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JP2009164689A - 情報処理装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロードキャストを使用せずに、LANに接続されたデバイスのデバイス識別子を端末に提供する。
【解決手段】サーバ10は、広域ネットワークに接続されている。管理端末34とプリンタ32a、32bは、LAN90aに接続されている。サーバ10は次の処理を実行する。いずれかのLANに接続されているプリンタのデバイス識別子を受信する処理。いずれかのLANに接続されている端末からデバイス識別子の問い合わせを受信する処理。デバイス識別子がサーバへ転送される間にデバイス識別子に付加される付加情報を、デバイス識別子と対応付けて記憶する処理。問い合わせが情報処理装置へ転送される間に問い合わせに付加される付加情報と共通する付加情報が記憶手段に記憶されたデバイス識別子を端末へ送信する処理。管理端末34は、サーバ10へ問い合わせるだけで、自己と同じLANに接続されているプリンタのデバイス識別子を取得できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローカルエリアネットワークに接続されているデバイスを、同じローカルエリアネットワークに接続されている端末で管理するための管理環境を構築するのに好適な情報処理装置及びプログラムに関する。
プリンタやファクシミリ、或いはコピー機など、ローカルエリアネットワーク(以下、LANと称する)に接続されている複数のデバイスを一つあるいは少数の端末で管理する技術が知られている。デバイスを管理する端末(以下、単に端末と称する)は、管理を開始するためにまず、LAN上でデバイスを識別するためのデバイス識別子(例えばIPアドレス)を取得する必要がある。
LANに新たなデバイスを接続する毎に、デバイス識別子をユーザが端末へ手で入力するのは効率が悪い。従来、端末は、ブロードキャストと呼ばれる通信コマンドを用いて、LAN上に新たに接続されたデバイスのデバイス識別子を取得することができた(例えば特許文献1)。
特開2001−154967号公報
しかしながら、デバイス識別子を取得するためにブロードキャストが使えない状況が起こり得る事態が生じてきた。例えば、セキュリティが強化されたLANや、ルータ等を介する必要があるLANでは、デバイスのデバイス識別子を確実に取得できるとは限らない。ブロードキャストを使用せずに、LANに接続されたデバイスのデバイス識別子を端末が取得することのできる技術が求められている。
本明細書に開示される技術は、デバイスからデバイス識別子を受信するとともに、端末からデバイス識別子の問い合わせを受信し、問い合わせに応じてデバイス識別子を端末へ送信する情報処理装置を提供することで上記課題を解決する。
本明細書に開示される情報処理装置は、受信手段、記憶手段、送信手段を備えている。情報処理装置はネットワークに接続されている。
受信手段は、複数のローカルエリアネットワークのいずれかに接続されているデバイスのデバイス識別子を受信する。また受信手段は、複数のローカルエリアネットワークのいずれかに接続されている端末からデバイス識別子の問い合わせを受信する。記憶手段は、デバイス識別子が情報処理装置へ転送される間にデバイス識別子に付加される付加情報を、デバイス識別子と対応付けて記憶する。送信手段は、問い合わせが端末から情報処理装置へ転送される間に問い合わせに付加される付加情報と共通する付加情報が記憶手段に記憶されたデバイス識別子をその端末へ送信する。
本明細書で単に「ネットワーク」という場合には、相互に接続されている複数のLANの全体を意味する。夫々のLANは、ゲートウエイを介して接続される。情報処理装置とデバイスと端末は、それぞれ異なるLANに接続されている場合があれば、それらのいくつかは同じネットワークに接続されている場合がある。
受信手段、LAN特定手段、及び送信手段は、ハードウエアで構築されてよいし、ソフトウエア(プログラム)で構築されてもよい。
受信手段が受信するデバイス識別子は、デバイスが発信することもあれば、デバイス識別子を把握している他の端末(例えば、デバイスにドライバをインストールする端末)が発信することもある。
上記の情報処理装置によって、端末(管理装置)は、ブロードキャストを用いることなく、自己と同じLANに接続されているデバイスのデバイス識別子を取得することが可能となる。
LAN同士(或いはLANとそのLAN以外のネットワーク)は、通常ゲートウエイと呼ばれるコンピュータによって接続されている。LANに接続されているデバイスが他のLANに接続されているデバイス或いは端末にデータを送信する場合、ゲートウエイがデータを中継する。中継する際、ゲートウエイは外側のネットワークに開かれているIPアドレスをデータに付加する。従って、データ(デバイス識別子)を送信したデバイスが接続されているLANを特定するための付加情報は、そのLANと外部のネットワークをつなぐゲートウエイの外側のIPアドレス(グローバルIPアドレス)でよい。同様に、データ(問い合わせ)を送信した端末が接続されているLANを特定するための付加情報は、そのLANと外部のネットワークをつなぐゲートウエイの外部側のIPアドレス(グローバルIPアドレス)でよい。
ゲートウエイのグローバルIPアドレスには、ドメイン情報が対応付けられていることがある。ドメイン情報には、ゲートウエイが管理しているLANを特定する情報が含まれている。ドメイン情報を用いると、デバイスが接続されているLANや端末が接続されているLANを柔軟に特定することができる。例えば、ひとつのLANに複数のゲートウエイが接続されている場合、いずれのゲートウエイを通過したデータであっても、各ゲートウエイのドメイン情報から、同一のLANを特定することができる。
グローバルIPアドレスとドメイン情報の対応付けは、ドメイン情報管理装置によって管理されている。従って、上記の情報処理装置は、付加情報に対応付けられているドメイン情報をドメイン情報管理装置から取得する取得手段を備えていることが好ましい。この場合、記憶手段が、取得手段により取得したドメイン情報もデバイス識別子と対応付けて記憶する。そして、送信手段が、問い合わせに付加された付加情報に対応するドメイン情報と一致するドメイン情報が対応付けられたデバイス識別子を送信すればよい。ドメイン情報管理装置は、例えば、インターネットに接続されているWHOISサーバと呼ばれるサーバでよい。
例えば、企業の規模によっては、1台の端末が管理するデバイスであるが、デバイスごとに、そのデバイスからゲートウエイを介して情報処理装置へパケットを送信する際のパケットに付加されるゲートウエイのグローバルIPアドレスが異なることがある。すなわち、GWのグローバルIPアドレスを複数有する企業では、ゲートウエイのグローバルIPアドレスに対応付けられるドメイン情報に基づき、端末に送信するデバイス識別子を決定するとよい。上記の情報処理装置は、複数のゲートウエイのグローバルIPアドレスを有するネットワークにおいても、適切に端末の管理対象となるデバイスのデバイス識別子を端末に送信することができる。
上記の情報処理装置は、複数のLANのいずれかに接続されており、情報処理装置へデバイス識別子を送信するデバイスと、複数のLANのいずれかにLANに接続されており、情報処理装置へデバイス識別子の問い合わせを送信する端末とともにネットワークシステムを構築する。
