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JP2009149173A - オートクルーズ装置 - Google Patents

オートクルーズ装置 Download PDF

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JP2009149173A
JP2009149173A JP2007327748A JP2007327748A JP2009149173A JP 2009149173 A JP2009149173 A JP 2009149173A JP 2007327748 A JP2007327748 A JP 2007327748A JP 2007327748 A JP2007327748 A JP 2007327748A JP 2009149173 A JP2009149173 A JP 2009149173A
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brake
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Tasuku Fujii
多州九 藤井
Takeshi Ogane
健誌 大鐘
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Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
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Abstract

【課題】 先行車との車間距離を保持しながら走行可能なオートクルーズ装置に関し、常に適切なタイミングで補助ブレーキを作動させることを目的とする。
【解決手段】 先行車に対する目標車間距離doを算出する目標車間距離算出手段26と、先行車との実際の車間距離dを求める実車間距離検出手段18と、目標車間距離doと実車間距離dとの偏差Δdを求める車間距離偏差算出手段28と、目標車間距離doと該車間距離偏差Δdとの比としての車間距離偏差率drを求める車間距離偏差率算出手段30と、少なくとも該車間距離偏差率drに基づいて該車両の制動装置を制御する制動装置制御手段22とを有するように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、先行車との車間距離を保持しながら走行可能な、オートクルーズ装置に関するものである。
従来よりミリ波レーダやレーザレーダ等を用いて自車と先行車との車間距離を検出し、先行車に追従しながら走行可能な車間距離保持タイプのオートクルーズ装置が実用化されている。
このような車間距離保持タイプのオートクルーズ装置では、先行車が予め設定された設定車間距離よりも前方にいる場合や先行車が存在しない場合には、ドライバが設定した車速で走行し、一方、前方に先行車が存在する場合には、自車より低速で走行していたり先行車が減速したりして車間距離が短くなると、例えば排気ブレーキ等の補助ブレーキを作動させて車間距離を保持し、先行車が速度を上昇させて車間距離が開くと、自車の設定車速の範囲内で車速を上昇させるような制御が実行される。
以下、このようなオートクルーズ装置の具体的な制御内容の一例について図6のフローを用いて説明すると、まず、ドライバはオートクルーズ走行時における先行車との車間時間を設定する(B11)。この車間時間の設定は運転席近傍に設けられたスイッチ等により実行されるものであって、例えばL(Long),M(Medium),S(Short)の3種類から選択される。
また、車速センサから自車の車速を求め(B12)、自車速と設定車間時間とから先行車との目標車間距離を設定する(B13)。なお、目標車間距離は下式(1)により算出される。
目標車間距離[m]=設定車間時間[s]×自車速[km/h]/3.6・・・(1)
次に、ミリ波レーダ等のレーダから先行車と実際の車間距離及び先行車との相対速度を求め(B10)、求めた実車間距離と目標車間距離とから車間距離偏差を求める(B14)。なお、車間距離偏差は下式(2)により求める。
車間距離偏差[m]=実車間距離[m]−目標車間距離[m]・・・(2)
また、公知の降坂路判定ロジックを用いて、車両が降坂路を走行しているのか、非降坂路を走行しているのかを判定し(B15)、この判定結果に基づいて、降坂路用マップ又は非降坂路マップを選択する(B16)。そして、選択されたマップに対して相対速度と車間距離偏差とをパラメータとして入力し、補助ブレーキの作動を制御する(B17)。
