空ライン1907は、リング1908を介して外部の真空ラインに連結されている。回転軸1904は、不図示の回転源に連結されており、該回転源から与えられる回転力により回転する。
基板保持部1901の上方には、基板保持部1909が配置されている。この基板保持部1909は、駆動機構1930の駆動軸1910に連結されており、駆動機構1930により昇降される。また、駆動軸1910は、駆動機構1930により回転可能に軸支されている。
上側の基板保持部1909は、貼り合わせ基板50と基板保持部1909の表面との間にスカラーロボット3150のロボットハンド3152を挿入するための間隙を形成するための凸状の支持部1912を有する。この支持部1912には、貼り合わせ基板50を真空吸着するための吸引孔1914が設けられている。また、この基板保持部1909は、支持部1912の外周に、ずれ防止部材1913を有する。ずれ防止部材1913は、例えばゴムや樹脂等で構成され、貼り合わせ基板50が面方向に移動することを防止する。このずれ防止部材1913を設けることにより、小さな押圧力又は吸引力で貼り合わせ基板50を保持することが可能になる。
ノズル3040は、前述の直交ロボット3050により制御される。ノズル3040と基板保持部1901との間には、シャッタ3030が設けられており、このシャッタ3030は、モータ250により開閉される。シャッタ3030を開いた状態でノズル3040からジェットを噴射することにより、貼り合わせ基板50に対してジェットを打ち込むことができる。一方、このシャッタ3030を閉じることにより、貼り合わせ基板50に対するジェットの打ち込みを遮断することができる。
以下、この分離装置1900による分離処理の手順を説明する。まず、駆動機構1930により基板保持部1909を上昇させて、基板保持部1909と基板保持部1901との間に相応の間隔を設ける。そして、この状態で、スカラーロボット3150のロボットハンド3152により貼り合わせ基板50を下方から水平に支持して、基板保持部1901の支持部1903の上に載置する。次いで、駆動機構1930により基板保持部1909を降下させて、基板保持部1909に貼り合わせ基板50を押圧させる。これにより、貼り合わせ基板50は、基板保持部1909及び1901により両側から押圧されて保持される。
次いで、基板保持部1901及び1909の各真空吸着機構を動作させて、貼り合わせ基板50を吸着させる。次いで、不図示の回転源を動作させることにより回転軸1904に回転力を伝達させる。これにより、回転軸1904、基板保持部1901、貼り合わせ基板50及び基板保持部1909は、一体的に回転する。
次いで、シャッタ3030を閉じた状態で、ノズル3040に連結されたポンプ(不図示)を動作させて、ノズル3040に高圧のジェット構成媒体(例えば、水)を送り込む。これにより、ノズル3040から高圧のジェットが噴射される。そして、ジェットが安定したら、シャッタ3030を開く。これにより、ノズル3040から噴射したジェットが貼り合わせ基板50の多孔質層に連続的に打ち込まれ、貼り合わせ基板50の分離が開始される。
貼り合わせ基板50の分離が完了したら、シャッタ3030を閉じると共にノズル3040に連結されているポンプを停止させて、貼り合わせ基板50に対するジェットの打ち込みを停止させる。また、回転軸1904の駆動を停止することにより、貼り合わせ基板50の回転を停止させる。
次いで、基板保持部1901及び1909の各真空吸着機構を再度動作させる。これにより、分離された上側の基板が基板保持部1909に吸着されると共に、分離された下側の基板が基板保持部1901に吸着される。次いで、駆動機構1930により基板保持部1909を上昇させる。これにより、分離された2枚の基板は、互いに引き離される。
次いで、基板保持部1901と基板との間にスカラーロボット3150のロボットハンド3152を挿入し、該ロボットハンド3152により基板を吸着する。その後、基板保持部1901の真空吸着機構による吸着を解除し、基板保持部1901からロボットハンド3152に基板を引き渡す。
次いで、基板保持部1909と基板との間にスカラーロボット3150ロボットハンド3152を挿入し、該ロボットハンド3152により基板を吸着する。その後、基板保持部1909の真空吸着機構による吸着を解除し、基板保持部1909からロボットハンド3152に基板を引き渡す。
ここで、貼り合わせ基板50が2枚に分離された後において、2枚の基板の間にはジェット構成媒体が存在するため、これが液体(例えば、水)の場合には、表面張力が相当に大きい。従って、分離された2枚の基板を小さな力で引き離すためには、2枚の基板間にノズル3040からジェットを供給することが好ましい。この場合、2枚の基板を引き離した後に、ノズル3040からのジェットを停止させることになる。なお、その代わりに、2枚の基板を引き離すために使用するジェットを噴射する機構を別個に設けてもよい。
[分離装置の第3の構成例]
図10及び図11は、第3の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す断面図である。なお、図10は、基板支持部材を開いた状態、図11は、基板支持部を閉じた状態を示している。