上記の情報処理装置は、もちろん、情報処理装置用のコンピュータプログラムとして具現化されてよい。このプログラムは、情報処理装置用のコンピュータに次の処理を実行させる命令(インストラクション)を含んでいる。
(1)複数のLANのいずれかに接続されているデバイスのデバイス識別子を受信する処理。
(2)デバイス識別子が情報処理装置へ転送される間にデバイス識別子に付加される付加情報を、デバイス識別子と対応付けて記憶する記憶する処理。
(3)複数のLANのいずれかに接続されている端末からデバイス識別子の問い合わせを受信する処理。
(4)問い合わせが端末から情報処理装置へ転送される間に問い合わせに付加される付加情報と共通する付加情報が記憶手段に記憶されたデバイス識別子を当該端末へ送信する処理。
デバイスには、情報処理装置用プログラムと協働するデバイス用プログラムが提供される。デバイス用プログラムには、上記の情報処理装置用プログラムがインストールされている情報処理装置のネットワーク識別子(IPアドレス)が記述されている。さらにデバイス用プログラムには、その情報処理装置へ、デバイスのデバイス識別子を送信する処理を実行するための命令(インストラクション)が記述されている。このデバイス用プログラムは、デバイスドライバを兼ねていてもよい。また、このデバイス用プログラムは、デバイスに実装されるプログラムではなく、デバイスにドライバをインストールするためのインストールプログラムに付加されていてもよい。インストールプログラムは、デバイスと通信可能な端末に実装されていることがある。
このデバイス用プログラムは、ドライバプログラムをインストールする際にデバイス識別子を送信する命令(インストラクション)を含んでいてよい。ドライバプログラムは、例えばデバイスを使う端末にインストールされる。従って例えば、このデバイス用プログラムは、自身が実装された端末に、デバイス用のドライバプログラムがインストールされる際に、デバイス識別子を送信する命令(インストラクション)を含んでいてよい。ドライバがインストールされると、デバイスは稼動可能な状態となる。従って、デバイスが稼動可能となるときに、そのデバイスのデバイス識別子を情報処理装置へ送信することができる。
さらに、デバイスが新たにネットワークに接続された場合のように、デバイスにはまだ適切な通信設定(例えば、デフォルトゲートウエイの設定や認証処理のための設定)が行われていない場合がある。一方で、端末は、OS上ですでに設定が完了している可能性が高い。つまり、デバイスから直接、情報処理装置へデバイス識別子を送信できる環境にない場合であっても、ドライバプログラムをインストールした端末から情報処理装置へデバイス識別子を送信するため、確実にデバイスのデバイス識別子を送信することができる。しかも、ドライバプログラムをインストールする端末は、そのデバイスを使用する端末であり、デバイスと同一のローカルエリアネットワークに接続されている可能性の高い端末である。よって、デバイスが直接、情報処理装置へデバイス識別子を送信した場合と同じ付加情報が、付加されているとみなすことができる。
デバイスのデバイス識別子(IPアドレス)は変更されることがある。そこで、デバイス用プログラムは、デバイスのデバイス識別子が変更された場合に、変更されたデバイス識別子を送信する処理を実行するための命令(インストラクション)を含んでいてよい。デバイス識別子が変更される毎に、新しいデバイス識別子を情報処理装置へ通知することができる。端末は、常に最新のデバイス識別子を情報処理装置から取得することができる。
デバイスと端末と情報処理装置が協働して、管理対象デバイスを検索する方法が実現される。この方法は、次の手順を含んでいる。
(1)デバイスとゲートウエイを介してネットワークに接続された情報処理装置に、該デバイスと通信するために必要なデバイス識別子を送信する第1送信手順。この手順は、デバイス自身が実行することもあれば、デバイスのデバイス識別子を把握している他の端末が実行してもよい。
(2)情報処理装置が、受信したデバイス識別子を、デバイス識別子に付加されたゲートウエイの識別子と対応付けて記憶部に記憶する記憶手順。
(3)端末から、ゲートウエイを介してネットワークに接続された情報処理装置に、管理対象デバイスについての問合せを行う問合せ手順。この手順は、デバイスを管理する端末が実行する。
(4)情報処理装置が、端末から受信した問合せに付加されたゲートウエイの識別子と一致するデバイス識別子を、記憶部から読み出す読出手順。
(5)読み出されたデバイス識別子を、端末に送信する第2送信手順。
以上の手順が実行されると、デバイスを管理する端末は、管理対象のデバイスのデバイス識別子を取得することができる。
本発明によれば、ブロードキャストを使用せずに、LANに接続されたデバイスのデバイス識別子を端末に提供することのできる技術を実現することができる。
(第1実施例) 図面を参照して第1実施例の情報処理装置を説明する。本実施例の情報処理装置は、サーバ10である。図1に、第1実施例のブロック図を示す。第1実施例のネットワークシステム100は、サーバ10と、デバイス管理端末34と、第1プリンタ32aと、第2プリンタ32bが接続されているシステムである。サーバ10は、広域ネットワーク92に接続されている。デバイス管理端末34、第1プリンタ32a、第2プリンタ32bは、ローカルエリアネットワーク90aに接続されている。ローカルエリアネットワーク90aにはまた、クライアント端末36が接続されている。
本明細書では、「デバイス管理端末34がローカルエリアネットワーク90aに接続している」ということを、「デバイス管理端末34がローカルエリアネットワーク90aに属している」と表現することもある。すなわち、デバイス管理端末34、第1プリンタ32a、第2プリンタ32b、及び、クライアント端末36は、ひとつのローカルエリアネットワーク90aに属していると表現することもできる。
以下では、ローカルエリアネットワーク90aを単にLAN90aと称し、広域ネットワーク92を単にWAN92と称する。また、図1に示すように、第1プリンタ32aと第2プリンタ32bを夫々プリンタ1とプリンタ2と称することがある。また、デバイス管理端末34を単に管理端末34と称する。
LAN90aは、第1ゲートウエイ30aを介してWAN92に接続されている。WAN92は、LAN90a、LAN90b、及び図示しない他の複数のLANが相互に接続されている全体のネットワークを意味するが、本実施例では、LAN90aとそれ以外のLANを区別する目的で、WAN92は、LAN90aとは異なるLANであるという場合がある。
WAN92には、第2ゲートウエイ30bを介して、LAN90aとは別のLAN90bと接続されている。LAN90bに、第3プリンタ32cが接続されている。
図1に示すように、第1ゲートウエイ30a、第2ゲートウエイ30bを、夫々GW1、GW2と称することがある。第3プリンタ32cをプリンタ3と称することがある。以下では、複数のプリンタを総称する場合には単に「プリンタ」と称することがある。