図7は補助ブレーキ作動マップの一例であって、図示するように、このマップには補助ブレーキの作動オンの領域と作動オフの領域とが設けられるとともに、これらの間にヒステリシス領域が設けられている。そして、相対速度と車間距離偏差とが作動オンの領域にあれば補助ブレーキを作動させて車速を低下させる。また、相対速度と車間距離偏差とが作動オフの領域にあれば補助ブレーキをオフとする。また、ヒステリシス領域にある場合には直近の作動状態を維持する。つまり、ヒステリシス領域であれば、前回の制御周期における作動状態と同じ作動状態とする。
以上のように、オートクルーズ走行時において先行車との距離が近づくと、相対速度と車間距離偏差に応じて補助ブレーキが作動して車速の低下が図られる。
なお、下記特許文献1には、オートクルーズ制御中にアクセル踏み込み等により車速偏差が生じた場合に、急激な制動力が発生するのを防止して、ドライバに違和感を与えないようにしたオートクルーズ装置が開示されている。
特開平8−282329号公報
しかしながら、図6を用いて説明した従来の技術では、車間距離偏差を用いて補助ブレーキのオンオフを制御しているため、同一相対速度であっても自車速が異なると、目標車間距離に対する補助ブレーキ作動タイミングが変化し、ドライバに違和感を与えるという課題がある。
これを図8(a)〜(c)を用いて説明すると、図8(a)は自車速が異なる場合の補助ブレーキ作動タイミングについてシミュレートした図であって、先行車との相対速度が16[km/h]、補助ブレーキが作動を開始する車間距離偏差が30[m](図7の点a参照)であって、車間時間は3.2[s]として計算している。
さて、図8(a)に示すように、相対速度が16[km/h]のとき、自車速が60[km/h]であると、式(1)より目標車間距離は53.3[m]となる。
以下、同様に、
自車速が70[km/h]のとき目標車間距離は62.2[m]、
自車速が80[km/h]のとき目標車間距離は71.1[m]、
自車速が90[km/h]のとき目標車間距離は80.0[m]となる。
ここで、車間距離偏差30[m]で補助ブレーキが作動するので、自車速が60[km/h]の場合は、先行車に対して53.3+30=83.3[m]でブレーキオンとなる。つまり、車速60[km/h]で走行中に、先行車に対して相対速度16[km/h]で近づくと、先行車に対して83.3[m]手前で補助ブレーキが作動開始することになる〔図8(b)参照〕。
同様に、自車速が70[km/h]の場合は、62.2+30=92.2[m]で補助ブレーキの作動がオンとなる。
また、自車速が80[km/h]の場合は、図8(c)に示すように、71.1+30=101.1[m]で補助ブレーキの作動がオンとなる。
また、自車速が90[km/h]の場合は、80.0+30=110.0[m]、で補助ブレーキの作動がオンとなる。
この場合、自車速80[km/h]のときの補助ブレーキ作動タイミングがドライバのフィーリング評価として最適であったと仮定した場合、「目標車間距離」に対する「補助ブレーキが作動開始する車間距離偏差」の比(以下これを「偏差率」という)を考慮すると、他の車速では補助ブレーキの作動タイミングが異なることになり、これに起因してドライバが違和感を覚えることになる。
具体的には、自車速80[km/h]のとき偏差率は、
偏差率=補助ブレーキが作動開始する車間距離偏差/目標車間距離
=30/71.1=42.2[%]となる。
同様に各車速での偏差率を求めると、図8(a)に記載したように、自車速60[km/h]のときは偏差率56.3[%]、70[km/h]のときは偏差率48.2[%]、90[km/h]のときは偏差率37.5[%]となる。
ここで、自車速80[km/h]のときの偏差率42.2[%]を補助ブレーキ作動タイミングの基準にすると、上述のように自車速60[km/h]のときは偏差率56.3[%]であるため、自車速80[km/h]のときに対して偏差率が−14.1[%]ほどずれていることになる。したがって、ドライバ、この分だけ作動タイミングが早く感じることになる。
同様に、自車速70[km/h]のときは偏差率48.2[%]であるため、自車速80[km/h]のときの偏差率42.2[%]に対して、−6.0[%]ほどずれているためやはり、やや早く感じることになる。
一方、自車速90[km/h]のときは偏差率37.5[%]であるため、自車速80[km/h]のときの偏差率42.2[%]に対して、+4.7[%]ほどずれているため作動タイミングが遅く感じることになる。