この分離装置4000は、ヒンジ部4003により連結された一対の基板支持部材4001及び4004を有する。基板支持部材4001及び4004は、貼り合わせ基板50の外周に適合した円環状の形状を有する。また、基板支持部材4001及び4004は、貼り合わせ基板101を挟むようにして閉じた状態で、貼り合わせ基板50の縁の多孔質層50cが露出した部分を取り囲んで密閉空間4020を構成する密閉空間構成部材として機能する。
基板支持部材4001、4004には、貼り合わせ基板50との間で気密性を確保するためのシール部材(例えば、Oリング)4002、4005が夫々設けられている。また、一方の基板支持部材4004には、他方の基板支持部材4001との間で気密性を確保するためのシール部材4008が設けられている。
この分離装置4000では、貼り合わせ基板50を基板支持部材4001及び4004により両側から挟んで支持した状態で、ロック機構4007により基板支持部材4001がロックされる。
一方の基板支持部材4004は、密閉空間4020に流体を注入するための注入部4006を有する。この注入部4006は、ポンプ等の圧力源4011に接続され、該圧力源4011から供給される流体(例えば、水)により密閉空間4020が満たされる。
基板支持部材4001及び/又は4004には、密閉空間4020に流体を注入する際に発生する泡を除去するための泡抜き口と、密閉空間4020内の流体に圧力を印加する際に該泡抜き口を塞ぐためのバルブとを設けてもよい。
圧力源4011は、密閉空間4020に流体を満たした状態で、該流体に圧力を印加する。圧力源4011は、流体に印加する圧力を調整する機構を有することが好ましく、これにより、流体に印加する圧力を、貼り合わせ基板50の分離の初期段階では高くし、その後、徐々に又は段階的に低下させることが好ましい。例えば、分離の初期段階では、例えば20kg/平方cmとし、その後、その圧力を徐々に低下させて、分離の最終段階では、例えば1kg/平方cmとする如きである。
下方の基板支持部材4004は、支持台4006により支持されている。この支持台4006には、貼り合わせ基板50の下面を外部に通じさせる通気孔4030を有する。これにより、貼り合わせ基板50の下面は、大気圧に維持される。また、支持台4006の中央部付近には、エアシリンダ4010が設けられている。このエアシリンダ4010のピストンロッドには、支持部4009が取り付けられている。支持部4009は、スカラーロボット3150のロボットハンド3152との間で貼り合わせ基板又は分離後の基板を受け渡しする際に、上方に押し出される。これにより、下側の基板支持部材4004と貼り合わせ基板又は分離後の基板との間に、ロボットハンド3152を挿入するための間隙が形成される。
以下、この分離装置4000による貼り合わせ基板50の分離処理の手順を説明する。なお、以下の分離処理は、例えば大気圧中で実施される。
まず、ロック機構4007によるロックを解除して、図10に示すようにして基板支持部材4001を開くと共に支持部4009を上昇させる。次いで、スカラーロボット3150のロボットハンド3152により、貼り合わせ基板50を基板支持部材4004上に載置する。
次いで、図11に示すように、支持部4009を下降させると共に基板支持部4001を閉じて、ロック機構4007により基板支持部材4001をロックする。この状態で、貼り合わせ基板50の縁の多孔質層50cが露出した部分を取り囲んで密閉空間4020が構成される。
次いで、圧力源4011により密閉空間4020内に流体を注入する。次いで、圧力源4011により密閉空間4020内の流体に圧力を印加する。これにより、貼り合わせ基板50の縁に露出した多孔質層50cに対して、実質的に静止した流体による圧力が印加される。
この圧力の印加により、貼り合わせ基板50の縁に露出している部分の多孔質層50cが破壊されて分離が開始される。そして、その破壊された部分に流体が注入されることにより多孔質層50cの破壊が進行する。そして、この多孔質層50cの破壊の進行により、流体が貼り合わせ基板50の内部に十分に注入される。この時、貼り合わせ基板50の内部に作用する流体の圧力と非密閉空間(密閉空間以外の空間)に作用する圧力との圧力差により、貼り合わせ基板50には、基板50aと基板50bとを引き離す方向に分離力が作用し、この分離力により分離が進行する。
分離が完了したら、圧力源4011を制御して密閉空間4020内を例えば大気圧にし、その後、ロック機構4007によるロックを解除する。そして、基板支持部材4001を開くと共に、支持部4009を上昇させて、下側の基板支持部材4004と分離後の貼り合わせ基板との間に相応の間隙を設ける。そして、スカラーロボット3150のロボットハンド3152により、まず、上側の基板50aを取り出し、次いで、下側の基板50bを取り出す。
なお、この場合、上側の基板50aを反転装置3130で反転させ、洗浄/乾燥装置3120で洗浄/乾燥させて第3カセット3101に収容した後に下側の基板50bを洗浄/乾燥装置3120に引き渡す。或いは、上側の基板50aを反転装置3130に引き渡した後に、下側の基板50bを洗浄/乾燥装置3120に引き渡す。
[分離装置の第4の構成例]