管理端末34のIPアドレスは、「IP−T1」である。プリンタ1、プリンタ2、及びプリンタ3のIPアドレスは、それぞれ、「IP−P1」、「IP−P2」、および、「IP−P3」である。GW1とGW2のグローバルIPアドレス(WAN92に対して割り当てられているIPアドレス)は、それぞれ、「IP−G1」、「IP−G2」である。GW1とGW2にはそれぞれ、ローカルIPアドレス(LANに対して割り当てられているIPアドレス)も割り当てられているが図示を省略している。IPアドレスは、32ビット、或いは128ビットを8ビットずつ区切った記号で表されるが、本明細書では「IP−T1」等の簡略化した記号で示している。
プリンタ1、プリンタ2、プリンタ3が、「デバイス」の典型例である。「IPアドレス」が、デバイス、或いは端末をネットワーク上で識別するデバイス識別子の典型例である。デバイス識別子は、自己が属するLAN内でユニークであればよく、他のLANに属するデバイス(或いは端末)に、同じデバイス識別子が割り当てられている場合がある。
デバイス(プリンタ1等)、管理端末34、クライアント端末36、及びサーバ10は、相互に通信できる。LANを超えて通信する場合、LANを接続しているゲートウエイ(GW1等)がデータを中継する。ゲートウエイは、一方のLANを介して受信したデータに、自己のグローバルIPアドレスを付加して他方のLANへ送信する。
管理端末34、クライアント端末36は、例えば、パーソナルコンピュータにより構成されていればよい。
管理端末34は、自己と同じLAN90aに属しているデバイス(例えば、プリンタ1等を管理する端末である。管理端末34には、デバイスを管理するための管理ツール35(管理プログラム)が実装されている。
クライアント端末36は、プリンタ1等のデバイスドライバをインストールするための端末である。デバイスドライバをインストールすることにより、クライアント端末36には、プリンタ1等を使用可能となる。
サーバ10の構成について説明する。サーバ10は、CPU12と記憶装置14を備えている。記憶装置14には、識別子管理プログラム16(情報処理装置用プログラム)とデバイスデータベース22が格納されている。なお、図1に示す「PGM」の文字は、「プログラム」を意味する。図1に示す「DB」の文字は、「データベース」を意味する。以下では、「デバイスデータベース22」を簡単に「デバイスDB22」と表すことがある。
ネットワークシステムにおいて、管理端末34が自己と同じLAN90aに属しているデバイス群(プリンタ1等)を管理するためには、各デバイスと通信するために夫々のデバイスのIPアドレスを取得する必要がある。LAN90aにデバイスを追加するたびに、あるいはデバイスのIPアドレスを変更するたびに、デバイスのIPアドレスを管理端末34に入力するのは効率が悪い。ネットワークシステム100では、サーバ10にデバイスのIPアドレスを登録しておく。管理端末34は、サーバ10にデバイスのIPアドレスの一覧を問い合わせることによって、自己と同じLAN90aに属しているデバイス群のIPアドレスを取得することができる。LAN90bにも同様の管理端末(不図示)が属している。サーバ10は、各LANの管理端末から、夫々自己のLANに属しているデバイスのIPアドレスの問い合わせを受ける。従ってサーバ10は、夫々のLANに属しているデバイスのIPアドレスを登録しておく必要がある。サーバ10は、管理端末からデバイスのIPアドレスの問い合わせを受けると、問い合わせを発信した管理端末と同じLANに属しているデバイスのIPアドレスをその管理端末に通知する必要がある。本実施例のサーバ10は、デバイスが属するLANを特定するとともに、問い合わせを送信した管理端末の属するLANを特定することができる。デバイスのLANと管理端末のLANを特定することができるので、問い合わせを発信した管理端末と同じLANに属しているデバイスのIPアドレスをその管理端末に通知することができる。
以下では、LAN90aに属しているデバイス(プリンタ1等)のIPアドレスをサーバ10に登録し、LAN90aに属している管理端末34が、自己と同じLAN90aに属しているデバイス(プリンタ1等)のIPアドレスをサーバ10から取得するケースについて説明する。
まず、デバイス(プリンタ1等)のIPアドレスをサーバ10に登録する処理について説明する。
プリンタ1のIPアドレスをサーバ10に送信する処理は、クライアント端末36が実施する。
クライアント端末36は、プリンタ1のドライバをインストールする際に、プリンタ1のIPアドレスの登録をサーバ10に要求する登録要求を送信する。図2にクライアント端末36が実行するIPアドレスの登録要求処理のフローチャートを示す。
プリンタ1に印刷処理を実行させるためには、予め、CD−ROMなどを用いて、プリンタ1のプリンタドライバをインストールしておく必要がある。例えば、クライアント端末36に、プリンタ1用のドライバ37をインストールする際の処理を説明する。クライアント端末36は、プリンタ1のドライバ37をインストールする(S100)。ドライバ37のインストール処理は、周知な技術により行う。
クライアント端末36は、ドライバ37のインストール処理に続いて、プリンタ1のIPアドレスの登録要求をサーバ10に送信する(ステップS102)。例えば、プリンタドライバをインストールする際に利用されるインストールウィザードに、S102の登録要求送信処理を組み込めばよい。クライアント端末36は、ドライバをインストールしたプリンタ1のIPアドレスだけでなく、プリンタ1のノード名、MACアドレス(Media Access Control Address)も同時に送信する。これらの情報は、ドライバをインストールする際に設定した設定値を用いればよい。プリンタ1のIPアドレス、ノード名、及びMACアドレスを含む情報を「登録情報」と総称する場合がある。登録情報は、S100でドライバ37をインストールする際に、クライアント端末36に設定されるものを用いる。サーバ10に通信するための通信情報(例えば、サーバ10のIPアドレスやサーバ10へアクセスするためのURL等)は、ドライバ37に予め記憶されている。クライアント端末36は、この記憶された通信情報に基づき、サーバ10へ登録情報を送信すればよい。登録要求の送信が完了すると、クライアント端末36は、IPアドレスの登録要求処理を終了する。
プリンタ1のIPアドレスは変更されることもある。IPアドレスが変更される場合とは、例えば、DHCPサーバなどにより、プリンタ1の起動時にそのIPアドレスが自動的に設定される場合や、ユーザがプリンタ1の操作パネルなどの操作により、意図的にIPアドレスを変更する場合などが挙げられる。管理端末34は、プリンタ1を管理するためにプリンタ1と通信する必要があるため、プリンタ1の変更後のIPアドレスを知る必要がある。従って、サーバ10にはプリンタ1の最新のIPアドレスを登録しておく必要がある。別言すれば、プリンタ1のIPアドレスが変更された場合に、登録されているIPアドレスの更新をサーバ10に要求する必要がある。
プリンタ1のIPアドレスが変更された際に、デバイスDB22に登録されたデバイスのIPアドレスを更新することをサーバ10に要求する処理(更新要求処理)について説明する。更新要求処理は、プリンタ1とクライアント端末36が協力して実現される。