このように、従来の技術では、先行車との相対速度と車間距離偏差とをパラメータとして補助ブレーキの作動タイミングを決定しているため、自車速が異なると目標車間距離に対する補助ブレーキの作動タイミングが異なり、ドライバは違和感を覚えるという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、常に適切なタイミングで補助ブレーキを作動させるようにした、オートクルーズ装置を提供することを目的とする。
このため、本発明のオートクルーズ装置は、先行車との車間距離を保持しながら走行可能な車間距離保持機能を備えたオートクルーズ装置であって、該先行車に対する目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、該先行車との実際の車間距離を求める実車間距離検出手段と、該目標車間距離算出手段で算出された該目標車間距離と該実車間距離検出手段で検出された該実車間距離との偏差を求める車間距離偏差算出手段と、該目標車間距離算出手段で算出された該目標車間距離と該車間距離偏差算出手段で算出された該車間距離偏差との比としての車間距離偏差率を求める車間距離偏差率算出手段と、少なくとも該車間距離偏差率算出手段で算出された該車間距離偏差率に基づいて該車両の制動装置を制御する制動装置制御手段とを有することを特徴としている(請求項1)。
また、該制動装置は、排気ブレーキ,圧縮開放式排気ブレーキ及びリターダのうち少なくとも1つを有して構成される補助ブレーキをそなえるとともに、該制動装置制御手段は、該補助ブレーキの作動状態を制御するのが好ましい(請求項2)。
また、該制動装置制御手段は、該車間距離偏差率に加えて該先行車との相対速度をパラメータとして該補助ブレーキの作動状態を決定するのが好ましい(請求項3)。
また、該補助ブレーキが、複数段階で制動力の大きさを変更可能に構成され、制動装置制御手段は、該車間距離偏差率と該先行車との相対速度とをパラメータとして該補助ブレーキの作動状態を制御するとともに該補助ブレーキの制動力の大きさを決定するのが好ましい(請求項4)。
本発明のオートクルーズ装置によれば、常に最適なタイミングで制動装置を作動させることができ、これにより作動フィーリングが向上し、ドライバが違和感を覚えるような事態を回避することができるという利点がある(請求項1)。
また、制動装置として補助ブレーキの作動を制御することにより、制動時に過大な制動力が作用することなく、適切な制動力で車両の速度を低減することができる(請求項2)。
また、車間距離偏差率と相対速度とに基づいて補助ブレーキの作動状態を決定するので、従来の装置に対するロジックの変更箇所及び追加箇所がほとんどなく、コスト増を招くこともない(請求項3)。
また、複数段の制動力から適切な制動力を設定することができるので、先行車との車間距離保持精度が向上する(請求項4)。
以下、図面により、本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置について説明すると、図1はその要部構成を示す模式的なブロック図である。
さて、本発明が適用される車両1には、先行車との車間距離を保持しながら走行可能な車間距離保持機能付きオートクルーズ装置2が搭載されている。このオートクルーズ装置2は、先行車が存在しない或いは検知されていない状況では、ドライバがアクセルペダルから足を離しても一定車速を保持して走行する通常のクルーズコントロールとして機能し、また、前方に車両を検知すると、予め設定された車間時間(先行車がある地点を通過してから自車が当該地点に到達するまでの時間)となるように先行車に追従して走行するような機能を有している。
ここで、図1に示すように、オートクルーズ装置2はその作動を制御するための制御手段としてのオートクルーズECU4を有している。また、このオートクルーズECU4には、自車両の車速(自車速)を検出する車速センサ(車速検出手段)14、オートクルーズ用のメインスイッチ(図示省略)、車間時間を調整又は設定する車間時間調整スイッチ16、先行車を検出するためのミリ波レーダ(実車間距離検出手段)18、オートクルーズを解除するキャンセルスイッチ(図示省略)等が接続されている。なお、車間時間調整スイッチ16は、メインスイッチやキャンセルスイッチと同様に運転席近傍(例えばステアリングコラムやステアリングホイール)に設けられたスイッチであって、例えばL(Long),M(Medium),S(Short)の3段階から設定可能に構成されている。
また、これ以外にも、オートクルーズECU4には図示しない種々のセンサが接続されており、スロットル開度,アクセル開度,変速段,エンジン回転数,ブレーキ操作の有無等種々の情報が入力されるようになっている。
そして、オートクルーズECU4では、基本的にはメインスイッチがオンになると、そのときの走行車速を目標車速Vtとして設定し、実車速Vと目標車速Vtとの偏差が0となるようにスロットルアクチュエータ20に制御信号を出力して、スロットル開度をフィードバック制御するようになっている。