図12は、第4の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す図である。この分離装置5000は、貼り合わせ基板50の全体に圧力を印加し、これにより、該貼り合わせ基板50を多孔質層で分離する。
この分離装置5000は、貼り合わせ基板50を収容して密閉空間を構成するための密閉容器5001と、スカラーロボット3150のロボットハンド3152を出し入れするための開口部を開閉するための密閉蓋5002とを有する。 密閉容器5001内には、貼り合わせ基板50を下方から水平に支持するための試料支持部材5011が設けられている。
また、この分離装置5000は、密閉空間内に流体を供給するための注入口5008を有し、この注入口5008は、バルブ5009を介してポンプ5010に接続されている。また、この分離装置5000は、密閉容器5001内の流体を排出するための排出口5006を有し、この排出口5006は、排出制御用のバルブ5007に接続されている。
この分離装置5000は、例えば、貼り合わせ基板50に超音波等の振動エネルギーを印加するための振動源5004を更に備えることが好ましい。この振動源5004を備えることにより、2段階の分離処理を行うことができる。即ち、第1段階では、前述のように、密閉容器5001により構成される密閉空間内に圧力を印加することにより多孔質層の孔壁を破壊する。そして、第2段階では、振動エネルギーにより、残存する孔壁を破壊し、これにより貼り合わせ基板50を多孔質層で完全に分離することができる。
以下、この分離装置5000による分離処理に関して説明する。まず、密閉蓋5002を開いて、スカラーロボット3150のロボットハンド3152により貼り合わせ基板50を密閉容器5001内に搬送し、支持部材5011上に載置する。
次いで、密閉蓋5002を閉じて、ポンプ5010を作動させると共にバルブ5009を開いて、密閉空間内に流体を注入し、該密閉空間内を所定の圧力にする(第1段階の分離処理の開始)。ここで、流体としては、空気等の気体、水等の液体等を使用することができる。また、流体として、空洞含有層を選択エッチングし得るエッチングガス又はエッチング液を使用することも好ましい。この場合、分離処理を効率化すると共に分離後に残存し得る孔壁を低減することができる。
この状態で、例えば所定時間が経過するのを待つ。これにより、貼り合わせ基板50が多孔質層で完全に分離されるか、或いは、相当量の孔壁が破壊される。次いで、ポンプ5010を停止させると共にバルブ5009を閉じる。次いで、バルブ5007を開いて、密閉空間内の流体を排出口5006を通して排出することにより、該密閉空間内の圧力を常圧に戻す(第1段階の分離処理の終了)。なお、流体として、自然環境等に悪影響を及ぼす流体を使用する場合には、排出口211を通して排出される流体を回収し、適切な処理をすることは言うまでもない。

次いで、振動源5004を駆動して、密閉容器内の貼り合わせ基板50に振動エネルギーを印加し、これにより、未破壊の孔壁を破壊し、貼り合わせ基板50を完全に分離する(第2段階の分離処理)。なお、第2段階の分離処理は、第1の分離処理の実行中に並行して実行してもよい。
次いで、流体として液体を用いた場合には、必要に応じて、バルブ5007を開いて密閉容器内の流体を排出する。次いで、密閉蓋5002を開いて、スカラーロボット3150のロボットハンド3152により、まず、上側の基板を取り出し、次いで、下側の基板を取り出す。なお、この場合、上側の基板を反転装置3130で反転させ、洗浄/乾燥装置3120で洗浄/乾燥させて第3カセット3101に収容した後、或いは、上側の基板を反転装置3130に引き渡した後に、下側の基板を洗浄/乾燥装置3120に引き渡す。
[スカラーロボットのロボットハンドの他の構成例]
次に、スカラーロボット3150のロボットハンドの他の構成例を説明する。図13は、スカラーロボット3150のロボットハンドの他の構成例を示す図である。図13(a)は、平面図、図13(b)は、図13(a)をA−A’で切断した断面図である。図13に示すロボットハンドは、U字型の本体9004と、貼り合わせ基板又は分離後の基板をその端部で保持する保持部9001乃至9003を有する。保持部9001乃至9003の材質としては、例えばPTFEが好適である。
この構成例に係るロボットハンドは、貼り合わせ基板又は分離後の基板の端部とのみ接触するため、貼り合わせ基板又は分離後の基板の面に傷等を付ける可能性が極めて低い。
また、この構成例に係るロボットハンドは、分離後の基板の端部とのみ接触するため、分離面が上側であるか下側であるかに拘らず、分離後の基板を下方から保持した場合においても、切削屑等により基板の面に傷等を付ける可能性が低い。
また、この構成例に係るロボットハンドは、貼り合わせ基板又は分離後の基板が面方向に移動することを規制した状態で該貼り合わせ基板又は分離後の基板を保持するため、貼り合わせ基板又は分離後の基板が落下することを防止することができる。
この構成例に係るロボットハンドでは、各保持部9001乃至9003の全部又は一部に吸着機構を設けることも有効である。この場合、貼り合わせ基板又は分離後の基板の落下をより効果的に防止することができる他、例えば基板を上方から支持することも可能になる。