図3に、プリンタ1が自己のIPアドレスが変更されたときに実行する処理のフローチャートを示す。図3の処理は、プリンタ1(デバイス)が実行する更新要求処理と別言することができる。この処理は、プリンタ1の起動毎に実行される。プリンタ1は、自己のIPアドレスが変更されたか否かを監視する(S200)。具体的には、プリンタ1が既に記憶しているIPアドレスと起動後に設定されたIPアドレスが一致するかを判断する。なお、記憶部に記憶されたIPアドレスを変更する指示を外部(例えばクライアント端末36)から受け付けた場合にも図3の処理が開始され、S200の判断がYESとなる。自己のIPアドレスが変更された場合(ステップS200:YES)、プリンタ1は、更新情報を生成する(S202)。更新情報には、記憶部に記憶されている変更前のIPアドレスと、新たに設定された変更後のIPアドレスと、自己のノード名およびMACアドレスが含まれる。生成した更新情報は、ブロードキャストにより、LAN90aに送信される(S204)。
次に、クライアント端末36の処理を説明する。図4の処理(クライアント端末36における更新要求処理)が、「デバイス用プログラム」の一例である。
クライアント端末36は、ドライバ37のインストールが終了すると、ドライバ37がインストールされたプリンタ1から送信される更新情報の待ち受け状態となる(ステップS300)。
S300の判断処理は、プリンタ1がS204(図3)でLAN90aにブロードキャストした更新情報を受信したときに行われる。具体的には、受信した更新情報に含まれている更新前のIPアドレスと、クライアント端末36がプリンタ1へドライバ37をインストールしたときに用いたIPアドレス(ドライバのインストール時のプリンタ1のIPアドレス)を比較する。両者が一致すれば、ステップS300で受信した更新情報は、プリンタ1の更新情報であると判断できる。
ステップS300で受信した更新情報がプリンタ1の更新情報である場合、クライアント端末36は、インストールしたドライバ37に設定されているプリンタ1のIPアドレスを変更後のIPアドレスに更新する(S302)。次いでクライアント端末36は、S300で受信した更新情報を、更新要求とともにサーバ10へ送信する(ステップS304)。
サーバ10は、上記した登録要求又は更新要求を受信することによって、プリンタ1(デバイス)のIPアドレス(デバイス識別子)を取得する。以下では、「登録要求」、「更新要求」、及び、後述する「問い合わせ」(管理端末34が発信するデバイスのIPアドレスの問い合わせ)を「コマンド」と総称する場合がある。「登録要求」、「更新要求」、及び、「問い合わせ」は、予め定められたデータ長に分割されて送信される。分割された各々のデータは「パケット」と呼ばれることがある。予め定められたデータ長より小さいサイズのデータは、ひとつのパケットで送られる場合もある。
次に、サーバ10の処理について説明する。図5に、サーバ10が実行する処理(デバイス識別子の管理処理)のフローチャートを示す。
サーバ10は、起動時には、外部(デバイスや管理端末)からのコマンドを受け付ける待機状態になっている。外部からコマンドを受信すると(ステップS400)、そのコマンドが、「登録要求」、「更新要求」或いは「問い合わせ」のいずれであるのか判断する(ステップS404)。ステップS404の判断に基づいて、後述するようにコマンドの種類に応じた処理が実行される。
なお、クライアント端末36が送信する登録要求や更新要求は、パケットに分割されて送信される。同様に、管理端末34が送信する「問い合わせ」もパケットに分割されて送信される。クライアント端末36や管理端末34が送信するパケットは、ゲートウエイ30aによって中継される。中継される際、パケットにはゲートウエイ30aのグローバルIPアドレスが付加される。より具体的には、ゲートウエイ30aによって転送されたパケットには、ゲートウエイ30aのグローバルIPがパケットの送信元のIPアドレスとして付加される。パケットが中継される際に付加されるゲートウエイ30aのグローバルIPが、「コマンド」に付加される付加情報の一例である。パケットに付随するゲートウエイ30aのグローバルIPが、クライアント端末36が属しているLAN(LAN90a)を特定するための識別子として機能する。サーバ10がクライアント端末36から受信する「登録要求」と「更新要求」は、プリンタ1(デバイス)のIPアドレスをサーバ10に通知するものであるため、「登録要求」又は「更新要求」のパケットに含まれているゲートウエイ30aのグローバルIPアドレスは、プリンタ1が属しているLANを特定するための識別子と換言することができる。同様に、サーバ10は、管理端末34が送信する「問い合わせ」がサーバ10へ転送される間に付加される付加情報(ゲートウエイ30aのグローバルIPアドレス)に基づいて、管理端末34が接続しているLANを特定することができる。
図5に戻って説明を続ける。
受信したコマンドが「登録要求」の場合は、ステップS406に処理が移行する。ステップS406では、登録要求に含まれているデバイスのIPアドレスが、既にデバイスDB22に登録されているか否かを判断する。より具体的には、前述したように、登録要求には、デバイスのIPアドレスだけでなく、ノード名やMACアドレスが含まれている。前述したように、デバイスのIPアドレス、ノード名、MACアドレスは「登録情報」と総称される。ステップS406では、ステップS400で受信した登録要求に含まれている登録情報が、すでにデバイスDB22に登録されているデバイスに関する登録情報であるかを判断する。例えば、複数のクライアント端末が、同じプリンタのドライバをインストールしている場合、サーバ10は、すでに登録されたデバイスに関する登録要求を受信することがある。このような場合には(S406:Yes)、そのデバイスに関する登録を新たに行う必要がないので、そのまま終了する。受信した登録要求に含まれている登録情報が未だ登録されていない場合(S406:No)、受信した登録情報をデバイスDB22に登録する(S408)。具体的には、受信した登録情報から、デバイスのIPアドレスとMACアドレスおよびパケットの送信元のIPアドレスを読み出す。前述したように、このパケットは、ゲートウエイ30aを通ってサーバ10へ送信されているため、パケットの送信元のIPアドレスは、ゲートウエイ30aのIPアドレスとなる。ステップS408では、読み出されたデバイスのIPアドレスとMACアドレスにパケットの送信元のIPアドレス(ゲートウエイ30aのグローバルIPアドレス)を対応付けて、デバイスDB22に登録する。別言すれば、サーバ10は、デバイスのIPアドレスに、そのデバイスが属するLANを特定する識別子(ゲートウエイ30aのグローバルIPアドレス)を対応付けて記憶する(登録する)。
図6に、デバイスDB22の具体的内容の一例を示す。図6において、表のひとつの行が、ひとつのレコード(相互に関連付けられた項目のひとつの集まり)を示している。サーバ10は、デバイスのIPアドレス、MACアドレス、及び、そのデバイスが属するLANを特定する識別子を新たなひとつのレコードに追加登録する。別言すれば、サーバ10は、登録要求に付随するデバイスの登録情報を、デバイスが属するLANを特定する識別子に対応付けて記憶する。