次に、本装置の要部について説明すると、本装置では、オートクルーズ走行時にミリ波レーダ18により先行車が検出されると、目標速度Vtを超えない範囲で車間時間調整スイッチ16で設定された車間時間となるように車速が制御されて先行車に追従して走行するようになっている。
また、この車両1にはいずれも公知の排気ブレーキ6,圧縮開放式エンジンブレーキ8及びリターダ10が設けられており、これらのデバイス6,8,10により補助ブレーキ12が構成されている。ここで、補助ブレーキ12は、車両1のサービスブレーキ及びパーキングブレーキとともに車両1の制動装置を構成するものであって、通常の運転時にはそれぞれの作動スイッチをオンにしておくと、アクセルオフにより作動するようになっている。
なお、排気ブレーキ6は排気経路中に設けられた弁を閉じることによりエンジンの回転を妨げて強いエンジンブレーキ力を得る制動装置である。また、圧縮開放式エンジンブレーキ8は、燃料噴射を中止してエンジンの圧縮行程の上死点近傍で排気弁を開いて圧縮空気を逃がし、その直後に排気弁を閉じて膨張行程に移行するように構成され、このような構成により圧縮行程及び膨張行程において連続してピストンに抵抗が作用することによりエンジンブレーキ力を得るようにした制動装置である。またリターダ10は、クランクシャフト又はプロペラシャフトに仕事をさせてエネルギを消費し、これにより制動力を得るようにした制動装置である。
そして、オートクルーズ走行時おいては、先行車に対して近づきすぎると、オートクルーズECU4からの制御信号に基づいて上記補助ブレーキ12の作動が制御され、これにより、オートクルーズ走行時における車速の低減が図られるようになっている。
ここで、リターダ8はその制動力が2段階に変更可能に構成されており、補助ブレーキ12全体としては、排気ブレーキ6,圧縮開放式エンジンブレーキ8及びリターダ10の作動のオンオフを適宜組み合わせることにより4段階に制動力の大きさを変更することが可能に構成されている。すなわち、図2に示すように、制動力の弱い順に、
1.排気ブレーキのみオン
2.排気ブレーキと圧縮開放式エンジンブレーキの両方をオン
3.排気ブレーキと圧縮開放式エンジンブレーキの両方をオン且つリターダ1段目オン
4.排気ブレーキと圧縮開放式エンジンブレーキの両方をオン且つリターダ2段目オン
の4段階の制動力設定が可能に構成されている。なお、以下ではこのような作動段階を作動レベルとも言う。
また、オートクルーズECU4には、これらの補助ブレーキ12を作動させるための作動制御マップ(制動装置制御手段)22を有している。この作動制御マップ22は、車両1が降坂路走行中か否かの判定結果に基づいて、降坂路用マップ群22a又は非降坂路用マップ群22bのいずれかを選択し、後述する車間距離偏差率及び相対速度を選択されたマップ群に適用することで、補助ブレーキ12の作動タイミング及び作動レベルが決定されるようになっている。
以下、このようなオートクルーズ装置2の具体的な制御内容について説明すると、図1に示すように、オートクルーズECU4には上述した作動制御マップ22以外にも、降坂路判定部24,目標車間距離算出部(目標車間距離算出手段)26,車間距離偏差算出部(車間距離偏差算出手段)28及び車間距離偏差率算出部(車間距離偏差率算出手段)30が設けられている。
このうち目標車間距離算出部26は車速センサ14で得られる自車速V[km/s]と車間時間調整スイッチ16で設定された車間時間sとから目標車間距離do[m]を求めるものであって、下式(3)により目標車間距離doが算出されるようになっている。
do=V×s/3.6・・・・(3)
また、車間距離偏差算出部28では、上記目標車間距離算出部26で算出された目標車間距離doとミリ波レーダ18で計測された先行車との実車間距離dとから下式(4)によりその偏差Δdを算出するようになっている。
Δd=d−do・・・・(4)
ところで、従来は上記偏差Δdとミリ波レーダ18で計測された先行車との相対速度Vrとをパラメータとして作動制御マップ22に適用することにより補助ブレーキ12の作動を制御していた(図7参照)が、このような制御では補助ブレーキ12の作動タイミングに違和感が生じるという課題があった。
そこで、本願発明者らが検討したところ、この違和感は、相対速度が同じであれば、自車速が異なっても目標車間距離doに対して一定の車間距離偏差Δdだけ手前で制動を開始することに起因するものであることが判明した。つまり、補助ブレーキ12の作動開始タイミングとしては、高車速領域においては、目標車間距離に対して一定の車間距離偏差Δdでは遅すぎると感じ、低車速領域においては、車間距離偏差Δdでは早すぎると感じることがわかった。