また、この構成例に係るロボットハンドでは、分離後の基板を吸着した状態で本体9004を180度回転させて、これにより分離後の基板の上下を逆にする機構を更に設けてもよい。この場合、反転装置3130を省略することができる。
本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を工程順に説明する図である。 本発明の好適な実施の形態に係る処理システムの概略的な構成を示す平面図である。 1枚の貼り合わせ基板に着目した場合の処理システムによる処理手順を説明するためのフローチャートである。 複数枚の貼り合わせ基板を並行して処理する場合の処理手順の一例を示す図である。 スカラーロボットによる貼り合わせ基板又は分離後の各基板の搬送処理及び各装置による処理の実行手順の一例を示す図である。 第1の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す図である。 図6に示す基板保持部の外観を模式的に示す図である。 第2の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す図である。 図8に示す分離装置の一部を示す図である。 第3の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す断面図である。 第3の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す断面図である。 第4の構成例に係る分離装置の概略的な構成を示す図である。 スカラーロボットのロボットハンドの他の構成例を示す図である。
符号の説明
10 第1の基板
11 単結晶Si基板
12 多孔質Si層
13 非多孔質単結晶Si層
15 絶縁層
20 第2の基板
50 貼り合わせ基板
1000 分離装置
110 モータ
120 支持部材
130 カップリング
140 回転軸
141 真空ライン
150 リング
160 ベアリング
170 上段テーブル
240 下段テーブル
250 モータ
270 基板保持部
270a ずれ防止部材
271 吸引孔
310 脚部材
320 エアシリンダ
330 カップリング
1010 基板保持部
1011 導入部
1013 ベルヌーイチャック
1020 回転軸
1021 圧力ライン
1022 リング
1030 往復/回転ガイド
1900 分離装置
1901 基板保持部
1902 吸引孔
1903 支持部
1904 回転軸
1905 シール部材
1906 ベアリング
1907 真空ライン
1908 リング
1909 基板保持部
1910 駆動軸
1911 ずれ防止部材
1912 支持部
1913 ずれ防止部材
1914 吸引孔
1920 支持台
1921 ノズル
1922 シャッタ
1930 駆動機構
3000 分離システム
3010 チャンバ
3020 分離装置
3030 シャッタ
3040 ノズル
3050 直交ロボット
3060 シャッタ
3070 芯出し装置
3080 ローダ
3081 第1カセット
3090 第1アンローダ
3091 第2カセット
3100 第2アンローダ
3101 第3カセット
3110 第3アンローダ
3111 第4カセット
3120 洗浄/乾燥装置
3130 反転装置
3140 操作パネル
3150 スカラーロボット
3151 駆動軸
3152 ロボットハンド
4000 分離装置
4001 基板支持部材
4002 シール部材
4003 ヒンジ部
4004 基板支持部材
4005 シール部材
4006 注入部
4007 ロック機構
4008 シール部材
4009 支持部
4010 エアシリンダ
4011 ポンプ
5000 分離装置
5001 密閉容器
5002 密閉蓋
5004 振動源
5006 排出口
5007 バルブ
5008 注入口
5009 バルブ
5010 ポンプ
5011 支持部材
9001 保持部
9002 保持部
9003 保持部
9004 ロボットハンドの本体

Claims (4)

  1. 試料を処理する処理システムであって、
    試料を処理する複数の処理装置と、前記複数の処理装置の間で試料を搬送する搬送機構と、を備え、
    前記複数の処理装置には、試料を水平に保持した状態で分離する分離装置と、前記分離装置により分離して得られる2枚の板状試料のうち上方の板状試料を反転させる反転装置が含まれることを特徴とする処理システム。
  2. 前記試料は内部に分離用の層を有する板状試料であり、
    前記分離装置は、該板状試料の前記分離用の層に向けて束状の流体を噴射することにより、該板状試料の該分離用の層で分離することを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
  3. 噴射される前記流体が安定するまで、前記流体が前記板状試料に対して噴射されないことを特徴とする請求項2に記載の処理システム。
  4. 前記流体を噴射するノズルと前記板状試料との間に配置されて前記流体を遮断するシャッタを有する請求項3に記載の処理システム。
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