図1に示したように、プリンタ1とプリンタ2には、夫々、「IP−P1」、「IP−P2」というIPアドレスが割り当てられている。プリンタ1とプリンタ2が属するLAN90aは、GW1によってWAN92と接続されている。クライアント端末36がプリンタ1の登録要求をサーバ10へ送信すると、その登録要求はGW1によって中継される。GW1には、「IP−G1」というグローバルIPアドレスが割り当てられている。サーバ10が受信する登録要求には、GW1のグローバルIPアドレスがパケット送信元のIPアドレスとして付加されている。図6に示すように、サーバ10は、プリンタ1のIPアドレス「IP−P1]に、プリンタ1のMACアドレス「MAC−1」とGW1のグローバルIPアドレス「IP−G1」を対応付けて記憶する。同様に、クライアント端末36がプリンタ2の登録要求を送信すると、サーバ10は、プリンタ2のIPアドレス「IP−P2]に、プリンタ2のMACアドレス「MAC−2」とGW1のグローバルIPアドレス「IP−G1」を対応付けて記憶する。
他方、LAN90bに接続しているプリンタ3には、「IP−P3」というIPアドレスが割り当てられている。プリンタ3の登録要求は、LAN90bに接続している他のクライアント端末(不図示)によってサーバ10へ送信される。プリンタ3の登録要求のパケットはGW2によって中継される。GW2には、「IP−G2」というグローバルIPアドレスが割り当てられている。サーバ10は、プリンタ3の「登録要求」を受信すると、図6に示すように、プリンタ3のIPアドレス「IP−P3]に、プリンタ3のMACアドレス「MAC−3」とGW2のグローバルIPアドレス「IP−G2」を対応付けて記憶する。
ステップS400で受信したコマンドが、更新要求の場合はステップS410の処理が実行される。ステップS410は、更新要求に含まれている更新情報(デバイスの新たなIPアドレス)によって、デバイスDB22に登録されているそのデバイスの登録情報(デバイスの古いIPアドレス)を更新する。ステップS410の処理は、詳しくは以下のとおりである。
サーバ10は、受信した更新要求に含まれる更新情報から、デバイスDB22に登録されている登録情報の中から、その更新情報が示すデバイスの登録情報を特定する。すなわち、更新情報に含まれる変更前のIPアドレスと一致するデバイスのIPアドレスを含むレコードをデバイスDB22から検索する。そして、このレコードを、更新情報に含まれる変更後のIPアドレス、デバイスのMACアドレス、パケットの送信元のIPアドレスで更新する。このとき、デバイスのIPアドレスのみを、新しいIPアドレスに変更するだけでもよい。更新情報に含まれている変更前のIPアドレスに基づいて、更新するレコードを特定する。これに代えて、更新情報に含まれているデバイスのMACアドレスに基づいて、更新するレコードを特定してもよい。
ステップS400で受信したコマンドが、「問い合わせ」の場合はステップS412に処理が移る。
S412では、受信した「問い合わせ」に含まれるパケットの送信元のIPアドレスを抽出する。前述したように、パケットの送信元のIPアドレスは、「問い合わせ」を発信した管理端末が属するLANを表している。図1に示したように、管理端末34が属するLAN90aは、GW1によってWAN92と接続されている。管理端末34がサーバ10へ「問い合わせ」を送信すると、その「問い合わせ」はGW1によって中継される。GW1には、「IP−G1」というグローバルIPアドレスが割り当てられている。サーバ10が受信する「問い合わせ」のパケットには、GW1のグローバルIPアドレスがパケット送信元のIPアドレスとして付加されている。ステップS412ではさらに、「問い合わせ」のパケットに付加されているGW1のグローバルIPアドレスを検索キーに用いて、デバイスDB22のレコードを探索する。すなわち、「問い合わせ」のパケットに付加されているGW1のグローバルIPアドレスに一致するグローバルIPアドレスのレコードを探索する。換言すれば、ステップS412では、サーバ10が受信した問い合わせに付加されている付加情報(ゲートウエイの識別子)に一致する付加情報に対応付けられているデバイス識別子(デバイスのIPアドレス)をデバイスDB22から抽出される。その結果、管理端末34と同じLAN90aに属するプリンタのIPアドレスが抽出される。
次いで、サーバ10は、抽出したプリンタのIPアドレスを、管理端末34へ送信する(ステップS414)。換言すれば、サーバ10は、問い合わせを発信した管理端末34と同じLANに接続されているデバイス(プリンタ)のデバイス識別子を管理端末34へ送信する(ステップS412、ステップS414)。図6を例にすると、GW1のグローバルアドレスと一致するデバイス識別子は、「IP−P1」と「IP−P2」であるので、この2つのデバイス識別子を管理端末34へ送信することとなる。
以上の処理(デバイス識別子の管理処理)は、サーバ10が記憶している識別子管理プログラム16に記述されている。別言すれば、識別子管理プログラム16に、以下の処理が記述されている。
・デバイス識別子や問い合わせを受信する処理(ステップS400)。
・デバイス識別子がサーバ10へ転送される間にデバイス識別子に付加される付加情報(ゲートウエイのグローバルIPアドレス)を、デバイス識別子と対応付けて記憶する記憶する処理(ステップS408)。
・問い合わせが管理端末からサーバ10へ転送される間に問い合わせに付加される付加情報と共通する付加情報が記憶手段に記憶されたデバイス識別子をその管理端末へ送信する処理(ステップS412、S414)。
なお、ステップS400で受信したコマンドが、「登録要求」。「更新要求」、および、「問い合わせ」のいずれでもない場合には、受信したコマンドに従った処理(不図示)を実行する。
次に、管理端末34が自己のLANに接続されているデバイスのIPアドレスをサーバ10から取得する処理(IPアドレス問い合わせ処理)について説明する。図7に、IPアドレス問い合わせ処理のフローチャートを示す。この処理は、管理端末34に記憶されている管理ツール35を起動することにより開始される。
まず、管理端末34は、「問い合わせ」(自己と同じLANに属しているデバイスのIPアドレスの問い合わせ)のパケットをサーバ10へ送信する(S500)。次に、サーバ10から、S500で送信した問い合せの応答(すなわちデバイスのIPアドレス)を待つ(ステップS502)。所定時間内に応答を受信しない場合には(ステップS502:NO)、管理端末34は、接続失敗のメッセージをモニタに表示する(ステップS506)。サーバからの応答を受信した場合(ステップS502:YES)、サーバ10から受信したデバイスのIPアドレスの一覧を機器リストとしてモニタに表示する(ステップS504)。なお、管理端末34は、ユーザが、表示された機器リストから所定の機器を選択することにより、その機器についての設定を変更したり管理したりすることができる。なお、S502にて、サーバから応答を受信した後に、受信したIPアドレスに基づき、各デバイスに対し、そのデバイスのステータスを問合せ、その問合せの結果を、S504の機器リストとあわせて表示してもよい。
上記の処理によって、管理端末34は、自己と同じLANに接続されているプリンタ(デバイス)のIPアドレスを取得できる。ユーザは、各プリンタのIPアドレスを管理端末34に入力する必要がない。また、管理端末34は、自己が属するLANにプリンタのIPアドレスを問い合わせるブロードキャスト(送信先を特定しないコマンド)を発信する必要がない。ブロードキャストを使うことなく、管理端末34は自己と同じLANに属するデバイスのIPアドレス(デバイス識別子)を取得することができる。