なお、目標車間距離doは自車速を考慮して決定され、車速が高くなるほど大きく設定される。したがって、このような違和感まで考慮しなくても安全性や制動特性としては何ら問題はなかった。
しかしながら、実際にドライバが運転して評価試験を実施すると、自車速が高く目標車間距離doが大きいときは、補助ブレーキ12の作動タイミングがより早い方が自然なフィーリングとなることが判明した。
したがって、自然なフィーリングを得るには補助ブレーキ12が作動する車間距離偏差Δdを一定とするのではなく、可変化するのが好ましい。そこで、種々の検討を実施した結果、本願発明者らは目標車間距離doに対する車間距離偏差Δdの占める割合(以下、車間距離偏差率という)を用いて補助ブレーキの作動開始タイミングを決定するのが有効であるという知見を得た。
すなわち、相対速度が同一で自車速が異なる場合に、上記車間距離偏差率が所定値になったタイミングで補助ブレーキ12を作動させることにより、違和感なく適切なタイミングで補助ブレーキ12を作動させることができることが判明した。
そこで、本実施形態では車間距離偏差率算出部30を設け、この車間距離偏差率算出部30で算出された車間距離偏差率に基づいて補助ブレーキ12の作動を制御するようにしているのである。
このため、車間距離偏差率算出部30では、上記車間距離偏差算出部28で算出された偏差Δdと目標車間距離算出部26で算出された目標車間距離doとから、下式(5)により車間距離偏差率drを算出するようになっている。
dr=(Δd/do)×100・・・・(5)
そして、このようにして得られた車間距離偏差率drとミリ波レーダ18からの検出情報に基づいて得られる相対速度Vrとが作動制御マップ22のパラメータとして入力されるようになっている。
ところで、降坂路判定部24は、車両1が現在走行している道路が降坂路か又は非降坂路(平坦路及び登坂路)かを判定する判定部であって、公知のロジックにより構築されている。この降坂路判定部24の詳細な説明は省略するが、降坂路判定部24ではオートクルーズ走行時におけるエンジン回転数、車速、加速度、スロットル開度、変速段等の情報に基づいて車両の走行路が降坂路か否かを判定するようになっている。
そして、作動制御マップ22では、降坂路判定部24の判定結果と、車間距離偏差率算出部30で算出された車間距離偏差率drと、ミリ波レーダ18から得られる相対速度Vrとに基づいて、補助ブレーキ12の作動を制御するようになっている。
ここで、作動制御マップ22では、降坂路判定部24での判定結果に基づいて、降坂路用マップ群22a又は非降坂路用マップ群22bのいずれかが選択されるようになっている。なお、降坂路では車速が上昇しやすく、また同じ減速度を発生させるためには降坂路では平坦路や登坂路よりも大きな制動力が必要となるので、降坂路用マップ群22aでは非降坂路用マップ22bよりも相対速度が比較的低くても制動力が発生するように設定されている。
そして、降坂路用マップ群22a又は非降坂路用マップ群22bのいずれかが選択されると、選択されたマップ群22a又は22bに対して車間距離偏差率dr及び相対速度Vrを適用することで、補助ブレーキ12の作動タイミング及び作動レベルが決定されるようになっている。
なお、降坂路用マップ群22aと非降坂路用マップ群22bとでは各マップに記憶された特性が異なるのみであるので、以下では、降坂路用マップ群22aを例にして説明する。図3は降坂路用マップ群22aを説明する図であって、図示するようにこの降坂路用マップ群22aは、補助ブレーキの作動レベル1〜4にそれぞれ対応した第1〜第4マップ32,34,36,38を備えて構成されている。また、各マップ32〜38には、それぞれ作動レベル毎に車間距離偏差率drと相対速度Vrとで規定される作動オン領域,作動オフ領域及びヒステリシス領域が記憶されている。
そして、算出された車間距離偏差率drと相対速度Vrとを4枚のマップ全てに当てはめ、その結果、第1マップ32のみ作動オン領域であれば、作動レベル1となるように補助ブレーキ12の作動が制御されるようになっている。なお、作動レベル1の場合には排気ブレーキ6のみオンとなる(図2参照)。
また、第1及び第2マップ32,34において作動オン領域となると、作動レベル2となるように補助ブレーキ12の作動が制御されるようになっている。この場合は排気ブレーキ6と圧縮開放式エンジンブレーキ8の両方がオンとなる。
また、第1〜第3マップ32〜36で作動オン領域となると、作動レベル3となるように補助ブレーキ12の作動が制御されるようになっている。この場合は排気ブレーキ6と圧縮開放式エンジンブレーキ8とリターダの1段目がオンとなる。