上記の機能は、クライアント端末36と管理端末34に、サーバ10のIPアドレスのみを設定しておけば実現できる。サーバ10のIPアドレスは事前(例えば、デバイスの出荷時)に知ることが出来るが、デバイスや端末が属するLANは、事前に決定することができない。そのような場合でも、サーバ10を介することで、管理端末は自己と同じLANに接続されているデバイスのIPアドレスを取得できる。
上記のサーバ10を実現すると、複数のLANの夫々の管理端末に対して、ひとつのサーバ(或いは少数のサーバ)を用意するだけでよい。ひとつのサーバは、各管理端末に対して、同じLANに接続されているデバイスのデバイス識別子を提供することができる。例えば、プリンタの供給元がひとつのサーバを用意するだけで、多数の組織の各管理端末によるデバイスの管理を容易にすることができる。
(第2実施例) 次に第2実施例を説明する。第2実施例の情報処理装置も、第1実施例と同様にサーバである。図8に、第2実施例のネットワークシステム200のブロック図を示す。図8では、第1実施例と同じ部品には図1と同じ符号を付してある。第2実施例のサーバ10の構成は、第1実施例のサーバと同じであるので説明を省略する。
第2実施例では、プリンタ2(第2プリンタ32b)が、LAN90aと異なる別のLAN90cに接続されている。LAN90cには、プリンタ2にドライバをインストールするクライアント端末36bも接続されている。なお、LAN90aには、プリンタ1にドライバをインストールするクライアント端末36aが接続されている。
LAN90aに接続されているプリンタ1とLAN90bに接続されているプリンタ2は、ひとつの管理端末34によって管理される。LAN90aとLAN90bは、ともにA会社(Company A)のLANである。別言すれば、LAN90aとLAN90bは、論理的には「ひとつのLAN」とみなすことができる。
LAN90cは、第3ゲートウエイ30cによってWAN92と接続されている。図8に示すように、第3ゲートウエイ30cを単に「GW3」と称することがある。GW3には、「IP−G3」というグローバルIPアドレスが割り当てられている。GW3にはローカルIPアドレス(LANに対して割り当てられているIPアドレス)も割り当てられているが図示を省略している。
WAN92には、WHOISサーバ40が接続されている。WHOISサーバとは、インターネット上でのドメイン名、IPアドレス、Autonomous System (AS)番号の所有者を検索するためのサーバである。TCPベースで端末から「問い合わせ」を受信すると、データベース検索を行い、その結果を応答する。WHOISサーバ40は、「ドメイン情報管理装置の典型的な例である。以下では、「WHOISサーバ40」を、単に「Wサーバ40」と称する。Wサーバ40は、ドメインデータベース42を記憶している。「ドメインデータベース42」を単に「ドメインDB42」と称することがある。
図9に、ドメインDB42の具体的内容を示す。ドメインDB42には、GW1のグローバルIPアドレス「IP−G1」に、LAN90aが属するドメイン名「DOMAIN1」、及び、LAN90aを管轄しているドメイン登録者情報「Company A」が対応付けられている。同様に、GW2のグローバルIPアドレス「IP−G2」に、LAN90bが属するドメイン名「DOMAIN2」とLAN90bを管轄しているドメイン登録者情報「Company B」が対応付けられている。GW3のグローバルIPアドレス「IP−G3」に、LAN90cが属するドメイン名「DOMAIN1」とLAN90cを管轄しているドメイン登録者情報「Company A」が対応付けられている。すなわち、LAN90aとLAN90cは、同じドメイン(DOMAIN1)に属する。別言すれば、LAN90aとLAN90cは、論理的にひとつのローカルエリアネットワーク「DOMAIN1」に属しているとみなせる。他方、LAN90bは、DOMAIN1とは別の論理ローカルエリアネットワーク「DOMAIN2」に属しているとみなせる。
図10に、第2実施例のサーバ10が実施する識別子管理処理のフローチャートを示す。図5に基づき上述した第1実施例と異なる部分について説明する。図10のステップS600、S604、及びS610の処理は、夫々、図5のステップS400、S404、及びS410の処理と実質的に同じであるので説明を省略する。
受信したコマンドの種類が登録要求であり、その登録要求を受けたデバイスのIPアドレスがまだデバイスDB22に登録されていない場合(S606:NO)、ステップS607へ移行する。ステップS607では、登録情報に含まれるパケットに付加されたGWのグローバルIPアドレスを読み出す。読み出したグローバルIPアドレスを指定して、ドメイン登録者情報の問い合わせをWサーバ40へ送信する。Wサーバ40は、この問い合わせに応答して、指定されたグローバルIPアドレスに対応付けられたドメイン登録者情報を返信する。指定されたグローバルIPアドレスに対応付けられたドメイン登録者情報は、図9に示したドメインDB42から抽出される。サーバ10は、Wサーバ40からドメイン登録者情報を受信する。以上の処理がステップS607で行われる。サーバ10は、受信したドメイン登録者情報を、コマンドの送信元(クライアント端末36a、36b、または管理端末34)が属するLANを特定するLAN識別子として、デバイスDB22に登録する(ステップS608)。実施例2におけるデバイスDB22の具体的内容を図11に示す。プリンタ1のIPアドレス「IP−P1」の登録要求(この要求はクライアント端末36aが送信する)は、GW1によって中継される。図9に示したように、ドメインDB42によって、GW1のグローバルIPアドレス「IP−G1」がドメイン登録者情報「Company A」に対応付けられている。従って、図11に示すとおり、プリンタ1のIPアドレス「IP−P1」がドメイン登録者情報「Company A」に対応付けられる。他方、プリンタ2のIPアドレス「IP−P2」の登録要求(この要求はクライアント端末36bが送信する)は、GW3によって中継される。図9に示したように、ドメインDB42によって、GW3のグローバルIPアドレス「IP−G3」がドメイン登録者情報「Company B」に対応付けられている。従って、図11に示すとおり、プリンタ2のIPアドレス「IP−P2」がドメイン登録者情報「Company A」に対応付けられる。
同様にして、プリンタ3のIPアドレス「IP−P3」は、ドメイン登録者情報「Company B」に対応付けられる。なお、実施例1と同様に、サーバ10は、MACアドレスおよびGWのグローバルIPアドレスも、各プリンタのIPアドレスに対応付けて記憶する。
次に、管理端末34からIPアドレスの問い合わせを受信したときの処理について説明する。ステップS611にて、問合せパケットに付加されたGWのグローバルIPアドレスに対応するドメイン登録者情報を、Wサーバ40から取得する。具体的な取得方法は、ステップS607にて説明した方法と同様である。Wサーバ40から取得したドメイン登録者情報を検索キーとして、ドメイン登録者情報が一致するデバイスのIPアドレスを、デバイスDB22から抽出する(ステップS612)。そして、抽出したデバイスのIPアドレスを管理端末34へ送信する(ステップS614)。
ここでは、ドメイン情報として、ドメイン登録者情報を用いたが、例えば、ドメイン名を用いて、論理的にはひとつのLANに属するデバイスのIPアドレスを特定してもよい。
第2実施例のサーバ10は、物理的には異なるLANであっても、論理的にはひとつのLANに属するデバイスのIPアドレスをグループ化して登録している。従って、デバイスを管理する管理端末34は、サーバ10へ問い合わせを送信するだけで、論理的にひとつのLANに属するデバイスのIPアドレスを取得することができる。
第2実施例のサーバ10は、比較的規模の大きいLAN(論理的なLAN)を構築している組織に好適である。大きい組織では、部門ごとに、或いはフロアごとにLANをゲートウエイで区切っている場合がある。通常、ゲートウエイはブロードキャストを中継しないため、管理端末は別のLANに接続されているデバイスのIPアドレスをブロードキャストで問い合わせることができない。そのような場合でも、実施例2のサーバ10を用意することによって、管理端末は、論理的にひとつのLANに属するデバイスのIPアドレスを容易に取得することができる。
実施例1又は2に示したネットワークシステムは、デバイスのIPアドレスをサーバ10に送信するクライアント端末36と、サーバ10と、デバイスを管理する管理端末34を含んでいる。これらの装置が協働することで、LANに接続されているデバイスの検索方法が実現される。クライアント端末36、サーバ10が実行する処理、及び、管理端末34が実行する夫々の処理に次のとおりの名称を付す。
・第1送信手順:クライアント端末36が実行する、デバイスのIPアドレス(デバイスと通信するために必要なデバイス識別子)をサーバ10へ送信する処理(ステップS102、S304)。
・記憶手順:サーバ10がデバイスのIPアドレスとゲートウエイの識別子(ゲートウエイのグローバルIPアドレス)を対応付けて記憶する処理(ステップS408)。
・問い合わせ手順:管理端末34が、サーバ10へ「問い合わせ」を送信する処理(ステップS500)。
・読出手順:サーバ10が、「問い合わせ」に応答して、問い合わせを発した管理端末と同じLANに属するデバイス識別子(デバイスのIPアドレス)を読み出す処理(ステップS412)。
・第2送信手順:サーバ10が、読み出したデバイス識別子を、問い合わせを発した管理端末34へ送信する処理(ステップS414)。
各処理に以上の名称を付すと、ネットワークシステム100又は200によって実現される処理は次のとおりに表現することもできる。
複数のデバイスの中から、端末が、該端末と同一のローカルエリアネットワークに接続された管理対象デバイスを検索する方法であって、以下の手順を含む。
(1)デバイスとゲートウエイを介してネットワークに接続された情報処理装置に、該デバイスと通信するために必要なデバイス識別子を送信する第1送信手順。
(2)情報処理装置が、受信したデバイス識別子を、デバイス識別子に付加されたゲートウエイの識別子と対応付けて記憶部に記憶する記憶手順。
(3)端末から、ゲートウエイを介してネットワークに接続された情報処理装置に、管理対象デバイスについての問合せを行う問合せ手順。
(4)情報処理装置が、端末から受信した問合せに付加されたゲートウエイの識別子と一致するデバイス識別子を、記憶部から読み出す読出手順。
(5)読み出されたデバイス識別子を、端末に送信する第2送信手順。
上記の実施例のシステム、又はサーバに関する留意点を以下に記す。
登録情報や更新情報として、IPアドレスのほかに、MACアドレスやノード名を送信しているが、送信しなくてもよい。MACアドレスは、デバイスに固有の情報であるため、同一性の確認の精度を高める。したがって、MACアドレスに基づき、デバイスを特定することで、デバイスDB22に、登録や更新する際に、同一デバイスであるのに異なるデバイスとして、誤って重複して登録してしまうことを防止できる。同様に、異なるデバイスであるのに、誤ってデバイスのIPアドレスを上書き更新してしまうことを防止できる。
デバイスのIPアドレスが更新された場合、その更新情報をブロードキャストにより送信しているが、これに限らない。例えば、プリンタドライバをインストールしたクライアント端末36が、インストール時に、クライアント端末36のIPアドレスをプリンタ(デバイス)に送信し、プリンタで記憶しておく。プリンタは、IPアドレスを更新した場合には、その記憶したクライアント端末36のIPアドレスに基づき、ユニキャストにより更新情報を送信してもよい。
上記の実施例では、クライアント端末36が「登録要求」と「更新要求」をサーバ10へ送信した。これに代えて、デバイス自身がIPアドレスの登録要求をサーバ10へ送信してよい。デバイス自身がIPアドレスの更新情報と更新要求をサーバ10へ送信してよい。このときは、予め、サーバ10と通信するための通信情報をデバイスが記憶している。デバイスは、その記憶した通信情報に基づき、サーバ10へ、登録要求や更新要求を送信する。デバイスは、例えば、電源をONするタイミングで、直接にサーバ10に「登録要求」や「更新要求」を送信してよい。
デバイスやクライアント端末が、定期的に、登録情報としてIPアドレスのほかにMACアドレスを送信し、サーバ10がその登録情報を記憶しておけば、更新情報を送信しなくてもよい。すなわち、サーバ10は、登録情報を受信すると、デバイスDBに、MACアドレスが一致するレコードが存在するか判断する。一致するレコードが存在しなければ、新たなレコードを生成し、その登録情報であるIPアドレスおよびMACアドレスを登録する。一方、MACアドレスが一致するレコードが存在すると、そのレコードのIPアドレスが、受信した登録情報に含まれるIPアドレスと一致するかを判断する。一致すれば、そのまま終了し、IPアドレスが異なる場合は、受信した登録情報に含まれるIPアドレスに上書き更新する。
また、登録要求を受信した際に、すでにデバイスDB22登録済みのデバイスに関する登録要求であっても、その登録済みのデバイスのIPアドレスについて、レコードを上書き更新してもよい。
また、管理端末34は、サーバ10から受信したデバイス識別子のうち、通信できないデバイスが存在したら、そのデバイスに関するデバイス識別子をサーバ10へ通知するようにしてもよい。その通知を受けると、サーバ10は、デバイスDB22からそのデバイスに関するレコードを削除する。それにより、ネットワークに存在しなくなったデバイスに関するデバイス識別子については、次回から管理端末34に送信しなくなる。
この通知は、ドライバをインストールしたクライアント端末36が、そのデバイスに対して通信できなくなった場合に、クライアント端末36から行ってもよい。
なお、サーバ10と、管理端末34、デバイス(プリンタ1等)、クライアント端末36の間で送受信される情報は、セキュリティ向上のため、それぞれ暗号化して秘匿してもよい。また、それぞれが通信を行う際に、認証を行わせることにより、セキュリティを向上させてもよい。
デバイスは、プリンタに限られない。例えば、デバイスがスキャナであってもよく、この場合は、スキャナを実行するためのスキャナドライバがクライアント端末にインストールされた際に、クライアント端末から登録情報をサーバへ送信すればよい。
上記第2実施例では、登録処理を行う際に、毎回Wサーバ40へそのGWのグローバルIPアドレスに対応するドメイン登録者情報を問い合わせている。特にこれに限らず、例えば、登録要求を受けたパケットに含まれるGWのグローバルIPアドレスと同じGWのグローバルIPアドレスがデバイスDBに登録されていれば、そのGWのグローバルIPアドレスに対応するドメイン登録者情報の登録要求を受けたデバイスのIPアドレスに対応付けて登録してもよい。なお、登録要求受信の有無に限らず、Wサーバ40へのGWのグローバルIPアドレスに対応するドメイン登録者情報を問い合わせは、所定のタイミングで定期的に行ってもよい。例えば、組織の変更等により、登録されているドメイン登録者情報が変更されている場合にも対応できるので、管理端末が管理すべきデバイスのデバイス識別子を、その管理端末に確実に提供できる。