そして、第1〜第4マップ32〜38のいずれもが作動オン領域であると、作動レベル4となるように、排気ブレーキ6と圧縮開放式エンジンブレーキ8とリターダの2段目がオンとなる。
なお、車間距離偏差率drと相対速度Vrとを各マップに適用したときに、例えば第1マップ32及び第3マップ36では作動オン領域となり、第2マップ34及び第4マップ38では作動オフ領域となったりしないように、或いは作動レベルの低い方のマップで作動オフ領域となり、作動レベルの高い方のマップで作動オン領域となったりしないように、予め各マップの特性がチューニングされている。
本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置は上述のように構成されているので、その作用について図4に示すフローを用いて説明すると以下のようになる。
まず、オートクルーズ走行時における先行車との設定車間時間sと自車の車速Vとを取り込み(B1,B2)、これらの設定車間時間s及び自車速Vから先行車に対する目標車間距離doを上述の式(3)を用いて求める(B3)。次に、ミリ波レーダ18からの情報に基づいて実車間距離dを取り込み(B0)、式(4)から偏差Δdを算出する(B4)。
そして、式(5)より車間距離偏差Δdと目標車間距離doとから車間距離偏差率drを算出する(B5)。
また、公知の降坂路判定ロジックを用いて、車両が降坂路を走行しているのか、非降坂路を走行しているのかを判定する(B6)。そして、各マップに対して相対速度と車間距離偏差率とをパラメータとして入力し、補助ブレーキ12の作動オンオフ及び作動段数を決定し(B7)、この結果を出力して補助ブレーキ12の作動を制御する(B8)。
次に、本装置の作用及び効果について図5(a)〜(c)を用いて具体的に説明すると、図5(a)はオートクルーズ走行時において、自車速が異なる場合の補助ブレーキ作動タイミングについてシミュレートした図である。
なお、ここでは、先行車との相対速度は16[km/h]、補助ブレーキ12が作動を開始する車間距離偏差率は42.2%(図3の点b参照)、車間時間は3.2[s]である。また、補助ブレーキ12が作動を開始する車間距離偏差率を42.2%としたのは、図8を用いて説明した従来の制御のうち、最適な作動タイミングと評価されたときの車間距離偏差率を用いたからである。
また、ここでは説明を簡略化するため、作動制御マップ22には、第1マップ32のみ設けられたものとして補助ブレーキ12の作動レベルについてはここでは無視するものとする。
さて、図5(a)に示すように、相対速度が16[km/h]、自車速が60[km/h]であると、式(3)より目標車間距離doは53.3[m]となる。
以下、同様に、
自車速が70[km/h]のとき目標車間距離doは62.2[m]、
自車速が80[km/h]のとき目標車間距離doは71.1[m]、
自車速が90[km/h]のとき目標車間距離doは80.0[m]となる。
ここで、補助ブレーキ12が作動を開始するのは車間距離偏差率42.2[%]以下になったときである。したがって、自車速が60[km/h]の場合は、目標車間距離に対する偏差率が42.2[%]となる車間距離偏差は22.5[m]となり、先行車に対して53.3+22.5=75.8[m]手前で補助ブレーキ12がオンとなる〔図5(b)参照〕。
同様に、自車速が70[km/h]の場合は、62.2+26.2=88.8[m]で補助ブレーキの作動がオンとなる。
また、自車速が80[km/h]の場合は、図5(c)に示すように、71.1+30=101.1[m]で補助ブレーキの作動がオンとなる。
また、自車速が90[km/h]の場合は、80.0+33.8=113.8[m]で補助ブレーキの作動がオンとなる。
この場合、自車速に関わらず、「目標車間距離」に対する「補助ブレーキが作動開始する車間距離偏差」の比、即ち「車間距離偏差率」を一定としているため、ドライバにとって、補助ブレーキ12の作動タイミングが一定になり、違和感のない補助ブレーキ12の作動タイミングとすることができる。
このため、オートクルーズ走行時においては、常に適切な作動タイミングで補助ブレーキ12を作動させることができるようになり、補助ブレーキ12の作動フィーリングが向上する。
また、従来のオートクルーズに対して、図4のB5に相当する制御ロジックを追加するとともに、制御マップを車間距離偏差率と相対速度とをパラメータとする制御マップに変更するだけで本装置を実現することができるので、コスト増が生じることもないという利点がある。