上記第2実施例では、登録処理を行う際に、すべてのGWのグローバルIPアドレスに対応するドメイン登録者情報を登録している。これに限らず、予め指定されたドメイン登録者情報を取得した場合にのみ、対応するドメイン登録者情報を登録してもよい。この場合には、管理端末からデバイス識別子の問合せを受信した場合には、デバイスDB22にドメイン登録者情報が登録されている場合には、そのドメイン登録者情報に対応するデバイス識別子をすべて管理端末に送信し、デバイスDB22にドメイン登録者情報が登録されていない場合には、GWのグローバルIPアドレスに基づき抽出したデバイス識別子を管理端末に送信する。例えば、ドメイン登録者情報でも、インターネットサービスプロバイダのドメイン登録者情報のように、複数の個人が使用するデバイスに、共通のドメイン登録者情報に対応付けられている場合がある。このように、ドメイン登録者情報に基づきデバイス識別子を抽出することで、管理端末の管理対象以外のデバイスに係るデバイス識別子まで抽出されてしまうことを防止できる。
また、第2実施例の更新要求を受信した際にも、Wサーバ40へ、その受信した更新情報に含まれるGWのグローバルIPアドレスに対応するドメイン登録者情報を取得し、そのドメイン登録者情報についても、デバイスDB22の更新を行ってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1は、第1実施例のシステム全体の模式的ブロック図を示す。 図2は、クライアント端末が実行する登録要求処理のフローチャートを示す。 図3は、デバイスが実行する更新要求処理のブローチャートを示す。 図4は、クライアント端末が実行する更新要求処理のフローチャートを示す。 図5は、サーバの処理のブローチャートを示す。 図6は、サーバが記憶しているデバイスデータベースの内容を示す。 図7は、管理端末が実行する問い合わせ処理のフローチャートを示す。 図8は、第2実施例のシステム全体の模式的ブロック図を示す。 図9は、WHOISサーバが記憶しているドメインデータベースの内容を示す。 図10は、第2実施例のサーバが実行する識別子管理処理のフローチャートを示す。 図11は、第2実施例のサーバが記憶しているデバイスデータベースの内容を示す。
符号の説明
10:サーバ(情報処理装置)
12:CPU
14:記憶装置
16:識別子管理プログラム
22:デバイスデータベース
30:ゲートウエイ
32:プリンタ(デバイス)
40:WHOISサーバ(ドメイン情報管理装置)
90:ローカルエリアネットワーク
92:広域ネットワーク

Claims (9)

  1. 複数のローカルエリアネットワークが相互に接続されているネットワークに接続されている情報処理装置であり、
    前記複数のローカルエリアネットワークのいずれかに接続されているデバイスのデバイス識別子を受信し、かつ、前記複数のローカルエリアネットワークのいずれかに接続されている端末からデバイス識別子の問い合わせを受信する受信手段と、
    デバイス識別子が情報処理装置へ転送される間にデバイス識別子に付加される付加情報を、デバイス識別子と対応付けて記憶する記憶手段と、
    問い合わせが端末から情報処理装置へ転送される間に問い合わせに付加される付加情報と共通する付加情報が記憶手段に記憶されたデバイス識別子を当該端末へ送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 付加情報は、一のローカルエリアネットワークと他のネットワークをつなぐゲートウエイのIPアドレスであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 付加情報に対応付けられているドメイン情報をドメイン情報管理装置から取得する取得手段を備え、
    記憶手段は、取得手段により取得したドメイン情報もデバイス識別子と対応付けて記憶し、
    送信手段は、問い合わせに付加された付加情報に対応するドメイン情報と一致するドメイン情報が対応付けられたデバイス識別子を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項の情報処理装置と、いずれかのローカルエリアネットワークに接続されており、情報処理装置へデバイス識別子を送信するデバイスと、いずれかのローカルエリアネットワークに接続されており、情報処理装置へデバイス識別子の問い合わせを送信する端末を含むネットワークシステム。
  5. 複数のローカルエリアネットワークが相互に接続されているネットワークに接続されている情報処理装置のコンピュータに、
    前記複数のローカルエリアネットワークのいずれかに接続されているデバイスのデバイス識別子を受信する処理、
    デバイス識別子が情報処理装置へ転送される間にデバイス識別子に付加される付加情報を、デバイス識別子と対応付けて記憶する記憶する処理、
    前記複数のローカルエリアネットワークのいずれかに接続されている端末からデバイス識別子の問い合わせを受信する処理、
    問い合わせが端末から情報処理装置へ転送される間に問い合わせに付加される付加情報と共通する付加情報が記憶手段に記憶されたデバイス識別子を当該端末へ送信する処理、
    を実行させることを特徴とする情報処理装置用プログラム。
  6. 請求項5のプログラムと協働するデバイス用プログラムであり、請求項5のプログラムが実装されている情報処理装置のネットワーク識別子が記述されており、当該情報処理装置へ、デバイスのデバイス識別子を送信する処理を実行させることを特徴とするデバイス用プログラム。
  7. ドライバプログラムをインストールする際に、前記送信する処理が実行されることを特徴とする請求項6に記載のデバイス用プログラム。
  8. デバイスのデバイス識別子が変更された場合に、前記送信する処理が実行されることを特徴とする請求項6又は7に記載のデバイス用プログラム。
  9. 複数のデバイスの中から、端末が、該端末と同一のローカルエリアネットワークに接続された管理対象デバイスを検索する方法であって、
    デバイスとゲートウエイを介してネットワークに接続された情報処理装置に、該デバイスと通信するために必要なデバイス識別子を送信する第1送信手順と、
    情報処理装置が、受信したデバイス識別子を、デバイス識別子に付加されたゲートウエイの識別子と対応付けて記憶部に記憶する記憶手順と、
    端末から、ゲートウエイを介してネットワークに接続された情報処理装置に、管理対象デバイスについての問合せを行う問合せ手順と、
    情報処理装置が、端末から受信した問合せに付加されたゲートウエイの識別子と一致するデバイス識別子を、記憶部から読み出す読出手順と、
    読み出されたデバイス識別子を、端末に送信する第2送信手順と、
    を含むことを特徴とするデバイス検索方法。
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