また、制動装置として補助ブレーキ12の作動を制御するので、制動時に過大な制動力が作用することなく、適切な制動力で車両の速度を低減することができる。特に、本実施形態では、補助ブレーキ12が複数段の作動レベル(制動力)を変更可能に構成されているので、複数段の作動レベルの中からさらに適切な制動力を設定することができ、先行車との車間距離精度の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本装置はこのような実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば上述で用いた数値は単なる一例に過ぎず、適宜変更可能である。また、本実施形態では、先行車に対して近づくと補助ブレーキ12を作動させて減速するように構成されているが、車両に制動力を与える手段については何ら限定されるものではない。つまり、補助ブレーキ12に代えてサービスブレーキを作動させて車速を低減してもよいし、補助ブレーキ12とサービスブレーキとの両方を作動させても良い。また、変速段を変更してエンジンブレーキを付与するように構成しても良い。なお、この場合には変速機が制動装置の機能の一部を有することになる。また、本実施形態においては、補助ブレーキ12を段階的に作動させるように構成されているが、単にオンオフ制御を実行するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置の要部構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置に適用される補助ブレーキの作動レベルについて説明する図である。 本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置の作用について説明する図である。 本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置の作用について説明するフローである。 本発明の一実施形態に係るオートクルーズ装置の作用及び効果について説明する図である。 従来の技術について説明する図である。 従来の技術について説明する図である。 従来技術の課題について説明する図である。
符号の説明
1 車両
2 オートクルーズ装置
4 オートクルーズECU
6 補助ブレーキを構成する排気ブレーキ
8 補助ブレーキを構成するリターダ
10 補助ブレーキを構成する圧縮開放式エンジンブレーキ
12 制動装置としての補助ブレーキ装置
18 ミリ波レーダ(実車間距離検出手段)
22 作動制御マップ(制動装置制御手段)
26 目標車間距離算出部(目標車間距離算出手段)
28 車間距離偏差算出部(車間距離偏差算出手段)
30 車間距離偏差率算出部(車間距離偏差率算出手段)

Claims (4)

  1. 先行車との車間距離を保持しながら走行可能な車間距離保持機能を備えたオートクルーズ装置であって、
    該先行車に対する目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、
    該先行車との実際の車間距離を求める実車間距離検出手段と、
    該目標車間距離算出手段で算出された該目標車間距離と該実車間距離検出手段で検出された該実車間距離との偏差を求める車間距離偏差算出手段と、
    該目標車間距離算出手段で算出された該目標車間距離と該車間距離偏差算出手段で算出された該車間距離偏差との比としての車間距離偏差率を求める車間距離偏差率算出手段と、
    少なくとも該車間距離偏差率算出手段で算出された該車間距離偏差率に基づいて該車両の制動装置を制御する制動装置制御手段とを有する
    ことを特徴とする、オートクルーズ装置。
  2. 該制動装置は、排気ブレーキ,圧縮開放式排気ブレーキ及びリターダのうち少なくとも1つを有して構成される補助ブレーキをそなえるとともに、該制動装置制御手段は、該補助ブレーキの作動状態を制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載のオートクルーズ装置。
  3. 該制動装置制御手段は、該車間距離偏差率に加えて該先行車との相対速度をパラメータとして該補助ブレーキの作動状態を決定する
    ことを特徴とする、請求項2記載のオートクルーズ装置。
  4. 該補助ブレーキが、複数段階で制動力の大きさを変更可能に構成され、
    制動装置制御手段は、該車間距離偏差率と該先行車との相対速度とをパラメータとして該補助ブレーキの作動状態を制御するとともに該補助ブレーキの制動力の大きさを決定する
    ことを特徴とする、請求項2記載のオートクルーズ装置。
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